JP2852492B2 - セルロース系織物の加工法 - Google Patents

セルロース系織物の加工法

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JP2852492B2 JP6230661A JP23066194A JP2852492B2 JP 2852492 B2 JP2852492 B2 JP 2852492B2 JP 6230661 A JP6230661 A JP 6230661A JP 23066194 A JP23066194 A JP 23066194A JP 2852492 B2 JP2852492 B2 JP 2852492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用に耐える引裂き強
力を有し、しかも優れた風合いとウオッシュアンドウエ
ア性を具備したセルロース系織物の非ホルムアルデヒド
系架橋剤を用いた形態安定加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、セルロース系繊維材料は、合
成繊維材料に比べて、良好な吸湿性及び風合いを示すの
で、衣料用素材として広く使用されている。しかし、セ
ルロース系繊維材料の織物は、合成繊維材料の織物と比
べて、風合いの良さとか、優れた吸湿性等の長所がある
が、シワになりやすい、又洗濯すると縮む、更には洗濯
を繰り返すと次第に繊維が堅くなる等欠点も多く、古く
からこれを解消する加工方法が数多く提案されてきた。
【0003】例えば、特公昭49−18517号公報に
は、架橋剤としてホルムアルデヒド蒸気を、触媒として
水分と二酸化イオウガスを併用し、生成する硫酸を使用
し、高温下で反応を進める加工法が開示されている。し
かし、この方法では、生成する硫酸の影響やホルムアル
デヒドによるセルロース分子の架橋固定化により、セル
ロース系繊維の織物の引裂強力が極端に低下する欠点が
あるために、合成繊維のポリエステル繊維等をセルロー
ス系繊維に混繊又は交編織することによって強力の低下
を抑えているのが実状である。更に、(株)繊維社発行
「加工技術」誌(Vol.29,No.6,1994、
p.389〜395)には、液体アンモニアを使用した
マーセライズ加工によりセルロース繊維の断面をほぼ円
形になるよう均一に膨潤させるとともにフィブリル間隔
を平均に狭くすることにより、先にセルロース繊維にソ
フトな風合いを付与し、その後ホルムアルデヒド樹脂を
付与しアンモニアを除去する方法が概説されている。し
かしながら、これらは何れもホルムアルデヒドガスまた
は低ホルムアルデヒド樹脂を使用する加工法であるた
め、加工後にホルムアルデヒドが布帛に残留し、衣料衛
生や安全性の面で問題が有る。
【0004】一方、セルロース繊維の非ホルムアルデヒ
ド加工については、エポキシ系化合物(繊維学会誌,V
ol.26,No.7,1970,P124〜137,
Vol.25,No.11,1969,P502〜51
3)やビニルスルホン系誘導体((株)色染社発行「染
色工業」誌(Vol.24,No.2,1976,P7
6〜83,Vol.24,No.3,1976,P14
2〜147)を用いた研究がなされているが、未だ実用
に耐える引裂き強力と高い形態安定性を具備したセルロ
ース系織物の加工方法は確立されていないのが実状であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形態安定性
の指標である高いウオッシュアンドウエア性(以下W&
W性という。)と引裂き強力を具備し、しかも人体に毒
性が無く安全性に優れた、セルロース系織物の非ホルム
アルデヒド系架橋剤による形態安定加工法を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の様
な課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明は、セルロース系織物を、ウレタン系
樹脂及び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート
基で変性したウレタンプレポリマーとシリコン系柔軟仕
上げ油剤とよりなる混合水分散液に含浸し、熱処理をし
た後、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホン処理液
に含浸し、架橋処理する新規な加工法である。
【0007】本発明のセルロース系織物とは、綿,レー
ヨン,ポリノジック等のセルロース系繊維を単独又は混
繊して得られたセルロース系繊維から織成された織物を
言うが、本発明は、セルロース系編物等の布帛にも応用
可能である。
【0008】本発明では、引裂き強力の低下を防止する
目的で、通常のマーセライズ又は漂白加工処理したセル
ロース系織物に最初にウレタン系樹脂及び/又は分子末
端をカルバモイル・スルホネート基で変性したウレタン
プレポリマーとシリコン系柔軟仕上げ油剤の混合水分散
溶液を含浸し、熱処理をしてこれらを付着させる。繊維
表面に、これらの膜を生成または付着させると、セルロ
ース系織物の風合いが粗硬になったり、撥水性が付与さ
れて、セルロース本来の親水性が消滅する。従って、本
発明で用いられるウレタン系樹脂としては、ポリウレタ
