JP2926041B1 - 魚類のたたき状刺し身およびその製造方法 - Google Patents

魚類のたたき状刺し身およびその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 味覚、風味にすぐれ、見た目も食欲をそそ
り、取り扱い易い新しいタイプのたたき状刺し身の提
供。特にサケ科魚類の場合、その身肉を直火であぶった
り、湯通しやスチーム通しで加熱した場合の、表面のタ
ンパク熱変性部分が取扱中に剥がれ易い欠陥を解決する
こと。 【解決手段】 タンパクの油加熱変性部分で覆われてい
ること、好ましくは当該魚肉が含有する油分の風味をも
つこと、を特徴とする魚類、好ましくはサケ科魚類のた
たき状刺し身およびその製造方法。上記の油加熱変性部
分は、表面からの厚みが薄く、かつ、その熱変性部分と
タンパク未変性部分の境目が明確である。上記のたたき
状刺し身は、サクの形態あるいは刺し身片の形態であ
る。上記のたたき状刺し身は、フィルムにより真空包装
などで包装されている。上記のたたき状刺し身は、冷凍
された状態である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は魚類の、特にサケ科
魚類のたたき状刺し身およびその製造方法に関する。詳
しくは、本発明は油の中での加熱により身肉の表面全体
がタンパク変性部分で薄く覆われている魚類の、特にサ
ケ科魚類の刺し身およびその製造方法に関する。
【0002】本発明におけるサケ科魚類とは、魚類分類
学上のサケ目(SALMONIFORMES)、サケ科
(SALMONIDAE)に属する魚種である。
【0003】
【従来の技術】サケ科魚類の刺し身としての食べ方に
は、昔から北海道においてルイベと呼ばれる食べ方があ
る。これはサケの身肉を凍結した後それを薄切りにして
食べるものであるが、最近は日本国内各地で、薄切りに
した生の身肉が鮨種のひとつまたは刺し身として良く食
べられるようになった。一方、カツオの表面を短時間直
火であぶって表層部分のみを加熱変性させて食べさせる
いわゆるたたきが古くから食べられているが、これはカ
ツオの四半身を火であぶった後冷却し、薄切りにして食
べるものである。また、魚の種類によっては、火であぶ
る替わりに、湯通して表面を若干白く加熱変性させてか
らポン酢なのに付けて食べるシャブシャブのような料理
もある。
【0004】しかしサケ科魚類の身肉をカツオのように
直火であぶって表層部分のみを加熱変性させたものや、
湯通しやスチーム通しして身肉の表面を加熱変性させた
ものは、表面の加熱変性した身肉が取扱中に剥がれて見
かけの良くないものができたり、また、表面に剥がれた
微細肉が付着したりするので、そのような食べ方は一般
的には行われていない。ましてや商品として消費者に提
供するには不適当であった。本発明者は湯通しやスチー
ム通しの場合の改良手段として、特願平5−31245
1号および特願平5−312452号で、魚肉刺し身を
真空包装して凍結し、その後湯通しまたはスチーム通し
してから、再び凍結して保管し、更に刺し身に引き切り
する必要がある場合は、冷凍された状態で引き切りする
方法を出願しているが、引き切りするまでの作業に時間
がかかり過ぎて対象物が解凍してしまうと加熱部分に剥
がれが生じるので、取扱が難しい欠陥があったし、湯や
スチームで加熱するのは身肉の白濁が強すぎるという欠
陥も併せてあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、味覚、風味
にすぐれ、見た目も食欲をそそり、取り扱い易い新しい
タイプのたたき状刺し身およびその製造方法の提供を目
的とする。特にサケ科魚類の場合、その身肉を直火であ
ぶったり、湯通しやスチーム通しで加熱した場合の、表
面のタンパク熱変性部分が取扱中に剥がれ易い欠陥を解
決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンパクの油
加熱変性部分で覆われていることを特徴とする魚類のた
たき状刺し身を要旨としている。上記の油加熱変性部分
が、当該魚肉が含有する香りと風味をもっており、した
がって本発明は、当該魚肉が含有する香りと風味をもつ
タンパクの油加熱変性部分で覆われていることを特徴と
する魚類のたたき状刺し身を要旨としている。上記の油
加熱変性部分が、表面からの厚みが薄く、かつ、タンパ
