JP2858925B2 - 耐熱水性ポリビニルアルコール系繊維の製造法 - Google Patents

耐熱水性ポリビニルアルコール系繊維の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高強度を有し、かつ耐熱水性にすぐれたポリ
ビニルアルコール(以下PVAと略記する)系繊維に関す
るものであり、特に産業資材用および複合材強化用で耐
熱水性が要求されるような用途に適したPVA系繊維に関
するものである。
(従来の技術) 従来PVA系繊維はポリアミドポリエステル、ポリアク
リロニトリル系繊維に比べて強度弾性率が高く、その主
用途である産業資材用繊維として利用されている以外に
もアスベスト繊維代替としてセメント補強用繊維等にも
利用されてきている。
最近の技術ではさらに高強度弾性率を有するPVA系繊
維を得る方法として、高分子量ポリスチレンのゲル紡糸
−超延伸の考え方を応用した特開昭59-100710号、特開
昭59-130314号、特開昭61-108711号等が提案されてい
る。
しかしながら、これらの方法では高強度高弾性率のPV
A系繊維は得られても、一部の用途分野で要求されるよ
うな高度な耐熱水性を具備することはできなかつた。
PVA系繊維の耐熱水性を高めようとする試みは古くア
セタール化による水不溶化処理に始まるが、最近の高重
合度高強力PVA系繊維では、非晶部の分子配向が進み水
に対する寸法安定性は上述の水不溶化処理を行なわなく
ても達成できるようになつた。しかし、例えば120℃の
熱水中ではたちまち溶断しオートクレーブ養生のセメン
ト成形物の補強材や摩擦熱を受け易いロープ等の用途に
はまだまだ不満足である。
また、特開昭平1-156517号や特開昭平1-207435号、あ
るいは特開昭平1-104815号や特開昭平2-84587号にみら
れる如く、パーオキサイド系化合物やイソシアネート化
合物あるいはホウ酸やリン酸などにより架橋処理を施し
て耐熱水性を向上させる方法は公知である。しかしこれ
らの方法は延伸前に架橋すると延伸性が損われ、分子配
向が不十分なため強度や弾性率を低下させる。一方延伸
後に架橋させようとした場合は、架橋剤の繊維内部浸透
を強化させるため繊維を膨潤させたり、高温熱処理をす
る必要があり、その結果分子配向乱れやPVAの分解、損
傷が起こり、強度弾性率の低下を招き易い問題があつ
た。
(発明が解決しようとする課題) 以上の背景をふまえて本発明は、その引張強度16g/d
以上といつた高強度高弾性率であり、かつオートクレー
ブにも耐えられる如き耐熱水性に優れたPVA系繊維を得
んとするものであり、そのために高重合度PVA繊維を延
伸する際に延伸倍率を低下させずに前記高性能繊維を得
んとするものである。また本発明は、かくの如き繊維を
長時間かつ特殊な処理工程でもつて処理して得るのでな
く、短時間かつ簡潔な処理工程でもつて実現せんとする
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記課題につき検討した結果、ある種の
油剤を適正量付着させてから高温延伸することにより繊
維表面でPVAの水酸基と反応するか又は脱水反応を起こ
させて耐熱水性の表皮構造を形成させることが有効であ
ることを見出した。
即ち本発明は、 「粘度平均重合度が3,000以上のPVA系繊維に、その紡
糸から延伸直前までの間で、ホスヘートアミン化合物、
アミン又はアミドのホスヘート化合物、アミン又はアミ
ドのスルホネート化合物、並びにチオ化合物の中より選
ばれた1種又は2種以上の界面活性剤0.2〜3重量%と
エステル系又は鉱物油系集束平滑剤0.5〜5重量%とを
付着せしめ、240℃以上の高温にて総延伸倍率が17倍以
上となるように延伸することを特徴とする、熱水溶断温
度WTbが次式を満足する耐熱水性PVA系繊維の製造法。
WTb≧1.2A0.35+125 (A≧3,000) 」に関するものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に使用されるPVA系ポリマーとは、30℃の水溶
液の極限粘度から求めた粘度平均重合度が3,000以上、
好ましくは6,000以上、さらに好ましくは10,000以上の
ものであり、ケン化度が98モル%以上で分岐度の低い直
鎖状のPVAが好ましい。なお2モル%以下の他のビニル
化合物を共重合したものや3重量%以下のホウ酸、酸化
防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を加えることもでき
る。
