JP3202029B2 - インターロイキン5の微量定量 - Google Patents

インターロイキン5の微量定量

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトインターロイキン
5(ヒトIL−5と称する)に対するモノクローナル抗
体、このモノクローナル抗体を用いるサンドイッチ法に
よるヒトIL−5の測定方法、及びこの測定方法のために
使用する測定キットに関する。
【0002】
【従来の技術】IL−5はT細胞代替因子(T cell-repla
cing factor)とも称され、最初、活性化されたB細胞が
免疫グロブリン分泌細胞に分化するための最終段階のた
めに必要な因子として記載された(J.Immunol. 125 , 26
46, 1980, Kiyoshi Takatsu ら)。最近、マウス及びヒ
トについてIL−5をコードするcDNAが単離され(Nature
324 , 70, 1986, Tatsuo Kinashiら;Cell 14, 9148, 1
986, Chihiro Azuma ら)、精製されたIL−5が入手可
能になったことから、広範な研究が可能となり、この結
果IL−5が種々の生物学的活性、例えば好中球の分化の
誘導(J.Exp.Med. 167 , 43, 1988, Yuji Yamaguchi
ら)、B細胞の増殖の刺激(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
3, 437, 1986, Colin J.Sandersonら)、細胞傷害(cyto
toxic) T細胞形成の増強(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,
4234, 1987, Kiyoshi Takatsu ら)等、を有すること
が明らかになった。しかしながら、正常状態及び疾患状
態におけるIL−5の正確な役割は解明されていない。
【0003】IL−5の測定のため、ネズミB細胞リンパ
腫 BCL1細胞の IgM分泌を誘導するその能力に基くバイ
オアッセイが用いられているが、この方法は感度が低
く、そして日常的測定法としてはふさわしくない。しか
も、 BCL1細胞はIL−4、GM−CSF 等の他のサイトカイ
ン類にも応答する。従って、IL−5の生物学的研究及び
実用のためには、前記の方法に代る、特異性が高く、高
感度でありそして信頼性の高いIL−5の測定方法が必要
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、日常
的に使用することができ、IL−5に対して特異性が高
く、しかも高感度の、IL−5の測定方法及び該方法の実
施のためのキットを提供するものであり、さらにこの技
術の前提となるIL−5に対するモノクローナル抗体を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、IL−5の測
定のために有用な抗IL−5モノクローナル抗体を生産す
るハイブリドーマを得ることに成功し、IL−5の高感度
で且つ特異的なサンドイッチ測定法及びそのためのキッ
トを開発することに成功した。従って、本発明は、IL−
5に対するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体
を生産するハイブリドーマ、該モノクローナル抗体及び
IL−5に対するポリクローナル抗体を使いるサンドイッ
チ法によるIL−5の測定方法、並びに該測定方法に使用
するための測定キットを提供する。
【0006】
【具体的な説明】本発明のモノクローナル抗体を生産す
るハイブリドーマを作製するための免疫系としては任意
のIL−5含有標品を用いることができるが、組換えイン
ターロイキン5を用いるのが好ましく、その製造方法は
例えば特開昭63−185387に詳細に記載されており、IL−
5をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが導入さ
れた大腸菌は微工研条寄第1477号(FERM BP-1477)として
寄託されている。
【0007】ハイブリドーマの作製は、Milsteinら、 N
ature, 256, 495, 1975 により最初に記載された常法に
従って行うことができる。具体的な方法は実施例1に記
載する。
【0008】モノクローナル抗体の調製は、ハイブリド
ーマを常用の培地中で培養するか、又は動物の腹腔に感
染させ、腹水を回収することにより行うことができ、後
者の方法がより好ましい。この方法においては、ハイブ
リドーマをまずBALB/c マウス等の動物の腹腔に接種
し、該動物から腹水を回収する。次に、この腹水を遠心
分離等の常法に従って清澄にした後、免疫グロブリンを
特異的に吸着するプロテインAを固定化した担体、例え
