JP2947452B2 - 磁気記録再生装置のテープローディング機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本発明は、テープカセットから磁
気テープを引き出して、この引き出した磁気テープを回
転ドラム及び固定ドラムに所定の角度に亘って螺旋状に
巻き付ける際、磁気テープをテープダメージなく回転ド
ラム方向にテープローディングするよう構成した磁気記
録再生装置のテープローディング機構に関するものであ
る。

【従来の技術】一般的に、ビデオ・テープレコーダ（Ｖ
ＴＲ），デジタル・オーディオ・テープレコーダ（ＤＡ
Ｔ）などの磁気記録再生装置では、テープカセットから
磁気テープを引き出して、この引き出した磁気テープを
磁気ヘッドと一体に回転する回転ドラム及び固定ドラム
に所定の角度に亘って螺旋状に巻き付けて、回転する磁
気ヘッドによりヘリカルスキャンして記録再生すること
が周知である。図３は従来の磁気記録再生装置のテープ
ローディング機構を説明するための平面図であり、
（Ａ）はテープアンローディング状態を示し、（Ｂ）は
テープローディング途中状態を示し、（Ｃ）はテープロ
ーディング完了状態を示した図である。図３（Ａ）〜
（Ｃ）において、磁気記録再生装置１０Ａ内の手前側に
は、テープカセット１が平坦なシャーシベース１１Ａ上
に装着されている。このテープカセット１は、テープア
ンローディング状態で、磁気テープ２が供給リール３と
巻取リール４とに巻回されており、供給リール３から出
た磁気テープ２はテープカセット１内の前方部位に設け
た供給側及び巻取側の半円形ポール５，６間に掛け渡さ
れて巻取リール４に巻かれている。また、テープカセッ
ト１内の前方部位には、供給側の半円形ポール５と巻取
側の半円形ポール６とを挟んで底面側を開口したローデ
ィングポケット１ａが形成されている。また、磁気記録
再生装置１０Ａ内でテープカセット１の前方部位近傍に
は、テープローディング機構部材のいくつかが供給側と
巻取側に対応して設けられている。即ち、テープカセッ
ト１の供給リール３側に対応して、テープカセット１の
前方部位の外側左方にテープガイド１２が平坦なシャー
シベース１１Ａ上に立設されている。また、テープカセ
ット１のローディングポケット１ａ内で左方から略中央
にかけて、図示しないアームに支持されたテープガイド
１３がテープカセット１の外側左方に向けて移動自在に
設けられ、且つ、図示しない供給側ローディングべース
に支持されたテープガイド１４が図示しない供給側案内
溝に沿って後述の回転ドラム１９及び固定ドラム２０の
左奥方に向けて移動自在に設けられている。一方、テー
プカセット１の巻取リール４側に対応して、テープカセ
ット１のローディングポケット１ａ内で略中央から右方
にかけて、図示しない巻取側ローディングべースに支持
されたテープガイド１５が図示しない巻取側案内溝に沿
って回転ドラム１９及び固定ドラム２０の右奥方に向け
て移動自在に設けられ、且つ、図示しないアームに支持
されたテープガイド１６がテープカセット１の外側右方
に向けて移動自在に設けられている。また、テープカセ
ット１の前方部位の右方外側にテープガイド１７が平坦
なシャーシベース１１Ａ上に立設されている。この際、
テープカセット１のローディングポケット１ａ内の左右
で待機した供給側のテープガイド１３及び巻取側のテー
プガイド１６は、先行して移動しながら磁気テープ２を
テープカセット１外に引き出すためのテープ引き出し用
テープガイドとしての機能を果たしているので、以下、
テープガイド１３，１６をテープ引き出し用テープガイ
ドと呼称する。また、テープカセット１のローディング
ポケット１ａ内でテープ引き出し用テープガイド１３，
１６の間に待機した供給側のテープガイド１４及び巻取
側のテープガイド１５は、テープローディング時にテー
プ引き出し用テープガイド１３，１６によるテープ引き
出し完了前までは引き出された磁気テープ２に添接する
ことなく、テープ引き出し用テープガイド１３，１５を
