JP2938288B2 - 内燃機関用触媒劣化検出装置 - Google Patents

内燃機関用触媒劣化検出装置

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JP2938288B2
JP2938288B2 JP4277444A JP27744492A JP2938288B2 JP 2938288 B2 JP2938288 B2 JP 2938288B2 JP 4277444 A JP4277444 A JP 4277444A JP 27744492 A JP27744492 A JP 27744492A JP 2938288 B2 JP2938288 B2 JP 2938288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、排気管内の触媒コン
バータ(以下、単に触媒という)の前後に設けられた2つ
の空燃比センサからの空燃比信号に基づいて触媒の劣化
を検出する内燃機関用触媒劣化検出装置に関し、特に空
燃比センサの出力特性や運転状態等の違いによる劣化パ
ラメータ値のバラツキを抑制して劣化判定の信頼性を向
上させた内燃機関用触媒劣化検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関の燃料噴射量は、混合
気の空燃比が運転状態に応じた最適値(例えば、14.7程
度)となるように、排気管内の特定成分(例えば、O2)濃
度を検出する空燃比センサからの信号によりフィードバ
ック制御されている。
【0003】通常、排気ガスの酸素濃度は、混合気の空
燃比が14.7よりも低いリッチ側の場合には減少し、リー
ンの場合には増大するので、O2センサの出力信号は、空
燃比が14.7に相当する酸素濃度に応答して、電圧レベル
が0〜1の間で変化するようになっている。例えば空燃
比がリッチの場合には、酸素濃度の減少に応じて空燃比
センサの出力信号(空燃比信号)の電圧値は増大する。
【0004】又、排気管内には排気ガス浄化用の触媒が
挿入されているが、触媒の上流側のみに単一の空燃比セ
ンサを設けた場合は、空燃比センサの出力特性(動作点)
のバラツキによって制御精度に支障が生じる。従って、
触媒の下流側にも別の空燃比センサを設け、触媒の上流
側の空燃比信号によるフィードバック制御に加えて下流
側の空燃比信号によるフィードバック制御を行う空燃比
制御装置が提案されている。
【0005】この場合、触媒の下流側の空燃比センサ
は、触媒反応後で平均化された酸素濃度の排気ガスを検
出すると共に、排気ガスによる劣化も軽減されるので、
高精度の空燃比フィードバック制御を可能にし、空燃比
センサ及びインジェクタ(燃料噴射弁)等のバラツキや
出力特性の経時変化を補償することができる。このよう
な二重空燃比センサシステムは、例えば、米国特許第3,9
39,654号明細書に記載されている。
【0006】一方、触媒は、通常の車両条件範囲内で使
用されている限りでは機能が著しく低下しないように設
計されているが、例えば何らかの異常で失火した場合に
は、未燃ガスにさらされるため機能が著しく低下するお
それがある。この結果、触媒が充分に排気ガスを浄化し
ないまま走行を続けることになり、HC、CO、H2等の
未燃ガスの影響を受けて下流側の空燃比センサの出力の
挙動が変化する。即ち、下流側の空燃比センサからの空
燃比信号の変化度合が大きくなり、エミッション(排気
ガス浄化性能)の低下等を招くことになる。
【0007】従って、触媒の劣化による機能低下を検出
することは重要であり、触媒の劣化を検出したときには
直ちに運転者に警報する必要がある。従来より、この特
許出願人による特願平3-264312号明細書に参照されるよ
うな触媒劣化検出装置が提案されている。即ち、触媒の
前後のセンサからの空燃比信号をそれぞれの基準値と比
較し、その偏差により形成される図形の面積(積分値)相
当値δ、基準値を横切る回数n、反転周期τ、又は、2
つの空燃比信号に関する各反転周期τの周期比率γ[=
τ1(上流側)/τ2(下流側)]等を劣化パラメータ値とし
て演算し、これらの劣化パラメータ値を所定値と比較し
て劣化パラメータ値が所定値を越えたときに触媒の劣化
を判定することができる。
【0008】図15は触媒の前後(上流側及び下流側)に空
燃比センサを設けた一般的な内燃機関用触媒劣化検出装
置の一例を示す構成図である。図において、1は内燃機
関即ちエンジン、2はエンジン1に混合気を供給する吸
気管、3は吸気管2の上流側の吸気口に設けられたエア
クリーナ、4は吸気管2の下流側とエンジン1との接続
部に形成されたインテークマニホールド、5は吸気管2
の上流側に設けられた燃料噴射用のインジェクタであ
る。
【0009】6はインテークマニホールド4内の圧力P
を検出する半導体形の圧力センサであり、吸気管2から
インテークマニホールド4を介してエンジン1に吸入さ
れる空気量を圧力Pとして測定する。7は吸気管2内の
インジェクタ5の下流側に設けられたスロットル弁であ
る。
【0010】8はスロットル弁7のスロットル開度φを
検出するスロットルセンサ、9はエンジン1から燃焼後
の排気ガスを導出する排気管、10は排気管9に挿入され
て排気ガスを三元処理する触媒、11は触媒10の上流側に
設けられた第1の空燃比センサ、12は触媒10の下流側に
設けられた第2の空燃比センサである。
【0011】13は昇圧トランスからなる点火コイル、14
は点火コイル13の一次巻線を通電遮断するパワートラン
ジスタからなるイグナイタである。15はスロットルセン
サ8と一体構造のアイドルスイッチであり、スロットル
弁7の全閉時にアイドリング運転状態を検出してオンす
る。16はエンジン1の冷却水温度Tを検出するサーミス
タ型の水温センサ、17は電源となるバッテリ、18はバッ
テリ17からの給電を開始させてイグニション起動させる
ためのキースイッチ、19は触媒10の劣化検出時等の異常
検出時に駆動される警報発生手段即ち警報ランプであ
る。
【0012】20は各種の運転状態に応じてインジェクタ
5及び警報ランプ19等を駆動制御するECU(電子式制
御ユニット)であり、運転状態として、各種センサ(図示
せず)からの運転状態信号Q、スロットルセンサ8から
のスロットル開度φ、圧力センサ6からのインテークマ
ニホールド4内の圧力P、水温センサ16からの冷却水温
度T、アイドルスイッチ15からのアイドル信号D、点火
コイル13の通電遮断に基づく回転信号R、各空燃比セン
サ11及び12からの空燃比信号V1及びV2が入力され
る。
【0013】ECU20は、キースイッチ18の閉成により
バッテリ17から給電されて機能し、空燃比信号V1及び
V2並びに運転状態に応答してインジェクタ5に対する
燃料噴射信号Jを生成して空燃比をフィードバック制御
する空燃比制御手段と、触媒10の劣化検出時に警報ラン
プ19に対する異常信号Eを生成する触媒劣化判定手段と
を含んでいる。又、イグナイタ14に対する点火信号は、
ECU20から生成されてもよい。
【0014】図16はECU20の具体的な機能構成を示す
ブロック図であり、21は回転信号Rを波形整形して割込
信号INTとする入力インタフェース、22は空燃比信号
V1、V2、圧力P、水温T及びスロットル開度φを取り込
む入力インタフェース、23はアイドル信号Dを取り込む
入力インタフェース、24は異常信号E及び燃料噴射信号
J等を出力する出力インタフェース、25はキースイッチ
18を介してバッテリ17に接続された電源回路、30は入力
インタフェース21〜23、出力インタフェース24及び電源
回路25に接続されたマイクロコンピュータである。
【0015】マイクロコンピュータ30は、空燃比信号V
