JP2946440B2 - 還元的アルキル化・還元的アミノ化法 - Google Patents

還元的アルキル化・還元的アミノ化法

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JP2946440B2 JP3307155A JP30715591A JP2946440B2 JP 2946440 B2 JP2946440 B2 JP 2946440B2 JP 3307155 A JP3307155 A JP 3307155A JP 30715591 A JP30715591 A JP 30715591A JP 2946440 B2 JP2946440 B2 JP 2946440B2
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功博 川崎
寛昭 小西
真美 川成
俊一 堂迫
栄記 出家
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素貯蔵合金を用いる
還元的アルキル化・還元的アミノ化法に関する。本発明
の方法は、食品、医薬、農薬などの分野において利用さ
れる化成品の合成に際して有用である。
【0002】
【従来の技術】還元的アルキル化法・還元的アミノ化法
は、アンモニアやアミンをアルデヒドやケトンなどのカ
ルボニル化合物で還元的にアルキル化する反応のこと
で、この反応をカルボニル化合物からみると還元的にア
ミノ化する反応となる。この反応については、還元方法
の違いによって大きく二つに分けられる。
【0003】一つは、ギ酸やホルムアミド、水素化ホウ
素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムなどの還
元剤を用いる方法である。これは、1885年にロイカルト
がギ酸アンモニウムを用いて行ったアミンによるカルボ
ニル化合物の還元的アミノ化(アルキル化)反応として
発見された。そして、1892年にワーラッハがギ酸を用
い、反応条件を穏やかにして副反応を押さえ種々の系に
拡張した。その為、この反応はロイカルト−ワーラッハ
反応とも呼ばれている。しかし、この方法は還元剤の繰
り返し使用ができず、また還元剤と反応生成物との分離
がしばしば困難になるという問題点があった。
【0004】もう一つの方法は、白金やニッケル、コバ
ルトなどの金属触媒を用い、水素雰囲気下で接触還元す
る反応である。この反応は還元剤を使用する方法に比べ
て操作が簡便で反応生成物と触媒との分離が容易である
という利点がある。この時、パラジウム、ロジウム、白
金などの貴金属を用いた場合、触媒能が高く、低温・低
圧で反応が進行する。しかし、当然のことながら高価で
あり、産業上の利用においては適当でなかった。また、
ニッケル、コバルト、銅などの比較的安価な金属を用い
た場合、触媒能が低く、高温・高圧の条件を必要とする
為、反応容器を高価な耐熱耐圧容器とする必要があっ
た。
【0005】近年開発され、その応用が注目されている
水素貯蔵合金は、現在、自動車、ヒートポンプ及び室内
の冷暖房システムなどの分野で利用されているが、水素
貯蔵合金には、例えば LaNi5、MgNi、TiFeなどの多くの
種類があって、合金の水素貯蔵量、排出圧力及び排出温
度などの機能は、その構成金属によって大きく異なる
為、その利用に当たっては合金の選択が重要となる。
【0006】ところで、水素貯蔵合金による水素化還元
反応の例としては、オレフィンの水素化還元、一酸化炭
素の水素化及びアンモニアの合成が「水素貯蔵合金デー
タブック」(与野書房1987年発行) において、さらに、
オレイン酸メチルの常圧水素化分解によるC18アルコー
ル生成反応については日本化学会(第54回春季年会1987
年開催) において報告されている。また、油脂の水素添
加(特開昭63−268799号) 、糖アルコールの製造(特願
平2−219100号) 、ジスルフィド結合の還元(特願平2
−277808号) 、脱保護法(特願平2−277809号) などに
ついても報告されている。
【0007】しかし、水素貯蔵合金を用いて還元的アル
キル化・還元的アミノ化を行った例についての報告は見
られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、接触還元を
用い、カルボニル基を有する化合物について還元的アル
キル化・還元的アミノ化を行うに当たり、反応性の高い
水素貯蔵合金を利用するため、従来の触媒を全く用いる
