JP2963204B2 - 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法 - Google Patents

絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は絶縁ゲート型バイポー
ラトランジスタ(Insulated Gate Bi
polar Transistor;以下、IGBTと
称す)に関し、特にライフタイム制御に伴うターンオフ
時間とオン抵抗とのトレードオフ関係の改善及びスイッ
チング損失の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタは、一般に低出
力インピーダンスであるが、入力インピーダンスも低い
問題がある。一方、電界効果トランジスタ(以下、MO
SFETと称す)は高入力インピーダンスであるが、出
力インピーダンスも高い問題がある。これらに対し、I
GBTはこれら各種トランジスタのもつ欠点を補うよう
に一体化し、高入力インピーダンスであり、かつ、低出
力インピーダンスを実現しようとするものである。
【0003】すなわち、表面にMOSFETを形成する
基板の裏面に、基板と異なる導電型の高濃度不純物拡散
層をつくりこむことによって、バイポーラトランジスタ
とMOSFETを一体化し、かつMOSFETがオンす
ることにより生じる電流をバイポーラトランジスタのベ
ース領域に注入して、注入電流によりバイポーラトラン
ジスタを制御するものである。
【0004】一般に、IGBT装置は多数のIGBT素
子(以下、IGBTセルと称す)が並列接続された構造
を有している。図7は従来のnチャンネル型のIGBT
セルの構造を示す断面図であり、図8はその等価回路を
示す回路図である。
【0005】図7において、1はP+ コレクタ層であ
り、その一方主面上にはN- エピタキシャル層2が形成
されている。N-エピタキシャル層2の表面の一部領域
には、P形不純物を選択的に拡散することによりPウェ
ル領域3が形成され、さらにこのPウェル領域3の表面
の一部領域には、高濃度のN形不純物を選択的に拡散す
ることによりN+ エミッタ領域4が形成されている。N
- エピタキシャル層2の表面とN+ エミッタ領域4の表
面とで挟まれたPウェル領域3の表面上にはゲート絶縁
膜5が形成され、このゲート絶縁膜5は隣接するIGB
Tセル間で一体となるようN- エピタキシャル層2の表
面上にも形成されている。ゲート絶縁膜5上には、例え
ばポリシリコンから成るゲート電極6が形成され、また
Pウェル領域3およびN+ エミッタ領域4の両方に電気
的に接続するように、例えばアルミニウムなどの金属の
エミッタ電極7が形成されている。なお、ゲート電極6
およびエミッタ電極7は、絶縁膜8を介した多層構造と
することにより、全IGBTセルに対してそれぞれ共通
に電気的につながった構造となっている。P+ コレクタ
層1の裏面には金属のコレクタ電極9が全IGBTセル
に対し一体に形成されている。
【0006】N- エピタキシャル層2とN+ エミッタ領
域4とで挟まれたPウェル領域3の表面近傍はnチャネ
ルのMOS構造となっており、ゲート端子Gを通じてゲ
ート電極6に正電圧を印加することにより、ゲート電極
6の直下のPウェル領域3の表面近傍に形成されたチャ
ネルを通じて、電子がN+ エミッタ領域4よりN- エピ
タキシャル層2へと流れる。図示のIe はこの様にして
流れる電子電流を示す。一方、P+ コレクタ層1からは
少数キャリアである正孔がN-エピタキシャル層2に注
入され、その一部は上記電子と再結合して消滅し、残り
は図示の正孔電流IhとしてPウェル領域3を流れる。
この様にIGBTは、基本的にバイポーラ的な動作を
し、N- エピタキシャル層2では、電導度変調の効果か
ら電導度が増大することにより、従来のパワーMOSに
比べて低いオン電圧、大きい電流容量を実現できる利点
がある。
【0007】なお、図8は図7の素子構造を等価的に表
した回路図であり、10はN- エピタキシャル層2、P
ウェル領域3およびN+ エミッタ領域4より成る寄生N
PNトランジスタ、11はP+ コレクタ層1、N- エピ
タキシャル層2およびPウェル領域3よりなるPNPト
ランジスタ、12はゲート電極6下のPウェル領域3表
面をチャネル領域としたNMOSトランジスタ、RB
Pウェル領域3の拡散抵抗、RLCはPNPトランジスタ
11のオン抵抗を示している。
【0008】IGBTは上記のような利点がある反面、
ターンオフ時には正孔電流Ihの減少がMOSFET等
に比べて時間的にゆっくりしているため、動作周波数を
上げられない嫌いがある。これは、PNPトランジスタ
11がオン状態のとき、そのベース領域となるN- エピ
タキシャル層2内には電子と正孔とが充満しており、M
OSトランジスタ12をオフさせて、N- エピタキシャ
