JP2905472B2 - 水中カット造粒装置とその装置に使用するナイフ、並びに、そのナイフを用いた水中カット造粒方法 - Google Patents
水中カット造粒装置とその装置に使用するナイフ、並びに、そのナイフを用いた水中カット造粒方法Info
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Description
を製造するために用いられる水中カット造粒装置とその
装置に使用するナイフ、並びに、好ましくはそのナイフ
を用いた水中カット造粒方法に関するものである。
に、多数のダイ孔を有するダイプレートと、このダイプ
レートの切断面を取り囲むように形成された水室と、こ
の水室内に回転自在に収納されたナイフホルダーと、こ
のナイフホルダーを一定方向に回転駆動させる駆動手段
と、ナイフホルダーに取り付けられた複数本のナイフ
と、を備えている。
めの給水装置が接続されている。また、ダイには、ギヤ
ポンプ等の樹脂供給装置が接続され、樹脂混練機等から
の溶融樹脂が水室内へ加圧供給されるようになってい
る。従って、ダイから水室内へ押し出される溶融樹脂
は、水室内に押し出されると同時に表皮が冷却されてナ
イフによって細かく切断され、水室内で冷却硬化してペ
レットに造粒されることになる。
れるナイフは、例えば、図1に仮想線で示すような断面
ほぼ三角形状のものや、図16に示すような断面ほぼ台
形状のものが殆どで、この場合、回転方向後側の面(後
面)がダイの切断面に対して垂直に切り落とされた形状
になっている。
回転方向後方側(後面)が切断面に対して垂直である
と、ナイフが高速で回転するとその後方に乱流を起こし
てキャビテーションに至る割合が高くなる。従って、こ
の乱流自体やキャビテーションによる気泡の巻き込み等
により、ナイフの回転抵抗が大きくなってカッターの回
転駆動力の大半がこの抵抗のために消費され、駆動効率
が低下する原因となっていた。
とは、ナイフの回転に伴ってダイの切断面に沿って走る
旋回方向の水流(給水装置による水の循環流とは別のも
の)の流速が高速化することに繋がる。そのため、溶融
樹脂としてメルトフローレート(MFR)が10を超え
るような低粘度の高MFR材料の場合には、ナイフの後
方について回る高速水流によって、切断後のペレット形
状に曲がり、変形、潰れ、ヒゲ付き等の欠陥が生じるこ
とになっていた(特に、MFR>30となれば顕著)。
ットは、外観不良によって商品価値が低下するだけでな
く、押出あるいは射出成形時にホッパ部での引っ掛かり
等を起こし、水中カット造粒装置の歩留りの低下や稼働
効率の低下にも派生することがある。本発明は、上記の
ような事情に鑑み、水に対するナイフの回転抵抗を減ら
して乱流やキャビテーションの抑制を図るとともに、ナ
イフに連れて回られる乱流部分の発生を可及的に小さく
することにより、高MFRの樹脂材料であっても形状欠
陥の発生を防止できるようにすることを目的とする。
達成するために、次の技術的手段を講じた。すなわち、
本発明に係る水中カット造粒装置では、カッターのナイ
フは、その回転軸心に沿った丈寸法hを薄く形成するこ
とによって、水に対する回転抵抗を減らすようにしてい
る。
は、具体的には、ナイフのカッター面から内面(ダイ側
の面)までの最大距離をA、当該ナイフの最大厚さをC
としたとき、C≦1.2Aに設定することで実現するこ
とができる。この種のナイフの寸法Aは、ダイ孔から常
時押し出されてくる溶融樹脂との干渉を避けるべく、4
〜6mmに設定されているので、ナイフの最大厚さC
は、4.8〜7.2mm以下に設定しておけばよいこと
になる。
ため水に対する回転抵抗が小さくできるので、ナイフの
回転に伴ってダイに沿って生じる旋回方向の水流も低速
化することができる。そのため、高MFR材料等であっ
ても、ペレットの形状欠陥の発生を可及的に抑えた造粒
が可能になり、この形状欠陥を原因とした従来の各種の
欠点を防止できる。
流を小さく抑えることもできるので、キャビテーション
の抑制にも繋がり、もってカッター駆動力の消費を抑え
てその駆動効率を高めることが可能になる。更に、キャ
ビテーションによって発生する多数の気泡がダイプレー
トを叩くことにより、同プレートの切断面が早期に損傷
することも防止することができる。
す他の方法としては、ダイとは反対側の面に山型誘導面
を形成させる方法がある。このとき、山型誘導面に対応
させるように、ダイへ向く面にも谷型誘導面を形成させ
るのが好適である。この山型誘導面とは、ダイと反対側
において、回転方向前部にダイから離れる方向に傾斜し
た部分を備え、かつ、回転方向後部にダイに近づく方向
に傾斜した部分を備えている面のことを意味する。従っ
て、この山型誘導面に沿って発生した水流は、ナイフの
後方においてダイ側へ引き寄せられることになる。
において、回転方向前部にダイから離れる方向に傾斜し
た部分を備え、かつ、回転方向後部にダイに近づく方向
に傾斜した部分を備えている面のことを意味する。従っ
て、ナイフの内側で谷側誘導面に沿って発生した水流
は、同じようにダイ側へ押し付けられることになる。こ
