JP2881311B2 - 抗ヒトbcdfモノクローナル抗体及びそれを用いたヒトbcdfの定量法 - Google Patents

抗ヒトbcdfモノクローナル抗体及びそれを用いたヒトbcdfの定量法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒトBCDFを特異的に認識する新規モノクロー
ナル抗体及び該モノクローナル抗体を用いたヒトBCDFの
免疫化学的定量法に関する。
〔従来の技術〕
ヒトBCDFはヒトB細胞刺激因子2(BSF−2)または
インターロイキン6(IL−6)とも呼ばれている免疫系
細胞が産生する免疫調節機構と密接に関連する生体成分
であり、下記に示す様に本物質の全アミノ酸は既に決定
されている(Nature,324巻、73頁、1980年)。
ところで、ヒトBCDFは種々のの生物活性を示すことが
知られており、例えば活性化したB細胞からの抗体産生
を誘導すること(Journal of Experimental Medicine,1
67巻、332頁、1988年)、及びT細胞の分化を誘導する
こと(Journal of Immunology,140巻、508頁、1988年)
が分かっている。また、肝細胞に働いて炎症時初期に出
現する急性期蛋白質の合成を誘導すること(FEBS Lette
rs,221巻、18頁、1987年)、及び血液幹細胞に働いて多
能性造血幹細胞のコロニーを誘導すること(Proceeding
s of National Accademy of Science,84巻、9035頁、19
87年)も知られている。一方、心房内粘液腫患者では、
全身的な自己免疫疾患の症状を呈するが、その原発腫瘍
細胞は構成的にヒトBCDFを産生しており、その腫瘍の切
除により自己免疫疾患症状が改善されることが知られて
いる(Proceedings of National Accademy of Science,
82巻、5490頁、1985年)。リウマチ性関節炎患者の関節
液中にヒトBCDF濃度が正常人に比べて有意に高いこと
(Medical Immunology,15巻、195頁、1988年)、キャッ
スルマン症候群の腫大リンパ節でヒトBCDFの異常発生が
起こっていること(Medical Immunology,15巻、197頁、
1988年)なども知られており、これらからいわゆる自己
免疫疾患として総称されている疾患のうちのいくつか
は、ヒトBCDFが関連していると考えられている。さら
に、臓器移植において、移植片の拒絶は非常に重大な問
題であるが、拒絶に際しその直前に一過性に血中ヒトBC
DF濃度の上昇が見られること、炎症時局所においてヒト
BCDF濃度が高値を示していること、ある種の多発性骨髄
腫患者より採取した腫瘍細胞は構成的にヒトBCDFを産生
しておりヒトBCDFを添加することによりさらに増殖が見
られること(Nature,332巻、83頁、1988年)なども知ら
れている。
このようにヒトBCDFは生体内の免疫調節において非常
に重要な役割を担っており、ヒトBCDFの産生異常がこれ
らの自己免疫疾患や炎症、ある種の癌などの疾患と密接
に関わっているものと考えられる。
従って、血中及び体液中のヒトBCDF濃度を測定するこ
とはそれらの疾患の診断、モニタリング及び患者の病態
を知る上での有用なパラメーターとなりうると推定され
る。また異常産生されたヒトBCDFの作用を抑制すること
は、これらのヒトBCDFが関与していると考えられている
疾患の治療となりうると推定される。この場合、経静脈
的投与する必要があるが血清中の成分により、抗体の分
解、あるいは抗体のヒトBCDFへの結合のさまたげが生ず
る可能性がある。また、疾患の発症部位にて局部的に高
濃度の抗体を投与する必要がある。そのために抗体の投
与量を多くする必要があり、それにより副作用が生ずる
ことも考えられる。副作用を回避するためにはヒトBCDF
に対して高い親和力を持ち、高い中和能力を持つ抗体が