1及びV2等に応じて空燃比フィードバック制御量(以
下、単に空燃比制御量という)を算出するCPU31と、
入力インタフェース21を介した回転信号R即ち割込信号
INTに基づいてエンジン1の回転周期を計測するフリ
ーランニングのカウンタ32と、各種の制御のための計時
を行うタイマ33と、入力インタフェース22を介したアナ
ログ信号(空燃比信号V1、V2、圧力P、水温T及びスロ
ットル開度φ)をデジタル信号に変換するAD変換器34
と、入力インタフェース23を介したアイドル信号Dを取
り込む入力ポート35と、CPU31のワークメモリとして
使用されるRAM36と、CPU31の動作プログラム等が
記憶されたROM37と、出力インタフェース24を介して
各種制御信号E及びJを出力するための出力ポート38
と、各要素32〜38をCPU31に結合するコモンバス39と
から構成される。
【0016】CPU31は、入力インタフェース21を介し
て割込信号INTが入力されると、カウンタ32の値を読
取ると共に、カウンタ32の今回値と前回値との偏差から
エンジン1の回転周期を算出してRAM36に格納する。
出力インタフェース24は、出力ポート38からの制御信号
を増幅して異常信号E及び燃料噴射信号Jとして出力す
る。
【0017】図17はマイクロコンピュータ30の空燃比制
御手段を図式的に示す機能ブロック図であり、41は第1
の空燃比センサ11からの空燃比信号V1に対してPI(比
例積分)制御を行う第1のPIコントローラ、42は空燃
比センサ12からの空燃比信号V2に対してPI制御を行う
第2のPIコントローラである。
【0018】各PIコントローラ41及び42は、各空燃比
信号V1及びV2に基づいて各空燃比制御量C1及びC2を演算
するための演算手段を構成しており、第2の空燃比制御
量C2は、第1の空燃比制御量C1に対する補正量として作
用する。又、第1の空燃比制御量C1は空燃比補正量に相
当し、これにより最終的なインジェクタ5に対する燃料
噴射信号Jをフィードバック制御し、第2の空燃比信号
V2を第2の目標値VR2に一致させるようになっている。
【0019】VR1及びVR2は各空燃比信号V1及びV2
に対して予め設定された空燃比制御用の第1及び第2の
目標値であり、いずれも最適空燃比14.7にほぼ対応する
電圧値に設定されているが、第2の目標値VR2は、第1
の目標値VR1よりもわずかに高い電圧値(リッチ側、即
ち14.7より小さい空燃比に対応する)に設定されてもよ
い。
【0020】FRは吸入空気量に対応した圧力Pから演
算される基本燃料量、CFは水温T及びスロットル開度
φに基づく加減速状態に対応した燃料補正量、KFは目
標燃料量に対するインジェクタ5の噴射時間補正係数、
Qはインジェクタ5の駆動時間に対する無駄時間補正量
である。
【0021】43は第2の目標値VR2と空燃比信号V2との
偏差ΔV2を求めて第2のPIコントローラ42に入力する
減算器、44は第1の目標値VR1に第2の空燃比制御量C2
を加算して補正目標値VT1を求める加算器、45は補正目
標値VT1と空燃比信号V1との偏差ΔV1を求めて第1の
PIコントローラ41に入力する減算器である。加算器44
は、第1のPIコントローラ41により演算される空燃比
制御量C1を補正するための補正手段と構成している。
【0022】46は第1のPIコントローラ41からの空燃
比制御量C1に基本燃料量FRを乗算して目標燃料量F1
を生成する乗算器、47は目標燃料量F1に燃料補正量C
Fを乗算して補正燃料量Fを生成する乗算器、48は補正
燃料量Fに噴射時間補正係数KFを乗算してインジェク
タ5の駆動時間Gを生成する乗算器、49は駆動時間Gに
無駄時間補正量Qを加算してインジェクタ5に対する最
終的な燃料噴射信号Jを生成する加算器である。これら
の乗算器46〜48及び加算器49は、空燃比制御量C1を燃料
噴射信号Jに変換するための制御量変換手段を構成して
いる。
【0023】次に、図15〜図17と共に、図18〜図21の波
形図を参照しながら、マイクロコンピュータ30による空
燃比制御動作及び触媒劣化判定動作について説明する。
まず、空燃比制御手段内の減算器43は、触媒10の下流側
の第2の空燃比信号V2と第2の目標値VR2とを比較して
偏差ΔV2(=VR2−V2)を生成し、第2のPIコントロー
ラ42は、偏差ΔV2をPI制御して空燃比制御量C2を演算
する。
【0024】一方、加算器44は、第1の目標値VR1に空
燃比制御量C2即ち補正量を加算し、第1の空燃比センサ
11に対する補正目標値VT1(=VR1+C2)を生成する。
又、減算器45は、触媒10の上流側の第1の空燃比信号V
1と補正目標値VT1とを比較して偏差ΔV1(=VT1−V
1)を生成し、第1のPIコントローラ41は、偏差ΔV1を
PI制御してフィードバック用の空燃比制御量C1を演算
する。
【0025】こうして、第1の空燃比信号V1に基づく空
燃比制御量C1は、第2の空燃比制御量C2により補正され
て、最終的な空燃比制御量となる。図18から、空燃比制
御量C1は、補正目標値VT1を横切る回数及び周期とほぼ
等しいことが分かる。
【0026】次に、圧力センサ6からの圧力Pに基づい
て吸入空気量を検出すると共に、吸入空気量から基本燃
料量FRを演算し、乗算器46により、空燃比制御量C1に
基本燃料量FRを乗算して目標燃料量F1を求める。
【0027】続いて、水温センサ16からの水温Tに基づ
いてエンジン1の暖気状態に対応した補正量を演算する
と共に、この補正量とスロットルセンサ8からのスロッ
トル開度φとに基づいて加減速状態を検出し、加減速状
態に対応した補正量等により燃料補正量CFを演算す
る。そして、乗算器47により、目標燃料量F1に燃料補
正量CFを乗算して、最終的な燃料噴射量に相当する補
正燃料量Fを求める。
【0028】更に、乗算器48は、補正燃料量Fに噴射時
間補正係数KFを乗算してインジェクタ5の駆動時間G
を求め、加算器49は、駆動時間Gに無駄時間補正量Qを
加算して、インジェクタ5に対する最終的な燃料噴射信
号Jを求める。
【0029】このように、第2の空燃比センサ12からの
空燃比信号V2を用いて、第1の空燃比センサ11に対す
る目標値VR1を補正することにより、触媒10の下流側の
空燃比信号V2が第2の目標値VR2となるように空燃比
フィードバック制御が行われる。
【0030】即ち、触媒10の下流側の空燃比信号V2が
リーン側(空燃比が14.7より大)を示せば、燃料噴射信号
Jが長く設定されて、空燃比はリッチ側に制御される。
又、触媒10の下流側の空燃比信号V2がリッチ側(空燃
比が14.7より小)を示せば、燃料噴射信号Jが短く設定
されて、空燃比はリーン側に制御される。
【0031】又、マイクロコンピュータ30内の触媒劣化
判定手段は、前述したように各空燃比信号V1及びV2
と各目標値VT1及びVR2との比較により得られる積分値
δ、出力反転回数n、反転周期τ、又は反転周期比率γ
等に基づいて、各劣化パラメータ値が所定値を越えたと
きに触媒10の劣化を判定する。
【0032】このとき、各空燃比センサ11及び12から出
力される空燃比信号V1及びV2の挙動は、触媒10の正
常時には図19のようになり、触媒10の劣化時には図20の
ようになる。即ち、第1の空燃比信号V1は、図19及び
図20のように、触媒10の状態にかかわらず、空燃比フィ
ードバック制御により補正目標値VT1に対して適正な周
期で変化する。
【0033】一方、第2の空燃比信号V2は、触媒10が
正常な場合には、図19のように触媒10の浄化作用により
ほぼ一定となり、触媒10が劣化したときには、図20のよ
うに触媒10の浄化作用が低下するため、第1の空燃比信
