JP2956713B2 - X線分析方法 - Google Patents

X線分析方法

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JP2956713B2 JP3079859A JP7985991A JP2956713B2 JP 2956713 B2 JP2956713 B2 JP 2956713B2 JP 3079859 A JP3079859 A JP 3079859A JP 7985991 A JP7985991 A JP 7985991A JP 2956713 B2 JP2956713 B2 JP 2956713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子プローブを試料に
照射し、その結果試料から得られたX線をエネルギー分
散型X線検出器で検出するようにしたX線分析方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子プローブマイクロアナライザ(EP
MA)では、電子ビームを試料に照射し、電子ビームの
照射点から発生したX線を検出し、試料の定性,定量分
析を行っている。このX線の検出にエネルギー分散型検
出器を用い、試料の定性や定量分析を行う場合、X線デ
ータを測定する検出器系,アナログ系の時間的な安定性
は非常に重要である。ここで、試料の定量分析を行う場
合、濃度が既知(例えば100%の濃度)の元素の試料
を標準試料として用い、この試料から得られた特性X線
の強度をIs、その元素の濃度が分っていない試料(未
知試料)から得られた特性X線強度をIuで表せば、未
知試料内のその元素の濃度Kは、 K=Iu/Is で近似される(Castaingの第1近似式)。実際の定量分
析においては、上記近似式によって求められた値に定量
補正を施して真の濃度を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記IsやIuを測定
するときの装置の各種パラメータは同一にしておくこと
が必要条件であるが、現実には標準試料と未知試料との
X線の測定時には時間差があり、各回路の条件は微妙に
異なり、定量分析の精度に悪影響を与える。
【0004】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、高い精度で定量分析を行うことが
できるX線分析方法を実現するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に基づくX線分析
方法は、電子ビームを試料に照射し、試料から発生した
X線をエネルギー分散型X線検出器で検出し、検出信号
に基づいて試料の分析を行うようにしたX線分析方法に
おいて、未知試料に電子ビームを照射し、その結果該検
出器から得られた検出信号の内、特定のエネルギー位置
にゼロピークg1 (x)を発生させるステップ、標準試
料に電子ビームを照射し、その結果該検出器から得られ
た検出信号の内、特定のエネルギー位置にゼロピークg
2 (x)を発生させるステップ、ゼロピークg1 (x)
の標準偏差をσ1 、ゼロピークg2 (x)の標準偏差を
σ2 、更に、Δσ=σ2 −σ1 とした場合、次式によっ
て補正因子Δを求めるステップ、 Δ=(σ2 2 /σ1 )・Δσ 標準試料のピークをgs2 (x)とした場合、次式の処
理を行って補正された標準試料のピークgs1 (x)
求めるステップ、 gs1 (x)=gs2 (x)+Δ・gs2 ″(x) 補正された標準試料のピークgs1 (x)からX線強度
を求め、この求めたX線強度と未知試料のピークのX線
強度とから未知試料に含まれる特定元素の濃度を求める
ステップから成ることを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明に基づくX線分析方法は、標準試料と未
知試料の夫々に電子ビームを照射し、その結果検出され
た信号の夫々にゼロピークを発生させ、この2種のゼロ
ピークから測定回路系の揺らぎの補正項を求め、この補
正項を利用することによって正確な元素濃度の分析を可
能とする。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳
細に説明する。図1は、本発明に基づくX線分析方法を
実施するためのEPMAの一例を示しており、図示して
いない電子銃から発生した電子ビームEBは、集束レン
