JPH0229555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、ビデオテープレコーダ（以下
VTRと称する）等におけるテープローデイング
装置の改良に関する。

背景技術 Ｍローデイング方式によつてテープを回転ドラ
ムの周面に巻付けるようにしたVTRがある。こ
のＭローデイング方式による場合、テープは次の
ような手順によつて回転ドラムに巻付けられる。

先ず、ローデイングポストがカセツトの端部に
形成された空間部に入るように、カセツトを所定
の位置に装填する。次に、ローデイングポストが
シヤーシベースに設けられたガイド溝に沿つて移
動し、テープがＭ字の形状で回転ドラムに巻付け
られる。このようにして、テープが所定のテープ
経路に装填された後、周知のような録画、再生動
作が行われる。又、カセツトをVTRから取出す
ときにはテープおよびローデイングポストは上述
と逆の動作を行う。

Ｍローデイング方式によりテープがカセツトか
ら引出されかつ、再び収納される形式のVTRに
おいて小型、軽量化を図る場合には、次のような
問題が生ずる。

すなわち、小型化に伴いテープが回転ドラムに
近傍したローデイング経路を採るようになるの
で、その結果、テープ走行経路に沿つて配設した
全幅消去ヘツド、あるいはインピーダンスローラ
などとテープとの接触が悪くなり、良好な録画、
音声記録、再生動作が行えなくなる。

そこで、ローデイングポストの配置を変えるこ
とによつてローデイング経路を全幅消去ヘツド、
音声ヘツド等とテープとが最良に接触するように
することが考えられる。これは、例えばローデイ
ングポストを支持するポストベースに回転アーム
を枢着し、この回転アームの一端にガイドポスト
を設け、そしてテープのローデイング完了直前に
このガイドポストを回転アームの支点を中心とし
て所定の角度回転させる。このようにしてローデ
イング経路を変えることで、全幅消去ヘツド，音
声ヘツド等とテープとの接触を最良にするものが
考えられる。これによると、VTRの小型、軽量
化に伴う上述のような問題点がある程度解消され
るのであるが、以下のような問題点が解決されな
い。

すなわち、ガイドポストを支持する回転アーム
とポストベースに枢着された軸との間には両者が
相対運動をするために必要な微小隙間がある。し
たがつて、テープのローデイング完了時に、第１
図に示すように回転アーム１をストツパー３によ
つて固定しようとしても上記隙間があるゆえに図
の矢印１００で示すように回転アーム１が上下に
ガタ付く。すなわちガイドポストの位置が矢印１
０１で示すように定まらない。その結果、ローデ
イングの都度テープと上記各ヘツドなどと接触さ
せた時にトラツクずれ等が起るといつた問題点が
残つていた。更に、その際に生ずるテープの微少
なネジレ等によりテープ走行に無理が生じ回転シ
リンダの周面に沿つて正確に走行させることがで
きないといつた問題点もある。そのため、再現性
のある録画，再生動作等が行えない。

考案の開示 この考案は上述した問題点を解消するためにな
されたもので、テープローデイングの完了位置で
テープガイド手段に付設された回転アームの一端
に取付けられたテープガイドポストを再現性をも
つて所定の位置に正確に位置決めできる機構を提
供すること、及びテープ走行の安定性を保ち、か
つ、テープ走行系の小型化、薄型化を図ることを
目的とする。

この目的を達成するために、この考案は左右一
対のテープガイド手段に設けたガイド部材を垂直
ポスト及び傾斜ポストを支持するポストベースに
枢着された回転アームと、この回転アームの一端
に立設されたガイドポストとにより構成すると共
に、回転ドラム両側のガイド溝の終端近傍に位置
決め手段を夫々配設し、該位置決め手段にガイド
部材の回転アームと対応係合する凹部を設け、該
凹部とアームとの対応係合によりテープローデイ
ング完了時にガイド部材をドラムに対して外側方
向に所定角度回動させ、該回動位置に位置決め保
持することを特徴としている。

