JP2883562B2 - 小型滑走艇の抵抗抑制装置 - Google Patents
小型滑走艇の抵抗抑制装置Info
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- JP2883562B2 JP2883562B2 JP7254746A JP25474695A JP2883562B2 JP 2883562 B2 JP2883562 B2 JP 2883562B2 JP 7254746 A JP7254746 A JP 7254746A JP 25474695 A JP25474695 A JP 25474695A JP 2883562 B2 JP2883562 B2 JP 2883562B2
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T70/00—Maritime or waterways transport
- Y02T70/10—Measures concerning design or construction of watercraft hulls
Landscapes
- Exhaust Silencers (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型滑走艇の船底
に突出して設けられるストリップの後端の後方に生じる
圧力低下に起因する圧力抵抗を減少させるとともに、船
底と外部水流間の摩擦抵抗を減少させて、最大船速のア
ップや加速性能の向上を図ることのできる抵抗抑制装置
に関する。
に突出して設けられるストリップの後端の後方に生じる
圧力低下に起因する圧力抵抗を減少させるとともに、船
底と外部水流間の摩擦抵抗を減少させて、最大船速のア
ップや加速性能の向上を図ることのできる抵抗抑制装置
に関する。
【０００２】
【従来の技術】モータボートやパーソナルウオーターク
ラフトなどの小型滑走艇においては、船体の前後方向に
延びて直進安定性と浮力を向上させるスプレーストリッ
プ（以下、ストリップという）が船底に突出して形成さ
れる（特開昭６１−５７４７７号参照）。そのストリッ
プの後端位置は、走行時の船体の好ましい姿勢から決め
られるが、最適後端位置が船尾よりも前方寄りとなった
場合、ストリップの後端後方の船底に圧力低下領域が発
生して走行時の圧力抵抗となる。この圧力抵抗を減少さ
せる対策としては、ストリップを後端最適位置付近で、
その後方へ断面形状を細く絞って延長するのが一般的で
ある。
ラフトなどの小型滑走艇においては、船体の前後方向に
延びて直進安定性と浮力を向上させるスプレーストリッ
プ（以下、ストリップという）が船底に突出して形成さ
れる（特開昭６１−５７４７７号参照）。そのストリッ
プの後端位置は、走行時の船体の好ましい姿勢から決め
られるが、最適後端位置が船尾よりも前方寄りとなった
場合、ストリップの後端後方の船底に圧力低下領域が発
生して走行時の圧力抵抗となる。この圧力抵抗を減少さ
せる対策としては、ストリップを後端最適位置付近で、
その後方へ断面形状を細く絞って延長するのが一般的で
ある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ストリップの
後部を細く絞って後方へ延長する構成では、その延長部
のために摩擦抵抗が増大し、最大船速のアップや加速性
能を向上させる上で効果がうすい。
後部を細く絞って後方へ延長する構成では、その延長部
のために摩擦抵抗が増大し、最大船速のアップや加速性
能を向上させる上で効果がうすい。
【０００４】本発明は上述のような実情に鑑みてなされ
たもので、ストリップの後部を細く絞って延長すること
なく、ストリップ後端の後方で発生する抵抗を十分に減
少させて、最大船速のアップや加速性能の向上を図るこ
とのできる小型滑走艇の抵抗抑制装置を提供することを
目的とする。
たもので、ストリップの後部を細く絞って延長すること
なく、ストリップ後端の後方で発生する抵抗を十分に減
少させて、最大船速のアップや加速性能の向上を図るこ
とのできる小型滑走艇の抵抗抑制装置を提供することを
目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一構成に係る小型滑走艇の抵抗抑制装置
は、船底に突出して設けられ船体の前後方向に延びて直
進安定性と浮力を向上させる細長いストリップと、該ス
トリップの後端の後方で船底に設けられて空気を水中に
放出する放出口と、前記後方の空間の圧力低下を利用し
て、エンジンを収納するエンジン室内の空気を吸収し前