ばプロテインA−セファロースCL4Bに適用し、吸着した
抗体を常法に従って溶出することにより精製されたモノ
クローナル抗体が得られる。
【0009】ポリクローナル抗体の調製も常法に従って
行うことができる。例えば精製された組換えヒトIL−5
をフロインドの完全アジュバント中に懸濁し、これを動
物、例えばウサギに注射して免疫及び追加免疫を行う。
最終追加免疫の1〜2週間後に採血し、常法に従って血
清を得、硫酸アンモニウム塩析により、例えば硫酸アン
モニウム0〜50%飽和画分として目的のポリクローナル
抗体を含有する蛋白質画分を得る。次にこれを、担体結
合プロテインA、例えばプロテインA−セファロースCL
−4Bに適用することにより免疫グロブリンを吸着せしめ
る。次に、この結合した免疫グロブリンを常法に従って
溶出した後、IL−5を固定した担体、例えばIL−5を固
定したセファロース4Bに適用し、IL−5に対するポリ
クローナル抗体のみを吸着せしめ、次にそれを常法に従
って溶出し、精製ポリクローナル抗体を得る。
【0010】本発明のサンドイッチ測定法は常法に従っ
て行うことができる。すなわち、まず、適当な固体担体
の表面にIL−5に対するモノクローナル抗体を吸着固定
し、次にこの抗体をヒトIL−5を含有すると予想される
サンプルと接触せしめる。これによりサンプル中のヒト
IL−5が、固体担体に固定されているモノクローナル抗
体と特異的に結合し、この結果、サンプル中のヒトIL−
5があらかじめ固定されているモノクローナル抗体を介
して固体担体に固定される。
【0011】次に、前記担体を、二次担体としてIL−5
に対するポリクローナル抗体を含有する溶液と接触せし
める。これにより該ポリクローナル抗体はIL−5の、モ
ノクローナル抗体との結合に利用されなかった第二のエ
ピトープと結合し、該ポリクローナル抗体はあらかじめ
固定されているモノクローナル抗体及びIL−5を介して
固体担体に結合し、この場合ポリクローナル抗体の固定
量がサンプル中のIL−5の量、すなわち固定されている
IL−5の量を反映する。
【0012】従って、固定されたポリクローナル抗体の
量を測定することによりサンプル中のIL−5の量を決定
することができる。固定されたポリクローナル抗体の量
の測定法は後で詳細に記載する。
【0013】上記の方法において、固体担体としては、
例えば、マイクロタイタープレート、例えばポリ塩化ビ
ニル製マイクロタイタープレート、又はポリスチレン製
マイクロタイタープレート等を用いることができる。モ
ノクローナル抗体の固定は、例えば、モノクローナル抗
体を適当な緩衝液、例えば炭酸緩衝液、リン酸緩衝液等
に希釈した後、これを固体担体の表面に適用し、そして
4℃〜37℃にて30分間以上インキュベートすることによ
り行うことができる。
【0014】次に、固体担体を、洗浄液、例えばTween
20のごとき界面活性剤を含有する緩衝液、例えばリン酸
緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等により数回洗浄
して、未吸着のモノクローナル抗体を除去する。
【0015】次に、固体担体表面上の遊離結合基をブロ
ックするため、ブロッキング緩衝液により固体担体を処
理する。ブロッキング緩衝液として、例えば、1〜数%
のウシ血清アルブミン(BSA) 、卵白アルブミン、スキム
ミルク等を含有する緩衝液、例えばトリス緩衝液、リン
酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等を用いることができ、処理は
4℃〜37℃にて30分間以上のインキュベーションにより
行うことができる。
【0016】次に、固体担体を洗浄することよりブロッ
キング緩衝液を除去する。この洗浄は、前記モノクロー
ナル抗体の固定後の洗浄と同様に行うことができる。こ
うして、固体担体が調製される。
【0017】次に、この固体担体を、適当な緩衝液、例
えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等の中
に希釈されたサンプルと接触せしめる。この接触は、4
℃〜37℃にて30分間以上のインキュベーションにより行
うことができる。次に前記のようにして固体担体を洗浄
する。
【0018】次に、二次抗体、すなわちIL−5に対する
ポリクローナル抗体を含有する緩衝液に前記固体担体を
接触せしめる。この場合の緩衝液としては、例えばリン
酸緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等を用いること
ができる。この接触は4℃〜37℃にて30分間以上のイン
キュベーションにより行う。次に、前記のようにして固
体担体を洗浄する。
【0019】次に、上記のようにして結合固定された二
次抗体の検出・測定は任意の常法に従って行うことがで
