JP2953954B2 - ダブルトーク検出装置およびエコーキャンセラ - Google Patents

ダブルトーク検出装置およびエコーキャンセラ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動通信網や長距離電
話回線網において用いて好適なダブルトーク検出装置お
よびエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】海底ケーブルあるいは通信衛星などを経
由する長距離電話回線では、一般に両端に接続される加
入者線は2線式であり、中間の長距離伝送部分は信号増
幅などのために4線式となっている。同様に、移動電話
(又は、セルラーホーン(cellular phon
e))を用いた移動通信網では、固定側アナログ電話の
加入者線は2線式であり、移動電話の端末から交換機等
に至る部分は4線式となっている。この場合、2線と4
線との接続部分には、4線/2線の変換を行うためのハ
イブリッド回路が設けられている。このハイブリッド回
路は、2線式回線のインピーダンスと整合するように設
計されるが、常に良好な整合を得ることは困難であるた
め、ハイブリッド回路の4線入力側へ到来した受信信号
が4線出力側へ漏洩し、いわゆるエコーが発生する。か
かるエコーは、送話者の音声より低レベルで、なおか
つ、一定時間遅延して送話者に到達するため、通話障害
が生ずる。このようなエコーによる通話障害は、信号伝
搬時間が長くなるに従って顕著になる。特に、移動電話
による移動通信の場合は、交換機等までの無線通信区間
において各種の処理を行うため信号の遅延量が多く、エ
コーによる通話障害が特に問題となる。
【0003】上記のエコーを阻止する装置としてエコー
サプレッサやエコーキャンセラがある。図5は、移動通
信網に用いられるエコーキャンセラの概略構成を示す。
ここに示されるエコーキャンセラ1は、ハイブリッド回
路2の前段に設けられている。この図では、通常のアナ
ログ電話の加入者を近端話者といい、移動電話などの加
入者を遠端話者という。また、エコーキャンセラ1に入
力される遠端音声信号をRin、エコーキャンセラ1か
ら出力される遠端音声信号をRout、また、エコーキ
ャンセラ1に入力される近端音声信号をSin、エコー
キャンセラ1から出力される近端音声信号をSoutで
示す。
【0004】図5に示すエコーキャンセラ1は、エコー
パス推定/疑似エコー生成回路3、制御装置4、加算器
5及び非線形処理回路6より構成される。ここで、エコ
ーパス推定/疑似エコー生成回路3は、遠端音声入力R
inと近端音声入力Sinを基に、ハイブリッド回路2
の応答特性を検出し、以って、エコーパス(即ち、エコ
ーが伝搬する線路)を推定する。次に、その推定結果と
遠端音声入力Rinとの畳み込み演算によって、予想さ
れるハイブリッド回路2からのエコー(即ち、疑似エコ
ー)を生成する。加算器5において、この疑似エコーが
近端音声入力Sinから減算され、以って、エコーが打
ち消される。
【0005】ところで、伝送回線ではデジタル信号の伝
送が行われ、かかるデジタル信号の処理を行うエコーキ
ャンセラ1とアナログ回線への変換を行うハイブリッド
回路2との間ではD/A変換(一般には、μ−LAW変
換)が行われる。このため、遠端音声出力Routと近
端音声入力Sinとの間では非線形特性の関係が成立す
ることとなり、エコーパス推定/疑似エコー生成回路3
等による線形演算のみでは完全なエコーキャンセルを行
うことができない。このため、キャンセルしきれないエ
コー成分が発生してしまう。かかるエコー成分(「残留
エコー」という。)を消去するため、非線形処理回路6
が設けられている。この非線形処理回路6は、非線形ス
イッチング操作を行う。即ち、近端音声出力Soutが
エコーのみによって構成されている場合、すなわち遠端
話者だけが送話状態にある場合(この場合を「遠端話者
シングルトーク」という。)には、近端音声出力Sou
tの伝送を阻止するようスイッチング操作を行うか、或
いは、近端音声出力Soutを疑似雑音に置き換えるよ