記放出口に導く放出ダクトとを備え、 前記放出口は船底
の中心線から一側方へ変位して位置しており、前記放出
ダク トは、エンジン室内における前記中心線から他側方
へ変位した位置に吸込口を有している。
に、本発明の一構成に係る小型滑走艇の抵抗抑制装置
は、船底に突出して設けられ船体の前後方向に延びて直
進安定性と浮力を向上させる細長いストリップと、該ス
トリップの後端の後方で船底に設けられて空気を水中に
放出する放出口と、前記後方の空間の圧力低下を利用し
て、エンジンを収納するエンジン室内の空気を吸収し前
記放出口に導く放出ダクトとを備え、 前記放出口は船底
の中心線から一側方へ変位して位置しており、前記放出
ダク トは、エンジン室内における前記中心線から他側方
へ変位した位置に吸込口を有している。
【０００６】この構成によれば、走行時に船底における
ストリップの後端の後方で生じる圧力低下により吸引さ
れて、エンジン室内の空気が放出ダクトからストリップ
の後端の後方の放出口より水中に放出されるので、船底
の圧力抵抗と摩擦抵抗が減少し、エンジン室内の換気も
なされる。これとともに、船体が傾いて一方の放出ダク
トの吸込口が吃水より下位になっても、その放出口は吃
水よりも上位となるため、放出孔から放出ダクトを経て
エンジン室内に水が侵入しない。また、他方の放出ダク
トの放出口は吃水よりも下位になるが、その吸込口は吃
水よりも上位となるため、放出ダクト内の水が吸込口か
らエンジン室内へ侵入するおそれはない。
ストリップの後端の後方で生じる圧力低下により吸引さ
れて、エンジン室内の空気が放出ダクトからストリップ
の後端の後方の放出口より水中に放出されるので、船底
の圧力抵抗と摩擦抵抗が減少し、エンジン室内の換気も
なされる。これとともに、船体が傾いて一方の放出ダク
トの吸込口が吃水より下位になっても、その放出口は吃
水よりも上位となるため、放出孔から放出ダクトを経て
エンジン室内に水が侵入しない。また、他方の放出ダク
トの放出口は吃水よりも下位になるが、その吸込口は吃
水よりも上位となるため、放出ダクト内の水が吸込口か
らエンジン室内へ侵入するおそれはない。
【０００７】好ましくは、前記放出口が船底から後方ま
たは斜め後方へ向かって開口している。したがって、空
気が放出口から後方または斜め後方に向けて放出される
ため、船尾がむやみに上がらず、走行姿勢が良好に保た
れる。
たは斜め後方へ向かって開口している。したがって、空
気が放出口から後方または斜め後方に向けて放出される
ため、船尾がむやみに上がらず、走行姿勢が良好に保た
れる。
【０００８】この空気を放出口から後方または斜め後方
に向けて放出する構成は、例えば、船底に設けられて前
記空気を導出する導出口と、接水面の一部を形成し、空
気を前記導出口から前記放出口を形成する後端開口へ導
くカバーとを備えた構造により実現できる。この構成に
よれば、簡単な構造で、空気を放出口の後方または斜め
後方へ放出できる。また、カバーを外すことにより、放
出口内の砂詰まりなどの処理を容易に行うことができ、
カバーもストリップの断面形状に合わせて自在に交換設
定できる。
に向けて放出する構成は、例えば、船底に設けられて前
記空気を導出する導出口と、接水面の一部を形成し、空
気を前記導出口から前記放出口を形成する後端開口へ導
くカバーとを備えた構造により実現できる。この構成に
よれば、簡単な構造で、空気を放出口の後方または斜め
後方へ放出できる。また、カバーを外すことにより、放
出口内の砂詰まりなどの処理を容易に行うことができ、
カバーもストリップの断面形状に合わせて自在に交換設
定できる。
【０００９】さらに、上記導出口とカバーを備えた構造
において、好ましくは、船底壁に開口が形成され、この
開口を貫通して船体静止時の吃水よりも上方へ延び、下
端で前記導出口を形成する導出ダクトが装着された構成
とする。この構成によれば、導出ダクトの上端が船体静
止時に吃水よりも上方にあるので、船体静止時に導出ダ
クトを経て船内に水が侵入することがない。
において、好ましくは、船底壁に開口が形成され、この
開口を貫通して船体静止時の吃水よりも上方へ延び、下
端で前記導出口を形成する導出ダクトが装着された構成
とする。この構成によれば、導出ダクトの上端が船体静
止時に吃水よりも上方にあるので、船体静止時に導出ダ
クトを経て船内に水が侵入することがない。
【００１０】また、好ましくは、前記放出ダクトの一部
は、船底壁とこの船底壁の内面に対向して位置する内壁
部材と間の空間に配置され、前記空間に充填された発泡
体で支持されている。この構成によれば、放出ダクトの
