JP4203131B2 - 水ぬれ性の良い軟質銅箔の製造方法 - Google Patents

水ぬれ性の良い軟質銅箔の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面の水ぬれ性を向上させた軟質銅箔の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軟質銅箔は種々の用途に用いられている。例えば、電磁波シールド材等として、合成樹脂製フィルムと軟質銅箔とを積層接合したものが用いられている。積層接合の方法としては、例えば、接着剤水溶液で接合するという手段が採用されている。この場合において、接着剤水溶液は、軟質銅箔表面に均一に塗布されなければならない。何故なら、接着剤水溶液が不均一に塗布されると、接着剤が存在しない箇所或いは接着剤量の少ない箇所が生じ、これらの箇所において、合成樹脂製フィルムと軟質銅箔とが接合されにくくなるからである。そして、接合不良の箇所が存在すると、その箇所から、合成樹脂製フィルムと軟質銅箔とが剥離してゆき、所望の用途に用いることができないのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、銅箔の表面の水ぬれ性を向上させることにある。本発明者は、このような課題を達成するための技術として、既に、以下のような技術を提案している。即ち、銅箔本体表面に、アゾール系誘導体よりなる第一皮膜が形成され、更にこの第一皮膜上に、ソルビタン系誘導体よりなる第二皮膜が形成されてなるものを提案している(特開平7−201332号公報)。
【0004】
本発明者は、このような技術に基づいて、表面の水ぬれ性を向上させた銅箔を製造していたところ、偶然にも、第二皮膜が存在しなくても、表面の水ぬれ性を十分に向上させうることが判明した。しかしながら、第二皮膜が存在せず、第一皮膜だけが表面に形成されている銅箔は、以下の点で扱いにくいものであった。即ち、銅箔に最終焼鈍を施して軟質化したい場合、最終焼鈍によって、第一皮膜が分解しやすいということがあった。また、銅箔表面の状態によっては、第一皮膜と銅箔本体との接着強度が不十分となり、第一皮膜が剥離しやすいということがあった。そこで、本発明は、銅箔本体自体の構成及び銅箔の製造法を工夫することによって、上記した不具合を解消しようというものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、再結晶温度が220℃以下で、表面酸化皮膜の厚さが100オングストローム以下である銅箔本体表面に、厚さが10〜40オングストロームのベンゾトリアゾールからなる皮膜を形成させた後、温度220℃以下の条件で最終焼鈍を行うことを特徴とする、該ベンゾトリアゾールからなる皮膜だけが表面に形成されており、かつ、ぬれ指数が33dyne/cm以上である水ぬれ性の良い軟質銅箔の製造方法に関するものである。
【0006】
まず、本発明においては、以下のような方法で銅箔本体を得る。即ち、銅を溶解して鋳造した後、熱間圧延を施して銅板を得る。この銅板に冷間圧延及び中間焼鈍を繰り返し施して銅薄板を得る。銅薄板の厚さは1.0〜0.1mm程度が好ましい。そして、この銅薄板に、最後の中間焼鈍を施した後、最終冷間圧延を施して、その厚みを薄くし、銅箔本体を得る。
【0007】
この銅箔本体の再結晶温度は、220℃以下になるように調整しなければならない。再結晶温度が220℃を超えると、軟質銅箔を得るのに、220℃を超える温度で最終焼鈍を施さなければならない。220℃を超える温度で最終焼鈍を施すと、銅箔本体表面に形成されたベンゾトリアゾールよりなる皮膜が分解し、所望厚さの皮膜を形成することが困難になるからである。銅箔本体の再結晶温度を220℃以下に調整するには、例えば、以下のような方法が好適である。即ち、銅薄板に最後の中間焼鈍を施した後、冷間加工度が70%以上となるように、最終冷間圧延を施せば良い。冷間加工度が70%以下であると、銅箔本体の再結晶温度が220℃を超える可能性が生じる。ここで、冷間加工度(%)とは、{[(最後の中間焼鈍後の銅薄板の厚さ)−(最終冷間圧延後の銅箔本体の厚さ)]/[最後の中間焼鈍後の銅薄板の厚さ]}×100なる式で算出されるものである。また、銅箔本体の再結晶温度とは、銅箔本体を平板の状態で、保持時間30分で加熱することにより、完全軟化する最も低い温度である。
【0008】