ル層2への電子の注入を遮断しても、正孔はその移動度
の小ささから急には減少しないことに起因している。
【0009】このターンオフ時間を短縮させるために従
来から大別して二つの手段が知られている。その一つは
金や白金などの重金属原子を、所謂ライフタイムキラー
として、PNPトランジスタ11のベース領域であるN
- エピタキシャル層2内に導入する手段であり、このラ
イフタイムキラーがN- エピタキシャル層2内の電子と
正孔の再結合中心となってこれらのキャリアを短時間内
に消滅させる。
【0010】もう一つは電子線、γ線、中性子線、各種
イオン線等の放射線を照射する手段であり、これらの放
射線はN- エピタキシャル層2内に深いトラップ準位を
導入することから、このトラップ準位がキャリアに対す
る再結合中心となるため、ターンオフ時には、キャリア
を短時間内に消滅させることができる。これらの技術は
ライフタイム制御技術と呼ばれ、サイリスタや電子用ダ
イオード等種々の素子に適用されている。
【0011】一般に放射線照射によるライフタイム制御
技術は制御性や再現性の点から重金属拡散に比較して良
い結果が得られている。しかしながら、放射線照射の中
で、電子線、γ線、中性子線を用いた方法では、照射に
よりN- エピタキシャル層2内でのトラップ準位が発生
するとともに、同時にゲート酸化膜5の膜質を変化させ
てしまい、結果として閾値までも変化させ、その動作信
頼性を低下させる問題がある。この問題はプロトン等の
各種イオン線をコレクタ電極9側から照射する方法によ
り解決される。すなわち、図7に示したようにプロトン
等の各種軽イオン線50をコレクタ電極9の形成されて
いる側から照射し、その飛程位置をN- エピタキシャル
層2の中に設定されるように(図7中破線で示す)、そ
の加速エネルギーを調整することによりゲート絶縁膜5
及びその他、エミッタ側形成各層3,4になんら影響を
与えることなくライフタイム制御を行なうことができ
る。更に、プロトン等の各種イオン照射による結晶欠陥
(主に空孔)は図9に示すように、その飛程Dを中心と
して、欠陥分布ピーク半値幅W中に集中的に発生し、そ
れ以外の場所にはあまり影響を与えない特質をもってい
る。この特質を利用することにより、制御性の高いライ
フタイム制御を実行することが可能である。例えば、特
開昭64−19771に示されたように、P+ コレクタ
領域(図7のP+ コレクタ層1に相当)に近いN- ベー
ス領域(図7のN- エピタキシャル層2に相当)内に飛
程Dを設定することにより効果的なライフタイム制御を
行なうことができる。これは、MOSFETに近いベー
ス領域はMOSFETのチャネルから注入されるキャリ
アが引き金となって伝導度変調を生じる上で重要な役割
を果たすから、この部分に結晶欠陥を発生させるとオン
抵抗を増大させることになるため、MOSFETのチャ
ネル領域から最も離れている、P+ コレクタ領域に近い
- ベース領域にイオン線の飛程が来るようにするのが
望ましいからである。また、オフ動作時の初期まで引き
続いて注入されている正孔を早く捕捉するためにも、P
+ コレクタ領域に近いN- ベース領域で結晶欠陥を集中
的に発生させるのは有効である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たライフタイム制御は全て、結晶欠陥をIGBT素子全
面に渡って生じさせていることには変わりがないため、
この結晶欠陥の発生に伴い、N- エピタキシャル層2の
抵抗値が必然的に上昇し、図8におけるIGBTのオン
抵抗RLCが増加してしまう。つまり、IGBTのオン抵
抗とターンオフ時間とはトレードオフの関係にあり、現
状においてそのトレードオフ関係が最適とはいえない問
題点があった。
【0013】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、イオン線などの電離放射線照射
を用いたライフタイム制御による、オン抵抗とターンオ
フ時間とのトレードオフ関係を最善にした構造のIGB
Tを得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この第1の発明にかかる
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法は、第
1の導電形の第1の半導体層の表面に形成された第2の
導電形の第2の半導体層と、前記第2の半導体層の表面
に選択的に形成された第1の導電形の第1の半導体領域
と、前記第1の半導体領域の表面に選択的に形成された
第2の導電形の第2の半導体領域と、前記第2の半導体
層と前記第2の半導体領域とで挟まれた前記第1の半導
体領域の表面上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に
形成された制御電極と、前記第1および第2の半導体領
