JP2932932B2 - ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法 - Google Patents
ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法Info
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- JP2932932B2 JP2932932B2 JP7023494A JP7023494A JP2932932B2 JP 2932932 B2 JP2932932 B2 JP 2932932B2 JP 7023494 A JP7023494 A JP 7023494A JP 7023494 A JP7023494 A JP 7023494A JP 2932932 B2 JP2932932 B2 JP 2932932B2
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Description
【0001】本発明は、ガリウムフタロシアニン化合物
の製造方法に関するものである。
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン化合物は、塗料、印刷イ
ンキ、触媒或いは電子材料として有用な材料であり、特
に近年は電子写真感光体用材料、光記録用材料及び光電
変換材料として広範に検討がなされている。一般に、フ
タロシアニン化合物は、製造方法、処理方法の違いによ
り多数の結晶型を示すことが知られており、この結晶型
の違いはフタロシアニンの光電変換特性に大きな影響を
及ぼすことが知られている。また、これらの結晶型は、
機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理及び熱処理等によ
り相互に転移が可能であることが知られている。(例え
ば米国特許第2770629号、同第3160635
号、同第3708292号及び、同第3357989号
明細書等)。電子写真感光体用の材料としては、メタル
フリ−フタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、銅フタロシア
ニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロルイ
ンジウムフタロシアニン等について、種々の結晶型のも
のが提案されている。更に、特開平5−98181号公
報においては、クロロガリウムフタロシアニンについて
3種の結晶型が電子写真感光体として優れていることが
示されている。
ンキ、触媒或いは電子材料として有用な材料であり、特
に近年は電子写真感光体用材料、光記録用材料及び光電
変換材料として広範に検討がなされている。一般に、フ
タロシアニン化合物は、製造方法、処理方法の違いによ
り多数の結晶型を示すことが知られており、この結晶型
の違いはフタロシアニンの光電変換特性に大きな影響を
及ぼすことが知られている。また、これらの結晶型は、
機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理及び熱処理等によ
り相互に転移が可能であることが知られている。(例え
ば米国特許第2770629号、同第3160635
号、同第3708292号及び、同第3357989号
明細書等)。電子写真感光体用の材料としては、メタル
フリ−フタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、銅フタロシア
ニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロルイ
ンジウムフタロシアニン等について、種々の結晶型のも
のが提案されている。更に、特開平5−98181号公
報においては、クロロガリウムフタロシアニンについて
3種の結晶型が電子写真感光体として優れていることが
示されている。
【0003】クロロガリウムフタロシアニンの合成方法
については、(1)3塩化ガリウムと1,3−ジイミノ
イソインドリンを無溶剤下で反応させる方法(D.C.
R.Acad.Sci.,1956,242,102
6)、(2)3塩化ガリウムとフタロニトリルを無溶剤
下で反応させる方法(特公平3−30854号公報)、
(3)3塩化ガリウムとフタロニトリルをブチルセロソ
ルブ中で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセンを触媒に用いて反応させる方法(特開平1−
221459号公報)、(4)3塩化ガリウムとフタロ
ニトリルをキノリン中反応させる方法(Inorg.C
hem.1980,19,3131)が示されている。
また、他の金属フタロシアニン化合物、例えばオキシチ
タニウムフタロシアニンについては、α−クロロナフタ
レン中での反応、オキシバナジウムフタロシアニンにつ
いてはエチレングリコールでの反応等が知られている。
については、(1)3塩化ガリウムと1,3−ジイミノ
イソインドリンを無溶剤下で反応させる方法(D.C.