一部を船体内に露出させないで配置できるので、船内を
広く使用でき、さらに、発泡体によって放出ダクトが保
持されるので、別途放出ダクトを支持する支持手段が必
要ない。
は、船底壁とこの船底壁の内面に対向して位置する内壁
部材と間の空間に配置され、前記空間に充填された発泡
体で支持されている。この構成によれば、放出ダクトの
一部を船体内に露出させないで配置できるので、船内を
広く使用でき、さらに、発泡体によって放出ダクトが保
持されるので、別途放出ダクトを支持する支持手段が必
要ない。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、本発明の原理を説明する
ための抵抗抑制装置を備えた小型滑走艇の側面図を示
す。この小型滑走艇の船体は上部のデッキ１と下部のハ
ル２とを、それぞれのフランジ部Ｆ同士で接合すること
により形成されている。船尾部の船底には水ジェット推
進機２５が装着されており、船内の図示しないエンジン
により駆動されて船体を推進させる。船底には、図２に
平面図で示すように船体の前後方向に延びる複数本のス
トリップ３が突出して形成されている。それらストリッ
プ３のうち、中心よりのストリップ３の段部となった後
端３ａに近接した後方位置の船底には、空気を水中に放
出する放出口４が設けられている。上記後端３ａは、船
底に設けられた水ジェット推進機用の水吸込口２６の左
右両側方に位置している。また、船体内には、図３に縦
断面図で示すように、例えば、デッキ１のシート台１ａ
の側部に開口する吸込口５ａから船体外部の空気を吸引
して前記放出口４に導く放出ダクト５が設けられてい
る。
に基づいて説明する。図１は、本発明の原理を説明する
ための抵抗抑制装置を備えた小型滑走艇の側面図を示
す。この小型滑走艇の船体は上部のデッキ１と下部のハ
ル２とを、それぞれのフランジ部Ｆ同士で接合すること
により形成されている。船尾部の船底には水ジェット推
進機２５が装着されており、船内の図示しないエンジン
により駆動されて船体を推進させる。船底には、図２に
平面図で示すように船体の前後方向に延びる複数本のス
トリップ３が突出して形成されている。それらストリッ
プ３のうち、中心よりのストリップ３の段部となった後
端３ａに近接した後方位置の船底には、空気を水中に放
出する放出口４が設けられている。上記後端３ａは、船
底に設けられた水ジェット推進機用の水吸込口２６の左
右両側方に位置している。また、船体内には、図３に縦
断面図で示すように、例えば、デッキ１のシート台１ａ
の側部に開口する吸込口５ａから船体外部の空気を吸引
して前記放出口４に導く放出ダクト５が設けられてい
る。
【００１２】上記放出ダクト５の下端から放出口４まで
の放出経路は、図４（Ａ）に示すように導出ダクト６と
カバー７とで構成されている。すなわち、上記導出ダク
ト６は、船底壁８に形成した開口８ａを貫通するダクト
部６ａと、船底壁８の外面に接面する取付板部６ｂとを
有し、この取付板部６ｂに上記ダクト部６ａの下端を開
口させる導出口９が設けられている。また、上記カバー
７は、前記ストリップ３と同一断面形状とされ、ストリ
ップ３ａの後端部を形成している。図４（Ｂ）のよう
に、このカバー７と上記導出ダクト６の取付板部６ａと
に挿通させたボルトのような取付具１０を、図示しない
船底壁８の内側に固着したナットにねじ込むことによ
り、カバー７が船底に着脱可能に取り付けられる。
の放出経路は、図４（Ａ）に示すように導出ダクト６と
カバー７とで構成されている。すなわち、上記導出ダク
ト６は、船底壁８に形成した開口８ａを貫通するダクト
部６ａと、船底壁８の外面に接面する取付板部６ｂとを
有し、この取付板部６ｂに上記ダクト部６ａの下端を開
口させる導出口９が設けられている。また、上記カバー
７は、前記ストリップ３と同一断面形状とされ、ストリ
ップ３ａの後端部を形成している。図４（Ｂ）のよう
に、このカバー７と上記導出ダクト６の取付板部６ａと
に挿通させたボルトのような取付具１０を、図示しない
船底壁８の内側に固着したナットにねじ込むことによ
り、カバー７が船底に着脱可能に取り付けられる。
【００１３】これにより、導出ダクト６の導出口９から
船底に垂直な方向の下方に向け導出される空気が、カバ
ー７によって船底下方から後方に向けて偏向されて（偏
向角θ＝９０度）、放出口４となるカバー７の後端開口
から放出される。なお、上記導出ダクト６は、船体静止
時の吃水ＷＬよりも上方に延ばされており、放出ダクト
５との連結部から船内に水が侵入しないようにしてあ
る。また、船底壁８の開口８ａと、この開口８ａを貫通