うな操作を行う。
【0006】制御装置4は、エコーパス推定/疑似エコ
ー生成回路3及び非線形処理回路6の制御を行う。即
ち、遠端者の無送話状態の検出、或いは、ダブルトーク
の検出を行い、エコーパス推定の学習機能のON/OF
F制御を行うとともに、遠端話者シングルトークの検出
を行い、非線形処理回路6のスイッチング操作の制御を
行う。
【0007】ところで、上述したエコーパス推定/疑似
エコー生成回路3は、図5に示すように、エコーパス推
定回路3a、hレジスタ3bおよび疑似エコー生成回路
3cを有している。この場合、エコーパス推定回路3a
は、一般に、適応アルゴリズムの中で比較的演算量が少
なく、良好な収束特性をもつ学習同定法を用いてエコー
パスを推定し、推定したエコーパスに対応したタップ係
数(後述)をHレジスタ3bに書き込む。そして、疑似
エコー生成回路3cは、FIR型適応デジタルフィルタ
で構成されており、Hレジスタ3b内のタップ係数を用
いて、遠端音声入力Rinとの畳み込み演算によって、
疑似エコーを発生する。
【0008】学習同定法は、例えば、電気通信学会論文
誌’77/11 Vol.J60-A NOo.11の論文「学習同定法を用い
たエコーキャンセラのエコー打消特性について」(板
倉、西川)に示されているように周知の推定法である。
以下に、この論文に記載された学習同定法の概略につい
て簡単に説明する。
【0009】まず、エコーパスの信号伝搬特性を線形と
仮定し、そのインパルス応答h(t)と入力信号x
(t)とを用いれば、時刻kT(Tはサンプリング間
隔)におけるエコーykは、
【0010】
【数1】yk=h´xk で表される。但し、
【0011】
【数2】 h=(h1,h2,……,hn)´,hj=h(jT) xk=(xk-1,xk-2,……,xk-n)´,xj=x
jT) (ここで、´はベクトルの転置)である。一方、時刻k
Tにおけるhの推定値をHk(以下、タップ係数とい
う)とすれば、ykの推定値Ykは、
【0012】
【数3】Yk=Hk´xk で与えられる。そして、学習同定法によるHkの逐次修
正は、
【0013】
【数4】 によって行われる。ただし、ekは、
【0014】
【数5】ek=yk−Yk であり、残留エコーである。この残留エコーは、加算器
5の出力側に現れる。そして、上記数5からも明かなよ
うに、残留エコーが減少するように次のタップ係数H
k+1を算出するようにしている。
【0015】上述したアルゴリズムをデジタル回路内に
おける演算によって具体的に表現すると以下のようにな
る。まず、エコーパス推定回路3aに取り込まれる遠端
音声信号Rinは、N個のサンプル値を持つデジタル信
号Xt(tはサンプリング時点)として扱われ、
【0016】
【数6】Xt=(x(t),x(t−1),……、x
(t−(N−1)) となる。また、Hレジスタ3bに書き込まれる時刻tの
タップ係数Htを、
【0017】
【数7】 Ht=(ht(0),ht(1),……,ht(N−1)) とすれば、疑似エコー生成回路3b(FIRフィルタ)
における畳み込み演算は、
【0018】
【数8】 となる。ここで、ベクトルの内積を*で表せば、上記数
8は、
【0019】
【数9】Y(t)=xt*Ht と表される。さて、加算器5の出力側に得られる残留エ
コーをer(t)と表せば、
【0020】
【数10】er(t)=e(t)−Y(t) となり、以上の式から、Htの変動分ΔHtは、ステップ
ゲインをg(数 のαに対応)とすれば、
【0021】
【数11】ΔHt=g×er(t)×xt/(xt*Xt) となり、Ht+1は、
【0022】
【数12】Ht+1=Ht+ΔHt となる。したがって、エコーパス推定回路3aは、Hレ
ジスタ3b内のタップ係数Hを読み込んで、これに数1
1で算出したΔHtを加えることにより、次のタップ係
数Ht+1を算出してHレジスタ3bに書き込むようにし
ている。このようにして、逐次Hレジスタ3b内のタッ
プ係数Hを順次更新する。以上が学習同定法を適用した
デジタル回路内における具体的な演算である。なお、上
記数6〜数12は、特開平5−129989等において
