JP2855737B2 - チェンジレバーと変速機の連結構造 - Google Patents

チェンジレバーと変速機の連結構造

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は車両に用いられるチェンジレバーと変速機の
変速操作部材とをリンク及び弾性ジョイントを用いて連
結した構造に関するものである。
従来の技術 このようなチェンジレバーと変速機の連結構造とし
て、実開昭61−138720号公報には第３図に示した例が開
示されている。即ちチェンジレバー１と変速機２との間
にエクステンションロッド３を配するとともに、該エク
ステンションロッド３の一端に固定されたプレート４の
他端部が車体側部材５に対して弾性体６を介して固定さ
れており、チェンジレバー１の中間に位置する支持部1a
がプレート４に組み込まれた軸受７で支持されている。
更に変速機２の変速操作部材８とチェンジレバー１の下
端部1bとがリンク９及びジョイント10,11を介して連結
されている。そしてチェンジレバー１に対する図外のエ
ンジンの振動伝達を低減するために、変速機２に突設さ
れたブラケット2aとエクステンションロッド３との間に
防振体12が配備され、且つ上記ジョイント10にも防振体
13が内装されている。
上記したジョイント10に内装された防振体13の取付構
造を第４図に示す。即ち、リンク９の筒状部9aの内部に
略円筒状のゴムブッシュ15及びカラー16が配置され、該
カラー16内に挿通されたジョイントピン17がジョイント
10の外壁面を構成する二股部10aに固定されている。
更に上記ゴムブッシユ15の内部には、空所としての弧
状の溝18,18がリンク９と直交する方向に形成されてい
る。
同様に変速操作部材８の筒状部8aの内部に略円筒状の
ゴムブッシユ19及びカラー20が配置され、該カラー20内
に挿通されたジョイントピン21がジョイント10の外壁面
を構成する二股部（図示せず）に固定されている。上記
ゴムブッシユ19の内部にも空所としての弧状の溝22,22
が変速操作部材８と直交する方向に形成されている。
上記リンク９及び変速操作部材８の長手方向における
各ゴムブッシユ15,19のばね定数は、リンク９及び変速
操作部材８の長手方向と直交する方向のばね定数よりも
低くなるように設定されている。
かかる構成によれば、図外のエンジンからチェンジレ
バー１に伝達される振動成分は、防振体12と、防振体13
を構成するゴムブッシユ15,19の弾性力によって低減さ
れ、且つリンク９の長手方向における各ゴムブッシユ1
5,19のばね定数を低くしてもチェンジレバー１の操作フ
ィーリングが低下しないという作用が得られる。即ち一
般にゴムブッシユ15,19のばね定数の中で、リンク９及
び変速操作部材８の長手方向と直交する方向，換言すれ
ばチェンジレバー１のセレクト方向のばね定数を低くす
ると、該チェンジレバー１の剛性感が損なわれる惧れが
あるが、上記の例ではリンク９及び変速操作部材８の長
手方向のばね定数のみを低くし、長手方向と直交する方
向のばね定数は高く保持しているので、チェンジレバー
１の剛性感を比較的損ねることなく、エンジンからチェ
ンジレバー１に伝達される振動を低減させることができ
る。
発明が解決しようとする課題 しかしながらこのような従来のチェンジレバー１と変
速機２の連結構造にあっては、該チェンジレバー１と変
速機２の連結部を構成するジョイント10内の端部両方に
弾性体であるゴムブッシユ15,19が内装されているた
め、チェンジレバー１の切換操作時にリンク９のストロ
ークにロスが生じ易くなり、このようなロスに起因する
シフト不良をもたらす危険性がある外、前記ゴムブッシ
ユ15,19によってやはり連結部の剛性が低下して、チェ
ンジレバー１の切換操作感を損なうことがあるという課
題があった。
又、変速操作時の荷重はすべて上記ゴムブッシユ15,1
9を介してリンク９から変速操作部材８に伝達されるも
のであるため、該ゴムブッシユ15,19は適度な硬度を保
有していることが要求され、そのため変速操作部材８か
らチェンジレバー19側に伝達される振動を大幅に低減さ
せることは困難である。
更に上記連結部を構成するジョイント10の組付作業時
にあっても、該ジョイント10の側部に露出するゴムブッ
シユ15,19がめくれ易いという難点があり、組付作業効
率の低下を招来してしまう上、ゴムブッシユ15,19がめ
くれた状態のままで組付作業を行った場合には、該ゴム
ブッシユ15,19の劣化が促進されて連結部の締付力が経
時的に悪化してしまい、最終的にリンク９が脱落してし
まうという惧れが生じる。
そこで本発明はこのような従来のチェンジレバーと変
速機の連結構造が有している課題を解消して、リンクの
ストロークロスをなくしてチェンジレバーの切換操作感
を高めることができる上、ゴムブッシユの劣化を防止