のように、山型誘導面や谷型誘導面に沿う水流は、いず
れにしてもダイへ向かうものとされるので、ナイフの回
転方向後方側における水の分離が円滑になり、乱流やキ
ャビテーションの発生が抑えられることになる。
その駆動効率を高められることはもとより、ナイフの回
転に伴う旋回方向水流を低速化して、高MFR材料等を
用いる場合の形状欠陥を防止できる利点もある。このよ
うにナイフの回転方向後方側の水流をダイ側へ向ける
と、ナイフに作用するダウンフォース(down fo
rce)が低下するため、ダイの切断面へのナイフの押
圧力が低減して両者共に磨耗を抑えられ、寿命が長くな
るという副次的効果が得られる。
に対する形成位置が限定されるものではないが、上記し
たように水流をダイ側へ向けるという作用を効率よく得
るためには回転方向後方寄りに形成するのが好適であ
る。この山型誘導面や谷型誘導面は、複数の平坦面を継
ぎ合わせたような折曲面としてもよいが、滑らかに連続
した曲面として形成するのが、水に対するナイフの回転
抵抗を減らす意味で好適である。また、このような曲面
にすることで、ナイフの回転方向に沿った断面形状を流
線形に形成すれば、一層好適である。なお、平坦面と曲
面との組み合わせにすることも可能である。
イフに山型誘導面や谷型誘導面を設ける構成との双方を
採用すれば、それらの相乗作用によって得られる効果は
一層確実で且つ良好なものとなる。本発明が対象とする
ナイフは、より具体的には、ダイプレートの切断面に対
面するカッター面と、回転方向後方に向かって切断面と
は反対側(以下、この欄において反切断面側という。)
に傾斜した状態でカッター面の回転方向前縁から立ち上
がっている前面と、この前面の後端縁から実質的に回転
方向後方に延びる背面と、この背面の後端縁に続く後面
と、回転方向後方に向かって反切断面側に傾斜した状態
でカッター面の回転方向後縁から立ち上がる傾斜部分を
有しかつ回転方向後端縁が後面に続く内面と、を備えた
ものである。
おいて、後面が回転方向後方に向かって切断面側に傾斜
して形成され、前面から背面への移行角度をB°、背面
から後面への移行角度をD°としたとき、150°≦
(B+D)/2≦180°となるように設定したもので
ある。また、より好ましくは、本発明のナイフは、カッ
ター面から内面までの最大距離をA、ナイフの最大厚さ
をCとしたとき、C≦1.2Aとなるように設定されて
いる。
かになるように、10〜20m/sといった通常の回転
速度でナイフを回転させた場合でも、ナイフの回転方向
後方においてナイフとともにダイプレート付近を走行す
る同速水流部分が極めて短くなり、その水流部分が溶融
樹脂をなぎ倒すことに伴うペレットの形状不良を未然に
防止することができる。
部分をナイフエッジに形成することにより、ナイフの回
転方向後方における水流の乱れがより確実に防止され、
同速水流部分の増大がより効果的に抑制される。また、
本発明は、カッター面における、溶融樹脂が押し出され
ないダイプレートの回転方向中心側の部分に対応する部
分に、カッター機能を有する他の部分よりも幅の広い部
分を設けることを推奨する。
よって切断面に対するカッター面の接触面積が増大し、
カッター面に作用する単位面積当たりの力が低減するの
で、ナイフのカッター面及びダイプレートの切断面の磨
耗を可及的に遅らせることができる。なお、角度B°と
角度D°の関係と、最大距離Aと最大厚さCとの関係を
上記の関係にする限り、ナイフの背面は、前面及び後面
との間で稜線が明瞭には現れないように反切断面側に湾
曲面状に形成することもできるし、また、前面及び後面
との間で稜線を介して交差する平面状に形成することも
できる。
て操業する場合、次のように定義されるL及びHを、L
≦4Lの関係を保つように設定すれば、高MFRの樹脂
であってもペレットの形状不良を可及的に解消できるこ
とが後述の実験によって実証された。L:ナイフの回転
方向後側に形成されかつ同ナイフと実質的に同じ速さで
ダイプレート付近を走行する同速水流部分の回転方向長
さH:ナイフで切断された後に次のナイフで切断が行わ
れるまでの間にダイプレートから押し出される溶融樹脂
の押出長さ従って、常にL≦4Hの関係が成立するよう
にカッターの駆動手段の回転速度を設定しておけば、ペ
レットの形状不良は取り合えず解消できる。
回転速度が著しく低い状態でL≦4Hの関係を成立させ
るのでは、ペレットの生産量が大きく落ちてしまって実
操業には余り適切ではない。そこで、上記した本発明の
ナイフを使用し、高速度(10〜20m/s)で回転さ
せる通常運転の場合にも、L≦4Hの関係を保持しなが
ら造粒することが望まれる。本発明のナイフによれば、
かかる通常運転に必要な10〜20m/sでカッターの
駆動手段を回転させても、L≦4Hの関係を保持してペ
レットの形状不良を解消できるとともに、キャビテーシ
ョンの発生も有効に防止することができる。
いて本発明の実施の形態を説明する。図9は、本発明の
ナイフ7を使用できる水中カット造粒装置20の側面断
面図である。この造粒装置20は、多数のダイ孔2aを
有するダイプレート(ダイ)2と、このダイプレート2
