JP2900688B2 - リミッタ回路 - Google Patents

リミッタ回路

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JP2900688B2
JP2900688B2 JP4066456A JP6645692A JP2900688B2 JP 2900688 B2 JP2900688 B2 JP 2900688B2 JP 4066456 A JP4066456 A JP 4066456A JP 6645692 A JP6645692 A JP 6645692A JP 2900688 B2 JP2900688 B2 JP 2900688B2
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transistors
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リミッタ回路に関し、
特にリミッタ電圧を任意に設定するリミッタ回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のリミッタ回路としては、図3に示
すような回路が広く用いられている。図3に示すリミッ
タ回路は、差動対を構成するトランジスタQ20,Q2
1のベースを夫々入力端子VINとし、トランジスタQ2
0,Q21のコレクタ間に極性が相互に逆になるように
接続される2つのダイオードD7,D8が接続されてい
る。また、トランジスタQ20,Q21のコレクタに
は、負荷抵抗RLが夫々接続されている。
【0003】図3に示すリミッタ回路において、X,Y
点における電位を夫々Vx,Vyとする。入力端子VIN
に入力信号einが無いときは、差動対を構成するトラン
ジスタQ20,Q21には夫々等しい電流Iが流れるた
め、Vx=Vyとなり、ダイオードD7,D8の両端の
電位は等しいためダイオードD7,D8は導通せず平衡
状態となる。
【0004】入力端子VINに入力信号einが印加されて
トランジスタQ20に流れる電流がI+iに増加し、ト
ランジスタQ21に流れる電流がIーiに減少したとす
る。ここでiは、入力信号einにより変化した交流電流
成分である。従って、X,Y点における電位Vx,Vy
は、下記数式1,数式2で表わされる。
【0005】
【数1】Vx=Vcc−RL(I+i)
【0006】
【数2】Vy=Vcc−RL(I−i)
【0007】また、ダイオードD8の接合電圧をVD
(D8)とすると、ダイオードD8が導通を始め、リミ
ッティング作用を始める条件は、下記数式3で表わされ
る。
【0008】
【数3】Vy−Vx=VD(D8)
【0009】出力端子Voutから得られるリミッタ電圧
eoはVy−Vxであるので、下記数式4で表わされ
る。
【0010】
【数4】eo=Vy−Vx=2iRL=VD(D8)
【0011】次に、入力信号einの極性が反転してトラ
ンジスタQ20に流れる電流がI−iに減少し、トラン
ジスタQ21に流れる電流がI+iに増加したとする。
ダイオードD7の接合電圧をVD(D7)とすると、前
述の場合と同様に出力端子Voutから得られるリミッタ
電圧eoは、下記数式5で表わされる。
【0012】
【数5】eo=−2iRL=−VD(D7)
【0013】従って、VD(D7)=VD(D8)=VD
となるようにダイオードD7,D8を選定すれば、出力
端子Voutから得られるダブル出力でのリミッタ電圧eo
p-pは、下記数式6で表わされる。
【0014】
【数6】eop-p=|2iRL|=VD
【0015】以上説明したように、図3に示すリミッタ
回路では、リミッタ電圧eoはダイオードの接合電圧VD
により固定されるので、リミッタ電圧を任意に設定する
ことはできない。
【0016】一般には、ダイオードの接合電圧VDは
0.8V程度であるので、リミッタ電圧eoは0.8V
程度となる。ここで、ダイオードの接合電圧VDは、下
記数式7で表わされる。
【0017】
【数7】VD=kT/q・ln(IK/IS)
【0018】ここで、qは電子の素電荷、kはボルツマ
ンの定数、Tは接合温度、IKはダイオードのカソード
電流、ISはダイオードの飽和電流である。従って、ダ
イオードの接合電圧VDは、温度の変化に比例する特性
を持ち、通常、1.5mV/℃程度である。このため図
3に示すリミッタ回路におけるリミッタ電圧eoは温度
により大きく変動するという欠点がある。上述のリミッ
タ電圧を任意に設定することができない欠点、及びリミ
ッタ電圧が温度特性により変動してしまう欠点を改善す