また、銅箔本体の表面酸化皮膜の厚さは、100オングストローム以下に調整する必要がある。表面酸化皮膜の厚さが、100オングストロームを超えると、ベンゾトリアゾールよりなる皮膜と表面酸化皮膜との接着強度が不十分になる恐れがある。この理由は定かではないが、表面酸化皮膜が厚すぎると、ベンゾトリアゾールが表面酸化皮膜上に吸着しにくくなるという現象が現われるからであると考えられる。表面酸化皮膜の厚さが100オングストローム以下であるのは、銅箔本体においてであり、得られる軟質銅箔においては、表面酸化皮膜の厚さが100オングストローム以上であっても差し支えない。なお、表面酸化皮膜の厚さは、エリプソメトリー法によって測定したものである。
【0009】
次いで、この銅箔本体表面には、厚さが10〜40オングストロームのベンゾトリアゾール(ベンゾ−1,2,3−トリアゾール又は1,2,3−ベンゾトリアゾール)からなる皮膜が形成される。このベンゾトリアゾールは、銅箔本体表面の銅原子と錯体を形成し、銅箔本体表面に化学的に吸着して、ベンゾトリアゾールよりなる皮膜が形成されるのである。従って、ベンゾトリアゾールからなる皮膜は、現実には、銅原子とベンゾトリアゾールとの化合物よりなるとも言えるのである。
【0010】
ベンゾトリアゾールからなる皮膜の厚さは、10〜40オングストロームである。この皮膜の厚さが10オングストローム未満であると、得られる軟質銅箔表面の水ぬれ性が十分に向上しない恐れがある。また、厚さ10オングストローム未満の皮膜を均一に形成することは、現実の製造法において困難である。また、この皮膜の厚さが40オングストロームを超えると、皮膜が剥離しやすくなる恐れがある。なお、ベンゾトリアゾールからなる皮膜の厚さは、エリプソメトリー法によって測定したものである。
【0011】
ベンゾトリアゾールからなる皮膜を、銅箔本体表面に形成するには、例えば、以下の如き方法を採用することができる。即ち、ベンゾトリアゾールをエタノール,メタノール,ノルマルパラフィン等の溶媒に溶解させた溶液に、銅箔本体を浸漬するか、又はこの溶液を銅箔本体に噴霧すれば良い。これによって、銅箔本体表面にベンゾトリアゾールが塗布され、加熱或いは乾燥処理により溶媒を蒸発させれば、ベンゾトリアゾールからなる皮膜が形成されるのである。前記したように、ベンゾトリアゾールからなる皮膜の厚さは、10〜40オングストロームに調整されるのであるが、このような厚さに調整するには、銅箔本体表面へのベンゾトリアゾールの塗布量を調整すれば良い。
【0012】
以上のようにして、ベンゾトリアゾールからなる皮膜を、銅箔本体表面に形成した後、220℃以下の温度で最終焼鈍が施される。この最終焼鈍によって、最終冷間圧延による歪が解消され、軟質銅箔となるのである。最終焼鈍の温度が220℃を超えると、ベンゾトリアゾールからなる皮膜が分解しやすくなり、所望の水ぬれ性を持つ軟質銅箔が得られにくくなる。なお、最終焼鈍の保持時間は、従来公知の時間で差し支えない。
【0013】
以上のようにして得られた軟質銅箔の水ぬれ性は、ぬれ指数(dyne/cm)で測定して、33dyne/cm以上である。ぬれ指数が33dyne/cm未満であると、本発明の目的とする良好な水ぬれ性が得られない。なお、ぬれ指数は、JIS K 6768「ポリエチレン及びポリプロピレンのぬれ性試験方法」に記載の方法に準拠して測定されるものである。
【0014】
【実施例】
実施例1
純銅(JIS H 3100,C1100)を使用した銅板に、冷間圧延及び中間焼鈍を繰り返し施して行ない、最終厚さが0.2mmとなった銅薄板に、最後の中間焼鈍を施す。その後、この銅薄板の表面を酸性溶液で洗浄した後、この銅薄板に、最終圧延ロールを使用して最終冷間圧延を施し、厚さ9μmの銅箔本体を得た。従って、最終冷間圧延時の冷間加工度は、95.5%である。次いで、銅箔本体表面から圧延油を除去するために、脱脂処理を施した。以上のようにして得られた銅箔本体の再結晶温度は160℃であり、表面酸化皮膜の厚さは50オングストロームであった。
【0015】
そして、ベンゾトリアゾール0.1重量%を含有するエタノール溶液中に、銅箔本体を浸漬した。この浸漬は、銅箔本体を70m/min.の速度で搬送させながら、エタノール溶液中を通すことによって行った。その後、エタノールを蒸発させて、銅箔本体表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜を形成させた。なお、この皮膜の厚さは、20オングストロームであった。
【0016】