する導出ダクト６のダクト部６ａとの間は、液体シール
を兼ねて接着剤１１で接合されている。
船底に垂直な方向の下方に向け導出される空気が、カバ
ー７によって船底下方から後方に向けて偏向されて（偏
向角θ＝９０度）、放出口４となるカバー７の後端開口
から放出される。なお、上記導出ダクト６は、船体静止
時の吃水ＷＬよりも上方に延ばされており、放出ダクト
５との連結部から船内に水が侵入しないようにしてあ
る。また、船底壁８の開口８ａと、この開口８ａを貫通
する導出ダクト６のダクト部６ａとの間は、液体シール
を兼ねて接着剤１１で接合されている。
【００１４】図５は、上記放出ダクト５の下端から放出
口４までの放出経路を、導出ダクト６とカバー７とで構
成する他の例を示す。この例では、カバー７を、導出ダ
クト６の取付板部６ａよりも短くして、放出口４が船底
下方から６０°以上の偏向角θとなる斜め後方に向けて
開口するようにしたものである。
口４までの放出経路を、導出ダクト６とカバー７とで構
成する他の例を示す。この例では、カバー７を、導出ダ
クト６の取付板部６ａよりも短くして、放出口４が船底
下方から６０°以上の偏向角θとなる斜め後方に向けて
開口するようにしたものである。
【００１５】上記構成の小型滑走艇の場合、走行時に、
ストリップ３の後端の後方に生じる圧力低下により、船
体外部の空気が放出ダクト５から吸引されて、ストリッ
プ３の後端の後方の船底の放出口４から後方または斜め
後方に向けて放出されるため、ストリップ３の後端の後
方で船底から外部水流Ｗ（図４）が剥離することによる
圧力低下が生じてこれが圧力抵抗となるのを抑制でき
る。さらに、放出口４から放出された空気が船底と外部
水流Ｗとの間に入り込んで、船底に作用する外部水流Ｗ
の摩擦抵抗を減少させる。したがって、最大船速のアッ
プや加速性能の向上が実現される。
ストリップ３の後端の後方に生じる圧力低下により、船
体外部の空気が放出ダクト５から吸引されて、ストリッ
プ３の後端の後方の船底の放出口４から後方または斜め
後方に向けて放出されるため、ストリップ３の後端の後
方で船底から外部水流Ｗ（図４）が剥離することによる
圧力低下が生じてこれが圧力抵抗となるのを抑制でき
る。さらに、放出口４から放出された空気が船底と外部
水流Ｗとの間に入り込んで、船底に作用する外部水流Ｗ
の摩擦抵抗を減少させる。したがって、最大船速のアッ
プや加速性能の向上が実現される。
【００１６】また、船底にできるエア領域は、速度、姿
勢、旋回に応じて自動的に変形するので、エア領域を理
想的な形状に保つことができる。外部水流Ｗによる摩擦
抵抗の増大を恐れることなく、ストリップの後端位置を
滑走艇の好ましい姿勢から任意に決めることができる。
勢、旋回に応じて自動的に変形するので、エア領域を理
想的な形状に保つことができる。外部水流Ｗによる摩擦
抵抗の増大を恐れることなく、ストリップの後端位置を
滑走艇の好ましい姿勢から任意に決めることができる。
【００１７】さらに、前記放出口４が船底から後方また
は斜め後方へ向かって開口しているから、空気が放出口
４から後方または斜め後方に向けて放出されるため、船
尾がむやみに上がらず、走行姿勢が良好に保たれる。放
出空気の船底に垂直な方向からの偏向角度θは、６０度
以上で１２０度以下が好ましい。１２０度を越えると空
気が放出口４から後方へ円滑に放出されにくくなるので
好ましくなく、６０度未満では、走行中の船体姿勢に与
える影響が大きくなり、好ましくない。
は斜め後方へ向かって開口しているから、空気が放出口
４から後方または斜め後方に向けて放出されるため、船
尾がむやみに上がらず、走行姿勢が良好に保たれる。放
出空気の船底に垂直な方向からの偏向角度θは、６０度
以上で１２０度以下が好ましい。１２０度を越えると空
気が放出口４から後方へ円滑に放出されにくくなるので
好ましくなく、６０度未満では、走行中の船体姿勢に与
える影響が大きくなり、好ましくない。
【００１８】また、空気を放出口４から後方または斜め
後方に向けて放出する通路が、船底に設けられた導出口
９と、接水面の一部を形成し、空気を前記導出口９から
前記放出口４を形成する後端開口へ導くカバー７とで形
成されているから、構造が簡単である。しかも、カバー
７は船底に着脱自在に取り付けられているから、カバー
７を外すことにより、放出口４内の砂詰まりなどの処理
を容易に行うことができるとともに、カバー７をストリ
ップ３の断面形状に合わせて自在に交換設定できる。
後方に向けて放出する通路が、船底に設けられた導出口
９と、接水面の一部を形成し、空気を前記導出口９から