域にまたがって形成された第1の主電極と、前記第1の
半導体層の裏面上に形成された第2の主電極とを備える
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する方法で
あって、該トランジスタの第1の半導体層の裏面に微
細孔を設けたマスクを設ける工程と、前記マスクを通し
て軽イオンを、前記マスクの微細孔を通過する場合には
その飛程位置が前記トランジスタの前記第2の半導体層
中に存在し、前記マスクの微細孔以外を通過する場合に
はその飛程位置が前記トランジスタの前記第1の半導体
層中に存在するように設定して照射する工程とを備え、
前記微細孔の総面積の全面積に占める割合が30%かそ
れ以下であることを特徴とものである。この第2発明に
かかる絶縁ゲート型バイポーラトランジスタの製造方法
は、第1の導電形の第1の半導体層の表面に形成された
第2の導電形の第2の半導体層と、前記第2の半導体層
の表面に選択的に形成された第1の導電形の第1の半導
体領域と、前記第1の半導体領域の表面に選択的に形成
された第2の導電形の第2の半導体領域と、前記第2の
半導体層と前記第2の半導体領域とで挟まれた前記第1
の半導体領域の表面上に形成された絶縁膜と、前記絶縁
膜上に形成された制御電極と、前記第1および第2の半
導体領域にまたがって形成された第1の主電極と、前記
第1の半導体層の裏面上に形成された第2の主電極とを
備える絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造する
方法であって、該トランジスタの第2の半導体層の表面
側に微細孔を設けたマスクを設ける工程と、前記マスク
を通して軽イオンを、前記マスクの微細孔以外を通過す
る場合にはその飛程位置が前記トランジスタの前記第2
の半導体層中に存在し、前記マスクの微細孔を通過す
場合にはその飛程位置が前記トランジスタの前記第1の
半導体層中に存在するように設定して照射する工程とを
備え、前記微細孔以外の領域の総面積の全面積に占める
割合が30%かそれ以下であることを特徴とものであ
る。
【0015】
【0016】
【作用】この発明における絶縁ゲート型バイポーラトラ
ンジスタ、あるいはこの発明における方法で製造された
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタにおいては、その
構成要素である等価回路上のバイポーラトランジスタ
は、第1の半導体領域、結晶欠陥を有さない第2の半導
体層及び第1の半導体層から成る第1のバイポーラトラ
ンジスタと、第1の半導体領域、結晶欠陥を有する第2
の半導体層及び第1の半導体層から成る第2のバイポー
ラトランジスタとの並列接続により構成されると等価的
にみなすことができる。
【0017】第1のバイポーラトランジスタは、第2の
半導体層に結晶欠陥を有さないため、長所としてオン抵
抗は低く、短所としてターンオフ時間は長い。一方、第
2のバイポーラトランジスタは、第2の半導体層に結晶
欠陥を有するため、短所としてオン抵抗は高く、長所と
してターンオフ時間は短い。
【0018】第1、第2のバイポーラトランジスタが並
列に接続れていることにより、オン状態では第1のバイ
ポーラトランジスタが、又ターンオフ時には第2のバイ
ポーラトランジスタが支配的に働くので、低オン電圧、
高速スイッチングを実現できる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。なお、従来の技術の説明と重複する部分は、適宜そ
の説明を省略する。
【0020】図1はこの発明の一実施例のIGBTの構
造を示す断面図である。図において、1〜9は従来と同
じである。
【0021】その異なる点は、他主面側におけるコレク
タ電極9の表面にアルミニウム等の金属のアブゾーバ6
0、更にその表面に微細な開口を形成したステンレス等
のマスク61を設け、これらを介してヘリウム等の軽イ
オン線50を照射して形成させるものである。ここで、
マスク61の微細開口を通過した部分の軽イオン線50
はN- ベース層2内に飛程位置が設定されるよう加速エ
ネルギーとアブゾーバ60との厚さが調整される。ま
た、マスク61の微細開口を除く領域を通過した軽イオ
ン線50はP+ コレクタ層1内に飛程位置が設定される
ようマスク61の厚さが調整される。これにより、微細
開口のパターンをほぼ反映した領域を部分的なライフタ
イム制御が行なわれるものとすることができる。図2は
図1に示すものの等価回路を示す回路図である。図にお
いて、10,12は従来のものと同じもの、13はライ
フタイム制御されない領域に形成された内蔵PNPトラ
ンジスタ、14は部分的にライフタイム制御された領域
を有する内蔵PNPトランジスタである。
【0022】図3は軽イオン線50が部分的に照射され