ン樹脂に若干の親水基又は親水性のセグメントを配し
た、水溶性又は自己分散性の樹脂が用いられる。分子の
末端をカルバモイル・スルホネート基で変性したウレタ
ンプレポリマーは、親水性基でブロックされているので
乳化剤を用いなくても水溶性であるので好ましい。これ
らのウレタン系樹脂や分子末端をカルバモイル・スルホ
ネート基で変性したウレタンプレポリマーは、加熱処理
により強力な被膜を形成する役目を果たす効果がある。
【0009】セルロース系織物へのウレタン系樹脂及び
/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート基で変性
したウレタンプレポリマーの処理液濃度は、セルロース
系織物を構成する繊維の風合いを損わないで且つ引裂き
強力の低下を防ぐ点を考慮すると、1〜5重量%が好ま
しい。又、風合い等の改善と強力維持のため、シリコン
系柔軟仕上げ油剤を1〜3重量%の範囲でウレタン系樹
脂及び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート基
で変性したウレタンプレポリマーと混合使用することが
必須である。シリコン系柔軟仕上げ油剤としては撥水性
でないアミノシリコン系柔軟仕上げ油剤も用いることが
できる。
【0010】該混合水分散溶液に、セルロース系織物を
含浸させた後ローラーで絞り、次いで60〜170℃、
好ましくは80〜165℃で乾燥熱処理を行う。乾燥熱
処理時間については、適宜設定することが出来る。次い
で架橋処理をする架橋剤としては、ビス−(β−ヒドロ
キシエチル)スルホン(以下BHESという。)が、安
全性の高い点と通常の含浸,乾燥,キュアリング処理
で、乾湿ともにバランスの取れた防しわ性と防縮性が得
られる点で好ましい。処理液濃度は、所望の防しわ性と
防縮性を考慮して適宜設定できるが、100〜250g
/lの範囲で使用するのが好ましい。更に好ましくは1
50〜200g/lの範囲で使用するのが良い。即ち、
3.3級以上の所謂ノーアイロンレベルのW&W性を得
るためには、150〜200g/lの濃度範囲が好まし
い。一方、加工品の防しわ性の耐洗濯性は、BHESの
処理濃度が高い方が良好であるが、織物に用いられる素
材特有の風合いを残し、且つ実用に耐える引裂き強力
(緯)である750g以上を保持させるには、BHES
の処理濃度は、150〜200g/lの範囲で使用する
ことが好ましい。
【0011】架橋反応を促進するために、触媒として炭
酸ナトリウム水溶液を添加使用することが好ましいが、
アルカリと熱によるセルロースの酸化分解でポリオキシ
カルボン酸誘導体が生じ、これがBHESにより再度セ
ルロースに付着させられることによって、織物が黄変す
る欠点がある。従って、炭酸ナトリウムを使用すると
き、黄変を軽減させるために、黄変防止剤としてホウ素
化合物、例えばナトリウムボロハイドライドやホウ酸ソ
ーダなどを併用すると良い。例えば、40%水酸化ナト
リウム水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを12%になる
よう添加した水溶液を、0.5〜2.0g/lの濃度で
BHESに混合使用すると良い。又、蛍光増白剤を所望
の白度によって適宜同浴に添加し使用する事も出来る。
【0012】架橋処理は、上述のウレタン系樹脂及び/
又は分子末端をカルバモイル・スルホネート基で変性し
たウレタンプレポリマーとシリコン系柔軟仕上げ油剤の
混合水分散溶液に含浸し、熱処理をして付着させたセル
ロース系織物を、該架橋処理溶液に浸漬含浸させ、ロー
ラーで絞り、80〜120℃で乾燥処理後、150〜1
70℃でキュアリングを行えば良い。又、熱処理時間に
ついては、架橋反応が充分進行するに足りる時間であれ
ば特に限定はなく、セルロース系織物の目付等により適
宜設定することが出来る。
【0013】次いで、ソーピング工程以降の水洗及び乾
燥、又は仕上げ油剤処理等の仕上げ加工は、特に限定さ
れるものではなく、一般的に用いられている方法が採用
出来る。又、織物の白度を更に上げるためにソーピング
処理に代え、35%過酸化水素水溶液を5cc/lの濃
度で使用して漂白し、90%酢酸水溶液1cc/lの濃
度で使用し中和した後水洗、乾燥することも出来る。本
発明の方法、即ち、セルロース系織物に、ウレタン樹脂
及び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート基で
変性したウレタンプレポリマーとシリコン系柔軟仕上げ
油剤を含浸し、熱処理をして付着させた後、BHESで
架橋処理することによって、従来達成することが出来な
かった実用に耐える引裂き強力を具備すると同時に、乾
湿ともにバランスの取れた防しわ性と防縮性を有し、し
かもセルロース系繊維の持つ吸湿性と風合いを保持した
W&W性に優れたセルロース系織物が得られる。
【0014】
【実施例】以下に実施例を以て本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
又、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度は
以下の方法で試験した。
【0015】1)W&W性 JIS L1096−19
79 6.23 A法 タンブル乾燥 2)引裂き強力 JIS L1096−1979 6.
