JP3913279B2 - カチオン化還元水飴組成物を含有する化粧料組成物 - Google Patents

カチオン化還元水飴組成物を含有する化粧料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ある特定のカチオン化還元水飴混合物を含有する化粧料組成物に関し、特に毛髪や皮膚に適用するのに適した化粧料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、毛髪等を洗浄するいわゆるシャンプーには、洗髪剤だけではなく、毛髪の仕上がり効果を向上させるために種々の物質が添加されるようになってきている。即ち、毛髪に自然な艶,柔軟性,しなやかさ等を付与するために、水溶性カチオン化ポリマーが添加されるようになってきている(特公昭47−20635号公報)。カチオン化ポリマーとしては、人体に対する無害性や毛髪や皮膚に対する親和性の要求から、天然物の誘導体が使用される傾向にある。例えば、加水分解蛋白質,ラノリン,脂質,ビタミン類,セルロース,グアーガム,澱粉等の誘導体の使用が試みられている。
【0003】
具体的には、ヒドロキシエチルセルロースにカチオン化剤を反応させて得られるヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、或いはグアーガムにカチオン化剤を反応させて得られるグアーガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等の使用が試みられているが、未だ十分な改善には到っていない。即ち、このようなカチオン化ポリマーを添加したシャンプーを使用した場合、カチオン化ポリマーが添加されていないシャンプーを使用した場合に比べて、毛髪に自然な艶,柔軟性,しなやかさが付与されるものの、洗髪後の毛髪乾燥時に、不快なべたつきが生じるということがあった。また、カチオン化ポリマーと洗髪剤である界面活性剤とがコンプレックスを生成して固化し、乾燥時に毛髪が部分的にごわつくということもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、本発明者等は、カチオン化ポリマーと界面活性剤とのコンプレックス生成による固化について検討し、カチオン化ポリマーが高分子量であるため、固化が著しいと考え、低分子量化したカチオン化澱粉を使用することを提案している(特開平7−17826号公報、特開平7−17827号公報)。この結果、従来の欠点であった、毛髪乾燥時のべたつきや毛髪のごわつきを低減させることができた。そして、本発明者等は、澱粉を更に低分子量化させたデキストリンを用いてカチオン化ポリマー(低分子量化しているので、カチオン化ポリマーというよりもカチオン化オリゴマーと呼ぶ方が正確である。)を得ることを試みた。
【0005】
しかしながら、この試みは成功しなかった。即ち、デキストリンを使用してカチオン化剤を反応させて、カチオン化デキストリンを得ると、生成物が褐色に変色し、シャンプーの添加剤として用いることはできなかった。即ち、シャンプーの色が褐色になり、商業的に販売できるようなものではなかった。また、澱粉をカチオン化剤でカチオン化した後、低分子量化してカチオン化デキストリンを得ることも試みたが、この場合は、生成直後は変色しないが、長時間経過すると徐々に褐色に着色してゆくものであった。従って、このようなカチオン化デキストリンもまた、経時的変色のため、シャンプー等の添加剤として、商業的に販売できるものではなかった。
【0006】
そこで、本発明者等は、澱粉を酸又は酵素で加水分解した澱粉部分加水分解物(主としてブドウ糖,マルトース,デキストリン及び水から成る)に含まれる還元糖(糖分子のアルデヒド基又はケト基が遊離又はヘミアセタール型で存在する単糖及びオリゴ糖)を、水素添加等により還元して得られる還元水飴、又はこの還元水飴をヒドロキシアルキル化したヒドロキシアルキル還元水飴に、カチオン化剤を反応させてカチオン化させたところ、生成したカチオン化還元水飴混合物は褐色に変色しにくく、また経時的にも褐色に変色しにくいものであった。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、還元節飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴を、一般式(I):
【化9】
Figure 0003913279
(式中、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表す。)
又は一般式(II):
【化10】
Figure 0003913279
(式中、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表し、Yはハロゲン原子を表す。)
で示されるカチオン化剤と反応させて得られたカチオン化還元水飴混合物を含有する化粧料組成物に関するものである。
【0008】
まず、本発明で使用するカチオン化還元水飴混合物について説明する。このカチオン化還元水飴混合物は、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴に、特定のカチオン化剤を反応させて得られるものである。還元水飴は、前記したとおり、澱粉を酸又は酵素で加水分解した澱粉部分加水分解物(主としてブドウ糖,マルトース,デキストリン及び水から成る)に含まれる還元糖(糖分子のアルデヒド基又はケト基が遊離又はヘミアセタール型で存在する単糖及びオリゴ糖)を、水素添加等により還元して得られるものである。従って、その組成としては、一般的に単糖アルコール(ソルビット)及び二糖アルコールを主体とするもので、四糖以上のアルコールの含有量が90重量%以下のものである。例えば、単糖アルコールが0〜100重量%の任意の量であり、二糖アルコールが0〜100重量%の任意の量であり、三糖アルコールが0〜40重量%の任意の量であり、四糖以上のアルコールが90重量%以下の任意の量であって、合計が100重量%となるような組成のものが還元水飴と呼ばれるものである。従って、還元水飴は、種々の少糖類アルコールの混合物であると言え、この還元水飴をカチオン化したものも混合物となる。このため、本発明では、還元水飴又はヒドロキシアルキル還元水飴に特定のカチオン化剤を反応させて得られたものを、カチオン化還元水飴混合物と呼んでいるのである。
【0009】
還元水飴とデキストリンとの決定的な相違は、還元糖の持っているアルデヒド基又はケト基(ケトン基)を持っているか否かである。即ち、還元水飴は、このアルデヒド基又はケト基が還元されてアルコールになっているものであり、デキストリンはアルデヒド基又はケト基をそのまま持っているものである。また、相対的な相違としては、還元水飴の方がデキストリンよりも糖鎖長の平均が短いことである。しかし、この相違は決定的な相違ではなく、比較的糖鎖長の平均が長いものであっても、アルデヒド基又はケト基が還元されているものは還元水飴と呼ばれることもあるし、また比較的糖鎖長の平均が短くてもアルデヒド基又はケト基を持っているとデキストリンと呼ばれることもある。
【0010】
本発明においては、還元水飴をそのまま使用することもあるし、また還元水飴をヒドロキシアルキル化したヒドロキシアルキル化還元水飴を使用することもある。ヒドロキシアルキル化還元水飴は、上記した還元水飴に、1,2−アルキレンオキシド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンを反応させて得られるものである。1,2−アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等を使用するのが好ましい。1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンとしては、エチレンクロルヒドリン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロパン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシブタン等を使用するのが好ましい。1,2−アルキレンオキシド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンは、還元水飴の水酸基から水素原子を引き抜いて、エーテル結合によって還元水飴と結合するものである。例えば、還元水飴中のソルビット等の糖アルコールの主として6位,2位又は3位の炭素に結合している水酸基から水素原子を引き抜いて、酸素原子と1,2−アルキレンオキシド又は1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンの1位の炭素原子とが結合すると考えられる。エチレンオキシドとソルビットを用いて得られるヒドロキシアルキル化ソルビットの、反応構造式の一例を示せば、次のとおりである。
【化11】
Figure 0003913279
【0011】