この後、本体上に皮膜形成された銅箔を、鋼管に巻き取ってコイルとし、このコイルに最終焼鈍を施した。最終焼鈍は、窒素雰囲気下で温度160℃の焼鈍炉中に、このコイルを2時間保持して行った。次いで、焼鈍炉を冷却させた後、焼鈍炉からコイルを取り出した。このようにして取り出された銅箔は、最終焼鈍によって軟質化したものであった。そして、この軟質銅箔表面のぬれ指数を測定したところ、以下のとおりであった。即ち、最終焼鈍直後におけるぬれ指数は35dyne/cmであり、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置後のぬれ指数は34dyne/cmであった。また、上記条件で放置しておいた場合でも、軟質銅箔の表面に変色は認められなかった。
【0017】
実施例2
最終冷間圧延時の冷間加工度を82.5%として、厚さ35μmの銅箔本体とする他は、実施例1と同様にして銅箔本体を得た。このような冷間加工度で得られた銅箔本体は、その再結晶温度が220℃であり、表面酸化皮膜の厚さは40μmであった。
【0018】
次いで、ベンゾトリアゾール1重量%を含有するエタノール溶液を用いる他は、実施例1と同様の方法で、銅箔本体表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜を形成させた。この皮膜の厚さは、30オングストロームであった。
【0019】
以上のようにして得られた銅箔を、実施例1と同様にコイルとし、温度を220℃する他は、実施例1と同一の条件で最終焼鈍を施した。以上のようにして得られた軟質銅箔表面のぬれ指数は、最終焼鈍直後におけるぬれ指数が37dyne/cmであり、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置後のぬれ指数が36dyne/cmであった。また、上記条件で放置しておいた場合でも、軟質銅箔の表面に変色は認められなかった。
【0020】
実施例3
最終焼鈍の温度を200℃とする他は、実施例1と同一の方法で軟質銅箔を得た。この軟質銅箔表面のぬれ指数は、最終焼鈍直後におけるぬれ指数が35dyne/cmであり、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置後のぬれ指数が34dyne/cmであった。また、上記条件で放置しておいた場合でも、軟質銅箔の表面に変色は認められなかった。
【0021】
実施例4
最終冷間圧延時の冷間加工度を75%として、厚さ50μmの銅箔本体とする他は、実施例1と同様にして銅箔本体を得た。このような冷間加工度で得られた銅箔本体は、その再結晶温度が220℃であり、表面酸化皮膜の厚さは35μmであった。
【0022】
次いで、実施例1と同様の方法で、銅箔本体表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜を形成させた。この皮膜の厚さは、20オングストロームであった。以上のようにして得られた銅箔を、実施例1と同様にコイルとし、温度を220℃する他は、実施例1と同一の条件で最終焼鈍を施した。以上のようにして得られた軟質銅箔表面のぬれ指数は、最終焼鈍直後におけるぬれ指数が36dyne/cmであり、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置後のぬれ指数も36dyne/cmであった。また、上記条件で放置しておいた場合でも、軟質銅箔の表面に変色は認められなかった。
【0023】
比較例1
ベンゾトリアゾール処理を行わない他は、実施例1と同様の方法で軟質銅箔を得た。従って、この軟質銅箔の表面には、ベンゾトリアゾールからなる皮膜が形成されておらず、軟質銅箔の表面は酸化皮膜(厚さ50μm)となっている。この軟質銅箔表面のぬれ指数は、最終焼鈍直後におけるぬれ指数が31dyne/cm未満であり、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置後のぬれ指数も31dyne/cm未満であった。また、上記条件で放置しておいた場合、軟質銅箔の表面に変色が認められた。
【0024】
比較例2
ベンゾトリアゾール処理を行わない他は、実施例2と同様の方法で軟質銅箔を得た。従って、この軟質銅箔の表面には、ベンゾトリアゾールからなる皮膜が形成されておらず、軟質銅箔の表面は酸化皮膜(厚さ40μm)となっている。この軟質銅箔表面のぬれ指数は、最終焼鈍直後におけるぬれ指数が31dyne/cm未満であり、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置後のぬれ指数も31dyne/cm未満であった。また、上記条件で放置しておいた場合、軟質銅箔の表面に変色が認められた。
【0025】
比較例3
