JP2877657B2 - ステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

ステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成物

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JP2877657B2
JP2877657B2 JP8691393A JP8691393A JP2877657B2 JP 2877657 B2 JP2877657 B2 JP 2877657B2 JP 8691393 A JP8691393 A JP 8691393A JP 8691393 A JP8691393 A JP 8691393A JP 2877657 B2 JP2877657 B2 JP 2877657B2
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勇人 大野
初幸 田中
秀克 小原
寿昌 中山
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TOKYO OKA KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポジ型レジスト
組成物、さらに詳しくは、電子部品材料製造などにおい
て好適に用いられる塗膜性、保存安定性に優れ、かつ安
全性に優れたステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子や液晶表示素子などの電子部
品材料の製造においては、基板上にパターンを形成させ
る方法としてホトリソグラフィーによるパターン転写方
法が用いられている。このホトリソグラフィーはシリコ
ンウエハーなどの基板上にレジストをスピンナーを用い
て塗布、乾燥し、次いでマスクを介して活性光線を照射
し、現像することでマスクパターンを基板上に転写した
のち、エッチングする方法である。このエッチング用の
マスクとして用いられるレジストには、初期はネガ型が
用いられてきたが、ネガ型レジストは現像液中での膨張
による解像限界及びコンタクト露光におけるマスク損傷
の問題から、現在は解像性に優れたポジ型レジストが多
く用いられている。
【0003】ところで、近年シリコンウエハーやガラス
基板が大型化しており、レジストを基板上に塗布するに
当って、塗膜の均一性が優れたものが望まれ、また表面
に凹凸を有する基板上に塗膜を形成する場合に凹部上に
形成される塗膜の膜厚と凸部上に形成される塗膜の膜厚
との膜厚差が小さいほど、解像性の優れたレジストパタ
ーンが形成できるため、塗膜の膜厚差の小さい、すなわ
ちステップカバレッジ性に優れたものが要求され、また
化学品の環境や人体に対する影響力が大きな問題となっ
ており、環境に悪影響を与えず、健康に対して害を与え
ないレジストが強く要望され、レジストの溶剤について
種々の検討が行われている。
【0004】従来、ポジ型レジストの溶剤としては多く
のものが知られており、例えばエチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、シクロペンタノン(特開昭
59−155838号公報)、モノオキシモノカルボン
酸エステル類(特開昭62−123444号公報)、環
状ケトンとアルコールとの混合溶剤(米国特許第452
6856号明細書)、プロピレングリコールアルキルエ
ーテル(特開昭61−7837号公報)など知られてい
るが、いずれの溶剤も均一性や塗膜性が劣り、しかもス
テップカバレッジ性を有していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の溶剤を用いたポジ型レジスト組成物が有する問題
点を解決し、塗膜性、保存安定性、かつ安全性に優れた
ステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成物を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ステップ
カバレッジ性をもつポジ型レジスト組成物を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、アルカリ可溶性樹脂とキノンジ
アジド基含有化合物とを、特定の化合物を所定の割合で
混合して得られた有機溶剤に溶解させた場合にその目的
に達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)アルカリ可溶
性樹脂と、(B)キノンジアジド基含有化合物とを、
(C)(イ)2‐オキシプロピオン酸エチル60〜90
重量%と(ロ)酢酸ブチル40〜10重量%又は(イ)
2‐オキシプロピオン酸エチル60〜90重量%と
(ロ)酢酸ブチル30〜5重量%と(ハ)キシレン10
〜5重量%からなる混合溶剤に溶解したことを特徴とす
るステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成物を提供す
るものである。
【0008】本発明組成物において、(A)成分として
用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラ
ック樹脂、アクリル樹脂、スチレンとアクリル酸との共
重合体、ヒドロキシスチレンの重合体、ポリビニルフェ
ノール、ポリα‐メチルビニルフェノールなどが挙げら
れ、中でも特にアルカリ可溶性ノボラック樹脂が好まし
い。このアルカリ可溶性ノボラック樹脂については特に
制限はなく、従来ポジ型ホトレジスト組成物において被
膜形成用物質として慣用されているもの、例えばフェノ
ール、クレゾール、キシレノールなどの芳香族ヒドロキ
シ化合物とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを酸
性触媒の存在下に縮合させたものなどが用いられる。こ
のアルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、低分子領域
をカットした重量平均分子量が2000〜20000、
