JP2849842B2 - バターの製造方法 - Google Patents

バターの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、適度の硬度と展延性とを有するバターの製
造法に関する。本発明により得られるバターは製菓・製
パン用原料として生地に練り込むのに最適な硬度と展延
性とを有し、これらの原料として用いられる。
従来技術 乳は、乳牛の飼育等の影響でその油脂の脂肪酸組成が
変動するが、特に夏季は二重結合の不飽和脂肪酸含量が
多いことからこれを原料としたバターは、柔らかい性質
を呈する。一方冬季は比較的二重結合の脂肪酸含量が少
なくなる飽和脂肪酸含量が多いので硬いバターとなる。
製菓・製パンの生地に練り込むバターは、ある程度硬
度と展延性とを有するものが望ましい。硬いバターを使
用すると展延性が劣り、また柔らかいバターを使用して
も必ずしも展延性が良好とは限らない。
かかる事情から、従来製菓・製パン用として硬度があ
って展延性を有するバターを得ることが一つの技術的課
題となっていた。そしてこのようなバターの製造方法と
して、バターを融解したものを30℃前後の温度に冷却し
約15時間以上保持して固体脂肪(I)と液体脂肪(I)
とに分別し、次いで得られる液体脂肪(I)を約25℃以
下の温度に約25時間以上保持して固体脂肪(II)と液体
脂肪(II)とに分別し、かくして得られる脂肪(II)を
通常のクリームに約25重量%以上混合したものを常法に
よってバターにする方法(特公昭49−11431号公報)が
提案されている。
従来技術の問題点 上記特公昭49−11431号公報に開示されたバターの製
造方法は、バターを融解し二段分別して固体脂肪(II)
を得、この固体脂肪(II)とクリームを混合してバター
を製造しているが、次のような問題点があった。
(1) バターを融解して得られる固体脂肪(II)を、
通常のクリームへ単に添加混合しているため、乳化の
段階で微細な脂肪球ができず、また固体脂肪同志が凝
集すること等からこのクリームを原料として製造したバ
ターの組織がサンデー(脂肪の結晶化によるザラツキ)
となる。
(2) 展延性は良好な結果となっているが、固体脂肪
(II)の融点が比較的低いため、通常のバターに比較し
て硬度の点であまり改善されない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、上記の問題点を解決することを目的として
研究を行った結果なされたものであって、良好な組織と
適度の硬さとを有し、展延性に優れたバターの製造法を
提供することを課題とする。そして得られるバターはそ
の性質からみて製菓・製パン用バターとして好適なもの
となる。
課題を解決するための手段 本発明は、バター脂肪を溶融し、これを冷却して固体
脂肪と液体脂肪とに分別し、得られる固体脂肪とバター
ミルクとを混合溶解し予備乳化してクリーム状とし、こ
の予備乳化したクリーム状物と、生乳より分離した生ク
リームとを混合し、剪断及び超音波によって乳化し、こ
れを原料として常法によりバターとすることよりなるバ
ターの製造法に関する。
本発明では、まずバター脂肪を溶融させる。
そして、このように溶融したバター脂肪を固体脂肪と
液体脂肪とに分別する。この分別は、約60℃前後の温度
に維持された溶融バター脂肪を約48時間かけて段階的に
約28℃前後の温度に冷却し高融点脂肪を析出させ、これ
を分別することによって行うことが望ましい。この段階
的に冷却とは溶融バターを約60℃前後の温度と約28℃前
後の温度との間の一定の温度に数回に分けて冷却するこ
とを意味する。
そのさい冷却は28℃前後まで行うと適度の硬さをもつ
固体脂肪を採取することができる。冷却中溶融バター脂
肪を緩徐に撹拌するとよい。
このように冷却すると、高融点脂肪が析出するのでこ
れを真空濾過機(例えばヤングフイルター等)にかけて
固体脂肪と液体脂肪とに分別する。
上記温度において溶融バターをあまり高温下に長時間
保持すると酸化により風味の低下が避けられず、一方あ
まり低温下で保持すると固体脂肪の回収量は増加しても
低融点の非常に硬い脂肪が回収されることから本発明の
最終目的とするバター得ることができない。従って、上
記範囲がもっとも好ましい温度域である。
次に、得られた固体脂肪とバターミルクとを混合溶解
し、予備乳化してクリーム状とする。固体脂肪とバター
ミルクとの混合比は、固体脂肪30〜50重量%とバターミ
ルク50〜70重量%とが好ましい。このような混合比とす
ることによって良好なクリーム状物を得ることができ、
次に行う生クリームの乳化分散を良好に行うことができ
る。予備乳化は、通常、撹拌混合して行うかあるいはホ
モゲナイザー等を用いて行う。
そして、このようにして得られたクリーム状物と、生
乳より分離した生クリームとを剪断及び超音波によって
乳化する。クリーム状物と生クリームとの混合比は、ク
リーム状物5〜20重量%と生クリーム80〜95重量%とす
ることが望ましい。そして、この生クリームは生乳より
分離し50℃以上にしたものを用い、クリーム状物と生ク
リームとを高速剪断乳化機によって剪断と超音波処理と
を行って脂肪球の粒径を3〜10μmにして乳化すること
が好ましい。
ここでクリーム状物5〜20重量%と、生乳より分離し
た生クリーム80〜95重量%とをこの範囲としたのは、組
織が良好で、かつ硬度があって展延性に優れた製菓・製
パン用バターを得るためである。また生乳より分離した
生クリームを50℃以上に加温してクリーム状物を混合す
るのは、50℃以下になるとクリーム状物を混合した際、
クリーム状物中の固体脂肪が瞬間的に結晶化して、その
後いくら乳化させようとしても良好な乳化状態にならな
いことが生ずる可能性があるためである。このようにし
てクリーム状物と生クリームとを混合した後は、高速剪
断乳化機(例えば荏原製作所(株)製マイルダーMDN−3
07を例示でき、回転数を6,000rpm以上で高速回転させる
ことにより剪断および超音波が発生する。)で脂肪球の