の切断面2bを取り囲むように形成された水室1と、こ
の水室1内に回転自在に収納されたカッター3と、この
カッター3を回転駆動させる駆動手段21とを備えてい
る。
9の右側壁)を形成するように同水室1を閉鎖してい
る。水室1の下部には、図示しない給水装置が接続され
る給水口22が形成され、水室1の上部には、内部の水
をペレット5とともに外部に排出するための排水口23
が設けられている。水室1の一端には、二軸混練機又は
ギアポンプ等からなる押出機のチャンバー24が接続さ
れている。従って、ダイプレート2のダイ孔2aから水
室1内へ押し出された溶融樹脂4は、水室1内に押し出
されると同時に表皮が冷却されて後述のナイフ7によっ
て細かく切断され、その後、水室1内で冷却硬化してペ
レット5に造粒される。
る前記駆動手段21が接続された軸受けケース25が接
続されている。軸受けケース25には、ベアリング26
を介して回転軸27が出没自在でかつ回転自在に挿通さ
れており、この回転軸27の先端部は前記水室1内に突
出している。駆動手段21には、この駆動手段21の回
転数を設定するマイコン又はプロコンよりなる設定手段
28が接続されている。
定されている。このカッター3は、中心部が回転軸27
に固定された円盤状のナイフホルダー32と、このナイ
フホルダー32に放射状に取り付けられた複数枚のナイ
フ7とから構成されている。図1〜図3は、本発明に係
る水中カット造粒装置20のカッター3に使用されるナ
イフ7の第一実施形態を示している。
状のタイプの従来のナイフ30では回転方向後方側に高
い垂直面が形成されているのに対し、本発明のナイフ7
は、ダイ2へ向く面とは反対向きの面(外面)7aが、
その回転方向の中間部付近で山なりにカーブされ、回転
方向後方側ではダイプレート2側へ近づく下り傾斜とな
るように形成されている。
ナイフ7では、ダイ2側の面(内面)7bの回転方向後
半部は、ダイ2の切断面2bに対してほぼ平行な平面状
に形成されている。従って、この第一実施形態のナイフ
7は、回転軸心方向(図9の左右方向)の丈寸法hが、
断面三角形状のタイプの従来のナイフ30の丈寸法Hに
比べてかなり薄くなっている。また、ナイフ7の肉厚自
体もかなり薄くなっている。
抵抗が小さくなり、ナイフ7を高速回転させても、ダイ
2の正面に沿って生じる旋回方向の水流はそれほど高速
のものとはならない。また、ナイフ7の回転方向後方側
において乱流の発生を抑える効果も得られる。上記のよ
うにナイフ7の外面7aに設けられたカーブ面は、水流
をナイフ7の後方においてダイ2側へ引き寄せるための
山型誘導面9を形成する。この山型誘導面9は、ダイ2
と反対側の外面7aにおいて、回転方向前側にダイ2か
ら離れる方向に傾斜した部分35を備え、かつ、回転方
向後側にダイ2に近づく方向に傾斜した部分37を備え
ている。
は、山型誘導面9を乗り越すと同時に後側の斜面に沿っ
てダイ2側へ引き寄せられ、その結果、この水流は、ナ
イフ7の回転方向後方側から円滑に分離し、乱流やキャ
ビテーションの発生が抑えられる。このように、ナイフ
7の高速回転によっても、ダイ2の正面に沿って生じる
旋回方向の水流は高速化せず、乱流も生じ難くなってキ
ャビテーションに至り難くなるため、カッター駆動力の
消費が抑えられて駆動効率を高くできる。また、高MF
R材料等を用いた場合でも形状欠陥の発生を防止できる
という、種々の利点を得るに至る。
より具体的に説明する。すなわち、このナイフ7は、ダ
イプレート2の切断面2bに接するカッター面34と、
回転方向後方に向かって切断面2bとは反対側(以下、
この欄において反切断面2b側という。)に傾斜した状
態でカッター面34の回転方向前縁から立ち上がってい
る前面35と、この前面35の後端縁から実質的に回転
方向後方に延びる背面36と、この背面36の後端縁に
続く後面37と、回転方向後方に向かって反切断面2b
側に傾斜した状態でカッター面34の回転方向後縁から
立ち上がる傾斜部分38を有しかつ回転方向後端縁が後
面37に続く内面39と、を備えている。
の後方側に平面部分40を備えており、後面37は、回
転方向後方に向かって切断面2b側に傾斜するように形
成されている。また、前面35と後面37は平面状に形
成されており、背面36は、これら前面35及び後面3
7との間で稜線が明瞭には現れないように反切断面2b
側に膨らんだ湾曲面状に形成されている。更に、後面2
7と内面39の交線部分はナイフエッジEに形成されて
いる。
5、背面36及び後面37によって前記山型誘導面9が
形成されていることになる。そして、本実施例のナイフ
7では、後述する実験からの見地に基づいて、それぞれ
下のように定義される各パラメータA〜Dに関して、各
式(1)及び(2)が成立するようにその断面形状が設
定されている。 (1) 150°≦(B+D)/2≦180° B:前面から背面への移行角度 D:背面から後面への移行角度 (2) C≦1.2A A:カッター面から内面までの最大距離 C:ナイフの最大厚さ なお、前面35のカッター面34に対する傾斜角度θ