べく幾つかの方法が提案されている(例えば特公平3−
16803号公報)。
【0019】従来、特公平3−16803号公報にも記
載されている例えば図4に示すようなリミッタ回路が提
案されている。図4に示す従来のリミッタ回路は、ベー
スが夫々入力端子VINに接続されエミッタが共通に接続
されて差動対を構成するトランジスタQ17,Q18
と、トランジスタQ17,Q18のエミッタに接続され
2Iの定電流を流す定電流源S6と、抵抗RL1,RL2
とで構成される差動増幅器を備え、更にスイッチング用
のトランジスタQ16,Q19と抵抗RBとを備えてい
る。
【0020】図4に示すリミッタ回路において、トラン
ジスタQ16,Q19のベース・エミッタ間電圧を夫々
VBE(Q16),VBE(Q19)とし、VBE(Q16)
=VBE(Q19)=VBEとなるようにトランジスタQ1
6,19を選定すれば、出力端子Voutから得られるリ
ミッタ電圧eo、出力端子Voutから得られるダブル出力
でのリミッタ電圧eop-pは、下記数式8,数式9で表わ
される。
【0021】
【数8】 eo=2RL1(VBE−RBI)/(2RL1+2RL2+RB)
【0022】
【数9】 eop-p=4RL1(VBE−RBI)/(2RL1+2RL2+RB)
【0023】このようにリミッタ電圧は抵抗RL1,RL
2,RB及び定電流源S6の電流値2Iの組合せにより任
意に設定することができる。また、IC基板上に形成さ
れた同種の抵抗における相対比のずれは通常数パーセン
ト程度であり、定電流源S6を例えばバンドギャップレ
ギュレータ等の定電圧源と抵抗とにより構成すれば、抵
抗比又は抵抗値と電流との積の項の温度特性は殆ど無視
することができ、温度特性の影響が残るのはリミッタ電
圧eoの項の内でベース・エミッタ間電圧VBEに関係す
る項の2RL1・VBE/(2RL1+2RL2+RB)であ
る。
【0024】すでに述べたように、ベース・エミッタ間
電圧VBEは温度特性をもっており、図4に示す従来のリ
ミッタ回路と図3に示す従来のリミッタ回路とを比較す
れば、図4に示すリミッタ回路におけるリミッタ電圧の
温度変動は少ない。例えば、RL1=RL2=2KΩ、RB
=500Ωとすると、図4に示すリミッタ回路における
リミッタ電圧の温度変動値は、下記数式10で表わされ
る。
【0025】
【数10】 2RL1/(2RL1+2RL2+RB)=0.47
【0026】従って、図3に示すリミッタ回路に比べて
ベース・エミッタ間電圧VBEの温度特性による影響は約
2分の1に低減できる。しかし、依然としてベース・エ
ミッタ間電圧VBEの温度特性による影響は残っている。
また、リミッタ電圧eoは、上記数式8のように表わさ
れ、2RL1/(2RL1+2RL2+RB)<1であるの
で、下記数式11で表わされる。
【0027】
【数11】 eo=2RL1(VBE−RBI)/(2RL1+2RL2+RB)<VBE
【0028】従って、リミッタ電圧eoは、接合電圧VB
Eの値を越える値に設定することはできない。
【0029】他の従来例としては、特公平3−1680
3号公報にも記載されている例えば図5に示すようなリ
ミッタ回路が提案されている。図5に示す従来のリミッ
タ回路は、ベースが夫々入力端子VINに接続されエミッ
タが共通に接続されて差動対を構成するトランジスタQ
12,Q13と、トランジスタQ12,Q13のエミッ
タに接続され2Iの定電流を流す定電流源S5と、トラ
ンジスタQ9,Q10と、抵抗RLとで構成される差動
増幅器を備え、更に、スイッチング用のトランジスタQ
11,Q14と抵抗RBとを備えている。
【0030】図5に示すリミッタ回路において、P,
S,T,U点における電位を夫々Vp,Vs,Vt,V
uとする。入力端子VINに入力信号einが無いときは、
差動対を構成するトランジスタQ12,Q13には夫々
等しい電流Iが流れるため、Vp=Vt,Vs=Vuと
なり平衡状態となる。次に、入力端子VINに入力信号e
inが印加されて、トランジスタQ12,Q9に流れる電
流がI+iに増加し、トランジスタQ13,Q10に流
れる電流がIーiに減少したとする。ここでiは、入力
信号einにより変化した交流電流成分である。トランジ
スタQ9,Q14のベース・エミッタ間電圧を夫々VBE
(Q9),VBE(Q14)とすれば、P,T,U点にお
ける電位Vp,Vt,Vuは、下記数式12〜数式14
で表わされる。
【0031】
【数12】Vp=Vcc−(I+i)RL
【0032】
【数13】Vt=Vcc−(I−i)RL
【0033】
【数14】Vu=Vcc−(I−i)(RL+RB)