前記放出口４を形成する後端開口へ導くカバー７とで形
成されているから、構造が簡単である。しかも、カバー
７は船底に着脱自在に取り付けられているから、カバー
７を外すことにより、放出口４内の砂詰まりなどの処理
を容易に行うことができるとともに、カバー７をストリ
ップ３の断面形状に合わせて自在に交換設定できる。
【００１９】図６は、上記小型滑走艇と従来の小型滑走
艇の加速特性を示す。同図において、実線のグラフＡは
上記実施形態の小型滑走艇の加速特性を、破線のグラフ
Ｂは従来例の小型滑走艇の加速特性をそれぞれ示す。こ
の図から明らかなように、実施形態の小型滑走艇では抵
抗抑制装置の作用により、従来例の場合に較べて加速性
能が向上するとともに、最大船速もアップしている。
艇の加速特性を示す。同図において、実線のグラフＡは
上記実施形態の小型滑走艇の加速特性を、破線のグラフ
Ｂは従来例の小型滑走艇の加速特性をそれぞれ示す。こ
の図から明らかなように、実施形態の小型滑走艇では抵
抗抑制装置の作用により、従来例の場合に較べて加速性
能が向上するとともに、最大船速もアップしている。
【００２０】図７は本発明の原理を説明するための抵抗
抑制装置を示す。同図において、吸込口５ａは放出口４
よりも船体の前方寄りに位置しており、その間が放出ダ
クト５で連結されている。放出ダクト５の後半部は、船
底に沿って延びている。図８に示すように、ハル２は、
繊維強化樹脂からなる船底壁８と、同じく繊維強化樹脂
からなり上記船底壁８の内面に対向して位置する内壁部
材１２とを張り合わせて二重底構造となっており、上記
船底壁８と内壁部材１２との間の空間に、前記放出ダク
ト５の一部である後半部が配置されている。船底壁８と
内壁部材１２との間の他の空間には発泡体２１が充填さ
れる。この発泡体２１によって放出ダクト５が保持され
る。このように構成することにより、放出ダクト５の配
管のために船体内の有効空間が狭められるのが回避でき
る。
抑制装置を示す。同図において、吸込口５ａは放出口４
よりも船体の前方寄りに位置しており、その間が放出ダ
クト５で連結されている。放出ダクト５の後半部は、船
底に沿って延びている。図８に示すように、ハル２は、
繊維強化樹脂からなる船底壁８と、同じく繊維強化樹脂
からなり上記船底壁８の内面に対向して位置する内壁部
材１２とを張り合わせて二重底構造となっており、上記
船底壁８と内壁部材１２との間の空間に、前記放出ダク
ト５の一部である後半部が配置されている。船底壁８と
内壁部材１２との間の他の空間には発泡体２１が充填さ
れる。この発泡体２１によって放出ダクト５が保持され
る。このように構成することにより、放出ダクト５の配
管のために船体内の有効空間が狭められるのが回避でき
る。
【００２１】図９は、船底壁８の内面側に、内壁部材と
して繊維強化樹脂からなる断面台形の補強リブ２２を接
合してハル２が構成される場合の船体の縦断面図を示
す。ここでは、その船底壁８と補強リブ２２との間の空
間に前記放出ダクト５の一部が配置される。残る空間に
は発泡体２１が充填される。この構成の場合にも、放出
ダクト５の配管のために船体内の有効空間が狭められる
のが回避できる。
して繊維強化樹脂からなる断面台形の補強リブ２２を接
合してハル２が構成される場合の船体の縦断面図を示
す。ここでは、その船底壁８と補強リブ２２との間の空
間に前記放出ダクト５の一部が配置される。残る空間に
は発泡体２１が充填される。この構成の場合にも、放出
ダクト５の配管のために船体内の有効空間が狭められる
のが回避できる。
【００２２】図１０は、本発明の一実施形態である抵抗
抑制装置を備えた小型滑走艇の側面図を示す。この実施
形態では、ストリップ３の後端に近接した後方位置の船
底に空気を水中に放出する左右一対の放出口４Ａ，４Ｂ
が設けられるとともに、エンジン室内２３に放出ダクト
５Ａ，５Ｂが設けられ、この放出ダクト５Ａ，５Ｂでエ
ンジン室内２３の空気を対応する放出口４Ａ，４Ｂに導
くようになっている。上記放出口４Ａ，４Ｂは、図１１
（Ａ）に横断面図で示すように、船底の中心線ＣＬから
一側方と他側方へそれぞれ変位して位置させてあり、前
記放出ダクト５Ａ，５Ｂはその吸込口５Ａａ，５Ｂａが
エンジン室２３内における前記中心線ＣＬから他側方と
一側方へそれぞれ変位した位置に開口させてある。その
他の構成は先の実施形態と同様である。図１０において
２４はエンジンであり、水ジェット推進機２５を駆動す
る。
抑制装置を備えた小型滑走艇の側面図を示す。この実施
形態では、ストリップ３の後端に近接した後方位置の船
