JP2849574B2 - 自動車バンパー用樹脂組成物及びそれから得られた自動車バンパー - Google Patents
自動車バンパー用樹脂組成物及びそれから得られた自動車バンパーInfo
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Description
剛性と低温衝撃性が優れ、自動車バンパーに好適で、射
出成形加工性の点に於いて面歪みが少ないなど面品質が
優れた自動車バンパー用樹脂組成物及びそれから得られ
た自動車バンパーに関する。
をハロゲン系有機溶剤等の脱脂処理を行わないででしか
も低温焼き付け塗装を行っても充分な塗膜密着性等の優
れた塗装性が得られることを特徴とする新規な自動車バ
ンパー用樹脂組成物に関する。
からみて従来の鉄製バンパーからかわってポリウレタン
製バンパーやプロピレン−エチレンブロックコポリマー
にエチレン−プロピレン共重合体ゴムを配合したポリプ
ロピレン製バンパーが使用されている。
価で比重が比較的高いので経済的に不利である。ポリプ
ロピレン製バンパーは比較的安価であるが、剛性度や低
温衝撃性及び熱変形温度が低い。この為、剛性度や低温
衝撃の不足をバンパー成形物の肉厚を増大する事によっ
て解決しているが、これは軽量化と経済性の目的に反す
る。
ルシウム、硫酸バリウム、マイカ、結晶性ケイ酸カルシ
ウム、タルク等の無機充填材を加えて配合することが、
例えば特開昭53−64256号に提案されている。し
かし無機充填材を添加すると耐衝撃性や加工性が低下す
る場合がありさらなる改良がのぞまれている。
であるので塗装性に劣ることが知られており、例えばポ
リプロピレン製自動車バンパーを塗装する場合、塗膜の
充分な密着強度を得るためには、1,1,1−トリクロ
ルエタンをはじめとするハロゲン系有機溶剤によって成
形物表面の脱脂洗浄処理を施し、その後プライマーを下
塗りするか、或いはプラズマ照射処理を行った後、上塗
り塗装を行うか、塗料の焼き付け温度を120℃程度の
高温にする必要があった。
トリクロルエタンをはじめとするハロゲン系有機溶剤に
よる脱脂洗浄処理を省略する方法が開示されているが、
樹脂組成物の剛性と耐衝撃性のさらなるバランスの向上
がのぞまれていた。
は、特定の結晶性ポリプロピレン系樹脂を主体として用
い、それとエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
M)及び/又はエチレン−プロピレン−ジエン共重合体
ゴム(EPDM)、及びタルクよりなり、物性の点に於
いては自動車バンパー用樹脂材料として要求される低温
衝撃強度及び剛性度を満足し、肉厚を薄肉化できる自動
車バンパー用樹脂組成物を得ることにある。
率を有するため薄肉化可能で、さらに高い衝撃性を有す
る自動車バンパーとして優れた樹脂組成物を提供するこ
とにある。さらに本発明は射出成形加工性の点において
は流動性に優れ薄肉化が可能で、成形サイクルが短く、
かつ面品質の良好である自動車バンパー用樹脂組成物を
提供することを目的とする。
有し、かつハロゲン系有機溶剤による成形物表面の脱脂
洗浄処理が不要で、塗料の低温焼き付けにより充分な塗
膜密着性を有する塗装性が優れた自動車バンパー用樹脂
組成物を提供するとを目的とする。
性が優れたポリプロピレン系樹脂組成物、さらには上記
特徴を備えてかつ塗装性に優れた樹脂組成物を得ること
について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったもので
ある。
り測定したアイソタクチックペンタッド分率が0.95
以上であり、かつ固有粘度が0.6〜1.2(dl/
g)であるホモポリプロピレン部及びプロピレン/エチ
レンの割合が75/25〜25/75(重量比)であ
り、固有粘度が3.0〜11.0(dl/g)であるプ
ロピレン−エチレ共重合部からなるプロピレン−エチレ
ンブロックコポリマー、(B)13C−NMRにより測定
したアイソタクチックペンタッド分率が0.95以上で
あり、かつ固有粘度が1.3〜4.0(dl/g)であ
るプロピレンホモポリマー、(C)(C1)ムーニー粘
度(ML1+4 (100℃))が20〜120で、プロピレン
含量が15〜60重量%であるエチレン−プロピレン共
重合体ゴム(EPM)、及び/又は、(C2)その沃素
価が5〜30で、ムーニー粘度(ML1+4 (100℃))が
10〜50であるエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)、並びに(D)平均粒径が0.5μ
m〜5μmであるタルクよりなり、(A)のプロピレン
−エチレンブロックコポリマ−の共重合部を(α)重量
部((A)+(B)の合計重量部を100重量部とした
場合)としたとき以下の式を満足する自動車バンパー用
樹脂組成物である。 (A)+(B)=100重量部 (I) 0.2≦(B)/((A)+(B))重量比≦0.6 (II) 25重量部≦(C)≦80重量部 (III) 0.06≦(α)/((α)+(C))重量比≦0.5 (IV) 0.6重量部≦(D)≦30重量部 (V) また本発明は、上記の自動車バンパー用樹脂組成物に更
に、水酸基価(KOHmg/g)が20〜100である
(E)ポリヒドロキシポリオレフィンを(A)+(B)
100重量部に対して、以下の式を満足するように加え
ることを特徴とする塗装性に優れた自動車バンパー用樹
脂組成物である。 0.6重量部≦(E)≦20重量部 (VI) 更に本発明は上記自動車バンパー用樹脂組成物の(C)
中の(C2)EPDM/(C1)EPMの重量比が0.