は、刃こぼれの少ない切断を継続的に行うため、通常
は、約30°〜60°に設定される。また、最大距離A
は連続して押し出される溶融樹脂4との干渉を避けるべ
く、概ね4〜6mm程度に設定される。
るように、10〜20m/sといった実操業時の回転速
度でナイフ7を回転させた場合でも、ナイフ7の回転方
向後方においてナイフ7とともにダイプレート2付近を
走行する同速水流部分41が極めて短くなり、これによ
って、その水流部分が溶融樹脂4をなぎ倒すことに伴う
ペレット5の形状不良を未然に防止できる。
部分の前長において断面形状は一定に形成されている。
もっとも、上記式(1)及び(2)の関係を満たす範囲
において、切断刃部分の断面形状を長手方向で変化させ
ることは可能である。図4は、本発明の第二実施形態で
用いるナイフ7を示したもので、この第二実施形態で
は、ナイフ7の外面7aに山形誘導面9が形成されてい
るだけでなく、内面7bにも谷型誘導面10が形成され
たものである。
イフ7の回転方向後方側においてダイ2に近づく方向へ
内曲げしたもので、その後尾方向は前記山形誘導面9の
後尾方向に沿うように形成されている。従って、ナイフ
7の内面7bに沿った水流は、ナイフ7の回転方向後方
側へ近づくにつれて物理的な接触による変向作用を受
け、その結果、ナイフ7の回転方向後部においてダイ2
側へ押し付けられるようになる。そのため、ナイフ7の
内側の水流もナイフ7の回転方向後方へ円滑に分離し、
乱流やキャビテーションの発生を抑えられる。
面10との双方を設けると、ナイフ7の回転方向後方側
から分離する各々の水流に対し、それらが合流するとき
の水勢が加勢されることになり、上記効果は相乗的に高
くなる利点がある。従って、この第二実施形態では少な
くとも第一実施形態の場合を超越した効果を得ることが
できる。
の第二実施形態では特に、ナイフ7の回転方向後方側の
水流がダイ2へ向かう作用が強いため、ナイフ7に対す
るダイ2側へのダウンフォースが低減される。そのた
め、ダイ2の切断面2bに対するナイフ7の押圧作用が
低減し、両部材の磨耗をともに抑えられるという副次的
効果が得られる。
9や谷型誘導面10を共に曲面によって形成してあるた
め、ナイフ7の断面形状として、その全体が曲線で囲ま
れた流線形となり、水に対して回転方向に沿った抵抗が
極めて小さくなるという利点もある。特に、外面7aに
おける回転方向前端部の山なり部分では、滑らかな曲面
とするのが好適である。
法が図1の三角断面のナイフ30の丈寸法Hと同じに設
定された比較例のナイフ14を示してある。この比較例
のナイフ14には、外面7aに対して山型誘導面9が設
けられているため、上記第一及び第二実施形態の場合と
同様に、外面7aに沿った水流をダイ2側へ向ける作用
が得られる。
の全体としての断面形状が翼断面に似たものとなってお
り、その内面7bの後部にも上方へ反り上がった山形誘
導面9が形成されている。このため、ナイフ14の内面
7bに沿った水流は、当該内面7bの反り上がった山形
誘導面9によってダイ2から離れる方向へ向けられてし
まうことになる。
よって、折角、水流がダイ2側へ指向しようとしている
のに、その指向生が内面7b側の山形誘導面9に誘導さ
れる水流によって相殺される恐れがあることを意味す
る。従って、ナイフ14の回転方向後側においてキャビ
テーションの発生をある程度抑えることができても、そ
の効果は図1の本発明のナイフ7よりも劣るものと考え
られる。
返った山形誘導面9を形成することは、ナイフの外面7
a後部にダイ2側へ近づく方向に傾斜した誘導面9を形
成して水流をダイ2側へ導く本発明の趣旨に反すること
になる。もっとも、ナイフの内面7b後部は平坦面(図
2の平面部分40)に形成されておれば、例えば、図1
1や図18に示すように、ナイフの内面7bの平坦面が
ダイ2から離れる側へ若干傾斜していてもよい。
いる。このナイフ7は、上記山型誘導面9や谷型誘導面
10を複数の平坦面を継ぎ合わせたような折曲面として
いる。すなわち、この場合のナイフ7は、背面36が前
面35及び後面37との間で稜線を介して交差する平面
状に形成されている。また、図6に示す第四実施形態の
ナイフ7のように、外面7aに対して山型誘導面9より
も回転方向後方側に補助的に谷型誘導面10を形成させ
たり、内面7bに対して谷型誘導面10よりも回転方向
後方側に補助的に山型誘導面9を形成させたりすること
も可能である。
(大きさや適用回転数等)や運転条件等ごとに、水流を
最も効果的に低速化させるための調節を行うことが目的
であるので、補助的に設けた外面7aの谷型誘導面10
や内面7bの山型誘導面9が、外面7aの山型誘導面9
や内面7bの谷型誘導面10の本来の作用を吸収又は阻
害するものでないことは言うまでもない。
段としては、図7及び図8に示すように回転方向の長さ
を幅狭にカットした構成とすることも可能である。これ
であれば、従来のナイフ30に対して簡単な追加加工を
施すだけで、本発明を実施できる利点がある。 〔実験例1〕図1に実線で示した本発明のナイフ7を使
用した場合と、図1に仮想線で示した断面三角形状のタ