し、且つ連結部の組付作業性を向上させることができる
構造の提供を目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明は上記の目的を達成するために、チェンジレバ
ーと変速機の変速操作部材とを二股状の外壁面が形成さ
れ該外壁面間に筒状部が配置されるとともに、該筒状部
内で前記外壁面間に渡るショイントピンの周りに配置さ
れる防振性のゴムブッシュが内装されたジョイントとリ
ンクとを用いて連結した構成において、上記防振性のゴ
ムブッシュの端部を上記筒状部の端部より筒状部の軸方
向で内側に位置するように形成し、前記ゴムブッシュと
上記外壁面との間に、上記筒状部の端部と上記外壁面間
に位置する軸方向規制部と、上記筒状部の内面側に位置
し上記変速操作部材の長手方向に沿うゴムブッシユのた
わみ代を形成する微小な間隙を介して前記変速操作部材
の長手方向の変位を規制する変位規制部とを有する位置
規制部材を介挿配置したチェンジレバーと変速機の連結
構造にしてある。
作用 かかるチェンジレバーと変速機の連結構造によれば、
振動源からジョイントに加えられる振動成分中、変速操
作部材の長手方向の振動はゴムブッシユのたわみ代の範
囲内で該ゴムブッシユの圧縮方向の弾性力によって低減
され、且つ変速操作部材の長手方向に沿う変位が位置規
制部材によって規制されるので、変速操作部材及びリン
クの長手方向に沿うストロークロスがほとんどなくな
り、しかも変速操作部材の長手方向に沿う剛性感が高め
られる。又、変速操作時の荷重は全てゴムブッシユにか
からずに大部分の荷重が位置規制部材によって受け止め
られ、ゴムブッシユのばね定数は振動源からジョイント
に伝達される振動を吸収するに充分な程度に低く設定す
ることが可能となり、変速操作部材からチェンジレバー
側に伝達される振動は大幅に低減される。そして位置規
制部材が筒状部の端部に位置しているため、ジョイント
組付時にゴムブッシュが二股部に干渉することがないと
いう作用が得られる。
実施例 以下第１図，第２図により本発明にかかるチェンジレ
バーと変速機の連結構造の一実施例を、前記従来の構成
と同一の構成部分に同一の符号を付して詳述する。
図中１はチェンジレバー,2は変速機であって、上記チ
ェンジレバー１と変速機２との間にはエクステンション
ロッド３が配されており、該エクステンションロッド３
の一端に固定されたプレート４の他端側が車体側部材５
に対して弾性体６を介して固定されている。又、チェン
ジレバー１の中間に位置する支持部1aがプレート４に組
み込まれた軸受７で支持されている。更に変速機２の変
速操作部材８とチェンジレバー１の下端部1bとがリンク
９及びジョイント10,11を介して連結されている。そし
てチェンジレバー１に対する図外のエンジンの振動伝達
を低減するために、変速機２に突設されたブラケット2a
とエクステンションロッド３との間に防振体12が配備さ
れ、変速操作部材８とリンク９との間に介挿されたジョ
イント10の内方にも防振体13が配備されている。
第１図のII部分の拡大図である第２図に示したよう
に、外壁面を形成する二股部10a間に配置された筒状部8
aがジョイント10の外壁面を構成する二股部10aの内方で
防振性のゴムブッシユ25,カラー26,ジョイントピン27を
介して該二股部10aに結合されている。
ゴムブッシュ25の形状は、変速操作部材８の筒状部8a
の軸方向における長さが該筒状部8aの端部8bよりも内側
に位置するように形成されており、このゴムブッシユ25
とジョイント10の二股部10aとの間に変速操作部材８の
長手方向の変位を規制するための位置規制部材30が介挿
されている。
この位置規制部材30は、適当な硬度を持つ合成樹脂等
で成り、上記筒状部8aの端部8bと外壁面を構成する二股
部10a間に位置する軸方向規制部30aと、上記筒状部8aの
内面側に位置する変位規制部30bとから成る断面が略Ｌ
字状の部材で構成され、上記変位規制部30bとゴムブッ
シュ25との間には微小な間隙α１が形成されている。
この間隙α１は変速操作部材８の長手方向に沿うゴム
ブッシユ25の弾性変形時のたわみ代となっており、変速
操作部材８の長手方向の変位を規制する機能を有してい
る。そして上記筒状部8a,カラー26及び二股部10aによっ
て位置規制部材30の抜けが防止された状態としてゴムブ
ッシュ25と二股部10aとの間に介挿配置されている。
上記変速操作部材８の長手方向におけるゴムブッシユ
25のばね定数は、図外のエンジンからジョイント10に伝
達される振動を吸収するに充分な程度に低く設定されて
いる。
かかる構成によれば、振動源としての図外のエンジン
からジョイント10に加えられる振動成分中、変速操作部
材８の長手方向の振動は、微小間隙α１により形成され
たゴムブッシユ25のたわみ代の範囲内で該ゴムブッシユ