きる。二次抗体自体を例えば放射性核種、蛍光物質、酵
素等により標識しておき、直接検出・測定することも可
能である。しかしながら、本発明の好ましい方法におい
ては、二次抗体に対して特異的な三次抗体を用い、この
三次抗体を種々の方法により標識しておく。
【0020】三次抗体としては、二次抗体の調製に用い
た動物の種と異る種の動物の抗体であって、二次抗体の
調製に用いた動物種の免疫グロブリンに対するもの又は
その断片が用いられる。例えば、二次抗体がウサギを用
いて調製された場合、三次抗体としてウサギ免疫グロブ
リンに対するヤギの抗体を用いることができる。
【0021】三次抗体を標識するため、常用の標識物
質、例えば放射性核種、例えば 125I, 3H,14C;蛍
光物質、例えばフルオレッセインイソチオシアネート(F
ITC)、ローダミン、テキサスレッド;酵素、例えば西洋
ワサビパーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウ
レアーゼ等を用いることができる。本発明の好ましい態
様においては三次抗体の標識として酵素が用いられ、本
発明のサンドイッチ法は酵素免疫測定法(ELISA)として
行われる。酵素の検出には、その酵素に対応する基質、
好ましくは発色性の酵素基質が用いられ、例えば酵素と
してパーオキシダーゼが用いられる場合、その基質とし
て過酸化水素、発色試薬として、例えばオルソフェニレ
ンジアミン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジ
ジン等が用いられる。
【0022】本発明はIL−5の測定用キットをも提供
し、このキットは少なくともIL−5に対するモノクロー
ナル抗体、及びIL−5に対するポリクローナル抗体を含
んで成る。モノクローナル抗体は溶液状又は凍結乾燥品
でもよく、あるいは固体担体に固定されたものでもよ
い。キットが固体担体に固定されたモノクローナル抗体
を含む場合、この固体担体は好ましくはブロッキング剤
により処理された後のものである。
【0023】測定キットはさらに、第三の要素として前
記ポリクローナル抗体(二次抗体)に特異的に結合する
標識された三次抗体を含むことができる。この場合の三
次抗体の標識が酵素である場合はさらに、該酵素の基質
を含む発色試薬をキットに含めることもできる。しかし
ながら、酵素標識された三次抗体及び対応する発色試薬
は市販品を使用することができ、本発明のキットの必須
要素ではない。
【0024】本発明の測定キットはまた、任意的要素と
して、サンプル希釈用緩衝液、各種の試薬希釈用緩衝
液、洗浄液等を含むことができる。
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0025】実施例1 ハイブリドーマの作製 ハイブリドーマの作製は、Milsteinら、Nature, 256 ,
495, 1975 により最初に記載された常法に従って行うこ
とができる。すなわち、例えば精製された組換えヒトIL
−5をフロインドの完全アジュバント中に懸濁し、マウ
ス(BALB/c)の腹腔内に7〜10日毎に3回注射しマウス
を免疫する。最終免疫の3日後該マウスの脾臓の細胞
(脾細胞)とマウスミエローマ細胞とポリエチレングリ
コールを用いて融合させ、常法に従いHAT培地(RPMI
1640+10%血清にヒポキサンチン、アミノプテリン、チ
ミジンを含む培地)による融合細胞(ハイブリドーマ)
の選択的培養後、その培養上清について ELISA法を用い
ヒトIL−5に対する反応により第一次スクリーニングを
行った。
【0026】上記のスクリーニングで陽性(positive)と
判定されたハイブリドーマは、さらに限界希釈法による
サブクローニングによって単クローン(モノクローン)
とした。単一クローン化されたハイブリドーマの産生す
る抗体(即ちMoAb)のサブクラスは市販のマウスグロブ
リン同定キットを用いて同定した。
【0027】上記のようにして4個のハイブリドーマク
ローンD138,C213,D171、及びE060を得た。なお、この
明細書においては、便宜上、ハイブリドーマの標示及び
そのハイブリドーマにより生産されたモノクローナル抗
体の標示を同じ記号により行う。なお、上記ハイブリド
ーマD138は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研条
第3289号(FERM BP-3289)として寄託されている。
【0028】実施例2 モノクローナル抗体の調製 得られたハイブリドーマをBALB/c マウスの腹腔に接種
し、腹水を回収した。上記のようにして得た腹水20mlを
遠心分離して清澄化した後、35mlのプロテインA−セフ
ァロースCL−4Bカラム(Pharmacia LKB Biotechnology,
Uppsala,スェーデン)に適用し、カラムを3M NaCl を
