JP2931904B2 - 乾燥施設の自主検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は主に米などを対象穀物とし、荷受部・乾燥部
・貯留部・調製出荷部などで構成されるカントリエレベ
ータなど穀物共同乾燥施設における自主検査装置に関す
る。

「従来の技術」 従来、特開昭62−126325号公報、または特開昭62−13
6249号公報に示す如く、穀物荷受別に取出したサンプル
籾を乾燥させて自主検査する技術がある。

「発明が解決しようとする課題」 前記従来技術は、荷受別の各サンプル籾を入れた網袋
をエンドレスチェンコンベアによって搬送し乍ら、乾燥
熱風によって網袋内のサンプル籾を乾燥させるから、サ
ンプル籾の水分検出並びに網袋の取出などを自動的に行
ってサンプル籾の過乾燥防止並びに省力化などを図る必
要があり、網袋に入れたサンプル籾乾燥構造の簡略化及
び乾燥コスト低減などを容易に行い得ないと共に、荷受
日などで区別した網袋を一括して取扱う作業などを容易
に行い得ず、サンプル籾取扱い性向上などを容易に図り
得ない等の問題がある。

「課題を解決するための手段」 然るに、本発明は、荷受計量機から取出して乾燥させ
たサンプル籾を自主検査する乾燥施設の自主検査装置に
おいて、荷受識別表示した網袋にサンプル籾を封入させ
る籾パッカーと、複数の乾燥貯蔵室を仕切板によって形
成した円筒枠を縦軸回りに回転させるサンプルドライヤ
を備え、前記乾燥貯蔵室に常温定湿空気を供給すると共
に、上方の投入口から前記乾燥貯蔵室に網袋を入れて下
方の取出口から取出すように構成したもので、サンプル
籾を入れた網袋を荷受人などで分けて乾燥貯蔵室に投入
し得、常温定湿空気によって網袋のサンプル籾を乾燥さ
せ、乾燥途中のサンプル籾の水分検査を不要とし、同一
荷受日の多数の網袋を同一の乾燥貯蔵室に入れて適正水
分に容易に乾燥し得、サンプル籾の過乾燥による品質低
下並びに荷受日の誤認などを容易に防止し得、また投入
口及び取出口を介して乾燥貯蔵室に入出させる網袋の取
扱いを人為的に容易に行い得、乾燥貯蔵室設置構造の簡
略化並びに乾燥コスト低減などを容易に図り得、しかも
荷受日などで区別した網袋を自主検査後に至るまで一括
して保管収納し得、サンプル籾取扱い性向上などを容易
に図り得るものである。

「実施例」 以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。第
１図は本発明に係る自主検査システムの説明図であり、
図中（１）は荷受された荷口別の生籾を粗選後投入して
この重量を計測すると共に、この計量済みの生籾の一部
をサンプル籾として縮分器（２）に取出す荷受計量機、
（３）は前記縮分器（２）に取出されたサンプル籾を第
２図に示す如き網袋（４）に袋詰めするサンプル袋詰め
手段である籾パッカー、（５）は前記荷受計量機（１）
の操作盤（６）からの指令信号に基づき網袋（４）の口
綴じ部（4a）に荷口別の荷受番号をバーコード表示
（７）するサンプル表示手段であるバーコードライタ、
（８）は前記パッカー（３）の取出口（3a）から放出さ
れるサンプル籾入り網袋（４）をサンプル乾燥手段であ
る回転式サンプルドライヤ（９）に搬送するドライヤ投
入コンベア、（10）は前記ドライヤ（９）内に略一定湿
度の乾燥空気を送り込む常温定湿乾燥機、（11）は前記
ドライヤ（９）で乾燥させた籾を投入して籾摺選別後整
玄米と屑米の重量や混合割合及び整玄米の品位評価を行
う自主検査手段であるオートチェッカ、（12）は前記ド
ライヤ（９）からの網袋（４）内の籾を網袋（４）を破
いての投入時前記バーコード表示（７）を読み取り検査
される籾の荷受番号を入力するバーコードリーダであ
り、前記計量機（１）より採取されるサンプル籾を荷口
別毎に網袋（４）内に袋詰めすると共に、バーコード表
示（７）により明確化して乾燥を行った後その荷口別毎
の自主検査を行うように構成している。

