JP2944947B2 - 数値制御円筒研削盤の研削方法 - Google Patents

数値制御円筒研削盤の研削方法

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JP2944947B2
JP2944947B2 JP8317117A JP31711796A JP2944947B2 JP 2944947 B2 JP2944947 B2 JP 2944947B2 JP 8317117 A JP8317117 A JP 8317117A JP 31711796 A JP31711796 A JP 31711796A JP 2944947 B2 JP2944947 B2 JP 2944947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工具の動作領域を設定
することによって、作業者による操作を容易にした加工
装置に関し、特に研削加工を行うのに適した加工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、作業者がワークの径方向に手動に
よって、砥石台を送りながら研削を行う場合には、主に
以下の2つの場合がある。第1の場合は、高度な寸法精
度が要求される場合である。このような場合には、図2
(a)に示すようにワークWの仕上げ径Dにオーバサイ
ズ量dを加えた外径寸法でNCデータに基づいて自動研
削した後、手動によって仕上げ径に研削するものであ
る。この場合は、オーバサイズ量dまでの自動研削を終
了した後、ワークWの外径寸法を測定する。そして、こ
の測定結果によって、後どれくらい研削すれば仕上げ径
に達するかを知ることができるため、この残りの研削量
を作業者はハンドルに取り付けられた目盛りもしくは操
作盤に表示された座標値を見ながら研削する。
【0003】なお、この残りの研削量を追い込み量とし
て入力し、この追い込み量分を自動研削する方法がある
が、熱変位、砥石の切れ味の変化等により、この自動研
削によって追い込み量分を除去する方法は高度な精度を
満足することができず、上記した手動を加えた熟練技術
によって寸法精度を維持しているという実情がある。第
2の場合は、NCデータによる自動加工を行わず、作業
者が加工の最初から最後までハンドル操作による手動で
砥石台を送り、研削加工するものである。この方法は、
通常、ワークの外径寸法が測定装置によって測定可能な
状態になるまでワークの黒皮部分(加工が施される前の
ワークの表面部分)を手動研削によって除去した後、測
定装置によってワークの外径寸法を測定する。この測定
によって、現在のワークの外径と所望の寸法(例えば仕
上げ径)との差分を除去するために手動で砥石台をワー
クの径方向に送る。この時、作業者はハンドルに取り付
けられた目盛りもしくは操作盤に表示された座標値を見
ることによってワークが必要な外径寸法に達したかを判
断している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような2つの
場合のどちらの場合においても、最終的に所望の寸法を
得るためにハンドルによる手動操作を行っている。この
ような手動操作を行う場合には、単に所望の外径に達し
たか否かをハンドルに取り付けられた目盛りもしくは操
作盤に表示された座標値を見ながら加工を行うだけでは
十分ではない。即ち、手動研削時における砥石台の送り
速度が問題となる。この砥石台の送り速度の適否は、作
業者が研削中にワークに発生する火花の出具合を確認す
ることによって判断される。このため、作業者は、ハン
ドルに取り付けられた目盛りもしくは操作盤に表示され
た座標値と、ワークの両方を確認しながら手動研削を行
うことになり、非常に作業が面倒であった。
【0005】このため、あまり熟練されていない作業者
が上記した作業を行う場合には、誤って切り込み過ぎに
よる不具合を発生させたり、多大な時間を要するという
問題点があった。本発明は以上のような問題点を解決す
るためになされたものであり、熟練作業者でなくとも、
短時間で高精度な手動加工が行える加工方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を
達成する方法として、請求項1に記載された方法は、移
動指令に基づき砥石を円筒ワークに対して相対的に移動
させる工具移動手段を有し、作業者による手動送り操作
及びNCプログラムに基づき数値制御装置が前記工具移
動手段に移動指令を与えることにより前記砥石を前記ワ
ークに対して相対的に移動させ、前記ワークの外周また
は端面を加工する数値制御円筒研削盤の研削方法におい
