JP2967437B2 - 積層圧電素子磁器組成物 - Google Patents
積層圧電素子磁器組成物Info
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- JP2967437B2 JP2967437B2 JP3177296A JP17729691A JP2967437B2 JP 2967437 B2 JP2967437 B2 JP 2967437B2 JP 3177296 A JP3177296 A JP 3177296A JP 17729691 A JP17729691 A JP 17729691A JP 2967437 B2 JP2967437 B2 JP 2967437B2
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- laminated piezoelectric
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高調波を励振させる積
層圧電素子磁器組成物に関し、特に、高調波を利用した
セラミックフィルタ、セラミック発振子等に用いる積層
圧電素子磁器組成物に関するものである。
層圧電素子磁器組成物に関し、特に、高調波を利用した
セラミックフィルタ、セラミック発振子等に用いる積層
圧電素子磁器組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、積層構造により高調波を励振
させて、その高調波を利用した圧電素子に利用する圧電
素子磁器組成物においては、主に、モルフォトロピック
相境界近傍のＰｂＴｉＯ3 −ＰｂＺｒＯ3 の２成分系か
らなるＰＺＴに、ＭｎＯ2 ，Ｃｒ2 Ｏ3 等の添加物を加
えるか、もしくは、ＰｂＴｉＯ3 とＰｂＺｒＯ3 の比は
モルフォトロピック相境界近傍のままとし、ＭｎＯ2 ，
Ｎｂ2 Ｏ5 等を加え、Ｐｂ（Ｍｎ，Ｎｂ）Ｏ3 −ＰｂＴ
ｉＯ3 −ＰｂＺｒＯ3 等とすることにより圧電特性の改
善を計っている。このＰＺＴにおいては、モルフォトロ
ピック相境界近傍の組成が最も圧電性が大きく実効ポア
ソン比が大きい。現在、高周波の圧電フィルタや発振子
のほとんどが単板のエネルギー閉じ込め形であり、単板
でエネルギー閉じ込めができるためには実効ポアソン比
が１／３以上であることが必要であるため、どうしても
モルフォトロピック相境界近傍の圧電素子磁器組成物を
使用せざるを得なかった。
させて、その高調波を利用した圧電素子に利用する圧電
素子磁器組成物においては、主に、モルフォトロピック
相境界近傍のＰｂＴｉＯ3 −ＰｂＺｒＯ3 の２成分系か
らなるＰＺＴに、ＭｎＯ2 ，Ｃｒ2 Ｏ3 等の添加物を加
えるか、もしくは、ＰｂＴｉＯ3 とＰｂＺｒＯ3 の比は
モルフォトロピック相境界近傍のままとし、ＭｎＯ2 ，
Ｎｂ2 Ｏ5 等を加え、Ｐｂ（Ｍｎ，Ｎｂ）Ｏ3 −ＰｂＴ
ｉＯ3 −ＰｂＺｒＯ3 等とすることにより圧電特性の改
善を計っている。このＰＺＴにおいては、モルフォトロ
ピック相境界近傍の組成が最も圧電性が大きく実効ポア
ソン比が大きい。現在、高周波の圧電フィルタや発振子
のほとんどが単板のエネルギー閉じ込め形であり、単板
でエネルギー閉じ込めができるためには実効ポアソン比
が１／３以上であることが必要であるため、どうしても
モルフォトロピック相境界近傍の圧電素子磁器組成物を
使用せざるを得なかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
モルフォトロピック相境界近傍の圧電素子磁器組成物
は、温度特性や温度安定性、経時変化特性等が悪いとい
う問題があり、よって、これまでの高周波の圧電素子で
は温度特性や経時変化特性の良好なものを作製すること
ができなかった。
モルフォトロピック相境界近傍の圧電素子磁器組成物
は、温度特性や温度安定性、経時変化特性等が悪いとい
う問題があり、よって、これまでの高周波の圧電素子で
は温度特性や経時変化特性の良好なものを作製すること
ができなかった。
【０００４】本発明は、上記従来技術の実情に鑑みてな
されたもので、温度特性、経時変化特性を改善した積層
圧電素子磁器組成物を提供することを目的とする。
されたもので、温度特性、経時変化特性を改善した積層
圧電素子磁器組成物を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明に係る積層圧電素
子磁器組成物は、ＰｂＯ−ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の３成分
系の固溶体からなる積層圧電素子磁器組成物において、
該組成物を構成する上記個々の酸化物の比率（ｗｔ％）