要求される。
このヒトBCDFを定量する方法としては既にヒトBCDFに
対して依存的に増殖あるいは分化する細胞を用いた方
法、及び抗ヒトBCDF抗体を用いた免疫化学的定量法が知
られている(Europian Jaurnal of Immunology,18巻、9
51頁、1988年)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前者の方法を用いた場合、最少検出濃度が数百fg/ml
と感度が非常に高いが、生物活性検定系であるため、血
中や体液中のヒトBCDF濃度を測定する際種々の夾雑物の
影響を受け、定量性に欠ける。後者の方法を用いた場
合、定量性は高いが最少検出濃度が数十pg/mlであり、
正常人の血中ヒトBCDFがおよそ10pg/mlと推定されてい
ることを考慮すると、その測定には困難が伴う。また、
この系においては二次抗体としてポリクローナル抗体を
用いている。一般にポリクローナル抗体は多くの抗体の
混合物であり、毎回均一な抗体を得るのは不可能であ
る。また、大量に誰でもどこでも得ることができるとい
うわけにはいかず、普遍性に欠け、工業的生産も不可能
である。従って、一次抗体、二次抗体共に、モノクロー
ナル抗体を用いて高感度のラジオイムノアッセイあるい
はエンザイムイムノアッセイなどの定量系を作製すれば
普遍的に微量で夾雑物を含むような試料中のヒトBCDF濃
度を定量することができ、上記のヒトBCDFが関与してい
ると考えられている疾患の診断及びモニタリングが可能
となりうると考えられる。
このようにヒトBCDFの定量およびそれに伴う診断にお
いては、高感度かつ工業生産可能な測定系を作製するこ
とが必要である。
本発明の目的は従来知られている抗ヒトBCDFモノクロ
ーナル抗体(特願昭63−53828)と、認識エピトープが
異なる抗ヒトBCDFモノクローナル抗体の提供卸び該モノ
クローナル抗体を用いた高感度にヒトBCDFを測定できる
免疫化学的定量法の提供にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決するために、ヒトBCDFを
抗原として用い多数の抗ヒトBCDFモノクローナル抗体を
作成し、その中から従来知られている抗ヒトBCDFモノク
ローナル抗体と認識エピトープが異なる抗ヒトBCDFモノ
クローナル抗体を選択した。更にそれらの抗ヒトBCDFモ
ノクローナル抗体を組み合わせることにより、高感度に
ヒトBCDF濃度を測定できる免疫化学的定量法を開発する
ことができ、本発明を完成するに至らしめた。
本発明の抗体はいずれもヒトBCDFに対して特異的モノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマを作成し、こ
のハイブリドーマを培養することによって取得すること
ができる。
ハイブリドーマは、骨髄腫細胞と抗体産生細胞を融合
させることによって製造される。抗体産生細胞として
は、ヒトBCDFで免疫されたマウス、ラットなどの動物か
らの脾臓細胞またはリンパ節細胞を用いるとよい。骨髄
腫細胞と抗体産生細胞の由来する動物の種は、両細胞が
融合可能な限りにおいて異なってもよいが、通常同一種
の細胞を用いた方がよい結果が得られる。
本発明実施のための一つの好ましいハイブリドーマは
ヒトBCDFで免疫したマウスリンパ節細胞又は脾臓細胞と
マウス骨髄腫細胞の間のハイブリドーマである。
例えばフロインド・コンプリート・アジュバントで乳
化したヒトBCDFで免疫したBALB/cマウスの抗体産生リン
パ節細胞とBALB/cマウスの骨髄腫細胞P3−X63−Ag8−U1
の間のハイブリドーマで後記の実施例でも示すように、
優れた結果が得られた 骨髄腫細胞としては、P3−X63−Ag8−U1の他、P3−X6
3−Ag8、P3−NSI/1−Ag4−1、MPC11−45.6.TG.1.7、SP
2/V−Ag14、X63−Ag8−6.5.3(以上、マウス)、210.RC