後追いしながら移動し、且つ、テープ引き出し用テープ
ガイド１３，１６によるテープ引き出し完了後には引き
出した磁気テープ２を更に引き出しつつ磁気テープ２を
回転ドラム１９及び固定ドラム２０に巻き付けるための
テープ巻き付け用テープガイドとしての機能を果たして
いるので、以下、テープガイド１４，１５をテープ巻き
付け用テープガイドと呼称する。また、磁気記録再生装
置１０Ａ内でテープカセット１の前方部位と対向した奥
側には、テープローディング機構部材のうちで、磁気ヘ
ッド１８と一体に反時計方向に回転する回転ドラム１９
が設けられており、この回転ドラム１９の下方には磁気
テープ２を螺旋状に案内するためのリード（図示せず）
を形成した固定ドラム２０が回転ドラム１９と同軸的に
固定設置されている。更に、回転ドラム１９及び固定ド
ラム２０の前方部位の右方には、シャーシベース１１Ａ
上に形成した図示しない傾斜面に傾斜ガイドローラ２１
が立設され、且つ、この傾斜ガイドローラ２１の右方に
横並びで傾斜ポール２２が取り付けられている。この
際、巻取側に配設した傾斜ガイドローラ２１及び傾斜ポ
ール２２は、回転ドラム１９及び固定ドラム２０に螺旋
状に巻き付けた磁気テープ２をシャーシベース１１Ａと
略平行に戻して巻取側のテープガイド１６に案内する機
能を備えている。尚、磁気テープ２を走行させるための
駆動源となるキャプスタン及びピンチローラは巻取側に
設けられているものの、ここでの図示を省略する。次
に、上記した構成によるテープローディング動作につい
て説明する。まず、図３（Ａ）に示した如くのテープア
ンローディング状態において、テープカセット１のロー
ディングポケット１ａ内では、左右にテープ引き出し用
テープガイド１３，１６が待機し、且つ、テープ引き出
し用テープガイド１３，１６の間にテープ巻き付け用テ
ープガイド１４，１５が待機している。この際、磁気テ
ープ２はテープ引き出し用テープガイド１３，１６及び
テープ巻き付け用テープガイド１４，１５に添接するこ
となく前方に掛け渡されている。次に、図３（Ｂ）に示
した如く、テープローディングが開始されると、テープ
引き出し用テープガイド１３，１６が、先行してローデ
ィングポケット１ａ内から図示位置まで移動することに
より、磁気テープ２がテープカセット１外の左右に拡が
りながら引き出される。このようにテープローディング
途中の前半ではテープ引き出し用テープガイド１３，１
６によるテープ引き出し動作が行われて、テープ引き出
し用テープガイド１３，１６が図示位置まで移動する
と、テープ引き出し用テープガイド１３，１６が移動を
停止して、テープ引き出し用テープガイド１３，１６に
よるテープ引き出し動作が完了する。この際、テープ引
き出し用テープガイド１３，１６によるテープ引き出し
動作が完了した時点では、テープ引き出し用テープガイ
ド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２が、回転中
の回転ドラム１９及び固定設置した固定ドラム２０の前
方部位，固定設置した傾斜ガイドローラ２１，固定設置
した傾斜ポール２２に夫々添接する。尚、テープ引き出
し用テープガイド１３，１６によるテープ引き出し完了
状態は、一般的にハーフローディング状態とも呼称され
ている。一方、テープ引き出し用テープガイド１３，１
６によるテープ引き出し完了前までは、先行して移動す
るテープ引き出し用テープガイド１３，１６よりも少し
遅れてテープ巻き付け用テープガイド１４，１５が後追
いしながら移動するので、テープ巻き付け用テープガイ
ド１４，１５はテープ引き出し用テープガイド１３，１
６間に掛け渡された磁気テープ２に添接することなく、
回転ドラム１９及び固定ドラム２０の方向に向かって移
動している。次に、図３（Ｃ）に示した如く、テープロ
ーディング途中でテープ引き出し用テープガイド１３，
１６によるテープ引き出し動作が完了すると、後追いし
ていたテープ巻き付け用テープガイド１４，１５だけ