も開示されている。
【0023】さて、上記の学習ができるための条件とし
て、以下のものが必要とされる。 エコーが近端音声入力Sinとして返ってくるだけの
レベルの遠端音声出力Routが存在すること、換言す
れば、遠端話者が送話状態にあること。
【0024】近端音声入力Sinがエコーのみ(もし
くはエコーと白色雑音)から構成されていること、換言
すれば、近端話者が送話状態にないこと。
【0025】一方、遠端話者が無送話状態のとき、並び
に、遠端話者と近端話者とが同時通話の状態(この状態
をダブルトークという。)では、エコーパス推定の誤学
習を招く恐れがあるため、学習機能をOFFにする必要
がある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記制御装
置4で行われるダブルトークの検出方法として、従来
は、遠端音声出力Routと近端音声入力Sinとの電
力比を用い、これが予想されるエコーレベル(例えば、
CCITT規格で定められた最大エコーレベル−6d
B)を超えた場合に、ダブルトークが発生したと判断さ
れていた。しかし、この従来のダブルトーク検出方法で
は、検出が遅れてしまうという問題点がある。即ち、ダ
ブルトーク発生当初において十分なレベル差がない場
合、ダブルトークが検出されず、レベル差が一定値を超
えた場合にのみダブルトークが検出されるため、結果的
に、ダブルトーク検出がタイミング良く行われないとい
う欠点がある。また、遠端話者及び近端話者の両者の送
話レベルが大きく異なる場合にもダブルトークを効果的
に検出できないという問題点もある。即ち、近端話者の
送話レベルが遠端話者の送話レベルに比べて低い場合、
エコーレベルと近端話者の送話レベルとの差が十分に現
れず、その場合には、ダブルトークの検出が困難とな
る。
【0027】上記のダブルトーク検出の精度の低さは、
エコーパス推定の誤学習を招く恐れがある。かかる誤学
習が起こった場合、エコーキャンセル機能が低下するの
みならず、誤った疑似エコーを発生することにより異音
が遠端話者等に伝送されてしまうという不具合も生ず
る。
【0028】本発明は、このような背景に鑑みなされた
もので、ダブルトークの有無を正確に検出することがで
きるダブルトーク検出装置を提供することを目的として
いる。また、本発明の他の目的は、ダブルトークを正確
に検出し、以て良好な疑似エコーの送出を確保すること
ができるエコーキャンセラを提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、4線路を通じて送られる
音声と2線路を通じて送られる音声との間の伝送を行う
電話回線網に設けられるエコーキャンセラに適用される
ダブルトーク検出装置において、学習同定法によってエ
コーパスを推定し、これに対応したタップ係数を出力す
エコーパス推定手段と、複数パターンのエコーパスの
インパルス応答特性と、前記複数パターンのインパルス
応答特性の各々について予め定められたタップ係数許容
誤差とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記エコーパ
ス推定手段が出力する前記タップ係数が、前記記憶手段
が記憶する全てのインパルス応答特性についての前記タ
ップ係数許容誤差を超えるか否かにより、ダブルトーク
の有無を判定する判定手段とを有することを特徴とす
る。
【0030】
【0031】請求項に記載の発明においては、4線路
を通じて送られる音声と2線路を通じて送られる音声と
の間の伝送を行う電話回線網に設けられるエコーキャン
セラにおいて、学習同定法によってエコーパスを推定
し、これに対応したタップ係数を出力するエコーパス推
定手段と、前記タップ係数に基づく畳み込み演算により
疑似エコーを発生する疑似エコー発生手段と、複数パタ
ーンのエコーパスのインパルス応答特性と、前記複数パ
ターンのインパルス応答特性の各々について予め定めら
れたタップ係数許容誤差とを対応付けて記憶する記憶手
段と、前記エコーパス推定手段が出力する前記タップ係
