JP2858665B2 - 電子写真用転写紙 - Google Patents

電子写真用転写紙

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OJI SEISHI KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真用転写紙に関する。更に詳しくは、
本発明はトナーの熱定着を行う電子写真式複写機に用い
られる転写紙の複写機での走行性と作業性が良好な転写
紙に関する。
[従来の技術] 電子写真式複写機に用いられる転写紙には複写機での
走行性と作業性が良好で、とりわけトナーを転写した数
に発生するカールの小さいことが要求される。
電子写真式複写機では転写紙にトナーで画像を形成し
た後にトナーを紙の上に定着させる為に加熱圧着させる
方式が採用されているが、この温度は通常180℃以上で
ある。即ち転写紙はトナーでの画像形成後、高温に各熱
された金属ロールと弾性ロールの間を加圧状態で通過さ
せられる。この際転写紙は加熱や加圧による乾燥や収縮
等の複雑なメカニズムでカールが発生する。
従来転写紙の原料としては転写紙の複写機での走行性
や作業性の点から広葉樹晒パルプ等のバージンパルプが
主として用いられてきたが、近年社会的要請によって転
写紙の原料として新聞用紙、雑誌用紙等の機械パルプを
含有した古紙再生パルプが用いられる様になってきた。
しかしながら、機械パルプを含有した古紙再生パルプを
配合すると機械パルプに含まれるリグニンの為に転写紙
の各関係湿度における平衡水分が高くなり転写紙の複写
後のカールが大きくなって走行性や作業性が悪くなり、
時として複写が不可能になるという問題があった。
[発明が解決しようとする課題] かかる現状に鑑み、本発明者は紙の一定湿度における
平衡水分とカールの発生機構との関係および紙の平衡水
分がどのような因子によって決定されるかについて鋭意
研究した結果、平衡水分が高くなるほど複写後のカール
が大きくなり、紙を構成するパルプ中の微細繊維が多く
なるほど平衡水分が高くなること、即ち紙を構成するパ
ルプ中の微細繊維の量を減らすほど高湿度での平衡水分
が低下して、転写紙を高湿度下に長時間放置しても複写
後のカールが小さくなることを見出し本発明を完成する
に至った。
従って、本発明の目的は転写紙を高湿度下に長時間放
置しても電子写真式複写機において複写後のカールが小
さく、走行性及び作業性が極めて良好な電子写真式転写
紙を提供することにある。尚、転写紙としては枚葉のも
のだけではなく、連続伝票形式のものも含む。
[課題を解決するための手段] 本発明は、転写紙(ただし、コロイダルシリカを含有
するものを除く)を構成するパルプの数平均繊維長が0.
43mm以上、および0.1mm以下の微細繊維の数の割合が33
%以下であることを特徴とする電子写真用転写紙によっ
て構成されている。
本発明で用いられる原料パルプの数平均繊維長および
平衡水分の測定は次の方法によった。
数平均繊維長の測定方法 従来、パルプの繊維長分布は重量分布として測定され
るのが普通であるが、重量分布の場合全体の繊維長分布
への微細繊維の影響が非常に小さい為に、本発明のよう
に紙の平衡水分に重要な影響を与える微細繊維の量を評
価する目的には用をなさないので、微細繊維量を敏感に
測定できる数平均繊維長分布測定法を採用した。
繊維長分布を測定する方法に特に制限はないが、例へ
ばパルプ繊維をスライドグラス上に分散した後固定し、
顕微鏡観察によりその数平均繊維長分布を求める方法、
パルプの希薄溶液を毛細管に導き光学系を介して電気的
にその数平均繊維長分布を計測する装置(Fiber Size A
nalyzer、FS−200、フィンランド国、Kajaani社製)等
を用いることができる。顕微鏡観察による数繊維長分布
の測定結果は信頼性は高いが、測定に非常に手間と時間
を要する為本発明では市販の繊維長分布測定器(Fiber
Size Analyzer、FS−200、Kajaani社製)を用いた。
水分の測定方法 転写紙を温度20℃、関係湿度65%の環境下で12時間調
湿した後、JIS P−8127に従って水分を測定する。
本発明の原料パルプの数平均繊維長を0.43mm以上、か
つ長さが0.1mm以下の繊維の数の割合を33%以下にする
方法に特に制限はないが、第一の方法は抄紙の前段階に
おいてパルプ懸濁液中から微細繊維を選択的に取り除く
方法であり、例えば洗浄工程においてワイヤーメッシュ
を大きくしたり、洗浄水量を多くしたり、或いはスクリ
ーンを用いて微細繊維を取り除くことによって目的を達
成することができる。
第二の方法は抄紙工程において比較的微細繊維の濃度
の高いマシン白水の一部を取り除く方法であり、少なく
とも白水量の5%以上を取り除くことにより目的を達成
することができる。
上記のような方法で、パルプの数平均繊維長および微
細繊維の量を調節して、即ちパルプの数平均繊維長を0.
43mm以上で、かつ0.1mm以下の微細繊維の数の割合を33
%以下にコントロールすることによって、複写機での走
行性並びに作業性が良好な転写紙が得られる。
本発明で用いられる原料パルプとしては広葉樹晒パル
プ、針葉樹晒パルプ及び脱墨古紙パルプ或いはこれらの
混合パルプが所望に応じて適宜使用される。特に、脱墨
古紙パルプとして機械パルプを含有した新聞古紙、雑誌