て、前記数値制御装置は、前記ワークの仕上げ径をあら
かじめ記憶されたNCプログラムから入力し、前記砥石
を前記ワークに対して相対的に前進させないように前記
仕上げ径を境界としてワークに対して離間する方向の範
囲を前記砥石の動作領域として設定し、前記仕上げ径よ
りも所望の加工代を残すべく作業者により設定されるオ
ーバーサイズ量だけ前記動作領域を前記砥石がワークに
対して相対的に後退する方向に補正し、その後、あらか
じめNCプログラムに設定された研削サイクルに基づい
て前記工具移動手段に移動指令を与えることにより自動
研削を行い、前記自動研削の際に、前記砥石が前記オー
バーサイズ量だけ補正された動作領域を越えると判断さ
れる時、さらに砥石をワークに対して前進させる移動指
令が与えられていても前記工具移動手段による前記砥石
のワークに対する相対的な前進を停止させることにより
前記動作領域まで研削し、その後、作業者により終了ボ
タンが押されるまで、作業者がワーク径を測定して追い
込み量を入力するたびに、この追い込み量だけ前回に補
正された動作領域を前記砥石がワークに対して相対的に
前進する方向に補正し、操作盤のハンドル操作による手
動送り研削あるいは自動研削により移動指令を与えて前
記工具移動手段を動作させ、前記追い込み量だけ補正さ
れた動作領域までの研削加工を繰り返し行う研削方法で
ある。
【0007】また、請求項2に記載された方法は、移動
指令に基づき砥石を円筒ワークに対して相対的に移動さ
せる工具移動手段を有し、作業者による手動送り操作及
びNCプログラムに基づき数値制御装置が前記工具移動
手段に移動指令を与えることによって前記砥石を前記ワ
ークに対して相対的に移動させて前記ワークの外周また
は端面を加工する数値制御円筒研削盤の研削方法におい
て、前記数値制御装置は、作業者による手動送り操作に
より前記工具移動手段が動作されて加工が施される前の
ワークの黒皮部分が除去され、この黒皮部分が除去され
た時に砥石がワークに接触している状態で作業者が研削
開始入力ボタンを押すことにより、或は前記黒皮部分が
除去された後のワーク径を作業者が測定して操作盤より
入力するワーク径に基づいて研削開始径を入力し、前記
砥石を前記ワークに対して相対的に前進させないように
前記研削開始径を境界としてワークに対して離間する方
向の範囲を前記砥石の動作領域として設定し、その後、
作業者により終了ボタンが押されるまで、作業者がワー
ク径を測定して追い込み量を入力するたびに、この追い
込み量だけ前回に補正された動作領域を前記砥石がワー
クに対して相対的に前進する方向に補正し、操作盤のハ
ンドル操作による手動送り研削あるいは自動研削により
移動指令を与えて前記工具移動手段を動作させ、前記追
い込み量だけ補正された動作領域までの研削加工を繰り
返し行う方法である。
【0008】
【作用】請求項1に記載された方法は、仕上げ位置を入
力し、この仕上げ位置より基準となる動作領域を設定す
る。そして、オーバサイズ量を入力することによって、
前記仕上げ位置にオーバサイズ量を付加した位置に基づ
いて動作領域が再設定される。この再設定された動作領
域にさらにこの追い込み量に基づいて動作領域を工具を
ワークに対して相対的に前進させる方向に補正する。こ
のように動作領域が仕上げ位置、オーバサイズ量および
追い込み量によって補正されことにより、加工の進行に
従って適切に動作領域を拡大していくことができる。
【0009】請求項2に記載された方法は、基準寸法を
入力し、この基準寸法より基準となる動作領域を設定す
る。そして、追い込み量を入力し、この追い込み量によ
って動作領域を工具をワークに対して相対的に前進させ
る方向に補正する。このように動作領域が補正される
と、作業者が手動によって工具をワークに対して相対的
に追い込み量より前進させることができなくなる。ま
た、この追い込み量による動作領域の補正は、追い込み
量が入力されるたびに行われる。
【0010】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。図1において、10はベッドであり、このベッド
10にテーブル11が水平方向(Z方向)に移動可能に
案内支持されている。テーブル11上には主軸台13と
心押台14が対向して設置され、主軸台13にはワーク
Wの一端を把持するチャック13aが設けられていると
ともに心押台14にはワークWの他端をセンタ支持する
センタ14aが設けられている。主軸台13と心押台1
4によってワークWの回転軸線がテーブル11の水平移
動方向と平行になるようにワークWが両端支持され、主