必要がなく、また、水素貯蔵合金から排出される大量の
水素を低圧で利用することができ、簡単な装置を用い
て、安全かつ安価に還元的アルキル化・還元的アミノ化
を行う方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルボニル基
を有する化合物をアンモニアなどのアミノ化合物と共存
させ、還元的アルキル化・還元的アミノ化を行う際、M
(希土類元素もしくはCa元素を表す)及びNiを必須元素
とした六方晶のCaCu5型の結晶構造を有する化合物を主
相とする水素貯蔵合金を用い、該合金から放出される水
素で接触水素化を行い、還元的アルキル化・還元的アミ
ノ化を行うことを特徴とする。
【0010】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おいて用いられるカルボニル基を有する化合物として
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、
ベンズアルデヒドなど、多様な化合物が挙げられる。本
発明において用いられる水素貯蔵合金は、M(希土類元
素もしくはCa元素を表す)及びNiを必須元素とした六方
晶のCaCu5型の結晶構造を有する化合物を主相とする。
また、水素貯蔵合金に含まれるCaCu5型の結晶相は、50
重量%以上含まれ、残部は主相以外の金属間化合物、不
純物、添加元素などが第2相もしくは混合相として存在
する。
【0011】これらの水素貯蔵合金は、それ自体還元反
応に対する高い触媒能を有しているので、使用する合金
の種類と反応液の還元反応温度の設定により、20kg/cm2
未満の水素ガス圧力の条件で、高い反応率でかつ安全に
還元的アルキル化・還元的アミノ化を行うことが可能で
ある。この水素貯蔵合金を微粉化した後、0℃、もしく
はそれ以下の温度で水素雰囲気下、一定時間保持するこ
とにより水素を合金に吸蔵させる。
【0012】本発明においては、反応溶液とこのあらか
じめ水素を吸蔵させた水素貯蔵合金を反応槽に入れ、脱
気後、攪拌しながら、反応液を一定の温度で保持する
か、ジャケット式によって、水素貯蔵合金を一定の温度
に保持することができるようにした棚段式カラムに水素
貯蔵合金を封入し、一定の温度に保持された反応液を循
環することにより還元的アルキル化・還元的アミノ化を
行う。
【0013】反応後、水素ガス及び反応液を回収し、水
素貯蔵合金を冷却する。この水素貯蔵合金は、水素を再
循環することにより、次回の還元反応に繰り返し使用す
ることが可能である。なお、本発明は、水素貯蔵合金の
特性上、水素ガス圧力が20kg/cm2未満の条件で十分に反
応を行うことが可能であり、製造装置の保守安全上、有
利である。また、水素貯蔵合金は、耐食性、熱伝導性な
どの向上を意図して表面改質されたメッキ粉末、表面処
理粉末、銅やシリコンなどによるカプセル化合金なども
本発明に使用可能である。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
する。 実施例1 容量1リットルのデッドエンド式の反応容器に予め水素
を貯蔵させた50gの水素貯蔵合金CaNi5を入れておい
た。そして25℃、真空度750mmHgで5分間脱気し、冷却
したベンズアルデヒド109gを溶解したエタノール溶液15
0ml とアンモニア17gを溶解したエタノール溶液150ml
をそれぞれ容器内に注入した。その後、攪拌しながら反
応温度を25℃に調整した。この時の容器内の水素ガス圧
は6.0kg/cm2であった。40分後、GC−MSによって反
応液を分析したところ、ベンジルアミンとジベンジルア
ミンが、それぞれ生成していることを確認した。液体ク
ロマトグラフィーにより、それぞれの収率が81%、7%
であった。
【0015】実施例2 容量1リットルのデッドエンド式の反応容器に、予め水
素を貯蔵させた50gの水素貯蔵合金LaNi5を入れておい
た。そして、25℃、真空度750mmHgで5分間脱気し、冷
却した22重量%濃度の2,3−ジメトキシベンズアルデ
ヒドのメタノール溶液170mlと23重量%濃度のメチルア
ミンのメタノール溶液100mlを、それぞれ容器内に注入
した。その後、攪拌しながら反応温度を25℃に調整し
た。この時の容器内の水素ガス圧は、6.5kg/cm2 であっ
た。2時間後、GC−MSによって反応液を分析したと
ころ、N−メチル−2,3−ジメトキシベンジルアミン
が生成していることを確認し、液体クロマトグラフィー
により収率は88%であった。