ク未変性部分との境目が明確であり、したがって本発明
は、表面からの厚みが薄く、かつ、タンパク未変性部分
との境目が明確であ、好ましくは当該魚肉が含有する
香りと風味をもつ、タンパクの油加熱変性部分で覆われ
ていることを特徴とする魚類のたたき状刺し身を要旨と
している。上記のたたき状刺し身の形は、原料の生身肉
由来のサク形または刺し身片形である。あるいは、タン
パクの油加熱変性部分で覆われている上記のサク形のも
のを、刺し身片に薄切りした刺し身片形であり、当該油
加熱変性部分が表面からの厚みが薄く、かつ、タンパク
の熱変性部分と未変性部分の境目が明確であることが外
から明瞭に観察できる。また、上記のたたき状刺し身
は、フィルムにより包装されている。上記の包装はフィ
ルムによる真空包装の態様を包含する。上記のたたき状
刺し身は、冷凍されたたたき状刺し身の態様を包含す
る。
【0007】本発明は、上記の魚類のたたき状刺し身の
製造方法を要旨としている。すなわち本発明は、魚類生
身肉をその表面全体がタンパク変性部分で薄く覆われる
まで油中で加熱処理することを特徴とする魚類のたたき
状刺し身の製造方法を要旨としている。上記の魚類生身
肉は、当該油加熱変性部分が、表面からの厚みが薄く、
かつ、タンパク未変性部分との境目が明確であるよう
に、油中で加熱処理される。すなわち本発明は、魚類生
身肉を表面からの厚みが薄く、かつ、タンパク未変性部
分との境目が明確であるように、その表面全体がタンパ
ク変性部分で薄く覆われるまで油中で加熱処理すること
を特徴とする魚類のたたき状刺し身の製造方法を要旨と
している。上記の魚類生身肉としてサク形または刺し身
片形のものを用いる。上記の魚類生身肉としてサク形の
ものを用いる場合、加熱処理した後に、タンパクの油加
熱変性部分で覆われているサク形のものを、当該油加熱
変性部分が表面からの厚みが薄く、かつ、タンパクの熱
変性部分と未変性部分の境目が明確であることが外から
明瞭に観察できる刺し身片に薄切りすることができる。
上記の魚類生身肉として凍結状態のものを用いることが
できる。上記の魚類生身肉としては、油加熱変性部分が
当該魚肉が含有する香りと風味をもつ仕上がりとなるた
め、サケ科魚類の生身肉を用いることが好ましい。さら
に上記のたたき状刺し身をフィルムにより包装する。上
記の包装はフィルムによる真空包装の態様を包含する。
上記の出来上がったたたき状刺し身を凍結することがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明はたたき状刺し身として食
することができるいかなる種類の身肉にも適用できる
が、揚げ油と当該魚肉が含有する香りと風味との相性が
よく、油加熱変性部分がその香りと風味をもつ仕上がり
となるため、サケ科魚類が最適である。また、本発明で
用いる揚げ油は特に制限はなく、冷凍油ちょう食品用の
通常の揚げ油が使用される。
【0009】本発明は魚の三枚に卸した身肉をそのま
ま、さらに刺し身にしやすい大きさのサクにしたもの、
あるいはサクをさらに小さく刺し身片状に切断したもの
を、そのままか或いは一旦凍結してから、三枚に卸した
身肉、サク、あるいは刺し身片の表面を、短時間油中で
加熱処理した後、そのまま保管するか或いは凍結して冷
凍保管する。その後、刺し身片は凍結されていなければ
そのまま、凍結されていれば解凍して食する。三枚に卸
した身肉やサクは、凍結されていなければそのまま切っ
て、凍結されていれば解凍してから切ってたたき状の刺
し身に作る。このほか三枚に卸した身肉やサクは、商品
として提供する場合は、凍結状態で刺し身片に切ったも
のを提供してもよい。
【0010】このようにして製造したサケ科魚類のたた
き状の刺し身は、表面周囲は油中での加熱により加熱変
性させているので、上記の香ばしいから揚げ層を形成す
るのみならず、加熱部分が固着して剥がれにくい上、外
見は湯通しやスチーム通しでの加熱変性ほどは白濁して
おらず、サケ科魚類の肉の地色が現れて見端のよい状態
にある。一方肉の内部はきれいな生の肉色を呈している
ので、コントラストのよい美しいたたき状刺し身を作り
あげている。
【0011】本発明は油の中で短時間表面加熱処理する
ことを特徴とする。本発明の均一にかつ薄い厚みで表面
加熱処理されたサケ科魚類のたたき状刺し身の製造方法
の概略を示す。サケ科魚類の三枚卸し、そのまま、サク
状あるいは刺し身片を、油中で短時間加熱処理してその
