JP2957294B2 - 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器 - Google Patents

極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器

Info

Publication number
JP2957294B2
JP2957294B2 JP2986091A JP2986091A JP2957294B2 JP 2957294 B2 JP2957294 B2 JP 2957294B2 JP 2986091 A JP2986091 A JP 2986091A JP 2986091 A JP2986091 A JP 2986091A JP 2957294 B2 JP2957294 B2 JP 2957294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
rare earth
component
intermetallic compound
storage material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2986091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04268166A (ja
Inventor
陽一 東海
政司 佐橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2986091A priority Critical patent/JP2957294B2/ja
Publication of JPH04268166A publication Critical patent/JPH04268166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2957294B2 publication Critical patent/JP2957294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、極低温蓄熱物質および
それを充填した極低温蓄熱器に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、超電導技術の発展は著しく、その
応用分野が拡大するに伴って、小型で高性能の冷凍機の
開発が不可欠になってきている。そして、このような冷
凍機には、軽量・小型で熱効率の高いことが要求されて
いる。このようなことから、気体冷凍に代わる磁気熱量
効果を用いた熱サイクル(例えばカルノー、エリクソ
ン)による新たな冷凍方式(磁気冷凍)や、スターリン
グサイクルによる気体冷凍の高性能化の研究が盛んに行
われている。
【0004】上記したスターリング等の熱サイクルによ
る気体冷凍機の高性能化を図るためには、蓄熱器、圧縮
部および膨脹部の改良が重要な課題となっている。特
に、蓄熱器を構成する蓄熱材料は、その性能を大きく左
右する。このような蓄熱材料には、銅や鉛の比熱が著し
く低下する 20K以下においても、高い比熱を有する材料
が要望されており、これについても各種の磁性体が検討
されている。
【0005】また、上記蓄熱器は冷凍機に組込まれて使
用されることが多く、例えばスターリングサイクルで作
動する装置、ヴィルマイヤーで作動する装置、あるいは
ギフォード−マクマホン型の装置に用いられている。こ
れらの装置においては、圧縮された作動媒質が蓄熱器内
を一方向に流れて、その熱エネルギーを充填物質に供給
し、ここで膨脹した作動媒質が反対方向に流れ、充填物
質から熱エネルギ−を受け取る。こうした過程で復熱効
果が良好になるに伴って、作動媒質サイクルの熱効率が
良好となり、一層低い温度を実現することが可能とな
る。
【0006】ところで、低温蓄熱器においては、従来、
充填物質を鉛または青銅のボ−ル、あるいは銅、燐青銅
の金網層等によって構成していた。しかし、このような
充填物質は、 20K以下の極低温における比熱が過度に小
さいため、上述した冷凍機での作動に際して、極低温下
で 1サイクル毎に充填物質に充分な熱エネルギ−を貯蔵
することができず、かつ作動媒質が充填物質から充分な
熱エネルギーを受け取ることができないという欠点を有
していた。その結果、このような充填物質を有する蓄熱
器を組込んだ冷凍機では、極低温に到達させることがで
きないという問題があった。
【0007】そこで、上記蓄熱器の極低温での復熱特性
を向上させる目的で、20K以下に比熱の最大値を有し、
かつその値が単位体積当りの比熱(体積比熱)で充分に
大きい、 R・Rh金属間化合物( R:Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb等)(特開昭51-52378号公報参照)、ErN
i1/3 (特開平1-310269)等の希土類金属間化合物を蓄
熱物質として用いることが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような希土類金属間化合物は、堅くて脆いという性質
を有しており、蓄冷材に適した形状である球体やメッシ
ュ状に成形することが非常に困難であるという問題を有
していた。また、上記希土類金属間化合物は、化学的に
必ずしも安定ではないために、蓄冷材として要求される
蓄冷効率、長期安定性等の実用面での特性も、十分とは