がＰｂＯが６３．１７〜７２．４５、残部がＴｉＯ2 ，
ＺｒＯ2 で、且つ、ＴｉＯ2 ／ＺｒＯ2 が酸化物重量比
で０．８９〜１．２２であることを特徴とする。
子磁器組成物は、ＰｂＯ−ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の３成分
系の固溶体からなる積層圧電素子磁器組成物において、
該組成物を構成する上記個々の酸化物の比率（ｗｔ％）
がＰｂＯが６３．１７〜７２．４５、残部がＴｉＯ2 ，
ＺｒＯ2 で、且つ、ＴｉＯ2 ／ＺｒＯ2 が酸化物重量比
で０．８９〜１．２２であることを特徴とする。
【０００６】本願第２の発明に係る積層圧電素子磁器組
成物は、ＰｂＯ−ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の３成分系の固溶
体からなる積層圧電素子磁器組成物に、ＭｎＯ2 及びＮ
ｂ2 Ｏ5 を個々の酸化物組成重量比率で０〜５ｗｔ％
（ただし０は含まない）だけ加え、ＰｂＯ−ＭｎＯ2 −
Ｎｂ2 Ｏ5 −ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の５成分系の主成分か
らなる固溶体とし、該主成分に対し、副成分としてＣｒ
2 Ｏ3 を０〜０．３ｗｔ％（ただし０は含まない）含有
させたことを特徴とする。
成物は、ＰｂＯ−ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の３成分系の固溶
体からなる積層圧電素子磁器組成物に、ＭｎＯ2 及びＮ
ｂ2 Ｏ5 を個々の酸化物組成重量比率で０〜５ｗｔ％
（ただし０は含まない）だけ加え、ＰｂＯ−ＭｎＯ2 −
Ｎｂ2 Ｏ5 −ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の５成分系の主成分か
らなる固溶体とし、該主成分に対し、副成分としてＣｒ
2 Ｏ3 を０〜０．３ｗｔ％（ただし０は含まない）含有
させたことを特徴とする。
【０００７】本願第３の発明に係る積層圧電素子磁器組
成物は、ＰｂＯ−ＭｎＯ2 −Ｎｂ2 Ｏ5 −ＴｉＯ2 −Ｚ
ｒＯ2 の５成分系からなる主成分に、副成分としてＳｂ
2 Ｏ3 を酸化物組成重量比率で０〜２ｗｔ％（ただし０
は含まない）だけ含有させたことを特徴とする。
成物は、ＰｂＯ−ＭｎＯ2 −Ｎｂ2 Ｏ5 −ＴｉＯ2 −Ｚ
ｒＯ2 の５成分系からなる主成分に、副成分としてＳｂ
2 Ｏ3 を酸化物組成重量比率で０〜２ｗｔ％（ただし０
は含まない）だけ含有させたことを特徴とする。
【０００８】上記組成において、ＰｂＯを６３．１７〜
７２．４５ｗｔ％としたのは、６３．１７ｗｔ％未満で
は焼結性が低下する。また、７２．４５ｗｔ％を超えて
も、同様に焼結性が低下するからである。また、ＴｉＯ
2 とＺｒＯ2 の重量比が０．８９未満では、温度特性や
経時変化特性が悪く、また１．２２を超えると、所望の
温度特性や高い電気機械結合係数が得られない。また、
ＭｎＯ2 及びＮｂ2 Ｏ5 を加えて３成分系にすることに
より、より高い電気機械結合係数を得ることができる
が、各々が５ｗｔ％を超えると焼結性が低下する。ま
た、Ｃｒ2 Ｏ3 を添加することによって、焼結性や経時
変化特性が向上するが、０．３ｗｔ％を超えると逆に経
時変化特性が悪くなる。また、Ｓｂ2 Ｏ3 を添加するこ
とによって、温度特性や電気機械結合係数においての組
成ずれに対する安定性が向上するが、２ｗｔ％を超える
と焼結性が低下する。
７２．４５ｗｔ％としたのは、６３．１７ｗｔ％未満で
は焼結性が低下する。また、７２．４５ｗｔ％を超えて
も、同様に焼結性が低下するからである。また、ＴｉＯ
2 とＺｒＯ2 の重量比が０．８９未満では、温度特性や
経時変化特性が悪く、また１．２２を超えると、所望の
温度特性や高い電気機械結合係数が得られない。また、
ＭｎＯ2 及びＮｂ2 Ｏ5 を加えて３成分系にすることに
より、より高い電気機械結合係数を得ることができる
が、各々が５ｗｔ％を超えると焼結性が低下する。ま
た、Ｃｒ2 Ｏ3 を添加することによって、焼結性や経時
変化特性が向上するが、０．３ｗｔ％を超えると逆に経
時変化特性が悪くなる。また、Ｓｂ2 Ｏ3 を添加するこ
とによって、温度特性や電気機械結合係数においての組
成ずれに対する安定性が向上するが、２ｗｔ％を超える
と焼結性が低下する。
【０００９】
【作用】本発明に係る積層圧電素子磁器組成物を上記の
ように構成することにより積層構造とすると、実効ポア
ソン比が１／３以下の圧電材料において高調波を励振で
きる。また、モルフォトロピック相境界近傍から外れた
組成物とすると、温度特性、経時変化特性の良い組成と
なる。