古紙の再生パルプを使用した場合本発明の作用効果は顕
著である。
更に、本発明は公知の抄紙用薬品と抄紙機で製造され
る転写紙に応用される。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論本発明はこれによって限定されるものではな
い。
実施例1および実施例2 パルプ原料としてフリーネス410ml(C.S.F.カナダ標
準フリーネス)まで叩解した広葉樹晒パルプ(LBKP)を
用い、実施例1ではこのパルプをバードスクリーン(ス
リット幅0.2mm)によって長繊維と微細繊維とに分別
し、長繊維分をアクセプトパルプとして抄紙主原料と
し、これに微細繊維分を全パルプの20重量%抄紙系外へ
排出した残りを加えて用い、次の抄紙薬品および填料を
パルプ当たり絶乾表示で添加して紙料とした。
又、実施例2ではバードスクリーンでパルプを分別せ
ず次の抄紙薬品および填料を添加して紙料とし、紙の抄
造時にマシン白水の10%を抄紙系外に排出した。
アルケニルコハク酸無水物 0.09重量% (ファイブラン81、王子ナショナル社製) カチオン化澱粉 0.5 重量% (ケートF,王子ナショナル社製) 硫酸バンド 0.2 重量% 軽質炭酸カルシウム 5.0 重量% (TP−121S,奥多摩工業社製) この紙料を用いて長網紙抄機で抄造し、サイズプレス
及びマシンカレンダーを通し、米坪64g/m2,密度0.7g/cm
3,紙の水分5.0%の転写紙を得た。サイズブレス薬品と
してはサイズプレス用澱粉(酸化澱粉、王子エースB,王
子コンスターチ社製)とスチレン−マレイン酸共重合体
(ポリマロン385、荒川化学社製)を5:0.2の重量比率で
用い、この混合物の紙への塗布量は0.6g/m2であった。
得られた転写紙(A4判)の20℃、65%RHで12時間長湿後
の複写機でのカール、走行性及び作業性を評価した。
(転写紙の評価方法) 複写機での転写紙の走行性及び作業性の評価は富士ゼ
ロックス社製の電子写真式複写機(型式:5990、ソータ
ー付)でA4判の転写紙を1000枚複写して行われた。
(1)カール 第1図に示すようにカールしている転写紙の一辺を手
で掴み、対辺の円弧の高さ(L)を読み取り、転写紙の
10枚の読み取り値の平均値で示した。円弧の高さが大き
いほどカールが大きい。
(2)走行性 転写紙1000枚の複写を行う間に発生する紙詰まりなど
のトラブルを発生した回数で示した。
(3)作業性 転写紙1000枚の複写を行い、複写後の転写紙のソータ
ービンに入る枚数で評価した。
(4)紙粉量の測定 転写紙1000枚の複写を行う間に複写機の感光ドラム表
面に付着する紙粉を集め重量を測定する。
実施例3、4及び比較例1、2 実施例3、4及び比較例1用のパルプ原料としてフリ
ーネス410ml(C.S.F.)まで叩解したLBKP,脱墨されたフ
リーネス200ml(C.S.F.),白色度70%の新聞古紙パル
プ及びフリーネス350ml(C.S.F.),白色度70%の上質
古紙パルプを20:60:20の重量割合で配合して用いた。
実施例3では実施例1と同じ処理をパルプ原料に施
し、微細繊維分を全パルプの30%抄紙系外に排出し、残
りは長繊維分と一緒にして抄紙紙料とした。
実施例4では実施例2と同じ処理を施し、マシン白水
の25%を抄紙系外に排出した。
比較例1では微細繊維分の分別及び微細繊維を含有す
るマシン白水の抄紙系外への排出処理を施さなかった。
比較例2ではパルプ原料としてLBKPと脱墨新聞古紙パ
ルプを20:80の重量割合で配合して用い、比較例1と同
様微細繊維分の分別及び微細繊維を含有するマシン白水
の抄紙系外への排出処理を施さなかった。
抄紙薬品及び填料の添加量、抄造条件を実施例1及び
2と同じにして、転写紙を抄造し、更に転写紙の評価を
実施した。
実施例1から比較例2までの転写紙の評価結果を第1
表に示す。
第1表から明らかなように、本発明の特性を有するパ
ルプ原料を用いて抄造した転写後の複写後のカール、走
行性及び作業性が良好であるのに対し、本発明の特性を
有しないパルプ原料からの転写紙の複写後のカール、走
行性及び作業性は劣っていることが分かる。
[発明の効果] 本発明は電子写真用転写紙の抄造に用いるパルプ原料
の繊維長分布を調整することによって、高湿度で長時間
調湿された転写紙の複写後のカールが小さく、走行性及
び作業性が著しく改善できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はA4判の転写紙の複写後のカール測定を示す斜視
図である。カールはLの測定値(mm)の平均値で示され
る。 1……L(円弧の高さ)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写紙(ただし、コロイダルシリカを含有
    するものを除く)を構成するパルプの数平均繊維長が0.
    43mm以上、および0.1mm以下の微細繊維の数の割合が33
    %以下であることを特徴とする電子写真用転写紙。
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JP5458318B2 (ja) * 2009-04-11 2014-04-02 丸住製紙株式会社 電子写真転写用紙

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