言えるものではなかった。
【0009】このようなことから、液体窒素温度以下と
いうような極低温で優れた蓄冷効果を示すものの、脆い
ために加工が難しい希土類金属間化合物を、容易に蓄冷
材に適した形状に加工する方法を開発することが強く望
まれていた。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたものであり、希土類金属間化合物を含む蓄熱
物質を各種形状に容易に加工することを可能にした極低
温蓄熱物質、およびそのような蓄熱物質を用いることに
よって、優れた蓄冷効果を示す希土類金属間化合物を充
填材として、容易にかつ効果的に使用することを可能に
した極低温蓄熱器を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】[発明の構成]
【0012】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の極低温蓄
熱物質は、希土類金属間化合物を有する蓄熱物質におい
所定の蓄熱物質形状に加工された希土類元素の単体
金属からなる第1の成分を、前記希土類金属間化合物の
他方の出発物質である金属元素を含む第2の成分で被覆
し、これら第1の成分と第2の成分とを両者の融点より
も低い温度で反応させることによって、前記希土類金属
間化合物を析出させた複合材料からなることを特徴とし
ている。本発明の極低温蓄熱器は、希土類金属間化合物
を有する蓄熱物質が充填された極低温蓄熱器において、
前記蓄熱物質は、所定の蓄熱物質形状に加工された希土
類元素の単体金属からなる第1の成分を、前記希土類金
属間化合物の他方の出発物質である金属元素を含む第2
の成分で被覆し、これら第1の成分と第2の成分とを両
者の融点よりも低い温度で反応させることによって、前
記希土類金属間化合物を析出させた複合材料からなるこ
とを特徴とするものである。
【0013】本発明において、蓄熱物質の一部として使
用する希土類金属間化合物としては、例えばRMz ( R
は、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Y 、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm等の希土類元素から選ばれた少なく
とも 1種の元素を、 Mは、Ni、Co、Cu、Al、Mg、Zn、Si
等から選ばれた少なくとも 1種の金属元素を示し、 zは
0.001〜 9.0の範囲の数を示す)等で表される希土類金
属を含む金属間化合物や、 R・Rh金属間化合物等が挙げ
られる。
【0014】上記したような希土類金属間化合物は、ま
ず希土類金属からなる第1の成分を、上記希土類金属間
化合物の他方の出発物質である金属の単体もしくはその
合金等からなる第2の成分で被覆し、これら第1の成分
と第2の成分とを両者の融点よりも低く、かつ上記希土
類金属間化合物が十分に反応するような温度で熱処理す
ることによって、析出させている。上記第1の成分は、
予め蓄熱物質に適した形状、例えば球体形状やメッシュ
状に加工しておくものとする。希土類金属自体は塑性を
有するため、上記したような形状に容易に加工すること
ができる。
【0015】このように、予め所定形状に加工された希
土類金属を、反応させるべき金属もしくはその合金で被
覆した後にこれらを反応させ、優れた蓄冷効果を有する
希土類金属間化合物を析出させることによって、種々の
形状を有する希土類金属間化合物を容易に得ることが可
能となる。
【0016】本発明における第1の成分としては、上記
したような希土類元素の単体金属が用いられる。希土類
金属はそれ自体でも良好な蓄冷効果を有する。このよう
な希土類元素としては、Nd、Pr、Er等が例示される。
【0017】また、上記したような蓄冷効果を有する希
土類金属を第1の成分として使用する際には、第2の成
分を第1の成分の安定化層として使用することも可能で
ある。この際の希土類金属間化合物は、両者の接合層と
して機能する。すなわち、上記したような希土類金属を
使用することによって、それ自体で十分な蓄冷効果が得
られるものの、希土類金属は化学的に活性であるため、
それ単独では常温大気中で簡易に取り扱うことはできな
い。そこで、第2の成分で覆うと共に、その間に接合層
として希土類金属間化合物を析出させることによって、
容易に取り扱うことが可能となる。この際の第2の成分
としては、各種の金属や合金を使用することが可能であ
る。また、このようなことから、常温大気中で安定な重
希土類金属もしくはその合金を第2の成分として使用す
ることも可能である。
【0018】本発明に用いる蓄熱物質は、希土類金属間
化合物を析出させた後に、さらに耐侯性を向上させるた
めに安定化金属膜を形成することが好ましい。これは、
希土類金属間化合物自体が、必ずしもが化学的に安定で
はないためであり、上記安定化金属膜によって、蓄冷効
率や長期安定性の向上が図れる。上記安定化金属として
は、例えばAl、Au、Ag、Cu、Ni、Pb、Fe、Cr、Co、Zn、
Sn等やそれらを含む合金等が例示される。また、上記第
1の成分として、希土類金属間化合物を使用する際に
は、上記した安定化金属膜が第2の成分となる。なお、
上述したように、第2の成分を安定化層として用いる場
合や、第2の成分が一部表面に残存するような条件で反
応させた場合には、この限りではない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】実施例1 まず、直径 5mmのネオジム棒を用意し、このネオジム棒