15.5 D法 3)吸水性試験 試料を幅3cm,長さ15cmに切り
取り、100mlのイオン交換水を入れた200mlの
ビーカーに、その先端5mmを垂直に1分間漬けた後取
りだし、更にガラス板上に1分間放置し充分水を吸上げ
させた後、この吸上げた高さを計測した。 4)風合い及び白度 5人の検査員よって官能検査で調
べ、次の基準で判定した。 5人全員良い;◎ 3人〜
4人良い;○ 良い2人以下;△ 全員悪い;×
【0016】(実施例1) マーセライズ加工した幅50cm,長さ10mの綿織物
(目付:120g/m2 ,80番双糸,経緯密度133
本×73本/in.)を準備した。分子末端をカルバモ
イル・スルホネート基で変性したウレタンプレポリマー
である商品名エラストロンC−52(有効成分:15
%,第一工業製薬(株)製)を20重量%になるよう水
に分散させ、別にシリコン系柔軟仕上げ油剤である商品
名シリコンソフナー #100(有効成分:25%,松本
油脂工業(株)製)を4重量%になるよう溶解して両液
を混合し、3重量%のウレタンプレポリマーと1重量%
のシリコン系柔軟仕上げ油剤を含んだ混合水分散溶液を
得た。該混合水分散溶液に上述の綿織物を浸漬後、ロー
ラーで絞り率80%で絞った。次に、乾燥機にかけ80
℃で8分間乾燥処理を行い、綿織物にウレタンプレポリ
マーとシリコン系柔軟仕上げ油剤を固着させた。該固着
織物を各2m長5枚にわけた。又、これとは別に綿織物
の無処理布を幅50cm×2m長の5枚をコントロール
として準備した。
【0017】触媒として、炭酸ナトリウムを4重量%,
黄変防止剤としてヴェンシル(登録商標Vensil,
モートン・インターナショナル製)を0.5重量%、蛍
光増白剤として商品名イルミナールBSN(昭和化工
(株)製)を0.3重量%含む水溶液を同量ずつ10容
器に準備し、夫々2容器に架橋剤としてBHES−50
(有効成分:50%,明成化学(株)製)を250g/
l,300g/l,350g/l,400g/l,45
0g/l含むよう夫々添加して、BHES濃度が夫々1
25g/l,150g/l,175g/l,200g/
l,225g/lの5水準の架橋処理液を調合した。
【0018】該架橋処理液に、上述のウレタンプレポリ
マーとシリコン系柔軟仕上げ油剤を固着させた2m長の
綿織物と無処理のコントロール織物を、夫々1枚ずつ同
水準の架橋処理液に浸漬し架橋処理液を含浸させた後、
ローラーで絞り率80%で絞り、120℃で1分間乾燥
処理後ベーキングマシンにかけ165℃で2分間キュア
リングを行い、架橋処理を施した。
【0019】次いで、架橋処理をした10枚の綿織物を
商品名アデカノールTS−403A(旭電化工業(株)
製)1g/l水溶液で夫々ソーピング後水洗乾燥し、ア
ミノシリコン系柔軟仕上げ油剤である商品名シリコーラ
ンAN−980S(有効成分:25%、一方社油脂工業
(株)製)を5重量%含む水溶液でパッドドライヤーに
て仕上げ加工して、試料I−1,II−1,III −1,IV
−1,V−1とコントロール−I,II,III,IV,Vの10
種の加工織物試料を得た。これら試料のW&W性,引裂
き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた結果を表1,
表2に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1と表2から明らかなように、分子末端
をカルバモイル・スルホネート基で変性したウレタンプ
レポリマーとシリコン系柔軟仕上げ油剤で処理した後、
架橋剤濃度を150〜200g/lの範囲で架橋処理し