含有する1.5Mグリシン緩衝液(pH8.9)で洗浄した
後、カラムに吸着したモノクローナル抗体を0.1Mクエ
ン酸緩衝液(pH4.0)により溶出した。他のハイブリド
ーマについても同様の操作を行い、それぞれ対応するモ
ノクローナル抗体を得た。
【0029】上記のようにして得られた4種類のモノク
ローナル抗体D138, C213, D171、及びE060はそれぞれ I
gG2a, IgG1, IgG2a 、及びIgG1のイムノグロブリンサブ
クラスに属する。これらの抗体の結合性はヒトIL−5に
特異的であり、他のサイトカイン、例えばインターフェ
ロンγ、IL−4、TNF−α及びGM−CSF 、並びにマウス
の組換IL−5には交差反応を示さない。さらに、これら
の抗体が認識するエピトープ(抗原決定基)はすべての
ペプチド部位である。
【0030】実施例3 ポリクローナル抗体の調製 50μgの組換えIL−5をフロインドの完全アジュバント
中に懸濁し、これをウサギに3〜5週間毎に3回免疫
し、最終免疫の7日後に採血し、そして常法に従って血
清を得た。こうして得られた血清20mlに硫酸アンモニウ
ムを加えて50%飽和とした後、遠心分離により蛋白質画
分の沈澱を回収し、そしてPBSに対して透析すること
により硫酸アンモニウムを除去した。次に、この蛋白質
画分をプロテインA−セファロースCL−4Bカラムに適用
することにより免疫グロブリンを吸着せしめ、モノクロ
ーナル抗体の精製の場合と同様にして免疫グロブリン画
分を溶出した。
【0031】次に、この免疫グロブリン画分をIL−5を
固定したセファロース4B(IL−5セファロース4B;
ファルマシア製のCNBr−活性化セファロース4Bを用
い、常法に従ってIL−5を結合させたもの;200μg hI
L−5/0.3gセファロース)に適用してIL−5に対
する抗体を特異的に吸着させ、次にこれを0.1Mグリシ
ン緩衝液(pH2.5)により溶出した。こうして、IL−5
に対する精製されたポリクローナル抗体を得た。
【0032】実施例4 ELISA法によるIL−5の測定 96−ウエルのポリ塩化ビニルマイクロプレート(Falcon
3912)の中央部の60個のウエルに、緩衝液A(0.1M炭
酸緩衝液、pH9.5)に溶解したモノクローナル抗体(10
μg/ml)の溶液 100μlを入れ、プラスチック製カバ
ー(Falcon 3913)でマイクロプレートを覆った後4℃に
て一夜インキュベートした。
【0033】前記マイクロプレートのウエルから液を注
ぎ出した後、ウエルに200μlの緩衝液B(0.1%のTwe
en 20を含有するリン酸緩衝液)を加え、3分間の後、
前記のようにして液を除去した。これをさらに3回繰返
すことによりウエルの洗浄を行った。
【0034】次にリン酸緩衝液中の1%ウシ血清アルブ
ミンの溶液 200μlを各ウエルに加え、室温にて30分間
インキュベートすることによりウエルの非特異的結合部
位のブロッキングを行った。次に前記の様にして3回洗
浄した。緩衝液C(10%ウシ胎児血清を含有する緩衝液
B)中に希釈されたIL−5の溶液(濃度 500〜7.8pg/
ml)(標準溶液)又は緩衝液B中に希釈された被験サンプ
ル 100μlをウエルに加え、カバーを付した後室温にて
一夜インキュベートし、そして前記の方法により5回洗
浄した。
【0035】次に、緩衝液D(3%のポリエチレングリ
コール6000を含有する緩衝液B)中に希釈したIL−5に
対するポリクローナル抗体(二次抗体)(濃度40ng/ml)1
00μlを各ウエルに加え、カバーを付した後、室温にて
4時間インキュベートした。次に、前記の方法により2
回洗浄した。次に、ヤギの抗−ウサギ免疫グロブリン抗
体にパーオキシダーゼを結合している標識された三次抗
体の緩衝液D中の溶液 100μlに入れ、そしてカバーを
付した後室温にて4時間インキュベートした。次に前記
の方法により5回洗浄した。
【0036】0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)中に0.0027%
の過酸化水素及び0.55nMの3,3′,5,5′−テトラ
メチルベンジジンを含有する、新しく調製した基質溶液
100μlを各ウエルに加え、室温にて10分間インキュベ
ートして酵素反応させた後、100μlの1N HCl を加え
て反応を停止させた。次に、 ELISAプレートリーダーに
より 450nmでの吸収を読み取った。
【0037】上記の方法により、モノクローナル抗体と
して、D138,C213,D171、及びE060を用いて種々の濃度
のIL−5標準サンプルを測定した場合、測定感度は次の
表1に示す通りであった。
【0038】
【表1】
【0039】モノクローナル抗体D138又はD171を一次抗
体(捕捉抗体)として使用することにより検出限界7.8
pg/mlという、従来法では得られない高い感度の測定を
