JP2925201B2 - メルトブロー伸縮性不織布 - Google Patents

メルトブロー伸縮性不織布

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JP2925201B2 JP1336699A JP33669989A JP2925201B2 JP 2925201 B2 JP2925201 B2 JP 2925201B2 JP 1336699 A JP1336699 A JP 1336699A JP 33669989 A JP33669989 A JP 33669989A JP 2925201 B2 JP2925201 B2 JP 2925201B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は伸縮性不織布特に、ゴム弾性を有する水素添
加ブロック共重合体とポリオレフィンとの混合組成から
作られた平均繊維径の小さい繊維からなり、強度、伸長
特性(伸び、伸長回復性)、耐候性、耐光性、耐熱性、
耐薬品性、電気絶縁性において優れた性能を有し、粘着
性のないソフトな風合いを有するメルトブロー伸縮性不
織布に関する。
〔従来の技術〕
熱可塑性合成樹脂をメルトブロー法で紡糸することに
よって得られた不織布を含む各種合成繊維の不織布が知
られている。
メルトブロー法による紡糸法について、その基本的な
方法およびその装置がIndustrial and Engineering Che
mistry48巻、第8号(p.1342〜1346)、1956年に開示さ
れている。又下記に示すように、各種のメルトブロー法
による伸縮性不織布が知られている。
特開昭59-223347号公報には、ポリウレタン弾性フィ
ラメントからなるメルトブロー不織布が開示されてい
る。
特開平1-132858号公報には、ポリエステルジオールを
用いたポリウレタンからなるメルトブロー不織布が開示
されている。
米国特許第4,692,371号公報には、A−B−A′ブロ
ックポリマーからなるメルトブロー不織布が開示されて
いる。
特開昭62-84143号公報には、A−B−A′ブロックポ
リマーとポリオレフィンからなるメルトブロー不織布が
開示されている。
一方ブロック共重合体組成物およびその水素添加物の
代表的な材料として、熱可塑性材料Kraton が知られて
おり、さらにこれらブロック共重合体組成物およびその
水素添加物が特開昭61-42554号公報および特開昭61-155
446号公報に開示されている。
熱可塑性材料Kraton についてはShell Chemical Com
pany発行の小冊子「KRATON THERMOPLASTIC RUBBER Ty
pical Properties 1986」に詳細説明されており、その
もっとも一般的な構造は、リニア−A−B−Aブロック
タイプであり、スチレン−ブタジエン−スチレン(S−
B−S)とスチレン−イソプレン−スチレン(S−I−
S)のKraton Dシリーズ、スチレン−エチレン/ブチレ
ン−スチレン(S−EB−S)のKraton Gシリーズとがあ
る。
前記特開昭61-42554号公報には、主としてビニル芳香
族化合物から構成された重合体ブロックAを少なくとも
1個、主として水素添加された共役ジエン化合物から構
成された重合体ブロックBを少なくとも1個有する水素
添加ブロック共重合体100重量部に、ヒンダートアミン
系化合物0.01〜3重量部を加えた組成物が開示されてい
る。
前記特開昭61-155446号公報には主としてビニル芳香
族から構成された重合体ブロックAを少なくとも2個、
主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロッ
クBを少なくとも2個有するブロック共重合体であっ
て、そのブロック共重合体の数平均分子量が20,000〜10
0,000の範囲にある水素添加ブロック共重合体100部に、
ポリオレフィン5〜400部を加えた組成物が開示されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の公知のメルトブロー不織布には下記のような問
題点がある。
すなわち前述の特開昭59-223347号及び特開平1-13285
8号公報に開示されたメルトブロー法不織布はポリウレ
タンからなる不織布であり、したがってこの不織布の耐
候性、耐光性が劣るという問題がある。又ポリウレタン
自身がコスト的にも高く、したがって得られた不織布の
コストが高いという問題がある。
前述の米国特許第4,692,371号公報に開示されたメル
トブロー法不織布では、A−B−A′水素添加ブロック
共重合体としてKRATON GX 1657を用い水素添加ブロック
共重合体を単独で押出し、ウェブを得ている。この不織
布の強度は同公報TABLE IIに示されている通り低く、さ
らに溶融粘度が高い為、できた不織布中の繊維の平均繊
維径を細くすることが困難になるという問題がある。
前述の特開昭62-84143号公報に開示された、A−B−