Y.Ag1.2.3(ラット)、SKO−007、GH15006TG−A12(以
上、ヒト)等の8アザグアニン耐性の細胞株を用いても
よい。
また、抗体産生細胞は、例えば、次のようにして得る
とよい。まず、マウス、ラットなどの動物をヒトBCDFで
免疫する。ここで用いるヒトBCDFは、大腸菌等で産生し
たリコンビナント体のほか、ヒト扁桃腺単核球、ヒト末
梢血単核球、またはヒトTリンホーマなどのヒト腫瘍細
胞または人工的に作られたハイブリドーマに由来するも
のを用いてもさしつかえない。
次に、免疫した動物から脾臓細胞を調製する。その調
製方法は、この技術分野においてよく知られた方法、例
えば「免疫学実験入門」171頁、松橋正著(学会出版セ
ンター、1989年)等を参照して行えばよい。
ハイブリドーマの作成とそれからの抗ヒトBCDF抗体産
生クローンの選択は、例えば、次のようにして行なえ
る。ポリエチレングリコール(PEG)またはセンダイウ
ィルス(HVJ)を用いて抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを
融合させる。生じたハイブリドーマはヒポキサンチン、
アミノプテリン、チミジンを含む培地(以下、HAT培地
と略する。)中で生育する。融合しなかった抗体産生細
胞と骨髄腫細胞は、核培地中では共に死滅し、ハイブリ
ドーマだけが個々のクローンから増殖してくる。生育し
たハイブリドーマから抗ヒトBCDF抗体を産生するクロー
ンが選択される。全てのハイブリドーマクローンが抗体
を産生するわけではない。また、個々のクローンによっ
て産生される抗体は特異性が異なり、全てのクローンが
抗ヒトBCDF抗体を産生するのではない。従って、ヒトBC
DFに対して特異性を示す抗体を産生するクローンを選択
しなければならない。
抗ヒトBCDF抗体産生クローンの選択は、例えば次の様
にして行なえる。すなわちヒトBCDFを結合させたプレー
トを作成し、ハイブリドーマクローン培養上清を反応さ
せプレートに結合した抗体量を検出する。結合した抗体
を産生しているハイブリドーマが抗ヒトBCDF抗体産生ク
ローンとなる。
このようにして得られたハイブリドーマとして、例え
ばHH61−8(FERM P−10874)と呼ばれる細胞、あるい
はHH61−10(FERM P−10875)と呼ばれる細胞がある。
本発明のモノクローナル抗体はこのようなハイブリド
ーマクローンを培養した培養上清から塩析、イオン交換
クロマトグラフィー等の精製操作により回収できるが、
必要に応じて全培養上清を用いることもできる。また大
量に取得する場合には、前記のハイブリドーマを組織適
合性動物、胸線欠損ヌードマウス等の腹腔内に移植し、
増殖させ、該動物の腹水中に産生された該モノクローナ
ル抗体を精製、回収すればよい。
このようにして得られた本発明のモノクローナル抗体
は次の性質を有している。
(1)HH61−8(FERM P−10874)細胞が産生する抗ヒ
トBCDFモノクローナル抗体 (a)免疫グロブリンの種類 IgG (b)分子量150,000ダルトン (c)分子吸光係数E280nm=14.0 (d)ヒトBCDFと特異的に結合する。
(e)抗ヒトBCDFモノクローナル抗体MH166(FERM BP−
1972,PERM P−9656)及び抗ヒトBCDFモノクローナル抗
体αBSF2−77(FERM BP−1975,FERM P−9900)とはヒト
BCDFの異なるエピトープを認識する。
(f)ヒトBCDF活性を中和する。
(g)ヒトBCDFとBCDFレセプターの結合を完全に阻害す
る。
(2)HH61−10(FERM P−10875)細胞が産生する抗ヒ
トBCDFモノクローナル抗体 (a)免疫グロブリンの種類 IgG (b)分子量150,000ダルトン (c)分子吸光係数E280nm=14.0 (d)ヒトBCDFと特異的に結合する。
(e)抗ヒトBCDFモノクローナル抗体MH166(FERM BP−