この考案によればテープのローデイング完了時
位置決め部材の凹部と回転アームとが係合するの
でガイドポストは所定の位置に再現性をもつて正
しく固定される。したがつて、テープローデイン
グ完了位置でのガイドポストの位置の微少変動な
どに起因して従来生じていたテープのネジレ等の
現象をなくすことができる。その結果テープの走
行経路に沿つて配設した全幅消去ヘツド，音声ヘ
ツドなどとテープとの接触が良くなりかつ回転ド
ラムの周面に沿つて常に安定してテープを走行さ
せることができる。すなわち常時安定した録画，
録音および再生ができる。さらに、本考案にあつ
ては、垂直ポストおよび傾斜ポストを支持した左
右一対のテープガイド手段がガイド部材と共に基
準ベース上をベース面と平行に移動し、かつ、ガ
イド溝の終端でベース面と平行な状態に位置決め
保持される。その上、ローデイング完了時にテー
プがガイド部材によつて回転ドラムに対して両外
側方向に押し拡げられる。したがつて、テープ走
行系に配置されている全幅消去ヘツド、ACEヘ
ツド等をドラムに対して更に内側に配置すること
が可能となり、また、上下の厚さを最少限に薄く
設定できる。その結果機器の小型化、薄型化を実
現できる。また、テープ走行時に垂直ポストのみ
が回転し、傾斜ポストは回転ドラム側方の一定位
置で静止しているので、ポストによるテープ走行
の安定性を阻害する要因がなく、テープ走行の安
定性を保つことができる。

考案を実施するための最良の形態 以下、この考案の一実施例を第２図以下の図面
を参照して詳細に説明する。

第２図はこの考案が適用されるVTRのテープ
ローデイング装置の要部を示している。図におい
て、シヤーシベース１０の所定の位置に供給およ
び巻取りリール台１１，１２が配設され、このリ
ール台１１，１２上にテープを収納したテープカ
セツト１３が装填されている。テープカセツト１
３の前方（図示上方）所定の位置にビデオヘツド
を備える回転ドラム１４が配置されており、その
周面にカセツト１３から引出されたテープ１５が
巻付けられるようになつている。

回転ドラム１４の両側には、一対のガイド溝２
０１，２０２が、カセツト装填位置の前端部下
方、つまりカセツト１３の前端空間部下方から装
置前方に向け回転ドラム１４を両側から囲うよう
に外方に湾曲した形状で形成されている。

テープ供給側のガイド溝２０１を挾んで回転ド
ラム１４の左方所定の位置に全幅消去ヘツド３
０、その前方にインピーダンスローラ３１が設け
られている。一方、テープ巻取側のガイド溝２０
２を挾んで回転ドラム１４の右方所定の位置に音
声消去ヘツド３２と音声及びコントロールヘツド
３３が並設されている。これらのヘツドやインピ
ーダンスローラは所定のテープ経路に沿うよう配
設され、テープ走行時にテープの磁性面と摺接す
るようになつている。上記ガイド溝２０１，２０
２には供給側のテープガイド４０と巻取側のテー
プガイド４１とが左右一対で設置されている。テ
ープガイド４０，４１をガイド溝２０１，２０２
に沿つて移動させることにより、装填されたテー
プカセツト１３からテープ１５を引出し回転ドラ
ム１４の周面に巻付ける。すなわち、ローデイン
グが行われる。又、逆にテープガイド４０，４１
をガイド溝２０１，２０２に沿つて上述とは逆に
移動させることによりテープをカセツト１３に収
納する。すなわち、アンローデイングさせること
ができる。

テープガイド４１は第３図に示すように構成さ
れている。なお、テープガイド４０，４１は対称
構造であるため、以下、説明の便宜上主として回
転ドラムに対して第２図に示す右方に位置する巻
取側のテープガイド４１について説明する。