【0034】また、トランジスタQ14が導通を始め、
リミッティング作用が始める条件は、下記数式15で表
わされる。
【0035】
【数15】Vu−Vp+VBE(Q9)=VBE(Q14)
【0036】そして、VBE(Q9)=VBE(Q14)と
なるようにトランジスタQ9,Q14を選定すれば、入
力信号einにより変化した交流電流成分iは、下記数式
16で表わされる。
【0037】
【数16】i=I・RB/(2RL+RB)
【0038】出力端子Voutから得られるリミッタ電圧
eoは、下記数式17で表わされる。
【0039】
【数17】 eo=Vt−Vp=2iRL=2I・RB・RL/(2RL+RB)
【0040】入力信号einの極性が反転してトランジス
タQ12,Q9に流れる電流がI−iに減少し、トラン
ジスタQ13,Q10に流れる電流がI+iに増加した
とすると、前述の場合と同様にトランジスタQ10,Q
11のベース・エミッタ間電圧を夫々VBE(Q10),
VBE(Q11)とすれば、トランジスタQ11が導通を
始め、リミッティング作用が始める条件は、下記数式1
8で表わされる。
【0041】
【数18】 Vs−Vt+VBE(Q10)=VBE(Q11)
【0042】そして、VBE(Q10)=VBE(Q11)
となるようにトランジスタQ10,Q11を選定すれ
ば、出力端子Voutから得られるリミッタ電圧eoは、下
記数式19で表わされる。
【0043】
【数19】 eo=−2iRL=−2I・RB・RL/(2RL+RB)
【0044】従って、出力端子Voutから得られるダブ
ル出力でのリミッタ電圧eop-pは、下記数式20で表わ
される。
【0045】
【数20】 eop-p=|2iRL|×2=4I・RB・RL/(2RL+RB)
【0046】リミッタ電圧eoは、RB,RL,Iにより
決るため、これらの値の組み合わせにより任意のリミッ
タ電圧に設定することができる。また、IC基板上に形
成された同種の抵抗における相対比のずれは通常数パー
セント程度であり、電流2Iを供給する定電流源S5を
例えばバンドギャップレギュレータ等の定電圧源と抵抗
とにより構成すれば、温度特性を殆ど無視することがで
きるリミッタ電圧が得られる。
【0047】以上説明したように、図5に示す従来のリ
ミッタ回路では、リミッティング作用を始める入力電圧
とリミッタ電圧とは抵抗RB,RLの組み合わせにより任
意に選ぶことができ、かつ接合電圧の温度特性によらな
いリミッタ電圧を得ることができる。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のリミッタ回路では、トランジスタQ12,Q9
に流れる電流がI+iに増加し、トランジスタQ13,
Q10に流れる電流がI−iに減少し、トランジスタQ
14が導通した状態において、トランジスタQ9のコレ
クタ・エミッタ間電圧VCE(Q9)は、下記数式21で
表わされる。
【0049】
【数21】 VCE(Q9)=Vs−Vu+VBE(Q14) =−2RLi−2RBI/(2RL+RB)+VBE(Q14)
【0050】ここで、2RLiはリミッタ電圧eoである
から、上記数式21は、下記数式22で表わされる。
【0051】
【数22】 eo=VBE(Q14)−VCE(Q9)−2RBI/(2RL+RB)
【0052】リミッタ電圧eoは、上記数式19に表わ
されているように抵抗RL,RB及び電流Iの値で決るた
め、リミッタ電圧eoを大きくとるためには抵抗RLの値
を抵抗RBの値に比べて大きく選ぶ必要がある。抵抗RL
の値を抵抗RBの値に比べて大きく選べば、数式22に
おける2RBI/(2RL+RB)の項は無視できるの
で、リミッタ電圧eoは、下記数式23で表わされる。
【0053】
【数23】eo≒VBE(Q14)−VCE(Q9)
【0054】トランジスタQ12,Q9に流れる電流が
I−iに減少し、トランジスタQ13,Q10に流れる
電流がI+iに増加し、トランジスタQ11が導通した
状態においても同様に、リミッタ電圧eoは、下記数式
24で表わされる。
【0055】
【数24】eo≒VBE(Q11)−VCE(Q10)
【0056】一般には、トランジスタのベース・エミッ
タ間電圧は約0.8V、トランジスタが飽和しない最小
のコレクタ・エミッタ間電圧は0.3V程度であるの
で、リミッタ電圧eoは最大でも0.5V程度となる。
従って、図5に示すような従来のリミッタ回路では、大
きなリミッタ電圧を得ることができないという欠点があ
る。
【0057】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、リミッタ電圧を任意に設定することがで