A′水素添加ブロック共重合体とポリエチレンからなる
不織布は強度が低いという問題がある(後述の実施例の
説明中の第7表参照)。
本発明の目的は、従来の技術の有する問題を解決し
て、強度、伸長性(伸び、伸長回復性)、耐候性、耐光
性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れ、平均繊維径
の小さい繊維からなる粘着性のないソフトな風合いを有
するメルトブロー伸縮性不織布(以下、単に伸縮性不織
布と言及する場合がある)を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
A−B−A′水素添加ブロック共重合体を含み、メル
トブロー法によって作られる不織布は前述のように公知
である。しかしこれら公知の技術において、水素添加ブ
ロック共重合体の構成(ブロック構造、数平均分子量、
ビニル芳香族化合物含有量、共役ジエンの1,2−結合量
等)、メルトブロー紡糸性および得られた伸縮性不織布
の物性を総合して研究したものは見当らない。
本発明者等はこれら水素添加ブロック共重合体とポリ
オレフィンとの混合組成、メルトブロー紡糸性および伸
縮性不織布の物性を総合して研究し、本発明を完成し
た。
本発明の目的は、主としてビニル芳香族化合物から構
成された重合体ブロックAを少なくとも2個、主として
共役ジエン化合物から構成された重合体ブロックBを少
なくとも2個有し、かつ少なくとも1個の重合体ブロッ
クBがポリマー鎖の末端にあり、全体の数平均分子量が
30,000〜65,000の範囲にあり、ビニル芳香族化合物の含
有量が15〜40重量%であるブロック共重合体を水素添加
して得られた水素添加ブロック共重合体Cとポリオレフ
ィンDの重量割合(C/D)が40/60〜99/1である組成物か
ら形成さた平均繊維径が0.5〜30μmの範囲にあるメル
トブロー伸縮性不織布によって達成される。
以下本発明を具体的に説明する。
本発明の水素添加前のブロック共重合体(以下前駆ポ
リマーという)を構成するビニル芳香族化合物として、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−tert−ブチルスチレン等を用いることができ、
スチレンが特に好ましい。これら材料は単独で用いられ
ても、2種以上を組合せて用いられてもよい。また、前
駆ポリマーを構成する共役ジエン化合物として、例えば
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を用いることができ、
ブタジエン及びイソプレンが特に好ましい。これら材料
は単独で用いられても、2種類以上を組合せて用いられ
てもよい。
これらの前駆ポリマーは、リチウムアルキル触媒を用
いて逐次的にブロック共重合を行うか、あるいは、逐次
的にブロック共重合を行った後にカップリング反応を行
わせることによって製造できる。
このようにして得られた前駆ポリマーは、次いで選択
的に水素添加される。すなわち水素添加反応は既知の水
素添加触媒、例えば、白金、パラジウムのような貴金属
系の担持触媒、ラネーニッケル、有機ニッケル化合物、
有機コバルト化合物あるいはこれらの化合物と他の有機
金属化合物とが複合された触媒などによって行うことが
できる。チタノセン化合物は特開昭61-155446号公報に
開示されているように、前駆ポリマーの水素添加触媒と
して極めて高い活性を有するので、少量の触媒で水素添
加反応を行うことができること、又触媒残渣が水素添加
ブロック共重合体の耐熱安定性に悪影響を与えることが
ないので触媒残渣の除去を行う必要がなく、特に好まし
い。
前記水素添加を、共役ジエン化合物の二重結合に対し
て選択的に行わせるのが好ましい。すなわち、共役ジエ
ン化合物の二重結合は製品不織布の耐候性、耐光性、耐
熱性の低下をまねき好ましくない。又ビニル芳香族化合
物を水素添加すると流動性が低下し、紡糸性から好まし
くない。
共役ジエン化合物の少なくとも80重量%、好ましくは
90重量%以上が水素添加され、ビニル芳香族化合物の20
重量%以下、好ましくは5重量%以下が水素添加される
ように部分的に水素添加されるのが不織布の耐侯性、耐
光性、耐熱性、紡糸性の面から好ましい。
前駆ポリマー全体の数平均分子量(以下Mnと略す)
は、30,000〜65,000、好ましくは、35,000〜60,000、よ
り好ましくは、40,000〜55,000の範囲であるとよい。Mn
が低くなると単繊維強度が低下し、その事が不織布強度
の低下を招く。特にMnが30,000未満では、ポリマーの粘
度が下がりチップ化できず、不織布を得ることができな
い。反対にMnが高くなると、水素添加ブロック共重合体
の溶融粘度が上昇し、且つダイ部圧力が上昇することに
より、紡糸性が不良となり易く、さらにMnが65,000を越
えると、織維化できない。
また、前駆ポリマー中でのビニル芳香族化合物の含量
は、15〜40重量パーセント(以下wt%と略)、好ましく