R.Acad.Sci.,1956,242,102
6)、(2)3塩化ガリウムとフタロニトリルを無溶剤
下で反応させる方法(特公平3−30854号公報)、
(3)3塩化ガリウムとフタロニトリルをブチルセロソ
ルブ中で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセンを触媒に用いて反応させる方法(特開平1−
221459号公報)、(4)3塩化ガリウムとフタロ
ニトリルをキノリン中反応させる方法(Inorg.C
hem.1980,19,3131)が示されている。
また、他の金属フタロシアニン化合物、例えばオキシチ
タニウムフタロシアニンについては、α−クロロナフタ
レン中での反応、オキシバナジウムフタロシアニンにつ
いてはエチレングリコールでの反応等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フタロシア
ニン化合物を合成する場合、無溶剤条件下で反応を行う
と、副反応により、生成物は種々のものの混合物となり
好ましくない。例えば、クロロガリウムフタロシアニン
の場合は、特公平3−30854号公報に示されている
ような無溶剤条件下ではフタロシアニン環にクロル化が
起こり、種々のハロゲン置換体の混合物となり、好まし
い結晶型が得られにくい。また、溶剤を用いて反応を行
う場合においても、得られた金属フタロシアニン化合物
の電気特性が溶剤や合成条件の影響を強く受ける。例え
ば、オキシチタニウムフタロシアニンをα−クロロナフ
タレン中で製造する場合は、所望の生成物を得るために
は反応温度の制御が必要となる。また、特開平5−98
181号公報に示されている3塩化ガリウムと1,3−
ジイミノイソインドリンをキノリン中で反応させる方法
の場合には、比較的高収率で電子写真特性に優れたクロ
ロガリウムフタロシアニンが得られる。しかしながら、
反応に際して、原料の1,3−ジイミノイソインドリン
や、これとガリウムイオンとの錯生成中間物、生成する
クロロガリウムフタロシアニン及び副生成物等がキノリ
ンに対して比較的低い溶解度を有するため、反応系が不
均一状態になりやすく、そのために、生成したクロロガ
リウムフタロシアニンの純度が低く、物性が合成ロット
によりばらつくという不具合があった。したがって、純
度が高く、品質安定性に優れたクロロガリウムフタロシ
アニン等の金属フタロシアニン化合物を製造することが
必要となり、その製造方法の開発が強く望まれている。
本発明は、従来の技術における上記のような事情に鑑み
てなされてものであって、本発明の目的は、純度が高
く、品質安定性に優れ、更に電子写真特性に優れたガリ
ウムフタロシアニン化合物を製造する方法を提供するこ
とにある。
ニン化合物を合成する場合、無溶剤条件下で反応を行う
と、副反応により、生成物は種々のものの混合物となり
好ましくない。例えば、クロロガリウムフタロシアニン
の場合は、特公平3−30854号公報に示されている
ような無溶剤条件下ではフタロシアニン環にクロル化が
起こり、種々のハロゲン置換体の混合物となり、好まし
い結晶型が得られにくい。また、溶剤を用いて反応を行
う場合においても、得られた金属フタロシアニン化合物
の電気特性が溶剤や合成条件の影響を強く受ける。例え
ば、オキシチタニウムフタロシアニンをα−クロロナフ
タレン中で製造する場合は、所望の生成物を得るために
は反応温度の制御が必要となる。また、特開平5−98
181号公報に示されている3塩化ガリウムと1,3−
ジイミノイソインドリンをキノリン中で反応させる方法
の場合には、比較的高収率で電子写真特性に優れたクロ
ロガリウムフタロシアニンが得られる。しかしながら、
反応に際して、原料の1,3−ジイミノイソインドリン
や、これとガリウムイオンとの錯生成中間物、生成する
クロロガリウムフタロシアニン及び副生成物等がキノリ
ンに対して比較的低い溶解度を有するため、反応系が不
均一状態になりやすく、そのために、生成したクロロガ
リウムフタロシアニンの純度が低く、物性が合成ロット
によりばらつくという不具合があった。したがって、純
度が高く、品質安定性に優れたクロロガリウムフタロシ
アニン等の金属フタロシアニン化合物を製造することが
必要となり、その製造方法の開発が強く望まれている。
本発明は、従来の技術における上記のような事情に鑑み
てなされてものであって、本発明の目的は、純度が高
く、品質安定性に優れ、更に電子写真特性に優れたガリ
