JP2880775B2 - 光重合性組成物及び光重合性積層体 - Google Patents

光重合性組成物及び光重合性積層体

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JP2880775B2 JP20243490A JP20243490A JP2880775B2 JP 2880775 B2 JP2880775 B2 JP 2880775B2 JP 20243490 A JP20243490 A JP 20243490A JP 20243490 A JP20243490 A JP 20243490A JP 2880775 B2 JP2880775 B2 JP 2880775B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光重合性組成物および光重合性積層体に関
し、更に詳しくは印刷回路板作成に適したアルカリ現像
可能な光重合性組成物および該組成物を用いた光重合性
積層体に関する。
〔従来の技術〕
従来、印刷回路板作成用のレジストとして支持層と光
重合層から成る、いわゆるドライフィルムレジスト(以
下DFRと略称)が用いられている。DFRは、一般に支持層
上に光重合性組成物から光重合層を積層し、多くの場
合、さらに該組成物上に保護用のフィルムを積層するこ
とにより調製される。
DFRを用いてプリント回路板を作成するには、まず保
護フィルムを剥離した後、銅張積層板等の永久回路作成
用基板上に、DFRを積層する。次に、必要により支持層
を剥離し、配線パターンマスクフィルム等を通し露光を
行う。露光後に支持層がある場合は必要に応じて支持層
を剥離し、現像液により未露光部分の光重合層を溶解、
もしくは分散除去し、基板上に硬化レジスト画像を形成
せしめる。光重合層としては、現像液としてアルカリ水
溶液を用いるアルカリ現像型と、有機溶剤を用いる溶剤
現像型が知られているが、近年環境問題ないし費用の点
からアルカリ現像型DFRの需要が伸びている。
回路を形成させるプロセスとしては現像後は両型とも
同一であり、大きく二つの方法に分かれる。第一の方法
は、硬化レジストによって覆われていない銅面をエッチ
ング除去した後、レジストをさらに除去するものであ
り、第二の方法は、同上の銅面に銅及び半田等のメッキ
処理を行った後、レジストの除去、さらに現れた銅面を
エッチングするものである。
また、DFRを用いて作製される印刷回路板の中で、ス
ルーホールの内周面に付設した導電性回路形成物質層、
例えば銅薄膜層によって恒久的画像形成用基板の一方の
面と他方の面とを電気的に接続した形式のものがほとん
どである。この種の印刷回路基板の製造方法としては、
銅スルーホール法と半田スルーホール法が一般的であっ
て、銅スルーホール法の中ではテンティング法が広く採
用されるようになってきている。
半田スルーホール法はスルーホールの内周面の導電性
回路構成物質、例えば銅薄膜層を保護する耐エッチング
金属、例えば半田メッキで被覆し、次いで基板表面の不
要箇所をエッチングするものである。上述の銅メッキや
半田メッキ等の各種メッキ工程に於いて、レジストと基
材との間にメッキ液がしみ込み、メッキがもぐるとショ
ートの原因となる。従って耐メッキ性の優れたDFRが要
求される。
また、露光、現像により形成された硬化レジストはエ
ッチング、あるいはメッキ後に水酸化ナトリウム等のア
ルカリ水溶液の剥離液により剥離される。剥離速度は生
産性の観点から速い事が好ましい。また、レジスト硬化
膜の剥離液に対する溶解性が高いと、剥離液の粘度の上
昇をきたし、発泡が著しくなる。そのため剥離液の処理
能力は低下する。さらに剥離液のBOD(生物化学的酸素
要求量)やCOD(化学的酸素要求量)が増大するため、
廃液処理に要する費用が高価になる。以上の点からレジ
スト硬化膜は剥離液に対して難溶である事が望ましい。
現在広く用いられているDFRの光重合層は、(1)少
なくとも1個のエチレン性基を有し、光重合開始剤によ
って重合体を形成できる不飽和化合物、(2)熱可塑性
有機重合体結合剤、(3)光重合開始剤および(4)そ
の他の添加剤から成っている(特公昭50−9177号公報、
特公昭57−21697号公報)。
前記不飽和化合物としては脂肪族系多価アルコールの
アクリル酸及びメタクリル酸エステルが最も一般的で、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコール
ジアクリレート等が知られている。また、芳香族系2価
アルコールとしてビスフェノールAにポリエチレングリ
コールもしくはポリプロピレングリコールを付加させて
アクリル酸またはメタクリル酸エステルとして用いる例
が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前者の脂肪族エステルに於いては十分な耐メ
ッキ性が得られない。また後者のビスフェノール系モノ
マーを用いた場合、良好な耐メッキ性を有するが、側鎖
を長くすると耐メッキ性が低下するか、または前記結合
剤との相溶性が損なわれる。さらに、アルカリ現像可能
なDFRに於いては近年ますますファインパターン化が進
むなかで特にメッキ工程に於いて十分な耐性を有すると
ともに剥離工程に於いては速やかに剥離され、剥離液中
で難溶性であるという特性を同時に満足する性能が求め
られてきた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビス
フェノールA系アクリル酸エステルモノマー又はメタク
リル酸エステルモノマーの分子中に、エチレングリコー