た綿織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及
び白度ともに良好なもので有ることが判る。又、架橋処
理前にウレタンプレポリマーとシリコン系柔軟仕上げ油
剤で処理しなければ、強力が極度に低下する。
【0023】(実施例2) 架橋処理液に蛍光増白剤を添加使用せず、又、ソーピン
グ処理を35%過酸化水素水溶液5cc/l添加浴で漂
白処理後90%酢酸水溶液1cc/l添加浴で中和処理
を行う方法に代えた以外は、全て実施例1と同様に処理
して、試料I−2,II−2,III −2,IV−2,V−2
を得た。これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,
風合い及び白度を調べた結果を表3に示した。
【0024】
【表3】
【0025】表3から明らかなように、蛍光増白剤を使
用しなくても、ソーピング処理に代えて漂白処理を行な
っても、ウレタンプレポリマーとシリコン系柔軟仕上げ
油剤で処理した後、BHESを150〜200g/lの
濃度範囲で使用して架橋処理した綿織物は、W&W性,
引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好なもの
であった。
【0026】(実施例3) マーセライズ加工した50cm×長さ2mの綿/ポリノ
ジック混紡糸で織成した織物(混紡率:綿45%/ポリ
ノジック55%,60番単糸,経緯密度:90本×88
本/in.)を準備した。
【0027】ウレタン系樹脂UPM−211H(有効成
分:20%,一方社油脂工業(株)製)を15重量%に
なるように分散させ、別にシリコン系柔軟仕上げ油剤で
ある商品名シリコンソフナー #100(有効成分:25
%,松本油脂工業(株)製)を5重量%水に分散させた
溶液を得、両液を混合し、ウレタン系樹脂濃度が3重量
%でシリコン系柔軟仕上げ油剤濃度が1.25重量%の
混合分散液を調合した。該分散液に上述の綿/ポリノジ
ック製織物を浸漬し、ローラーで絞り率80%で絞っ
て、120℃で2分間乾燥処理を行った。
【0028】該織物を柔軟仕上げ油剤を商品名ソフミン
SN−12(ミヨシ油脂 (株) 製)の5重量%水溶液に
変えて、他は全て実施例1と同様に処理して、試料I−
3,II−3,III −3,IV−3,V−3を得た。これら
試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度
を調べた結果を表4に示した。
【0029】
【表4】
【0030】表4から明らかなように、ウレタン系樹脂
とシリコン系柔軟仕上げ油剤で処理し、次いでBHES
が150〜200g/lの濃度範囲で使用架橋処理した
綿/ポリノジック製織物は、W&W性,引裂き強力,吸
水性,風合い及び白度ともに良好なものであった。
【0031】(実施例4) 経糸に綿糸,緯糸にポリノジック糸を使用した幅50c
m×長さ10mのマーセライズ上がりの交織織物(目
付:100g/m2 ,50番単糸,経緯密度:133本
×73本/in.)を準備した。
【0032】シリコン系柔軟仕上げ油剤の商品名シリコ
ンソフナー #100(有効成分:25%,松本油脂工業
(株)製)を12重量%含む柔軟仕上げ油剤水溶液に分
子末端をカルバモイル・スルホネート基で変性したウレ
タンプレポリマーである商品名エラストロンC−52
(有効成分:15%,第一工業製薬(株)製)とウレタ
ン系樹脂である商品名アデカボンタイターHUX−26
0(有効成分:34%,旭電化工業(株)製)を夫々1
0重量%と7重量%になるよう混合して水に分散させ
て、シリコン系柔軟仕上げ油剤濃度が3重量%、ウレタ
ンプレポリマーが1.5重量%とウレタン系樹脂が2.