第３図に示す如く、前記乾燥機（10）は、大気である
湿り空気流入口（13）の下位に一対のエバポレータ（蒸
発器）（14）とコンデンサ（凝縮器）（15）とを対設さ
せるもので、前記エバポレータ（14）を入口側またコン
デンサ（15）を一定間隔を有して出口側に設けて、前記
エバポレータ（14）で流入する湿り空気の冷却除湿を行
うとともに、前記コンデンサ（15）でこの冷却除湿空気
の常温復元を行って常温除湿空気を送り出すように設け
ている。また前記流入口（13）に風量調節フラップ（1
6）を設けて前記エバポレータ（14）での除湿量の調節
を行うことによって効率的な除湿を行わしめると共に、
流出口（17）に設ける定湿用ダンパー（18）での風量制
御によって常温で一定湿度の空気を送風機（19）を介し
前記ドライヤ（９）内に送り込むように構成している。

前記ドライヤ（９）は回転縦軸（20）に放射状の仕切
板（21）を介し円筒枠（22）を固設して、各仕切板（2
1）間に常時は底部を網底板（23）で閉塞するサンプル
籾乾燥貯蔵室（24）を多数形成し、ドライヤ（９）の上
部投入口（25）から投入されるサンプル籾入り網袋
（４）を前記貯蔵室（24）内に貯蔵し、前記縦軸（20）
にギヤ（26）（27）を介し連動連結するモータ（28）の
駆動でもって一定時間貯蔵室（24）を回転動作させると
き、前記乾燥機（10）からの常温定湿空気により設定含
有水分に網袋（４）内のサンプル籾を乾燥するように設
けている。

また前記底板（23）は一端側を前記円筒枠（22）の支
軸（29）に開閉自在に支持すると共に、底板（23）を自
重力により常時は閉塞保持する重り兼用の開放把手（3
0）を底板（23）に一体連結させ、サンプル籾の乾燥中
にあって適宜貯蔵室（24）のサンプル籾が設定含有水分
となるとき、この貯蔵室（24）をドライヤ（９）の取出
シュート（31）上方位置に臨ませて、この取出口（32）
を常時閉塞する口蓋（33）を開放させ、前記底板（23）
を開放させてサンプル籾入りの網袋（４）を前記シュー
ト（31）及びシュートとして用いられる口蓋（33）の案
内でもって外側に取出すように構成している。

上記から明らかなように、荷受計量機（１）から取出
して乾燥させたサンプル籾を自主検査する乾燥施設の自
主検査装置において、荷受識別表示した網袋（４）にサ
ンプル籾を封入させる籾パッカー（３）と、複数の乾燥
貯蔵室（24）を仕切板（21）によって形成した円筒枠
（22）を縦軸（20）回りに回転させるサンプルドライヤ
（９）を備え、前記乾燥貯蔵室（24）に常温定湿空気を
供給すると共に、上方の投入口（25）から前記乾燥貯蔵
室（24）に網袋（４）を入れて下方の取出口（32）から
取出す。そして、サンプルう籾を入れた網袋（４）を荷
受日などで分けて乾燥貯蔵室（24）に投入させ、常温定
湿空気によって網袋（４）のサンプル籾を乾燥させ、乾
燥途中のサンプル籾の水分検査を不要とし、同一荷受日
の多数の網袋（４）を同一の乾燥貯蔵室（24）に入れて
適正水分に乾燥させ、サンプル籾の過乾燥による品質低
下並びに荷受人の誤認などを防止し、また投入口（25）
及び取出口（32）を介して乾燥貯蔵室（24）に入出させ
る網袋（４）の取扱いを人為的に行い、乾燥貯蔵室（2
4）設置構造の簡略化並びに乾燥コスト低減などを図
り、しかも荷受日などで区別した網袋（４）を自主検査
後に至るまで一括して保管収納し、サンプル籾取扱い性
向上などを図るように構成している。