ヒドロキシアルキル化還元水飴のMS値は、0.05〜1.8であるのが好ましく、特に0.2〜1.0であるのがより好ましい。ここで、MS値とは、還元水飴の無水グルコース単位当りに結合した(付加した)ヒドロキシアルキル基のモル数のことを意味している。例えば、上記化11に示したヒドロキシアルキル化ソルビットは、無水グルコース単位当り1モルのヒドロキシアルキル基が結合しており、MS値は1である。現実には、還元水飴の無水グルコース単位当りには、ヒドロキシアルキル基が1個又は2個以上結合したものや、ヒドロキシアルキル基が結合していないものが混在しており、MS値はこれらの平均値として示される。MS値の測定方法は、ヒドロキシアルキル化還元水飴がヒドロキシプロピル化還元水飴の場合は、「医薬品添加物規格 1993」(厚生省業務局審査課監修、薬事日報社発行)の第255〜256頁に記載されたヒドロキシプロピルスターチ定量法(ガスクロ法)に準拠して行われる。また、ヒドロキシアルキル化還元水飴がヒドロキシエチル化還元水飴の場合は、「生物化学実験法19 澱粉・関連糖質実験法」(中村道徳・貝沼圭二編、1986年10月10日初版、学会出版センター発行)の第294〜297頁に記載された(i)ヒドロキシアルキル澱粉のb)モル置換率の測定方法に準拠して行われる。また、ヒドロキシアルキル化還元水飴として、ヒドロキシプロピル化還元水飴及びヒドロキシエチル還元水飴以外のものの場合にも、これらの記載に準拠して行われる。
【0012】
以上のようにして準備した還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴に、カチオン化剤を反応させる。使用するカチオン化剤としては、下記一般式(I)で示される2,3−エポキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩(グリシジルトリアルキルアンモニウム塩)、又は下記一般式(II)で表される3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリアルキルアンモニウム塩が単独で又は混合して用いられる。
【化12】
Figure 0003913279
(式中、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表す。)
【化13】
Figure 0003913279
(式中、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表し、Yはハロゲン原子を表す。)
【0013】
一般式(I)及び一般式(II)の式中におけるR1,R2,R3は、鎖状若しくは分枝状のアルキル基であってもよく、また不飽和炭化水素基(アルケニル基等)や芳香族基(フェニル基等)等であってもよい。一般的には、R1,R2,R3はアルキル基であるのが好ましく、特にR1及びR3が炭素数1〜3のアルキル基であってR2が炭素数1〜18のアルキル基であるのが最も好ましい。また、一般式(I)及び一般式(II)の式中におけるXは、陰イオンとなりうるものであれば無機性のものであっても有機性のものであってもよく、一般的にハロゲンイオンであるのが好ましく、塩素イオン(Cl-)であるのが最も好ましい。なお、一般的(II)中のYは、ハロゲン原子であって、一般的に塩素原子であるのが好ましい。
【0014】
一般式(I)で示される化合物のうち、本発明において好適に使用しうるものを例示すれば、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリエチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリプロピルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルデシルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルラウリルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルミリスチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルパルミチルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等を用いることができる。
【0015】
一般式(II)で示される化合物のうち、本発明において好適に使用しうるものを例示すれば、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリメチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリエチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリプロピルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルオクチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルラウリルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルミリスチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルパルミチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルドデシルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等を用いることができる。
【0016】
還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴と、一般式(I)又は(II)で示されるカチオン化剤との反応は、水及びアルカリ性物質の存在下で行われる。即ち、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴に、カチオン化剤,水及びアルカリ性物質を添加して反応を進行させる。カチオン化剤,水及びアルカリ性物質の添加順序は任意である。また、反応温度は40〜80℃程度が好ましい。還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴とカチオン化剤との反応は、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の主として6位,2位又は3位の炭素に結合している水酸基から水素原子を引き抜いて、エーテル結合によってカチオン化剤の3位の炭素が結合すると考えられる。従って、得られるカチオン化還元水飴混合物は、一般的に下記一般式(III)の如き構造式を持つものを含有しているのである。
【化14】
Figure 0003913279
(式中、Gは還元水飴残基又はヒドロキシアルキル化還元水飴残基を表し、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表す。)
【0017】
上記の説明からも明らかなように、Gは還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の、主として6位,2位又は3位の炭素原子に結合している水酸基から水素原子を引き抜いたものであり、これを還元水飴残基又はヒドロキシアルキル化還元水飴残基と称している。還元水飴としてソルビットを使用した場合におけるカチオン化ソルビットの構造式の一例を示せば、化15のとおりである。
【化15】
Figure 0003913279
【0018】
還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴に対するカチオン化剤の使用量は、任意である。一般的に言えば、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴のモル数(種々の糖鎖長のものの混合物であるから平均モル数という意味である。)に対して、1モル比以上のカチオン化剤を使用すると、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の分子に対して、1個以上のカチオン化剤が結合したものが共存することになる。また、1モル比未満のカチオン化剤を使用すると、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴に対して、カチオン化剤が結合していないものと1個以上のカチオン化剤が結合しているものとが共存することになる。本発明においては、上記したいずれの場合であってもよいが、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の一分子に、1個のカチオン化剤が結合しているカチオン化還元水飴を含有させる程度に、カチオン化剤の使用量を抑制することが好ましい。何故なら、カチオン化剤の使用量を多くすると、全ての還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の分子に、2個以上のカチオン化剤が結合してしまうが、本発明の目的とする性能(例えば経時的な変色防止)の更なる向上は望めず、カチオン化剤が無駄になってしまうからである。
【0019】
以上の説明からも明らかなように、本発明においてカチオン化還元水飴と言うときは、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の一分子に、1個のカチオン化剤が結合しているものを指している。また、カチオン化還元水飴混合物というときは、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の一分子に1個のカチオン化剤が結合しているカチオン化還元水飴を含有し、その他、カチオン化剤が結合されていない還元水飴若しくはヒドロキシアルキル化還元水飴を含有していたり、又はカチオン化剤が還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の一分子に、2個以上結合しているものをも含有しているものを指している。