ウムフタロシアニン化合物を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、金属フタ
ロシアニン化合物の合成方法について鋭意研究を行った
結果、溶媒として、ジメチルスルホキシドを用いて反応
を行った場合に、キノリン等を反応溶媒として用いたと
きよりも低い反応温度で均一な反応を行わせることがで
き、純度の高い、品質のバラツキの少ない金属フタロシ
アニン化合物が合成できることを見出し、そして特にこ
の方法で合成したクロロガリウムフタロシアニンは、電
子写真特性に優れた性質を有することを発見し、本発明
を完成するに至った。
ロシアニン化合物の合成方法について鋭意研究を行った
結果、溶媒として、ジメチルスルホキシドを用いて反応
を行った場合に、キノリン等を反応溶媒として用いたと
きよりも低い反応温度で均一な反応を行わせることがで
き、純度の高い、品質のバラツキの少ない金属フタロシ
アニン化合物が合成できることを見出し、そして特にこ
の方法で合成したクロロガリウムフタロシアニンは、電
子写真特性に優れた性質を有することを発見し、本発明
を完成するに至った。
【0006】本発明のガリウムフタロシアニン化合物の
製造方法は、1,3−ジイミノイソインドリンと3塩化
ガリウムとをジメチルスルホキシド中で反応させること
を特徴とする。
製造方法は、1,3−ジイミノイソインドリンと3塩化
ガリウムとをジメチルスルホキシド中で反応させること
を特徴とする。
【0007】
【0008】本発明において使用するジメチルスルホキ
シドは、極性非プロトン性溶媒であって、極性が高く、
強い水素結合の形成に適した水素を持たない溶媒であ
る。
シドは、極性非プロトン性溶媒であって、極性が高く、
強い水素結合の形成に適した水素を持たない溶媒であ
る。
【0009】反応に際して、純度、反応中の分散等を考
え合わせると、1,3−ジイミノイソインドリンは3塩
化ガリウムに対し、4〜5倍当量前後を用い、ジメチル
スルホキシドは1,3−ジイミノイソインドリンに対し
2〜6倍重量部を用いるのが好ましい。反応温度は、1
40℃ないしジメチルスルホキシドの沸点以下、好まし
くは150℃ないしジメチルスルホキシドの沸点の範囲
に設定されるが、反応温度が低すぎると、ガリウムフタ
ロシアニン化合物が生成するのに時間がかかり、一方、
あまり温度を上げ過ぎると、生成するクロロガリウムフ
タロシアニン等のガリウムフタロシアニン化合物の純度
が下がり、品質安定性も悪くなるので好ましくない。
え合わせると、1,3−ジイミノイソインドリンは3塩
化ガリウムに対し、4〜5倍当量前後を用い、ジメチル
スルホキシドは1,3−ジイミノイソインドリンに対し
2〜6倍重量部を用いるのが好ましい。反応温度は、1
40℃ないしジメチルスルホキシドの沸点以下、好まし
くは150℃ないしジメチルスルホキシドの沸点の範囲
に設定されるが、反応温度が低すぎると、ガリウムフタ
ロシアニン化合物が生成するのに時間がかかり、一方、
あまり温度を上げ過ぎると、生成するクロロガリウムフ
タロシアニン等のガリウムフタロシアニン化合物の純度
が下がり、品質安定性も悪くなるので好ましくない。
【0010】上記のようにして得られたガリウムフタロ
シアニン化合物は、次いで、乾式粉砕処理を行い、さら
にベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキ
サノン、トルエン、酢酸ブチル等の溶剤を用いて溶剤処
理を行うことによって結晶変換を行うのが好ましい。以
上のようにして、純度の高い、品質バラツキの少ない電
子写真特性に優れたガリウムフタロシアニン化合物を合
成することができる。
シアニン化合物は、次いで、乾式粉砕処理を行い、さら
にベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキ
サノン、トルエン、酢酸ブチル等の溶剤を用いて溶剤処
理を行うことによって結晶変換を行うのが好ましい。以
上のようにして、純度の高い、品質バラツキの少ない電
子写真特性に優れたガリウムフタロシアニン化合物を合
成することができる。
【0011】
【作用】本発明におけるジメチルスルホキシドを用いる
利点は、第一にジメチルスルホキシドは、その溶解能が
キノリンよりも非常に大きいことにある。主原料である
3塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンの溶
媒への高い溶解性によって、キノリン溶媒の場合のよう
なスラリー状態での反応ではなく、溶液状態での反応が