表面をタンパク変性させ、冷却後そのまままたは再凍結
してから、三枚卸し、サクまたは刺し身片を必要があれ
ば包装し、あるいは再凍結処理しないで包装したものを
あらためて再凍結処理したりして製造する。
【0012】さらに詳細に示せば、サケ科魚類の魚を三
枚に卸し、中骨・腹骨を除去し、皮を除去する。この場
合皮の内側に隣接する血合い肉は皮と一緒に除去しても
よいし、身肉部分に残していてもよい。必要ならば続い
て四半身に卸し、さらに必要ならば刺し身片に切断す
る。この半身、四半身または刺し身片を、そのまま凍結
しないかまたは凍結する。この凍結しないものまたは凍
結したものを油中で短時間表面加熱処理する。表面加熱
処理は表面の肉が数ミリの厚さに加熱変性させ、内部は
生の状態にとどめる。凍結しないまたは凍結などの状態
の違いによる肉温の差、身の大きさや厚さによって異な
るが、加熱時間は5秒から1分30秒程度である。表面
加熱後、再凍結する場合もあるがしない場合もある。ま
た、次いで、このようにして製造したたたき状刺し身を
包装する場合もしない場合もある。包装する場合は、必
要により合成樹脂性袋に入れたり、更に真空包装するこ
ともある。
【0013】本発明はサケ科魚類のたたき状刺し身を、
油中で表面加熱す結果、表面の肉が固着されるので、加
熱された部分が、作業中に剥がれて見かけの良くないも
のができたり、たたき状刺し身の表面周辺に微細肉が付
着することが起こらない。
【0014】本発明のサケ科魚類のたたき状刺し身は身
肉が血合い部分を残しているものを包含する。サケ科魚
類のたたき状刺し身が身肉に血合い部分を残している場
合、表面にある血合い部分は油による熱変性のため白み
がかり、美しい模様を形成することになる。
【0015】サケ科の魚種の中で最もポピュラーなもの
の一つであるチリーから輸入した海面養殖のレインボー
トラウトのドレス(頭と内臓を除去した魚体)冷凍品を
原料とした場合を例にとり、魚体処理作業を説明する。
解凍したレインボートラウトをフィレーマシンまたは手
作業で左右の身と中骨の三枚におろす。三枚おろしにし
たレインボートラウトの皮を剥ぎ、腹骨が残っている場
合はていねいにそぎ切り、その後身の中央にあるピンボ
ーンと呼ばれる小骨を手作業等で除去した後、上半身
(オブシ)と下半身(メブシ)とに切り別ける。上半身
(オブシ)と下半身(メブシ)を総称してサクまたはロ
インと呼ばれ、この作業工程をロインカットという。反
対側の半身も同じように処理して上半身と下半身とに切
り別ける。さらに必要な場合は、この上半身と下半身を
それぞれ薄く切断して刺し身片を作る。このように作ら
れた上半身と下半身または刺し身片は、必要により予め
調製しておいた調味液に浸漬し、魚体に味を付与する工
程を入れることもある。この調味漬け工程は、身肉の香
りの改善を目的とした場合に行われる。
【0016】レインボートラウトを用いて製造する場合
の一つの作業工程を表せば、原料→原料解凍→三枚卸し
→皮むき→小骨取り→ロインカット(オブシ、メブシ)
または更に刺し身片に切断→凍結→油の中で加熱→凍結
またはそのまま→包装→製品となる。
【0017】本発明のサケ科魚類のたたき状刺し身は、
油の中で加熱処理された後必要により包装される。この
場合の包装はフィルムの中でたたき状刺し身が動かない
ようにするためにはフィルムによる真空包装が好まし
い。最も好ましくはフィルムは透明フィルムである。フ
ィルムには任意の印刷を施すことができる。包装材は、
機密性があって、酸素が透過しにくく、加熱処理に耐
え、後の凍結工程に耐えるものでなければならず、この
条件を満たすものであれば特に限定されない。具体的な
包装材の材質を例示すれば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ナイロンなどおよびこれらの積層材料があるが、
これらに限定されるものではなく、食品衛生法で許可さ
れている包装材ならば使用可能である。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 レインボートラウトの刺し身用にサク取りした生ロイン
を一旦凍結し、次いでその凍結品を170℃〜180℃
の温度の油槽中で1分30秒加熱処理した。その結果、
身肉の表面全体が加熱によるタンパク変性で橙色に変わ
った層で覆われているたたき状刺し身のサクが得られ
た。その橙色部分の表面からの厚みは薄く、かつ、その