【0020】
カチオン化還元水飴混合物の窒素含有率は、0.2〜3.5重量%であるのが好ましい。窒素含有率が0.2重量%未満の場合には、カチオン化の程度が低すぎて、人の毛髪或いは羊毛や綿繊維等へのイオン吸着性が低下する恐れがある。また、窒素含有率が3.5重量%を超えても、更なるイオン吸着性の向上や更なる性能の向上が望めず、性能的に飽和状態になる。この窒素含有率は、カチオン化還元水飴混合物の重量中に占める、窒素原子の重量の割合である。例えば、化15に示したカチオン化ソルビット(但し、R1,R2,R3はメチル基とし、Xは塩素原子とする。)の窒素含有率は、4.2重量%である。従って、還元水飴として単糖アルコールであるソルビット100%を使用した場合には、カチオン化剤はソルビットのモル数に対して、1モル比未満を使用して、カチオン化還元水飴混合物を製造するのが好ましいことが分かる。即ち、カチオン化ソルビット混合物は、ソルビットの一分子に対してカチオン化剤が一個結合しているものと、ソルビットにカチオン化剤が結合していないものとを主体とする混合物であるのが好ましいのである。なお、窒素含有率の測定方法は、「第十二改正日本薬局方」(財団法人日本公定書協会・第一法規出版株式会社発行)の第43〜44頁に記載された窒素定量法(セミミクロケルダール法)に基づいて行われる。
【0021】
還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴とカチオン化剤とを反応させる際に使用する水の量は、反応触媒であるアルカリ性物質等を溶解するのに必要な量で良い。具体的には、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の重量と同程度の重量の水を存在させるのが良い。還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴は、純粋な形態ではなく、水溶液の形態で販売されていることが多く、一般的に70重量%程度の濃度になっている。従って、水溶液形態の還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴を利用する場合には、濃度が50重量%程度になるように、水を添加するのが好ましい。水の量が多すぎると、副反応である水とカチオン化剤との反応が進行する恐れがあり、カチオン化剤の有効利用量が低下する恐れがある。
【0022】
反応触媒であるアルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、エチレンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチルアミン,モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等の有機アミン等を用いることができる。また、アンモニア,テトラメチルアンモニウムヒドロキシド,テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等も用いることができる。このうち、本発明において使用するのに最も好ましいアルカリ性物質は、水酸化ナトリウムである。
【0023】
アルカリ性物質の添加量は、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して、0.001〜1.0モルであるのが好ましい。アルカリ性物質の量が0.001モル以下であると、反応触媒としての効果が不十分になる。また、アルカリ性物質の量が1.0モルを超えると、副反応が進行したり、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴に解重合が生じる恐れがある。
【0024】
還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴とカチオン化剤との反応が終了した後、使用した触媒であるアルカリ性物質を鉱酸或いは有機酸等により中和する。中和後の反応液を、カチオン化還元水飴混合物の非溶媒である、アセトン,メタノール,プロパノール,ブタノール,テトラヒドロフラン,ジオキサン等の溶媒又はこれらの混合溶媒と混合することにより、カチオン化還元水飴混合物を晶出・回収する。しかる後に、水中において再溶解し、更に再晶出といった工程を数回繰り返した後に乾燥させることにより、一般的にカチオン化還元水飴を含有する精製されたカチオン化還元水飴混合物を得ることができる。
【0025】
また、カチオン化還元水飴混合物の精製方法として、中和後の反応液を電気透析膜を通す方法も採用することができる。即ち、未反応のカチオン化剤,還元水飴若しくはヒドロキシアルキル化還元水飴に結合しなかったカチオン化剤のジヒドロキシ化物,又は中和塩等を電気透析膜に通過させ、カチオン化還元水飴混合物は電気透析膜を通過させないようにして、一般的にカチオン化還元水飴を含有する精製されたカチオン化還元水飴混合物を得ることもできる。
【0026】
本発明に係る組成物は、上記の方法で得られたカチオン化還元水飴混合物を含有するものである。また、カチオン化還元水飴混合物中には、還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴の一分子に、一個のカチオン化剤が結合しているカチオン化還元水飴を主体として含有することが好ましいので、このようなカチオン化還元水飴と水とを含有する組成物であってもよい。この組成物は、還元水飴水溶液又はヒドロキシアルキル化還元水飴水溶液に、カチオン化剤を添加して反応させ、水溶液状態のカチオン化還元水飴混合物を生成させることによって、容易に製造することができる。更に、このような方法以外の方法を使用して、本発明に係る組成物を製造してもよい。この組成物を、他の種々の成分に添加することによって、種々のタイプの化粧料として用いることができる。化粧料のタイプとしては、ローション,シャンプー,ヘアリンス,ヘアトリートメント,ヘアトニック,ヘアセット剤等の洗髪若しくは整髪料、ヘアクリーム,パーマネント剤等の頭髪化粧料、毛染め剤,化粧水,乳液,クリームパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション,口紅,アイシャドウ等のメーキャップ化粧料、ボディシャンプー,クレンジングフォーム,シェービングフォーム,石鹸等の洗浄料、皮膚保護用クレーム,芳香化粧料,サンスクリーン剤等を挙げることができる。
【0027】
また、このような種々のタイプの化粧料に用いられる場合、本発明に係る組成物が添加される種々の成分としては、ヤシ油,オリーブ油,ヒマシ油,カルナウバロウ,キャンデリラロウ,ラノリン,ミツロウ,スクワラン,トリグリセリド類,高級脂肪酸,流動パラフィン,固形パラフィン,ミクロクリスタリンワックス,ワセリン,セレシン,油脂エステル類,ポリアルキレングリコール,シリコーンオイル等の油性原料、高級脂肪酸石鹸,高級アルコール硫酸エステル塩若しくはスルホン酸塩,高級アルコールリン酸エステル等のアニオン界面活性剤、第四級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤、ベタイン構造型のイミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレン型若しくは多価アルコール型等のノニオン界面活性剤、各種ガム類,アルギン酸塩,セルロース誘導体,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸塩,カルボキシメチルビニルポリマー,ポリエチレンオキサイド,ベントナイト等の増粘剤、グリセリン,プロピレングリコール,ソルビトール,ブチレングリコール,乳酸塩,2−ピロリドン−5−カルボン酸塩,ヒアルロン酸,デルマタン硫酸,コラーゲン等の保湿剤、タルク,カオリン,二酸化チタン,マイカ,微粉末シリカ,軽質炭酸カルシウム,重質炭酸カルシウム,微結晶セルロース,ナイロン微粒子等の粉末、ビタミン類,ホルモン,抗ヒスタミン剤,アミノ酸類,酵素剤等の薬剤、紫外線吸収剤、キレート剤、酸化防止剤、色素、香料、抗菌剤、防腐剤等が挙げられる。
【0028】
本発明において、化粧料の剤型は任意であり、溶液系,可溶化系,乳化系,粉末分散系,水−油二層系,水−油−粉末三層系等のどのような剤型であってもかまわない。即ち、水を含有しない固形状の化粧料であってもかまわないし、また水を含有する水系化粧料であってもかまわない。また、本発明に係る組成物は、化粧料としてだけではなく、羊毛や綿等の繊維処理剤(風合改良処理剤,洗濯糊等)、乳化剤、乳化助剤等の種々の用途に使用しうるものである。
【0029】
【実施例】
以下、製造例1〜4で得られたカチオン化還元水飴混合物を、化粧料に使用した場合の例を実施例1a〜22eに挙げた。また、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物について、刺激性や毒性について試験した例を試験例1〜4として挙げた。
製造例1