は、20〜35wt%の範囲であるとよい。水素添加ブロック
共重合体において、いわゆるハードセグメントであるビ
ニル芳香族化合物が得られた製品の強度を受持ち、ソフ
トセグメントである共役ジエン化合物が得られた製品の
伸縮性を受持つ。ただしポリマー物性ではビニル芳香族
化合物の含量が増大するとポリマー強度が上昇するが、
不織布の強度はビニル芳香族化合物の含量に対しての最
大値を有する。すなわちビニル芳香族化合物の含量が15
wt%未満では不織布の強度が低下し、汎用性のある不織
布製品を作ることができない。一方ビニル芳香族化合物
の含量が40wt%を越えると、不織布の強度と伸長率が低
下し、且つ硬くなる。さらにこの場合溶融粘性が上昇
し、ダイ部圧力上昇、紡糸性不良となり、出来た不織布
もポリマー玉を含む様になり、平均繊維径が大きくな
り、単繊維の分散性も悪くなり、製品風合、外観が悪く
なる。その結果使用可能な不織布製品が得られない。し
たがって前駆ポリマー中のビニル芳香族化合物の含量が
15〜40wt%の範囲であると、紡糸性が良好となり、優れ
た強度と伸長率を有し、ソフトな風合を有する不織布を
得ることができる。
前駆ポリマーの共役ジエン化合物中の共役ジエンの1,
2−結合量が、20〜50wt%、好ましくは、25〜45wt%の
範囲であると良い。20wt%未満では、不織布の伸長回復
性が劣り、不織布製品として用いにくく、又、50wt%を
越えると紡糸性が悪化し、良好なウェブが得られなくな
る。
本発明の不織布では、少なくとも1個の重合体ブロッ
クBが前駆ポリマーのポリマー鎖の末端にあることが必
須である。
すなわちポリマー鎖の末端を重合体ブロックBが占め
る割合によって紡糸性および不織布の物性が変化するか
らである。
前駆ポリマー中でポリマー鎖の末端を重合体ブロック
Bが占める割合は、3〜25wt%、特に5〜20wt%が好ま
しい。3wt%未満では、溶融粘度が高くなり紡糸性が不
調となり良好なウェブが得られなくなり、25wt%を越え
ると不織布の強度が下り好ましくない。
後述の実験例の説明で詳述するように(第2表参
照)、比較として、A−B−A′型のKRATON G−1652
及びKRATON G−1657Xを、同一紡糸条件で比較実験を
行った。
G−1652は流動性が悪い為か紡糸性が悪く、糸がつな
がらず、ポリマー玉が多く、不織布サンプルが得られな
かった。またG−1657Xは不織布サンプルは得られた
が、ポリマー強度が高い割りには不織布強度は極めて低
いものであった。
前述のように、本発明の水素添加ブロック共重合体の
前駆ポリマーとして、主としてビニル芳香族化合物が構
成された重合体ブロックAを少なくとも2個、主として
共役ジエン化合物から構成された重合体ブロックBを少
なくとも2個有し、且つ少なくとも1個の重合体ブロッ
クBがポリマー鎖の末端にあるブロック共重合体を用い
ることにより、外観、風合が共に良好で特に優れた強度
を有し、伸長特性、柔軟性の良い不織布製品が得られ
る。又不織布を製造する際には、溶融粘度が低くてポリ
マーの流動性が良いことから紡糸性が改善される。
前駆ポリマーの構造は、線状、分岐状または放射状の
いずれであってもよく、いくつかの例を一般式で表わす
と、次のようにあらわされる。
(B−A)n n≧2 (B−A)n−B n≧2 (B−A)m−X(B−A)n m,n≧1 m+n=2〜4 (式中Xはカップリング剤を示す) 本発明の水素添加ブロック共重合体に用いられる安定
剤として、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェ
ノール系化合物、リン系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物及びこれらの混合物等
を用いることができる。ヒンダードアミンの耐熱性、耐
候性の改良効果が顕著であり、したがってヒンダードア
ミンを安定剤として用いることが特に好ましい。安定剤
の使用量は、水素添加ブロック共重合体100重量部当り
5重量部以下が好ましく、5重量部をこえると、安定剤
によって生ずる効果の改善は認められず、逆に着色等の
弊害がでてくる場合があるので好ましくない。
本発明の伸縮性不織布の粘着性の値は使用する前駆ポ
リマーの種類によって大幅に変えることができる。粘着
性の評価方法としては不織布の剥離強度を採用すればよ
く、剥離強度の値が高い程、不織布の粘着性が高いこと
を意味する。
前記剥離強度に影響する前駆ポリマーの構成を調べた
ところ、特定の構成要素だけで一義的に定めることが困
難であった。そこで本発明者等は下記式で規定される粘
着性パラメーターTを導入し、このTの値が不織布の剥
離強度、すなわち不織布の粘着性と明確な関係を有する
ことを見出した。
T=V/S ここにVは共役ジエン化合物中の共役ジエンの1,2−
結合量(wt%)、Sは前駆ポリマー中のビニル芳香族化
合物の含有量(wt%)を示す。すなわち第3図に示すよ
うに、T=1.25を境界として粘着性を二分でき、Tが1.