ように構成することにより積層構造とすると、実効ポア
ソン比が１／３以下の圧電材料において高調波を励振で
きる。また、モルフォトロピック相境界近傍から外れた
組成物とすると、温度特性、経時変化特性の良い組成と
なる。
【００１０】
【実施例】次に、本発明を実施例に従って説明する。Ｐ
ｂＯ，ＴｉＯ2 ，ＺｒＯ2 ，ＭｎＯ2 ，Ｎｂ2 Ｏ5 ，Ｃ
ｒ2 Ｏ3 ，Ｓｂ2 Ｏ3 を、表１に示した各組成（ｗｔ
％）になるようにそれぞれ調合し、ＰＳＺをメディアと
して２時間湿式混合した。これを、９００℃で仮焼した
後、バインダー混合工程で原料に対して７．５ｗｔ％の
バインダーを分散させてセラミックグリーンシート（20
0 μｍ) を作製した。
ｂＯ，ＴｉＯ2 ，ＺｒＯ2 ，ＭｎＯ2 ，Ｎｂ2 Ｏ5 ，Ｃ
ｒ2 Ｏ3 ，Ｓｂ2 Ｏ3 を、表１に示した各組成（ｗｔ
％）になるようにそれぞれ調合し、ＰＳＺをメディアと
して２時間湿式混合した。これを、９００℃で仮焼した
後、バインダー混合工程で原料に対して７．５ｗｔ％の
バインダーを分散させてセラミックグリーンシート（20
0 μｍ) を作製した。
【００１１】以上のようにして得られたグリーンシート
１を８枚用意し、内の１枚について一方の主面に、図１
に示すように、中央に励振電極用導電ペーストを塗布し
て励振電極２を形成し、ペーストが塗布されたシート面
が中央となるように上下で８枚のシートを積層圧着し、
１２００℃で焼成した。焼成されたユニットを、ユニッ
ト内部の電極が厚み方向に中心からずれないように550
μｍにラップし、ユニットの両主面に、図２のように、
励振用外部電極３，４と引出し電極５，６を形成し、さ
らに、図３に示すように、分極処理を施して圧電素子７
を得た。以上のようにして得られた圧電素子７につい
て、厚さ方向の電気機械結合係数（Ｋｔ）、経時変化率
（％）、およびキュリー点における共振、***振周波数
の周波数温度特性（Ｆｒ−Ｔｃ、Ｆａ−Ｔｃ（ｐｐｍ／
℃））を測定し、その結果を表２に示した。なお、試料
Ｎｏ欄の＊は、本発明の範囲外の組成である。また、経
時変化率は、８０℃、１００ｈｒ放置後の共振周波数の
変化率（ΔＦｒ／Ｆｒ）で示す。上記の結果から、電気
機械結合係数（Ｋｔ）、経時変化率（％）、および周波
数温度特性（Ｆｒ−Ｔｃ、Ｆａ−Ｔｃ（ｐｐｍ／℃））
が優れた圧電素子を得ることができる。
１を８枚用意し、内の１枚について一方の主面に、図１
に示すように、中央に励振電極用導電ペーストを塗布し
て励振電極２を形成し、ペーストが塗布されたシート面
が中央となるように上下で８枚のシートを積層圧着し、
１２００℃で焼成した。焼成されたユニットを、ユニッ
ト内部の電極が厚み方向に中心からずれないように550
μｍにラップし、ユニットの両主面に、図２のように、
励振用外部電極３，４と引出し電極５，６を形成し、さ
らに、図３に示すように、分極処理を施して圧電素子７
を得た。以上のようにして得られた圧電素子７につい
て、厚さ方向の電気機械結合係数（Ｋｔ）、経時変化率
（％）、およびキュリー点における共振、***振周波数
の周波数温度特性（Ｆｒ−Ｔｃ、Ｆａ−Ｔｃ（ｐｐｍ／
℃））を測定し、その結果を表２に示した。なお、試料
Ｎｏ欄の＊は、本発明の範囲外の組成である。また、経
時変化率は、８０℃、１００ｈｒ放置後の共振周波数の
変化率（ΔＦｒ／Ｆｒ）で示す。上記の結果から、電気
機械結合係数（Ｋｔ）、経時変化率（％）、および周波
数温度特性（Ｆｒ−Ｔｃ、Ｆａ−Ｔｃ（ｐｐｍ／℃））
が優れた圧電素子を得ることができる。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【００１４】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、これま
で高周波のフィルタや発振子等における大きな問題であ
った温度特性や経時変化特性等について、積層構造によ
る高調波励振素子において温度特性や経時変化特性に優
れた、非常に信頼性の高い素子を得ることができ、製品
としての性能を著しく向上することができる。
で高周波のフィルタや発振子等における大きな問題であ
った温度特性や経時変化特性等について、積層構造によ
る高調波励振素子において温度特性や経時変化特性に優
れた、非常に信頼性の高い素子を得ることができ、製品
としての性能を著しく向上することができる。
【図１】本発明による圧電素子の内部電極の形状を説明
するための斜視図である。
するための斜視図である。
【図２】本発明による圧電素子の形状を説明するための
斜視図である。
斜視図である。
【図３】本発明による圧電素子の分極状態を説明するた
めの図２のＡ−Ａ線における断面図である。
めの図２のＡ−Ａ線における断面図である。