好ましくは5000〜15000の範囲のものが好適で
ある。
【0009】本発明組成物においては、(B)成分の感
光性成分として、キノンジアジド基含有化合物が用いら
れる。このキノンジアジド基含有化合物としては、例え
ばオルトベンゾキノンジアジド、オルトナフトキノンジ
アジド、オルトアントラキノンジアジドなどのキノンジ
アジド類のスルホン酸と、フェノール性水酸基又はアミ
ノ基を有する化合物とを部分若しくは完全エステル化、
あるいは部分若しくは完全アミド化したものなどが挙げ
られる。フェノール性水酸基又はアミノ基を有する化合
物としては、例えば2,3,4‐トリヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2′,4,4′‐テトラヒドロキシベン
ゾフェノン、2,3,4,4′‐テトラヒドロキシベン
ゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン、没食
子酸アルキル、没食子酸アリール、フェノール、フェノ
ール樹脂、p‐メトキシフェノール、ジメチルフェノー
ル、ヒドロキノン、ポリヒドロキシジフェニルアルカ
ン、ポリヒドロキシジフェニルアルケン、ビスフェノー
ルA、α,α′,α″‐トリス(4‐ヒドロキシフェニ
ル)‐1,3,5‐トリイソプロピルベンゼン、1‐
[1‐(4‐ヒドロキシジフェニル)イソプロピル]‐
4‐[1,1‐ビス(4‐ヒドロキシジフェニル)エチ
ル]ベンゼン、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン又
はそのメチル置換体、ナフトール、ピロカテコール、ピ
ロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガ
ロール1,3‐ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を
一部残してエステル化又はエーテル化された没食子酸、
アニリン、p‐アミノジフェニルアミンなどが挙げられ
る。特に好ましいキノンジアジド基含有化合物は、ポリ
ヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン‐1,2‐ジ
アジド‐5‐スルホン酸又はナフトキノン‐1,2‐ジ
アジド‐4‐スルホン酸との完全エステル化物や部分エ
ステル化物であり、特に平均エステル化度が70モル%
以上のものが好ましい。
【0010】本発明組成物においては、該感光性成分と
して、前記のキノンジアジド基含有化合物を単独で含有
してもよいし、2種以上含有してもよい。
【0011】このキノンジアジド基含有化合物は、例え
ば前記ポリヒドロキシベンゾフェノンを、ナフトキノン
‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホニルクロリド又はナフ
トキノン‐1,2‐ジアジド‐4‐スルホニルクロリド
とをジオキサンなどの適当な溶媒中において、トリエタ
ノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリなどの
アルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化又は部分
エステル化することにより製造することができる。
【0012】本発明組成物において、(C)成分として
用いられる有機溶剤としては、(イ)2‐オキシプロピ
オン酸エチルと(ロ)酢酸ブチルとの混合溶剤が使用さ
れる。
【0013】該(ロ)成分の酢酸ブチルは酢酸n‐ブチ
ル、酢酸イソブチルのいずれでもよいが、特に酢酸ブチ
ルが好適である。また、これらの有機溶剤は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】この酢酸ブチルは、ポジ型レジスト溶液の
粘度を調整する作用を有し、基板上に塗布した際の塗布
膜厚の均一性を向上させることができる。
【0015】本発明においては、前記(イ)成分と
(ロ)成分との混合溶剤に、場合により、さらに(ハ)
成分としてキシレンを配合することができる。これによ
って、アルカリ可溶性樹脂やキノンジアジド基含有化合
物の溶解性を向上でき、保存安定性の良好なポジ型レジ
スト組成物を調製することができる。
【0016】本発明組成物において(C)成分として用
いられる混合有機溶剤における各成分の含有割合につい
ては、該(イ)成分と(ロ)成分の2成分を含有する場
合は、(イ)成分60〜90重量%及び(ロ)成分40
〜10重量%の割合であり、(イ)成分と(ロ)成分と
(ハ)成分の3成分を含有する場合には、(イ)成分6
0〜90重量%、(ロ)成分30〜5重量%及び(ハ)
成分10〜5重量%の割合である。各成分の含有割合が
前記範囲を逸脱すると、本発明の目的である塗膜性、保
存安定性、安全性が改善されたステップカバレッジ性ポ
ジ型レジスト組成物を得ることができない。
【0017】本発明組成物は、さらに必要に応じて相容
性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良す
るための付加的樹脂、可塑剤、安定剤あるいは現像して
得られるパターンをより一層可視的にするための着色
料、またより増感効果を向上させるための増感剤、コン
トラスト向上剤などの慣用されているものを添加配合さ
せることができる。
【0018】本発明組成物は前記した混合有機溶剤に、
前記のアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合
物及び必要に応じて配合される添加成分をそれぞれ必要
量溶解し、溶液の形で用いるのが有利である。
【0019】本発明組成物の好適な使用方法について1
例を示すと、まずシリコンウエハーのような基板上に、
アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合物とを
前記した混合有機溶剤に溶解して得た溶液をスピンナ
ー、ロールコーターなどで塗布し、乾燥して感光層を形
成させ、次いで紫外線を発光する光源、例えば低圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、アーク灯、キセノンラ