の表面をニッケル薄板で被覆した。この際の原子モル比
は、Nd:Ni=3:1 とした。次いで、上記ニッケル薄板で被
覆したネオジム棒を、直径50μm となるまで線引きし
た。
【0021】次に、上記加工線を開口径70μm のメッシ
ュ状に編み、これを真空炉中にて、450℃、20時間の条
件で熱処理した。この熱処理によって、ネオジム相とニ
ッケル相との間にNd3 Ni相が析出していることを確認し
た。
【0022】このようにしてNd3 Ni相を析出させたメッ
シュ状物を、直径40mmと直径18mmの円形状にそれぞれ切
り出し、これらに各々銅をメッキした。こうして得られ
たメッシュ状物は、 40K以上ではNi層とCu層とが蓄冷作
用を示し、 40K以下ではNd相とNd3 Ni相とが蓄冷作用を
示す。
【0023】このようにして得たメッシュ状物を用い
て、以下のようにして極低温蓄熱器を構成し、その特性
を評価した。まず、単段のGM冷凍機を用いて、その蓄
熱器の蓄熱物質を通常のCuメッシュから、上記した直径
40mmの円形状メッシュ状物に交換した。このようにして
構成した蓄熱器の冷凍能力を測定したところ、 30Kでの
蓄冷出力がCuメッシュを用いた際の3Wから9Wに向上し
た。また、 2段のGM冷凍機を用いて、Pbメッシュを上
記直径18mmの円形状メッシュ状物に交換したところ、5K
での冷凍能力が 0.01Wから0.8Wに向上した。さらに、両
者共 10000時間の連続運転においても冷凍温度を保ち、
蓄冷効果および長期安定性の向上が確認された。
【0024】実施例2 まず、回転電極法(REP)によって、直径 250μm の
ネオジムの球体状粉末を作製した。これらNdの球体の表
面に、無電解メッキによって 2μm の厚さのニッケル層
を被覆した。次いで、これらの球体を真空炉中にて、 4
50℃、20時間の条件で熱処理した。この熱処理によっ
て、ネオジム相とニッケル相との間にNd3 Ni相が析出し
ていることを確認した。
【0025】このようにしてNd3 Ni相を析出させた球体
を用いて、以下のようにして極低温蓄熱器を構成し、そ
の特性を評価した。まず、 2段のGM冷凍機を用いて、
その2段蓄熱器における蓄熱物質を通常のPb球体から、
上記したNd3 Ni相を析出させた球体に交換して充填し
た。このようにして構成した蓄熱器の冷凍能力を測定し
たところ、5Kでの冷凍能力がPb球体を用いた際の 0.01W
から1.1Wに向上した。また、 10000時間の連続運転にお
いても冷凍温度が保持された。
【0026】一方、本発明との比較として、ネオジウム
の単体球を上記 2段蓄熱器に充填したところ、初期性能
こそ0.9Wであったが、 10000時間の運転後においては0.
3Wまで性能が低下した。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱特性には優れていながらも、球体やメッシュ状等の加
工が難しく、実用化が困難であった希土類金属間化合物
を成分として含む蓄冷材を容易に得ることが可能となる
ため、極低温における蓄冷効率や長期安定性に優れた蓄
熱器を提供することが可能となる。
【0028】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属間化合物を有する蓄熱物質に
    おいて、 所定の蓄熱物質形状に加工された希土類元素の単体金属
    からなる第1の成分を前記希土類金属間化合物の他方
    の出発物質である金属元素を含む第2の成分で被覆し、
    これら第1の成分と第2の成分とを両者の融点よりも低
    い温度で反応させることによって、前記希土類金属間化
    合物を析出させた複合材料からなることを特徴とする極
    低温蓄熱物質。
  2. 【請求項2】 希土類金属間化合物を有する蓄熱物質が
    充填された極低温蓄熱器において、 前記蓄熱物質は、所定の蓄熱物質形状に加工された希土
    類元素の単体金属からなる第1の成分を、前記希土類金
    属間化合物の他方の出発物質である金属元素を含む第2
    の成分で被覆し、これら第1の成分と第2の成分とを両
    者の融点よりも低い温度で反応させることによって、前
    記希土類金属間化合物を析出させた複合材料からなるこ
    とを特徴とする極低温蓄熱器。
JP2986091A 1991-02-25 1991-02-25 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器 Expired - Fee Related JP2957294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2986091A JP2957294B2 (ja) 1991-02-25 1991-02-25 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2986091A JP2957294B2 (ja) 1991-02-25 1991-02-25 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04268166A JPH04268166A (ja) 1992-09-24
JP2957294B2 true JP2957294B2 (ja) 1999-10-04