ル鎖とプロピレングリコール鎖の双方を含有する化合物
を光重合可能な不飽和化合物として用いると、上記のレ
ジスト特性を同時に満足し、また硬化膜が良好な剥離性
を有している事を見い出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の第1項に示す発明(第1発明
という)〜第4項に示す発明(第4発明という)のとお
りである。
1.(a) カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、
重量平均分子量が2万〜50万の線状重合体 5〜93重量
%、 (b) ビスフェノールA系アクリル酸エステルモノマ
ー又はメタクリル酸エステルモノマーの分子中に、エチ
レングリコール鎖とプロピレングリコール鎖の双方を含
有する光重合可能な不飽和化合物 5〜93重量%、 (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有して成ることを特徴とする光重合性組成物。
2.(a) カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、
重量平均分子量が2万〜50万の線状重合体 5〜93重量
%、 (b) 下記式(I)で示される光重合可能な不飽和化
合物 5〜93重量%、 (式中、R1、R2はHまたはCH3であり、これらは同一で
あっても相違してもよい。また、A、Bは、−CH(C
H3)CH2−または−CH2CH2−であり、これらは相異な
る。m1+m2は6〜12、n1+n2は6〜12であり、m1、m2
n1、n2は正の整数である。) 及び (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有して成ることを特徴とする光重合性組成物。
3. 光重合層と支持層とからなる光重合性積層体におい
て、該光重合層が、 (a) カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、重
量平均分子量が2万〜50万の線状重合体 5〜93重量
%、 (b) ビスフェノールA系アクリル酸エステルモノマ
ー又はメタクリル酸エステルモノマーの分子中に、エチ
レングリコール鎖とプロピレングリコール鎖の双方を含
有する光重合可能な不飽和化合物 5〜93重量%、 (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有した組成物からなることを特徴とする光重合性積
層体。
4. 光重合層と支持層とからなる光重合性積層体におい
て、該光重合層が、 (a) カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、重
量平均分子量が2万〜50万の線状重合体 5〜93重量
%、 (b) 下記式(I)で示される光重合可能な不飽和化
合物 5〜93重量%、 (式中、R1、R2はHまたはCH3であり、これらは同一で
あっても相違してもよい。また、A、Bは、−CH(C
H3)CH2−または−CH2CH2−であり、これらは相異な
る。m1+m2は6〜12、n1+n2は6〜12であり、m1、m2
n1、n2は正の整数である。) 及び (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有した組成物からなることを特徴とする光重合性積
層体。
特に、上記一般式(I)で示される化合物を光重合可
能な不飽和化合物として用いると、硬化後のレジストが
特にメッキ工程に於いて十分な耐性を示すとともに剥離
工程に於いて良好な剥離性を示し、硬化膜が柔軟性に富
んでいるという特性を示す。
本発明に用いる(I)式で示される光重合可能な不飽
和化合物において、エチレングリコール鎖のみである場
合、剥離性をよくするために側鎖を長くすると親水性が
増し膨潤が起こりやすく耐メッキ性が損なわれる。また
プロピレングリコール鎖のみである場合は、同様に剥離
性をよくするために側鎖を長くするとバインダーとの相
溶性が悪くなり、均一な組成物とならず、相分離を起こ
してしまう。
本発明の光重合性組成物には、前記第1発明の(b)
成分の光重合可能な不飽和化合物が5〜93重量%含まれ
る必要があり、20〜60重量%の範囲がより好ましい。
光重合可能な不飽和化合物が93重量%以上ではフィル
ム付与性やタック性が悪化し、また、5重量%未満では
露光によって十分な硬化画像が形成されず、レジストと
しての特性、例えばテンティング、エッチング、各種メ
ッキ工程に対する耐性を有し得ない。
本発明においては、前記の光重合可能な不飽和化合物
以外の光重合可能な不飽和化合物も1種類以上同時に使
用しても良い。同時に用いられる前記(I)式以外の光
重合可能な不飽和化合物としては、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシテトラ
エチレングリコールアクリレート、β−ヒドロキシプロ
ピル−β′−(アクリロイルオキシ)プロピルフタレー
ト、1,4−テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート(これはメタクリレート及びアクリレートを表
す。以下同様)、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、1,4−シクロヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、オクタプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ジ