25を越すと粘着性大となる。1.25以下では剥離強度10g/
cm以下となり、実用的には粘着性をほとんど示さないこ
とを見出した。
粘着性を不織布の用途から区分すると、Tが1.25を越
す粘着性がある不織布は、例えば他の不織布、編織布等
と張合わせて、積層体としてオムツ、衣料等の用途に好
適に用いることができる。
一方Tが1.25以下で、粘着性がない不織布は、例えば
手袋、帽子、ストレッチテープ(オムツウエストバン
ド)等に単独で使用する用途に適している。
本発明の伸縮性不織布を製造するために用いられる水
素添加ブロック共重合体にポリオレフィンを添加して、
さらに性能が改善された伸縮性不織布をつくることがで
きる。
水素添加ブロック共重合体にポリオレフィンを混合す
ると、混合ポリマーの溶融粘度が低下し、紡糸性が向上
し、得られた不織布中の繊維の平均織維径が小さくなる
と共に、粘着性を示さなくなる。しかし、ポリオレフィ
ンの混合割合を多くしすぎると、不織布の伸長回復率も
低下する。そこでポリオレフィンの混合割合を全ポリマ
ー重量に対して、1〜60wt%、好ましくは5〜50wt%、
より好ましくは10〜40wt%にするとよい。1wt%未満の
使用では混合による溶融粘度の低下が少なく、紡糸性を
殆んど改善しない。一方60wt%以上の使用は、得られた
不織布の伸度、伸長回復率がいちぢるしく低下するので
好ましくない。
また、ポリオレフィンの数平均分子量(Mn)が小さい
程、同一混合割合において、伸長回復率が高くなる傾向
を有する。このような傾向が生ずる理由は明らかではな
いが、水素添加ブロック共重合体の共役ジエン化合物と
ポリオレフィンがミクロドメイン構造を形成し、この構
造がポリオレフィンの数平均分子量が小さい程形成しや
すくなるためであると推定される。
本発明で用いるポリオレフィンの例としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、プロピレンとエチレンあるい
は1−ブテンなどのα−オレフィンとの共重合体等があ
げられるが、プロピレンとエチレンとのブロックコポリ
マー及びポリプロピレン、ポリエチレンが特に好まし
い。
ポリプロピレンとしては、数平均分子量(Mn)2,000
〜60,000、MFR(溶融流れ量)50〜10,000、好ましくは5
0〜150を有するポリプロピレンを用いると好ましく、ポ
リエチレンとしては数平均分子量(Mn)2,000〜30,000
を有するポリエチレンを用いると好ましい。なおポリエ
チレンを用いると伸長回復率の低下がより少なくて好ま
しい。
2種のポリマーの混合状態としては、単一繊維中で混
合している状態であるあることが好ましい。
水素添加ブロック共重合体とポリオレフィンの混合方
法は、紡糸時にチップブレンドする方法、2種のポリマ
ーを予め溶融混合したチップを用いる方法等がある。こ
の2種のポリマーの混合方法は特に限定されないが、後
者の方法が好ましい。
本発明の伸縮性不織布中の繊維に前述のポリオレフィ
ン以外に第3のポリマーが本発明の目的を逸脱しない範
囲で混合されていてもよく、さらに本発明の伸縮性不織
布中に他の織維が本発明の目的を逸脱しない範囲で混合
されていてもよい。
後述するように、本発明による伸縮性不織布はメルト
ブロー法によって製造することができる。ポリオレフィ
ンを添加せずに水素添加ブロック共重合体だけを用いて
メルトブロー法で不織布を製造する際に、メルトブロー
工程で用いられる加熱高速ガスの圧力を高圧化すなわち
1.2kg/cm2G以上にするとブロー性が悪くなり、繊維製
造に困難を生ずる。そこで加熱高速ガスの最適圧力条件
を0.1〜1.2kg/cm2Gとする必要があり、その結果得られ
る不織布中の織維は比較的太くならざるを得なかった
(約10μm以上)。
しかしポリオレフィンとしてポリプロピレンポリマー
を用い、2種のポリマーをチップブレンドして不織布を
作る場合において、ポリプロピレンの混率をアップして
いくと、溶融粘度が下がり高圧ブロー(例えば3kg/cm2
G)が可能となり、10wt%を越すあたりから急激にブロ
ー性が向上する。また、得られた不織布中の織維は極細
繊維となり、不織布は極めてソフトな風合を有してお
り、しかも本発明の伸縮性不織布の特徴である伸長回復
性はポリプロピレンの混率が30wt%に達する迄、殆ど変
化なく、良好である。なお実用上はポリプロピレンの混
率を60wt%にすることができる。
前述のように、水素添加ブロック共重合体にポリオレ
フィンとしてポリプロピレンを混合すると、混合ポリマ
ーの溶融粘度が低下し、紡糸性が著しく向上し、ガス条
件の高圧化が可能となり平均繊維径が10μm以下の極細
繊維が容易に得られるという特徴がある。また、ポリプ
ロピレンの混合により不織布の強度がさらに向上し、粘