号V1に追従して大きく変化する。従って、第2の空燃
比信号V2と目標値VR2とを比較したときの積分値δ、
反転回数n又は反転周期τ等に基づいて触媒10の劣化を
判定することができる。
【0034】更に、劣化パラメータ値として反転周期比
率γを用いた場合、反転周期比率γは図21のように変化
し、反転周期比率γが劣化判定値γo(約50%)を越えた
ときに触媒10の劣化を判定することができる。
【0035】しかしながら、触媒10の上流側に配置され
た第1の空燃比センサ11は劣化し易く出力特性のバラツ
キが大きいため、空燃比フィードバック制御誤差によっ
て下流側の空燃比にもバラツキとなって影響する。従っ
て、例えば図19の破線で示すように第2の空燃比信号V
2がシフトしてしまい、第2の目標値VR2を横切らなく
なる。この場合、図20のように触媒10が劣化しても、第
2の空燃比信号V2が目標値VR2を横切らない可能性も
あり、積分値δ、反転回数n及び反転周期τが演算でき
なくなるおそれがある。
【0036】又、空燃比信号V1及びV2は、種々の運
転状態のバラツキ等によっても影響を受け、従って積分
値δ及び反転周期T並びに反転周期比率γの演算結果に
もバラツキが生じ、触媒10が劣化していないのもかかわ
らず劣化判定してしまうおそれがある。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】従来の内燃機関用触媒
劣化検出装置は以上のように、第1及び第2の空燃比セ
ンサ11及び12の出力特性や運転状態等の違いにより劣化
パラメータ値δ、n、τ又はγが異なってしまうので、
触媒10の劣化を正確に判定することができないという問
題点があった。
【0038】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、各空燃比センサの出力特性や運
転状態の違いによる劣化パラメータ値のバラツキを抑制
した内燃機関用触媒劣化検出装置を得ることを目的とす
る。
【0039】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る内燃機関用触媒劣化検出装置は、内燃機関の運転状態
を判別する運転状態判別手段と、第2の空燃比信号をフ
ィルタ処理してフィルタ処理信号を生成するフィルタ処
理手段と、第2の空燃比信号をフィルタ処理信号と比較
して第1の比較結果を生成する第1の比較演算手段と、
第1の空燃比信号を目標値と比較して第2の比較結果を
生成する第2の比較演算手段と、第1及び第2の比較結
果を比較して第3の比較結果を生成する第3の比較演算
手段とを設け、劣化判定手段が、第3の比較結果に基づ
く劣化パラメータ値を運転状態に応じて所定値と比較
し、劣化パラメータ値が所定値を越えたときに触媒の劣
化を判定するものである。
【0040】
【0041】又、この発明の請求項2に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項1の劣化判定手段が、運転
状態が所定範囲内にあるときに劣化パラメータ値を所定
値と比較するものである。
【0042】又、この発明の請求項3に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項1又は請求項2の劣化判定
手段が、運転状態に応じて異なる所定値と劣化パラメー
タ値とを比較するものである。
【0043】又、この発明の請求項4に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか
のフィルタ処理手段の時定数が100m秒〜300m秒に設定さ
れたものである。
【0044】又、この発明の請求項5に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか
のフィルタ処理信号が、第2の空燃比信号に対する大小
に応答して、所定のノイズ除去量だけ増減されるような
ヒステリシスを有するものである。
【0045】又、この発明の請求項6に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか
の劣化パラメータ値を、第2の空燃比信号とフィルタ処
理信号との偏差の積分演算値としたものである。
【0046】又、この発明の請求項7に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項1の目標値が、第1の空燃
比信号に対する大小に応答して所定のノイズ除去量だけ
増減されるようなヒステリシスを有するものである。
【0047】
【0048】又、この発明の請求項8に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、劣化パラメータ値をフィルタ処理
してフィルタ処理パラメータ値を生成するフィルタ処理
手段を設け、比較判定手段が、フィルタ処理パラメータ
値が所定値を越えた状態が所定時間継続したときに触媒
の劣化を判定するものである。
【0049】又、この発明の請求項9に係る内燃機関用
触媒劣化検出装置は、請求項8の比較判定手段が、フィ
ルタ処理パラメータ値の前回値と今回値の偏差が許容上
限値以下のときに、フィルタ処理パラメータ値と所定値
との比較を行うものである。
【0050】
【作用】この発明の請求項1においては、第2の空燃比
信号とそのフィルタ処理信号との比較による第1の比較
結果と、第1の空燃比信号とその目標値との比較による
第2の比較結果とを比較し、得られた第3の比較結果に
基づく劣化パラメータ値を用いて触媒の劣化を判定す
る。
【0051】
【0052】又、この発明の請求項2においては、請求
項1において、所定の運転状態にあるときのみに劣化判
定手段が劣化判定を行う。
【0053】又、この発明の請求項3においては、請求
項1又は請求項2のいずれかにおいて、劣化判定手段が
運転状態に応じた所定値を用いて触媒劣化の判定する。
【0054】又、この発明の請求項4においては、請求
項1乃至請求項3のいずれかにおいて、フィルタ処理時
定数を100m秒〜300m秒に設定する。
【0055】又、この発明の請求項5においては、請求
項1乃至請求項4のいずれかにおいて、フィルタ処理信
号にノイズ除去量だけヒステリシスを持たせる。
【0056】又、この発明の請求項6においては、請求
項1乃至請求項5のいずれかにおいて、劣化パラメータ
値として偏差の積分値を用いる。
【0057】又、この発明の請求項7においては、請求
項1において、目標値にノイズ除去量だけヒステリシス
を持たせる。
【0058】
【0059】又、この発明の請求項8においては、フィ
ルタ処理パラメータ値が所定値を越えた状態が所定時間
継続したときに触媒が劣化したことを判定する。
【0060】又、この発明の請求項9においては、請求
項8において、フィルタ処理パラメータ値の変動が許容
範囲内にあるときのみに所定値と比較する。
【0061】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の実施例1を図について説明する。図1
はこの発明の実施例1に関連する劣化判定手段を図式的
に示す機能ブロック図であり、30Aはマイクロコンピュ
ータ30に対応しており、5、11、12及び19は前述と同様
のものである。又、図示しない装置全体、ECU及び空
燃比制御手段20a等の構成は、図15〜図17に示した通り
である。
【0062】20aは図17の機能構成からなる空燃比制御
手段であり、後述する触媒劣化判定手段と共にマイクロ
コンピュータ30A内に構成されている。50は第2の空燃
比信号V2をフィルタ処理してフィルタ処理信号Vf2を生
成するフィルタ処理手段であり、そのフィルタ処理時定