たIGBTと、軽イオン線50が全面照射されたIGB
Tとのトレードオフ特性について比較した図である。こ
の場合、軽イオン線50には2価のヘリウムイオン(H
2+)を用い、その加速エネルギーは20MeVであ
る。また、アブゾーバ60は厚さが30μmのアルミニ
ウムで構成し、マスク61は厚さが50μmのステンレ
スで構成したものである。マスク61に形成した微細開
口は2種類あり、「マスク1」は半径rが140μmの
円形窓を、窓間ピッチ200μmで形成したものであ
り、「マスク2」は半径rが160μmの円形窓を、窓
間ピッチ200μmで形成したものである。
【0023】これよりマスク1、マスク2を用いて部分
照射したものが、全面照射したものに比べて改善された
トレードオフ曲線を有することがわかる。
【0024】ところで、図4は電圧VONが約3.3Vの
IGBTの試料について、全面照射、部分照射したもの
のターンオフ波形特性を比較した図である。全面照射し
たものに対してマスク2による部分照射したものでは、
テイル電流が減少しているのがわかる。
【0025】また、図5は同様にターンオフ時の損失を
比較した図である。マスク61の開口が微細化されるに
つれて、ターンオフ損失は低減しており、マスク2によ
る部分照射では高温状態(図示TA =125℃)におい
ても全面照射の43%までターンオフ損失を低減できる
ものとなっている。
【0026】次に、マスクパターン寸法の最適化を図る
為に、「マスク3」として、半径rが140μmの円形
窓を窓間ピッチXC が175μmで形成したものと、
「マスク4」として半径rが140μmの円形窓を窓間
ピッチXC が230μmで形成したもの、そして前記の
マスク1(半径rが140μmの円形窓を窓間ピッチX
C が200μmで形成したもの)について各々トレード
オフ関係を評価し、同曲線の変化を調べる。ちなみにこ
れらのマスクは円形窓の半径が140μmで共通であ
り、マスク3→1→4となるに従って窓間ピッチが広く
なり、同時に円形窓の面積が全体に対し占める割合(R
W =(π/4)×(r/XC 2 ×100(%))が低
下している。
【0027】図10にこれらのマスクを用いてライフタ
イム制御されたIGBTと全面照射によってライフタイ
ム制御されたIGBTのトレードオフ曲線を示す。3種
類の部分照射全てが全面照射に対して改善されたトレー
ドオフ関係を示している。VONが3V以下の領域につい
て見ると、RW の低下に伴ってt off loss(タ
ーンオフ損失)も低下しており、より望ましいトレード
オフ関係が得られていることがわかる。
【0028】VON=2.5Vにおいてt off los
sとRW の間の関係を評価したものが図11である。R
W が50%以下になると改善の効果が著しくなり、30
%又はそれ以下で最も低損失化されるマスク寸法の最適
条件が存在するのがわかる。
【0029】図6はこの発明の他の実施例のIGBTの
構造を示す断面図である。このものが図1に示すものと
異なる点は、アブゾーバ60、マスク61をIGBT装
置の一主面側におけるエミッタ電極7上に設置し、それ
を介して軽イオン線50を照射して形成させたところで
ある。この場合にも、アブゾーバ60をアルミニウム等
の金属で形成し、マスク61をステンレス等で形成した
ものを用いている。マスク61には微細開口が設けられ
ており、このマスク61を介して2価のヘリウムイオン
(He2+)等の軽イオン線50を照射する。このとき、
マスク61の微細開口を除く領域を通過した軽イオン線
50は、N- ベース層2内のP+ コレクタ層1との接合
部寄りの領域に飛程位置が設定されるように、軽イオン
の加速エネルギー条件、アブゾーバ60、マスク61の
厚さが調整される。また、マスク61の微細開口を通過
した軽イオン線50は、P+ コレクタ層1内に飛程位置
が設定されるようアブゾーバ60の厚さが調整される。
このようにして製造されたIGBTの等価回路は前述し
た図2に示すものと同等になる。従って、このものにお
いてもトレードオフ関係、損失等の改善効果は図1に示
すものと同程度に期待できる。
【0030】なお、上記実施例において、軽イオンとし
てヘリウムを用いた場合について示したが、他の軽イオ
ン、例えばプロトン等を用いても上記実施例と同様の効
果を奏する。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明の絶縁ゲート型
バイポーラトランジスタの製造方法によれば、コレクタ
層である第1の導電形の第1の半導体層上に形成された
第2の導電形の第2の半導体層内結晶欠陥を形成し、
かつ、この結晶欠陥の領域の面積の占める割合を全体の
30%以下に股定したので、スイッチング速度を向上さ
せ、かつ同時に損失が低減された絶縁ゲート型バイポー
ラトランシズスタおよびその製造方法が容易に得られる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるIGBTを示す断面