数が、前記記憶手段が記憶する全てのインパルス応答特
性についての前記タップ係数許容誤差を超えるか否かに
より、ダブルトークの有無を判定する判定手段と、前記
判定手段がダブルトークであると判定した場合は、前記
エコーパス推定手段のタップ係数出力を停止させる制御
手段とを具備することを特徴とする。
【0032】請求項に記載の発明においては、請求項
2記載の発明において、前記エコーパス推定手段が出力
するタップ係数を複数段遅延して記憶可能であり、前記
判定手段がダブルトークと判定した場合は、該判定時点
の自己の記憶内容を保持し、前記複数段の内の最終段に
記憶されているタップ係数を前記疑似エコー発生手段に
提供するタップ係数遅延記憶手段を具備することを特徴
とする。
【0033】請求項1に記載の発明では、複数パターン
のエコーパスのインパルス応答特性及び前記複数パター
ンのインパルス応答特性の各々について予め定められた
タップ係数許容誤差が記憶されており、これとエコーパ
ス推定手段により出力されたタップ係数とが比較され
る。したがって、誤学習が発生すれば、この比較結果に
反映され、判定手段はこの比較に基づいてダブルトーク
か否かを判定する。
【0034】
【0035】請求項に記載の発明においては、複数パ
ターンのエコーパスのインパルス応答特性と、前記複数
パターンのインパルス応答特性の各々について予め定め
られたタップ係数許容誤差とが記憶されており、さら
に、前記エコーパス推定手段が出力する前記タップ係数
と、前記記憶手段が記憶する全てのインパルス応答特性
についての前記タップ係数許容誤差とが判定手段により
比較される。そしてその比較の結果、前記エコーパス推
定手段が出力する前記タップ係数が、前記記憶手段が記
憶する前記タップ係数許容誤差を超えれば、ダブルトー
クであると判定され、エコーパス推定手段のタップ係数
出力が停止される。
【0036】請求項に記載の発明においては、エコー
パス推定手段が出力するタップ係数を複数段遅延して記
可能であり、前記判定手段がダブルトークと判定した
場合は、該判定時点の自己の記憶内容を保持し、前記複
数段の内の最終段に記憶されているタップ係数を前記疑
似エコー発生手段に提供するタップ係数遅延記憶手段が
設けられており、それにより、ダブルトークが発生する
前のタップ係数によって疑似エコーの発生を行うことが
できる。
【0037】
【実施例】
A:実施例の構成 図1は、本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。この実施例における制御装置4は、図5に示すもの
と異なり、非線形処理回路6の制御だけを行う。即ち、
遠端話者シングルトークの検出を行い、非線形処理回路
6のスイッチング操作の制御だけを行う。この実施例に
おけるダブルトーク検出は、エコーパス推定回路3aの
内部において行われる。
【0038】ここで、図2は、エコーパス推定回路3a
の要部の構成を示すブロック図であり、10は学習同定
法に基づいてタップ係数Hの変動分△Hを算出する演算
部である。
【0039】ところで、エコーパスのインパルスの応答
特性は、一般には、図3に示すようになっており、この
エコーパスの応答特性は、そのままタップ係数Hのパタ
ーンに対応する。正確に言えば、エコーパス推定回路3
aが正しい学習を行っていれば、算出されるタップ係数
Hの時系列パターン(数7参照)は、エコーパスのイン
パルス応答特性と同様になる。
【0040】ただし、ハイブリッドの機種や、ハイブリ
ッド個々の特性のばらつきなどにより、エコーパスの応
答特性は若干異なる。この実施例では、実用上支障が生
じない10〜20程度のパターンに分類し、それぞれの
応答特性をパターンをメモリM1〜Mnに記憶させてい
る。
【0041】次に、20はダブルトーク監視回路であ
り、信号SELによってメモリM1〜Mnを順次選択し
ながら、各メモリ内の応答特性と加算器12から出力さ
れるタップ係数Hとを比較する。
【0042】そして、加算器12から出力されるタップ
係数Hが、メモリ内の応答特性(基準値)からどの程度
離れているかを監視し、その度合いが全てのメモリM1