が、回転ドラム１９及び固定ドラム２０の方向に少し進
み、ここでテープ巻き付け用テープガイド１４，１５に
引き出された磁気テープ２が添接しながらテープ巻き付
け用テープガイド１４，１５は更に磁気テープ２を引き
出しつつ回転ドラム１９及び固定ドラム２０の左側面側
及び右側面側に夫々別れて奥方へと移動するので、テー
プ巻き付け用テープガイド１４，１５間に掛け渡された
磁気テープ２は、回転ドラム１９及び固定ドラム２０に
所定の角度に亘って螺旋状に巻き付けられて、テープロ
ーディング完了状態に至り、この後、磁気テープ２に回
転する磁気ヘッド１８によりヘリカルスキャンして記録
再生している。

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の磁気
記録再生装置１０Ａのテープローディング機構では、テ
ープカセット１から引き出された磁気テープ２を回転ド
ラム１９及び固定ドラム２０に所定の角度に亘って螺旋
状に巻き付ける際、磁気テープ２がテープローディング
機構部材を構成する複数のテープガイド１２〜１７，回
転ドラム１９及び固定ドラム２０のリード（図示せ
ず），傾斜ガイドローラ２１，傾斜ポール２２に案内さ
れて、テープローディング完了状態で図３（Ｃ）に示し
たテープパスＰを形成している。ここで、テープローデ
ィング完了状態のテープパスＰは、磁気テープ２に記録
再生を良好に行うためにテープ走行負荷を軽減して理想
的なテープパスとして形成されているものの、図３
（Ｂ）に示したテープローディング途中状態では、一般
的に、テープ引き出し中のテープパスをテープローディ
ング完了時のような理想的なテースパスに形成すること
が困難であり、磁気テープ２に捩じれとか、テープ高さ
ずれが生じるので、テープダメージが発生し易い。この
原因は、前述したように、回転ドラム１９及び固定ドラ
ム２０の前方部位の右方に横並びで固定設置した傾斜ガ
イドローラ２１及び傾斜ポール２２は、テープローディ
ング完了状態での理想的なテープパスＰに沿って、夫々
所定の方向に所定の角度傾斜し、且つ、所定のテープ高
さに当然設定されているものであるから、図３（Ｂ）に
示したテープローディング途中状態おいて、とくに、テ
ープ引き出し用テープガイド１３，１６によるテープ引
き出し動作が完了した時点では、テープ引き出し用テー
プガイド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２が、
前述したように回転ドラム１９及び固定ドラム２０の前
方部位，傾斜ガイドローラ２１，傾斜ポール２２に夫々
添接してしまい、テープガイド１３，１６間に掛け渡さ
れた磁気テープ２に対して固定ドラム２０に形成した螺
旋状のリード（図示せず）とか、傾斜ガイドローラ２１
及び傾斜ポール２２の傾斜角度やテープ高さとかが合致
でき得ず、これによって磁気テープ２に捩じれとか、テ
ープ高さずれが生じるので、テープダメージが発生して
しまう。そこで、テープローディング途中状態で磁気テ
ープのテープダメージを無くすことのできる磁気記録再
生装置のテープローディング機構が望まれている。

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、磁気記録再生装置のシャーシベ
ース上に装着したテープカセットから磁気テープを引き
出して、この引き出した前記磁気テープを磁気ヘッドと
一体に回転する回転ドラム及び該回転ドラムと同軸的に
設けた固定ドラムに所定の角度に亘って螺旋状に巻き付
ける際に用いられ、テープアンローディング状態で前記
テープカセットのローディングポケット内に待機し、且
つ、テープローディング時に前記テープカセットから前
記磁気テープを前記回転ドラム及び前記固定ドラムと前
記テープカセットとの間の所定の中間位置まで引き出す
ように移動する複数のテープ引き出し用テープガイド
と、テープアンローディング状態で前記テープカセット
のローディングポケット内にいる前記複数のテープ引き