可能となる。その結果、均一な反応を行わせることがで
き、また液−液反応であることから反応速度の増加によ
る時間短縮が可能となる。第二に、ジメチルスルホキシ
ドの溶媒効果による反応促進が考えられる。ジメチルス
ルホキシドの特徴的な性質である高いプロトン受容能と
求核反応の促進効果によって、1,3−ジイミノイソイ
ンドリンの縮合を伴うガリウムフタロシアニン化合物の
生成反応が促進されるものと推測される。事実、キノリ
ン溶媒では200℃で反応していたものが、ジメチルス
ルホキシドを用いると反応温度を約50℃下げても反応
時間を延ばすことなく反応を行わせることが可能にな
る。第三に、生成したガリウムフタロシアニン化合物に
対しても、比較的大きな溶解性を持つため、晶出速度の
コントロ−ルがキノリン溶媒よりも行いやすく、粒径が
大きく純度が高いガリウムフタロシアニン化合物が得ら
れる。第四に、原料の分解物や副反応生成物のジメチル
スルホキシドへの高い溶解性は、生成物が汚染されるこ
とを防止するので、この点でも純度の高い結晶が得られ
るように作用する。
利点は、第一にジメチルスルホキシドは、その溶解能が
キノリンよりも非常に大きいことにある。主原料である
3塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンの溶
媒への高い溶解性によって、キノリン溶媒の場合のよう
なスラリー状態での反応ではなく、溶液状態での反応が
可能となる。その結果、均一な反応を行わせることがで
き、また液−液反応であることから反応速度の増加によ
る時間短縮が可能となる。第二に、ジメチルスルホキシ
ドの溶媒効果による反応促進が考えられる。ジメチルス
ルホキシドの特徴的な性質である高いプロトン受容能と
求核反応の促進効果によって、1,3−ジイミノイソイ
ンドリンの縮合を伴うガリウムフタロシアニン化合物の
生成反応が促進されるものと推測される。事実、キノリ
ン溶媒では200℃で反応していたものが、ジメチルス
ルホキシドを用いると反応温度を約50℃下げても反応
時間を延ばすことなく反応を行わせることが可能にな
る。第三に、生成したガリウムフタロシアニン化合物に
対しても、比較的大きな溶解性を持つため、晶出速度の
コントロ−ルがキノリン溶媒よりも行いやすく、粒径が
大きく純度が高いガリウムフタロシアニン化合物が得ら
れる。第四に、原料の分解物や副反応生成物のジメチル
スルホキシドへの高い溶解性は、生成物が汚染されるこ
とを防止するので、この点でも純度の高い結晶が得られ
るように作用する。
【0012】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。な
お、実施例、比較例及び応用例において、「部」は「重
量部」を意味する。 実施例1 1,3−ジイミノイソインドリン17部および3塩化ガ
リウム5部をジメチルスホキシド70部中に入れ、15
0℃において2時間反応させた後、生成物をろ別し、ジ
メチルスルホキシドおよび純水にて洗浄した後、乾燥し
てクロロガリウムフタロシアニン結晶14部を得た。得
られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回
折図を図1に示す。また、元素分析値を表1に示す。
お、実施例、比較例及び応用例において、「部」は「重
量部」を意味する。 実施例1 1,3−ジイミノイソインドリン17部および3塩化ガ
リウム5部をジメチルスホキシド70部中に入れ、15
0℃において2時間反応させた後、生成物をろ別し、ジ
メチルスルホキシドおよび純水にて洗浄した後、乾燥し
てクロロガリウムフタロシアニン結晶14部を得た。得
られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回
折図を図1に示す。また、元素分析値を表1に示す。
【0013】実施例2 実施例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
5部を、遊星型ボールミル(フッチュ社製:P−5型)
で20mmφメノーボール200部と共に13時間乾式
粉砕した。この時点での粉末X線回折図を図2に示す。
このクロロガリウムフタロシアニン結晶0.5部を、ガ
ラスビーズ(1mmφ)30部と共に室温下、ベンジル
アルコール20部中で24時間ミリング処理した後、ガ
ラスビーズをろ別し、メタノールで洗浄し、乾燥して、
クロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られたク
ロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図
3に示す。
5部を、遊星型ボールミル(フッチュ社製:P−5型)
で20mmφメノーボール200部と共に13時間乾式
粉砕した。この時点での粉末X線回折図を図2に示す。
このクロロガリウムフタロシアニン結晶0.5部を、ガ
ラスビーズ(1mmφ)30部と共に室温下、ベンジル
アルコール20部中で24時間ミリング処理した後、ガ
ラスビーズをろ別し、メタノールで洗浄し、乾燥して、
クロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られたク
ロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図
3に示す。
【0014】応用例1 アルミニウム基板上にジルコニウム化合物(商品名:オ
ルガチクッスZC540、松本製薬社製)10部および
シラン化合物(商品名:日本ユニカー社製)1部と2−
プロパノール40部およびブタノール20部からなる溶
液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において1
0分間加熱乾燥して、膜厚0.5μmの下引き層を形成
した。次に実施例2で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶0.1部を、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−S、積水化学社製)0.1部お
よび酢酸n−ブチル10と混合し、ガラスビーズと共に
ペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得ら
れた塗布液を上記下引き層上にワイヤーバーNo.5で
塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚約
0.15μmの電荷発生層を形成した。また分散後の前
記クロロガリウムフタロシアニン結晶の結晶型はX線回
折によって分散前の結晶型と比較して変化していないこ
とを確認した。次に下記構造式(I)で示される化合物
2部と構造式(II)で示されるポリカーボネート樹脂3
部を、モノクロロベンゼン20部に溶解し、得られた塗
布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム基板上に
浸漬コーティング法で塗布し、120℃において1時間
加熱乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
ルガチクッスZC540、松本製薬社製)10部および
シラン化合物(商品名:日本ユニカー社製)1部と2−
プロパノール40部およびブタノール20部からなる溶
液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において1
0分間加熱乾燥して、膜厚0.5μmの下引き層を形成
した。次に実施例2で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶0.1部を、ポリビニルブチラール樹脂(商
品名:エスレックBM−S、積水化学社製)0.1部お
よび酢酸n−ブチル10と混合し、ガラスビーズと共に
ペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得ら
れた塗布液を上記下引き層上にワイヤーバーNo.5で
塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚約
0.15μmの電荷発生層を形成した。また分散後の前
記クロロガリウムフタロシアニン結晶の結晶型はX線回
折によって分散前の結晶型と比較して変化していないこ
とを確認した。次に下記構造式(I)で示される化合物
2部と構造式(II)で示されるポリカーボネート樹脂3
部を、モノクロロベンゼン20部に溶解し、得られた塗
布液を、電荷発生層が形成されたアルミニウム基板上に
浸漬コーティング法で塗布し、120℃において1時間
加熱乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【化1】 このようにして得られた電子写真用感光体の電子写真特
性を、フラットプレートスキャナーを用いて、常温常湿
(20℃、40%RH)の環境下にて評価した。−2.
