JP2907415B2 - 極薄軟質銅箔の製造方法 - Google Patents

極薄軟質銅箔の製造方法

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達夫 江口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電線等のシールド材と
して好適に使用しうる極薄軟質銅箔の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線を被覆するためのシール
ド材として、厚さ10μm以下の銅箔が使用されている。
この銅箔を電線に被覆する工程では、電線に緊密に銅箔
を密着させて被覆させるため、銅箔に高張力が負荷され
る。しかるに、銅箔の厚さが10μm以下と極薄であるた
め、銅箔の引張強さ及び伸びが低く、銅箔が切断すると
いうことがあった。また、厚さ10μm以下の銅箔と合成
樹脂製フィルムとを貼合する場合にも、銅箔に高張力が
負荷され、クラックが発生するということもあった。
【0003】銅箔の厚さが薄くなるにしたがって、銅箔
の伸びが低くなり、またその引張強さが低くなること
は、当業者にとって自明である。従って、電線を被覆す
る場合等において、当業者は、銅箔に高張力が負荷され
ないような試みをすることが一般的である。例えば、銅
箔に合成樹脂製シート等を積層して、銅箔自体に高張力
が負荷されないようにする試みがなされている。
【0004】ところで、従来、使用されている銅箔は、
以下のような方法によって製造されているものである。
即ち、厚さ50〜300mmのタフピッチ銅や無酸素銅の鋳塊
に、熱間圧延を施し、次いで冷間圧延と中間焼鈍を繰り
返して、厚さ10μm以下の箔とし、その後、箔を軟化さ
せるために、再結晶温度以上の温度で仕上焼鈍を施し
て、銅箔を得ているのである。そして、タフピッチ銅や
無酸素銅は、冷間圧延による加工度を高くすることがで
きるため、最後の中間焼鈍を終えたのち、冷間加工度が
95%を超える程度に冷間圧延を施し、その後仕上焼鈍を
施している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような技術状況
下において、本発明者は、厚さが10μm以下になっても
高い引張強さを保持する銅箔を得るべく、種々研究を重
ねた。その結果、上記した従来法によらずに、ある特定
の方法で極薄銅箔を得ると、厚さが10μm以下となって
も、当業者の常識に反して、比較的高い伸び及び比較的
高い引張強さを保持することを見出したのである。即
ち、タフピッチ銅や無酸素銅は、一般的に冷間加工にお
ける加工度が非常に高く(95%を超える程度に)設定さ
れるが、本発明においては、特定の冷間圧延工程におけ
る加工度を低く設定すると、厚さが10μm以下となって
も、比較的高い伸び及び比較的高い引張強さを保持する
ことを見出したのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、タフピ
ッチ銅又は無酸素銅の鋳塊に、熱間圧延,冷間圧延及び
中間焼鈍,仕上焼鈍を施して、厚さ10μm以下の極薄軟
質銅箔を製造する方法において、最後の中間焼鈍と仕上
焼鈍との間において施される冷間圧延による冷間加工度
が95%以下であり、且つ仕上焼鈍温度(T℃)が、再結
晶温度≦T℃≦(再結晶温度+80℃)であることを特徴
とする極薄軟質銅箔の製造方法に関するものである。
【0007】本発明においては、まずタフピッチ銅又は
無酸素銅の鋳塊を準備する。タフピッチ銅は、酸素をCu
2Oの形で0.02〜0.05重量%程度が含有している純銅のこ
とである。また、無酸素銅は、酸素の含有量が極端に少
ない純銅のことである。
【0008】このタフピッチ銅又は無酸素銅の鋳塊に、
従来公知の条件で熱間圧延を施し、その後、数回に亙っ
て冷間圧延及び中間焼鈍を施す。そして、最後の中間焼
鈍を施して、厚さ0.02〜0.2mm程度の銅板を得る。最後
の中間焼鈍の後、仕上焼鈍を施す前に、この銅板を冷間
圧延工程に通す。本発明の特徴は、この冷間圧延工程に
おける冷間加工度を95%以下に設定したことにある。こ
の冷間加工度が95%を超えると、得られる極薄銅箔の伸
びが低下し、且つ引張強さも低下するので、好ましくな
い。なお、ここで言う冷間加工度(%)は、次の式で定
義されるものである。即ち、最後の中間焼鈍後における
銅板の厚さをt0とし、冷間圧延工程を終えた銅箔の厚
さをt1としたとき、[(t0−t1)/t0]×100で定
義されるものである。
【0009】最後の中間焼鈍のあと、冷間加工度を95%
以下に設定して冷間圧延工程を通すことによって、厚さ
10μm以下の銅箔を得る。そして、この銅箔に仕上焼鈍
を施す。仕上焼鈍の温度条件(T℃)は、再結晶温度≦
T℃≦(再結晶温度+80℃)で行なう。再結晶温度未満
で仕上焼鈍を施しても、得られる銅箔が十分に軟化せ
ず、伸びが高くならないので好ましくない。また、(再
結晶温度+80℃)を超える温度で仕上焼鈍を施した場
合、伸びが高くならず、且つ引張強さも低下するので、
好ましくない。なお、本発明で言う再結晶温度とは、加
熱時間を30分としたとき、再結晶の完了する加熱温度の
ことである。再結晶温度の具体的な温度は、材質及び冷
間加工度によって変わるものであるが、一般的に130〜2
20℃程度であるため、仕上焼鈍の具体的条件は、以下の