出し用テープガイドの間に待機し、且つ、テープローデ
ィング時に引き出した前記磁気テープを前記回転ドラム
及び前記固定ドラムに巻き付けるように移動する複数の
テープ巻き付け用テープガイドと、前記テープカセット
の前方部位と、前記回転ドラム及び前記固定ドラムとの
間に固定設置され、前記複数のテープ引き出し用テープ
ガイドによって前記磁気テープを前記所定の中間位置ま
で引き出した時点で、前記複数のテープ引き出し用テー
プガイド間に掛け渡された前記磁気テープに略平行な傾
斜ポールのみに前記磁気テープが添接する構成としたこ
とを特徴とする磁気記録再生装置のテープローディング
機構を提供するものである。

【実施例】以下に本発明に係わる磁気記録再生装置のテ
ープローディング機構の一実施例を図１及び図２を参照
して＜第１実施例＞，＜第２実施例＞の順に詳細に説明
する。 ＜第１実施例＞ 図１は本発明に係わる第１実施例の磁気記録再生装置の
テープローディング機構を説明するための平面図であ
り、（Ａ）はテープアンローディング状態を示し、
（Ｂ）はテープローディング途中状態を示し、（Ｃ）は
テープローディング完了状態を示した図である。図１に
示した本発明に係わる第１実施例の磁気記録再生装置１
０Ｂのテープローディング機構は、先に説明した従来の
磁気記録再生装置１０Ａのテープローディング機構にお
ける構成と一部を除いて同様の構成であり、ここでは説
明の便宜上、先に示した構成部材に対しては同一の符号
を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜
説明し、従来と異なる構成部材に新たな符号を付して説
明する。ここでは、図１に示した本発明に係わる第１実
施例の磁気記録再生装置１０Ｂのテープローディング機
構において、先に説明した従来例と異なる点を中心に説
明する。まず、シャーシベース１１Ｂの形状は、先に従
来例で説明したシャーシベース１１Ａより奥行き方向が
長く形成されており、このシャーシベース１１Ｂ上で回
転ドラム１９及び固定ドラム２０を設置する位置が、先
に従来例で説明した位置よりも少し奥方に設定されてい
る。また、テープカセット１の前方部位と、回転ドラム
１９及び固定ドラム２０との間には、シャーシベース１
１Ｂ上で巻取側に形成した図示しない傾斜面に傾斜ガイ
ドローラ２１が立設され、且つ、この傾斜ガイドローラ
２１よりも右方で少し前方に傾斜ポール２２が所定の方
向に所定の角度傾斜して取り付けられている。この際、
前述したように巻取側に配設した傾斜ガイドローラ２１
及び傾斜ポール２２は、回転ドラム１９及び固定ドラム
２０に螺旋状に巻き付けた磁気テープ２をシャーシベー
ス１１Ｂと略平行に戻して巻取側のテープガイド１６に
案内する機能を備えている。これにより、巻取側の傾斜
ポール２２，巻取側の傾斜ガイドローラ２１，回転ドラ
ム１９及び固定ドラム２０の順に奥行き方向を異ならし
めて配設されたことになる。また、テープ引き出し用テ
ープガイド１３，１６によるテープ引き出し動作が完了
した時点で、後述するように磁気テープ２が回転ドラム
１９及び固定ドラム２０の前方まで引き出されて両ドラ
ム１９，２０の前方部位に添接することなく且つ、傾斜
ポール２２のみに添接するようになっている。即ち、本
発明の要部となる上記傾斜ポール２２の設置位置は、テ
ープ引き出し用テープガイド１３，１６によるテープ引
き出し動作が完了して、テープ引き出し用テープガイド
１３，１６の移動が停止した状態で、テープ引き出し用
テープガイド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２
が傾斜ポール２２のみに略平行に添接できる位置に設定
されている。言い換えると、傾斜ポール２２の傾斜方向
（所定の方向）は、テープ引き出し用テープガイド１
３，１６によるテープ引き出し動作が完了した時点で、
テープ引き出し用テープガイド１３，１６間に掛け渡さ
れた磁気テープ２と略平行に設定されている。従って、
テープ引き出し用テープガイド１３，１６によるテープ