PVAの重合度が高重合度ほど結晶間を連結するタイ分
子が強固となり、強度や耐熱水性が増大するが、特に高
重合度ほど分子鎖のからみが多いためかより高温で分子
運動を盛んにさせて延伸する必要がある。この結果、本
発明で用いる界面活性剤が繊維表面でPVAの水酸基と反
応するか又はPVAの脱水反応を起こさせて耐熱水性のあ
る表皮構造をとり易くなる。従つて重合度3,000未満で
は延伸温度が低く効果が現われ難い。高重合度で高温延
伸など本発明の効果が発揮される。
本発明に使用されるPVA系ポリマーの溶剤としては、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチ
レングリコール、グリセリン等の多価アルコールやジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジエチレン
トリアミン、水、さらにはこれらの2種以上の混合系あ
るいはロダン塩水溶液、プロパノール水溶液などが挙げ
られる。特にこれらの中でも透明で均一なゲル状繊維を
得る上では多価アルコールやジメチルスルホキシドおよ
びそれらと水との混合溶剤が好ましい。
紡糸方式は通常用いられる乾式、湿式、乾湿式のいず
れでもよいが、急冷により均一ゲル繊維を得る乾湿式紡
糸が望ましい。
凝固浴はメタノールやエタノールなどのアルコールや
アセトン、あるいはアルカリ又は/及び芒硝などの無機
塩水溶液などいずれも支障はないが、均一ゲル繊維の生
成し易いアルコールと溶剤の混合系が高倍率延伸ひいて
は高性能繊維を得るのに適している。均一ゲル化を起こ
すには凝固浴中に10重量%以上の該溶剤を含有させ、20
℃以下の急冷でゆつくりと該溶剤を抽出するのが好まし
い。次いで該溶剤を含んだ状態の湿延伸を2倍以上、好
ましくは4倍以上施すのが良く、これにより繊維間の膠
着を少なくし、かつ紡糸初期に生成した微結晶を一部こ
わして後の延伸を容易にさせる事が出来る。
続いてメタノール、エタノールなどのアルコール類や
アセトン、水などの抽出剤で該溶剤のほとんど全部を除
去するが、この時本発明に言う界面活性剤と集束平滑剤
を抽出浴の中に添加し、繊維に付着しても何んら支障は
ないが、繊維内部まで浸透したり、付着斑を起こすのは
好ましくない。
界面活性剤と集束平滑剤を別々に又は同時に抽出後の
乾燥前に付着させたり、乾燥後乾熱延伸直前までに付着
させても問題はないが、水溶液又は水エマルジヨンの型
で繊維に付着させ、未乾燥のまま紡糸原糸を放置する
と、水により繊維間の膠着が起こり延伸倍率や性能の低
下となるので注意を要する。
本発明に用いる界面活性剤はPVA繊維表面の水酸基と
反応するか脱水反応を起こさせるもので次の3つに大別
される。
(1)ホスヘートアミン化合物。
例えばR-OP(O)‐(ONR2)2,(RO)2-P(O)-NR2,(RO)2
P(O)‐ORNR,RO(CH2CH2O)n-P(O)-O-NR2などで表わさ
れるアニオン界面活性剤。式中Rは例えばアルキル基、
アルコキシ基、フエニール基、フエノール基、H、OHな
どがあるが、これに限定されるものではない。
(2)アミン又はアミドのホスヘート化合物。
例えばR-NR-O−P(O)‐OR2,R-CON-R−O-P(O)‐
OR2R‐N-CH2‐CONR-O-P(O)‐OR2などのアニオン活性
剤。
(3)アミン又はアミドのスルホネート化合物やチオ化
合物。
例えばR-NR-SO3M,R-CONR-SO3Na,(R3NO)2‐CH-RSO3M,R
3N‐O−R-SO3M,R−S−R-NR2,R−S−R-CONR2などで表
わされるアニオン活性剤。
式中MはH又はアルカリ金属塩を表わす。本発明の集
束平滑剤は延伸時の毛羽断糸を抑え高倍率延伸を可能に
ならしめるために必要なものであるが、例えばアルキル
エステル、ソルビタンエステル、ひまし油エステル、グ
リセリンエステル、グリコールエステルあるいはそれら
の分子内にエチレンオキサイドが付加したものなどエス
テル系のノニオン活性剤、さらには鉱物油又はそれにエ
チレンオキサイドが付加したものが含まれる。
前記界面活性剤と集束平滑剤はお互に相溶性があり繊
維に均一付着するのが好ましくそのために他の乳化剤や
浸透剤を少量用いても良い。
該界面活性剤の付着量は繊維に対し0.2〜3重量%、
好ましくは0.5〜2重量%であり、0.2重量%未満では繊
維表面でのOH基との反応または脱水反応が不十分で耐熱
水性の良い繊維が得難い。3重量%を越えると耐熱性の
高いものとなるが延伸倍率が低下し、強度の低い繊維し
か得られない。
該集束平滑剤の付着量は繊維に対し0.5〜5重量%、