まず、還元水飴として、サンエイ糖化株式会社製の「ダイヤトール」を準備した。この「ダイヤトール」は、単糖アルコール(ソルビット)10重量%以下、二糖アルコール50〜56重量%、三糖アルコール15〜25重量%、四糖以上の糖アルコール20〜25重量%の糖アルコール組成を持つものであり、濃度70重量%の水溶液形態のものである。この還元水飴水溶液200gに、濃度15重量%の水酸化ナトリウム水溶液20g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.09モル)を添加し、次に濃度80重量%のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液80g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.5モル)を加え、加温し50℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸で中和した後、電気透析を行った。電気透析は、旭化成工業株式会社製のマイクロ・アシライザーG3で、分直分子量300のカートリッジAC−220−40を使用した。得られた水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物の濃度は55.0重量%であり、窒素含有率は3.0重量%であった。
【0030】
製造例2
まず、還元水飴として、サンエイ糖化株式会社製の「マルチメイト」(登録商標)を準備した。この「マルチメイト」(登録商標)は、単糖アルコール(ソルビット)5重量%以下、二糖アルコール75重量%以上、三糖アルコール15重量%以下、四糖以上の糖アルコール10重量%以下の糖アルコール組成を持つものであり、濃度70重量%の水溶液形態のものである。この還元水飴水溶液200gに、濃度15重量%の水酸化ナトリウム水溶液20g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.09モル)を添加し、次に濃度80重量%のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液60g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.37モル)を加え、加温し50℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸で中和した後、大量のアセトンで沈澱させ、この沈澱物を水に溶解させ、更にメタノールで晶出させて精製させて、カチオン化還元水飴混合物を得た。精製品は、水に溶解させ、60重量%濃度の水溶液に調整した。なお、カチオン化還元水飴混合物の窒素含有率は、2.2重量%であった。
【0031】
製造例3
まず、還元水飴として、サンエイ糖化株式会社製の「ダイヤトールN」を準備した。この「ダイヤトール」は、単糖アルコール(ソルビット)42〜48重量%以下、二糖アルコール27〜33重量%、三糖アルコール10〜15重量%、四糖以上の糖アルコール10〜15重量%の糖アルコール組成を持つものであり、濃度70重量%の水溶液形態のものである。この還元水飴水溶液200gに、濃度15重量%の水酸化ナトリウム水溶液26g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.11モル)を添加し、更にプロピレンオキシド27g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.55モル)を加え、ヒドロキシアルキル化還元水飴水溶液を得た。次に濃度80重量%のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液65g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.4モル)を加え、加温し50℃で8時間、耐圧反応器内で反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸で中和した後、電気透析を行った。電気透析は、製造例1と同様の方法で行った。得られた水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物の濃度は58.9重量%であり、プロピレンオキシドのMS値0.3であり、窒素含有率は2.4重量%であった。
【0032】
製造例4
まず、還元水飴として、サンエイ糖化株式会社製の「ダイヤトールLH」を準備した。この「ダイヤトール」は、単糖アルコール(ソルビット)10重量%以下、二糖アルコール10〜20重量%、三糖アルコール10〜20重量%、四糖以上の糖アルコール60〜70重量%の糖アルコール組成を持つものであり、濃度70重量%の水溶液形態のものである。この還元水飴水溶液200gに、濃度15重量%の水酸化ナトリウム水溶液26g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.11モル)を添加し、更にエチレンオキシド30g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.80モル)を加え、加温し50℃で7時間、耐圧反応器内で反応させ、ヒドロキシアルキル化還元水飴水溶液を得た。次に濃度80重量%のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液65g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.4モル)を加え、加温し50℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸で中和した後、製造例2と同様の方法で精製した。得られた水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物の濃度は53.5重量%であり、エチレンオキシドのMS値は0.4であり、窒素含有率は2.4重量%であった。
【0033】
製造例5
まず、還元水飴として、サンエイ糖化株式会社製のソルビット水溶液(濃度70重量%)を準備した。このソルビット水溶液200gに、濃度15重量%の水酸化ナトリウム水溶液20g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.09モル)を添加し、次に、濃度41重量%の3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−ジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド水溶液30g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.03モル)、及び濃度80重量%のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液40g(還元水飴の無水グルコース単位の1モルに対して0.25モル)を加え、加温し50℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸で中和した後、製造例2と同様の方法で精製して、カチオン化還元水飴混合物を得た。精製品は、水に溶解させ、60重量%濃度の水溶液に調整した。なお、カチオン化還元水飴混合物の窒素含有率は、1.5重量%であった。
【0034】
実施例1a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のシャンプーを調整した。
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム 15.0重量部
イミダゾリン型両性界面活性剤 1.5重量部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.5重量部
安息香酸ナトリウム 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.2重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 3.0重量部
水 75.3重量部
香料及び色素 適量
このシャンプーは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、洗髪中においては、豊かな泡立ち、滑らかさ及び指通りの良さを与え、更にすすぎ後においても指通り及び櫛通りは滑らかで、ブローがしやすいものであった。また、乾燥後においても、指通り及び櫛通りは滑らかで、べたつきやごわつきが感じられなかった。
【0035】
実施例1b,1c,1d及び1e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例1aと同様のシャンプーを得た(実施例1b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例1c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例1d)、製造例5で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例1e)を得た。これらのシャンプーは、いずれも実施例1aに係るシャンプーと同様の性能を持つものであった。
【0036】
実施例2a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のシャンプーを調整した。
アルキル硫酸トリエタノールアミン塩 17.0重量部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0重量部
カチオン化セルロース 0.5重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 3.0重量部