底に空気を水中に放出する左右一対の放出口４Ａ，４Ｂ
が設けられるとともに、エンジン室内２３に放出ダクト
５Ａ，５Ｂが設けられ、この放出ダクト５Ａ，５Ｂでエ
ンジン室内２３の空気を対応する放出口４Ａ，４Ｂに導
くようになっている。上記放出口４Ａ，４Ｂは、図１１
（Ａ）に横断面図で示すように、船底の中心線ＣＬから
一側方と他側方へそれぞれ変位して位置させてあり、前
記放出ダクト５Ａ，５Ｂはその吸込口５Ａａ，５Ｂａが
エンジン室２３内における前記中心線ＣＬから他側方と
一側方へそれぞれ変位した位置に開口させてある。その
他の構成は先の実施形態と同様である。図１０において
２４はエンジンであり、水ジェット推進機２５を駆動す
る。
【００２３】この構成の場合は、エンジン室２３内の空
気が放出口４Ａ，４Ｂから放出されるので、ストリップ
３の後端の後方での抵抗減少だけでなく、エンジン２４
を収納したエンジン室２３の換気も効果的に行われる。
気が放出口４Ａ，４Ｂから放出されるので、ストリップ
３の後端の後方での抵抗減少だけでなく、エンジン２４
を収納したエンジン室２３の換気も効果的に行われる。
【００２４】さらに、図１１（Ａ）のように、放出口４
Ａ，４Ｂの位置と、放出ダクト５Ａ，５Ｂの吸込口５Ａ
ａと５Ｂａの位置とが、中心線ＣＬを境にして互いに逆
の側方に変位させてあるので、図１１（Ｂ）に示すよう
に、船体が傾いて一方の放水ダクト５Ａの吸込口５Ａａ
が吃水ＷＬより低くなっても、放出口４Ａは吃水ＷＬよ
り高くなるので、放水ダクト５Ａからエンジン室２３に
水が侵入することがない。また、他方の放出ダクト５Ｂ
の放出口４Ｂは、吃水ＷＬよりも下位になるが、その吸
込口５Ｂａは吃水ＷＬよりも上位となるため、放出ダク
ト５Ｂ内の水が吸込口５Ｂａからエンジン室２３に侵入
するおそれはない。
Ａ，４Ｂの位置と、放出ダクト５Ａ，５Ｂの吸込口５Ａ
ａと５Ｂａの位置とが、中心線ＣＬを境にして互いに逆
の側方に変位させてあるので、図１１（Ｂ）に示すよう
に、船体が傾いて一方の放水ダクト５Ａの吸込口５Ａａ
が吃水ＷＬより低くなっても、放出口４Ａは吃水ＷＬよ
り高くなるので、放水ダクト５Ａからエンジン室２３に
水が侵入することがない。また、他方の放出ダクト５Ｂ
の放出口４Ｂは、吃水ＷＬよりも下位になるが、その吸
込口５Ｂａは吃水ＷＬよりも上位となるため、放出ダク
ト５Ｂ内の水が吸込口５Ｂａからエンジン室２３に侵入
するおそれはない。
【００２５】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ストリ
ップの後端の後方の空間の圧力低下を利用してエンジン
室内の空気を吸引し前記空間に放出するので、ストリッ
プの後部を細く絞って延長形成することなく、ストリッ
プの後端の後方での圧力抵抗および摩擦抵抗を十分に減
少させて、最大船速のアップや加速性能の向上を図るこ
とができ、エンジン室内の換気も行うことができる。こ
れとともに、船体が傾いて一方の放出ダクトの吸込口が
吃水より下位になっても、その放出口は吃水よりも上位
となるため、放出孔から放出ダクトを経てエンジン室内
に水が侵入しない。また、他方の放出ダクトの放出口は
吃水よりも下位になるが、その吸込口は吃水よりも上位
となるため、放出ダクト内の水が吸込口からエンジン室
内へ侵入するおそれはない。
ップの後端の後方の空間の圧力低下を利用してエンジン
室内の空気を吸引し前記空間に放出するので、ストリッ
プの後部を細く絞って延長形成することなく、ストリッ
プの後端の後方での圧力抵抗および摩擦抵抗を十分に減
少させて、最大船速のアップや加速性能の向上を図るこ
とができ、エンジン室内の換気も行うことができる。こ
れとともに、船体が傾いて一方の放出ダクトの吸込口が
吃水より下位になっても、その放出口は吃水よりも上位
となるため、放出孔から放出ダクトを経てエンジン室内
に水が侵入しない。また、他方の放出ダクトの放出口は
吃水よりも下位になるが、その吸込口は吃水よりも上位
となるため、放出ダクト内の水が吸込口からエンジン室
内へ侵入するおそれはない。
【図１】本発明の原理を説明するための抵抗抑制装置を
備えた小型滑走艇を示す側面図である。
備えた小型滑走艇を示す側面図である。
【図２】同小型滑走艇の裏面図である。
【図３】同小型滑走艇の横断面図である。
【図４】（Ａ）は同小型滑走艇における放水口部分の縦
断面図、（Ｂ）は同放水口部分の分解斜視図である。
断面図、（Ｂ）は同放水口部分の分解斜視図である。
【図５】同小型滑走艇における放水口部分の他の例を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図６】同小型滑走艇の加速性能を従来例と比較して示