軸台13によってワークWが回転駆動されるようになっ
ている。
【0011】ベッド10上には、砥石台15がテーブル
10の移動方向と直交する水平方向(X方向)に案内支
持され、この砥石台15に砥石16(工具)がテーブル
11の移動方向と平行な軸線回りに回転可能に軸承され
ている。この砥石16は砥石駆動モータ17によって図
略のプーリ、ベルトを介して回転駆動されるようになっ
ている。上述したテーブル11の移動は、ベッド10に
設けられたサーボモータ21によってなされ、砥石台1
5の移動はベッド10に設けられたサーボモータ22に
よってなされるようになっている。また、各サーボモー
タ21,22には、それぞれエンコーダ61,62が取
り付けられている。
【0012】次に数値制御装置40について説明する。
数値制御装置40は、中央処理装置(CPU)45、メ
モリ44、およびインタフェース46,47より構成さ
れている。インタフェース46にはNC制御に必要な制
御パラメータや、NCプログラムを入力する操作盤50
が接続されている。操作盤50は、ディスプレイ51お
よび後述する起動ボタンや各種の入力ボタンを備えたキ
ーボード52の他、砥石台15を手動送りするためのハ
ンドル53が取り付けられている。このハンドル53
は、操作盤50内のパルス発生器に接続され、ハンドル
53の回転数に応じたパルスを発生させるようになって
いる。また、インタフェース47にはサーボモータ駆動
回路(DU)41,42が接続されている。このサーボ
モータ駆動回路41,42は中央処理装置45からの指
令を入力してサーボモータ21,22を駆動する回路で
ある。また、このサーボモータ駆動回路41,42に
は、エンコーダ61,62によって検出されたテーブル
11および砥石台15の現在位置がフィードバックされ
ている。メモリ44には操作盤50から入力された制御
パラメータとNCプログラムがそれぞれ記憶されたパラ
メータエリアとNCプログラムエリアが設けられている
とともに、後述する各プログラムが記憶されている。
【0013】以上の構成に基づいて本実施例の作用を説
明する。本実施例は、作業者による砥石台15の送り作
業を容易に行うことができるように、基本的な砥石台1
5の動作領域を設定した後、更に砥石台15を移動させ
たい領域のみを追い込み量Tとして設定することによっ
て動作領域を補正して、適切な動作領域を設定していく
ものである。
【0014】本実施例の動作領域の設定、更新が必要な
場合は、従来技術の説明の欄でも説明したように2つの
場合がある。第1の場合は、高度な寸法精度が要求され
る場合であり、ワークWの仕上げ径(仕上げ位置)Dに
オーバサイズ量dを加えた外径寸法までNCプログラム
に基づいて自動研削した後、手動によってオーバサイズ
量d分を研削するものである。第2の場合は、ワークの
黒皮部分を手動研削によって除去した後、外径寸法を測
定し、現在のワークの外径と所望の寸法との差分を手動
によって研削加工するものである。
【0015】動作領域を設定するにあたり、指標となる
寸法は、基準寸法、オーバサイズ量dおよび追い込み量
Tである。図2および図3に示すように基準寸法は、上
記第1の場合においては仕上げ径Dであり、上記第2の
場合においては研削開始径Lである(図2および図3の
各寸法は、説明のためかなり誇張されている。)。仕上
げ径Dは、目的とする加工後のワークWの寸法であり、
ワーク中心400からの距離として設定される。また、
研削開始径Lは、図3(a)に示すようにワークの黒皮
部分を手動研削によって除去した後、このワークWの表
面に砥石16を接触させた時の砥石台15の位置であ
り、ワーク中心400から砥石16の先端までの距離と
して設定される。なお、このように各寸法は、基本的に
ワーク中心400を基準として座標設定がなされている
が、座標の設定の方法は、特にワーク中心を基準とする
ものに限定されない。例えば、本実施例とは逆にワーク
中心に向かう方向に座標を設定しても良く、ある固定さ
れた位置を基準として設定されていれば良い。
【0016】オーバサイズ量dは、上記第1の場合にお
いて高い寸法精度が要求される追い込み研削を行う時に
設定される量であり、仕上げ径Dからの距離を示してい
る。追い込み研削で研削加工される時には、仕上げ径D
からオーバサイズ量dを残した状態で一旦加工を中断
し、ワークWの外径を測定した後、仕上げ径Dまでの残
りの研削量に基づいて追い込み量Tを設定した後、追い
込み量T分を手動により研削加工することにより、所望
の仕上げ径に加工する。追い込み量Tは、仕上げ径Dに
オーバサイズ量dを付加した位置から、研削する必要が
ある距離を示したものである。ただし、この追い込み量