着性が低下するという効果がある。
本発明の伸縮性不織布を構成する繊維の平均繊維径
は、50μm以下、好ましくは0.5〜30μmである。0.5μ
m以下の場合は不織布は柔軟ではあるが強力が低く、通
気性、透湿性が劣る。一方、50μm以上になると不織布
はガサツキ感が強く風合が硬くなると共に、耐水圧、バ
クテリアバリアー性が劣る。特に、繊維径が10μm以
下、更に1.0〜6.0μmの範囲にあると、捕集効率(捕集
効率の値が高いと、例えばフィルタ、マスク等の用途に
有用に用いることができる)、通気性、透湿性と風合が
改善され、さらに、耐水圧が高まり、またバクテリアバ
リアー性、防塵性において優れたものとなり、特に好ま
しい。
本発明の伸縮性不織布の目付量は、5〜500g/m2が好
ましく、より好ましくは、10〜200g/m2である。5g/m2
下では伸縮性不織布の強力が低下する。
また本発明の伸縮性不織布を構成する繊維は、短繊維
でも、長繊維でもかまわないが、不織布強力の点から
は、長繊維が好ましい。
このようにして得られた本発明の伸縮性不織布は特に
優れた強度を有し、さらに伸長特性(伸び、伸長回復
性)、耐候性、耐光性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性
において優れた性能を有し、且つソフトな不織布であ
る。なお耐侯性については、市販のポリウレタン系伸縮
性不織布(例えば、エスパンシオーネ )と比較して非
常に優れていた。
以下、メルトブロー法による伸縮性不織布の製造方法
の一例を第1図および第2図を用いて説明する。
水素添加ブロック共重合体を押出機1で溶融してダイ
2に送り込み、ノズルに設けた一列に並んだ多数の紡糸
オリフィス12から押出す。溶融ポリマーはポリマー流路
11を経てオリフィス12から押出される。それと同時に、
ガス導入口13を経て供給された加熱高速のガスをガスヘ
ッダー14を経て、オリフィス12の両側に設けられたガス
スリット15から噴射させ、押出された溶融ポリマーの流
れに吹き当てる。ガスヘッダー14およびガススリット15
はノズル9とリップ10との間に設けられる。高速気流の
作用により押出された溶融ポリマーは繊維4の形状にけ
ん引、細化し、固化する。このようにして形成された繊
維は、1対の回転ローラー6,6の間で循環しているスク
リーン(コレクター)7上に堆積されてランダムウェブ
5を形成する。ガスとしては、スチーム、空気などが好
適であり、ガス条件としては、温度300〜450℃、好まし
くは350〜420℃、圧力は0.1kg/cm2G以上、吐出量によ
って異なるが好ましくは0.2〜5.0kg/cm2Gである。押出
機温度は260〜330℃、好ましくは270〜320℃である。
本発明のメルトブロー法によって作られた生ウェブ
(後処理加工が施されていないウェブ)の強度は、単繊
維の交絡と織維の有する自己熱接着性により、後処理加
工を施さなくても実用に耐える強度になる。したがって
ダイ2とコレクタ7間の距離を適切に選定することは、
自己熱接着による単繊維の結合による不織布強度を向上
させるために重要であり、距離が短い程強度が増加す
る。又不織布中の単繊維の分散性を向上させるためにも
前記距離を短くすることが好ましい。すなわち前記距離
を70cm以下、好ましくは50cm以下、より好ましくは40cm
以下にすると良い。
前述のように本発明の伸縮性不織布中の繊維の結合方
法は、単繊維の分散性の向上によって不織布製品の品位
を向上させることができる点および低コストである点か
ら自己熱接着法で行うことが好ましい。
又は熱エンボス法、熱ロール法、熱風法、超音波結合
法等の他の熱結合方法を用いることができる。特に、熱
エンボス法および熱ロール法(例えば上段金属ロール、
下段ゴムロール)は不織布中の織維間の結合を高め、得
られた不織布の強力、耐水性、バクテリアバリア性、防
塵性および表面平滑性を向上させるので特に好ましい。
これら熱エンボス加工および熱ロール加工(熱カレンダ
ー加工ともいう)は、得られたウェブを巻取ることなく
連続して行ってもよく、あるいはウェブを巻取った後、
別工程で行ってもよい。
熱エンボス加工又は熱ロール加工の温度は150℃以
下、好ましくは50〜130℃、より好ましくは60〜120℃の
範囲で行うと良く、圧力は0.5〜100kg/cm、好ましくは
1〜75kg/cmの範囲で行うとよい。上記範囲を越える高
温高圧で加工すると繊維が溶融してフィルム状の不織布
となり、通気性が低下する。逆に上記範囲を下廻る低
温、低圧で加工すると熱結合が不充分となり、不織布の
強度と表面平滑性を向上させることができない。
熱エンボス加工に用いるエンボスパターンは連続パタ
ーン、不連続パターンの何れであってもよく、線、点