図である。
【図2】図1に示すものの等価回路を示す回路図であ
る。
【図3】軽イオン線が部分的に照射されたIGBTと全
面に照射されたIGBTとのトレードオフ特性について
比較した図である。
【図4】軽イオン線が部分的および全面的に照射された
IGBTのターンオフ波形特性について比較した図であ
る。
【図5】図4と同様にターンオフ時の損失を比較した図
である。
【図6】この発明の他の実施例のIGBTの構造を示す
断面図である。
【図7】従来のIGBTの構造を示す断面図である。
【図8】図7に示すものの等価回路図である。
【図9】照射イオンの飛程とそれによって形成される結
晶欠陥分布の関係を示す図である。
【図10】各種マスクパターンによる部分照射と全面照
射についてのターンオフ損失t off lossとオン
電圧VONのトレードオフ関係を示す図である。
【図11】オン電圧VON=2.5Vにおけるターンオフ
損失t off lossとマスクの窓面接割合RW の関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 P+ コレクタ層 2 N- ベース層 3 Pウェル領域 4 N+ エミッタ領域 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート電極 7 エミッタ電極 8 絶縁膜 9 コレクタ電極 50 軽イオン線 60 アブゾーバ 61 マスク

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電形の第1の半導体層の表面に
    形成された第2の導電形の第2の半導体層と、 前記第2の半導体層の表面に選択的に形成された第1の
    導電形の第1の半導体領域と、 前記第1の半導体領域の表面に選択的に形成された第2
    の導電形の第2の半導体領域と、 前記第2の半導体層と前記第2の半導体領域とで挟まれ
    た前記第1の半導体領域の表面上に形成された絶縁膜
    と、 前記絶縁膜上に形成された制御電極と、 前記第1および第2の半導体領域にまたがって形成され
    た第1の主電極と、 前記第1の半導体層の裏面上に形成された第2の主電極
    とを備える絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造
    する方法であって、 該トランジスタの第1の半導体層の裏面に微細孔を設
    けたマスクを設ける工程と、 前記マスクを通して軽イオンを、前記マスクの微細孔を
    通過する場合にはその飛程位置が前記トランジスタの前
    記第2の半導体層中に存在し、前記マスクの微細孔以外
    を通過する場合にはその飛程位置が前記トランジスタの
    前記第1の半導体層中に存在するように設定して照射す
    る工程とを備え、 前記微細孔の総面積の全面積に占める割合が30%かそ
    れ以下であることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラ
    トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の導電形の第1の半導体層の表面に
    形成された第2の導電形の第2の半導体層と、 前記第2の半導体層の表面に選択的に形成された第1の
    導電形の第1の半導体領域と、 前記第1の半導体領域の表面に選択的に形成された第2
    の導電形の第2の半導体領域と、 前記第2の半導体層と前記第2の半導体領域とで挟まれ
    た前記第1の半導体領域の表面上に形成された絶縁膜
    と、 前記絶縁膜上に形成された制御電極と、 前記第1および第2の半導体領域にまたがって形成され
    た第1の主電極と、 前記第1の半導体層の裏面上に形成された第2の主電極
    とを備える絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを製造
    する方法であって、 該トランジスタの第2の半導体層の表面側に微細孔を設
    けたマスクを設ける工程と、 前記マスクを通して軽イオンを、前記マスクの微細孔以
    外を通過する場合にはその飛程位置が前記トランジスタ
    の前記第2の半導体層中に存在し、前記マスクの微細孔
    を通過する場合にはその飛程位置が前記トランジスタの
    前記第1の半導体層中に存在するように設定して照射す
    る工程とを備え、 前記微細孔以外の領域の総面積の全面積に占める割合が
    30%かそれ以下であることを特徴とする絶縁ゲート型
    バイポーラトランジスタの製造方法。
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