Tは、上記した第1の場合である追い込み研削の時だけ
でなく、後述するように上記第2の場合にも設定され
る。
【0017】次に上記した動作領域の設定を行うための
作用を上記第1の場合と第2の場合に分けて説明する。
ただし、実際には第1の場合と第2の場合は同じプログ
ラムに基づいて実行されるが、ここでは説明を分かり易
くするために分けて説明する。まず上記第1の場合につ
いて、図2および図4に示すフローチャートにより説明
する。
【0018】ステップ100にて、研削加工を行うため
のプログラムが実行されると、ステップ102によっ
て、基準寸法が入力される。この時、上記第1の場合に
おいては、あらかじめ記憶されたNCプログラムから仕
上げ径Dを入力する。ステップ104では、ステップ1
02にて入力した仕上げ径Dを境界として動作領域を設
定する。即ち、砥石台15の位置は砥石16の径寸法に
基づいて、砥石16の先端を基準として制御されている
ため、砥石16の先端が基準寸法以内に侵入できないよ
うに領域を設定する。従って、図2(a)の仕上げ径D
より上方が砥石台15の動作領域(1−1)となる。
【0019】次に、ステップ106では、上記したオー
バサイズ量dを入力する。そして、ステップ108にお
いて、このオーバサイズ量dとステップ102で入力し
た仕上げ径Dに基づいて、動作領域が再設定される。即
ち、仕上げ径Dにオーバサイズ量dを加算したD+dを
境界として動作領域(1−2)が設定された後、ステッ
プ110に移行する。
【0020】ステップ110では、現在設定されたオー
バサイズ量dの径まで、自動研削によって、研削加工を
行う。ここにおける自動研削中は、あらかじめNCプロ
グラムによって設定された研削サイクルによって加工が
行われる。この結果、ワークWは外径がD+dとなる。
このように自動研削中であっても、動作領域(1−2)
が設定されているため、万一砥石台15の移動に異常が
生じても、外径D+d内まで、誤った加工が行われるこ
とが防止できる。
【0021】このステップ110での自動研削が終了す
ると、加工は一旦中断する。そして、作業者によるワー
クWの径の測定が行われる(ステップ112)。この測
定によって、仕上げ径Dまで後どれくらい加工しなけれ
ばならないかが判断される。即ち、自動研削によって、
オーバサイズ量dを残した状態で加工が終了しているは
ずであるが、実際には熱変位やワークWのたわみ等の要
因によって、仕上げ径Dまでの距離は、オーバサイズ量
dとは一致しない。このため、次に研削する量を追い込
み量Tとして、作業者は操作盤50よりキー入力する。
【0022】この作業者によってキー入力された追い込
み量Tをステップ114で入力し、ステップ116にお
いて、この追い込み量Tに基づいて新たに動作領域が設
定される。即ち、ステップ108において動作領域が仕
上げ径Dとオーバサイズ量dによって、D+dを境界と
して設定されているため、D+dから追い込み量Tを減
算したD+d−Tを境界として動作領域を設定する。こ
れによって、図2(b)に示すD+d−Tより上方の部
分のみが動作領域(1−3)となる。
【0023】ステップ118では、設定された追い込み
量Tまでの加工を自動で行うか、手動で行うかを判断す
る。本実施例の主要部分である手動研削の場合は(YE
S)、ステップ120に移行する。また、あらかじめ定
められた研削サイクルによる自動研削の場合は、ステッ
プ126に移行する。この時、各研削が起動ボタンによ
って起動を開始した時、ステップ114で入力した追い
込み量Tをリセットする。ステップ120における手動
研削の場合は、後述するように動作領域(1−3)に基
づいて作業者は容易に研削加工が行える。ステップ12
6による自動研削の場合は、本実施例に直接関係なない
ため、詳述はしないが、動作領域(1−3)によって、
万一砥石台15の移動に異常が生じても、誤った加工が
行われることが防止できる。
【0024】このステップ120またはステップ126
での研削が終了すると、加工は一旦中断する。そして再
度、作業者によるワークWの径の測定が行われる(ステ
ップ122)。この測定によって、仕上げ径Dまで後ど
れくらい加工しなければならないかが判断される。この
測定結果によって仕上げ径Dまで加工が完了したことが
判断できたならば、作業者は終了ボタンを押す。また、
まだ加工しなければならないと判断された場合にはステ
ップ118でリセットされている追い込み量Tを再び設
定する(説明を容易にするためにこの追い込み量をT’
とする。)。
【0025】即ち、ステップ124では、作業者が研削