すグラフである。
すグラフである。
【図７】本発明の原理を説明するための抵抗抑制装置を
備えた小型滑走艇を示す側面図である。
備えた小型滑走艇を示す側面図である。
【図８】同小型滑走艇における放水ダクトの配管例を示
す横断面図である。
す横断面図である。
【図９】同小型滑走艇における放水ダクトの他の配管例
を示す横断面図である。
を示す横断面図である。
【図１０】本発明の一実施形態である抵抗抑制装置を備
えた小型滑走艇を示す側面図である。
えた小型滑走艇を示す側面図である。
【図１１】（Ａ）は図１０の小型滑走艇の横断面図、
（Ｂ）は同小型滑走艇の傾倒した状態を示す横断面図で
ある。
（Ｂ）は同小型滑走艇の傾倒した状態を示す横断面図で
ある。
３…ストリップ、４…放出口、５…放出ダクト、５ａ…
吸込口、６…導出ダクト、７…カバー、８…船底壁、８
ａ…開口、９…導出口、１２…内壁部材、２２…補強リ
ブ（内壁部材）、２３…エンジン室。
吸込口、６…導出ダクト、７…カバー、８…船底壁、８
ａ…開口、９…導出口、１２…内壁部材、２２…補強リ
ブ（内壁部材）、２３…エンジン室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−73387（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−118485（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−50890（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−19610（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−108394（ＪＰ，Ａ) 実開 昭51−154895（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−99083（ＪＰ，Ｕ) 実公 平３−5516（ＪＰ，Ｙ２) 米国特許5787892（ＵＳ，Ａ) 国際公開95／14604（ＷＯ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B63B 1/38
Claims (5)
- 【請求項１】 船底に突出して設けられ船体の前後方向
に延びて直進安定性と浮力を向上させる細長いストリッ
プと、該ストリップの後端の後方で船底に設けられて空
気を水中に放出する放出口と、前記後方の空間の圧力低
下を利用して、エンジンを収納するエンジン室内の空気
を吸収し前記放出口に導く放出ダクト とを備え、 前記放出口は船底の中心線から一側方へ変位
して位置しており、前記放出ダクトは、エンジン室内に
おける前記中心線から他側方へ変位した位置に吸込口を
有している小型滑走艇の抵抗抑制装置。 - 【請求項２】 請求項１において、前記放出口は船底か
ら後方または斜め後方へ向かって開口している小型滑走
艇の抵抗抑制装置。 - 【請求項３】 請求項２において、さらに船底に設けら
れて前記空気を導出する導出口と、接水面の一部を形成
し、空気を前記導出口から前記放出口を形成する後端開
口へ導くカバーとを備えた小型滑走艇の抵抗抑制装置。 - 【請求項４】 請求項３において、船底壁に開口が形成
され、この開口を貫通して船体静止時の吃水よりも上方
へ延び、下端で前記導出口を形成する導出ダクトが装着
されている小型滑走艇の抵抗抑制装置。 - 【請求項５】 請求項１ないし４のいずれかにおいて、
前記放出ダクトの一部は、船底壁とこの船底壁の内面に
対向して位置する内壁部材との間の空間に配置され、前
記空間に充填された発泡体で支持されている小型滑走艇
の抵抗抑制装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7254746A JP2883562B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 小型滑走艇の抵抗抑制装置 |
| US08/707,702 US5787829A (en) | 1995-09-05 | 1996-09-04 | Apparatus and method for suppressing drag for small planing watercraft |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7254746A JP2883562B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 小型滑走艇の抵抗抑制装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0971289A JPH0971289A (ja) | 1997-03-18 |