〜Mnについて予め定められた許容誤差範囲を外れる
と、ダブルトーク検出信号DTを出力する。この場合、
メモリM1〜Mnには、許容誤差を示す情報も記憶され
ている。
【0043】次に、25は、Hレジスタ3bと同様に構
成されている処理用レジスタであり、その出力信号は保
存用レジスタ26−1および加算器12に供給される。
保存用レジスタは、26−1〜26−nまで設けられて
おり、各レジスタの構成はHレジスタ3bと同様になっ
ている。また、保存用レジスタ26−1から保存用レジ
スタ26−nに向けて、タップ係数Hが順次転送される
ようになっており、保存用レジスタ26−nの出力デー
タは、Hレジスタ3bに供給されるようになっている。
【0044】B:実施例の動作 次に、上述した構成によるこの実施例の動作について説
明する。まず、通話が開始されると、演算部10は、学
習同定法に基づいて残留エコーが少なくなるようなΔH
を算出し、これを現時点のタップ係数H(処理レジスタ
25内のタップ係数)に加えて、次の時点のタップ係数
を作成し、処理用レジスタ25に供給する。以上の処理
が繰り返し行われることにより、処理用レジスタ25内
のタップ係数Hは適応制御される。また、処理用レジス
タ25に供給されたタップ係数Hは、保存用レジスタ2
6−1〜26−nに順次転送されていく。したがって、
保存用レジスタ26−nに格納されているタップ係数H
は、数サンプル分前のタップ係数になっている。Hレジ
スタ3bには、保存用レジスタ26−n内のタップ係数
Hが転送されるから、疑似エコー生成器3cは、数サン
プル前のタップ係数に基づいて疑似エコーを発生する。
このとき、ダブルトークが発生していなければ、加算器
12から出力されるタップ係数Hは、メモリM1〜Mn
内のいずれかの応答特性に一致するか、あるいは、その
許容誤差内に収れんしているから、ダブルトーク監視回
路20がダブルトーク検出信号DTを出力することはな
い。
【0045】一方、会話中にダブルトーク状態になる
と、近端話者の音声信号が加算器5に重畳されるため、
演算部10は誤学習状態となり、算出するΔHの値は、
エコーパスのインパルス応答に対応しないものになって
くる。この結果、加算器12から出力されるタップ係数
Hの値は、メモリM1〜Mn内の応答特性からずれてく
る。そして、そのずれ量が、全てのメモリM1〜Mnに
ついての許容誤差を上回ると、ダブルトーク監視回路2
0がダブルトーク検出信号DTを出力する。
【0046】ダブルトーク検出信号DTが出力された時
点においては、Hレジスタ3bには保存用レジスタ26
−n内に格納されている数サンプル前のタップ係数H、
すなわち、ダブルトーク状態となる前の正しいタップ係
数Hが転送されているので、疑似エコー生成回路3c
は、不要な疑似エコーを発生することがなく、ダブルト
ーク状態となる直前に算出されたタップ係数Hに基づく
疑似エコーを発生する。また、保存用レジスタ26−1
〜26−nは、ダブルトーク検出信号DTが供給される
と、新たな入力を受け付けず、内部データを保持するの
で、Hレジスタ3bに供給されるタップ係数Hは、ダブ
ルトーク状態になる直前の値を保持する。
【0047】一方、処理用レジスタ25内に書き込まれ
るタップ係数は、継続して加算器12に供給されてΔH
が加算されるが、この場合は、ダブルトーク状態である
ため、ΔHの値は誤った値となり、タップ係数Hは基準
値(各メモリ内の応答特性)からずれた値のままであ
る。
【0048】次に、ダブルトーク状態が終わり、遠端話
者の送話信号だけになると、信号Sinはエコー信号だ
けになるので、演算部10が算出するΔHは、次第に正
しい値になってくる。この結果、加算器12から出力さ
れるタップ係数Hの値は、次第に基準値に近づき、許容
値内に収れんする。これにより、ダブルトーク監視回路
20は、ダブルトーク検出信号DTの送出を停止する。
【0049】そして、ダブルトーク検出信号DTの送出
が停止されると、保存用レジスタ26−1〜26−nが
タップ係数Hのシフトを再開する。ただし、保存用レジ
スタ26−nは、ダブルトーク検出信号DTの送出が停