終了ボタンを押したか否かが判断される。もし、終了ボ
タンが押されているならば(YES)、ステップ128
に移行して、この研削プログラムを終了する。なお、連
続して同じワークWの別の箇所を研削することがプログ
ラム設定されている場合には、次の研削箇所の加工を行
うためにステップ100に戻っても良い。一方、終了ボ
タンが押されておらず(NO)、まだ再び研削が行われ
るならば、ステップ114に戻る。
【0026】このようにステップ124において、研削
加工を続行するならばステップ114以降のステップを
繰り返す。ステップ114では、追い込み量T’が再設
定されているため、これを入力し、前回ステップ116
で設定された動作領域からさらに追い込み量T’を減算
する。即ち、前回の動作領域はD+d−Tであるため、
更新された動作領域(1−4)はD+d−T−T’とな
る。このような追い込み量Tの設定、更新が終了ボタン
が押されるまで可能となり、この追い込み量T’分の加
工が再び行われることになる。
【0027】なお、このステップ114における追い込
み量Tの再設定であるT’の設定は、前回の動作領域を
基準として設定されている。しかし、場合によっては、
最初の動作領域を基準として設定しても良い。この場合
は、上記した動作領域のD+d−Tは、Tの値が順次更
新されることになる。以上述べたように本実施例の動作
領域の設定は、研削の進行に従って、追い込み量Tを順
次設定、更新していくことによって、動作領域を拡大す
ることになる。
【0028】次に上記第2の場合について、図3および
図5に示すフローチャートにより説明する。上記したよ
うに図4と図5によって示されるプログラムは実際には
同じプログラムが用いられる。ステップ200にて、研
削加工を行うためのプログラムが実行されると、まず、
ステップ202においてワークWの表面部分である黒皮
部分が手動研削によって除去される。この黒皮部分は、
ワークWが全く加工されていない状態であるため、その
外径を正確に測定できないためである。そして、ステッ
プ204によって、基準寸法として研削開始径Lを入力
する。この研削開始径Lの入力は、上述したように黒皮
部分を除去した状態で直接砥石16をワークWに接触さ
せ、研削開始径入力ボタンを押すことによって記憶する
方法と、実際にワークWの径を測定して操作盤50より
入力する方法がある。この研削開始径Lは、上記第1の
場合における仕上げ径Dとオーバサイズ量dを加算した
ものに相当する。
【0029】ステップ206では、ステップ204にて
入力した研削開始径Lを境界として動作領域を設定す
る。従って、図3(a)の研削開始径Lより上方が砥石
台15の動作領域(2−1)となる。この研削開始径L
を入力し終えた状態で、作業者によるワークWの径の測
定が行われる(ステップ208)。この測定によって、
仕上げ径Dまで後どれくらい加工しなければならないか
が判断される。これによって、次に研削する量を追い込
み量Tとして、作業者は操作盤50よりキー入力する。
【0030】この作業者によってキー入力された追い込
み量Tをステップ210で入力し、ステップ212にお
いて、この追い込み量Tに基づいて新たに動作領域が設
定されていく。このステップ210以降は、上記した図
4におけるフローチャートのステップ114以降とほぼ
同様であるため、異なる部分のみを説明していく。ステ
ップ212では、ステップ206において動作領域が研
削開始径Lを境界として設定されているため、研削開始
径Lから追い込み量Tを減算したL−Tを境界として動
作領域(2−2)を設定する。
【0031】また、ステップ216またはステップ22
2で手動または自動の研削が一旦終了する。この後、作
業者によるワークWの径の測定が行われ(ステップ21
8)、まだ加工しなければならないと判断された場合に
は、追い込み量T’を再設定する。この時、2度目のス
テップ212では、前回設定された動作領域からさらに
追い込み量T’を減算する。即ち、前回の動作領域はL
−Tであるため、更新された動作領域(2−3)はL−
T−T’となる。
【0032】次に上記した手動研削時(ステップ12
0,216)における、動作領域の作用について図6の
フローチャートに基づいて説明する。手動研削が開始さ
れると、同時に動作領域によって砥石台15の移動を制
御する本プログラムが開始される(ステップ300)。
ステップ302では、移動許容量IPを演算する。移動
許容量IPとは、砥石台15がX軸方向に現在位置から
後どれくらい移動できるかを示すものである。そして、
現在の砥石台15の位置をRとし、動作領域の位置をR
Pとすると、移動許容量IPは、IP=RP−Rで演算