好ましくは1〜3重量%であり、0.5重量%未満では繊
維がバラケ易くて単糸毛羽を発生したり延伸倍率を低下
させる。5重量%を超えると粘着気味で強度低下となつ
たり該界面活性剤の反応を阻害したり延伸時の発煙を招
いて好ましくない。
付着方法はメタノールなどのアルコール類やアセト
ン、ヘキサン、水などで希釈した溶液又はエマルジヨン
液をローラタツチ方式でデイツプ−ニツプ方式、ギヤポ
ンプオイリング方式などで繊維に付着させる方法がとら
れるが、繊維表面に均一付着する条件が好ましい。
該界面活性剤および集束平滑剤を所定量付着した紡糸
原糸を乾熱延伸する場合、延伸温度を240℃以上して、
総延伸倍率を17倍以上にする必要がある。この理由は、
繊維表面のPVA水酸基と該界面活性剤の反応を十分行な
わせ、かつPVA分子鎖の配向と結晶化を進ませて高強度
で耐熱水性にすぐれた繊維を得るためである。延伸雰囲
気は一般に空気、N2などの不溶性ガス、水蒸気、油浴な
どが考えられるが界面活性剤の反応性や操作性、コスト
などから考えて加熱空気が適している。また熱板や加熱
ローラを用いた接触タイプと熱風炉を用いた非接触タイ
プがあるがどちらでも支障はない。高重合度ほど分子鎖
のからみが多くなるためか延伸倍率が低下し易くそれを
カバーするために延伸温度は高くなる。例えば重合度3,
000で240℃、10,000で250℃、20,000では260℃程度とな
るが、高温ほど界面活性剤が反応して耐熱水性のある表
皮構造をとり易い。なお265℃以上あるいは1分以上の
滞留はPVAの分解が激しく強度低下を招くので好ましく
ない。
総延伸倍率は湿延伸倍率と乾熱延伸倍率の積で表わさ
れるが、17倍以上好ましくは19倍以上である。
以上で述べた製造条件にしたがつて繊維製造を行なう
ことによつて基本的に引張強度が16g/d以上といつた高
強力繊維が得られるが、前記のように本発明では特定の
界面活性剤と集束平滑剤との処理を組合わせたことによ
り、さらに耐熱水性が極めて優れた繊維となるものであ
る。
PVA系繊維の熱水溶断温度WTbは一般に高重合度ほど高
い値を示すが、本発明では実験データに基づいた次式を
満足する繊維が得られる。
WTb≧1.2A0.35+125(A≧3,000) 即ち、本発明により得られた繊維はいずれの重合度に
おいても従来品より10〜50℃高い熱水溶断温度を示す。
本発明は従来に見られない高耐熱水性高強度のPVA系
繊維が得られ、ロープ、帆布等の産業資材、オートクレ
ーブ養生セメント補強材、タイヤ補強材、高温高圧ホー
ス補強材、FRP用補強材、ブレーキオイルホース補強材
など幅広い活用が期待できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。なお以下に述べる実施例中の各種物性値は以下の方
法で測定されたものである。
1)PVA繊維の重合度低下率 密閉容器にPVA繊維と蒸留水を入れ、130℃以上で溶解
したあとJISK-6726に準じ〔η〕より次式で重合度A
を求めPVAポリマーの重合度に対する低下率を算出す
る。
A=(〔η〕×104/8.29)1.63 2)ヤーンの引張強伸度、弾性率 JISL-1013に準じ予め調湿されたヤーンを試長20cmで
0.25g/dの初荷重および50%/分の引張速度にて破断伸
度および初期弾性率を求め、10点以上の平均値を採用し
た。デニールは重量法により求めた。
3)耐熱水性(WTb) 単繊維25本にデニール当り200mgの荷重をかけ、水を
満たしたガラス製円筒状密閉容器の中間に吊し、周囲よ
り水を1〜2℃/分の速度で加熱昇温させていき繊維が
溶断したときの温度を読んだ。
4)界面活性剤又は油剤の付着率 予め界面活性剤又は油剤の付着した繊維を100℃4時
間真空乾燥したあと重量W1を測定する。次いでメタノー
ル/ベンゼン=1/1の混合液で8時間界面活性剤又は油
剤をソツクスレー抽出したあと100℃4時間真空乾燥し
て重量W2を測定し より算出した。
実施例1および比較例1 平均重合度21,500のPVAを濃度4.2%になるようにグリ
セリンに溶解し、該溶液を孔数300、孔径0.20mmのノズ
ルより吐出させ、乾湿式紡糸によりメタノール/グリセ
リン=8/2、−10℃の凝固浴中に落下させ透明なゲル糸
を得た。次にグリセリンを含んだ状態で4倍の湿延伸を
施したあとメタノールで該溶剤をほぼ完全に抽出してか
らアニオン界面活性剤のラウリルホスヘートトリイソプ
ロパノールアミンを2重量%とPOE(20)ソルビタンモ
ノステアレート5重量%を含むメタノール溶液をギヤポ