数は、外来ノイズを除去する程度の数m秒ではなく、劣
化パラメータ値のバラツキを抑制するために、100m秒〜
300m秒程度に設定されている。
【0063】51は第2の空燃比信号V2をフィルタ処理
信号Vf2とを比較する比較演算手段であり、第2の空燃
比信号V2とフィルタ処理信号Vf2との偏差ΔVf2を比
較結果として出力する。
【0064】52は運転状態信号Q(水温T、スロットル
開度φ等を含む)に基づいて運転状態を判別する運転状
態判別手段であり、運転状態が所定範囲内にあることを
判別すると定常運転信号Q′を生成する。定常運転状態
は、例えば、エンジン回転数が所定範囲内且つエンジン
負荷が所定範囲内にあるときに判別される。
【0065】53は定常運転信号Q′に応答して第2の空
燃比信号V2の偏差ΔVf2を通過させるアンドゲート、
54は偏差ΔVf2が所定値を越えたときに触媒10の劣化を
判定する劣化判定手段である。フィルタ処理手段50〜劣
化判定手段54は触媒劣化判定手段を構成しており、空燃
比制御手段20aと共にマイクロコンピュータ30に含まれ
ている。
【0066】次に、図1に示した触媒劣化検出装置の概
略動作について説明する。まず、空燃比制御手段20a
は、前述のように各空燃比信号V1及びV2に基づいて
燃料噴射信号Jを生成し、インジェクタ5からの燃料噴
射量即ち空燃比を最適に制御する。
【0067】一方、触媒劣化判定手段のフィルタ処理手
段50は第2の空燃比信号V2のフィルタ処理信号Vf2を
生成し、比較演算手段51は、フィルタ処理信号Vf2と第
2の空燃比信号V2との偏差ΔVf2を生成する。
【0068】又、運転状態判別手段52は、回転信号R及
びスロットル開度φ等に基づいて、回転速度温度負荷等
が所定範囲内であれば劣化判定に適した定常運転と判別
し、定常運転信号Q′を生成してアンドゲート53を開
き、偏差ΔVf2を劣化判定手段54に入力する。尚、所定
運転状態としては、排気ガス温度及び吸入空気量が所定
値以上の状態等を選択してもよい。
【0069】従って、劣化判定手段54は、劣化判定可能
な運転状態のときに偏差ΔVf2が所定値(劣化判定基準)
を越えたか否かを判定し、所定値を越えたときに異常信
号Eを生成して警報ランプ19を駆動する。この結果、運
転者は、触媒10が劣化したことを認識し、直ちに運転を
停止して対策を施すことができる。
【0070】次に、図2のフローチャートを参照しなが
ら、図1内の触媒劣化判定手段の処理動作について具体
的に説明する。まず、第2の空燃比センサ12からの空燃
比信号V2を読込み(ステップS1)、又、フィルタ処理手段
50からのフィルタ処理信号Vf2を読込む(ステップS2)。
【0071】続いて、第2の空燃比信号V2とフィルタ
処理信号Vf2との比較演算処理を行い(ステップS3)、比
較結果即ち偏差ΔVf2を生成する。次に、定常運転信号
Q′の有無により運転状態が所定運転状態が否かを判定
し(ステップS4)、もし所定運転状態(定常運転状態)であ
れば、ステップS3での比較結果ΔVf2が所定値Aより大
きいか否かを判定する(ステップS5)。
【0072】尚、運転状態判定ステップS4は、運転状態
判別手段52及びアンドゲート53により実行され、比較結
果判定ステップS5は劣化判定手段54により実行される。
もしステップS5において、ΔVf2≦A、即ち「NO」で
あれば、触媒10が正常であると決定し(ステップS6)、異
常信号Eを生成することはない。従って、警報ランプ19
を消灯のままにして(ステップS7)、リターンする。
【0073】一方、ステップS5において、ΔVf2>A、
即ち「YES」であれば、触媒10が劣化したものと決定
し(ステップS8)、異常信号Eを生成する。従って、警報
ランプ19を点灯し(ステップS9)、リターンする。又、運
転状態判定ステップS4において、所定運転状態の範囲
外、即ち「NO」であれば、劣化判定不可能な運転状態
であるから、ステップS5をスキップして警報ランプ消灯
ステップS7に進む。
【0074】次に、図3のフローチャート、並びに図4
及び図5の波形図を参照しながら、フィルタ処理手段50
におけるフィルタ処理動作について説明する。尚、図3
のフィルタ処理ルーチンは、例えば10m秒毎に実行され
る。まず、第2の空燃比センサ12からの空燃比信号V2
を読込み(ステップS11)、電源投入後の最初の読込であ
るか否かを判定する(ステップS12)。
【0075】もし、ステップS12において最初の読込で
あると判定されれば、空燃比信号V2を今回のフィルタ処
理信号Vf2(n)として初期設定し(ステップS13)、フィ
ルタ処理を終了してリターンする。このとき、今回のフ
ィルタ処理信号Vf2(n)は、前回のフィルタ処理信号V
f2(n−1)として更新登録される。
【0076】一方、ステップS12において最初の読込み
でないと判定されれば、今回のフィルタ処理信号Vf2
(n)を、以下の(1)式のような一次フィルタ演算により
設定する(ステップS14)。
【0077】 Vf2(n)=(1−Ks)×Vf2(n−1)+Ks×V2 …(1)
【0078】但し、(1)式において、Ksはフィルタ演
算係数であり、0<Ks<1の範囲内の値に設定され
る。(1)式で演算された今回のフィルタ処理信号Vf2
(n)に基づいて、第2の空燃比信号V2は、100m秒〜30
0m秒のフィルタ処理時定数により応答時間が遅延され、
確実に劣化判定が可能なフィルタ処理信号Vf2に変換さ
れて比較演算手段51に入力される。
【0079】このとき、フィルタ処理信号Vf2の波形
は、触媒10の機能が正常なときには図4内の破線で示す
ようになり、触媒10が劣化して浄化性能が低下したとき
には図5内の破線で示すようになる。
【0080】即ち、触媒10が正常なときには、図4内の
実線aからbのように第2の空燃比信号V2のレベルが
シフトしても、第2の空燃比信号V2にほぼ追従するよ
うなフィルタ処理信号Vf2(破線)が得られる。このとき
のフィルタ処理信号Vf2は、時定数が100m秒〜300m秒と
大きいため、第2の空燃比信号V2とほとんど一致した
波形となる。
【0081】一方、触媒10が劣化したときには、図5内
の破線のように、振幅の大きい第2の空燃比信号V2
(実線)に対して応答遅れを有するため、第2の空燃比信
号V2とのレベル差が大きくなり、周期的に交差する波
形のフィルタ処理信号Vf2が得られる。これにより、常
に第2の空燃比信号V2に応じたフィルタ処理信号Vf2
が、第2の目標値VR2に代わる比較基準として生成され
る。
【0082】従って、比較演算手段51の比較結果即ち偏
差ΔVf2は、もし触媒10が正常であれば、図4の実線b
のように第2の空燃比信号V2が第2の目標値VR2を横
切らない程度にシフトしても、第2の空燃比信号V2の
バラツキとは無関係に常に所定値A以下の小さいレベル
となる。又、図5のように触媒10が劣化していれば、偏
差ΔVf2のレベルは所定値Aより大きくなる。
【0083】このように、第2の空燃比信号V2のフィ
ルタ処理信号Vf2を比較基準値とすることにより、比較
演算手段51から第2の空燃比信号V2のバラツキの影響
を受けない偏差ΔVf2が生成される。又、劣化判定手段
54は、劣化判定可能な定常運転状態のときのみに、偏差
ΔVf2に基づいて正確に触媒10の劣化を判定することが
できる。従って、触媒10の劣化を判定できなかったり、
正常であるにもかかわらず劣化を誤判定することはな
い。
【0084】上記装置では、比較演算手段51が第2の空
燃比信号V2とフィルタ処理信号Vf2との偏差ΔVf2を
比較結果として出力し、運転状態判別手段52が定常運転
状態を判別し、アンドゲート53が定常運転状態のときの