線、格子、斜め格子、円形、ひし形、織物柄等各種のパ
ターンを用いることができる。
本発明の伸縮性不織布のフィルタ性能を向上させるた
めに、エレクトレット加工を施してもよい。
又本発明の伸縮性不織布を、スパンボンド法、カード
法、湿式法等で作られた他の不織布、編織物、フィルム
等のシート状物と積層して用いることができる。前記積
層後必要に応じて熱結合、絡み合い処理等の方法によっ
て伸縮性不織布とシート状物と結合して用いてもよい。
〔実施例〕
以下の実験例および比較例は、ポリマー組成物の組成
成分およびメルトブロー法の諸条件を適用して得られる
種々のメルトブロー伸縮性不織布の性能を示す。実験例
14〜33は、本発明の実施例である。
実験例の説明に先立ち、本明細書中で用いられた各種
物性の定義と測定方法を以下に示す。
◎ 平均繊維径(μm);不織布サンプルの任意な、10
箇所を電子顕微鏡(繊維径に応じて200〜2000倍)で10
枚の写真撮影を行う。1枚の写真につき任意の10本の繊
維の直径を測定し、これを10枚の写真について行う。合
計100本の繊維径測定値を求め平均値を計算する。
◎ ポリマー玉;ウェブ構成繊維の直径の50倍〜1000倍
程度の直径を有する玉状ポリマーのことである。このポ
リマー玉は肉眼で見出すことができる。
◎ 強度および伸度;巾2cmの不織布サンプルをJIS L−
1096に準じて測定する。その時のつかみ間隔は5cm、引
張速度は10cm/minとする。破断時の値から1cm巾当りの
強度と伸度を算出する(ウェブの縦方向の値と横方向の
値の平均値で示す)。
◎ 伸長回復率;巾2cmの不織布サンプルをJIS L−1096
に準じて測定する。その時のつかみ間隔12cm、引張速度
10cm/minで、50%伸張し、直ちに同じ速度で原長まで回
復させる。伸長前に、伸長方向に記入した長さ10cmの線
の伸長前後の伸長差(a)(mm)を求め、下式で伸長回
復率を算出し、ウェブの縦方向の値と横方向の値の平均
値で示す。
◎ 剛軟度;JIS L−1096 45°カンチレバー法によりウ
ェブの縦方向の値と横方向の値の平均値で示す(この値
が小さい程、風合いが柔らかいことを示す。) ◎ 伸長応力;前記伸長回復率測定時のチャートより伸
度50%時の応力を、伸長応力として求める(ウェブの縦
方向の値と横方向の値の平均値で示す)。
◎ 剥離強度;不織布からサイズ10cm×2cmのサンプル
を用意し、この2枚のサンプルを重ねる。重ねられたサ
ンプルの中央部2.7cm×2cmに13kgの荷重を載せて16時間
放置した。荷重を外したサンプルを、JIS L−1096に準
じて、サンプルのそれぞれの片端部を1枚づつ試験機の
クランプに把持させ、引張速度10cm/minで2枚のサンプ
ルを引離すように伸長し、2枚のサンプルが剥離するま
での1cm巾当りの最大強度を測定する(ウェブの縦方向
の値と横方向の値の平均値で示す)。
◎ 捕集効率;PARTICLE COUNTER(KC-OIA型RION CO.,LT
D)を用いて、流量500cc/分、測定時間30秒、粒径0.3μ
m以上の条件で、最初に何もセットせずに、ブランクの
値A(個)を測定し、次に試料をセットし、試料を通過
した粒子数B(個)を測定し、次式により捕集効率を求
める。
捕集効率(%)=(1−B/A)×100 ◎ 耐水圧(mmH2O) JIS−L−1092B法で測定する。
◎ 通気度 JIS-1096法(フラジィール法)で測定する。
◎ 耐光性;JIS−L 1096に準じて、フェードメーター40
時間照射後、サンプルの変退色、照射前後での強度保持
率を求める。
◎ 数平均分子量(Mn);GPC(GEL PERMEATION CHROMAT
OGRAPHY)によりスチレン換算分子量から求めた。
◎ ビニル芳香族化合物含有量(wt%);全ポリマー中
のビニル芳香族ポリマーブロック含有率を重量パーセン
トで表わしたもので、L.M.Kolthoffら、J.Polymer Sci.
第1巻429頁(1946年)の方法に従って求めた。以下S
で表す。
◎ 共役ジエン化合物中の共役ジエンの1,2−結合量(w
t%);水添する前のポリマーをサンプルとし、赤外分
光光度計を用い、ハンプトン法によって測定する。以下
Vで表す。
◎ ポリマー強度;JIS K−6301に準じて、3号ダンベル
を用いて測定した。
◎ ポリマー伸度;JIS K−6301に準じて、3号ダンベル
を用いて測定した。
◎ 溶融粘度;島津社製フローテスター(CFT 500型)
にて、紡口0.5mmφ,1.0mml,1holl、荷重10kg、予熱6分
温度300℃の条件下で測定する。
実験例1 リチウムアルキル触媒を用いる逐次的なブロック共重
合を行うことによって、ブタジエン−スチレン−ブタジ
エン−スチレン型ブロック共重合体(組成比wt%10-12.