38重量%の濃度で混合された水分散液を調合した。該
混合分散液に、準備した交織織物を浸漬し、柔軟仕上げ
油剤とウレタン系樹脂及びウレタンプレポリマーを含浸
させた後、ローラーで80%で絞って100℃で3分間
乾燥し、165℃で2分間キュアリングをして2mずつ
の長さ5枚に裁断した。
【0033】該処理交織織物を実施例1の架橋処理液で
実施例1と同様に処理をして、試料I−4,II−4,II
I −4,IV−4,V−4を得た。これら5枚の試料のW
&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた
結果を表5に示した。
【0034】
【表5】
【0035】表5から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤にウレタン樹脂とウレタンプレポリマーを混
合して用い、次いでBHESの濃度が150〜200g
/lの濃度範囲で架橋処理した交織織物は、W&W性,
引裂き強力,吸水性,風合い及び白度ともに良好であっ
た。
【0036】(実施例5) 漂白加工した幅50cm×長さ10mのポリノジック織
物(目付:120g/m2 ,50番単糸,経緯密度:1
30本×82本/in.)を準備した。
【0037】シリコン系柔軟仕上げ油剤の商品名シリコ
ンソフナー #100(有効成分:25%,松本油脂工業
(株)製)を10重量%含む水溶液にポリエーテル系ウ
レタン系樹脂である商品名バイプレット−USV(BA
YPRET−USV,有効成分:28%,バイエル
(株)製)を10重量%になるよう水に分散させ、シリ
コン系柔軟仕上げ油剤を2.5重量%とウレタン系樹脂
を2.8重量%含む混合水分散溶液を得た。
【0038】該混合水分散溶液に、準備したポリノジッ
ク織物を浸漬し、ウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上
げ油剤を含浸させローラーで80%で絞った後、120
℃で2分間乾燥し、165℃で2分間キュアリングをし
て2m長5枚の試料に分けた。次いで該ポリノジック織
物を実施例1と同様の架橋処理液で処理し、80℃で8
分間乾燥処理を行った後、実施例1と同様にキュアリン
グ処理,ソーピング,柔軟仕上げ油剤処理をして試料I
−5,II−5,III −5,IV−5,V−5を得た。これ
ら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白
度を調べた結果を表6に示した。
【0039】
【表6】
【0040】表6から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤とウレタン系樹脂で処理した後、BHESが
150〜200g/lの濃度範囲の処理液で架橋処理し
たポリノジック織物は、W&W性,引裂き強力,吸水
性,風合い及び白度ともに良好であった。
【0041】(実施例6) マーセライズ加工した幅50cm×長さ2mの綿織物
(目付:120g/m2,80番双糸,経緯密度:13
3本×73本/in.)を、各5枚準備した。
【0042】ウレタン系樹脂であるUPM−211H
(有効成分:20%,一方社油脂工業(株)製)を水に
分散させて、ウレタン系樹脂が夫々、0重量%,1.0
重量%,3.0重量%,5.0重量%,6.0重量%含
む5水準の水分散液を準備した。次いで、シリコン系柔
軟仕上げ油剤である商品名シリコンソフナー #100
(有効成分:25%,松本油脂工業(株)製)を0重量
%のものを除いた上述のウレタン系樹脂水分散液に添加
し、シリコン系柔軟仕上げ油剤を2重量%含むよう調整
した。該混合水分散液に、上述の綿織物を夫々1枚づつ
浸漬し、ウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤を
含浸させた後、ローラーで80%で絞った。次に乾燥機
にかけ80℃で8分間乾燥熱処理を行い、5枚の2m長
綿織物にウレタン系樹脂とシリコン系柔軟仕上げ油剤を
固着させた。
【0043】触媒として、炭酸ナトリウムを4重量%,
黄変防止剤としてヴェンシル(登録商標Vensil,
モートン・インターナショナル製)を0.5重量%,蛍
光増白剤として商品名イルミナールBSN(昭和化工
(株)製)を0.3重量%含む水溶液に、架橋剤として
BHES−50(明成化学(株)製)を350g/l添
加しBHESを175g/l含む架橋処理液を調合し
た。
【0044】次いで、上述のウレタン系樹脂とシリコン
系柔軟仕上げ油剤を固着させた各綿織物を、夫々該架橋
処理液に1枚づつ浸漬し架橋処理液を含浸させた後ロー
ラーで絞り率80%で絞り、120℃で2分間の乾燥処
理後ベーキングマシンにかけ165℃で2分間キュアリ
ングを行い、架橋処理を施した。次いで、商品名アデカ
ノールTS−403A(旭電化工業(株)製)1g/l