止された時点における処理用レジスタ25の内容が供給
されるまでは、入力端を閉状態にしており、この結果、
Hレジスタ3bの内容は正しく更新されたタップ係数が
くるまでは更新されることはない。このようにして、ダ
ブルトークが検出される前の状態に戻り、Hレジスタ3
bには正しく更新されたタップ係数Hが供給されるよう
になる。
【0050】以上のように、ダブルトークが検出された
場合であっても、その数サンプル前のタップ係数をHレ
ジスタ3bに保持させているので、誤学習の悪影響を受
けない。また、ダブルトーク状態が終了した場合は、学
習結果を反映したタップ係数HがHレジスタ3bに再び
転送される。
【0051】C:変形例 実施例においては、許容誤差をメモリM1〜Mnに記
憶させるようにしたが、ダブルトーク監視回路20内に
記憶するように構成してもよい。
【0052】また、上述した実施例においては、メモ
リ内のインパルス応答特性と比較することによってダブ
ルトークを検出するようにしたが、これ以外の検出方法
を用いることもできる。たとえば、ΔHの値が通常予想
される範囲を大きく逸脱した場合、あるいはディレイ時
間の間に何らかの信号が発生した場合にダブルトークと
判定してもよい。
【0053】後者の方法について、図4を参照して説明
する。今、通話開始後に検出されていたインパルス応答
が図4(a)に示すようにディレイ時間DT1を有して
いたとすると、エコーパス推定回路3aが正常に動作し
ていれば、この時間帯には、何の信号も生じないはずで
ある。しかし、ダブルトークの検出を誤って、誤差のあ
るタップ係数Hを算出すると、疑似エコー生成回路3c
において不要なエコーを発生してしまい、この結果、図
4(b)に示すように、ディレイ時間DT1内において
も信号が検出される。そこで、ディレイ時間を予め測定
して記憶し、この時間中に何らかの信号が検出された場
合には、ダブルトークが生じていると判定することもで
きる。その他の方法も任意であるが、要は、通常はあり
得ない状態が出現したときに、ダブルトークが生じてい
ると判定すればよい。
【0054】上記実施例の説明から明らかなように、
本発明によれば、Hレジスタ3bに大きくずれた値が転
送されることはない。このため、演算部10の誤学習に
対する安定度の要求は小さくなり、その分だけエコーパ
スの学習速度を速く設定することが可能となる。すなわ
ち、数4のα、あるいは数11のgを大きく設定して、
タップ係数Hの修正量を大きくすることにより、タップ
係数Hの追従速度を速くすることが可能となる。そし
て、学習速度を充分に速く設定し、また、メモリM1〜
Mnによる基準値の精度を高すれば、ダブルトークを更
に速く検出することが可能になり、保存用レジスタ26
−1〜26−nの数を少なくしても、Hレジスタ3bに
大きくずれた値が転送されることはない。さらに、学習
速度が充分に大きく、かつ、基準値精度が高い状況にお
いて、使用環境上特に支障が生じなければ、保存用レジ
スタ26−1〜26−nを設けず、ダブルトーク検出直
後のタップ係数HをHレジスタ3bに保持させ、ダブル
トーク検出中はこれを継続して用いるように構成するこ
ともできる。
【0055】実施例では、インパルス応答特性を記憶
するメモリを複数設けたが、使用されるハイブリッドが
ある程度特定され、かつ、その特性がほぼ同一であるよ
うな場合には、メモリは一つでもよい。
【0056】また、上述した実施例は移動電話と固定
電話との間の信号伝送に本願発明を適用した実施例であ
ったが、本願発明の適用はこれに限らず、2線路と4線
路の間で信号伝送を行う通信網の全てに適用可能であ
る。
【0057】
【発明の効果】上記の如く、本発明は、複数パターンの
エコーパスのインパルス応答特性を記憶手段に記憶し、
エコーパス推定手段が出力したタップ係数と前記記憶手
段内の複数パターンのインパルス応答特性の全てとを比
較することにより、ダブルトークの有無が判定されるの
で、種々のハイブリッドの特性に応じた、より確実なダ
ブルトーク検出を行うことができる(請求項1,2)。
【0058】また、本発明は、エコーパス推定手段が出