メチルパラベン 0.5重量部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.2重量部
水 76.8重量部
香料及び色素 適量
このシャンプーは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、洗髪中においては、豊かな泡立ち、滑らかさ及び指通りの良さを与え、更にすすぎ後においても指通り及び櫛通りは滑らかで、乾燥後においては、べたつきやごわつきが感じられず、更にさっぱりとした風合に仕上がった。
【0037】
実施例2b,2c,2d及び2e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例2aと同様のシャンプーを得た(実施例2b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例2c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例2d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例2e)を得た。これらのシャンプーは、いずれも実施例2aに係るシャンプーと同様の性能を持つものであった。
【0038】
実施例3a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のシャンプーを調整した。
ココイルメチルタウリンナトリウム 8.0重量部
イミダゾリミウムベタイン 10.0重量部
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.5重量部
ジメチルポリシロキサン 6.0重量部
セチル−2−エチル−ヘキサノエート 1.0重量部
ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド) 0.1重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 3.0重量部
水 71.4重量部
防腐剤及び香料 適量
このシャンプーは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、洗髪中及びすすぎ時においては、滑らかな指通りを与え、乾燥後においても、指通り及び櫛通りは滑らかで、べたつきやごわつきが感じられず、さらさらした感じに仕上がった。
【0039】
実施例3b,3c,3d及び3e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例3aと同様のシャンプーを得た(実施例3b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例3c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したシャンプー(実施例3d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したシャンプーを得た。これらのシャンプーは、いずれも実施例3aに係るシャンプーと同様の性能を持つものであった。
【0040】
実施例4a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のリンスを調整した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0重量部
水溶性ラノリン 1.0重量部
カチオン化グアーガム 0.5重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 4.0重量部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1重量部
水 79.4重量部
防腐剤,香料,着色剤 適量
このリンスは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、すすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においては、良好なつやを与え、しっとりとした感触を与えるものであった。
【0041】
実施例4b,4c,4d及び4e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例4aと同様のリンスを得た(実施例4b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したリンス(実施例4c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したリンス(実施例4d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したリンス(実施例4e)を得た。これらのリンスは、いずれも実施例4aに係るリンスと同様の性能を持つものであった。
【0042】
実施例5a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のリンスを調整した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 5.0重量部
セチルアルコール 3.0重量部
プロピレングリコール 6.0重量部
ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0重量部
グリセリン 4.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 4.0重量部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1重量部
水 76.9重量部
防腐剤,香料,着色剤 適量
このリンスは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、すすぎ時において、滑らかな指通りを与え、乾燥後においては、良好なつやを与え、しっとりとした感触を与えるものであった。
【0043】
実施例5b,5c,5d及び5e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例5aと同様のリンスを得た(実施例5b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したリンス(実施例5c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したリンス(実施例5d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したリンス(実施例5e)を得た。これらのリンスは、いずれも実施例5aに係るリンスと同様の性能を持つものであった。
【0044】
実施例6a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のヘアセット剤(ヘアムース)を調整した。
オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0重量部
ジメチルポリシロキサン 2.0重量部
グリセリン 1.0重量部
ポリエチレン(120)硬化ヒマシ油エステル 2.0重量部
両性樹脂 3.0重量部
エタノール 10.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 4.0重量部
n−ブタン 7.0重量部
水 61.0重量部
香料 適量
このヘアセット剤は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、これを使用した場合、毛髪に良好なつやを与え、ベタツキ感も少なくと、しっとりとした感触を与えるものであった。
【0045】
実施例6b,6c,6d及び6e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例6aと同様のヘアセット剤を得た(実施例6b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したヘアセット剤(実施例6c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したヘアセット剤(実施例6d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したヘアセット剤(実施例6e)を得た。これらのヘアセット剤は、いずれも実施例6aに係るヘアセット剤と同様の性能を持つものであった。
【0046】
実施例7a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の整髪料を調整した。
流動パラフィン 15.0重量部
ラノリンアルコール 2.0重量部
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 8.0重量部
水 72.0重量部
この整髪料は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、これを使用した場合、毛髪は良好に整髪されると同時に柔軟で良好な感触を与えるものであった。
【0047】