イプの従来のナイフ30を使用した場合とを対比すべ
く、MFR≒70及びMFR≒100の高MFR材料を
用いた造粒テストを行った。
ーションの発生状況は、同一判定者による目視判定とし
た。その結果、従来のナイフ30では、ナイフ最外周部
の周速が10m/sを超えたあたりから気泡の発生が認
められ、周速が20m/sに達するころでは水室1内が
真っ白になるほどの無数の気泡が発生した。これに対し
て、本発明のナイフ7では、周速が20m/sに達した
時点でも、気泡は殆ど認められなかった。
るか否かについては、ダイ2の正面付近に生じた水流の
流速等をCAEによる解析によって予測すると共に、実
際に得られたペレットを観察することによって行った。
その結果、レノルズ数及びペレット抗力の予測値は次の
表のようになった。
関して言えば、本発明のナイフ7では、従来の三角断面
のナイフ30に比べて流速が約0.67倍となることが
判る。従って、本発明のナイフ7ではペレット抗力、即
ち、ペレットに負荷する力としてみたときに、平均約
0.43倍となっており、これらの結果から、ペレット
における形状欠陥の発生を可及的に防止できることが判
明した。
トも、本発明のナイフ7では、MFR=74の場合及び
MFR=105の場合も形状欠陥の少ない正常なものの
占める割合が非常に高いものであったのに対して、従来
のナイフ30では、MFR=74及びMFR=95のい
ずれの場合も相当な割合で形状欠陥を伴ったペレットが
含まれていた。 〔実験例2〕次に、本発明のナイフ7が従来のナイフの
うちいわゆる台形断面タイプのナイフ31に対してもよ
り優位性があるかどうかを検証すべく、FEM解析によ
る数値実験を行った。この解析は、一定速度の水流中に
ナイフを静止させた場合のナイフ周囲の水の圧力と速度
を、多数の要素に分割してFEMによって算出したもの
で、その結果を図10〜図13に示す。
分布を示し、図11は本発明のナイフ7の圧力分布を示
している。また、これらの図において、それぞれの領域
に示されている圧力数値の単位はkg/cm2 である。
図10から明らかなように、従来の台形ナイフ31で
は、前面35と背面36との稜線部分において大きな圧
力低下が発生し、この部分で水流に剥離が発生してい
る。この剥離の影響は後方まで延び、ナイフ31の後方
へ大きく低圧領域を発生させている。
に、本発明のナイフ31では、前面35が背面36に対
して稜線が現れないように連続しているので、上記の剥
離は生じておらず、このため、低圧領域はナイフ7の上
方で半円形に収まっており、後面37の後方へは延びて
いない。次に、図12は台形ナイフ31の速度分布を示
し、図13は本発明のナイフ7の速度分布を示してい
る。また、これらの図において、Uは水流の平均流速を
示している。従って、それぞれの領域の速度はその平均
流速Uの何倍であるかによって示している。
イフ31では、上記剥離に伴う乱流の発生の影響で、ナ
イフ31の回転方向後方に発生するナイフ31とほぼ同
じ速度の部分(速度が0〜0.16Uの領域:以下、同
速水流部分という)41がかなり長くなっている。従っ
て、従来のナイフ31の場合、この長い同速水流部分4
1によって常時押し出されてくる溶融樹脂4がなぎ倒さ
れる機会が多く、これによってペレット5の形状不良が
発生する確率が高くなっているものと考えられる。
明のナイフ7では、上記剥離がなくナイフ7の後方で殆
ど乱流が生じていないため、ナイフ4とともにダイプレ
ート付近を走行する同速水流部分41が極めて短くなっ
ている。従って、この場合には、同速水流部分41によ
って常時押し出されてくる溶融樹脂4がなぎ倒される機
会が殆どなくなり、ペレットの形状不良が発生する確率
が低下するものと考えられる。 〔同速水流部分の許容長さの決定〕上記のように、同速
水流部分41が小さくなればペレットの形状不良を解消
できることが分かっても、次に、その部分41がどの程
度の長さまで許容されるのかが明らかにする必要があ
る。そこで、ペレット5の形状不良が解消ないし希望通
りに低下できる同速水流部分41の許容長さを決定すべ
く、さらに実験を継続することにした。
のはペレット5の形状不良の判定基準である。そこで、
まず、図14に示すように、水流で全く乱されないで押
し出されてきた溶融樹脂5がナイフ7で切断される理想
状態を想定し、この場合の理想ペレットの最大代表長さ
をXと仮定する。なお、図14では、押し出し長さYが
幅Xよりも小さいので、幅Xを最大代表長さにしてい
る。
イフ7で切断される不良状態を想定し、この場合の異常
ペレットの最大代表長さをX’と仮定する。なお、図1
5では、伸び方向の長さX’が最も大きいのでこれを最
大代表長さにしている。そして、実際に造粒して得られ
たペレット5を100粒抽出してそれらの最大代表長さ
X’を測定してX’/Xの平均値を算出し、この平均値
の変動によって次のように評価することにした。
さの基準として、次のように定義される溶融樹脂4の押
出長さHを採用することにした。その理由は、次の押出
長さHが大きければ大きいほど溶融樹脂4が変形してペ
レット5の形状不良が発生しやすく、逆に、押出長さH