橙色部分と生の赤橙色部分の境目が明確である状態のも
のを得た。サクの中心部と尾部では橙色部分が前者では
その厚みが薄く後者ではその厚いが若干厚くなっただけ
であった。
【0020】実施例2 レインボートラウトの刺し身用にサク取りした生ロイン
を更に刺し身片に切断したものを一旦凍結し、次いでそ
の凍結品を170℃から180℃の温度の油槽中で25
秒加熱処理した。その結果、身肉の表面全体が加熱によ
るタンパク変性で橙色に変わった槽で覆われているたた
き状刺し身片が得られた。その橙色部分の表面からの厚
みは薄く、かつ、その橙色部分と生の赤橙色部分の境目
が明確である状態のものを得た。
【0021】実施例3 レインボートラウトの刺し身用にサク取りした生ロイン
をそのまま170℃〜180℃の温度の油槽中で20秒
加熱処理した。その結果、身肉の表面全体が加熱による
タンパク変性で橙色に変わった層で覆われているたたき
状刺し身のサクが得られた。その橙色部分の表面からの
厚みは薄く、かつ、その橙色部分と生の赤橙色部分の境
目が明確である状態のものを得た。サクの中心部と尾部
では橙色部分が前者ではその厚みが薄く後者ではその厚
みが若干厚くなっただけであった。
【0022】実施例4 レインボートラウトの刺し身用にサク取りした生ロイン
を更に刺し身片に切断したものをそのまま170℃から
180℃の温度の油槽中で5秒加熱処理した。その結
果、身肉の表面全体が加熱によるタンパク変性で橙色に
変わった層で覆われているたたき状刺し身片が得られ
た。その橙色部分の表面からの厚みは薄く、かつ、その
橙色部分と生の赤橙色部分の境目が明確である状態のも
のを得た。
【0023】実施例5 実施例1で得られたたたき状刺し身のサクを合成樹脂フ
ィルムで真空包装して真空包装体を得た。これを一旦凍
結し、約1カ月冷凍保存してからその真空包装体を解凍
し、包装袋からたたき状刺し身のサクを取り出した。1
0本について試みたところ、作業中に身肉のはがれが起
こったものはなかった。また別の10本について解凍前
に包装袋からたたき状刺し身のサクを取り出したとこ
ろ、身肉のはがれは起こらなかった。これらのサクを解
凍後引き切りして刺し身を造った。この引き切り作業に
は熟練は必要でなく、誰でもタンパク変性部分に剥がれ
を発生させないで引き切りすることが容易にできた。レ
インボートラウトの刺し身用の部分だけをロイン状にサ
ク取りした生ロインは脂が十分に乗ったトロのような食
感をそのまま残し、これに加熱によるタンパク変性部分
の独特の風味、香ばしさと食感が加わり、橙色と赤橙色
のコントラストの美しい刺し身は熟練されたパネラー7
人全員が、美味しい、美しいと評価した。
【0024】比較のため、同様にレインボートラウトの
刺し身用にサク取りした生ロインをスチームで2分30
秒加熱処理し、その後ただちに凍結処理をした。次いで
これを合成樹脂フィルムで真空包装して真空包装体を得
た。約1カ月冷凍保存してからその真空包装体袋からサ
ク状魚肉刺し身を取り出して解凍した。これらのサクを
引き切りして刺し身を造った。しかし、解凍後は、熟練
した者でもタンパク変性部分に剥がれが発生しないよう
に引き切りすることは容易でなかった。
【0025】原料魚をレインボートラウトからタイセイ
ヨウサケおよびベニザケに替えて、実施例1から実施例
5までの実験を行ったところレインボートラウトの場合
と同様の結果を得た。
【0026】
【発明の効果】サケ科魚類の魚の身肉の表面全体が油中
での加熱によるタンパク変性部分で薄く覆われている新
しいタイプの魚肉刺し身を提供することができる。これ
まで、直火、湯通しやスチーム通しなどの加熱手段で表
面加熱処理した場合、表層の加熱された部分の肉が剥が
れ易くなって取扱いが難しかったレインボートラウト、
ベニザケ、タイセイヨウサケのようなサケ科の魚種につ
いて、たたき状刺し身を造ることができる。また、サク
の場合では、誰でも表面の加熱部分の剥がれを生じさせ
ないでそのまま取り扱うことができる。商品の製造面で
は、加熱時間の調節が正確に行えるので、表面の薄い層
のみが均一に変性された、しかもその部分の肉の剥がれ