水溶液で架橋処理した5枚の綿織物を夫々ソーピング後
水洗し乾燥した。そして実施例1と同様の仕上げ加工を
行い試料I−6,II−6,III −6,IV−6,V−6を
得た。これら試料のW&W性,引裂き強力,吸水性,風
合い及び白度を調べた結果を表7に示した。
【0045】
【表7】
【0046】表7から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤とウレタン系樹脂濃度が1〜5重量%の濃度
範囲で処理し、熱処理し、次いでBHESの処理液で架
橋処理した綿織物は、W&W性,引裂き強力,吸水性,
風合い及び白度ともに良好なものであった。
【0047】(実施例7) 経糸に綿糸,緯糸にポリノジック糸を使用し、マーセラ
イズ加工処理した幅50cm×長さ2mの交織織物(目
付:100g/m2 ,50番単糸,経緯密度:133本
×73本/in.)を5枚準備した。実施例6の商品名
シリコンソフナー #100を5重量%含む水溶液に分子
末端をカルバモイル・スルホネート基で変性したウレタ
ンプレポリマーであるエラストロンC−52(有効成
分:15%,第一工業製薬(株)製)とウレタン系樹脂
である商品名アデカボンタイターHUX−260(有効
成分:34%,旭電化工業(株)製)を夫々2重量%+
1重量%=3重量%,4重量%+2重量%=6重量%,
10重量%+5重量%=15重量%,14重量%+8重
量%=22重量%,20重量%+10重量%=30重量
%になるよう水に分散させて、シリコン系柔軟仕上げ油
剤を1.25重量%含み、ウレタン系樹脂とウレタンプ
レポリマーが合せて各0.64重量%,1.28重量
%,3.20重量%,4.82重量%,6.40重量%
で混合された分散液を5水準調合した。該混合分散液
に、上述の交織織物を夫々1枚づつ浸漬させた後、ロー
ラーで80%で絞って80℃で8分間乾燥熱処理後、1
50℃で2分間キュアリングをして5種類の2m長の交
織織物を得た。該交織織物を実施例6の架橋処理液で実
施例6と同様に処理をして、試料I−7,II−7,III
−7,IV−7,V−7を得た。これら試料のW&W性,
引裂き強力,吸水性,風合い及び白度を調べた結果を表
8に示した。
【0048】
【表8】
【0049】表8から明らかなように、シリコン系柔軟
仕上げ油剤とウレタン系樹脂とウレタンプレポリマーを
混合して用いても、その液中のウレタン系樹脂とウレタ
ンポリマーの混合液の合計濃度が1重量%〜5重量%の
範囲で処理し、次いでBHESで架橋処理した交織織物
は、W&W性,引裂き強力,吸水性,風合い及び白度と
もに良好であることが判る。更に、液中のウレタン系樹
脂とウレタンプレポリマーの混合液合計濃度が5重量%
を越えると、風合いと吸水性が悪いことが判る。
【0050】
【発明の効果】本発明のセルロース系織物の加工法は前
記構成をとるものであり、セルロース系織物に、ウレタ
ン系樹脂及び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネ
ート基で変性したウレタンプレポリマーとシリコン系柔
軟仕上げ油剤を含浸し、熱処理して付着させた後、BH
ESで架橋処理をするものであるため、従来の加工法に
より得られたセルロース系織物の形態安定加工品に比べ
て、高いW&W性を具備すると同時に、実用に耐えるに
充分な引裂き強力を有している。又、架橋処理を非ホル
ムアルデヒド系架橋剤であるBHESで行うため、安全
性が極めて高い。従って、本発明のセルロース系織物の
形態安定加工法で加工した織物は、ワイシャツやユニホ
ーム等の一般衣料材料,病院用ベッドシーツ、及び白衣
等の衛生材料,シーツ,フトンカバー等の寝装材料等の
素材として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−59599(JP,A) 特開 昭56−118966(JP,A) 特開 平4−249151(JP,A) 特開 平6−346374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 13/00 - 13/535 D06M 15/00 - 15/715

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系織物を、ウレタン系樹脂及
    び/又は分子末端をカルバモイル・スルホネート基で変
    性されたウレタンプレポリマーとシリコン系柔軟仕上げ
    油剤とよりなる混合水分散液に含浸し、熱処理をした
    後、ビス−(β−ヒドロキシエチル)スルホン処理液に
    含浸し、架橋処理することを特徴とするセルロース系織
    物の加工法。
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