(P−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリ
レート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオ
キシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート等がある。
本発明に用いる線状重合体中に含まれるカルボキシル
基の量は酸当量で100〜600である必要があり、300〜400
が好ましい。又分子量は2万〜50万である必要があり、
好ましくは5万〜20万である。ここで酸当量とは、その
中に1当量のカルボキシル基を有するポリマーの重量を
いう。重合体中のカルボキシル基はアルカリ水溶液に対
し現像性や剥離性を有するために必要である。酸当量が
100以下では、塗工溶媒または他の組成物、例えばモノ
マーとの相溶性が低下し、600以上では現像性や剥離性
が低下する。又、分子量が50万以上であると現像性が低
下し、2万以下では光重合性積層体に用いたとき光重合
層の厚みを均一に維持する事が困難になる。なお、酸当
量の測定は、平沼レポーティングタイトレータCONTITE
−7を用い0.1N水酸化ナトリウムで電位差滴定法により
行われる。また、分子量は日本分光製ゲルパーメーショ
ンクロマトグラフィー(ポンプ;TRIROTAR−V、カラム;
Shodex A−80M×2本直列、移動相溶媒;THF、ポリス
チレン標準サンプルによる検量線使用)により重量平均
分子量として求められる。
該線状重合体は、下記の2種類の単量体の中より各々
1種またはそれ以上の単量体を共重合させる事により得
られる。第1の単量体は分子中に重合性不飽和基を1個
有するカルボン酸または酸無水物である。例えば(メ
タ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イ
タコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等
である。第2の単量体は光重合層の現像性、エッチング
及びメッキ工程での耐性、硬化膜の可とう性等の種々の
特性を保持するように選ばれる。例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート類がある。又酢酸ビニル等のビニルア
ルコールのエステル類や、スチレンまたは重合可能なス
チレン誘導体等がある。又上記の重合性不飽和基を分子
中に1個有するカルボン酸または酸無水物のみの重合に
よっても得る事ができる。
光重合性組成物に含有される線状重合体の量は、5〜
93重量%の範囲でなければならず、好ましくは30〜70重
量%である。線状重合体の量が93重量%以上または5重
量%未満では、露光によって形成される硬化画像が十分
にレジストとしての特性、例えばテンティング、エッチ
ング、各種メッキ工程に於いて十分な耐性を有し得な
い。
本発明の光重合性組成物には光重合開始剤を必須成分
として含んでいる。本発明に用いる光重合開始剤は各種
の活性光線、例えば紫外線などにより活性化され重合を
開始する公知のあらゆる化合物である。例えば、2−エ
チルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,
2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノ
ン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルア
ントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロ
アントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナ
フトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル、
1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3
−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類、
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4′−ビス(ジ
メチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類、ベ
ンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェ
ニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインな
どのベンゾインエーテル類、ジメチルチオキサントンと
ジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのようにチオキサ
ントン系化合物と三級アミン化合物との組み合わせ等が
ある。
本発明の光重合性組成物に含有される光重合開始剤の
量は、0.01〜30重量%であり、好ましくは、0.05〜10重
量%である。光重合開始剤が30重量%以上では光重合性
組成物の活性線吸収率が高くなり、光重合積層体として
用いた時光重合層の底の部分の重合による硬化が不充分
になる。また、0.01重量%未満では充分な感度が出なく
なる。
本発明の光重合性組成物の熱安定性、保存安定性を向
上させるため、光重合性組成物にラジカル重合禁止剤を