引き出し動作が完了した時点では、テープ引き出し用テ
ープガイド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２
は、従来と異なって、傾斜ガイドローラ２１，回転ドラ
ム１９及び固定ドラム２０の前方部位に当然添接しない
ようになっている。また、テープ引き出し用テープガイ
ド１３，１６によるテープ引き出し動作が完了した状態
で、且つ、テープ引き出し用テープガイド１３，１６間
に掛け渡された磁気テープ２が傾斜ポール２２のみに略
平行に添接した状態では、後追いしているテープ巻き付
け用テープガイド１４，１５が、テープ引き出し用テー
プガイド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２に添
接する寸前に至っている。次に、上記のように構成した
場合のテープローディングと、このテープローディング
により磁気テープ２のテープダメージが発生しない理由
について述べる。図１（Ａ）に示したテープアンローデ
ィング状態から、テープローディングが開始されると、
図１（Ｂ）に示した如く、テープカセット１のローディ
ングポケット１ａ内の左右で待機していたテープ引き出
し用テープガイド１３，１６が先行して移動を始め、こ
れらのテープ引き出し用テープガイド１３，１６に磁気
テープ２が添接しながら磁気テープ２はテープカセット
１外で回転ドラム１９及び固定ドラム２０の前方までに
引き出される。ここで、テープ引き出し用テープガイド
１３，１６によるテープ引き出し動作が完了すると、テ
ープ引き出し用テープガイド１３，１６は図示位置で移
動を停止する。尚、前述したように、テープ引き出し用
テープガイド１３，１６によるテープ引き出し完了状態
は、一般的にハーフローディング状態とも呼称されてい
る。ここで、テープローディング途中におけるテープ引
き出し用テープガイド１３，１６によるテープ引き出し
動作が完了した時点では、テープ引き出し用テープガイ
ド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２が、前記し
た傾斜ポール２２の設置条件により傾斜ポール２２のみ
に略平行に添接する。一方、テープ引き出し用テープガ
イド１３，１６によるテープ引き出し完了前までは、テ
ープカセット１のローディングポケット１ａ内でテープ
引き出し用テープガイド１３，１６間に待機しているテ
ープ巻き付け用テープガイド１４，１５が、先行して移
動するテープ引き出し用テープガイド１３，１６よりも
少し遅れて後追いしながら移動するので、テープ巻き付
け用テープガイド１４，１５はテープ引き出し用テープ
ガイド１３，１６間に掛け渡された磁気テープ２に添接
する直前まで、回転ドラム１９及び固定ドラム２０の方
向に向かって移動している。これにより、テープ巻き付
け用テープガイド１４，１５による回転ドラム１９及び
固定ドラム２０への巻き付け動作開始前では、磁気テー
プ２をテープダメージなくテープローディングを行うこ
とができる。次に、図１（Ｃ）に示した如く、テープ引
き出し用テープガイド１３，１６によるテープ引き出し
動作が完了すると、後追いしていたテープ巻き付け用テ
ープガイド１４，１５だけが、回転ドラム１９及び固定
ドラム２０の方向に少し進み、ここでテープ巻き付け用
テープガイド１４，１５に引き出した磁気テープ２が添
接しながら次に巻取側の傾斜ガイドローラ２１にも添接
し、この後、これらのテープガイド１４，１５は更に磁
気テープ２を引き出しつつ回転ドラム１９及び固定ドラ
ム２０の左側面側及び右側面側に夫々別れて奥方へと移
動するので、テープ巻き付け用テープガイド１４，１５
間に掛け渡された磁気テープ２は、回転ドラム１９及び
固定ドラム２０に所定の角度に亘って螺旋状に巻き付け
られて、テープローディング完了状態に至り、この後、
磁気テープ２に回転する磁気ヘッド１８によりヘリカル
スキャンして記録再生している。 ＜第２実施例＞ 図２は本発明に係わる第２実施例の磁気記録再生装置の