力するタップ係数を複数段遅延して記憶するタップ係数
遅延記憶手段を具備する。このタップ係数遅延記憶手段
は、ダブルトークであると判定される前後において、疑
似エコー発生手段に対してより良好なタップ係数を供給
し続けることが可能であるので、本発明は、誤学習に係
るタップ係数を用いることなく、疑似エコーを発生させ
ることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示す装置の要部の構成を示すブロック図
である。
【図3】エコーパスの一般的なインパルス応答を示すグ
ラフである。
【図4】遅延があるエコーパスのインパルス応答を示す
グラフである。
【図5】従来のエコーキャンセラの構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 エコーキャンセラ 2 ハイブリッド回路 3a エコーパス推定回路 3b Hレジスタ 3c 疑似エコー生成回路(疑似エコー発生手段) 4 制御装置 5 加算器 6 非線形処理回路 10 演算部(エコーパス推定手段) 20 ダブルトーク監視回路(判定手段) 25 処理用レジスタ 26−1〜26−n 保存用レジスタ(タップ係数遅延
記憶手段) M1〜Mn メモリ(記憶手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 3/23

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4線路を通じて送られる音声と2線路を
    通じて送られる音声との間の伝送を行う電話回線網に設
    けられるエコーキャンセラに適用されるダブルトーク検
    出装置において、 学習同定法によってエコーパスを推定し、これに対応し
    たタップ係数を出力するエコーパス推定手段と、複数パターンのエコーパスのインパルス応答特性と、前
    記複数パターンのインパルス応答特性の各々について予
    め定められたタップ係数許容誤差とを対応付けて 記憶す
    る記憶手段と、前記エコーパス推定手段が出力する前記タップ係数が、
    前記記憶手段が記憶する全てのインパルス応答特性につ
    いての前記タップ係数許容誤差を超えるか否かにより、
    ダブルトークの有無を判定する 判定手段とを有すること
    を特徴とするダブルトーク検出装置。
  2. 【請求項2】 4線路を通じて送られる音声と2線路を
    通じて送られる音声との間の伝送を行う電話回線網に設
    けられるエコーキャンセラにおいて、 学習同定法によってエコーパスを推定し、これに対応し
    たタップ係数を出力するエコーパス推定手段と、 前記タップ係数に基づく畳み込み演算により疑似エコー
    を発生する疑似エコー発生手段と、複数パターンのエコーパスのインパルス応答特性と、前
    記複数パターンのインパルス応答特性の各々について予
    め定められたタップ係数許容誤差とを対応付けて 記憶す
    る記憶手段と、前記エコーパス推定手段が出力する前記タップ係数が、
    前記記憶手段が記憶する全てのインパルス応答特性につ
    いての前記タップ係数許容誤差を超えるか否かにより、
    ダブルトークの有無を判定する 判定手段と、 前記判定手段がダブルトークであると判定した場合は、
    前記エコーパス推定手段のタップ係数出力を停止させる
    制御手段とを具備することを特徴とするエコーキャンセ
    ラ。
  3. 【請求項3】 前記エコーパス推定手段が出力するタッ
    プ係数を複数段遅延して記憶可能であり、前記判定手段
    がダブルトークであると判定した場合は、該判定した時
    点の自己の記憶内容を保持し、前記複数段の内の最終段
    に記憶されているタップ係数を前記疑似エコー発生手段
    に提供するタップ係数遅延記憶手段を具備することを特
    徴とする請求項記載のエコーキャンセラ。
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