き、かつダブル出力で2Vを越えるような大きなリミッ
タ電圧を得ることができるリミッタ回路を提供すること
を目的とする。
【0058】
【課題を解決するための手段】本発明に係るリミッタ回
路は、入力信号が夫々のベースに供給されエミッタが共
通に接続された第1及び第2のトランジスタから構成さ
れる差動対と、この差動対の共通エミッタに接続される
第1の定電流源と、前記第2のトランジスタのコレクタ
にエミッタが接続される第のトランジスタと、前記第
1のトランジスタのコレクタにエミッタが接続される第
のトランジスタと、前記第3のトランジスタのコレク
タに一端が接続され第1の電源に他端が接続される第1
の抵抗と、前記第4のトランジスタのコレクタに一端が
接続され前記第1の電源に他端が接続される第2の抵抗
と、前記第1のトランジスタのコレクタと前記第3のト
ランジスタのコレクタとの間に接続される1つ又は複数
の第1のダイオードと、前記第2のトランジスタのコレ
クタと前記第4のトランジスタのコレクタとの間に接続
される1つ又は複数の第2のダイオードと、前記第3及
び第4のトランジスタのベースに接続され前記第3及び
第4のトランジスタのベース電位をバイアス時において
前記第3及び第4のトランジスタを遮断する電位であり
かつ前記第3及び第4のトランジスタのコレクタのバイ
アス電位より一定電圧だけ低い電位に設定するバイアス
回路とを有することを特徴とする。
【0059】
【作用】本発明に係るリミッタ回路においては、差動対
を構成する第1及び第2のトランジスタにおける夫々の
コレクタと負荷抵抗である第1及び第2の抵抗との間に
夫々第1及び第2のダイオードを設け、スイッチイング
用のトランジスタである第3及び第4のトランジスタに
おけるベース電位は、定常状態において第3及び第4の
トランジスタを遮断する電位でありかつ第3及び第4の
トランジスタのコレクタのバイアス電位より一定電圧だ
け低い電位とすることにより、リミッタ電圧を任意に設
定することができ、かつトランジスタのベース・エミッ
タ間電圧VBEの温度特性に依存しないリミッタ電圧を得
ることができると共に、リミッタ電圧設定の自由度が増
し、更に、大きなリミッタ電圧を得ることができる。ま
た、本発明に係るリミッタ回路におけるリミッタ電圧
は、第3及び第4のトランジスタのバイアス回路におけ
る抵抗及び電流値、即ちスイッチイング用のトランジス
タのバイアス回路における抵抗での電圧降下の値で決る
ので、出力端子におけるバイアスとリミッタ電圧とを別
個に設定することができ、他の機能回路と共にIC化す
る際の設計が容易なリミッタ回路にするができる。
【0060】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。
【0061】図1は、本発明の第1の実施例に係るリミ
ッタ回路を示す回路図である。図1に示すように、本第
1の実施例に係るリミッタ回路は、ベースが夫々入力端
子VINに接続されエミッタが共通に接続されて差動対を
構成するトランジスタQ1,Q2と、トランジスタQ
1,Q2のエミッタに接続され2Iの定電流を流す定電
流源S1と、トランジスタQ1のコレクタにカソードが
接続されるダイオードD2と、ダイオードD2のアノー
ドにカソードが接続されるダイオードD1と、トランジ
スタQ2のコレクタにカソードが接続されるダイオード
D4と、ダイオードD4のアノードにカソードが接続さ
れるダイオードD3と、ダイオードD1及びD3のアノ
ードに夫々一端が接続され電源Vccに他端が夫々接続
される負荷抵抗RLとにより構成される差動増幅器を備
え、更に、コレクタがダイオードD1のアノードに接続
されエミッタがトランジスタQ2のコレクタに接続され
るスイッチング用のトランジスタQ3と、コレクタがダ
イオードD3のアノードに接続されエミッタがトランジ
スタQ1のコレクタに接続されるスイッチング用のトラ
ンジスタQ4とを備え、更に、ダイオードD1及びD3
のアノードに夫々接続される抵抗RAと、ベースが抵抗
RAに接続されコレクタが電源Vccに接続されるトラ
ンジスタQ5と、一端がトランジスタQ5のエミッタに
接続され他端がトランジスタQ3,Q4のベースに共通
に接続される抵抗Rと、トランジスタQ3,Q4のベー
スに接続されI0の定電流を流す定電流源S2とにより
構成されるバイアス回路を備えている。
【0062】次に、上述の如く構成された第1の実施例
に係るリミッタ回路の動作について説明する。図1に示
すリミッタ回路におけるA,B,C,D,E,F点の電