が小さければ小さいほど溶融樹脂4が変形せずにペレッ
ト5の形状不良が発生し難くなると考えられるからであ
る。
切断が行われるまでの間にダイプレートから押し出され
る溶融樹脂の押出長さ なお、この押出長さHは、次の式(3)で算出すること
ができる。
々に変化させて実際に造粒試験を繰り返し、同速水流部
分41の長さLと上記Hとの関係を調査したところ、次
の〔表2〕の結果を得た。なお、この造粒試験では、溶
融樹脂4のMFRは80に設定した。
分41の長さLが上記Hの4倍以内であれば、不可
(×)はなくペレット5の形状不良にさほど影響がなく
なることが判明した。また、好ましくは、同速水流部分
41の長さLが上記Hの2倍以内であれば、ナイフ速度
が20m/sの場合でも結果が良好になり、ペレット5
の形状不良が殆ど発生しなくなる。
うにカッター3の駆動手段21の回転速度を設定してお
けば、ペレット5の形状不良は取り合えず解消できる。
また、常にL≦2Hの関係が成立するようにカッター3
の駆動手段21の回転速度を設定しておけば、ペレット
5の形状を極めて良好に維持することができる。 〔実験例3〕次に、ナイフの断面形状が同速水流部分4
1の長さLに与える影響をより詳しく調査すべく、ナイ
フの断面形状を種々に変化させて、前記したFEM解析
による数値実験を行った。
たナイフの断面寸法の採り方を示している。このうち、
図16は、背面36が前面35及び後面37のいずれに
対しても交差しており、かつ、後面37がダイ2に対し
て垂直な従来の台形型ナイフ31を示している。この場
合、ナイフ31の外面で剥離が起きそうな点は、背面3
6と前面35との交点Qと、背面36と後面37の交点
Rであるから、これらの点における交差角度B及びDの
平均値が同速水流部分41の長さLに与える影響を調査
することにした。
さCが大きい場合もナイフ31の後方で乱流が発生しう
るから、この最大厚さCと内面39の最大距離Aとの比
が同速水流部分41の長さLに与える影響も調査するこ
とにした。一方、図17は、後面37が傾斜しており、
背面36が前面35及び後面37のいずれに対しても滑
らかに連続するように湾曲している本発明のナイフ7を
示している。そして、この場合、背面36が前面35及
び後面37のいずれに対しても滑らかに連続しているの
で、移行角度BとDはいずれも180°と評価すること
にした。なお、この数値実験では、前面35の傾斜角度
θは、45°の一定値に設定した。また、溶融樹脂4の
MFRは80で、その単位時間当たりの押出長さHは
2.5mmと仮定した。従って、この実験では、L≦4
×2.5mm=10mmとなり、同速水流部分41の長
さLが10mm以下の場合が合格値となる。
1〜8のナイフの断面形状を示している。また、図19
〜図22は、FEM解析による各番号1〜8のナイフの
同速水流部分41の分布状態を示しており、〔表3〕は
各番号1〜8のナイフの同速水流部分41の長さを表に
纏めたものである。
/sのときでも同速水流部分41の長さLを10mm以
下にできたのは、番号3〜4のナイフだけであった。ま
た、番号5のナイフの結果が良好であることから判るよ
うに、ナイフの背面が平坦な場合でも、(B+C)/2
とC/Aを適切な値に設定しておけば、同速水流部分4
1の長さLを短くできる。
用の水中カット造粒装置に装着して実際にペレット5を
作成し、その形状を前記した評価基準に基づいて評価し
た。これを纏めたものが次の〔表4〕である。なお、こ
の試験練りでは、上記数値解析のときの仮定と同様に、
溶融樹脂4はMFRが80のものを使用し、その単位時
間当たりの押出長さHは2.5mmに設定した。
うに、ペレット5の形状が良好(○)以上の評価を得る
には、同速水流部分41の長さLが4H以下になるよう
にナイフを回転させればよい。また、ナイフの回転速度
が10〜20m/sの高速の場合に同速水流部分41の
長さLを4H以下にするには、ナイフの形状を150°
≦(B+D)/2≦180°でかつC/A≦1.2に設
定しておけばよい。 〔実験例4〕図23及び図24は、最も標準的に用いら
れている従来の台形型ナイフ31と本発明のナイフ7と
の形状及び力学特性を対比的に表したものである。この
うち、図23の台形型ナイフ31では、(B+D)/2
=110°でかつC/A=1.4に設定されている。
(B+D)/2=180°でかつC/A=0.9に設定
されている。なお、図24のナイフ7では、溶融樹脂4
が押し出されないダイプレート2の回転方向中心側の部
分に対応する部分に、カッター機能を有する他の部分4
3よりも幅の広い部分44が設けられている。
ように、荷重がナイフ7の根元側で有効に受け持たれ
る。従って、図24の応力曲線に示すように、ナイフ7
のカッター面34に作用する応力を全体的に低減できる
とともに、図24の歪み曲線に示すように、ナイフ7先
端側の最大歪みも小さく抑えることができる。図25〜
図29は、同じ条件の下で図23の台形型ナイフ31
(STAND)と図24の本発明のナイフ7(NEW)
によって、MFRを種々に変化させてそれぞれ造粒した
場合のペレット5の拡大図である。