実施例7b,7c,7d及び7e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例7aと同様の整髪料を得た(実施例7b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した整髪料(実施例7c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した整髪料(実施例7d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した整髪料(実施例7e)を得た。これらの整髪料は、いずれも実施例7aに係る整髪料と同様の性能を持つものであった。
【0048】
実施例8a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の整髪料を調整した。
イソプロピルアルコール 25.0重量部
キトサン 0.5重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 5.0重量部
10%蟻酸 0.4重量部
香油 0.2重量部
水 68.9重量部
この整髪料は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、これを使用した場合、毛髪は良好に整髪されると同時に柔軟で良好な感触を与えるものであった。
【0049】
実施例8b,8c,8d及び8e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例8aと同様の整髪料を得た(実施例8b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した整髪料(実施例8c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した整髪料(実施例8d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した整髪料(実施例8e)を得た。これらの整髪料は、いずれも実施例8aに係る整髪料と同様の性能を持つものであった。
【0050】
実施例9a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の酸性染毛料を調整した。
ベンジルアルコール 10.0重量部
イソプロピルアルコール 16.0重量部
クエン酸 2.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 3.0重量部
ナフトールブルーブラック 0.3重量部
オレンジIII 0.1重量部
アリズロールパール 0.2重量部
カルボキシメチルセルロース 0.4重量部
水 68.0重量部
この酸性染毛料は、長期間放置しておいても、変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、これの使用時においては、櫛通りが滑らかであり、またすすぎ及び乾燥後はさっぱりとした風合を与えるものであった。また、損傷した毛髪に対する保護効果も良好であり、染毛効果も良好であった。
【0051】
実施例9b,9c,9d及び9e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例9aと同様の酸性染毛料を得た(実施例9b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した酸性染毛料(実施例9c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した酸性染毛料(実施例9d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した酸性染毛料(実施例9e)を得た。これらの酸性染毛料は、いずれも実施例9aに係る酸性染毛料と同様の性能を持つものであった。
【0052】
実施例10a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の酸化染毛料を調整した。
Figure 0003913279
この酸化染毛料のうち、[1剤]は長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この酸化染毛料の使用時においては、櫛通りが滑らかであり、またすすぎ及び乾燥後はさっぱりとした風合を与えるものであった。また、損傷した毛髪に対する保護効果も良好であり、染毛効果も良好であった。
【0053】
実施例10b,10c,10d及び10e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例10aと同様の酸化染毛料を得た(実施例10b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した酸化染毛料(実施例10c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した酸化染毛料(実施例10d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した酸化染毛料(実施例10e)を得た。これらの酸化染毛料は、いずれも実施例10aに係る酸化染毛料と同様の性能を持つものであった。
【0054】
実施例11a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の毛髪用パーマネント加工剤を調整した。
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 1.5重量部
チオグリコール酸 10.0重量部
25%アンモニア 8.0重量部
炭酸水素アンモニウム 6.1重量部
水 74.4重量部
このパーマネント加工剤は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、このパーマネント加工剤を、タオルで水分をぬぐい去り、カーラーに巻き上げた毛髪に均一に塗布した後、約20分間作用させ、その後水で洗い流し、公知の方法で酸化処理した。毛髪は良好にパーマネント加工されると同時に、自然で柔軟な感触が得られた。
【0055】
実施例11b,11c,11d及び11e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例11aと同様のパーマネント加工剤を得た(実施例11b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したパーマネント加工剤(実施例11c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したパーマネント加工剤(実施例11d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したパーマネント加工剤(実施例11e)を得た。これらのパーマネント加工剤は、いずれも実施例11aに係るパーマネント加工剤と同様の性能を持つものであった。
【0056】
実施例12a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の調色整髪料を調整した。
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 3.0重量部
乳酸 1.0重量部
セチルトリメチルアンモニウムクロリド50%水溶液 0.1重量部
アシッド・ブラウンIV 0.1重量部
水 95.8重量部
この調色整髪料は、長期間放置しておいても、変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この調色整髪料20mlを、洗浄後タオルで水分をぬぐい去った毛髪に付与して乾燥させる。これによって、毛髪は赤味褐色に染色されると共に良好にセットされた。
【0057】
実施例12b,12c,12d及び12e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例12aと同様の調色整髪料を得た(実施例12b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した調色整髪料(実施例12c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した調色整髪料(実施例12d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した調色整髪料(実施例12e)を得た。これらの調色整髪料は、いずれも実施例12aに係る調色整髪料と同様の性能を持つものであった。
【0058】
実施例13a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の調色整髪料を調整した。
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 2.0重量部
1,4−ジ(β−ヒドロキシエチルアミノ)−2−ニトロ−5−クロルベン
ゼン 0.2重量部
エチルアルコール 25.0重量部
水 72.8重量部
この調色整髪料は、長期間放置しておいても、変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この調色整髪料20mlを、洗浄後タオルで水分をぬぐい去った毛髪に付与して乾燥させる。これによって、毛髪は赤味紫色に染色されると共に良好にセットされた。
【0059】