1972,PERM P−9656)及び抗ヒトBCDFモノクローナル抗
体αBSF2−77(FERM BP−1975,FERM P−9900)とはヒト
BCDFの異なるエピトープを認識する。
(f)ヒトBCDF活性を中和する。
(g)ヒトBCDFとBCDFレセプターの結合を完全に阻害す
る。
尚、分子量はSDSアクリルアミドゲル電気泳動法によ
って測定した。
分子吸光係数は、280nmの吸光度の測定及び乾燥重量
の測定より求めた。
本発明のモノクローナル抗体は以上のような物性を有
しているが公知の抗ヒトBCDFモノクローナル抗体である
MH166及びαBSF−77とはヒトBCDFの異なエピトープを認
識するところからいずれも新規なモノクローナル抗体で
ある。
本発明のモノクローナル抗体はラジオイムノアッセ
イ、エンザイムイムノアッセイ等の免疫化学的定量法に
広く利用することができる。しかしながら、従来の抗ヒ
トBCDFモノクローナル抗体MH166及びαBSF2−77とはヒ
トBCDFの異なるエピトープを認識するものであることか
ら、本発明の抗体はヒトBCDFを2種のモノクローナル抗
体を必要とする二抗体法(サンドイッチ法)で分析しう
る手段をはじめて提供するものである。二抗体法で使用
される標識物質は放射性同位元素、酵素等いかなるもの
であってもよい。
また、本発明の抗ヒトBCDFモノクローナル抗体を免疫
組織化学染色に用いるには例えば、下記のような酵素抗
体間接法を用いれば良い。
炎症局所組織切片あるいは細胞診スメア標本をアルコ
ール固定後、非特異吸着を血清アルブミン等でブロッキ
ングし、抗ヒトBCDF抗体を添加し反応させる。洗浄後ペ
ルオキシダーゼ標識ウサギ抗マウスIgを二次抗体として
反応させる。洗浄後、3,3ジアミノベンチヂンと過酸化
水素による発色反応を行えばヒトBCDFを細胞内に持つ細
胞は褐色に染色される。
また、本発明によって製造された抗ヒトBCDFモノクロ
ーナル抗体を担体樹脂などの適当な支持体に結合させ親
和クロマトグラフィーを行うことによって細胞または菌
体を培養した培地中に含まれるヒトBCDFを特異的に精製
して極めて純度の高いヒトBCDFを容易に得る事もでき
る。例えば、抗ヒトBCDFモノクローナル抗体は、ブロム
シアンで活性化したセファロース(ファルマシア社製)
等の支持体を結合させることができるが、このモノクロ
ーナル抗体結合支持体でカラムを作成し、アフィニティ
ークロマトグラフィーを行うことにより容易にヒトBCDF
を精製することができる。
以下実施例に従い更に詳細な説明をする。
実施例1 モノクローナル抗ヒトBCDF抗体産生ハイブリドーマの
作成 BALB/cマウス(雄性・8週令)に大腸菌で生産、精製
されたヒトBCDF2〜3μgを等容のフロイント・コンプ
リート・アジュバントとともに腹腔内注射し免疫した。
以後4〜6回の頻回免疫を行った後脾臓を摘出し細胞浮
遊液とし、融合のための抗体産生細胞とした。一方、骨
髄腫細胞としてP3−X63−Ag8−U1(P3U1)を用い、両者
をポリエチレングリコール法にて融合した。
融合細胞をHAT培地に懸濁し、96穴マイクロタイター
プレート(コーニング社製)に2.5×105個ずつ分注し
た。融合よりおよそ2週間後、ハイブリドーマの生育し
てきたウェルの培養上清について以下の様な方法に従
い、ヒトBCDFに特異的なモノクローナル抗体を産生して
いるクローンを選別した。すなわち、PBSに溶解した大
腸菌由来リコンビナントヒトBCDF(2μg/ml)を96穴マ
イクロタイタープレートに分注し、4℃で一晩放置して
固定した。次に、非結合のヒトBCDFを除去し、0.5%のB
SAを含むPBSを分注し、1時間室温に放置した。非結合B
SA溶液を除去し、ハイブリドーマ培養上清を各ウェルに
分注して2時間室温に放置した。0.05%Tween20を含むP
BSにて洗浄後ペルオキシダーゼ標識した抗マウスIg抗体
(DAKO社製)を加えて2時間室温に放置した。最後に0.