の発生し難い良質のたたき状刺し身の商品を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−154541(JP,A) 特開 昭61−52240(JP,A) 青森県水産物加工研究所研究報告(平 成7年度),(1997)p.8−9 昭和61年度特定等研究総合助成事業 「利用加工」報告書「冷凍カツオの肉色 保持に関する研究」(昭62−3)静岡県 水産試験場p.15−23 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/325 A23L 1/01 A23B 4/00 - 4/06 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サク形であって、タンパクの油加熱変性
    部分で覆われているサケ科魚類のたたき状刺し身。
  2. 【請求項2】 タンパクの油加熱変性部分で覆われてい
    るサク形のものを刺し身片に薄切りしたサケ科魚類のた
    たき状刺し身。
  3. 【請求項3】 上記の油加熱変性部分が、当該魚肉が含
    有する香りと風味をもっている請求項1または2のサケ
    科魚類のたたき状刺し身。
  4. 【請求項4】 上記の油加熱変性部分が、表面からの厚
    みが薄く、かつ、タンパク未変性部分との境目が明確で
    ある請求項1、2または3のサケ科魚類のたたき状刺し
    身。
  5. 【請求項5】 上記のサケ科魚類が、レインボートラウ
    トである請求項1ないし4のいずれかのサケ科魚類のた
    たき状刺し身。
  6. 【請求項6】 上記のたたき状刺し身がフィルムにより
    包装されている請求項1ないし5のいずれかのサケ科魚
    類のたたき状刺し身。
  7. 【請求項7】 上記の包装がフィルムによる真空包装で
    ある請求項6のサケ科魚類のたたき状刺し身。
  8. 【請求項8】 上記のたたき状刺し身が冷凍されたもの
    である請求項1ないし7のいずれかのサケ科魚類のたた
    き状刺し身。
  9. 【請求項9】 サク形のサケ科魚類生身肉をその表面全
    体がタンパク変性部分で薄く覆われるまで油中で加熱処
    理することを特徴とするサケ科魚類のたたき状刺し身の
    製造方法
  10. 【請求項10】 サク形のサケ科魚類生身肉をその表面
    全体がタンパク変性部分で薄く覆われるまで油中で加熱
    処理すること、ならびに、加熱処理した後に、刺し身片
    に薄切りすることを特徴とするサケ科魚類のたたき状刺
    し身の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記のサケ科魚類生身肉を、当該油加
    熱変性部分が、表面からの厚みが薄く、かつ、タンパク
    未変性部分との境目が明確であるように、油中で加熱処
    理する請求項9または10のサケ科魚類のたたき状刺し
    身の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記のサケ科魚類生身肉としてサク形
    レインボートラウトの生身肉を用いる請求項9ないし1
    1のいずれかのサケ科魚類のたたき状刺し身の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 上記のサケ科魚類生身肉として凍結状
    のものを用いる請求項9ないし12のいずれかのサケ
    魚類のたたき状刺し身の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記のたたき状刺し身をフィルムによ
    り包装する請求項9ないし13のいずれかのサケ科魚類
    のたたき状刺し身の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記の包装がフィルムによる真空包装
    である請求項14のサケ科魚類のたたき状刺し身の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 上記のたたき状刺し身を凍結する請求
    項9ないし15のいずれかのサケ科魚類のたたき状刺し
    身の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
昭和61年度特定等研究総合助成事業「利用加工」報告書「冷凍カツオの肉色保持に関する研究」(昭62−3)静岡県水産試験場p.15−23
青森県水産物加工研究所研究報告(平成7年度),(1997)p.8−9

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