ンプなどを用い所要のマスクパターンを介して露光する
か、縮小投影露光装置により露光するか、マスクパター
ンを介してエキシマレーザーやX線を照射するか、ある
いは電子線を走査しながら照射する。次に、これを現像
液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液に浸漬する
と、露光によって可溶化した部分が選択的に溶解除去さ
れて、マスクパターンに忠実な画像を得ることができ
る。
【0020】このようなパターンは半導体加工にかぎら
ず、リソグラフィーを用いて加工する分野、例えばLC
D、TAB、PCB、ケミカルミーリング、印刷などに
も同様に優れた効果が得られる。特に本発明組成物は従
来の有機溶剤では均一性に優れた塗膜が得られなかっ
た、大型基板や角型基板への塗布において、極めて高い
塗膜を容易に得ることができるという実用的な効果を奏
する。
【0021】
【発明の効果】本発明のポジ型レジスト組成物は、その
調製溶剤として、2‐オキシプロピオン酸エチルと酢酸
ブチルと場合により用いられるキシレンとの混合溶剤を
使用することにより、塗膜性、保存安定性が優れたスッ
テップカバレッジ性をもつ塗膜を形成することができ、
また該調製溶剤は環境や人体に対して悪影響を与えない
ため、実用上極めて有効なものである。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制限され
るものではない。
【0023】なお、各例における物性は次の方法によっ
て求められたものである。 (1)均一性 ポジ型レジスト組成物の塗布液を6インチシリコンウエ
ハー上に3000rpm、20秒間塗布し、90℃で9
0秒間ホットプレート上にて乾燥することで塗布膜を形
成し、その塗布膜の膜厚をウエハー全面にわたって測定
し、ウエハー上での膜厚のバラツキが±20Å以下のも
のを○、±21〜40Åのものを△、±41Å以上のも
のを×として評価した。
【0024】(2)保存安定性 調製されたポジ型レジスト組成物の塗布液を0.2μm
のメンブランフィルターを通してろ過したのち40℃に
おいて3か月静置した後の溶液中の析出物の有無を観察
し、析出物がないものを無、析出物があるものを有と評
価した。
【0025】(3)ステップカバレッジ性 ポジ型レジスト組成物の塗布液を、2.0μm幅のライ
ンアンドスペースで、膜厚0.5μmの酸化シリコン膜
パターンが形成された6インチシリコンウエハー上に、
酸化シリコン膜パターンのないフラットな面での乾燥膜
厚が1.5μmになるようにスピンナーで塗布し、乾燥
することでウエハー全面に塗布膜を形成し、ライン部分
上に形成された塗布膜の膜厚と、スペース部分上に形成
された塗布膜の膜厚との差を測定し、その差が0.10
μm以下のものを○、0.11〜0.20のものを△、
0.21μm以上のものを×として評価した。
【0026】実施例1 2,3,4,4′‐テトラヒドロキシベンゾフェノン1
モルとナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホニ
ルクロリド3モルとのエステル化反応生成物2gとクレ
ゾールノボラック樹脂8gとを、2‐オキシプロピオン
酸エチル40gと酢酸ブチル10gとの混合溶剤に溶解
してポジ型レジスト組成物の塗布液を調製した。この塗
布液について物性を調べ、その結果を表1に示す。
【0027】実施例2〜7、比較例1〜2 表1に示すような混合溶剤を用いた以外は、実施例1と
同様にしてポジ型レジスト組成物の塗布液を調製した。
この塗布液について物性を調べ、その結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例8 2‐オキシプロピオン酸エチル40gと酢酸ブチル5g
とキシレン5gとからなる混合溶剤を用いた以外は、実
施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物の塗布液を調
製した。この塗布液について物性を調べ、評価したとこ
ろ均一性は○、保存安定性は無、ステップカバレッジ性
は○であった。
フロントページの続き (72)発明者 中山 寿昌 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東京応化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−107165(JP,A) 特開 昭62−36657(JP,A) 特開 平1−293340(JP,A) 特開 平3−185448(JP,A) 特開 平3−130774(JP,A) 特開 平3−125152(JP,A) 特開 平5−273750(JP,A) 特開 平6−167811(JP,A) 特開 平6−118650(JP,A) 特開 平6−118649(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/022 G03F 7/004

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)キ
    ノンジアジド基含有化合物とを、(C)(イ)2‐オキ
    シプロピオン酸エチル60〜90重量%と(ロ)酢酸ブ
    チル40〜10重量%からなる混合溶剤に溶解したこと
    を特徴とするステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)アルカリ可溶性樹脂と、(B)
    キノンジアジド基含有化合物とを、(C)(イ)2‐オ
    キシプロピオン酸エチル60〜90重量%と(ロ)酢酸
    ブチル30〜5重量%と(ハ)キシレン10〜5重量%
    からなる混合溶剤に溶解したことを特徴とするステップ
    カバレッジ性ポジ型レジスト組成物。
JP8691393A 1993-03-23 1993-03-23 ステップカバレッジ性ポジ型レジスト組成物 Expired - Lifetime JP2877657B2 (ja)

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