ようになる。即ち、銅箔を平板の状態で仕上焼鈍する場
合には、温度160〜180℃で1時間程度が一般的であり、
銅箔をコイルの状態で仕上焼鈍する場合には、170〜200
℃で5時間程度が一般的である。
【0010】仕上焼鈍前或いは仕上焼鈍後に、銅箔に脱
脂処理を施してもよい。脱脂処理は、銅箔を冷間圧延す
る際、銅箔表面に圧延油が施されるため、この圧延油を
除去するために行なわれるものである。一般的には、仕
上焼鈍前に脱脂処理を施すのが好ましい。
【0011】以上の方法で得られた銅箔は、高い伸び及
び高い引張強さを保持している。具体的には、従来技術
で得られた銅箔の伸び(3.0〜4.5%)よりも高く、また
従来技術で得られた銅箔の引張強さ(12〜14kgf/mm2
よりも高いものである。従って、電線を被覆する際のシ
ールド材として使用した場合、電線に被覆しやすく、且
つ高張力を負荷しても切断されにくいものである。な
お、以上の説明では、電線被覆用のシールド材として使
用した場合を、主として説明したが、本発明に係る方法
で得られた極薄軟質銅箔は、合成樹脂製フィルムとの貼
合用等としても、好適に使用しうるものである。
【0012】
【実施例】
実施例1〜6及び比較例1〜6 溶解・鋳造により、厚さ30mm×巾200mm×長さ300mmのタ
フピッチ銅の鋳塊を準備した。この鋳塊に熱間圧延を施
した後、冷間圧延と中間焼鈍を数回繰り返して、最後の
中間焼鈍を終えて、表1に示した厚さの銅板を得た。そ
して、この銅箔に、冷間加工度が表1に示した値となる
ようにして冷間圧延を施し、最終厚さ9μm又は7μmの
極薄銅箔を得た。そして、表1に記載した条件で仕上焼
鈍を施し、極薄軟質銅箔を得た。なお、各例で使用した
極薄銅箔の再結晶温度は、表1に記載したとおりであっ
た。
【0013】
【表1】
【0014】以上のような方法で得られた極薄軟質銅箔
の引張強さ(kgf/mm2)及び伸び(%)は、表1に記載
したとおりであった。なお、引張強さ及び伸びの測定方
法は、以下のとおりである。即ち、巾10mmの試料(長手
方向が圧延方向である)の両端部をチャックで把持し、
チャック間距離50mm,引張速度10mm/minで、試料が破
断するまで引っ張って、荷重−歪曲線を描き、最大荷重
を断面で除したものを引張強さ(kgf/mm2)とする。一
方、破断時における試料の長さをL1(mm)とした場
合、[(L1−50)/50]×100の式で算出されるものを
伸び(%)とする。
【0015】表1の引張強さ及び伸びの結果から明らか
なとおり、最後の中間焼鈍と仕上焼鈍の間に施される冷
間圧延工程における冷間加工度を95%以下にし、且つ仕
上焼鈍の温度を再結晶温度又はそれよりも一定値高い温
度で行って得られた極薄軟質銅箔(実施例1〜6)は、
冷間加工度が95%を超えたり、再結晶温度未満の温度で
仕上焼鈍を行ったり、或いは再結晶温度よりも一定値以
上高い温度で仕上焼鈍を行い得られた極薄軟質銅箔(比
較例1〜6)に比べて、その引張強さは高く且つ伸びも
高いものであった。
【0016】
【作用】本発明に係る方法で得られた極薄軟質銅箔が、
高い引張強さを保持し、且つ高い伸びを保持する理由は
定かではないが、以下のように推定しうる。即ち、タフ
ピッチ銅又は無酸素銅の銅板は、延性に優れているた
め、一般的に大きな冷間加工が施される。しかし、大き
な冷間加工を施すと、結晶組織の融通性が低下し、従っ
て、伸びが低下すると共に引張強さが低下するのであ
る。これに対し、本発明の如く、延性に優れている銅板
であっても、この延性を利用した大きな冷間加工を施さ
ない場合は、結晶組織の融通性が大きく、冷間加工後も
高延性となっている。この結果、比較的高い引張強さ及
び比較的高い伸びを有する、厚さ10μm以下の極薄軟質
銅箔が得られると推定しうるのである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る方法
で得られた極薄軟質銅箔は、比較的高い引張強さと伸び
とを有しており、電線を被覆するためのシールド材とし
て使用した場合、シールド材に高張力が負荷されても、
シールド材が切断しにくいという効果を奏するものであ
る。また、合成樹脂製フィルムと貼合する場合に、銅箔
に高張力が負荷されても、銅箔にクラックが発生しにく
いという効果を奏するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 1/09 H05K 1/09 A 9/00 9/00 W (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/08 B21B 1/40 B21B 3/00 H01B 7/18 H01B 11/06 H05K 1/09 H05K 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タフピッチ銅又は無酸素銅の鋳塊に、熱
    間圧延,冷間圧延及び中間焼鈍,仕上焼鈍を施して、厚
    さ10μm以下の極薄軟質銅箔を製造する方法において、
    最後の中間焼鈍と仕上焼鈍との間において施される冷間
    圧延による冷間加工度が95%以下であり、且つ仕上焼鈍
    温度(T℃)が、再結晶温度≦T℃≦(再結晶温度+80
    ℃)であることを特徴とする極薄軟質銅箔の製造方法。
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