される。ここにおいて動作領域の位置RPは、例えば、
ステップ116の場合ではD+d−Tの位置であり、ス
テップ216の場合ではL−Tの位置となる。
【0033】ステップ304では、操作盤50のハンド
ル53を作業者が回転させることよって発生したパルス
をカウントしたカウンタ値Pを読み取る。即ち、このプ
ログラムは一定の読み取り周期で発生したパルスの数を
カウントしており、この数を入力する。ステップ306
では、手動研削を開始した時から仮にステップ304で
入力したカウンタ値Pで砥石台15を移動させた時の総
移動量Sを演算する。総移動量Sは、現在までに発生し
たパルスの総カンウト値PLとカウンタ値Pとの和でS
=P+PLとして演算される。
【0034】ステップ308では、総移動量Sが移動許
容量IPよりも大きいか否かを判断する。総移動量Sが
移動許容量IPよりも大きいならば(YES)、カウン
タ値Pだけ砥石台15を移動させると動作領域を越えて
しまうため、ステップ312に移行して実移動量M=0
とする。また、総移動量Sが移動許容量IP以下ならば
(NO)、カウンタ値Pだけ砥石台15を移動させても
動作領域を越えることはないため、ステップ310に移
行して実移動量M=Pとする。
【0035】ステップ310では、ステップ310,3
12で求められた実移動量Mだけ砥石台15を移動させ
るべく実移動量Mを砥石台15を移動させるプログラム
に出力する。即ち、この実移動量Mにもとづいて、移動
指令速度が演算され、砥石台15が移動される。なお、
ステップ312において実移動量M=0とされた場合に
は、砥石台15は移動しない。このため、動作領域を越
える場合には、作業者がいくらハンドル53を回転させ
ても砥石台15は移動しない。
【0036】ステップ316では、パルスの総カンウト
値PLの更新を行う。即ち、PL=PL+Mとする。こ
れによって実際に移動した分のカウント値を求めること
ができる。このステップ316が終了すると再び、ステ
ップ304以降を繰り返す。従って、研削加工が行われ
ている間に作業者が任意にハンドル53を回転させても
動作領域外に砥石台15が移動することはない。
【0037】以上述べた手動研削における砥石台15の
移動を制限する過程は、作業者がハンドル53を回転さ
せてパルスを発生させた場合に基づいて説明したが、自
動研削によって発生したパルスについても同様に砥石台
15の移動を制限することができる。以上述べた実施例
においては、ワークWの径方向即ちX軸方向に動作領域
を設定した場合について説明した。これは、加工中の砥
石台15の移動がX軸方向であるためであり、図7に示
すようにワークWの端面を加工する場合には、Z方向に
動作領域を設定しても良い。
【0038】また、以上述べた実施例は研削盤の場合で
あるが、本発明は旋盤等の工作機械にも使用することが
できる。
【0039】
【発明の効果】請求項1に記載された方法においては、
オーバサイズ量に基づいて一旦動作領域を設定し、この
オーバサイズ量をキャンセルするように加工と測定を繰
替えしながら加工を行う追い込み加工において、追い込
み量以上に工具を前進させることがない。しかも一旦加
工を中断してワークを測定するたびに何度も追い込み量
を更新していくことができる。従って、熱変位や工具摩
耗等によって工具とワークとの相対距離に変化が生じて
も、追い込み量の再設定によってこの誤差をキャンセル
できるため、容易かつ確実に所望の精度にワークを加工
することができる。
【0040】また、請求項2に記載された方法において
は、基準寸法を入力し、この基準寸法より基準となる動
作領域を設定した後、追い込み量が入力されるたびに順
次、動作領域を拡大していくことができる。従って、加
工の進行に従った適切な動作領域を設定できる。このた
め、工具の総切り込み量は常に確保された状態となるた
め、作業者が誤って自分が希望する以上に工具を前進さ
せてワークを過度に加工してしまうことがなくなる。即
ち、作業者は、ハンドルに取り付けられた目盛りもしく
は操作盤に表示された座標値を見ることなく工具の送り
作業を行うことができる。従って、作業者はワークの火
花の出具合等、ワークを見ることに専念することができ
るため、作業を簡単に行える。このため、作業時間を短
縮することができる。また、ワークの火花の出具合等の
工具の送り速度の調整に専念できるため、結果的に高精
度な加工が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の全体構成図である。
【図2】本実施例の作用を説明するための図である。
【図3】本実施例の作用を説明するための図である。