み偏差ΔVf2を有効にし、更に、劣化判定手段54が偏差
ΔVf2を所定値と比較したが、劣化パラメータ値として
他の演算値を用いてもよい。
【0085】例えば、定常運転状態時に第2の空燃比信
号V2がフィルタ処理信号Vf2を横切った反転回数nが
所定回数を越えたときに劣化を判定することもできる。
この場合、各信号の交差反転回数を計数する比較演算手
段は、図1内の運転状態判別手段52及びアンドゲート53
の機能を含むことになる。
【0086】次に、図6を参照しながら、この発明の
施例1による比較演算手段の比較演算処理(反転回数n
の演算)動作について具体的に説明する。まず、第2の
空燃比信号V2がフィルタ処理信号Vf2より大きいか否
かを判定し(ステップS21)、もしV2>Vf2であれば今
回フラグを1にセットして(ステップS22)、第2の空
燃比信号V2がややリッチ状態を示すものと見なす。
又、V2≦Vf2であれば、今回フラグを0にリセットす
る(ステップS23)。
【0087】ステップS22又はS23により今回フラグの
状態が決定されると、電源がオンされてから最初の比較
か否かを判定し(ステップS24)、もし最初の比較であれ
ば今回フラグの値を前回フラグの値にセットして初期化
し(ステップS25)、最初の比較でなければステップS25
をスキップする。
【0088】続いて、運転状態が所定の定常運転状態か
否かを判定し(ステップS26)、もし定常運転状態でなけ
ればカウンタCNを0にリセットし(ステップS27)、定
常運転状態であればリセットステップS27をスキップす
る。
【0089】次に、今回フラグが1であるか否かを判定
し(ステップS28)、もし1がセットされていれば、続い
て前回フラグが0であるか否かを判定し(ステップS2
9)、もし今回フラグに1がセットされていなければ(0
であれば)、続いて前回フラグが1であるか否かを判定
する(ステップS30)。
【0090】即ち、ステップS29及びS30においては、
今回フラグ及び前回フラグが互いに異なる状態、つま
り、第2の空燃比信号V2がフィルタ処理信号Vf2を横
切って今回フラグと前回フラグとが反転したかを判定す
る。
【0091】もし、ステップS29又はS30において「Y
ES」(横切った)と判定されれば、カウンタCNをイン
クリメントし(ステップS31)、第2の空燃比信号V2が
フィルタ処理信号Vf2を横切った回数を計数する。又、
ステップS29又はS30において「NO」と判定されれば
ステップS31をスキップする。
【0092】次に、定常運転状態が所定時間が経過した
か否かを判定し(ステップS32)、所定時間が経過すれ
ば、カウンタCNの値を比較結果として設定した後、カ
ウンタCNを0にリセットし(ステップS33)、リターン
する。ステップS32において、所定時間が経過していな
いと判定された場合は、ステップS33をスキップしてリ
ターンする。
【0093】この結果、劣化判定手段には劣化パラメー
タ値として反転回数nが入力され、劣化判定手段は、反
転回数nが所定回数を越えたときに触媒10の劣化を判定
することができる。
【0094】実施例2. 尚、上記実施例1では、比較演算手段により反転回数n
を演算し、反転回数nを劣化パラメータ値として劣化判
定手段に入力したが、劣化パラメータ値として反転周期
τを演算した場合にも同等の効果を奏する。この場合、
反転周期の計測は、マイクロコンピュータ30A内のタイ
マ機能により実現することができる。
【0095】実施例3. 又、触媒10の下流側の空燃比のズレを確実に検出するた
め、比較演算手段において、劣化パラメータ値として偏
差ΔVf2の積分値(面積相当値δ)を演算してもよい。次
に、図7のフローチャートを参照しながら、この発明の
実施例3(請求項6に対応)による比較演算手段の比較
演算処理(積分値δの演算)動作について説明する。図に
おいて、S21、S24、S26及びS32は図6と同様のステップ
である。
【0096】まず第2の空燃比信号V2とフィルタ処理信
号Vf2とを比較し(ステップS21)、もしV2>Vf2であ
れば、V2−Vf2により偏差ΔVf2を演算し(ステップS4
1)、第2の空燃比信号V2がややリッチの度合を求め
る。又、V2≦Vf2であれば、Vf2−V2により偏差ΔV
f2を演算する(ステップS42)。
【0097】続いて、ステップS24において電源オン後
の最初の比較と判定されれば、今回演算された偏差ΔV
f2を積分値δとして初期設定し(ステップS43)、最初の
比較でなければステップS43をスキップする。又、ステ
ップS26において所定運転状態でないと判定されれば、
積分値δを0にリセットし(ステップS44)、所定運転状
態と判定されればステップS44をスキップする。次に、
今回の積分値δ(n)を以下の(2)式により演算する(ス
テップS45)。
【0098】δ(n)=δ(n−1)+ΔVf2 …(2)
【0099】但し、(2)式において、δ(n−1)は前回
の積分値、ΔVf2は今回の偏差である。最後に、ステッ
プS32において所定運転状態が所定時間継続したことを
確認したうえで、積分値δを比較結果として設定した
後、積分値δを0にリセットする(ステップS46)。
【0100】実施例4. 又、上記各実施例では、第2の空燃比信号V2に応じて
演算されたフィルタ処理信号Vf2をそのまま比較演算に
用いたが、第2の空燃比信号V2にノイズが重畳される
ことを考慮して、ノイズ除去量だけフィルタ処理信号V
f2にヒステリシスを持たせてもよい(請求項5に対
応)。
【0101】即ち、もしV2>Vf2であれば、フィルタ
処理信号Vf2からノイズ除去量だけ減算し、V2≦Vf2
であれば、フィルタ処理信号Vf2にノイズ除去量を加算
し、ノイズの影響を受けないように偏差ΔVf2を増大さ
せればよい。これにより、外来ノイズに対する余裕がで
き、更に正確な劣化検出が可能となる。
【0102】実施例5. 又、上記各実施例では、所定の定常運転状態のときに触
媒劣化判定機能を有効にしたが、劣化判定手段54内で劣
化パラメータ値と比較される所定値を運転状態に応じて
変更してもよい(請求項3に対応)。この場合、劣化判
定可能な運転状態の範囲が広がると共に、所定の運転状
態範囲内においても劣化判定の信頼性が更に向上する。
【0103】実施例6. 又、上記各実施例では、第2の空燃比信号V2のみに基
づいて触媒10の劣化を判定したが、運転状態によっては
第1の空燃比信号V1を用いた空燃比制御状態が変化
し、この結果、第2の空燃比信号V2の変化量が増大
し、劣化判定に支障を与えるおそれがある。
【0104】従って、第2の空燃比信号V2のみならず
第1の空燃比信号V1を用いて劣化判定を行い、空燃比
制御誤差を抑制して更に信頼性の高い劣化検出を行うこ
とが望ましい。次に、図8の機能ブロック図を参照しな
がら、この発明の実施例6(請求項1に対応)による触
媒劣化検出装置について説明する。
【0105】55は第1の空燃比信号V1をその目標値V
R1と比較する第2の比較演算手段であり、第1の空燃比
信号V1と目標値VR1(リッチリーン判定値)との偏差Δ
V1を第2の比較結果として生成する。56は第1の比較
演算手段51からの偏差ΔVf2(第1の比較結果)と第2の
比較演算手段55からの偏差ΔV1(第2の比較結果)とを
比較する第3の比較演算手段であり、偏差比率ε(=Δ
V1/ΔVf2)を第3の比較結果として生成する。第2
の比較演算手段55及び第3の比較演算手段56は、空燃比
制御手段20a〜劣化判定手段54と共にマイクロコンピュ
ータ30B内に構成されている。
【0106】この場合、劣化判定手段54は、第3の比較
結果即ち偏差比率εを劣化パラメータ値として、運転状
態に応じて所定値と比較し、劣化パラメータ値が所定値
を越えたときに触媒の劣化を判定する。このとき、偏差
比率εは、空燃比制御手段20aの状態を反映しているの
で、第1の空燃比信号V1の影響即ち空燃比制御の状態
の変化による影響を抑制することができ、更に正確な劣
化判定を行うことができる。
【0107】実施例7. 又、上記実施例6の場合も、前述の実施例4と同様に、
第1の空燃比信号V1の目標値VR1にヒステリシスを持
たせれば、第1の空燃比信号V1に重畳される外来ノイ
ズによる影響を抑制することができる(請求項8に対
応)。更に、第2の比較演算手段55からの劣化パラメー
タ値として偏差ΔV1を用いたが、前述と同様に、第1
の空燃比信号V1が目標値VR1を横切る反転回数、周期
又は積分値等を用いてもよく、空燃比制御値の変化回数
即ち燃料フィードバック補正の反転回数、又は補正反転
間の周期を代用しても同等の効果を奏する。
【0108】実施例8. 又、上記各実施例では、第2の空燃比信号V2のレベル
にかかわらず、算出された劣化パラメータ値に基づいて
触媒10の劣化を判定したが、排気ガス成分に対する触媒
10の浄化率は、酸化還元反応が起こり易い理想空燃比1
4.7付近で最も高くなるので、空燃比が理想値から大き
くずれた場合には触媒10が正常であっても浄化率が低下
して劣化を誤判定してしまうおそれがある。
【0109】従って、空燃比状態を判定する手段と、空
燃比が所定範囲外のときに劣化判定を禁止する手段とを
更に設け、例えば第2の空燃比信号V2がO2センサの場
合、出力電圧レベルが0.1V〜0.8Vの範囲内か否かを判
定し、0.1V以下又は0.8V以上の場合には、空燃比が所
定範囲外にずれていると見なして、劣化判定を禁止する
ようにしてもよい。これにより、所定範囲内の空燃比状
態のときのみに劣化判定が行われ、触媒10の劣化判定信
頼性は更に向上する。
【0110】実施例9. 又、上記各実施例では、第2の空燃比信号V2をフィル
タ処理したが、少なくとも第2の空燃比信号V2に基づ
いて算出された劣化パラメータ値をフィルタ処理しても
よい。以下、図9の機能ブロック図、図10、図11及び図
13のフローチャート、並びに図12の波形図を参照しなが
ら、この発明の実施例9(請求項8に対応)について説
明する。
【0111】図9において、60は少なくとも第2の空燃
比信号V2に基づいて所定時間毎に劣化パラメータ値γ
を算出する劣化パラメータ演算手段であり、例えば、各
空燃比信号V1及びV2とその目標値VR1及びVR2との
反転周期τの比率γを劣化パラメータ値として出力す
る。
【0112】61は劣化パラメータ値γが演算される毎に
劣化パラメータ値γをフィルタ処理してフィルタ処理パ
ラメータ値γfを生成するフィルタ処理手段である。62
はフィルタ処理パラメータ値γfを所定値と比較する比
較判定手段であり、フィルタ処理パラメータ値γfが所
定値を越えたときに触媒の劣化を判定し、異常信号Eを
生成する。これらの劣化パラメータ演算手段60〜比較判
定手段62はマイクロコンピュータ30C内に構成されてい
る。
【0113】次に、図10のフローチャートを参照しなが
ら、この発明の実施例9に関連した触媒劣化判定処理動
作について具体的に説明する。尚、図10において、S6〜
S9は図2と同様のステップである。
【0114】まず、劣化パラメータ演算手段60は、第1
の空燃比信号V1が目標値VR1を横切る周期τ1と第2
の空燃比信号V2が目標値VR2を横切る周期τ2との周
期比率γ(τ1/τ2)を劣化パラメータ値として演算し、
フィルタ処理手段61は、劣化パラメータ値γをフィルタ
処理してフィルタ処理パラメータ値γfを生成する。
【0115】比較判定手段62は、フィルタ処理パラメー
タ値γfを読込み(ステップS51)、フィルタ処理パラメ
ータ値γfが所定値A′より大きいか否かを判定する
(ステップS52)。
【0116】もし、判定結果が「NO」(γf≦A′)で
あれば、触媒10が正常と認識し(ステップS6)、異常信
号Eを生成せずに警報ランプ19を消灯する(ステップS
7)。又、判定結果が「YES」(γf>A′)であれば、
触媒10が劣化と認識し(ステップS8)、異常信号Eを生
成して警報ランプ19を点灯する(ステップS9)。
【0117】図11はフィルタ処理手段61のフィルタ処理
ルーチンであり、劣化パラメータ値(周期比率)γの演算
に要する時間、例えば10秒毎に実行される。まず、劣化
パラメータ値γを読込み(ステップS61)、電源オン後の
最初の読込みか否か、即ち初めて劣化パラメータ値γを
演算したときか否かを判定する(ステップS62)。
【0118】もし、最初の読込みであれば、読込まれた
劣化パラメータ値γを今回のフィルタ処理パラメータ値
γf(n)として初期設定し(ステップS63)、フィルタ処
理を終了してリターンする。このとき、今回のフィルタ
処理パラメータ値γf(n)は、前回のフィルタ処理パラ
メータ値γf(n−1)として更新登録される。
【0119】一方、ステップS62において最初の読込み
でないと判定されれば、今回のフィルタ処理パラメータ
値γf(n)を、以下の(3)式のような一次フィルタ演算
により設定する(ステップS64)。
【0120】 γf(n)=(1−Kt)×γf(n−1)+Kt×γ …(3)
【0121】但し、(3)式において、Ktはフィルタ演
算係数であり、0<Kt<1の範囲内の値に設定され
る。このフィルタ演算係数Ktにより、今回のフィルタ
処理パラメータ値γf(n)は、同一の劣化パラメータ値
γが数回演算されたときに安定するように設定される。
【0122】この結果、フィルタ処理パラメータ値γf
の波形は、図12内の破線で示すように平滑化され、種々
の運転状態の影響等による劣化パラメータ値γの演算バ
ラツキが吸収される。従って、実線で示すように劣化パ
ラメータ値γのレベルが一時的に変動しても、触媒10が
正常であれば、フィルタ処理パラメータ値γfが所定値
A′を越えることはなく、比較判定手段62における劣化
の誤判定が防止されて信頼性が向上する。
【0123】ここでは、フィルタ処理パラメータ値γf
が所定値A′を越えたときに触媒10の劣化を判定した
が、何らかの原因によりフィルタ処理パラメータ値γf
が一時的に所定値A′を越えた場合に、やはり誤判定が
発生するおそれがある。
【0124】従って、フィルタ処理パラメータ値γfが
一時的に所定値A′を越えた場合に劣化を誤判定するの
を防止するために、所定時間だけ継続して越えたときに
劣化を判定することが望ましい。図13はこの発明の実施
例9(請求項8に対応)による劣化判定処理を示すフロ
ーチャートであり、S51及びS52は図10と同様のステッ
プである。
【0125】この場合、時間計測用のタイマカウンタC
Tが追加されており、ステップS52の判定結果が「N
O」(γf≦A′)のときには、カウンタCTを0にリセ
ットして初期化し(ステップS53)、リターンする。
【0126】又、ステップS52の判定結果が「YES」
(γf>A′)のときには、カウンタCTをインクリメン
トし(ステップS54)、カウンタCTの値が所定値Bを越
えているか否かを判定する(ステップS55)。尚、インク
リメントステップS54は、フィルタ処理パラメータ値γ
fが所定値A′を継続して越えている時間を計測してお
り、判定ステップS55内の所定値Bは所定時間に対応し
た値(例えば、5回)に設定されている。
【0127】もし、ステップS55の判定結果が「NO」
(CT≦B)であれば、触媒10を正常と認識するステップ
S6に進み、「YES」(CT>B)であれば、触媒10を劣
化と認識するステップS8に進む。これにより、フィルタ
処理パラメータ値γfが所定時間継続して所定値A′を
越えたときのみ触媒10の劣化を判定することができ、信
頼性は更に向上する。
【0128】実施例10. 又、上記実施例9では、所定値以上のフィルタ処理パラ
メータ値γfが所定時間継続したときに触媒10の劣化を
判定したが、フィルタ処理パラメータ値γfの一時的な
変化による劣化誤判定を防止するための他の手段とし
て、フィルタ処理パラメータ値の変化量を算出する手段
を設けてもよい。
【0129】図14はこの発明の実施例10(請求項9に対
応)による触媒劣化検出装置を示す機能ブロック図であ
り、62Aは図9内の62に対応する比較演算手段である。
63はフィルタ処理パラメータ値γfの変化量Δγfを算
出するフィルタ処理値変化量算出手段であり、劣化パラ
メータ演算手段60〜比較演算手段62Aと共にマイクロコ
ンピュータ30D内に構成されている。
【0130】フィルタ処理値変化量算出手段63は、フィ
ルタ処理手段61からのフィルタ処理パラメータ値γfの
今回値γf(n)と前回値γf(n−1)の偏差をに基づい
て、以下の(4)式のように変化量Δγfを算出する。
【0131】 Δγf=|γf(n)−γf(n−1)| …(4)
【0132】比較演算手段62Aは、フィルタ処理パラメ
ータ値γfと共に変化量Δγfを取込み、変化量Δγf
が許容上限値以下のとき、フィルタ処理パラメータ値γ
fが一時的な演算結果ではないと判定し、その時点のフ
ィルタ処理パラメータ値γfと所定値A′とを比較す
る。
【0133】又、変化量Δγfが許容上限値を越えたと
きには、一時的な演算バラツキと見なして劣化判定を禁
止する。これにより、フィルタ処理パラメータ値γfの
演算バラツキを吸収することができ、触媒劣化判定の信
頼性は更に向上する。又、実施例9及び実施例10を組み
合わせれば、フィルタ処理パラメータ値γfの演算バラ
ツキを更に吸収することができる。更に、実施例9及び
実施例10においては、劣化パラメータ値として周期比率
γを用いたが、他の劣化パラメータ値を用いても同等の
効果を奏することは言うまでもない。
【0134】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、内燃機関の運転状態を判別する運転状態判別手段
と、第2の空燃比信号をフィルタ処理してフィルタ処理
信号を生成するフィルタ処理手段と、第2の空燃比信号
をフィルタ処理信号と比較して第1の比較結果を生成す
る第1の比較演算手段と、第1の空燃比信号を目標値と
比較して第2の比較結果を生成する第2の比較演算手段
と、第1及び第2の比較結果を比較して第3の比較結果
を生成する第3の比較演算手段とを設け、第3の比較結
果に基づく劣化パラメータ値を運転状態に応じて所定値
と比較し、劣化パラメータ値が所定値を越えたときに触
媒の劣化を判定するようにしたので、空燃比センサの出
力特性や運転状態の違いによる劣化パラメータ値のバラ
ツキを抑制して信頼性を向上させた内燃機関用触媒劣化
検出装置が得られる効果がある。
【0135】
【0136】又、この発明の請求項2によれば、請求項
において、運転状態が所定範囲内にあるときのみに劣
化パラメータ値を所定値と比較して劣化判定を行うよう
にしたので、空燃比センサの出力特性や運転状態の違い
による劣化パラメータ値のバラツキを抑制すると共に、
運転状態のバラツキによる誤判定を防止した内燃機関用
触媒劣化検出装置が得られる効果がある。
【0137】又、この発明の請求項3によれば、請求項
又は請求項2において、運転状態に応じて異なる所定
値と劣化パラメータ値とを比較して劣化判定するように
したので、空燃比センサの出力特性や運転状態の違いに
よる劣化パラメータ値のバラツキを抑制すると共に、劣
化判定可能な運転状態範囲を拡大し且つ判定信頼性を向
上させた内燃機関用触媒劣化検出装置が得られる効果が
ある。
【0138】又、この発明の請求項4によれば、請求項
1乃至請求項3のいずれかにおいて、フィルタ処理手段
の時定数を100m秒〜300m秒に設定したので、空燃比セン
サの出力特性や運転状態の違いによる劣化パラメータ値
のバラツキを抑制すると共に、空燃比信号のバラツキを
確実に吸収して判定信頼性を向上させた内燃機関用触媒
劣化検出装置が得られる効果がある。
【0139】又、この発明の請求項5によれば、請求項
1乃至請求項4のいずれかにおいて、第2の空燃比信号
に対する大小に応答して所定のノイズ除去量だけ増減さ
れるようなヒステリシスをフィルタ処理信号に持たせた
ので、空燃比センサの出力特性や運転状態の違いによる
劣化パラメータ値のバラツキを抑制すると共に、空燃比
信号に対するノイズの重畳による誤判定を防止した内燃
機関用触媒劣化検出装置が得られる効果がある。
【0140】又、この発明の請求項6によれば、請求項
1乃至請求項5のいずれかにおいて、劣化パラメータ値
を、第2の空燃比信号とフィルタ処理信号との偏差の積
分演算値としたので、空燃比センサの出力特性や運転状
態の違いによる劣化パラメータ値のバラツキを抑制する
と共に、判定信頼性を向上させた内燃機関用触媒劣化検
出装置が得られる効果がある。
【0141】又、この発明の請求項7によれば、請求項
において、第1の空燃比信号に対する大小に応答して
所定のノイズ除去量だけ増減されるようなヒステリシス
を目標値に持たせたので、空燃比センサの出力特性や運
転状態の違いによる劣化パラメータ値のバラツキを抑制
した内燃機関用触媒劣化検出装置が得られる効果があ
る。
【0142】
【0143】又、この発明の請求項8によれば、劣化パ
ラメータ値をフィルタ処理してフィルタ処理パラメータ
値を生成するフィルタ処理手段を設け、比較判定手段
が、フィルタ処理パラメータ値が所定値を越えた状態が
所定時間継続したときに触媒の劣化を判定するようにし
たので、空燃比センサの出力特性や運転状態の違いによ
る劣化パラメータ値のバラツキを抑制すると共に、フィ
ルタ処理パラメータ値の一時的な演算バラツキを吸収し
て誤判定を防止した内燃機関用触媒劣化検出装置が得ら
れる効果がある。
【0144】又、この発明の請求項9によれば、請求項
において、フィルタ処理パラメータ値の前回値と今回
値の偏差が許容上限値以下のときに、フィルタ処理パラ
メータ値と所定値との比較を行うようにしたので、空燃
比センサの出力特性や運転状態の違いによる劣化パラメ
ータ値のバラツキを抑制すると共に、フィルタ処理パラ
メータ値の一時的な演算バラツキを吸収して誤判定を防
止した内燃機関用触媒劣化検出装置が得られる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に関連した装置によるマ
イクロコンピュータ(ECU)内の触媒劣化判定手段を
図式的に示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施例1に関連した装置による劣
化判定処理動作を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施例1に関連した装置によるフ
ィルタ処理動作を示すフローチャートである。
【図4】 触媒正常時におけるこの発明の実施例1に関
連した装置による第2の空燃比信号V2及びそのフィル
タ処理信号Vf2を示す波形図である。
【図5】 触媒劣化時におけるこの発明の実施例1に関
連した装置による第2の空燃比信号V2及びそのフィル
タ処理信号Vf2を示す波形図である。
【図6】 この発明の実施例1による比較演算処理動作
を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施例3による比較演算処理動作
を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施例6によるマイクロコンピュ
ータ内の触媒劣化判定手段を図式的に示す機能ブロック
図である。
【図9】 この発明の実施例9に関連した装置によるマ
イクロコンピュータ内の触媒劣化判定手段を図式的に示
す機能ブロック図である。
【図10】 この発明の実施例9に関連した装置による
劣化判定処理動作を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施例9に関連した装置による
フィルタ処理動作を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施例9に関連した装置による
劣化パラメータ値(周期比率)γ及びそのフィルタ処理パ
ラメータ値γfを示す波形図である。
【図13】 この発明の実施例9による劣化判定処理動
作を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施例10によるマイクロコンピ
ュータ内の触媒劣化判定手段を図式的に示す機能ブロッ
ク図である。
【図15】 一般的な内燃機関用触媒劣化検出装置を示
す構成図である。
【図16】 図15内のECUの機能構成を示すブロッ
ク図である。
【図17】 従来の内燃機関用触媒劣化検出装置による
空燃比フィードバック制御演算動作を図式的に示す機能
ブロック図である。
【図18】 一般的な内燃機関用触媒劣化検出装置によ
る空燃比フィードバック制御動作を説明するための波形
図である。
【図19】 触媒が正常なときの一般的な第1及び第2
の空燃比信号の出力特性を示す波形図である。
【図20】 触媒が劣化したときの第1及び第2の空燃
比信号の出力特性を示す波形図である。
【図21】 劣化パラメータ値として周期比率γを用い
た場合の出力特性を示す波形図である。
【符号の説明】
1 エンジン9、 排気管、10 触媒、11 第1の
空燃比センサ、12第2の空燃比センサ、19 警報ラ
ンプ、20 ECU、30A〜30D マイクロコンピ
ュータ、50、61 フィルタ処理手段、51 第1の
比較演算手段、52 運転状態判別手段、53 アンド
ゲート、54 劣化判定手段、55第2の比較演算手
段、56 第3の比較演算手段、60 劣化パラメータ
演算手段、62、62A 比較判定手段、63 フィル
タ処理値変化量算出手段、A′所定値、E 異常信号、
Q 運転状態信号、Q′ 定常運転信号、V1 第1の
空燃比信号、V2 第2の空燃比信号、Vf2 フィル
タ処理信号、ΔVf2偏差(第1の比較結果)、ΔV1
偏差(第2の比較結果)、ε 偏差比率(第3の比較
結果)、γ 周期比率(劣化パラメータ値)、γf フ
ィルタ処理パラメータ値、Δγf 変化量(偏差)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に挿入された排気ガス
    浄化用の触媒の上流側に設けられて前記排気ガスの特定
    成分濃度を第1の空燃比信号として検出する第1の空燃
    比センサと、 前記触媒の下流側に設けられて前記排気ガスの特定成分
    濃度を第2の空燃比信号として検出する第2の空燃比セ
    ンサと、 少なくとも前記第2の空燃比信号に基づいて前記触媒の
    劣化を判定する劣化判定手段と、 前記触媒の劣化が判定されたときに警報を発生する警報
    発生手段とを備えた内燃機関用触媒劣化検出装置におい
    て、 前記内燃機関の運転状態を判別する運転状態判別手段
    と、 前記第2の空燃比信号をフィルタ処理してフィルタ処理
    信号を生成するフィルタ処理手段と、 前記第2の空燃比信号を前記フィルタ処理信号と比較し
    第1の比較結果を生成する第1の比較演算手段と、 前記第1の空燃比信号を目標値と比較して第2の比較結
    果を生成する第2の比較演算手段と、 前記第1及び第2の比較結果を比較して第3の比較結果
    を生成する第3の比較演算手段と を設け、 前記劣化判定手段は、前記第3の比較結果に基づく劣化
    パラメータ値を前記運転状態に応じて所定値と比較し、
    前記劣化パラメータ値が前記所定値を越えたときに前記
    触媒の劣化を判定することを特徴とする内燃機関用触媒
    劣化検出装置。
  2. 【請求項2】 前記劣化判定手段は、前記運転状態が所
    定範囲内にあるときに、前記劣化パラメータ値を前記所
    定値と比較することを特徴とする請求項1の内燃機関用
    触媒劣化検出装置。
  3. 【請求項3】 前記劣化判定手段は、前記運転状態に応
    じて異なる所定値と前記劣化パラメータ値とを比較する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の内燃機関用触
    媒劣化検出装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ処理手段の時定数は、10
    0m秒〜300m秒に設定されたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれかの内燃機関用触媒劣化検出
    装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ処理信号は、前記第2の空
    燃比信号に対する大小に応答して、所定のノイズ除去量
    だけ増減されるようなヒステリシスを有することを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれかの内燃機関用触
    媒劣化検出装置。
  6. 【請求項6】 前記劣化パラメータ値は、前記第2の空
    燃比信号と前記フィルタ処理信号との偏差の積分演算値
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれ
    かの内燃機関用触媒劣化検出装置。
  7. 【請求項7】 前記目標値は、前記第1の空燃比信号に
    対する大小に応答して所定のノイズ除去量だけ増減され
    るようなヒステリシスを有することを特徴とする請求項
    の内燃機関用触媒劣化検出装置。
  8. 【請求項8】 内燃機関の排気系に挿入された排気ガス
    浄化用の触媒の上流側に設けられて前記排気ガスの特定
    成分濃度を第1の空燃比信号として検出する第1の空燃
    比センサと、 前記触媒の下流側に設けられて前記排気ガスの特定成分
    濃度を第2の空燃比信号として検出する第2の空燃比セ
    ンサと、 少なくとも前記第2の空燃比信号に基づいて所定時間毎
    に劣化パラメータ値を算出する劣化パラメータ演算手段
    と、 前記劣化パラメータ値に基づいて前記触媒の劣化を判定
    する比較判定手段と、 前記触媒の劣化が判定されたときに警報を発生する警報
    発生手段とを備えた内燃機関用触媒劣化検出装置におい
    て、 前記劣化パラメータ値をフィルタ処理してフィルタ処理
    パラメータ値を生成するフィルタ処理手段を設け、 前記比較判定手段は、前記フィルタ処理パラメータ値が
    前記所定値を越えた状態が所定時間継続したときに前記
    触媒の劣化を判定することを特徴とする 内燃機関用触媒
    劣化検出装置。
  9. 【請求項9】 前記比較判定手段は、前記フィルタ処理
    パラメータ値の前回値と今回値の偏差が許容上限値以下
    のときに、前記フィルタ処理パラメータ値と前記所定値
    との比較を行うことを特徴とする請求項8の内燃機関用
    触媒劣化検出装置。
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