実施例13b,13c,13d及び13e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例13aと同様の調色整髪料を得た(実施例13b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した調色整髪料(実施例13c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した調色整髪料(実施例13d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した調色整髪料(実施例13e)を得た。これらの調色整髪料は、いずれも実施例13aに係る調色整髪料と同様の性能を持つものであった。
【0060】
実施例14a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の毛髪保護剤を調整した。
Figure 0003913279
この毛髪保護剤は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この調色整髪料35mlを、洗浄した毛髪上に塗布し、約5分間の作用時間を置いた後、水で洗い流す。これによって、良好な感触、つや及びブラッシング性を有する毛髪が得られた。
【0061】
実施例14b,14c,14d及び14e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例14aと同様の毛髪保護剤を得た(実施例14b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した毛髪保護剤(実施例14c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した毛髪保護剤(実施例14d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した毛髪保護剤(実施例14e)を得た。これらの毛髪保護剤は、いずれも実施例14aに係る毛髪保護剤と同様の性能を持つものであった。
【0062】
実施例15a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の毛髪保護剤を調整した。
Figure 0003913279
この毛髪保護剤は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この調色整髪料35mlを、洗浄した毛髪上に塗布し、約5分間の作用時間を置いた後、水で洗い流す。これによって、良好な感触、つや及びブラッシング性を有する毛髪が得られた。
【0063】
実施例15b,15c,15d及び15e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例15aと同様の毛髪保護剤を得た(実施例15b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した毛髪保護剤(実施例15c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した毛髪保護剤(実施例15d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した毛髪保護剤(実施例15e)を得た。これらの毛髪保護剤は、いずれも実施例15aに係る毛髪保護剤と同様の性能を持つものであった。
【0064】
実施例16a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の乳液を調整した。
流動パラフィン 50.0重量部
ミツロウ 10.0重量部
水 32.0重量部
セチルアルコール 3.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 5.0重量部
香料及び防腐剤 適量
この乳液は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この乳液は使用時の伸びが良く、使用後もベタツキ感が少なく、またしっとりとした感触を与えるものであった。
【0065】
実施例16b,16c,16d及び16e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例16aと同様の乳液を得た(実施例16b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した乳液(実施例16c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した乳液(実施例16d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した乳液(実施例16e)を得た。これらの乳液は、いずれも実施例16aに係る乳液と同様の性能を持つものであった。
【0066】
実施例17a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のセットローションを調整した。
Figure 0003913279
このセットローションは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。更に、このセットローションはエタノール含有水溶液であるにも拘らず、沈澱やゲル化等を起こさず、透明感及び清澄感を長期感に亙って維持するものであった。また、このセットローションは使用時の伸びに優れ、使用後もしっとりとした感触を与えるものであった。
【0067】
実施例17b,17c,17d及び17e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例17aと同様のセットローションを得た(実施例17b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したセットローション(実施例17c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したセットローション(実施例17d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したセットローション(実施例17e)を得た。これらのセットローションは、いずれも実施例17aに係るセットローションと同様の性能を持つものであった。
【0068】
実施例18a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の皮膚用クリームを調整した。
ステアリルアルコール 3.0重量部
羊毛ロウアルコール 1.0重量部
ワセリン 1.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 1.5重量部
10%乳酸 0.8重量部
ナトリウムセチルステアリル硫酸エステル 1.0重量部
水 91.7重量部
この皮膚用クリームは、長期間放置しておいても、変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この皮膚用クリームは使用時の伸びに優れ、使用後もベタツキ感が少なく、しっとりとした感触を与えるものであった。
【0069】
実施例18b,18c,18d及び18e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例18aと同様の皮膚用クリームを得た(実施例18b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した皮膚用クリーム(実施例18c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した皮膚用クリーム(実施例18d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した皮膚用クリーム(実施例18e)を得た。これらの皮膚用クリームは、いずれも実施例18aに係る皮膚用クリームと同様の性能を持つものであった。
【0070】
実施例19a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のクレンジングクリームを調整した。
Figure 0003913279
このクレンジングクリームは、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、このクレンジングクリームは使用時の伸びが良く、使用後もベタツキ感が少なく、しっとりとした滑らかな感触を与えるものであった。
【0071】
実施例19b,19c,19d及び19e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例19aと同様のクレンジングクリームを得た(実施例19b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したクレンジングクリーム(実施例19c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したクレンジングクリーム(実施例19d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したクレンジングクリーム(実施例19e)を得た。これらのクレンジングクリームは、いずれも実施例19aに係るクレンジングクリームと同様の性能を持つものであった。
【0072】
実施例20a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のファンデーションを調整した。
ステアリン酸 3.0重量部
流動パラフィン 25.0重量部