位を夫々Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vfとする。
入力端子VINに入力信号einが無いときは、差動対を構
成するトランジスタQ1,Q2に流れる電流は等しく、
2つの負荷抵抗RLに流れる電流も等しいので、Va=
Vc,Vb=Vdとなる。そして、Va=Vcであるか
ら抵抗RAには電流が流れずVa=Vc=Veとなる。
ダイオードD1,D2,D3,D4の接合電圧を夫々V
D1,VD2,VD3,VD4とし、トランジスタQ3,Q4,
Q5のベース・エミッタ間電圧を夫々VBE(Q3),V
BE(Q4),VBE(Q5)とすると、電位Vb,Vf
は、夫々下記数式25,数式26で表わされる。
【0063】
【数25】Vb=Va−VD1−VD2
【0064】
【数26】Vf=Ve−VBE(Q5)−RI0
【0065】ここで、VBE(Q5)=VD1=VD2=VD
となるようにダイオードD1,D2を選定すれば、電位
Vfと電位Vbとの差は、下記数式27で表わされる。
【0066】
【数27】Vf−Vb=Vd−RI0 < Vd
【0067】従って、トランジスタQ4は導通しない。
同様にして、トランジスタQ3も導通せず平衡状態とな
る。
【0068】次に、入力端子VINに入力信号einが印加
され、トランジスタQ1に流れる電流がI+iに増加
し、トランジスタQ21に流れる電流がI−iに減少し
たとする。ここで、iは、入力信号einにより変化した
交流電流成分である。電位Va,Vb,Vc,Vfは、
夫々下記数式28〜数式31で表わされる。
【0069】
【数28】Va=Vcc−RL(I+i)
【0070】
【数29】Vb=Vcc−RL(I+i)−VD1−VD2
【0071】
【数30】Vc=Vcc−RL(I−i)
【0072】
【数31】Vf=Ve−VBE(Q5)−RI0
【0073】トランジスタQ4が導通を始めリッミッテ
ィング作用が始る条件は、下記数式32で表わされる。
【0074】
【数32】Vf−Vb=VBE(Q4)
【0075】VBE(Q5)=VBE(Q4)=VD1=VD2
=VDとなるようにトランジスタQ5,Q4及びダイオ
ードD1,D2を選定すれば、i=RI0/RLとなり、
出力端子Voutから得られるリミッタ電圧eoは、下記数
式33で表わされる。
【0076】
【数33】eo=Vc−Va=2iRL=2RI0
【0077】次に、入力信号einの極性が反転してトラ
ンジスタQ1に流れる電流がI−iに減少し、トランジ
スタQ2に流れる電流がI+iに増加したとする。トラ
ンジスタQ3が導通を始めリッミッティング作用が始る
条件は、下記数式34で表わされる。
【0078】
【数34】Vf−Vb=VBE(Q3)
【0079】VBE(Q5)=VBE(Q3)=VD3=VD4
=VDとなるようにトランジスタQ5,Q3及びダイオ
ードD3,D4を選定すれば、出力端子Voutから得ら
れるリミッタ電圧eoは、下記数式35で表わされる。
【0080】
【数35】 eo=−2iRL=−2IRBRL/(2RL+RB)
【0081】従って、出力端子Voutから得られるダブ
ル出力でのリミッタ電圧eop-pは、下記数式36で表わ
される。
【0082】
【数36】eop-p=|2iRL|×2=4RI0
【0083】これらにより、リミッタ電圧eoは、抵抗
Rと定電流源S2が供給する電流値I0との組合せによ
り任意に設定することができ、接合電圧の温度特性には
よらないことがわかる。IC基板上に形成された同種の
抵抗における相対比のずれは通常数パーセント程度であ
るので、電流I0を供給する定電流源S2を例えばバン
ドギャップレギュレータ等の定電圧源と抵抗とにより構
成すれば、温度特性が殆ど無視することができるリミッ
タ電圧eoが得られる。また、リミッタ電圧eoは、差動
対を構成するトランジスタQ1,Q2が飽和しない範囲
で大きな値を得ることができ、大振幅のリミッタ電圧を
取り出すことができる。
【0084】一例として図1に示す本第1の実施例に係
るリミッタ回路において、電源電圧Vccを9V、負荷
抵抗RLを1.5KΩ、抵抗RAを30KΩ、抵抗Rを1
0KΩ、定電流源S1の供給する電流値Iを2mA,定
電流源S2の供給する電流値I0を50μA,入力端子
VINに印加される入力信号einのバイアス電圧を3Vと
すると、リミッタ電圧eoは、下記数式37で表わされ
る。
【0085】
【数37】eo=2RI0= 1 (V)
【0086】また、ダブル出力でのリミッタ電圧eop-p
は、2Vとなる。
【0087】図2は、本発明の第2の実施例に係るリミ