5-65-12.5)を前駆ポリマーとして合成した。この前駆
ポリマーにおいて、Mnは47,000、ポリスチレン含有量S
が25wt%、共役ジエンの1,2−結合量Vが31wt%であっ
た。この前駆ポリマーを水素添加し、ヒンダードアミン
系安定剤0.5wt%を加えペレットを作り原料(水素添加
ブロック共重合体)とした。
得られた水素添加ブロック共重合体(ペレット溶融粘
度520poise)を押出機に投入して加熱溶融後(押出機温
度290℃)、ノズルに送込んだ。このノズルは1mmピッチ
で一列に200個並んだ0.4mmφのオリフィスを有し、それ
ぞれのオリフィスから0.2g/分の吐出量で共重合体を高
速流体中に吐出させた。流体として380℃に調節した過
熱水蒸気を用いて、この過熱水蒸気を0.6kg/cm2Gの圧
力でメルトブロー用ノズルのスリットから溶融した共重
合体に向けて噴射し、それによって溶融共重合体をけん
引細化する。次いで細化した繊維を移動するネットコン
ベア(ダイ−コレクター間距離15cm)上に捕集して、ウ
ェブを得る。得られたウェブは極めて良好な伸縮性を有
しソフトな風合の不織布であった。得られた不織布の物
性試験の結果を表1に示す。
比較例1,2 Shell Chemical社製、Kraton G−1657X及び、G−165
2を原料として用いた以外は、実験例1と同様の条件で
試験を行った。しかしG−1652については、糸がつなが
らず、不織布サンプルは得られなかった。ポリマー構
成、ポリマー物性、および不織布物性を本発明の実験例
1と対比して表2に示す。
実験例1と比較して、Kraton G−1657Xは、ポリマー
強度が高い割には、不織布強度が低いことがわかった。
また、Kraton G−1652のサンプルが得られなかった一
因として、溶融粘度が300℃で1905poiseとかなり高いこ
とがあげられる。
実験例2〜4、比較例3,4 数平均分子量Mnの異なる前駆ポリマーを用いた以外
は、実験例1と同様の条件で、伸縮性不織布を作り、不
織布物性を調べた。この結果を表3に示す。
なお、比較例3は、原料チップ作成の段階で固化しな
い為、チップ化できず、試験を中止した。また、比較例
4は溶融粘度が高く紡糸性不良でウェブが得られなかっ
た。
実験例5〜7、比較例5,6 ブロック共重合体を合成する際に、スチレン含有量
(S)が異なる各種前駆ポリマーを合成し、実験例1と
同様の条件で伸縮性不織布を作り、その物性を調べた。
この結果を、表4に示す。なお、比較例5は、原料チッ
プ作成の段階で、固化しない為、チップ化できず、試験
を中止した。また、比較例6は、溶融粘度が高く紡糸性
不良でポリマー玉発生が多く、良好なウェブが得られな
かった。
実験例8〜10、比較例7,8 ブロック共重合体を合成する際に、共役ジエン化合物
中の共役ジエンの1,2−結合量(V)が異なる各種前駆
ポリマーを合成し、実験例1と同様の条件で伸縮性不織
布を作り、その物性を調べた。この結果を表5に示す。
なお比較例8は、紡糸性不良で、繊維長が短く、玉粉状
で、良好なウェブが得られなかった。
実験例11〜13、比較例9 Mn5.1万、S25.5wt%、V36wt%を有する前駆ポリマー
を水素添加して原料とし、押出機温度300℃、ガス温度4
00℃、ガス圧力0.5kg/cm2G、ダイ−コレクター間距離1
0cmとする以外は、実験例1と同様の条件にして伸縮性
不織布を作った。実験例11の伸縮性不織布を熱ローラー
(上段金属、下段ゴム)で表6に示す温度、圧力条件で
加工し、各種物性試験を行い、得られた結果を表6に示
す。なお比較例9は、フィルム状となってしまった為、
物性は測定しなかった。
実験例14、比較例10,11 Mn4.9万、S29wt%、V36wt%を有する前駆ポリマーを
水素添加して水素添加ブロック共重合体を作り、次いで
チップ化し、さらに、この水素添加ブロック共重合体の
チップにポリエチレン(Mn2880、密度0.930)を30重量
%添加して2軸押出機で溶融混合して、原料とし、ガス
圧力0.3kg/cm2G、ダイ−コレクター間距離10cmとする
以外は、実験例1と同様の条件で実験例14の伸縮不織布
を作り、その物性を調べた。さらに比較例として本発明
の水素添加ブロック共重合体の替りに、Shell Chemical
社製、Kraton G−1657X及びG−1652を用いた以外は、
上記と同様にして、不織布を得て、その物性を調べた。
得られた結果を表7に示す。なお、Kraton G−1657X及
びG−1652を用いた不織布は、不織布強伸度が本発明品
に比較して低い。
実験例15,16,17、比較例12 ポリエチレンの添加重を5wt%,15wt%,45wt%及び70w
t%とし、ガス圧力を0.6kg/cm2G、ダイ−コレクター間
距離7cmとする以外は、実験例14と同様の条件で、伸縮
性不織布を作り、その物性を調べた。得られた結果を表
8に示す。
実験例18〜21 ポリエチレンのMnを2880(密度0.930),3400(密度0,
928),12000(密度0.918),17000(密度0.929)と変更
し、且つガス圧力を0.7kg/cm2Gにする以外は、実験例1
6(ポリエチレン添加量15wt%)と同様の条件で伸縮性
不織布を作り、その物性を調べた。得られた結果を表9
に示す。
実験例22,23 ポリエチレンの代りに、2種類のMn40,000(MFR 24
0),Mn50,000(MFR 80)を有するポリプロピレンを12重
量%添加し、ガス圧力を0.8kg/cm2Gとする以外は実験
例14と同様の条件で伸縮性不織布を作り、その物性を調
べた。得られた結果を表10に示す。
実験例24 ポリエチレンの代りにMn50,000(NFR 80)を有するポ
リプロピレンを20重量%添加し、チップブレンドして原
料とし、ガス圧力を3.0kg/cm2G、ダイ−コレクター間
距離を30cmとする以外は、実験例14と同様の条件で伸縮
性不織布を作りその物性を調べた。得られた結果を表11
を示す。この不織布を構成する繊維の平均繊維径は極め