| JP2883562B2 true JP2883562B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=17269304
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7254746A Expired - Fee Related JP2883562B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 小型滑走艇の抵抗抑制装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2883562B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR100439003B1 (ko) * | 2000-03-10 | 2004-07-02 | 이시카와지마-하리마 주고교 가부시키가이샤 | 마찰저항 감소방법 및 마찰저항 감소선 |
| US6789491B2 (en) * | 2000-04-03 | 2004-09-14 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Friction reducing ship and method for reducing frictional resistance |
| KR100762520B1 (ko) * | 2006-01-05 | 2007-10-09 | 천지해건설(주) | 에프알피 바지선 |
| KR101659256B1 (ko) * | 2010-01-13 | 2016-09-22 | (주)다이나필 | 돔형 자세 안정수단을 갖춘 수상이동장비 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5787892A (en) | 1995-12-18 | 1998-08-04 | Dabney; James Conway | Anal orgasm monitor |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS51154895U (ja) * | 1975-06-04 | 1976-12-10 | ||
| JPS5519610A (en) * | 1978-07-21 | 1980-02-12 | Matao Fujishiro | Hull for high-speed that introduce ram pressure |
| JPS58118485A (ja) * | 1982-01-07 | 1983-07-14 | Yukio Tsutsui | 前進効率を向上させる船体構造 |
| JPS5950890A (ja) * | 1982-09-14 | 1984-03-24 | ドナルド・イ−・バ−グ | 空気浮上ボ−ト船体 |
| JPS5973387A (ja) * | 1982-10-18 | 1984-04-25 | Yamaha Motor Co Ltd | モ−タボ−ト |
| DE3815199A1 (de) * | 1988-05-04 | 1989-11-16 | Zinser Textilmaschinen Gmbh | Maschine zum herstellen gedrehter oder gezwirnter faeden |
-
1995
- 1995-09-05 JP JP7254746A patent/JP2883562B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5787892A (en) | 1995-12-18 | 1998-08-04 | Dabney; James Conway | Anal orgasm monitor |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0971289A (ja) | 1997-03-18 |
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