ズ1,対物レンズ(最終段集束レンズ)2によって試料
3上に集束される。試料3の上部には、試料への電子ビ
ームの照射によって発生した特性X線を検出するための
エネルギー分散型X線検出器4が設けられている。5
は、検出器4で検出された信号を波形整形した後、X線
エネルギーに対応したデジタル信号に変換する信号処理
回路であり、6は、信号処理回路5からの信号をエネル
ギーに応じて選別し、内部メモリに格納するマルチチャ
ンネルアナライザである。7はコンピュータであり、X
線スペクトル分析を行う。8は検出器4からの検出信号
の内、特定のエネルギー位置にゼロピークを発生させる
ピーク発生装置である。
【0008】このような構成におけるX線分析の方法に
ついて以下述べる。説明の簡単化のために2元系試料を
考える。すなわち、分析しようとする試料は、A,B2
つの元素から構成されているものとする。前記したCast
aingの第1の近似式から、 KA =IA u/IA s KB =IB u/IB s ……(1) ここで、Ij uは、元素j(A,B,……)の未知試料
のX線強度、Ij sは、元素j(A,B,……)の標準
試料のX線強度である。この式の問題点は、例えば、最
初の式でIA uを測定したときの測定系の状態S1と、
A sを測定したときの測定系の状態S2とは、既に説
明したように一般に異なっている可能性があることであ
る。すなわち、上記式(1)を厳密に表すと次のように
なる。なお、この式は、I A uとI B uを同じ状態S1
で測定し、I A sとI B sを同じ状態S2で測定した場
合である。
【0009】 KA ′=IA S1/IA S2B ′=IB S1/IB S2 ……(2) ここで、 j Si ,I j Si は、状態SiでX線強度を
測定したことを表す。もし、IA S1およびIB S1
何らかの方法で推定できれば、これを上記式(2)にお
いて用いることで、より正確な元素濃度を求めることが
できる。本発明では、この推定で用いる補正項をゼロピ
ークを使って求めるようにしている。すなわち、図1の
実施例では、試料3に電子ビームEBを照射することに
よって発生したX線は、検出器4によって検出され、信
号処理回路5に供給されてX線エネルギーに対応したデ
ジタル量に変換される。図2は試料3として未知試料を
用いた場合のエネルギースペクトルを示しており、この
スペクトルの特定のエネルギー位置にゼロピーク発生装
置8によってゼロピークPが加えられている。同じよう
に、ゼロピークは、試料3として標準試料を用いた場合
にもスペクトル中に加えられる。図3は標準試料のX線
エネルギースペクトル中にゼロピークPが加えられた様
子を示している。このゼロピークが加えられた信号は、
マルチチャンネルアナライザ6によって波長(エネルギ
ー)に応じた信号に変換され、コンピュータ7に供給さ
れる。コンピュータ7は、未知試料と標準試料の2種の
スペクトルに基づいて信号強度の補正処理を行う。ここ
で、エネルギー分散型X線検出器で得られたスペクトル
ピークは、バックグラウンド成分を除けば次のガウス関
数g(x)で近似することができ、また、X線強度I
は、この関数の積分値に対応している。
【0010】
【数1】
【0011】ゼロピークの場合も同様であるが、ゼロピ
ークの場合にはバックグラウンド成分はない。次に元素
Aを例として補正項を求める手順を説明する。まず、標
準試料についてX線強度IA sを測定する。この時、ゼ
ロピークも同時に発生させてその分散σ2 2 ,ピーク位
置m2 を求め、ピークを
【0012】
【数2】
【0013】に対応させる。次に、未知試料の測定を行
うが、この時ゼロピークを同時に発生させ、その分散σ
1 2 とピーク位置m1 を求め、同様にピークを
【0014】
【数3】
【0015】に対応させる。この2つのゼロピークの相
違は、測定回路系の揺らぎを表している。この内、ピー
ク位置mについては、本発明によらずとも別途エネルギ
ー較正による補正を考えれば良いのでここでの説明は省
略する。結果として、分散の相対変化量がそれ程大きく
ないという条件、すなわち、 |Δσ/σ1 |《1,|Δσ/σ2 |《1,Δσ=σ2
−σ1 の下でg1 (x)は、
【0016】
【数4】
【0017】の形でg2 (x)と補正因子Δとから推定
でき、その補正因子Δは、 Δ=(σ2 2 /σ1 )・Δσ ……(4) となる。なお、(3)式の右辺の第1項は、測定値であ