トリエタノールアミン 1.5重量部
プロピレングリコール 10.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 10.0重量部
酸化チタン 6.0重量部
ベントナイト 10.0重量部
水 34.5重量部
顔料(酸化鉄) 適量
香料及び防腐剤 適量
このファンデーションは、長期間放置しておいても、変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、このファンデーションは使用時の伸びが良好であった。
【0073】
実施例20b,20c,20d及び20e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例20aと同様のファンデーションを得た(実施例20b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したファンデーション(実施例20c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したファンデーション(実施例20d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したファンデーション(実施例20e)を得た。これらのファンデーションは、いずれも実施例20aに係るファンデーションと同様の性能を持つものであった。
【0074】
実施例21a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合のパック剤を調整した。
ポリビニルアルコール 20.0重量部
グリセリン 4.0重量部
エチルアルコール 6.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 12.0重量部
水 58.0重量部
香料及び防腐剤 適量
このパック剤は、長期間放置しておいても、褐色に変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、このパック剤は使用時の伸びが良く、使用感に優れたものであった。
【0075】
実施例21b,21c,21d及び21e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例21aと同様のパック剤を得た(実施例21b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したパック剤(実施例21c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用したパック剤(実施例21d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用したパック剤(実施例21e)を得た。これらのパック剤は、いずれも実施例21aに係るパック剤と同様の性能を持つものであった。
【0076】
実施例22a
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物を用い、下記配合の口紅を調整した。
ミツロウ 30.0重量部
ヒマシ油 44.0重量部
ラノリン 5.0重量部
硬化油 3.0重量部
レーキ 7.0重量部
流動パラフィン 4.0重量部
色素 2.0重量部
カチオン化還元水飴混合物(製造例1) 5.0重量部
顔料及び色素 適量
この口紅は、長期間放置しておいても、変色しにくく、経日安定性に優れたものであった。また、この口紅は使用時の伸びが良く、保湿性に優れ、しっとりとした感触を与えるものであった。
【0077】
実施例22b,22c,22d及び22e
製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例2で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した他は、実施例22aと同様の口紅を得た(実施例22b)。同様に、製造例1で得られたカチオン化還元水飴混合物に代えて、製造例3で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した口紅(実施例22c)、製造例4で得られたカチオン化還元水飴混合物を使用した口紅(実施例22d)、及び製造例5で得られたカチオン還元水飴混合物を使用した口紅(実施例22e)を得た。これらの口紅は、いずれも実施例22aに係る口紅と同様の性能を持つものであった。
【0086】
試験例1
製造例1で合成した水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物を用い、ニュージーランドホワイト種ウサギの皮膚に対する刺激性を評価するための試験を行った。6匹のウサギの非擦過皮膚に被験物質(カチオン化還元水飴混合物水溶液)を4時間、半閉塞条件下で貼付したところ、皮膚刺激性の徴候は認められなかった。被験物質の皮膚一次刺激指数は0.0であった。従って、被験物質はDraizeによる分類表に従って、ウサギの皮膚に対しては「非刺激性物質」として分類された。腐食作用は認められなかった。
【0087】
試験例2
製造例1で合成した水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物を用い、ニュージーランドホワイト種ウサギの眼に対する刺激性を評価するための試験を行った。被験物質(カチオン化還元水飴混合物水溶液)を6匹の各ウサギの眼に1回投与し、洗浄しなかったところ、一過性の軽微の結膜の発赤が認められた。その他の眼に対する影響は認められなかった。ウサギの眼に対する刺激性の評価は、最大平均評点が0.7で、修正Kay and Calandra分類表によるとウサギの眼に対して「事実上非刺激性物質(スケール1から8のうち2)」として分類された。また、陽性の作用は認められなかった。
【0088】
試験例3
製造例1で合成した水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物を用い、白色モルモットにおける皮膚感作性をAdjuvant 1 Patch接触感作法で評価するための試験を実施した。本試験は、佐藤(1981)が開発した方法に従って行った。本試験のために試験動物10匹及び対照動物10匹を使用した。予備の刺激性試験の結果に基づいて、局所感作相及び局所誘発相を下記の通りに選定した。

局所感作:供給されたままの未希釈液
局所誘発:供給されたままの未希釈液及び蒸留水中75容積%(v/v)
反応結果は下記表2の通りであった。
【表2】
Figure 0003913279
以上の結果より、被験物質は本試験条件下でモルモットの皮膚に対して感作性はないと考えられた。
【0089】
試験例4
製造例1で合成した水溶液形態のカチオン化還元水飴混合物を用い、ヒトの皮膚に対する24時間のクローズドパッチテストを以下に示す試験方法で行った結果、ヒトの皮膚に対しての一次刺激性は全く認められなかった。
[試験方法]
貼付片(鳥居薬品株式会社製)に供試品(カチオン化還元水飴混合物水溶液)0.03gを塗布した後、男女モニター40名の上腕内側部に、これを24時間貼付する。貼付片を除去して30〜60分経過後に肉眼判定を行い、本邦判定基準にて判定する。また、陽性、半陽性の検体があれば、再度24時間後に肉眼判定を行い、本邦判定基準にて再度判定する。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る化粧料組成物、即ちカチオン化還元水飴混合物を含有する化粧料組成物、或いはカチオン化還元水飴と水とを含有する水系化粧料組成物は、経時的に変色しにくく、好適なものである。
【0091】
また、本発明に係る化粧料組成物中に含有されているカチオン化還元水飴等は、還元水飴又はヒドロキシアルキル還元水飴から誘導されるものであって、比較的に分子量の低いものである。従って、この組成物を毛髪に適用した場合には、従来公知のカチオン化ポリマー等の場合と比較して、毛髪の損傷部分(キューティクル)の内部にまで良好にカチオン化還元水飴等が浸透し、損傷部分が修復されるという予期しない効果を発揮するものであった(実施例9a〜10e)。

Claims (4)

  1. 還元水飴又はヒドロキシアルキル化還元水飴を、一般式(I):
    Figure 0003913279
    (式中、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表す。)
    又は一般式(II):
    Figure 0003913279
    (式中、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表し、Yはハロゲン原子を表す。)
    で示されるカチオン化剤と反応させて得られたカチオン化還元水飴混合物を含有する化粧料組成物。
  2. 一般式(III ):
    Figure 0003913279
    (式中、Gは還元水飴残基又はヒドロキシアルキル化還元水飴残基を表し、R1,R2,R3は炭化水素基を表し、X-は無機性陰イオン又は有機性陰イオンを表す。)
    で示されるカチオン化還元水飴と、水とを含有する水系化粧料組成物。
  3. 請求項記載のカチオン化還元水飴と、他の任意成分とを含有する化粧料組成物。
  4. 請求項記載のカチオン化還元水飴と、水と、他の任意成分とを含有する水系化粧料組成物。
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