て細く、その為、不織布は極めてソフトな風合を有して
いた。
さらに得られた不織布を19Kv電圧をかけて、エレクト
レッット加工を行ったのち、捕集効率を測定した所86%
であった。
実験例25〜27、比較例13,14 ポリプロピレンのチップブレンド量を変える以外は、
実験例24と同様の条件で伸縮性不織布を作り、その物性
を調べた。得られた結果を表12に示した。
なおポリプロピレンを添加しないで紡糸したころ、織
維というよりは、粉状に近い物となり、また、ポリマー
玉の発生も多く良質な不織布は得られなかった(比較例
13) 実験例28〜30 Mn5.3万、S20wt%、V36wt%を有する前駆ポリマーを
水素添加して水素添加ブロック共重合体をつくり、次い
でチップ化し、さらに、ポリプロピレン3種(Mn4.5万
(MFR 140),Mn5万(MFR 80),Mn5.3万(MFR 40)をそ
れぞれ30重量%添加しチップ状態でブレンドして、押出
機に供給し、ガス圧力、2.5kg/cm2G、ダイ−コレクタ
ー間50cmとする以外は、実験例1と同様の条件で伸縮性
不織布を作り、その物性を調べた。得られた結果を表13
に示す。
実験例31,32,33 ダイ−コレクター間距離を50cmとする以外は、実験例
24と同様の条件で生ウェブを作り、次いで熱エンボスロ
ールによる熱結合を行い、得られた不織布の物性試験を
行った。その結果を表14に示す。エンボスロールによっ
て与えられるエンボスパターンは第4図で示すように、
圧着部分21と非圧着部分22を有するパターン20であり、
圧着面積率は22%である。
また、実験例24で得た不織布を100%、すなわち2倍
の長さに引張りながら、ポリプロピレンのスパンボンド
不織布2枚の間にはさみ、不連続な丸模様のエンボスロ
ールを用いて90℃で熱結合した。得られた複合不織布
は、100%伸びを有するギャザー付きの不織布であっ
た。
実験例34 実験例1で得た水素添加ブロック共重合体を押出機に
投入、押出機温度300℃で過熱溶融し、100個のオリフィ
スから単孔吐出量0.7g/分で、押出し、下方に設置した
エアーサッカーで延伸し、さらに下方に設置したネット
コンベア上に積層し、ウェブとした。紡糸時にウェブの
分散性が若干劣るものであった。
このウェブを温度110℃、圧力15kg/cmの熱ロール(上
段金属、下段ゴム)にて熱結合を行い、不織布を得た。
得られた不織布は、目付130g/m2で強度1.1kg/cmと高
く、伸縮性も良好なものであった。
実験例35、36 ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタ
ジエン型ブロック共重合体(組成比wt%10-15-50-15-1
0)とし、且つMnの異なる2種の前駆ポリマーを用いた
以外は、実験例1と同様にして、伸縮性不織布を得、各
種物性試験をおこなった。得られた試験結果を表15に示
す。
〔発明の効果〕 本発明の伸縮性不織布は前述のように構成されている
ので、強度、伸長特性(伸びと伸長回復性)、耐候性、
耐光性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性において優れた
性能を有すると共にソフトな風合を有する伸縮性不織布
である。
したがって本発明の伸縮性不織布は貼布材、伸縮テー
プ、包帯、オムツ等のメディカル衛生材料、手術着、作
業着帽子等の衣服、手袋、電線被覆材等の工業用品等に
広く用いることができる。
前述のような特性を有する本発明による伸縮性不織布
はメルトブロー法等を用いる本発明の製造方法によって
安定して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はメルトブロー法によって不織布を製造する装置
の一例を示す斜視図である。 第2図はメルトブロー法で用いるダイの1例を示す断面
図である。 第3図はポリマーの粘着性パラメータ(T=V/S)と不
織布の剥離強度の関係を示すグラフである。 第4図はエンボスパターンの一例を示す平面図である。 1……押出機、2……メルトブローダイ、3……ガス用
パイプ、4……極細繊維群、5……ランダムウェブ、6
……駆動ローラー、7……スクリーン、8……カレンダ
ーロール、9……ノズル、10……リップ、11……溶融ポ
リマー流路、12……紡糸オリフィス、13……ガス導入
口、14……リップガスヘッダー、15……ガススリット、
20……エンボスパターン、21……圧着部分、22……非圧
着部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−155446(JP,A) 特開 昭63−203857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04H 3/00 - 3/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてビニル芳香族化合物から構成され
    た重合体ブロックAを少なくとも2個、主として共役ジ
    エン化合物から構成された重合体ブロックBを少なくと
    も2個有し、かつ少なくとも1個の重合体ブロックBが
    ポリマー鎖の末端にあり、全体の数平均分子量が30,000
    〜65,000の範囲にあり、ビニル芳香族化合物の含有量が
    15〜40重量%であるブロック共重合体を水素添加して得
    られた水素添加ブロック共重合体CとポリオレフィンD
    の重量割合(C/D)が40/60〜99/1である組成物から形成
    された平均繊維径が0.5〜30μmの範囲にあるメルトブ
    ロー伸縮性不織布。
  2. 【請求項2】共役ジェン化合物中の共役ジエンの1,2結
    合量が20〜50重量%である請求項1記載のメルトブロー
    伸縮性不織布。
  3. 【請求項3】ポリオレフィンがポリプロピレンである請
    求項1記載のメルトブロー伸縮性不織布。
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