１ グリーンシート ２ 励振電極 ７ 圧電素子
フロントページの続き (72)発明者 坂部 行雄 京都府長岡京市天神二丁目26番10号株式 会社 村田製作所内 (72)発明者 白露 幸祐 京都府長岡京市天神二丁目26番10号株式 会社 村田製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C04B 35/49
Claims (3)
- 【請求項１】 ＰｂＯ−ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の３成分系
の固溶体からなる積層圧電素子磁器組成物において、該
組成物を構成する上記個々の酸化物の比率（ｗｔ％）が
ＰｂＯが６３．１７〜７２．４５、残部がＴｉＯ2 ，Ｚ
ｒＯ2 で、且つ、ＴｉＯ2 ／ＺｒＯ2が酸化物重量比で
０．８９〜１．２２であることを特徴とする積層圧電素
子磁器組成物。 - 【請求項２】 請求項１記載の積層圧電素子磁器組成物
に、ＭｎＯ2 及びＮｂ2 Ｏ5 を個々の酸化物組成重量比
率で０〜５ｗｔ％（ただし０は含まない）だけ加え、Ｐ
ｂＯ−ＭｎＯ2 −Ｎｂ2 Ｏ5 −ＴｉＯ2 −ＺｒＯ2 の５
成分系の主成分からなる固溶体とし、該主成分に対し、
副成分としてＣｒ2 Ｏ3 を０〜０．３ｗｔ％（ただし０
は含まない）含有させたことを特徴とする積層圧電素子
磁器組成物。 - 【請求項３】 請求項２記載の圧電素子磁器組成物の主
成分に、副成分としてＳｂ2 Ｏ3 を酸化物組成重量比率
で０〜２ｗｔ％（ただし０は含まない）だけ含有させた
ことを特徴とする積層圧電素子磁器組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3177296A JP2967437B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 積層圧電素子磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3177296A JP2967437B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 積層圧電素子磁器組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05847A JPH05847A (ja) | 1993-01-08 |
| JP2967437B2 true JP2967437B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=16028534
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3177296A Expired - Lifetime JP2967437B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 積層圧電素子磁器組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2967437B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07301534A (ja) * | 1994-04-29 | 1995-11-14 | Murata Mfg Co Ltd | 圧電振動ジャイロ |
| CN1056629C (zh) * | 1995-08-29 | 2000-09-20 | 北京燕山石油化工公司研究院 | 热塑性导电复合材料的制备方法 |
| DE10249900A1 (de) * | 2002-10-25 | 2004-05-06 | Epcos Ag | Piezoelektrisches Bauelement |
| KR101330159B1 (ko) * | 2012-08-30 | 2013-11-15 | 한국세라믹기술원 | 캔틸레버형 발전기용 압전 세라믹 후막 및 그 제조 방법 |
-
1991
- 1991-06-21 JP JP3177296A patent/JP2967437B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05847A (ja) | 1993-01-08 |
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| JPH0469108B2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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