25の圧縮方向の弾性力によって低減され、且つ変速操作
部材８の長手方向に沿う変位が微小間隙α１の範囲に限
定されるので、変速操作部材８及びリンク９の長手方向
に沿うストロークロスがほとんどなくなり、且つ変速操
作部材８の長手方向に沿う剛性感が高められるという作
用が得られる。
尚、一部の振動成分が位置規制部材30を介してジョイ
ント10を構成する二股部10aに伝達されるが、この振動
成分のリンク９側への伝達は容易に防止可能である。例
えば二股部10aとジョイントピン27との連結部分の結合
部分に微小間隙等を形成する等の手段によって上記変速
操作部材８の長手方向と直交する方向の振動を吸収する
ことができる。
本実施例におけるゴムブッシユ25は、該ゴムブッシユ
25自体のばね定数を予め図外のエンジンからジョイント
10に伝達される振動を吸収するに充分な程度に低く設定
しておくことが可能であり、且つ従来例のようにリンク
９及び変速操作部材８の長手方向におけるゴムブッシユ
25のばね定数がリンク９及び変速操作部材８の長手方向
と直交する方向のばね定数よりも低くなるように設定す
る必要がない。
発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明にかかるチェンジレ
バーと変速機の連結構造によれば、ジョイントを構成す
る二股部の外壁面とゴムブッシュとの間に、外壁面間に
配置された筒状部の端部と外壁面間に位置する軸方向規
制部及び上記筒状部の内面側に位置して変速操作部材の
長手方向に沿うゴムブッシユのたわみ代を形成する微小
な間隙を介して前記変速操作部材の長手方向の変位を規
制する変位規制部とを有する位置規制部材を介挿配置し
たので、以下に記す作用効果がもたらされる。即ち、振
動源からジョイントに加えられる振動成分中、変速操作
部材の長手方向の振動はゴムブッシユのたわみ代の範囲
内で該ゴムブッシユの圧縮方向の弾性力によって低減さ
れるとともに変速操作部材の長手方向に沿う変位が位置
規制部材によって規制されるので、変速操作部材及びリ
ンクの長手方向に沿うストロークロスがほとんどなくな
り、このようなストロークロスに起因するシフト不良の
懸念がなくなるとともに変速操作部材の長手方向に沿う
剛性感を高めることができる。
又、本発明によれば変速操作時の荷重が全てゴムブッ
シユにかからずに大部分の荷重が位置規制部材によって
受け止められるので、ゴムブッシユのばね定数は振動源
からジョイントに伝達される振動を吸収するに充分な程
度に低く設定することが可能となり、従って変速操作部
材からチェンジレバー側に伝達される振動を大幅に低減
させることができる。
更に上記連結部を構成するジョイントの側部にゴムブ
ッシユが露出しないので、組付作業時におけるゴムブッ
シユのめくれ等の難点が解消され、且つ位置規制部材が
筒状部の端部に位置しているため、ジョイント組付時に
ゴムブッシュが二股部に干渉することがなく、組付時の
作業効率が向上するとともに、該ゴムブッシユの長寿命
化がはかれるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明にかかるチェンジレバーと変速機の連結
構造の一実施例を示す要部断面図、第２図は第１図のII
部分の拡大図、第３図は従来の同様な連結構造を示す要
部断面図、第４図は第３図のIV−IV線に沿う断面図であ
る。 １……チェンジレバー、２……変速機、 ３……エクステンションロッド、４……プレート、 ５……車体側部材、８……変速操作部材、 8a……筒状部、９……リンク、10……ジョイント、 10a……二股部（外壁面）、25……ゴムブッシユ、 26……カラー、30……位置規制部材、

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】チェンジレバーと変速機の変速操作部材と
    を、二股状の外壁面が形成され該外壁面間に筒状部が配
    置されるとともに、該筒状部内で前記外壁面間に渡るシ
    ョイントピンの周りに配置される防振性のゴムブッシュ
    が内装されたジョイントとリンクとを用いて連結した構
    成において、 上記防振性のゴムブッシュの端部を上記筒状部の端部よ
    り筒状部の軸方向で内側に位置するように形成し、 前記ゴムブッシュと上記外壁面との間に、上記筒状部の
    端部と上記外壁面間に位置する軸方向規制部と、上記筒
    状部の内面側に位置し上記変速操作部材の長手方向に沿
    うゴムブッシユのたわみ代を形成する微小な間隙を介し
    て前記変速操作部材の長手方向の変位を規制する変位規
    制部とを有する位置規制部材を介挿配置したことを特徴
    とするチェンジレバーと変速機の連結構造。
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