粒径を3〜10μmに揃えると同時にバターミルクおよび
生クリーム中の乳蛋白質とリン資質が脂肪球を包含した
エマルジョンを形成させ安定した乳化状態とすることが
できる。
そしてこの剪断および超音波による乳化は、製品とし
てのバターの展延性を著しく向上させる。
また、脂肪球の粒径をほぼ3〜10μmの範囲とするこ
とにより、製品としてのバターの組織がサンデーとなら
ず好ましいものとすることができる。
本発明ではこのように乳化を行った後、この乳化クリ
ームを常法により約12時間程度エージングして脂肪の結
晶化を図り、そしてメタルチャーンあるいは連続式バタ
ー製造機等によってチャーニングおよびワーキングする
ことによりバターを製造する。
本発明では、バター脂肪を溶融し、冷却して固体脂肪
と液体脂肪とに分別し、得られる固体脂肪とバターミル
クとを混合溶解し予備乳化してクリーム状とし、これ
と、生乳より分離した生クリームとを剪断及び超音波に
よって乳化するので、バター脂肪を微細な脂肪球として
クリーム中で安定に分散することができ、固体脂肪相互
の凝集を防ぐことができ、得られるバター組織がサンデ
ーになることを防止することができる。しかも、バター
固体脂肪として格別融点の低いものを使用しなくても安
定なバター組織が得られるので得られるバターは適度の
硬度を有し、展延性のよいものとなる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 バター脂肪100kgを60℃に加熱して溶融し、撹拌下で4
8時間保持しながら28℃に段階的に冷却し、高融点の脂
肪を析出させ、ヤングフイルター(真空濾過機)にかけ
て固体脂肪60kgと液体脂肪40kgとに分別した。
かくして得られた固体脂肪60kgをバターミルク70kgに
溶解し、撹拌混合により予備乳化して脂肪率46%のクリ
ーム状物を調製した。
更に上記のクリーム状物130kgを、生乳から分離し52
℃に加温した脂肪率40%の生クリーム2,000kgに添加し
て、高速剪断乳化機マイルダーMDN−307の回転数を6,50
0rpmで混合乳化した。乳化クリームの脂肪球は、ほとん
どが微細化されて7μm以下となった。
そして、この乳化クリームを常法により10時間エージ
ング後、連続バター製造機でチャーニングおよびワーキ
ングによりバターを製造した。得られたバターの硬度お
よび展延性は、製菓・製パンの原料として好適なもので
あった。
実施例2 実施例1と同様にして分別した固体脂肪80kgをバター
ミルク90kgに溶解し、撹拌混合により予備乳化して脂肪
率47%のクリーム状物を調製した。
更に上記のクリーム状物170kgを、生乳から分離して5
5℃に加温した脂肪率40%の生クリーム1,800kgに添加し
て、高速剪断乳化機マイルダーMDN−307の回転数を6,50
0rpmで混合乳化した。乳化クリームの脂肪球は、ほとん
どが微細化された粒径10μm以下となった。
そして、この乳化クリームを常法により12時間エージ
ング後、メタルチャーンでチャーニングおよびワーキン
グしてバターを製造した。得られたバターの硬度および
展延性は、製菓・製パンの原料として好適なものであっ
た。
次に上記実施例1および2によって製造したバターの
特性を従来品との比較において第1表に示す。
この表から判るとおり、本発明の方法によって得られ
るバターは、対照や特公昭49−11431号方法によって得
られるバターにくらべて融点や硬度は高いにもかかわら
ず、展延性があり、これらの数値からみて製菓・製パン
原料として使用するのに好適なものとなった。
発明の効果 本発明の方法によると、良好な組織を有し、製菓・製
パン原料として生地に練り込むのに適度の硬度と優れた
展延性とを有するバターを製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 小野寺 修一 北海道札幌市中央区北五条西10丁目3― 1 シヤンボール植物園第2―603号室 (56)参考文献 特開 昭48−1162(JP,A) 特開 昭58−43743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23C 15/00 - 15/16 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バター脂肪を溶融し、これを冷却して固体
    脂肪と液体脂肪とに分別し、得られる固体脂肪とバター
    ミルクとを混合溶解し予備乳化してクリーム状とし、こ
    の予備乳化したクリーム状物と、生乳より分離した生ク
    リームとを混合し、剪断及び超音波によって乳化し、こ
    れを原料として常法によりバターとすることを特徴とす
    るバターの製造法
  2. 【請求項2】バター脂肪を溶融し、約60℃前後から約28
    ℃前後の温度に約48時間かけて段階的に冷却して固体脂
    肪と液体脂肪とに分別し、得られる固体脂肪30〜50重量
    %とバターミルク50〜70重量%とを混合溶解して予備乳
    化によりクリーム状とし、更にこの予備乳化したクリー
    ム状物5〜20重量%と、生乳より分離し50℃以上とした
    生クリーム80〜95重量%とを剪断および超音波によって
    脂肪球の粒径をほぼ3〜10μmにして乳化した後、これ
    を原料として常法によりバターとすることを特徴とする
    バターの製造方法
  3. 【請求項3】剪断及び超音波による乳化を高速剪断乳化
    機によって行うことを特徴とする請求項(1)または
    (2)によるバターの製造方法
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JP5608123B2 (ja) * 2011-03-29 2014-10-15 森永乳業株式会社 焦がしバター風味を有するバターの製造方法
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