テープローディング機構を説明するための平面図であ
り、（Ａ）はテープアンローディング状態を示し、
（Ｂ）はテープローディング途中状態を示し、（Ｃ）は
テープローディング完了状態を示した図である。図２に
示した本発明に係わる第２実施例の磁気記録再生装置１
０Ｃのテープローディング機構では、シャーシベース１
１Ｃの形状が従来例で説明したシャーシベース１１Ａと
略同一寸法で奥行き方向を短く形成されていると共に、
磁気記録再生装置１０Ｃ内の各構成部材が従来例と略同
一位置に配設されている。従って、第２実施例の磁気記
録再生装置１０Ｃは第１実施例の磁気記録再生装置１０
Ｂより小型化が図られており、ここでは先に説明した第
１実施例と異なる点を中心に説明する。即ち、図２
（Ａ）に示したテープアンローディング状態から図２
（Ｂ）に示したテープローディング途中状態に至る過程
で、供給側のテープ引き出し用テープガイド１３及びテ
ープ巻き付け用テープガイド１４は、巻取側のテープ巻
き付け用テープガイド１５及びテープ引き出し用テープ
ガイド１６よりもテープローディング開始直後では遅く
移動する構成になっている。これにより、テープ引き出
し用テープガイド１３，１６によって磁気テープ２を回
転ドラム１９及び固定ドラム２０の前方に引き出す時
に、供給側のテープ引き出し用テープガイド１３はゆっ
くりと移動し、一方、巻取側のテープ引き出し用テープ
ガイド１６はテープ引き出し用テープガイド１３よりも
早く移動して停止位置に至る。従って、図２（Ｂ）に示
した如く、テープ引き出し用テープガイド１３，１６に
よるテープ引き出し動作が完了しない状態でも、テープ
引き出し用テープガイド１３，１６間に掛け渡された磁
気テープ２が傾斜ポール２２のみに略平行に添接し、傾
斜ガイドローラ２１，回転ドラム１９及び固定ドラム２
０の前方部位に当然添接しないようになっている。ま
た、テープ引き出し用テープガイド１３，１６によるテ
ープ引き出し動作が完了しない状態で、且つ、テープ引
き出し用テープガイド１３，１６間に掛け渡された磁気
テープ２が傾斜ポール２２のみに略平行に添接した状態
では、後追いしているテープ巻き付け用テープガイド１
４，１５が、テープ引き出し用テープガイド１３，１６
間に掛け渡された磁気テープ２に添接する寸前に至って
いる。これにより、テープ巻き付け用テープガイド１
４，１５による回転ドラム１９及び固定ドラム２０への
巻き付け動作開始前では、磁気テープ２をテープダメー
ジなくテープローディングを行うことができる。その
後、図２（Ｃ）に示したように、テープ引き出し用テー
プガイド１３が更に進んで停止位置に至り、テープ引き
出し用テープガイド１３，１６によるテープ引き出し動
作が完了した後に、テープ巻き付け用テープガイド１
４，１５による回転ドラム１９及び固定ドラム２０への
巻き付け動作が完了する。以上、第１，第２実施例に詳
述したように、テープカセット１から磁気テープ２を引
き出して、この引き出した磁気テープ２を回転ドラム１
９及び固定ドラム２０に所定の角度に亘って螺旋状に巻
き付ける際、とくに、テープローディング途中において
テープ引き出し用テープガイド１３，１６によって磁気
テープ２を回転ドラム１９及び固定ドラム２０の前方ま
で引き出した時点で、テープ引き出し用テープガイド１
３，１６間に掛け渡された磁気テープ２が、回転ドラム
１９及び固定ドラム２０の前方部位に添接することな
く、テープカセット１の前方部位と、回転ドラム１９及
び固定ドラム２０との間に固定設置した傾斜ポール２２
のみに略平行に添接するよう構成したので、磁気テープ
２に捩じれとか、テープ高さずれが生じ無くなり、これ
により磁気テープ２のテープダメージの発生が無くな
り、本発明に係わる磁気記録再生装置１０Ｂのテープロ
ーディング機構の品質及び信頼性を向上できる。更に、
第１実施例においては、テープ引き出し用テープガイド
１３，１６によるテープ引き出し完了状態（ハーフロー