なおこの場合水分の測定は、水分センサのアクチュエ
ータを網袋（４）内のサンプル籾に突入させることによ
り行うものである。

本実施例は上記の如く構成するものにして、以下第４
図のフローチャートを参照して以下この一連の動作を説
明する。

今荷受計量機（１）に投入された荷口別の生籾の計量
が完了すると、自主検査に必要なサンプル籾の定量採取
が行われて前記パッカー（３）にこのサンプル籾が投入
され、前記網袋（４）にサンプル籾の袋詰めが行われ
る。また袋詰め完了後にあってはその口綴じ部（4a）に
荷口別毎の荷受番号が前記ライタ（５）によりバーコー
ド表示され、この表示完了後に前記取出口（3a）より投
入コンベア（８）上に放出されたサンプル籾入りの網袋
（４）は、投入コンベア（８）によりドライヤ（９）位
置まで搬送されて該ドライヤ（９）内に投入され、サン
プル籾の含水値が一定含有水分値以下となるまで乾燥が
行われる。そして一定含有水分値以下まで乾燥されて取
出されたサンプル籾は昇降機などを介してオートチェッ
カ（11）まで搬送され、オートチェッカ（11）のバーコ
ード読み取り位置に至るとき、前記リーダ（12）により
バーコードが読み取られこのサンプル籾の荷受番号が入
力されるもので、この入力後にあってはサンプル籾は網
袋（４）より取出されて、オートチェッカ（11）への投
入後籾摺及び選別処理が行われて整玄米と屑米の重量計
測やその混合割合及び整玄米の品位評価などが行われる
ものである。

而して該システムの場合、サンプル籾が採取されてよ
りオートチェッカ（11）に投入されるまで、網袋（４）
内に袋詰めされバーコード表示（７）に基づいてその管
理が行われるもので、途中他の荷口のものと混同する危
険もなく確実に区別しての作業が行え、コンピュータソ
フトによりこれら一連の作業が自動的に行われるフルオ
ートシステムで作業が行われるのと略同一の作業形態と
させて、極めて低コストな手段のもので、作業の能率向
上化を図ると共に、コンピュータソフトによるものに比
べ不特定多数の人にも容易にこれらシステムにおけるメ
ンテナンスを可能とさせて施工や運転経費の節減を図る
ものである。

また、前記ドライヤ（９）における乾燥時にあっては
乾燥機（10）からの常温定湿乾燥空気によりサンプル籾
の乾燥を行うものであるから、サンプル籾を過乾燥（胴
割れ、食味の低下）する危険もなく、品質を安定保持さ
せての乾燥が行え、乾燥時間に多少の変動があっても悪
影響を受けることが少ない。

第５図は前記ドライヤ（９）にあって籾乾燥貯蔵室
（24）を上下多段に複数に設け、サンプル籾の自動投入
及び取出しを行わしめるようにした構成例を示すもの
で、前記貯蔵室（24）を内部に形成する多数のサンプル
容器（34）…を備え、回転軸（35）にボス（36）を介し
てそれぞれ取付けた複数の回転円板（37）…を円筒型の
ドライヤケース（38）内に多段に配設すると共に、これ
ら回転円板（37）…の回転軸（35）を中心とした同一円
周上に前記サンプル容器（34）…をそれぞれ等間隔に配
設して、前記回転軸（35）を駆動モータ（39）で回転す
るとき各円板（37）…のサンプル容器（34）…を回転移
動させるように構成している。

また前記ドライヤケース（38）は隔壁（40）…により
各円板（37）…間を仕切って各円板（37）…毎の上中下
段の乾燥室（41a）（41b）（41c）を形成すると共に、
これら各乾燥室（41a）（41b）（41c）に前記送風機（1
9）の送風口（19a）を送風ダクト（42）を介して連通接
続させて、前記乾燥機（10）の常温定湿空気をドライヤ
ケース（38）内に送り込む一方、この送り込まれた空気
をドライヤケース（38）上方に開放する排気口（43）よ
り外側に排出するように構成している。

さらに前記ドライヤケース（38）外側のサンプル供給
筒（44）より分岐させるサンプル投入口（45a）（45b）
（45c）を各乾燥室（41a）（41b）（41c）の容器投入位
置に臨ませ、前記供給筒（４）の供給入口部にソレノイ
ド（46）操作式シャッタ（47）を設けると共に、前記供
給筒（44）の各投入口（45a）（45b）（45c）の分岐部
にソレノイド（48）操作式投入シャッタ（49a）（49b）
（49c）を設けて、適宜サンプル容器（34）への籾投入
を行うように構成している。