05%Tween20を含むPBSにて洗浄したのち、2,2′−アジ
ノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−硫酸)
〔ABTS〕過酸化水素の吸光度を測定した。このようにし
て得られたハイブリドーマのうちクローンHH61−8(FE
RM P−10874)、HH61−10(FERM P−10875)について培
養上清がヒトBCDFと特異的に結合することを第1表に示
した。
抗ヒトBCDF抗体のエピトープ異同の検定10μg/mlの濃
度となる様にPBSで希釈したBCDFを100μずつ96穴プレ
ート(ヌンク社製)に分注し、4℃で一晩放置した。溶
液を捨て、0.5%BSAを含むPBS溶液を200μずつ加え、
室温で1時間放置した。そこでまた、溶液を捨て約1μ
g/μの濃度となるようにBSA溶液で希釈したビチオン
標識抗ヒトBCDFモノクローナル抗体50μlと、100μg/m
lの濃度となるようにBSA溶液で希釈した非標識抗ヒトBC
DFモノクローナル抗体50μとを加えて、室温で2時間
反応させた。反応後、溶液を捨て、0.5%Tween20を含む
PBS溶液(PBS−Tween)にて3回洗浄し、アビジンとビ
チオン標識アルカリホスファターゼ(ベクタステインAB
Cキット)を100μずつ加えて、室温で1時間反応させ
た。最後に、PBS−Tweenにて3回洗浄し、1mg/mlの濃度
となるように基質緩衝液にて溶解したp−ニトロフェノ
ールホスフェートを100μずつ加えて、適当に発色す
るまで室温で放置し、405nmの吸光度を測定した。
その結果を第2表にまとめたように、HH61−8、HH61
−10モノクローナル抗体と従来知られていたBCDF活性を
中和する抗ヒトBCDFモノクローナル抗体MH166、αBSF2
−77とは認識エピトープが異なることが明らかとなっ
た。
+は結合が阻害されたもの、すなわちエピトープが同
じことを示す。
−は結合が阻害されなかったもの、すなわちエピトー
プが異なることを示す。
実施例2 モノクローナル抗ヒトBCDF抗体によるヒトBC
DF活性の中和 (1)ヒトBCDF5μg/mlに100〜0.05μg/mlのHH61−8ク
ローン及びHH61−10クローン由来のモノクローナル抗ヒ
トBCDF抗体をそれぞれ別別に添加し、37℃で1時間反応
させた。各モノクローナル抗体の中和活性を検討するた
めに各反応液にヒトBCDFに依存的にIgM抗体産生細胞へ
と分化するSKW6−CL−4細胞を1×105/mlの細胞密度で
添加し、96穴平底プレートにて72時間培養した。培養後
それぞれのウェルの培養上清を採取し、培養上清中に含
まれるIgM量をエンザイムイムノアッセイにて測定し
た。
得られた結果を第1図に示す。図中、白丸はHH61−8
由来のモノクローナル抗体をそして黒丸はHH61−10由来
のモノクローナル抗体をそれぞれ示している。また上の
線Aは抵抗がない場合の吸光度の位置をそして下の線B
はバックグラウンドの位置をそれぞれ示している。
第1図のようにHH61−8及びHH61−10由来のモノクロ
ーナル抗体は特異的にヒトBCDF活性を完全に中和抑制し
た。
実施例3 エピトープの異なる2種のモノクローナル抗
ヒトBCDF抗体を用いたエンサイムイムノアッセイ(ELIS
A)系の作成 96穴イムノプレート(ヌンク社製)に精製抗ヒトBCDF
モノクローナル抗体(HH61−8由来)を100μずつ分
注し、4℃で1晩放置した。プレートに吸着しなかった
抗ヒトBCDFモノクローナル抗体を除去し、1.0%BSA含有
PBSを分注し、4℃で1晩放置した。次に非結合BSAを除
去し、スタンダードヒトBCDFを50μずつ各ウエルに分
注し、更にペルオキシダーゼ結合抗ヒトBCDFモノクロー
ナル抗体MH166を50μ加え、37℃で2時間静置した。
洗浄後ペルオキシダーゼ基質(ABTS過酸化水素系)を10
0μ加え、室温で1時間静置した。酸素反応停止液
(1%しゅう酸)を100μ加え各ウエルの波長415nmに
おける吸光度を測定した。
濃度既知のヒトBCDFを用いて試みた結果、第2図のよ
うに5pg/mlの濃度よりヒトBCDFが測定可能であった。
〔発明の効果〕