はいずれにもペレット5の形状不良はそれほど認められ
ない。しかし、図23の台形型ナイフ31では、MFR
=60〜85でもいびつなペレット5Aが多く混じり始
め、MFR=115(図28)に至っては相当数のペレ
ット5Aが形状不良に陥っていることが判る。これに対
して、図24の本発明のナイフ7では、MFR=115
(図28)の場合やMFR=155の場合でもペレット
5が形状不良が最小限に抑えられている。
の本発明のナイフ7とを水室1内で種々の回転数の下で
回転させ、キャビテーションの発生状況を調査してみた
ところ、図23の台形型ナイフ31では、ナイフ速度が
13.3m/sで既にキャビテーションにより気胞の発
生が見られ、19.0m/sに至っては水室1内が真っ
白になるほど気胞だらけになった。
では、ナイフ速度が13.3〜19.0m/sの範囲で
は気胞は全く発生せず、19.0m/sの下でも静水と
同じ程度の透明度が達成されることが確認された。とこ
ろで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではな
く、ナイフ形状の細部、カッター3に対するナイフ7の
取り付け数、水中カット造粒装置としての細部構成等は
適宜変更可能である。
用いることが限定されるものではなく、その材質も特に
限定されるものではない。
形状欠陥があるペレットの発生を可及的に抑制すること
ができる。
から見た側面図(図3のB−B線方向から見た図)であ
り、ダイから押し出された溶融樹脂を切断する様子を示
している。
ある。
ターを切断面側から見た図である。
ある。
ある。
ある。
見た図である。
る。
ト造粒装置の側面断面図である。
ナイフの圧力分布図である。
の圧力分布図である。
ナイフの速度分布図である。
の速度分布図である。
面図、(b)はその場合のペレットの平面図、(c)は
その場合のペレットの側面図である。
断面図、(b)はその場合のペレットの平面図、(c)
はその場合のペレットの側面図である。
及び最大距離Aの定義を示すためのナイフの断面図であ
る。
及び最大距離Aの定義を示すためのナイフの断面図であ
る。
た各番号1〜8のナイフの断面形状を示す図である。
分の分布図である。
分の分布図である。
分の分布図である。
分の分布図である。
と力学特性を表す図である。
を表す図である。
拡大図である。
拡大図である。
拡大図である。
の拡大図である。
の拡大図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 ダイ(2)から水室(1)内へ押し出さ
れる溶融樹脂(4)を当該ダイ(2)にナイフ(7)を
対向させた状態で回転させるカッター(3)により切断
して造粒する水中カット造粒装置において、 上記カッター(3)のナイフ(7)は、ダイ(2)正面
に向かって生じる旋回方向の水流を低速化するために、
当該ナイフ(7)のカッター面(34)からダイ(2)
側の内面(39)までの最大距離をA、当該ナイフ
(7)の最大厚さをCとしたとき、C≦1.2Aに設定
することにより、回転軸心方向の丈寸法(h)が薄く形
成されていることを特徴とする水中カット造粒装置。 - 【請求項2】 ダイ(2)から水室(1)内へ押し出さ
れる溶融樹脂(4)を当該ダイ(2)にナイフ(7)を
対向させた状態で回転させるカッター(3)により切断
して造粒する水中カット造粒装置において、 上記カッター(3)のナイフ(7)には、ダイ(2)へ
向く面とは反対向きの面(7a)に水流をダイ(2)へ
向けて引き込む方向へ導く山型誘導面(9)が形成され
ているとともに、ダイ(2)へ向く面(7b)に水流を
ダイ(2)へ押し付ける方向へ導く谷型誘導面(10)
が形成されていることを特徴とする水中カット造粒装
置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の水中カット造粒装置に
おいて、 前記ナイフ(7)は、ダイ(2)正面に沿って生じる旋
回方向の水流を低速化するために、当該ナイフ(7)の
カッター面(34)からダイ(2)側の内面(39)ま
での最大距離をA、当該ナイフ(7)の最大厚さをCと
したとき、C≦1.2Aに設定することにより、回転軸
心方向の丈寸法(h)が薄く形成されている。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水中カ
ット造粒装置において、 前記ナイフ(7)の断面形状は回転方向に沿った流線形
に形成されている。 - 【請求項5】 ダイプレート(2)の切断面(2b)に
対面するカッター面(34)と、回転方向後方に向かっ
て前記切断面(2b)とは反対側に傾斜した状態で前記
カッター面(34)の回転方向前縁から立ち上がってい
る前面(35)と、 この前面(35)の後端縁から実質的に回転方向後方に
延びる背面(36)と、 この背面(36)の後端縁に続く後面(37)と、 回転方向後方に向かって前記切断面(2b)とは反対側
に傾斜した状態で前記カッター面(34)の回転方向後
縁から立ち上がる傾斜部分(38)を有しかつ回転方向