【0016】実施例3 容量1リットルのデッドエンド式の反応容器に、予め水
素を貯蔵させた50gの水素貯蔵合金LaNi5を入れておい
た。そして、25℃、真空度750mmHgで5分間脱気し、冷
却した38重量%濃度のフェノキシアセトンのメタノール
溶液200ml と15重量%濃度のエタノールアミンのメタノ
ール溶液200mlをそれぞれ反応容器内に注入した。その
後、攪拌しながら反応温度を25℃に調整した。この時の
容器内の水素ガス圧は、6.0kg/cm2 であった。2時間
後、GC−MSによって反応液を分析したところ、1−
フェノキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロ
パンが生成していることを確認し、液体クロマトグラフ
ィーにより、収率は61%であった。
【0017】実施例4 容量1リットルのデッドエンド式の反応容器に予め水素
を貯蔵させた50gの水素貯蔵合金CaNi5を入れておい
た。そして25℃、真空度750mmHgで5分間脱気し、冷却
したベンズアルデヒド109gを溶解したメタノール溶液15
0mlとアンモニア8.5gを溶解したメタノール溶液150ml
をそれぞれ容器内に注入した。その後、攪拌しながら反
応温度を25℃に調整した。この時の容器内の水素ガス圧
は6.0kg/cm2であった。90分後、GC−MSによって反
応液を分析したところ、ジベンジルアミンがとベンジル
アミンが、それぞれ生成していることを確認し、液体ク
ロマトグラフィーにより、収率はそれぞれ80%、15%で
あった。
【0018】実施例5 容量1リットルのデッドエンド式の反応容器に、予め水
素を貯蔵させた50gの水素貯蔵合金LaNi4.3Al0.3を入
れておいた。そして、25℃、真空度750mmHgで5分間脱
気し、冷却した15重量%濃度のホルムアルデヒドのエタ
ノール溶液100ml と42重量%濃度のジフェニルアミンの
エタノール溶液200mlをそれぞれ容器内に注入した。そ
の後、攪拌しながら反応温度を25℃に調整した。この時
の容器内の水素ガス圧は6.7kg/cm2であった。40分後、
GC−MSによって反応液を分析したところ、メチルジ
フェニルアミンが生成していることを確認し、液体クロ
マトグラフィーにより、収率は62%であった。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により水素貯
蔵合金を用いて還元的アルキル化・還元的アミノ化を行
うと、水素貯蔵合金自体が高い触媒能を有するので、従
来のニッケルなどの触媒を必要とせずに、水素ガス圧20
kg/cm2未満の安全性の高い条件で、効率良く反応を行う
ことが可能であり、繰り返して反応に供することが可能
である。また、水素貯蔵合金は工業用の水素貯蔵装置に
比べて大量の水素ガスを貯蔵でき、しかも上述のように
低圧で作業できる。さらに、先に述べたような上昇流棚
段カラムを使用する場合には、反応溶液と水素貯蔵合金
の分離に対する負荷を大幅に軽減できるという操作上の
利点もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 213/02 C07C 213/02 217/16 217/16 (72)発明者 堂迫 俊一 埼玉県浦和市北浦和5−15−39−616 (72)発明者 出家 栄記 埼玉県狭山市入間川1−6−6−802 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 209/26 C07B 31/00 C07B 43/04 C07C 211/27 C07C 211/54 C07C 213/02 C07C 217/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル基を有する化合物をアミノ化
    合物と共存させ、還元反応によってアミンを得る際に、
    M(希土類元素もしくはCa元素を表す)およびNiを必須
    元素とした六方晶のCaCu5型の結晶構造を有する化合物
    を主相とする水素貯蔵合金を用い、該合金から放出され
    る水素で還元することを特徴とする還元的アルキル化・
    還元的アミノ化法。
JP3307155A 1991-10-28 1991-10-28 還元的アルキル化・還元的アミノ化法 Expired - Lifetime JP2946440B2 (ja)

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