本発明の抗ヒトBCDFモノクローナル抗体を用いること
により従来知られていた抗ヒトBCDFモノクローナル抗体
を用いたヒトBCDFの免疫化学的定量法よりもより高感度
でしかも工業生産可能で普遍的にヒトBCDFの定量を行う
ことが可能となる。この定量法を用いれば、従来困難で
あった微量あるいは生物活性阻害物を含む様な血液中体
液中のヒトBCDF濃度が測定できる様になりBCDFの異常発
生が病態と関与していると考えられている自己免疫疾患
などの疾病の診断、あるいは臓器移植片拒絶や炎症のモ
ニタリングをすることが可能となる。
また、本発明の抗ヒトBCDFモノクローナル抗体を用い
ればBCDFが過剰産生されることが発症や病態と深くかか
わっている自己免疫疾患やある種の癌などの治療や移植
片拒絶防止薬、抗炎症薬として使用できる可能性が示唆
される。
さらに本発明の抗ヒトBCDFモノクローナル抗体は免疫
組織化学染色に用いることができる。担体樹脂に結合さ
せればアフィニィティークロマトグラフィーにてヒトBC
DFを特異的に精製することができる。
上記において用いる抗体はモノクローナル抗体そのも
のでもよいが、Fc部分を酵素により除去したF(ad′)
フラグメントや、Fc部分を遺伝子操作によりヒト型抗
体のFc部分とすげかえたキメラ抗体でもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の抗体によるヒトBCDF活性の中和状態を
示すグラフであり、第2図は本発明の抗体を用いてエン
ザイムイムノアッセイを行った結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 15/02 C12N 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 高原 義之 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味 の素株式会社中央研究所基礎研究所内 (72)発明者 本多 秀夫 東京都新宿区下落合4丁目6番7号 富 士レビオ株式会社内 (72)発明者 横田 正毅 東京都新宿区下落合4丁目6番7号 富 士レビオ株式会社内 (72)発明者 岸本 忠三 大阪府富田林市中野3―5―31 (56)参考文献 Eur.J.Immunol.,Vo l.18,No.6(1988)p.951−956 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/08 C12N 15/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HH61−8(FERM P−10874)細胞が産生
    し、以下(a)〜(d)の性質を有する抗ヒトBCDFモノ
    クローナル抗体。 (a)ヒトBCDFと特異的に結合する。 (b)抗BCDFモノクローナル抗体MH166及び抗BCDFモノ
    クローナル抗体αBSF2−77とはヒトBCDFの異なるエピト
    ープを認識する。 (c)ヒトBCDF活性を中和する。 (d)ヒトBCDFとBCDFレセプターの結合を完全に阻害す
    る。
  2. 【請求項2】HH61−10(FERM P−10875)細胞が産生
    し、以下(a)〜(d)の性質を有する抗ヒトBCDFモノ
    クローナル抗体。 (a)ヒトBCDFと特異的に結合する。 (b)抗BCDFモノクローナル抗体MH166及び抗BCDFモノ
    クローナル抗体αBSF2−77とはヒトBCDFの異なるエピト
    ープを認識する。 (c)ヒトBCDF活性を中和する。 (d)ヒトBCDFとBCDFレセプターの結合を完全に阻害す
    る。
  3. 【請求項3】抗ヒトBCDFモノクローナル抗体HH61−8又
    は抗ヒトBCDFモノクローナル抗体HH61−10を用いた免疫
    化学的方法によるヒトBCDFの定量法。
  4. 【請求項4】免疫化学的方法が二抗体法である請求項
    (3)に記載のヒトBCDFの定量法。
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