後端縁が前記後面(37)に続く内面(39)と、 を備えている水中カット造粒装置に使用するナイフにお
いて、 前記後面(37)は回転方向後方に向かって切断面(2
b)側に傾斜して形成され、 前記前面(35)から前記背面(36)への移行角度を
B°、前記背面(36)から前記後面(37)への移行
角度をD°としたとき、 150°≦(B+D)/2≦180°となるように設定
されていることを特徴とする水中カット造粒装置に使用
するナイフ。 - 【請求項6】 ダイプレート(2)の切断面(2b)に
対面するカッター面(34)と、 回転方向後方に向か
って前記切断面(2b)とは反対側に傾斜した状態で前
記カッター面(34)の回転方向前縁から立ち上がって
いる前面(35)と、 この前面(35)の後端縁から実質的に回転方向後方に
延びる背面(36)と、 この背面(36)の後端縁に続く後面(37)と、 回転方向後方に向かって前記切断面(2b)とは反対側
に傾斜した状態で前記カッター面(34)の回転方向後
縁から立ち上がる傾斜部分(38)を有しかつ回転方向
後端縁が前記後面(37)に続く内面(39)と、 を備えている水中カット造粒装置に使用するナイフにお
いて、 前記カッター面(34)から前記内面(39)までの最
大距離をA、前記ナイフ(7)の最大厚さをCとしたと
き、C≦1.2Aに設定されていることを特徴とする水
中カット造粒装置に使用するナイフ。 - 【請求項7】 請求項5に記載のナイフにおいて、 前記カッター面(34)から前記内面(39)までの最
大距離をA、前記ナイフ(7)の最大厚さをCとしたと
き、C≦1.2Aに設定されている。 - 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載のナイフ
において、 前記後面(37)と前記内面(39)との交線部分がナ
イフエッジ(E)に形成されている。 - 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載のナイフ
において、 前記カッター面(34)は、溶融樹脂(4)が押し出さ
れない前記ダイプレート(2)の切断面(2b)の回転
方向中心側の部分に対応する部分に、カッター機能を有
する他の部分(43)よりも幅の広い部分(44)を備
えている。 - 【請求項10】 請求項5〜9のいずれかに記載のナイ
フにおいて、 前記背面(36)は、前記前面(35)及び後面(3
7)との間で稜線が明瞭には現れないように前記切断面
(2b)とは反対側に膨らんだ湾曲面状に形成されてい
る。 - 【請求項11】 請求項5〜9のいずれかに記載のナイ
フにおいて、 前記背面(36)は、前記前面(35)及び後面(3
7)との間で稜線を介して交差する平面状に形成されて
いる。 - 【請求項12】 ダイプレート(2)から水室(1)内
に押し出されてきた溶融樹脂(4)を、同プレート
(2)の切断面(2b)に対面して回転するナイフ
(7)によって切断し、その切断片を前記水室(1)内
で冷却させてペレット(5)を得るようにした水中カッ
ト造粒方法において、 前記ナイフ(7)の回転方向後側に形成されかつ同ナイ
フ(7)と実質的に同じ速さで前記ダイプレート(2)
付近を走行する同速水流部分(41)の回転方向長さを
L、 前記ナイフ(7)で切断された後に次のナイフ(7)で
切断が行われるまでの間に前記ダイプレート(2)から
押し出される前記溶融樹脂(4)の押出長さをHとした
とき、 L≦4Hとなるように前記ナイフ(7)の回転速度を設
定しながら前記溶融樹脂(4)の切断を行うことを特徴
とする水中カット造粒方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載の水中カット造粒方
法において、 前記ナイフ(7)は、請求項5〜11のいずれかに記載
のナイフが使用されている。 - 【請求項14】 多数のダイ孔(2a)を有するダイプ
レート(2)と、このダイプレート(2)の切断面(2
b)を取り囲むように形成された水室(1)と、この水
室(1)内に回転自在に収納されたナイフホルダー(3
2)と、このナイフホルダー(32)を一定方向に回転
駆動させる駆動手段(21)と、前記ナイフホルダー
(32)に取り付けられた複数本のナイフ(7)と、を
備えている水中カット造粒装置において、 前記ナイフ(7)の回転方向後側に形成されかつ同ナイ
フ(7)と実質的に同じ速さで前記ダイプレート(2)
付近を走行する同速水流部分(41)の回転方向長さを
L、 前記ナイフ(7)で切断された後に次のナイフ(7)で
切断が行われるまでの間に前記ダイプレート(2)から
押し出される前記溶融樹脂(4)の押出長さをHとした
とき、 L≦4Hとなるように前記駆動手段(21)による前記
ナイフ(7)の回転速度を設定する設定手段(28)を
備えていることを特徴とする水中カット造粒装置。 - 【請求項15】 請求項14に記載の水中カット造粒装
置において、 前記ナイフ(7)は、請求項5〜11のいずれかに記載
のナイフが使用されている。
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