【図4】本実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施例の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施例の変形例を示した図である。
【符号の説明】
11 テーブル 13 主軸台 14 心押台 15 砥石台 16 砥石 50 操作盤 53 ハンドル W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 城戸 博兒 審判官 桐本 勲 審判官 小関 峰夫 (56)参考文献 特開 平1−97540(JP,A) 実開 平4−60657(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動指令に基づき砥石を円筒ワークに対
    して相対的に移動させる工具移動手段を有し、作業者に
    よる手動送り操作及びNCプログラムに基づき数値制御
    装置が前記工具移動手段に移動指令を与えることにより
    前記砥石を前記ワークに対して相対的に移動させ、前記
    ワークの外周または端面を加工する数値制御円筒研削盤
    の研削方法において、 前記数値制御装置は、 前記ワークの仕上げ径をあらかじめ記憶されたNCプロ
    グラムから入力し、前記砥石を前記ワークに対して相対
    的に前進させないように前記仕上げ径を境界としてワー
    クに対して離間する方向の範囲を前記砥石の動作領域と
    して設定し、 前記仕上げ径よりも所望の加工代を残すべく作業者によ
    り設定されるオーバーサイズ量だけ前記動作領域を前記
    砥石がワークに対して相対的に後退する方向に補正し、 その後、あらかじめNCプログラムに設定された研削サ
    イクルに基づいて前記工具移動手段に移動指令を与える
    ことにより自動研削を行い、 前記自動研削の際に、前記砥石が前記オーバーサイズ量
    だけ補正された動作領域を越えると判断される時、さら
    に砥石をワークに対して前進させる移動指令が与えられ
    ていても前記工具移動手段による前記砥石のワークに対
    する相対的な前進を停止させることにより前記動作領域
    まで研削し、 その後、作業者により終了ボタンが押されるまで、作業
    者がワーク径を測定して追い込み量を入力するたびに、
    この追い込み量だけ前回に補正された動作領域を前記砥
    石がワークに対して相対的に前進する方向に補正し、操
    作盤のハンドル操作による手動送り研削あるいは自動研
    削により移動指令を与えて前記工具移動手段を動作さ
    せ、前記追い込み量だけ補正された動作領域までの研削
    加工を繰り返し行うことを特徴とする数値制御円筒研削
    盤の研削方法。
  2. 【請求項2】 移動指令に基づき砥石を円筒ワークに対
    して相対的に移動させる工具移動手段を有し、作業者に
    よる手動送り操作及びNCプログラムに基づき数値制御
    装置が前記工具移動手段に移動指令を与えることによっ
    て前記砥石を前記ワークに対して相対的に移動させて前
    記ワークの外周または端面を加工する数値制御円筒研削
    盤の研削方法において、 前記数値制御装置は、 作業者による手動送り操作により前記工具移動手段が動
    作されて加工が施される前のワークの黒皮部分が除去さ
    れ、この黒皮部分が除去された時に砥石がワークに接触
    している状態で作業者が研削開始入力ボタンを押すこと
    により、或は前記黒皮部分が除去された後のワーク径を
    作業者が測定して操作盤より入力するワーク径に基づい
    て研削開始径を入力し、 前記砥石を前記ワークに対して相対的に前進させないよ
    うに前記研削開始径を境界としてワークに対して離間す
    る方向の範囲を前記砥石の動作領域として設定し、 その後、作業者により終了ボタンが押されるまで、作業
    者がワーク径を測定して追い込み量を入力するたびに、
    この追い込み量だけ前回に補正された動作領域を前記砥
    石がワークに対して相対的に前進する方向に補正し、操
    作盤のハンドル操作による手動送り研削あるいは自動研
    削により移動指令を与えて前記工具移動手段を動作さ
    せ、前記追い込み量だけ補正された動作領域までの研削
    加工を繰り返し行うことを特徴とする数値制御円筒研削
    盤の研削方法。
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