またさらに、前記サンプル容器（34）の開口底部には
網体よりなる底部シャッタ（50）を開閉自在に設け常時
は容器（34）とシャッタ（50）間に張設するバネ（51）
で閉保持し、前記ドライヤケース（38）外側のサンプル
排出筒（52）に連通させる各乾燥室（41a）（41b）（41
c）の分岐排出口（53a）（53b）（53c）位置にサンプル
容器（34）を臨ませて、前記シャッタ（50）の開放操作
板（50a）をこの排出口（53a）（53b）（53c）位置のソ
レノイド（54）で開放操作するときサンプル容器（34）
内の乾燥籾を各排出口（53a）（53b）（53c）を介し外
側に取出すように構成したもので、該構成の場合籾の投
入から乾燥後の取出しまでの一連の作業が全て自動的に
行われるものである。

第６図はさらに他の変形構造例を示すもので、該構成
のものはドライヤケース（38）内にモータ（39）で回転
する縦形の搬送スクリュコンベア（55）を設けて、ドラ
イヤ（９）の上部投入口（25）より投入されたサンプル
籾がこの下部排出口（56）まで順次搬送される間に一定
含有水分に乾燥されるように構成したものである。

なお前述実施例にあっては荷受番号などの表示をバー
コードで行う構成を示したが、これに限定されず何れで
も良く、また網袋（４）に直接的にバーコード表示
（７）を行うことなく、網袋（４）内にその表示物を投
入する構成でも良い。

「発明の効果」 以上実施例から明らかなように本発明は、荷受計量機
（１）から取出して乾燥させたサンプル籾を自主検査す
る乾燥施設の自主検査装置において、荷受識別表示した
網袋（４）にサンプル籾を封入させる籾パッカー（３）
と、複数の乾燥貯蔵室（24）を仕切板（21）によって形
成した円筒枠（22）を縦軸（20）回りに回転させるサン
プルドライヤ（９）を備え、前記乾燥貯蔵室（24）に常
温定湿空気を供給すると共に、上方の投入口（25）から
前記乾燥貯蔵室（24）に網袋（４）を入れて下方の取出
口（32）から取出すように構成したもので、サンプル籾
を入れた網袋（４）を荷受日などで分けて乾燥貯蔵室
（24）に投入でき、常温定湿空気によって網袋（４）の
サンプル籾を乾燥させ、乾燥途中のサンプル籾の水分検
査を不要とし、同一荷受日の多数の網袋（４）を同一の
乾燥貯蔵室（24）に入れて適正水分に容易に乾燥でき、
サンプル籾の過乾燥による品質低下並びに荷受人の誤認
などを容易に防止でき、また投入口（25）及び取出口
（32）を介して乾燥貯蔵室（24）に入出させる網袋
（４）の取扱いを人為的に容易に行うことができ、乾燥
貯蔵室（24）設置構造の簡略化並びに乾燥コスト低減な
どを容易に図ることができ、しかも荷受日などで区別し
た網袋（４）を自主検査後に至るまで一括して保管収納
でき、サンプル籾取扱い性向上などを容易に図ることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自主検査システムの説明図、第２図は網袋の説
明図、第３図はドライヤ部の説明図、第４図はフローチ
ャート、第５図乃至第６図は他の変形構造例を示す説明
図である。 （１）……荷受計量機 （３）……パッカー（袋詰め手段） （５）……バーコードライタ（表示手段） （９）……サンプルドライヤ（乾燥手段） （11）……オートチェッカ（自主検査手段）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】荷受計量機（１）から取出して乾燥させた
   サンプル籾を自主検査する乾燥施設の自主検査装置にお
   いて、荷受識別表示した網袋（４）にサンプル籾を封入
   させる籾パッカー（３）と、複数の乾燥貯蔵室（24）を
   仕切板（21）によって形成した円筒枠（22）を縦軸（2
   0）回りに回転させるサンプルドライヤ（９）を備え、
   前記乾燥貯蔵室（24）に常温定湿空気を供給すると共
   に、上方の投入口（25）から前記乾燥貯蔵室（24）に網
   袋（４）を入れて下方の取出口（32）から取出すように
   構成したことを特徴とする乾燥施設の自主検査装置。