ンプオイリング方式で繊維に対し40重量%付着させて90
℃にて乾燥した。アニオン活性剤0.8重量%と集束平滑
剤2.0重量%を繊維に付着させた。得られた紡糸原糸を1
70℃と260℃の熱風炉を用い総延伸倍率が17.9倍になる
ように延伸した。なお260℃熱風炉の滞留時間は32秒で
あり繊維は灰紫色に着色したが膠着は見られなかつた。
得られた延伸糸の断面写真より繊維の表層部のみが灰紫
色であり内部は白色であつた。ヤーンの引張強度は21.2
g/d、熱水溶断温度WTbは182℃を示し、従来のPVA繊維で
は得られない耐熱水性にすぐれた高強度繊維であり、17
0℃のオートクレーブ養生によるセメント補強が可能と
なりさらに高温高湿のゴム補強材やロープ漁網など幅広
い用途展開の出来る高付加価値繊維となつた。
比較例1として、実施例1で該界面活性剤を入れずに
集束平滑剤のPOE(20)ソルビタンモノステアレートの
みを付着させ同様に延伸したが、延伸時若干黄色に着色
し、膠着があつた。総延伸倍率は18.6倍、ヤーン強度は
20.8g/dを示し、WTbは152℃と明らかに実施例1に比べ
て耐熱水性が低くなつた。
実施例2および比較例2 平均重合度17,000のPVAを濃度4.5%になるようにジメ
チルスルホキシドに溶解し、孔数500、孔径0.15mmのノ
ズルでメタノール/ジメチルホキシド=7/3、5℃の凝
固浴を用いて湿式紡糸した。引続いて4.5倍の湿延伸を
したあとメタノールで該溶剤をほとんど完全に除去し90
℃の熱風で乾燥した。次いでチオジプロピオン酸ラウリ
ルアミンのアニオン活性剤を1.5重量とPOE(150)カス
ターワツクス4重量%のメタノール溶液をローラタツチ
方式にて繊維に対し80重量%付着(アニオン活性剤1.2
重量%と集束平滑剤3.2重量%を付着)させ、180℃の熱
風炉で1.5倍255℃の熱風炉で2.8倍(総延伸倍率18.9
倍)延伸した。255℃熱風炉の滞留時間は38秒であつ
た。得られた延伸糸の表層部は灰茶に着色したがヤーン
強度は20.7g/d、WTbが169℃を示し、高強度で耐熱水性
のあるPVA繊維となつた。
比較例2として、実施例2において延伸温度を255℃
から235℃に低下させたところ延伸糸はほとんど着色せ
ず総延伸倍率も16.2倍に低下した。ヤーン強度は18.9g/
d、WTbは149℃であり、明らかに実施例2より性能が低
いものとなつた。
実施例3 粘度平均重合度が7,000のPVAを濃度8重量%になるよ
うに水に添加し、同時にホウ酸をPVAに対し2重量%添
加して105℃で溶解した。得られた溶液を1000ホール0.1
mm孔径のノズルよりアルカリと芒硝の混合水溶液40℃の
中に吐出させ湿式紡糸を行なつた。引続き5.3倍の湿延
伸を行ない、引続き中和、水洗を経たあとローラタツチ
方式により乾燥前に油剤に付与した。油剤はステアリル
アミドプロピルスルホネートNaのアニオン活性剤2重量
%とグリセリントリオレエート3重量%およびPOE(1
1)オイルエーテル0.5重量%の水エマルジヨン溶液であ
り、繊維に対する油剤付着量は4.1重量%であつた。延
伸は180-210-248℃の熱風炉を用い総延伸倍率を24.6倍
とした。延伸ヤーンの強度は18.2g/d WTbは155℃の高い
値を示した。
フロントページの続き (72)発明者 大森 昭夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 審査官 真々田 忠博 (56)参考文献 特許2826183(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度平均重合度が3,000以上のポリビニル
    アルコール系繊維に、その紡糸から乾熱延伸直前までの
    間で、ホスヘートアミン化合物、アミン又はアミドのホ
    スヘート化合物、アミン又はアミドのスルホネート化合
    物、並びにチオ化合物の中より選ばれた1種又は2種以
    上の界面活性剤0.2〜3重量%とエステル系又は鉱物油
    系集束平滑剤0.5〜5重量%とを付着せしめ、240℃以上
    の高温にて総延伸倍率が17倍以上となるように延伸する
    ことを特徴とする、熱水溶断温度WTbが次式を満足する
    耐熱水性ポリビニルアルコール系繊維の製造法。 WTb≧1.2A0.35+125 (A≧3000) ここでWTbは荷重200mg/d下の熱水溶断温度(℃)、A
    はポリビニルアルコール系ポリマーの粘度平均重合度。
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