行うことができる。一例として図1にモノクローナル抗
体D138を使用した場合の、IL−5濃度(pg/ml)と 450
nmにおける吸光度との間の検量線を示す。
【0040】次に、本発明のサンドイッチ法の特異性を
調べるため、捕捉抗体としてD138を用い、種々のサイト
カイン類、細胞培養上清、及びヒト血清を測定し、これ
らが本発明の方法により検知されるか否かを調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】この表から明らかな通り、本発明の測定法
は、IL−5以外のヒトのサイトカインを検知せず、また
マウスのIL−5を検知しなかった。また、健常人の血清
中の成分も検知しなかった。従って、本発明のサンドイ
ッチ測定法はヒトIL−5に対して極めて特異性が高い。
【0043】次に、本発明の測定方法の同時再現性(同
時に同一のサンプルについて複数個の測定を行った場合
のバラツキの程度)、及び日差再現性(同一サンプルを
日を替えて測定した場合の測定結果の差)を調べた。
【0044】IL−5の濃度を異にする3種類のサンプル
A,B及びCを5連で測定し、他方、同じサンプルを1
日1回ずつ別々の日に5回測定した。各サンプルにつ
き、平均値及び標準偏差、並びに平均値に対する標準偏
差の割合(CV%)を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】上記の通り、同時再現性及び日差再現性共
に良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、捕捉抗体としてヒトIL−5に対するモ
ノクローナル抗体D138を用いてサンドイッチ ELISA法に
よりヒトIL−5を測定した場合のヒトIL−5濃度と吸光
度との関係の一例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 中西 俊博 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1 号 サントリー株式会社 生物医学研究 所内 (56)参考文献 特開 昭59−39832(JP,A) 特開 平1−307666(JP,A) 特開 平1−59068(JP,A) 欧州特許出願公開367596(EP,A 1) J.Biochem.,Vol.106, (1989),p.23−28 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 21/08 C12N 5/12 - 5/28 G01N 33/53 G01N 33/577 C12N 15/06 - 15/08 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マウスインターロイキン5と実質的に反
    せず、ヒトインターロイキン5を測定する方法におい
    て検出限界値が 500pg/mL以下であるヒトインターロイ
    キン5に対するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 前記検出限界値が31pg/mL以下である請
    求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 ハイブリドーマ(微工研条寄第3289号)
    により生産される請求項1又は2に記載のモノクローナ
    ル抗体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒ
    トインターロイキン5に対するモノクローナル抗体、及
    びヒトインターロイキン5に対するポリクローナル抗体
    を用いるサンドイッチアッセイ法であることを特徴とす
    るヒトインターロイキン5の測定方法。
  5. 【請求項5】 固体担体に固定されていてもよい、請求
    1〜3のいずれか1項に記載のヒトインターロイキン
    5に対するモノクローナル抗体、及びヒトインターロイ
    キン5に対するポリクローナル抗体を含んで成る、ヒト
    インターロイキン5測定用キット。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモ
    ノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.Biochem.,Vol.106,(1989),p.23−28

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Publication number Publication date
JPH04271795A (ja) 1992-09-28

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