テープガイド４１は、平板状のポストベース４
１１と、このポストベース４１１の前端部に立設
された傾斜ポスト４１３と、傾斜ポスト４１３の
外側に立設された垂直ポスト４１４と、ポストベ
ース４１１の後端部に設けられた軸４１８に回転
可能に枢着された回転アーム４１６と、回転アー
ム４１６の端に立設されたガイドポスト４１７
と、軸４１８に嵌挿され回転アーム４１６をポス
トベースの側部方向に回転させる力を発生するバ
ネ４１９とからなつている。

垂直ポスト４１４はポストベースの下方に所定
の長さ突出している。そして、この突出部４２０
とガイド軸４１８とはガイド溝２０２に挿嵌され
る。ガイド軸４１８の下端部は更に小径化されて
ガイド溝２０２から下方に延出しており、その先
端部に図示していないローデイングモータ等から
なる駆動手段が接続されている。この駆動手段を
駆動することにより両テープガイド４０，４１が
ガイド溝２０１，２０２に沿つて移動する。すな
わち、テープのローデイング又はアンローデイン
グが行われる。

バネ４１９の一端はポストベース４１１に設け
たストツパーピン４２１に係止され、又、他端
は回転アーム４１６に設けたストツパーピン４
２２に係止されている。

回転アーム４１６はガイドポスト４１７と共に
回転ドラム１４に対してポストベース４１１の外
側に位置しており、ネ４１９に抗して外側方向に
所定の角度でガイド軸４１８を中心として回転す
るようになつている。

テープガイド４０の構成もテープガイド４１と
同様になつている。

このように構成された両テープガイド４０，４
１は前述のごとく駆動手段を動作させることによ
りガイド溝２０１，２０２に沿つて第２図に示す
始端Ａと終端Ｂ間を移動する。

一方、ガイド溝２０１，２０２の終端近傍の所
定位置にはテープガイド４０，４１の回転アーム
４０６，４０７を回転させる位置決め部材５０，
５１が一対配設されている。

位置決め部材５１（なお、一方の位置決め部材
５０は部材５１と対称構造であるため、その説明
を省略する）は、テープガイド４１がガイド溝２
０２の終端近傍に移動したとき、回転アーム４１
６の一側部と当接する。すなわち、回転アーム４
１６はテープガイド４１の外側方向つまり回転ド
ラム１４から離れる方向に回動し始める。

位置決め部材５１は第４図に示すように、略Ｌ
形状をなしている。そして、位置決め部材５１の
シヤーシベース１０から所定高さの位置に回転ア
ーム４１７の一側部と係合する凹部５１１が幅ｄ
と深さｌとで形成されている。この幅ｄは回転ア
ーム４１６の厚さよりもやや広く、又、その深さ
ｌは回転アーム４１６の一側部と係合したとき
に、ガイドポスト４１７が上記回動した位置に正
しく位置決めできるように設定されている。

次に以上の構成による本考案のテープローデイ
ング装置の動作について説明する。

第２図に示すテープがローデイングされていな
い状態では、テープガイド４０，４１はガイド溝
２０１，２０２の始端Ａつまりカセツト装填位置
に位置している。この状態でテープカセツト１３
をリール台１１，１２上に装填すると、テープガ
イド４０，４１がカセツト１３の前端部の空間部
１３１，１３２に嵌入される。