り、また、第2項は、補正因子Δと測定値の2次微分値
の積である。ここで、上記式(3),(4)の証明を行
う。2つのゼロピークは同一ピークであり、同一ピーク
の積分値は相等しいので、次式が成り立つ。
【0018】
【数5】
【0019】積分を実行すると、
【0020】
【数6】
【0021】が得られる。g1 (x)をσ1 で展開する
と、
【0022】
【数7】
【0023】となる。ここで、
【0024】
【数8】
【0025】であり、この級数のΔσ/σ以外の項は減
少するから、第2項までで近似すると、σの微小変化に
対しては、
【0026】
【数9】
【0027】となる。次に、g1 (x)とg2 (x)と
の差を作ると下記のようになる。
【0028】
【数10】
【0029】従って、前記した(3),(4)式が得ら
れる。
【0030】以上のようにして補正項が求められたの
で、それを標準試料のピークに応用する。標準試料Aの
ピークをgA s(x)S2とし、状態S1でのピークgA
s(x)S1(これは推定によるしか知る方法がない)を
A s(x)S2と補正因子Δを使って推定すると以下の
ようになる。
【0031】
【数11】
【0032】補正されたX線強度IA S1は、
【0033】
【数12】
【0034】によって求められ、この結果、(2)式に
よってKA ′を求めることができる。同様に、KB ′も
求めることができる。なお、標準試料のピークの場合、
ゼロピークと異なり、バックグラウンド成分があるが、
それは、一次式,二次式のゆっくり変化する成分を持っ
ているため、2次微分を行うことによって除去され、そ
の影響は実質的に無視できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づくX
線分析方法は、標準試料と未知試料の夫々に電子ビーム
を照射し、その結果検出されたX線信号の夫々にゼロピ
ークを発生させ、この2種のゼロピークから測定回路系
の揺らぎの補正項を求めるようにしているので、この補
正項を利用することによって正確な元素濃度の分析を簡
単に行うことかできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく方法を実施するためのEPM
Aの一例を示す図である。
【図2】 未知試料に基づくX線スペクトルを示す図で
ある。
【図3】 標準試料に基づくX線スペクトルを示す図で
ある。
【符号の説明】
1…集束レンズ 2…対物レンズ 3…試料 4…X線検出器 5…信号処理回路 6…アナライザ 7…コンピュータ 8…ピーク発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−130345(JP,A) 特開 昭62−209345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 23/22 - 23/227

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを試料に照射し、試料から発
    生したX線をエネルギー分散型X線検出器で検出し、検
    出信号に基づいて試料の分析を行うようにしたX線分析
    方法において、未知試料に電子ビームを照射し、その結
    果該検出器から得られた検出信号の内、特定のエネルギ
    ー位置にゼロピークg1 (x)を発生させるステップ、
    標準試料に電子ビームを照射し、その結果該検出器から
    得られた検出信号の内、特定のエネルギー位置にゼロピ
    ークg2 (x)を発生させるステップ、ゼロピークg1
    (x)の標準偏差をσ1 、ゼロピークg2 (x)の標準
    偏差をσ2 、更に、Δσ=σ2 −σ1 とした場合、次式
    によって補正因子Δを求めるステップ、 Δ=(σ2 2 /σ1 )・Δσ 標準試料のピークをgs2 (x)とした場合、次式の処
    理を行って補正された標準試料のピークgs1 (x)
    求めるステップ、 gs1 (x)=gs2 (x)+Δ・gs2 ″(x) 補正された標準試料のピークgs1 (x)からX線強度
    を求め、この求めたX線強度と未知試料のピークのX線
    強度とから未知試料に含まれる特定元素の濃度を求める
    ステップから成るX線分析方法。
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