5μAのコロナ放電を行い、V0 (V)に帯電させ、1
秒間放置してVDDP (V)を測定し、暗減衰率DDR
〔DDR=(V0 −VDDP )/V0 ×100(%)〕を
計算した。その後、タングステンランプの光を、モノク
ロメータを用いて780nmの単色光にし、感光体表面
上で0.25μW/cm2 になるように調整し、照射し
て、初期感度(dV/dE)(Vcm2 /erg)を測
定した。結果を表2に示す。
性を、フラットプレートスキャナーを用いて、常温常湿
(20℃、40%RH)の環境下にて評価した。−2.
5μAのコロナ放電を行い、V0 (V)に帯電させ、1
秒間放置してVDDP (V)を測定し、暗減衰率DDR
〔DDR=(V0 −VDDP )/V0 ×100(%)〕を
計算した。その後、タングステンランプの光を、モノク
ロメータを用いて780nmの単色光にし、感光体表面
上で0.25μW/cm2 になるように調整し、照射し
て、初期感度(dV/dE)(Vcm2 /erg)を測
定した。結果を表2に示す。
【0015】比較例1 1,3−ジイミノイソインドリン17部および3塩化ガ
リウム5部をキノリン70部中に入れ、200℃におい
て2時間反応させた後、生成物をろ別し、N,N−ジメ
チルホルムアミド及びメタノールにて洗浄後、乾燥して
クロロガリウムフタロシアニン結晶14部を得た。得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折
図を図4に示す。また、元素分析値を表1に示す。
リウム5部をキノリン70部中に入れ、200℃におい
て2時間反応させた後、生成物をろ別し、N,N−ジメ
チルホルムアミド及びメタノールにて洗浄後、乾燥して
クロロガリウムフタロシアニン結晶14部を得た。得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折
図を図4に示す。また、元素分析値を表1に示す。
【0016】
【表1】 上記の比較から明らかなように、実施例1の場合は比較
例1のものに比較して高い純度を有することが分かる。
例1のものに比較して高い純度を有することが分かる。
【0017】比較例2 比較例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
を実施例2と同様にして結晶変換を行った。乾式粉砕後
の粉末X線回折図を図5に、溶剤処理後の粉末X線回折
図を図6に示す。 参考例1 比較例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
を用いて応用例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、フラットプレートスキャナ−を用いて同様に評価を
行った。結果を表2に示す。
を実施例2と同様にして結晶変換を行った。乾式粉砕後
の粉末X線回折図を図5に、溶剤処理後の粉末X線回折
図を図6に示す。 参考例1 比較例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
を用いて応用例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、フラットプレートスキャナ−を用いて同様に評価を
行った。結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明の製造方法は、上記のようにジメ
チルスルホキシドを用いて反応させるから、上記実施例
に記載の結果からも明らかなように、高い感光度を有す
る高品質のガリウムフタロシアニン化合物を安定して製
造することができる。
チルスルホキシドを用いて反応させるから、上記実施例
に記載の結果からも明らかなように、高い感光度を有す
る高品質のガリウムフタロシアニン化合物を安定して製
造することができる。
【図1】 実施例1のクロロガリウムフタロシアニン結
晶の粉末X線回折図である。
晶の粉末X線回折図である。
【図2】 実施例2の乾式粉砕後のクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
【図3】 実施例2の溶剤処理後のクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
【図4】 比較例1のクロロガリウムフタロシアニン結
晶の粉末X線回折図である。
晶の粉末X線回折図である。
【図5】 比較例2の乾式粉砕後のクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
【図6】 比較例2の溶剤処理後のクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
ロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−98181(JP,A) 特公 昭52−41288(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 47/073 G03G 5/06 371
Claims (1)
- 【請求項1】 1,3−ジイミノイソインドリンと3塩
化ガリウムとをジメチルスルホキシド中で反応させるこ
とを特徴とするガリウムフタロシアニン化合物の製造方
法。
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JP7023494A JP2932932B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7023494A JP2932932B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | ガリウムフタロシアニン化合物の製造方法 |
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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-
1994
- 1994-03-16 JP JP7023494A patent/JP2932932B2/ja not_active Expired - Fee Related
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