含有させることは好ましいことである。例えば、p−メ
トキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナ
フチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチ
レンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)等が挙げられる。
本発明の光重合性組成物には、染料、顔料等の着色物
質を含有してもよい。例えばフクシン、フタロシアニン
グリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、
パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレ
ンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイト
グリーン、ベイシックブルー20、ダイヤモンドグリーン
等が挙げられる。
また、光照射により発色する発色系染料を含有しても
よい。発色系染料としては、ロイコ染料とハロゲン化合
物の組み合わせが良く知られている。ロイコ染料として
は、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチル
フェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、
トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メ
タン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。一
方、ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソア
ミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニ
ルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメ
チルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−
ジブロモプロピル)ホスヘート、トリクロロアセトアミ
ド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリク
ロロ−2,2−ビス(P−クロロフェニル)エタン、ヘキ
サクロロエタン等が挙げられる。
さらに、該光重合性組成物には、必要に応じて可塑剤
等の添加剤を含有してもよい。例えばジエチルフタレー
ト等のフタル酸エステル類が例示できる。
本発明の第2発明は、上記光重合性組成物を含有した
光重合層と、該光重合層を支持する支持層とからなる。
光重合層の支持層としては、活性光を透過する透明な
ものが望ましい。
活性光を透過する支持層としては、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重
合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィ
ルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィル
ム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これ
らのフィルムは必要に応じ延伸されたものも使用可能で
ある。
支持層と積層した光重合層の他、光重合層表面に必要
に応じて保護層を積層する。この保護層の重要な特性は
光重合層との密着力について、支持層よりも保護層の方
が、充分小さく容易に剥離できることである。たとえば
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等があ
る。また、特開昭59−202457号公報に示された剥離性の
優れたフィルムを用いることもできる。
光重合層の厚みは用途において異なるが、印刷回路板
作製用には5〜100μm、好ましくは5〜70μmであ
り、薄いほど解像力は向上する。また、厚いほど膜強度
が向上する。
次に、本発明の光重合性積層体を用いた印刷回路板の
作成工程は、従来技術に準ずるものであるが簡単に述べ
る。まず、保護層がある場合は、保護層を剥離した後、
光重合層を印刷回路板用基板の金属表面に加熱圧着し積
層する。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃であ
る。次に必要ならば支持層を剥離しマスクフィルムを通
して活性光により画像露光する。次に、露光後光重合層
上に支持層がある場合には必要に応じてこれを除き、続
いてアルカリ水溶液を用いて未露光部を現像除去する。
アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を用
いる。これらは光重合層の特性に合わせて選択される
が、0.5%〜3%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であ
る。次に現像により、露出した金属面をエッチング法、
またはメッキ法のいずれか既知の方法を用い金属の画像
パターンを形成する。その後、硬化レジスト画像は一般
的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカ
リ性の水溶液により剥離される。剥離用のアルカリ水溶