最終焼鈍の温度を230℃とする他は、実施例2と同様の方法で軟質銅箔を得た。この軟質銅箔は、ベンゾトリアゾール処理を行った銅箔本体に最終焼鈍を施して得られたものであるが、最終焼鈍の温度が高いために、ベンゾトリアゾール皮膜が分解し、大部分消失していた。この軟質銅箔表面のぬれ指数は、最終焼鈍直後におけるぬれ指数は36dyne/cmである。しかしながら、温度40℃で湿度90%の雰囲気中に100時間放置しておくと、軟質銅箔表面の性状が変化し、ぬれ指数は安定せず、31dyne/cm未満となる場合もあった。また、上記条件で放置しておいた場合、軟質銅箔の表面に変色が認められた。
【0026】
以上の結果から明らかなように、表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜が存在している軟質銅箔の場合(実施例1〜3の場合)は、ぬれ指数が高く、水ぬれ性が良好なことが分かる。また、一定条件下で長時間放置しておいても、軟質銅箔の表面に変色は認められない。一方、表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜が存在していない軟質銅箔の場合(比較例1及び2の場合)は、ぬれ指数が低く、水ぬれ性が不良であることが分かる。更に、一定条件下で長時間放置しておくと、その表面に変色が認められる。このように、比較例1及び2の場合において、水ぬれ性が不良である理由は、軟質銅箔の表面から圧延油が完全に除去されておらず、この圧延油の影響で水との親和性が低下するからである。また、表面に変色が認められる理由は、銅箔表面が直接大気と接触するからである。ところで、比較例3の場合には、最終焼鈍時にベンゾトリアゾールからなる皮膜が分解して大部分消失しているにも拘らず、最終焼鈍直後のぬれ指数は高く、水ぬれ性は良好である。この理由は、最終焼鈍の温度が高いため、圧延油が完全に除去されるからであると考えられる。しかしながら、ベンゾトリアゾールからなる皮膜が分解しているため、一定条件下で長時間放置しておくと、軟質銅箔の表面性状が変化し、水ぬれ性が不良になる場合もあり、また表面に変色が認められる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る方法によって得られた軟質銅箔は、その表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜が形成されているので、長時間放置しておいても、良好な水ぬれ性を維持するものである。従って、この軟質銅箔と合成樹脂製フィルム等の他素材とを接着剤水溶液を用いて、均一に且つ強固に接着接合することができる。依って、この軟質銅箔を用いて得られた積層物は、取扱中や使用中に、剥離しにくいという効果を奏する。更に、本発明に係る方法によって得られた軟質銅箔は、その表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜が形成されているので、長時間放置しておいても、表面に変色が認められず、商品価値が低下しないという効果も奏する。これに対して、その表面にベンゾトリアゾールからなる皮膜が形成されていない軟質銅箔は、長時間放置しておくと、良好な水ぬれ性を維持しえない場合があり、軟質銅箔を用いて得られた積層物は、取扱中や使用中に、剥離するという不利益があり、更に、その表面が変色しやすく、商品価値が低下するという不利益があるのである。
【0028】
また、本発明に係る方法によって得られた軟質銅箔の表面に形成されるベンゾトリアゾールからなる皮膜は、その厚さが10〜40オングストローム以下の比較的に薄いものであるため、軟質銅箔本体と比較的強固に接合している。従って、軟質銅箔の取扱中に、ベンゾトリアゾールからなる皮膜が、剥離或いは除去されにくいという効果も奏する。

Claims (2)

  1. 再結晶温度が220℃以下で、表面酸化皮膜の厚さが100オングストローム以下である銅箔本体表面に、厚さが10〜40オングストロームのベンゾトリアゾールからなる皮膜を形成させた後、温度220℃以下の条件で最終焼鈍を行うことを特徴とする、該ベンゾトリアゾールからなる皮膜だけが表面に形成されており、かつ、ぬれ指数が33dyne/cm以上である水ぬれ性の良い軟質銅箔の製造方法。
  2. 再結晶温度220℃以下の銅箔本体は、最後の中間焼鈍を終えた後、冷間加工度70%以上で冷間圧延を施すことによって得られる請求項1記載の水ぬれ性の良い軟質銅箔の製造方法。
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