次いで、上記駆動手段を駆動してテープガイド
４０，４１を矢印１１０，１１１で示すようにガ
イド溝２０１，２０２に沿つて移動させる。これ
により、テープ１５はテープガイド４０，４１の
各傾斜ポストと垂直ポスト間に張架された状態で
カセツト１３の前方に引出される。（以下、簡単
化のため一方のテープガイド４１の動作について
のみ説明する） テープガイド４１がガイド溝２０２の終端近傍
に達すると、第５図に示すように回転アーム４１
６の一側部が第６図及び第７図の仮想線で示すよ
うに位置決め部材５１の凹部５１１と係合し始め
る。この状態では、テープガイド４１は終端Ｂ方
向に移動し続けている。そして、テープガイド４
１が終端Ｂに達すると、回転アーム４１は凹部５
１１と完全に係合する。すなわち、第６図の矢印
１１２で示すように、回転アーム４１６はテープ
ガイド４１の外側方向に所定の角度で回動し、こ
れにより、第５図の仮想線で示すように引出され
たテープ１５が、図の実線で示すように回転ドラ
ム１４の外側方向に拡げられる。ところで、回転
アーム４１６の一側部と位置決め部材５１の凹部
５１１とが係合すると、第７図の矢印１１３で示
すように回転アーム４１６はバネ４１９の付勢に
よつて凹部５１１の内側壁５１２に押付けられ、
テープガイド４１の移動方向に位置規制される。
更に、凹部５１１の上、又は下壁面５１３又は５
１４と回転アーム４１６の上又は下面が摺接する
ことによりこの回転アーム４１６を位置決めする
ことによつて、ガイドポスト４１７がローデイン
グ毎に再現性をもつて所定の位置に固定される。

本実施例によれば、上述のようにテープローデ
イング動作の都度、位置決め部材５１の凹部５１
１との係合によつて、回転アーム４１６つまりガ
イドポスト４１７を上記回動した位置に正しく固
定することができる。しかも、その位置決めが回
転アーム４１６と凹部５１１との係合によるもの
であるため、極めて簡単である。

したがつて、ローデイング毎に再現性をもつ
て、全幅消去ヘツド３０、音声ヘツド３３などと
テープとの接触が確実に行われるとともに、テー
プにねじれ等が生ずることがないので回転ドラム
周面を正しくテープが走行し、良好な録画，再生
を行うことができる。他方、VTRの録画，再生
動作が完了すると、上述と逆の手順によりテープ
ガイド４１がガイド溝２０２に沿つて元の位置に
移動復帰する。これにより、回転アーム４１６と
位置決め部材５１との係合が解け、バネ４１９の
付勢によつて回転アーム４１６がガイドポスト４
１７と共にポストベース４１１の側部に回動復帰
する。そして、テープガイド４１がガイド溝２０
２のＡ部に復帰するのに伴い引出されたテープが
カセツト１３に収納される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガイドポストの位置決め構造を
示す部分斜視図、第２図はこの考案が適用される
VTRの要部平面図、第３図は本案ローデイング
装置を構成するテープガイドの一例を示す斜視
図、第４図は本案装置における位置決め部材の一
例を示す斜視図、第５図は本案装置の動作を説明
する平面図、第６図は同じく要部平面図、第７図
は本案装置の動作を説明する要部斜視図である。 １４……回転ドラム、２０１，２０２……ガイ
ド溝、１３……テープカセツト、１５……テー
プ、４０，４１……テープガイド（手段）、｛４０
３，４１３……傾斜ポスト、４０４，４１４……
垂直ポスト｝ローデイングポスト、｛４０６，４
１６……回転アーム、４０７，４１７……ガイド
ポスト｝ガイド部材、５０，５１……位置決め部
材（手段）、５０１，５１１……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転ドラムの両側に形成されたガイド溝に沿つ
   てテープカセツトに収納されたテープを引出し前
   記回転ドラムの周面に巻付ける垂直ポスト及び傾
   斜ポストと、前記ガイド溝の終端近傍で前記導か
   れたテープを前記回転ドラムの外側方向に更に拡
   開させるように該外側方向に所定の角度で回動す
   るガイド部材とから成る左右一対のテープガイド
   手段を備えたテープローデイング装置において、
   前記ガイド部材を前記垂直ポスト及び傾斜ポスト
   を支持するポストベースに枢着された回転アーム
   と、この回転アームの一端に立設されたガイドポ
   ストとにより構成すると共に、前記両側のガイド
   溝の終端近傍に位置決め手段を夫々配設し、該位
   置決め手段に前記ガイド部材の回転アームと対応
   係合する凹部を設け、該凹部との対応係合により
   テープローデイング完了時に前記ガイド部材を前
   記外側方向に所定角回動させ、該回動位置に位置
   決め保持するようにして成るテープローデイング
   装置。