液についても特に制限はないが1%〜5%の水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムの水溶液が一般的に用いられ
る。更に現像液や剥離液に少量の水溶性有機溶媒を加え
る事は可能である。
〔実施例〕
以下、実施例により具体的実施態様を示すが、これに
より本発明を制限するものではない。
合成例1 かきまぜ器、還流冷却器、温度計を備えた5容のセ
パラブルフラスコに、イオン交換水2000gを入れ、メチ
ルセルロース〔信越化学(株)製、商品名:メトローズ
SH−100〕10g、塩化ナトリウム5gを溶解し、75℃でか
きまぜながら重合性単量体としてメチルメタクリレート
365g、n−ブチルアクリレート25g、メタクリル酸110
g、その他の成分としてアゾビスイソブチロニトリル2.5
g、ドデシルメルカプタン1gの均一混合物を投入した。
約1時間後に内温が上昇し始め90℃まで達した。80℃ま
で内温が下がった時点で、水浴を80℃にあげ2時間、さ
らに90℃で1時間かきまぜた後、内容物を200メッシュ
の金ブルイにあけ十分量の水で洗浄した。その結果、10
0〜400ミクロンの粒径のビーズ状ポリマーが得られ乾燥
した。このポリマーをゲルパーメーションクロマトグラ
フィーで分析したところ、重量平均分子量は12万であっ
た。また電位差滴定法で求めた酸当量は390であった。
合成例2 合成例1と同様の方法で重合性単量体だけを次の原料
に変えて共重合体を合成した。
メチルメタクリレート200g、スチレン150g、n−ブチ
ルアクリレート25g、メタクリル酸125g。この共重合体
のゲルパーメーションクロマトグラフで測定した重量平
均分子量は6万であった。また、酸当量は346であっ
た。
実施例1 かきまぜ器、還流冷却器を備えた500ml容のセパラブ
ルフラスコに、メチルエチルケトン150gと合成例1で作
製した共重合体50gを仕込み、かきまぜながら50℃で3
時間加熱溶解した。この溶液を室温まで冷却した後、第
1表に示すモノマー、その他の成分を投入し,室温で15
時間かきまぜた。
次にこの混合溶液を、厚さ25μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムにバーコーターを用いて均一に塗布
し、90℃の乾燥機中で5分乾燥して光重合層の厚さ50μ
mの光重合性積層体を製造した。その後、光重合層のポ
リエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表
面上に35μmのポリエチレンフィルムを張り合わせて積
層フィルムを得た。一方、35μm圧延銅箔を積層した銅
張積層板を湿式バフロール〔スリーエム社製、商品名:
スコッチブライトHD#600、2回通し)研磨した表面に
この積層フィルムのポリエチレンフィルムを剥しながら
光重合層をホットロールラミネーターにより105℃でラ
ミネートして積層体を得た。この積層体にマスクフィル
ムを通して、超高圧水銀ランプ(オーク製作所HMW−201
KB)により80mJ/cm2で光重合層を露光した。続いてポリ
エチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の
1%炭酸ナトリウム水溶液を約70秒スプレーし、未露光
部分を溶解除去したところ良好な硬化画像を得た。
次に、上記の方法で銅張積層基板に光重合層を積層し
た後、ステップタブレット(KODAK社製、21段ステップ
タブレット)を通し、上記の超高圧水銀ランプにより80
mJ/cm2露光した。次いでポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを剥離した後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液
を約70秒スプレーし、未露光部分を溶解除去し、水洗し
乾燥した。この時ステップタブレットの完全に膜が残っ
ている最大段数を読むと6段であった。(以下、この試
験を感度試験と称す。ステップタブレットは段数は大き
い程光の透過率が低い。従って感度の高いレジストほど
上記判定段数は高くなる。) また、上述の方法で銅張り積層基板にラミネートした
積層体に、超高圧水銀灯により60mJ/cm2で露光した。次
いでポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した
後、1%炭酸ナトリウム水溶液を約70秒スプレーして現
像した。この現像後の基板を用いて次の二つの試験を行
った。
第一の試験:この基板上の硬化膜に1mm間隔にタテ及び
ヨコに10本づつ切れ目をいれ、100個の基盤目をつく
り、セロテープを強く押しつけて引きはがしたところ、
完全に剥がれたものは100個中0個であった(以下、こ
の試験をクロスカット試験と称す)。判定評価基準は、
以下の通りである。
○:全ての測定点で全く剥離が認められない。
△:100の測定点中1〜20の点で剥離が認められた。
×:100の測定点中21以上の点で剥離が認められた。
第二の試験:上述の現像後の基板を50℃に加熱した3%
水酸化ナトリウム水溶液に浸し、硬化レジストが銅面か
ら剥離する時間を測定したところ50秒であった(以下、
この試験を剥離製試験と称す)。
一方、クロスカット試験を行った後の基板を50℃に加
熱した3%水酸化ナトリウム水溶液に浸し、硬化レジス
トが銅面から剥離する時間を測定したところ50秒であっ
た(以下、この試験を剥離性試験と称す)。
又、上述の方法で銅張り積層基板にラミネートした積
層体に、ポジパターンマスクフィルムを通して超高圧水
銀灯により80mJ/cm2の紫外線を照射した。次いでポリエ