ッタ回路を示す回路図である。本第2の実施例に係るリ
ミッタ回路において、図1に示すリミッタ回路に対して
異なる構成部分は、スイッチング用のトランジスタQ
7,Q8に対するベース電圧バイアス回路を構成する部
分である。図1に示すリミッタ回路では、抵抗RAとト
ランジスタQ5と抵抗Rと定電流源S2とによりベース
電圧バイアス回路を構成しているが、本第2の実施例に
係るリミッタ回路は、抵抗RL3,R及び定電流I1を供
給する定電流源S4によりベース電圧バイアス回路を構
成している。
【0088】この第2の実施例に係るリミッタ回路の動
作も、第1の実施例に係るリミッタ回路の動作と同様に
なる。定電流源S4が供給する電流値I1を下記数式3
8で表わすように設定する。
【0089】
【数38】I1=(RL1+RL2)I/RL3
【0090】これにより、出力端子Voutから得られる
リミッタ電圧eo及びダブル出力でのリミッタ電圧eop-
pは、下記数式39,数式40で表わされる。
【0091】
【数39】eo=2RI1 RL1/(RL1+RL2)
【0092】
【数40】eop-p=4RI1 RL1/(RL1+RL2)
【0093】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るリミッ
タ回路によれば、差動対を構成するトランジスタのコレ
クタと負荷抵抗との間にダイオードを設け、スイッチイ
ング用トランジスタのベースには定バイアスを与えて動
作させるようにしたので、リミッタ電圧を任意に設定す
ることができ、かつベース・エミッタ間電圧VBEの温度
特性に依存しないリミッタ電圧を得ることができると共
に、リミッタ電圧設定の自由度が増し、更に、大きなリ
ミッタ電圧を得ることができる。また、リミッタ電圧は
スイッチイング用トランジスタのバイアス回路における
抵抗及び電流値、即ちスイッチイング用トランジスタの
バイアス回路における抵抗Rでの電圧降下の値で決るの
で、出力端子におけるバイアスとリミッタ電圧とを別個
に設定することができ、他の機能回路と共にIC化する
際の設計が容易なリミッタ回路を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るリミッタ回路を示
す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るリミッタ回路を示
す回路図である。
【図3】従来のリミッタ回路の第1の例を示す回路図で
ある。
【図4】従来のリミッタ回路の第2の例を示す回路図で
ある。
【図5】従来のリミッタ回路の第3の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
Q1,Q2,Q3,Q4 ;トランジスタ RL ;負荷抵抗 RA,R ;抵抗 D1,D2,D3,D4 ;ダイオード S1,S2 ;定電流源

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号が夫々のベースに供給されエミ
    ッタが共通に接続された第1及び第2のトランジスタか
    ら構成される差動対と、この差動対の共通エミッタに接
    続される第1の定電流源と、前記第2のトランジスタの
    コレクタにエミッタが接続される第のトランジスタ
    と、前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタが接
    続される第のトランジスタと、前記第3のトランジス
    タのコレクタに一端が接続され第1の電源に他端が接続
    される第1の抵抗と、前記第4のトランジスタのコレク
    タに一端が接続され前記第1の電源に他端が接続される
    第2の抵抗と、前記第1のトランジスタのコレクタと前
    記第3のトランジスタのコレクタとの間に接続される1
    つ又は複数の第1のダイオードと、前記第2のトランジ
    スタのコレクタと前記第4のトランジスタのコレクタと
    の間に接続される1つ又は複数の第2のダイオードと
    記第3及び第4のトランジスタのベースに接続され前
    記第3及び第4のトランジスタのベース電位をバイアス
    において前記第3及び第4のトランジスタを遮断する
    電位でありかつ前記第3及び第4のトランジスタのコレ
    クタのバイアス電位より一定電圧だけ低い電位に設定す
    バイアス回路とを有することを特徴とするリミッタ回
    路。
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