ディング状態）で、テープ引き出し用テープガイド１
３，１６が停止しているので、磁気テープ２を例えば早
送り又は早戻しするように構成することも可能となり、
この場合でも磁気テープ２をテープダメージなく高速に
走行することが可能となる。

【発明の効果】以上詳述した本発明に係わる磁気記録再
生装置のテープローディング機構によると、テープカセ
ットから磁気テープを引き出して、この引き出した磁気
テープを回転ドラム及び固定ドラムに所定の角度に亘っ
て螺旋状に巻き付ける際、とくに、テープローディング
途中において複数のテープ引き出し用テープガイドによ
って磁気テープを回転ドラム及び固定ドラムの前方まで
引き出した時点で、複数のテープ引き出し用テープガイ
ド間に掛け渡された磁気テープが、回転ドラム及び固定
ドラムの前方部位に添接することなく、テープカセット
の前方部位と、回転ドラム及び固定ドラムとの間に固定
設置した傾斜ポールのみに略平行に添接するよう構成し
たので、磁気テープに捩じれとか、テープ高さずれが生
じ無くなり、これにより磁気テープのテープダメージの
発生が無くなり、本発明に係わる磁気記録再生装置のテ
ープローディング機構の品質及び信頼性を向上できる。
更に、テープ引き出し用テープガイドによるテープ引き
出し完了状態（ハーフローディング状態）では、テープ
引き出し用テープガイドが停止しているので、磁気テー
プを例えば早送り又は早戻しするように構成することも
可能となり、この場合でも磁気テープをテープダメージ
なく高速に走行することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる第１実施例の磁気記録再生装置
のテープローディング機構を説明するための平面図であ
る。

【図２】本発明に係わる第２実施例の磁気記録再生装置
のテープローディング機構を説明するための平面図であ
る。

【図３】従来の磁気記録再生装置のテープローディング
機構を説明するための平面図である。

【符号の説明】

１…テープカセット、１ａ…ローディングポケット、 ２…磁気テープ、 １０Ｂ，１０Ｃ…磁気記録再生装置、 １１Ｂ，１１Ｃ…シャーシベース、 １３，１６…テープ引き出し用テープガイド、 １４，１５…テープ巻き付け用テープガイド、 １８…磁気ヘッド、１９…回転ドラム、２０…固定ドラ
ム、 ２２…傾斜ポール。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気記録再生装置のシャーシベース上に装
   着したテープカセットから磁気テープを引き出して、こ
   の引き出した前記磁気テープを磁気ヘッドと一体に回転
   する回転ドラム及び該回転ドラムと同軸的に設けた固定
   ドラムに所定の角度に亘って螺旋状に巻き付ける際に用
   いられ、 テープアンローディング状態で前記テープカセットのロ
   ーディングポケット内に待機し、且つ、テープローディ
   ング時に前記テープカセットから前記磁気テープを前記
   回転ドラム及び前記固定ドラムと前記テープカセットと
   の間の所定の中間位置まで引き出すように移動する複数
   のテープ引き出し用テープガイドと、 テープアンローディング状態で前記テープカセットのロ
   ーディングポケット内にいる前記複数のテープ引き出し
   用テープガイドの間に待機し、且つ、テープローディン
   グ時に引き出した前記磁気テープを前記回転ドラム及び
   前記固定ドラムに巻き付けるように移動する複数のテー
   プ巻き付け用テープガイドと、 前記テープカセットの前方部位と、前記回転ドラム及び
   前記固定ドラムとの間に固定設置され、前記複数のテー
   プ引き出し用テープガイドによって前記磁気テープを前
   記所定の中間位置まで引き出した時点で、前記複数のテ
   ープ引き出し用テープガイド間に掛け渡された前記磁気
   テープに略平行な傾斜ポールのみに前記磁気テープが添
   接する構成としたことを特徴とする磁気記録再生装置の
   テープローディング機構。