チレンテレフタレートフィルムを剥離した後1%炭酸ナ
トリウム水溶液で現像を行い下記条件で前処理、硫酸銅
メッキ及び半田メッキを行った。得られた画像の細線部
分にセロテープを張り、十分圧着した後テープを剥離し
たが、レジストの剥離は皆無であった(以下、この試験
を耐メッキ性試験と称する)。
<前処理条件> 50℃ PC−455(メルテック社製)25% 3分 浸漬
→水洗→20%過硫酸アンモニウム水溶液1分浸漬→10%
硫酸水溶液→水洗 <硫酸銅メッキ条件> メルテックス社製、商品名「硫酸銅コンク」を19%硫
酸で3.6倍に希釈したメッキ液中で2.5A/dm2の電流密度
で室温下30分メッキを行う。
<半田メッキ条件> マクダーミッド社製の半田メッキ液(錫/鉛=6/4)
を用い、2.0A/dm2の電流密度で室温下10分間メッキを行
う。
<テープ剥離判定基準> a レジストのはがれが全くない。
b 画像の両側に100μm以下の幅で1mm以下の長さの部
分が処々剥離した。
c 画像の両側に100μm以上の幅で1mm以上の長さの部
分が処々剥離した。
d ほぼ全部のレジストが剥離した。
実施例2〜3 第1表に示す組成に代える以外は、実施例1と同様の
方法で評価を行った。その結果を第2表に示す。
比較例1〜3 第1表に示す組成に代える以外は、実施例1と同様の
方法で評価を行った。その結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の光重合性組成物および光重合性積層体は、エ
ッチング、テンティング、メッキの各工程に於いて十分
な耐久性を有し、特にメッキ工程に於いて優れた耐性を
示す。剥離性も良好で、硬化膜が柔軟性に富んでいる。
また、本発明の光重合性組成物及び光重合性積層体は、
アルカリ現像に必要な特性を備えており、印刷回路板作
製用レジストとして有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/027 G03F 7/033

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) カルボキシル基含有量が酸当量で
    100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の線状重合体
    5〜93重量%、 (b) ビスフェノールA系アクリル酸エステルモノマ
    ー又はメタクリル酸エステルモノマーの分子中に、エチ
    レングリコール鎖とプロピレングリコール鎖の双方を含
    有する光重合可能な不飽和化合物 5〜93重量%、 (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有して成ることを特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】(a) カルボキシル基含有量が酸当量で
    100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の線状重合体
    5〜93重量%、 (b) 下記式(I)で示される光重合可能な不飽和化
    合物 5〜93重量%、 (式中、R1、R2はHまたはCH3であり、これらは同一で
    あっても相違してもよい。また、A、Bは、−CH(C
    H3)CH2−または−CH2CH2−であり、これらは相異な
    る。m1+m2は6〜12、n1+n2は6〜12であり、m1、m2
    n1、n2は正の整数である。) 及び (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有して成ることを特徴とする光重合性組成物。
  3. 【請求項3】光重合層と支持層とからなる光重合性積層
    体において、該光重合層が、 (a) カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、重
    量平均分子量が2万〜50万の線状重合体 5〜93重量
    %、 (b) ビスフェノールA系アクリル酸エステルモノマ
    ー又はメタクリル酸エステルモノマーの分子中に、エチ
    レングリコール鎖とプロピレングリコール鎖の双方を含
    有する光重合可能な不飽和化合物 5〜93重量%、 (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有した組成物からなることを特徴とする光重合性積
    層体。
  4. 【請求項4】光重合層と支持層とからなる光重合性積層
    体において、該光重合層が、 (a) カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600、重
    量平均分子量が2万〜50万の線状重合体 5〜93重量
    %、 (b) 下記式(I)で示される光重合可能な不飽和化
    合物 5〜93重量%、 (式中、R1、R2はHまたはCH3であり、これらは同一で
    あっても相違してもよい。また、A、Bは、−CH(C
    H3)CH2−または−CH2CH2−であり、これらは相異な
    る。m1+m2は6〜12、n1+n2は6〜12であり、m1、m2
    n1、n2は正の整数である。) 及び (c) 光重合開始剤 0.01〜30重量% を含有した組成物からなることを特徴とする光重合性積
    層体。
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