Family

ID=12287722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2986091A Expired - Fee Related JP2957294B2 (ja) 1991-02-25 1991-02-25 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2957294B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2563272Y2 (ja) * 1992-10-30 1998-02-18 巍洲 橋本 低温蓄冷器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04268166A (ja) 1992-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07101134B2 (ja) 蓄熱材料および低温蓄熱器
EP0551983B1 (en) Heat regenerative material
US4985072A (en) Polycrystalline magnetic substances for magnetic refrigeration and a method of manufacturing the same
EP2286087B1 (en) Cryogenic pump employing tin-antimony alloys and methods of use
JP2739935B2 (ja) 蓄冷体及びその製造方法
JP4322321B2 (ja) 極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および熱シールド材
JP2835792B2 (ja) 非晶質蓄冷材
JP2957294B2 (ja) 極低温蓄熱物質および極低温蓄熱器
JP2923705B2 (ja) 低温蓄冷材
JP3015571B2 (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温蓄冷器と冷凍機
JP2828978B2 (ja) 蓄冷材料及びその製造方法
JP2836813B2 (ja) 蓄冷材料及び蓄冷器
JP3055674B2 (ja) 蓄熱材料および低温蓄熱器
JP2004225920A (ja) 蓄冷器
EP1212574A1 (en) Ductile magnetic regenerator alloys for closed cycle cryocoolers
JP3381953B2 (ja) 蓄熱器および冷凍機
JP2585240B2 (ja) 蓄冷材料の製造方法
JPH0784957B2 (ja) 低温蓄熱器
JP3561023B2 (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器
JP3293446B2 (ja) 蓄冷器
JPH06240241A (ja) 極低温用蓄冷材およびそれを用いた極低温用蓄冷器
JPH03177083A (ja) 低温蓄熱器
JP3122214B2 (ja) 蓄冷材料及び冷凍機
JPH0765823B2 (ja) 冷凍方法
JPH0783589A (ja) 蓄熱器

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990706

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees