JP2937763B2 - 包装材ユニット - Google Patents

包装材ユニット

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JP2937763B2 JP18695694A JP18695694A JP2937763B2 JP 2937763 B2 JP2937763 B2 JP 2937763B2 JP 18695694 A JP18695694 A JP 18695694A JP 18695694 A JP18695694 A JP 18695694A JP 2937763 B2 JP2937763 B2 JP 2937763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装材ユニットに関する
ものであり、より詳細には、所定寸法に裁断された包装
用ラップフィルムを所望により一枚毎に取り出すことが
できる包装材ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品等の包装に用いられる包装用ラップ
フィルムが広く実用に供されている。この種のラップフ
ィルムは一般に、紙管上に巻回された長尺フィルムの巻
回ロールとして包装され、紙箱内に収納される。使用に
際し、長尺のラップフィルムが巻回ロールから連続的に
繰り出され、紙箱に設けられた切断刃によって、使用に
応じた所望の長さに切断される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】或る種の用途において
は、所定の寸法に裁断された多数のラップフィルムシー
トを予め用意し、所望により各シートを一枚毎に使用す
る使用形態が望まれる。しかしながら、ラップフィルム
は被包装物に付着又は粘着し易い性質を有し、この性質
は、密封包装を実施する上で望ましい特徴である反面、
ラップフィルム同士の密着又は付着や、ラップフィルム
の局部的な重なり、皺、或いは、捩れなどを生じさせ、
ラップフィルムの取扱いを困難にする欠点でもある。こ
のような、付着性又は粘着性のために、ラップフィルム
は、一定寸法のシートの集合体として予め用意し難く、
現状では、上記巻回ロール形式の長尺ラップフィルムが
最適且つ唯一のラップフィルムの供給又は販売形態であ
ると考えられている。従って、上述の如く予め裁断され
た多数のラップフィルムシートを用意し、所望により各
シートを一枚毎使用する如き使用形態は、実質上又は実
際上、実用不能又は実現不可能なラップフィルムの使用
形態であると、一般に認識されてきた。本発明はかかる
点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、所定寸法に予め裁断された包装用ラップフィルムの
シートを所望により一枚毎に取り出すことができる包装
材ユニットを実現することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ラップフィルムの各
シートの間に間紙を挿入した構成のラップフィルム積層
体によって、上記目的を達成し得るとの知見に基づき、
以下の構成の包装材ユニットを発明した。即ち、本発明
は、ラップフィルム(2) を取り出すためのシート取り出
し用開口部(11)を備えた包装容器(10)と、該包装容器内
に収納されたラップフィルム積層体(1) とを有し、前記
ラップフィルム積層体(1) は、所定寸法に予め裁断され
たラップフィルムのシート(2) と、該シートと実質的に
同一の寸法を有し且つ前記シートの間に介挿された間紙
(3) から構成される積層体からなり、前記間紙は、薄
紙からなり、該積層体の第1表面(1b)には、前記薄紙
(3) が配置され、前記シート取り出し用開口部(11)は、
前記積層体(1) の先端縁(1a)に沿って包装容器(10)
体(13:16) に開口し、該開口部は、使用者の手指を包装
容器内のラップフィルム積層体に接近せしめる拡大開口
部分(11a) と、該拡大開口部分と連続し、前記積層体の
シート及び薄紙の引出しを可能にする狭小開口部分(11
b)とを有し、前記第1表面(1b)の先端縁部(1a)は、前記
開口部(11)に隣接して前記包装容器(10)の内壁面に沿っ
て配置されることを特徴とする包装材ユニットを提供す
る。
【0005】かかる構成の包装材ユニットにおいては、
上下のラップフィルムシートは、薄紙により互いに分離
されるので、ラップフィルム同士の密着ないし付着は生
じない。ラップフィルムシート及び薄紙は、上下対をな
して配置され、一枚のラップフィルムシート及び少なく
とも一枚の薄紙が積層体の第1表層から一緒に取り出さ
れる。実質的にラップフィルムの第1表面に薄紙が延在
しているので、薄紙をラップフィルムシートと共に手指
で挟持することによりシート・薄紙対を取り出すことが
できる。このとき、ラップフィルムに局部的な重なり、
皺、或いは、捩れは生じ難い。使用において、積層体の
最上層に位置するシート・薄紙対は、その先端縁部が包
装容器の開口部に隣接しており、使用者は、手指、例え
ば、親指を拡大開口部分に挿入し、第1表層の薄紙に触
れ、最上層のシート・薄紙対を上方又は前方、或いは、
他の所定の方向に変位させる。シート・薄紙対は、第2
層の薄紙上を滑り、シート・薄紙対の先端が所定の方向
に容易に引き出される。使用者は、このようにして引き
出したシート・薄紙対の先端部を手指で掴み、シート・
薄紙対を手指により開口部から引っ張り出すことができ
る。
【0006】なお、実質的に同じ寸法とは、薄紙が必ず
しも完全にラップフィルムシートと同一の寸法・形状の
ものでなくても良く、薄紙は少なくともラップフィルム
の大部分を覆い、これにより上下のラップフィルムシー
トを相互分離できる寸法・形状のものであれば良いこと
を意味する。好ましくは、前記拡大開口部分は、使用者
の親指を容易に挿入可能な形態又は寸法に形成され、前
側壁の少なくとも一方の端部領域、或いは、頂壁の少な
くとも一方の端部領域に配置される。本発明の或る実施
態様においては、前記積層体は折り返し部を有し、該折
り返し部によって前記包装容器の内部領域に収納可能な
形態に折り返されるとともに、前記シートの先端縁部が
前記包装容器の開口部に隣接する位置に配置される全体
形状に変形される。前記開口部に隣接する積層体の先端
縁部は、該開口部全体を容器内から塞ぐように、容器内
壁面に沿って開口部の縁を越えて延在する。好適には、
上記積層体は、折り返し部を有し、折り返し部により対
向する第1及び第2積層体部分の間に芯部材が配置され
る。更に好ましくは、上記積層体は、逆向きの第1及び
第2折り返し部を有し、折り返し部により対向する積層
体部分の間に芯部材が介挿される。芯部材は、積層体の
折曲形態を保持するとともに、各シート・薄紙対を引き
出す際にシート・薄紙対の案内手段を構成する。このよ
うな芯部材は、一枚の板紙又は厚紙を折曲げることによ
り容易に作成し得る。
【0007】本発明に用いられる薄紙は、ラップフィル
ムが付着又は粘着し難く且つラップフィルムと一緒に手
指で容易に摘み上げることができる一般的な薄葉紙であ
れば良い。好適には、薄紙は、吸水性又は吸湿性を有
し、薄紙自体をふき取り紙やナプキン等の用途に無駄な
く使用できるようにするのが良い。本発明の或る実施態
様においては、積層体の最上面に薄紙が配置され、積層
体の最下面にラップフィルムシートが配置される。折り
返し部の形成により対向する積層体部分の間に芯材が介
挿され、対向するラップフィルムシートの部分は芯材に
より互いに分離される。従って、最下面のラップフィル
ムにおける対向部分同士の付着又は粘着は生じない。本
発明に係るシート・薄紙対は、或る使用形態では、ラッ
プフィルムシートを被包装物に重ね、付着させ、巻き付
け、或いは、密着させた後、薄紙を除去することによ
り、ラップフィルムシートによる包装を可能にする。他
の使用形態では、薄紙は、表面又は外側包装材料として
被包装物上に残される。ラップフィルムシートの間
数(2枚)の薄紙を介挿し、上下のシートを複数の薄紙
によって分離しても良い。この場合、シートは、シート
の上下に位置する各薄紙とともに包装容器から取り出さ
れ、少なくとも一方の面の薄紙は、包装の直前にシート
・薄紙対から除去される。また、積層体の縁部分のシー
ト及び薄紙をずらし、積層体の側面を実質的に傾斜させ
ても良い。
【0008】好ましくは、薄紙は、ラップフィルムシー
トに接触する側の表面が、手指で触れる側の表面よりも
平滑であるのが良い。更に好適には、薄紙の厚さは、ラ
ップフィルムシートと良く馴染むように、可及的に薄く
設定される。本発明は又、ラップフィルム(2) を取り出
すためのシート取り出し用開口部(11)を備えた包装容器
(10)と、該包装容器内に収納されたラップフィルム積層
(1) とを有し、前記ラップフィルム積層体(1) は、所
定寸法に予め裁断されたラップフィルムのシート(2)
と、該シートと実質的に同一の長さ有し且つ前記シー
トの間に介挿された間紙(3) から構成される積層体か
らなり、前記間紙は、薄紙からなり、該積層体の最上層
(1b)には、前記薄紙(3) が配置され、前記シート取り
出し用開口部(11)は、前記積層体(1) の先端縁(1a)に沿
って包装容器(10)壁体(13:16) に開口し、前記積層体
(1) は第1折り返し部(4) 及び第2折り返し部(5)
、第1折り返し部(4) により第1積層体部分(6) 及び
第2積層体部分(7) が画成され、第2折り返し部(5)
より第2積層体部分(7) 及び第3積層体部分(8) が画成
され、対向する第1及び第2積層体部分(6:7) の間に第
1芯部材(20:21) が介挿されることを特徴とする包装材
ユニットを提供する。
【0009】好ましくは、前記積層体は第3折り返し部
を備え、第3折り返し部により第3積層体部分及び第4
積層体部分が画成され、対向する第3積層体部分及び第
4積層体部分の間に第2芯部材が介挿される。更に好ま
しくは、前記第1芯部材と第2芯部材とは、連接部を介
して相互連結される。本発明の或る実施態様において、
前記包装容器は、前記開口部に向かって積層体を変位さ
せる積層体押出し手段を備える。本発明の他の実施態様
において、前記第1芯部材と第2芯部材の長さは、前記
積層体の幅よりも大きく、前記薄紙の幅は、前記シート
の幅よりも大きい。上記薄紙はリサイクル可能な紙質の
ものが望ましい。従来のラップフィルム巻回ロールの
芯、即ち、紙管は、一月に約5000万本、廃棄処理さ
れる。薄紙及び芯材の総重量及び総体積は、従来のラッ
プフィルム巻回ロールの芯、即ち、紙管の総重量及び総
体積よりも小さいので、仮に全薄紙及び芯材が廃棄処理
されると仮定しても、廃棄処理されるゴミの量が大幅に
減少する。従って、上記包装材ユニットによれば、環境
保護対策に貢献することが可能となる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明に係るラップフィルム積層体
の実施例を全体的に示す縦断面図である。図1(B)に
部分的に拡大して示すように、ラップフィルム積層体1
(以下、積層体1という)は、所定寸法に予め裁断され
たラップフィルムのシート2(実線で示す)と、シート
2と実質的に同一の寸法に裁断された薄紙3(一点鎖線
で示す)とを交互に積層してなる。本例においては、図
1(A)に示す如く、シート2と薄紙3とは、全く同一
の寸法に裁断されている。しかしながら、薄紙3は、シ
ート2の大部分を覆い、上下のシート2を実質的に分離
できる寸法であれば良く、従って、薄紙3をシート2よ
りも僅かに小さい寸法又は大きい寸法に裁断しても良
い。積層体1は、多数のシート・薄紙対を上下に積層す
ることにより形成されており、最上面1bには、薄紙3
が位置する。シート2は、巻回ロールの形態で一般に供
給・販売されている食品包装用ラップフィルムを所定寸
法に裁断したものであり、ポリ塩化ビニリデン、ポリエ
チレン等の主材質からなる。この種のラップフィルムは
一般に、被包装物に付着又は密着する性質を有し、食品
等の被包装物を密封保存するのに適しており、一般家庭
における食品又は台所用品の日常的包装や、商工業的な
食品包装材料として広く普及している。他方、薄紙3
は、ラップフィルムに付着又は密着し難い性質を有する
一般的な薄紙であれば良く、ナプキンやティッシュペー
パーの如く吸水性又は吸湿性を備えた軟質薄葉紙を薄紙
3として好ましく使用し得る。
【0011】図2は、積層体1の上層部付近を拡大して
示す部分縦断面であり、図3は、積層体1から取り出さ
れたシート・薄紙対の使用例を示す縦断面図である。図
2に示すように最上層のシート・薄紙対の先端縁部1a
を手指で摘むと、最上層1bのシート・薄紙対は、その
下側、即ち、第2層の薄紙3上を滑り、上方に摘まみ上
げられる。積層体1から摘まみ上げられたシート・薄紙
対は、例えば、図3に示す如く、食品Fを収容したカッ
プCの包装(図3(A))や、任意の被包装物Wの包装
(図3(B))などに用いられる。図3(A)におい
て、液状食品FがカップC内に収容されており、シート
2は、カップCの開口を閉塞するようにカップCの開口
縁に密着せしめられる。使用者は、薄紙3を上にしてシ
ート2をカップCの開口縁に当て、シート2に直接触れ
ることなく、カップCの開口をシート2で密封すること
ができる。薄紙3は、密封後にカップCから除去して
も、或いは、カップC上に残しても良い。また、図3
(B)に示すような任意の形状の被包装物Wや、図3
(C)に示すような板状の被包装物W、例えば、フロッ
ピーディスク等を包装するために、シート・薄紙対を好
ましく用い得る。図3(B)、(C)において、使用者
は、被包装物Wをシート・薄紙対で下側から囲み、被包
装物Wの全面をシート2及び薄紙3で完全に被覆するこ
とができる。包装後に薄紙3を被包装物Wから除去して
も良いが、任意の使用形態においては、シート・薄紙対
を被包装物W上に残し、シート・薄紙対を被包装物Wの
2重包装材料として用いることができる。この場合、シ
ート2は、被包装物Wの密封包装材料又は内側包装材料
として機能し、薄紙3は、被包装物Wの化粧包装材料又
は外側包装材料として機能する。かかる使用例では、例
えば、薄紙3上に文字を書き、薄紙3により被包装物W
を外部から視覚的に保護し、或いは、包装を透過する光
を薄紙3により遮光する等、透明且つ平滑なラップフィ
ルム単独では到底実現し得ない新規な包装形態を達成で
きる。
【0012】図4は、本発明による包装材ユニットの実
施例を示す斜視図である。積層体1は、図4(C)に示
す如く、シート取り出し用開口部11を備えた包装容器
10内に収納される。包装容器10は、頂壁13、底壁
14、左右の端壁15および前後の側壁16を備えた略
正方形断面の一般的な折り畳み紙箱からなる。頂壁13
には、開閉可能な上蓋12が配置される。上蓋12は、
後側壁16と頂壁13との連接部に沿って連結され、該
連接部を中心に回動する。図4(A)に示す如く、上蓋
12は、前蓋部12aと、帯状の切取部12bとを有す
る。前蓋部12aと切取部12bとは、ミシン目12c
等の分離手段を介して連結され、切取部12bは、接着
剤又は係止手段にて前側壁16に接着又は係止される。
使用において、ミシン目12cの分離又は切断により、
切取部12bは取除かれ、前蓋部12aを含む上蓋12
は、ヒンジとして機能する上記連接部を中心に上方に回
動される。図4(B)に示す如く、前側壁16には、所
定形状に配列されたミシン目16a等の線状分離手段が
形成され、開放可能部分がミシン目16aの内側に形成
される。使用において、ミシン目16aの分離又は切断
により、図4(C)に示す開口部11が形成される。
【0013】積層体1の最上層1bに位置する薄紙3の
先端縁部1a近傍の領域は、開口部11を介して、容器
外方に露出し、使用者は、開口部11からシート・薄紙
対を一枚宛取り出すことができる。使用において、最上
1bのシート2は、最上層1bの薄紙3によって覆わ
れており、シート2の汚染は確実に防止される。開口部
11は、正面視左端部に位置する第1端部と、正面視右
端部に位置する第2端部とを有し、第1端部は上下方向
に直線的に延び、第2端部は略円弧形状又は半円形状に
画成される。開口部11の上縁18は、前側壁16と頂
壁13との連接線又は折曲線と実質的に平行に延在し、
開口部11の下縁17は、第1端部から第2端部に向か
って斜め下方に略直線状に延びる。この結果、開口部1
1は、第2端部領域にて下方に大きく開放する。かくし
て、開口部11は、使用者の手指を積層体1に接近せし
める挟持用開口部分、即ち、拡大開口部分11aを開口
部11の第2端部領域に備えるとともに、比較的幅狭に
開放した比較的狭小のシート繰出し開口部分、即ち、狭
小開口部分11bを開口部11の第1端部領域に備え
る。拡大開口部分11a及び狭小開口部分11bは連続
し、全体としてシート・薄紙対の繰り出し又は引き出し
を可能にする。
【0014】図5(A)は、包装容器10内に収納され
る積層体1の形態を例示する部分斜視図であり、図5
(B)は、図5(A)に示す積層体1を図4に示す包装
容器10内に収納した状態を示す縦断面図である。図5
(A)に示す積層体1は、第1折り返し部4および第2
折り返し部5にて折曲げられる。積層体1の最下面に
は、薄紙3又はシート2が位置し、薄紙3又はシート2
は、積層体1の折曲げにより対向する内側面を形成す
る。積層体1の形状に相応するように板紙又は厚紙を折
曲げ成形してなる芯材20が、積層体1の所定位置に配
置される。第1及び第2折り返し部4、5にて緩やかに
折曲げられた積層体1は、先端縁1aから第1折り返し
部4に延在する第1積層体部分6と、第1及び第2折り
返し部4、5の間に延在する第2積層体部分7と、第2
折り返し部5と末端縁1cとの間に延在する第3積層体
部分8とを含む。第1積層体部分6と第2積層体部分7
とは対向し、第2積層体部分7と第3積層体部分8とは
対向する。第1積層体部分6と第2積層体部分7との間
には、芯材20の第1芯部分21が介挿され、第1芯部
分21は、第1積層体部分6と第2積層体部分7との間
の上記内側面を相互分離する。
【0015】第1芯部分21は、連結部分23を介し
て、第2芯部分22に相互連結される。第2芯部分22
は、第3積層体部分8の下側に配置される。第3積層体
部分8と第2積層体部分7との間には、最上層1bの薄
紙3が位置するので、第3積層体部分8と第2積層体部
分7とは、薄紙3によって相互分離される。図5(B)
に示す如く、前側壁16の開口部11に隣接する第1積
層体部分6の先端部分1aは、連結部分23に沿って下
方に延び、下縁17の下方域まで垂下する。従って、薄
紙3は開口部11の全体に亘って延在し、シート2の汚
染は回避される。使用において、積層体1の最上層1b
に位置するシート・薄紙対は、先端縁1aが包装容器1
0の開口部11に隣接しており、使用者は、親指を拡大
開口部分11a内に挿入し、最上層1bの薄紙3に触
れ、最上層1bのシート・薄紙対を上方に若干押し上げ
る。シート・薄紙対は、第2層の薄紙3上を滑り、上方
且つ容器外方に変位し、シート・薄紙対の先端1aが容
器前方に引き出される。使用者は、このようにして引き
出したシート・薄紙対の先端部1aを手指で掴み、シー
ト・薄紙対を手指により開口部11から引っ張り出すこ
とができる。芯材20は、積層体1の折曲げ形態を保持
し、最上層1bのシート・薄紙対の円滑な繰り出し又は
取り出しを可能にする。
【0016】図6(A)は、包装容器10内に収納され
る積層体1の他の形態を例示する部分斜視図であり、図
6(B)は、図6(A)に示す積層体1を図4に示す包
装容器10内に収納した状態を示す縦断面図である。図
6(A)に示す積層体1は、第1折り返し部4および第
2折り返し部5にて折曲げられる。積層体1の最下面に
は、シート2が位置し、シート2は、積層体1の折曲げ
により対向する内側ラップフィルム面を形成する。積層
体1の形状に相応するように板紙又は厚紙を折曲成形し
てなる芯材20が、積層体1の所定位置に介挿され、ラ
ップフィルム面2を相互分離する。第1及び第2折り返
し部4、5にて緩やかに折曲げられた積層体1は、先端
縁から第1折り返し部4に延在する第1積層体部分6
と、第1及び第2折り返し部4、5の間に延在する第2
積層体部分7と、第2折り返し部5と末端縁との間に延
在する第3積層体部分8とを含む。第1積層体部分6と
第2積層体部分7とは対向し、第3積層体部分8は、第
1及び第2積層体部分6、7の間に挿入される。第1積
層体部分6と第3積層体部分8との間に第1芯部分21
が介挿され、第3積層体部分8と第2積層体部分7との
間に第2芯部分22が介挿される。第1及び第2芯部分
21、22は、連結部分23により相互連結される。積
層体1の最下層に位置するシート2は、積層体1の折曲
により部分的に対向するが、芯材20は、シート2の対
向部分を互いに分離する。
【0017】図6(B)示す如く、前側壁16の開口部
11に隣接する第1積層体部分6の先端部分は、開口部
11の内側面に沿って下方に延び、下縁17の下方域ま
で垂下する。図5(A)に示す積層体と同様に、積層体
1の最上層シート・薄紙対は、手指により先端縁を引き
出すことにより、開口部11から繰り出される。芯材2
0は、積層体1の折曲形態を保持するとともに、最上層
シート・薄紙対の円滑な取り出しを可能にするシート・
薄紙対の案内手段として機能する。図7(A)は、包装
容器10内に収納される積層体1の更に他の形態を例示
する部分斜視図であり、図7(B)は、図7(A)に示
す積層体1を図4に示す包装容器10内に収納した状態
を示す縦断面図である。図7(A)に示す積層体1も
又、図5(A)及び図6(A)に示す積層体と同様に、
第1折り返し部4および第2折り返し部5にて折曲げら
れ、芯材20が積層体1の所定位置に介挿される。積層
体1の最下面には、薄紙3が位置し、薄紙3は、積層体
1の折曲により対向する内側薄紙面を形成する。積層体
1の形状に相応するように板紙又は厚紙を折曲成形して
なる芯材20が、積層体1の所定位置に配置される。
【0018】第1積層体部分6と第2積層体部分7とは
対向し、第3積層体部分8は、第1及び第2積層体部分
6、7の間に挿入される。第1積層体部分6と第3積層
体部分8との間に第1芯部分21が介挿され、第2積層
体部分7の下側に第2芯部分22が配置され、第1及び
第2芯部分21、22は、連結部分23により相互連結
される。第3積層体部分8の上面に位置する薄紙3は、
第1芯部分21によって、第1積層体部分6の下面に位
置する薄紙3から分離される。図7(B)示す如く、前
側壁16の開口部11に隣接する第1積層体部分6の先
端部分は、連結部分23に沿って下方に延び、下縁17
の下方域まで垂下する。図5(A)及び図6(A)に示
す積層体と同様に、積層体1の最上層シート・薄紙対
は、手指により先端縁を引き出すことにより、開口部1
1から繰り出される。芯材20は、積層体1の折曲形態
を保持するとともに、最上層シート・薄紙対の円滑な取
り出しを可能にするシート・薄紙対の案内手段として機
能する。図8乃至図10は、本発明による包装材ユニッ
トの他の実施例を示す斜視図及び縦断面図である。な
お、図8乃至10において、上記実施例と同様又は実質
的に同一の部材又は部位については、同一の参照符号が
付されている。
【0019】図8に示す如く、積層体1は、シート取り
出し用開口部11を備えた包装容器10内に収納され
る。包装容器10は、頂壁13、底壁14、左右の端壁
15および前後の側壁16を備えた略長方形断面の一般
的な折り畳み紙箱からなる。頂壁13には、開閉可能な
上蓋12が配置される。上蓋12の基端部は、後側壁1
6と頂壁13との連接線に沿うヒンジを形成し、上蓋1
2の先端部は、下方に延びる前蓋部12aを備える。図
8(B)に示す如く、頂壁13には、開口部11が形成
され、開口部11を介して、積層体1の最上層に位置す
る薄紙3の先端縁部が露出する。使用者は、開口部11
からシート・薄紙対を一枚宛、上方に取り出すことがで
きる。開口部11は、平面視左端部に位置する第1端部
と、平面視右端部に位置する第2端部とを有する。開口
部11の後縁18は、後側壁16と頂壁13との連接線
又は折曲線と実質的に平行に延在し、開口部11の前縁
17は、第1端部から第2端部に向かって斜め前方に略
直線状に延びる。この結果、開口部11は、第2端部領
域にて前方に大きく開放し、前述の実施例と同様に使用
者の手指を積層体1に接近せしめる拡大開口部分11a
が、開口部11の第2端部領域に形成され、また、比較
的幅狭の狭小開口部分11bが、開口部11の第1端部
領域に形成される。
【0020】図9(A)及び図10(B)は、包装容器
10内に収納可能な積層体1の形態を例示する部分斜視
図である。図9(A)に示す積層体1は、第1折り返し
部4および第2折り返し部5にて折曲げられる。積層体
1の最下面には、シート2が位置し、シート2は、積層
体1の折曲により対向する内側ラップフィルム面を形成
する。積層体1の形状に相応するように板紙又は厚紙を
折曲成形してなる芯材20が、積層体1の所定位置に介
挿され、ラップフィルム面2を相互分離する。第1及び
第2折り返し部4、5にて緩やかに折曲げられた積層体
1は、先端縁から第1折り返し部4に延在する第1積層
体部分6と、第1及び第2折り返し部4、5の間に延在
する第2積層体部分7と、第2折り返し部5と末端縁と
の間に延在する第3積層体部分8とを含む。第1積層体
部分6と第2積層体部分7とは対向し、第3積層体部分
8は、第1及び第2積層体部分6、7の間に挿入され
る。第1積層体部分6と第3積層体部分8との間に第1
芯部分21が介挿され、第3積層体部分8と第2積層体
部分7との間に第2芯部分22が介挿される。第1及び
第2芯部分21、22は、連接部分23により相互連結
される。積層体1の最下層に位置するシート2は、積層
体1の折曲により部分的に対向するが、芯材20は、シ
ート2の対向部分を互いに分離する。
【0021】図9(B)は、図9(A)に示す積層体1
を図8に示す包装容器10内に収納した状態を示す縦断
面図である。図9(B)に示す如く、積層体1の最上層
に位置するシート・薄紙対の先端部分は、包装容器10
の開口部11に隣接し、開口部11を容器内から塞ぐ。
最上層シート・薄紙対の先端縁は、手指により開口部1
1から上方に引き出される。芯材20は、積層体1の折
曲形態を保持し、最上層シート・薄紙対の円滑な取り出
しを可能にする。図10(A)に示す積層体1も又、図
9(A)に示す積層体と同様に、第1折り返し部4およ
び第2折り返し部5にて折曲げられ、芯材20が積層体
1の所定位置に介挿される。積層体1の最下面には、薄
紙3が位置し、薄紙3は、積層体1の折曲により対向す
る内側薄紙面を形成する。積層体1の形状に相応するよ
うに板紙又は厚紙を折曲成形してなる芯材20が、積層
体1の所定位置に配置される。第1積層体部分6と第2
積層体部分7とは対向し、第3積層体部分8は、第1及
び第2積層体部分6、7の間に挿入される。第1積層体
部分6と第3積層体部分8との間に第1芯部分21が介
挿され、第2積層体部分7の下側に第2芯部分22が配
置され、第1及び第2芯部分21、22は、連接部分2
3により相互連結される。第3積層体部分8の上面に位
置する薄紙3は、第1芯部分21によって、第1積層体
部分6の下面に位置する薄紙3から分離される。
【0022】図10(B)は、図10(A)に示す積層
体1を図8に示す包装容器10内に収納した状態を示す
縦断面図である。図9(A)の積層体と同様に、図10
(B)に示す積層体1の最上層シート・薄紙対は、手指
により先端縁を摘み上げることにより、開口部11から
上方に引き出される。芯材20は、積層体1の折曲形態
を保持するとともに、最上層シート・薄紙対の円滑な取
り出しを可能にするシート・薄紙対の案内手段として機
能する。図11は、開口部11の形態例と、拡大開口部
分11a及び狭小開口部分11bの配置例を例示する包
装容器10の概略正面図又は平面図である。図11
(A)には、図4及び図8に示す包装容器10における
開口部11の形態及び配置パターンが示されている。図
11(B)は、利き手の互換性又は左右の交換性を重視
した形態及び配置パターンを示している。狭小開口部分
11bは中央に配置され、拡大開口部分11aは第1端
部及び第2端部に左右対称に配置される。この形態及び
配置パターンによれば、使用者は、左右両端部にて積層
体1に容易にアクセスできる。
【0023】図11(C)は、図11(A)に類似した
形態及び配置パターンを示しているが、拡大開口部分1
1a及び狭小開口部分11bは夫々、所定長に亘って、
略同一の幅(高さ)で一方の端部領域に延在している。
図11(D)は、中央領域のアクセスを重視した形態及
び配置パターンを示しており、拡大開口部分11aは、
中央部分に配置され、狭小開口部分11bは、第1端部
及び第2端部に夫々形成される。図11(E)は、図1
1(B)の形態及び配置パターンと同様に、利き手の互
換性を重視した形態及び配置パターンを示している。縁
18及び縁17は、全体的に下方及び上方に夫々湾曲
し、第1及び第2端部に左右対称の拡大開口部分11a
が形成され、中央部に狭小開口部分11bが形成され
る。図12は、本発明による包装材ユニットの更に他の
実施例を示す斜視図及び縦断面図である。なお、図12
において、上記実施例と同様又は実質的に同一の部材又
は部位については、同一の参照符号が付されている。本
例の包装材ユニットは、比較的小さい寸法のラップフィ
ルムシート、例えば、150mm×150mm乃至100mm
×100mm程度の寸法のラップフィルムシートに好適に
適用し得る実施例である。
【0024】積層体1は、折曲げられず、図1に図示さ
れた如く平坦な形態で包装容器10内に収納される。包
装容器10は、シート取り出し用開口部11を備えた包
装容器10内に収納される。包装容器10は、頂壁1
3、底壁14、左右の端壁15および前後の側壁16を
備えた一般的な紙箱からなり、開口部11は、頂壁13
の前側領域に配置される。積層体1の最上層に位置する
薄紙3の先端部分が、開口部11を介して露出してお
り、使用者は、開口部11からシート・薄紙対を一枚
宛、上方に取り出すことができる。開口部11は、平面
視左端部に位置する第1端部と、平面視右端部に位置す
る第2端部とを有する。開口部11の前縁18は、前側
壁16と頂壁13との連接線又は折曲線と実質的に平行
に延在し、開口部11の後縁17は、第1端部から第2
端部に向かって斜め後方に略直線状に延びる。この結
果、開口部11は、第2端部領域にて後方に大きく開放
し、前述の各実施例と同様な拡大開口部分11a及び狭
小開口部分11bが、開口部11の第2端部領域及び第
1端部領域に夫々形成される。使用者は、拡大開口部分
11aに手指を挿入し、手指により最上層シート・薄紙
対の先端縁部を摘み上げることにより、シート・薄紙対
を一枚宛、開口部11から上方に引き出すことができ
る。
【0025】以上、説明したとおり、ラップフィルム積
層体1は、所定寸法に予め裁断されたラップフィルムの
シート2と、シート2と実質的に同一の寸法に裁断され
た薄紙3とを交互に積層することにより形成される。上
下のシート2は、薄紙3により相互に分離されるので、
シート2同士の密着ないし付着は生じない。積層体1の
最上層の薄紙3を手指で摘むと、最上層のシート2が薄
紙3と共に上方又は前方に引き出され、積層体1から円
滑に分離される。分離したシート・薄紙対は、食品等の
密封包装又は2重包装材料として使用される。このよう
に構成された積層体1によれば、所定寸法に予め裁断さ
れた多数のラップフィルムのシート2を予め用意し、一
般のティッシュペーパーの如くシート2を所望により一
枚宛、適宜使用することができる新規な包装形態ないし
包装手法が実現する。また、積層体1は、シート取り出
し用開口部11を備えた包装容器10内に収納され、包
装材料ユニットとして供給又は販売し得る。使用者は、
開口部11からシート・薄紙対を一枚宛取り出し、適宜
使用することができる。しかも、積層体1は、従来のラ
ップフィルム巻回ロールに必要とされた紙管を必要とせ
ず、しかも、ラップフィルムを切断するために紙箱に設
けられる金属製等の切断刃又は切断具を要しない。従っ
て、包装容器の廃棄処分が極めて容易である。
【0026】更に、上記包装容器10における開口部1
1は、包装容器10の前側壁16又は頂壁13に延在
し、開口部11は、使用者の手指を包装容器10内の積
層体1に接近せしめる拡大開口部分11aと、シート・
薄紙対の引き出し又は繰り出しを可能にする狭小開口部
分11bとを含む。拡大開口部分11aは、使用者の手
指を容易に挿入可能な形態及び寸法を有し、開口部11
に隣接する積層体1の先端縁は、包装容器10内にて縁
17を越えて延在する。かかる構成の包装材ユニットに
よれば、使用者は、親指を上記拡大開口部分11aに挿
入し、最上層の薄紙3に容易に接触でき、該薄紙3を最
上層のシート2と共に上方又は前方に変位させることが
できる。これにより、最上層のシート・薄紙対は、第2
層の薄紙3上を滑り、上方又は前方に移動し、シート・
薄紙対の先端が上方又は前方に容易に引き出される。使
用者は、このようにして引き出したシート・薄紙対の先
端部を手指で掴み、手指により開口部から引っ張り出す
ことができる。図13は、本発明の包装材ユニット内に
収納可能な他の形式の積層体を示す縦断面図及び斜視図
である。図13において、上記実施例と実質的に同一又
は同様な構成要素については、同じ参照符号が付されて
いる。
【0027】本例の積層体1は、図13(A)に示す如
く、第1折り返し部4、第2折り返し部5および第3折
り返し部5aにおいて折曲げられる。積層体1の最下面
には、薄紙3又はシート2が位置し、最下層の薄紙3又
はシート2は、積層体1の折曲げにより対向する内側面
を形成する。積層体1の形状に相応するように板紙又は
厚紙を折曲げ成形してなる芯材20が、積層体1の所定
位置に配置される。第1乃至第3折り返し部4、5、5
aで緩やかに折曲げられた積層体1は、先端縁から第1
折り返し部4に延在する第1積層体部分6と、第1及び
第2折り返し部4、5の間に延在する第2積層体部分7
と、第2及び第3折り返し部5、5aの間に延在する第
3積層体部分8と、第3折り返し部5aと末端縁との間
に延在する第4積層体部分8aとを含む。第1積層体部
分6と第2積層体部分7とは対向し、第2積層体部分7
と第3積層体部分8とは対向し、更に、第3積層体部分
8と第4積層体部分8aとは対向する。第1積層体部分
6と第2積層体部分7との間には、芯材20の第1芯部
分21が介挿され、第1芯部分21は、第1積層体部分
6と第2積層体部分7との間の内側面を相互分離する。
第3積層体部分8と第4積層体部分8aとの間には、芯
材20の第2芯部分22が介挿され、第2芯部分22
は、第3積層体部分8と第4積層体部分8aとの間の内
側面を相互分離する。
【0028】第1芯部分21は、連結部分23を介し
て、第2芯部分22に相互連結され、連結部分23は、
第2折り返し部5の下側に配置される。第2積層体部分
7と第3積層体部分8との間には、最上層の薄紙3が位
置するので、第2積層体部分7と第3積層体部分8と
は、薄紙3によって相互分離される。図14は、図13
に示す積層体1を包装容器10に収納してなる包装材収
納ユニットを示す短辺方向の縦断面図(A)および長辺
方向の縦断面図(B)である。積層体1及び芯材20
は、シート取り出し用開口部11を備えた包装容器10
内に収納される。包装容器10は、頂壁13、底壁1
4、左右の端壁15および前後の側壁16を備えた略正
方形断面の折り畳み紙箱からなる。頂壁13には、開閉
可能な上蓋12が配置される。上蓋12は、前側壁16
と頂壁13との連接部に沿って連結され、該連接部を中
心に回動する。前側壁16に開口した開口部11は、水
平に延びる長方形の形状に形成され、上縁18及び下縁
17は、頂壁13及び底壁14に対して平行に延在す
る。積層体1の最上層に位置する薄紙3の先端部分は、
開口部11を介して、容器外方に露出し、使用者は、開
口部11からシート・薄紙対を一枚宛取り出すことがで
きる。使用において、最上層のシート2は、最上層の薄
紙3によって覆われており、シート2の汚染は確実に防
止される。
【0029】図14(B)に示す如く、積層体1の幅W
は、包装容器10の端壁15間寸法よりも距離Lだけ短
く、芯材20の長さよりも距離Dだけ短い。また、芯材
20の長さは、包装容器10の端壁15間寸法よりも距
離Gだけ短い。例えば、距離L、D、Gは夫々、15m
m、10mm、5mmに設定される。また、積層体1の一端
は、開口部11の端縁よりも僅かな距離dだけ端壁15
に向かって延在する。芯材20の長さは、端壁15間寸
法よりも距離Gだけ短く設定されているが、包装容器1
0内の芯材20及び積層体1には、使用において、不都
合な横揺れが生じないと判った。また、端壁15間寸法
よりも距離Lだけ短く、開口部11の端から距離dだけ
端壁15に向かって延在する積層体1の幅Wは、シート
・薄紙対の更に円滑且つ容易な取り出しを可能にすると
判明した。この理由は、現時点では明確ではない。この
ように構成された包装材ユニットによれば、前述の実施
例と同様に、使用者は、手指を開口部11に挿入し、最
上層の薄紙3に容易に接触でき、該薄紙3を最上層のシ
ート2と共に上方又は前方に変位させることができ、こ
れにより、最上層のシート・薄紙対は、第2層の薄紙3
上を滑り、上方又は前方に移動し、シート・薄紙対の先
端が上方又は前方に引き出され、開口部11から引っ張
り出される。
【0030】図15は、図14に示す実施例の変形例を
示す図である。図15(A)に示すように、包装容器1
0は、開口部11を備える。シート2の幅W1は、開口
部11の長さとほぼ同一であり、薄紙3の幅W2は、開
口部11の長さよりも大きい。薄紙3は、高さが拡大し
た開口部11の一端縁から一方の端壁15に向かって延
びる。シート2の幅W1と薄紙3の幅W2との差は、例
えば、10mmに設定される。これにより、シート・薄紙
対の引き出し抵抗が低減し、一層円滑なシート・薄紙対
の取り出しが可能となる。図16は、上記包装容器10
の変形例を示す縦断面図(A)及び部分背面図(B)で
ある。包装容器10の後側壁16の内側に回動壁19が
配置される。回動壁19は、後側壁16と実質的に同じ
高さ及び長さを有する頂壁13の下方延長部からなり、
回動壁19と頂壁13との連接部を中心に内方に回動で
きる。後側壁16の下部には、後側壁16の切断線によ
って押出し片30が形成され、押出し片30は、下側枢
動軸線を中心に容器内方に回動できる。図16(B)に
示すように、押出し片30の上部分には、押出し片30
よりも僅かに幅狭の上方突出部31が突設される。例え
ば、単一の押出し片30が、開口部11が設けられた領
域に対応する後側壁16の所定位置に配置される。他の
配置例として、複数の押出し片30が、包装容器の長手
方向に所定の間隔を隔てて配置される。この場合、例え
ば、押出し片30は、後側壁16の端部領域に左右対称
に配置され、使用者の利き手に応じた押出し動作が可能
となる。
【0031】図17は、包装容器10の他の変形例を示
す縦断面図である。図17において、包装容器10は、
回動壁19を備えず、その代わりに、可動壁40は、容
器内で前後方向に変位可能な可動壁40を備える。可動
壁40は、後側壁16と実質的に同じ高さ及び長さを有
し、上下の突出壁41が、可動壁40の上縁及び下縁か
ら前方に夫々突出する。突出壁41は、可動壁40と実
質的に同じ長さを有し、可動壁40の曲げ剛性を向上さ
せるとともに、可動壁40の前後運動を案内する。な
お、突出壁41が、可動壁40の上縁及び下縁から後方
に突出しても良い。例えば、図13に示す積層体1が、
図16及び図17に示す包装容器10内に収納される。
使用により、積層体1のシート・薄紙対が減少すると、
積層体1の最上層のシート・薄紙対が開口部11から内
方に引っ込む。このとき、押出し片30を内方に手指で
押し込むと、回動壁19が回動し、或いは、可動壁40
が後側壁16に対して平行移動し、回動壁19又は可動
壁40は、包装容器10内の積層体1(図示せず)を開
口部11に向かって前方に押し出す。この結果、積層体
1の最上層のシート・薄紙対は、開口部11に接近ない
し当接し、包装材ユニットは、初期状態に復元ないし復
帰する。
【0032】このような積層体1の押出し手段を備えた
包装材ユニットによれば、使用によってシート・薄紙対
の数が減少し、最上層のシート・薄紙対が開口部11か
ら内方に引っ込んでしまったとき、押出し片30の押し
込みにより、最上層のシート・薄紙対を開口部11に接
近させ、シート・薄紙対を容易に引き出し可能な使用初
期状態に包装材ユニットを復元又は復帰することができ
る。なお、図16に示す如く、容器壁体の延長部分によ
り回動壁19を形成した場合、容器壁体と別体の可動壁
40を設けた場合に比べて、包装容器10の加工手間が
半減する。なお、上記包装容器10は、正方形断面又は
長方形断面のものに限定されず、例えば、三角形断面、
円形断面、楕円形断面、台形断面等の各種断面形状のも
のを上記包装容器として使用できる。また、上記実施例
において、包装容器10を紙箱として説明したが、包装
容器10は、樹脂製、木製又は金属製の容器であっても
良い。また、積層体1を上述の如く折曲げ、紙のストラ
ップ等で折曲形態を保持した状態で出荷ないし供給する
ことも可能である。更に、薄紙3に模様ないし装飾、或
いは、文字等を印刷し、使用目的に応じた表面包装紙と
して用いることができる。また、芯材20の形状は、積
層体1の折曲形態に応じた適切な形態及び材質のものに
設計変更することができる。
【0033】
【効果】以上説明したとおり、本発明によれば、所定寸
法に予め裁断された包装用ラップフィルムのシートを所
望により一枚毎に取り出すことができる包装材ユニット
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラップフィルム積層体の実施例を
示す縦断面図であり、先縁部上層付近が部分的に拡大し
て示されている。
【図2】図1に示す積層体の上層部を拡大して示す部分
縦断面であり、最上層のシート・薄紙対を手指で摘まみ
上げる際の状態が参考として示されている。
【図3】積層体から取り出したシート・薄紙対の使用例
を示す縦断面図であり、シート・薄紙対は、食品等の包
装に使用されている。
【図4】本発明による包装材ユニットの実施例を示す斜
視図であり、図1に示す積層体は、包装容器内に収納さ
れている。
【図5】図5(A)は、包装容器内に収納される積層体
の形態を例示する部分斜視図であり、図5(B)は、図
5(A)に示す積層体を図4に示す包装容器内に収納し
た状態を示す縦断面図である。
【図6】図6(A)は、包装容器内に収納される積層体
の他の形態を例示する部分斜視図であり、図6(B)
は、図6(A)に示す積層体を図4に示す包装容器内に
収納した状態を示す縦断面図である。
【図7】図7(A)は、包装容器内に収納される積層体
の更に他の形態を例示する部分斜視図であり、図7
(B)は、図7(A)に示す積層体を図4に示す包装容
器内に収納した状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明による包装材ユニットの他の実施例を示
す斜視図であり、図1に示す積層体は、包装容器内に収
納されている。
【図9】図9(A)は、包装容器内に収納される積層体
の形態を例示する部分斜視図であり、図9(B)は、図
9(A)に示す積層体を図8に示す包装容器内に収納し
た状態を示す縦断面図である。
【図10】図10(A)は、包装容器内に収納される積
層体の他の形態を例示する部分斜視図であり、図10
(B)は、図10(A)に示す積層体を図8に示す包装
容器内に収納した状態を示す縦断面図である。
【図11】包装容器の開口部の形態及び配置パターンを
示す包装容器の概略正面図又は平面図である。
【図12】本発明による包装材ユニットの更に他の実施
例を示す斜視図及び縦断面図である。
【図13】本発明の包装材ユニット内に収納可能な他の
形式の積層体を示す縦断面図及び斜視図である。
【図14】図13に示す積層体を包装容器に収納してな
る包装材ユニットを示す短辺方向の縦断面図(A)およ
び長辺方向の縦断面図(B)である。
【図15】図14に示す実施例の変形例を示す図であ
る。
【図16】図14及び図15に示す包装容器の変形例を
示す縦断面図(A)及び部分背面図(B)である。
【図17】図14及び図15に示す包装の他の変形例を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ラップフィルム積層体 2 ラップフィルムのシート 3 薄紙 4 第1折り返し部 5 第2折り返し部 5a 第3折り返し部 6 第1積層体部分 7 第2積層体部分 8 第3積層体部分 8a 第4積層体部分 10 包装容器 11 シート取り出し用開口部 11a 拡大開口部分 11b 狭小開口部分 12 上蓋 13 頂壁 14 底壁 15 端壁 16 側壁 17、18 縁 19 回動壁 20 芯材 21 第1芯部分 22 第2芯部分 23 連結部分 30 押出し片 40 可動壁

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラップフィルム(2) を取り出すためのシ
    ート取り出し用開口部(11)を備えた包装容器(10)と、該
    包装容器内に収納されたラップフィルム積層体(1) とを
    有し、 前記ラップフィルム積層体(1) は、所定寸法に予め裁断
    されたラップフィルムのシート(2) と、該シートと実質
    的に同一の寸法を有し且つ前記シートの間に介挿された
    間紙(3) から構成される積層体からなり、前記間紙
    は、薄紙からなり、前記積層体の第1表面(1b)には、前
    記薄紙(3) が配置され、 前記シート取り出し用開口部(11)は、前記積層体(1)
    先端縁(1a)に沿って包装容器(10)壁体(13:16) に開口
    し、該開口部は、使用者の手指を包装容器内のラップフ
    ィルム積層体に接近せしめる拡大開口部分(11a) と、該
    拡大開口部分と連続し、前記積層体のシート及び薄紙の
    引出しを可能にする狭小開口部分(11b)とを有し、 前記第1表面(1b)の先端縁部(1a)は、前記開口部(11)
    隣接して前記包装容器(10)の内壁面に沿って配置される
    ことを特徴とする包装材ユニット。
  2. 【請求項2】 前記積層体は折り返し部(4:5:5a)を有
    し、該折り返し部によって前記包装容器の内部領域に収
    納可能な形態に折り返されるとともに、前記シートの先
    端縁部(1a)が前記包装容器の開口部(11)に隣接する位置
    に配置されことを特徴とする請求項1に記載の包装材
    ユニット。
  3. 【請求項3】 前記積層体の第1表面(1b)に位置する薄
    (3) が、前記開口部(11)のに亘って延在すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の包装材ユニット。
  4. 【請求項4】 ラップフィルム(2) を取り出すためのシ
    ート取り出し用開口部(11)を備えた包装容器(10)と、該
    包装容器内に収納されたラップフィルム積層体(1) とを
    有し、 前記ラップフィルム積層体(1) は、所定寸法に予め裁断
    されたラップフィルムのシート(2) と、該シートと実質
    的に同一の長さ有し且つ前記シートの間に介挿された
    間紙(3) から構成される積層体からなり、前記間紙
    は、薄紙からなり、該積層体の最上層面(1b)には、前記
    薄紙(3) が配置され、 前記シート取り出し用開口部(11)は、前記積層体(1)
    先端縁(1a)に沿って包装容器(10)壁体(13:16) に開口
    し、 前記積層体(1) は第1折り返し部(4) 及び第2折り返し
    (5) 有し、第1折り返し部(4) により第1積層体部
    (6) 及び第2積層体部分(7) が画成され、第2折り返
    し部(5) により第2積層体部分(7) 及び第3積層体部分
    (8) が画成され、 対向する第1及び第2積層体部分(6:7) の間に第1芯部
    (20:21) が介挿されることを特徴とする包装材ユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】 前記積層体(1) は第3折り返し部(5a)
    更に有し、第3折り返し部により第3積層体部分(8)
    び第4積層体部分(8a)が画成され、 対向する第3積層体部分(8) 及び第4積層体部分(8a)
    間に第2芯部材(22)が介挿されることを特徴とする請求
    項4に記載の包装材ユニット。
  6. 【請求項6】 前記包装容器(10)は、前記開口部(11)
    向かって積層体を変位させる積層体押出し手段(19:30:4
    0)を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の包
    装材ユニット。
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