05〜1.5である自動車バンパー用樹脂組成物であ
る。
成物を成形して得られる自動車用バンパーを提供するこ
とにある。
ンブロックコポリマーは、プロピレンのホモポリマーか
らなるホモポリプロピレン部とプロピレン−エチレンの
共重合部からなる。
コポリマーのホモポリプロピレン部が13C−NMRによ
り測定したアイソタクチックペンタッド分率(以下ペン
タッド分率と略する。)0.95以上であり、かつ固有
粘度(135℃テトラリン溶液で測定)が0.6〜1.
2dl/g、好ましくは、0.8〜1.0dl/gであ
る。該固有粘度が0.6以上だと得られる樹脂組成物の
剛性度及び低温衝撃性等の機械物性が優れており、1.
2以下であれば流動性が良好で好ましい。
チックペンタッド分率は0.95以上、好ましくは0.
965以上、より好ましくは0.97以上の高結晶性で
あると得られる組成物の剛性と耐衝撃性のバランスが良
好でありできるだけ高いものが好ましい。
エチレンの重量比の割合は、重量比で75/25〜25
/75で、60/40〜40/60が好ましい。この範
囲では低温衝撃強度と曲げ弾性率が高く好ましい。
11.0dl/gの比較的高分子量であり、3.5〜1
0.0dl/gが好ましい。固有粘度が3.0以上では
得られる樹脂組成物の低温衝撃が良好であり、11.0
dl/gを越えると分散が不良になり良好な衝撃強度が
得られない。
(以下、MFRと略する。)は、10〜150g/10
分が好ましく、25〜100g/10分がより好まし
い。MFRが10以上では得られる樹脂組成物の流動性
が大きいので成形性が良好である。150以下では成形
する際バリ等の異常が発生せず、低温衝撃強度も良好で
ある。
25.0重量%が好ましく、特に3.5〜15.0重量
%が加工性及び耐衝撃性の点でより好ましい。
ン単独の重合体であり、固有粘度が1.3〜4.0dl
/gのものが良く、1.4〜3.0dl/gが剛性と耐
衝撃性のバランスの点でより好ましい。1.3以上では
得られる樹脂組成物の剛性及び低温衝撃性のバランスが
良好である。4.0以上のものは射出成形物の外観が不
良になる。
が0.95以上、好ましくは0.965以上、より好ま
しくは0.97以上の高結晶性のものを用いると得られ
る組成物の剛性と耐衝撃性のバランスが良好でありでき
るだけ高いものが好ましい。(B)プロピレンホモポリ
マーの割合は(B)/((A)+(B))重量比 で0.
2〜0.6であり、好ましくは0.2〜0.4、より好
ましくは0.3〜0.4である。(B)成分が0.2以
上だと、流動性は上がって低温衝撃性も良好であり、
0.6以下では低温衝撃性が良好で流動性も維持されて
好ましい。
チレンブロックコポリマーの製造及び(B)プロピレン
ホモポリマーの製造は通常行われる公知の方法が使用で
き、重合法は連続式でもバッチ式いずれでも可能であ
り、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
の様な不活性炭化水素溶媒によるスラリー重合、無溶媒
による液化モノマー中で行う塊状重合及び気相重合等が
適用される。
性触媒が好ましく用いられる。上記触媒の代表的な例
は、三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物(三
塩化チタン系触媒)、特に四塩化チタンを有機アルミニ
ウム化合物で還元し、更に各種の電子供与体(例えば、
ジアルキルエーテル)及び電子受容体(例えば四塩化チ
タン)で処理して得た三塩化チタン組成物、有機アルミ
ニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステル等の電子供
与性化合物とを組み合わせた触媒、及びハロゲン化マグ
ネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体(例えば芳
香族(ジ)カルボン酸エステル)を接触させる担持型触
媒成分と有機アルミニウム化合物及び電子供与性化合物
(例えばアルコキシシラン化合物)からなる担持型触媒
系が例示されるが、他の高立体規則性触媒も用いること
ができる。
することができる。しかしプロピレン等のα−オレフィ
ンの高立体規則性重合においては100℃以上では高度
に立体規則性を有する重合体が得られない等の理由によ
って通常0℃〜100℃の範囲で行うのが好適である。
重合圧力に関しては、特に制限はないが、工業的かつ経
済的であるという点で常圧〜100気圧程度の圧力が望
ましく、重合体の分子量を調節するために、水素等の連
鎖移動剤を添加することも可能である。
又はプロピレン−エチレンブロックコポリマー製造、特
にプロピレン−エチレンブロックコポリマーを製造する
際の触媒系として、三塩化チタン系触媒を用いた場合は
本願発明の樹脂組成物は特に剛性に優れ、担持型触媒系
を用いた場合には本願発明の樹脂組成物は特に耐衝撃性
に優れるので、目的によって重合に使用する触媒は適宜
選択して使用される。本発明で用いられる(C)(C
1)エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)は、
ムーニー粘度(ML1+4 (100℃) )は20〜120がよ
く、40〜80がより好ましい。また、プロピレン含有
量は15〜60重量%がよく、20〜50重量%がより
好ましい。ムーニー粘度が20以上では低温衝撃等の機
械物性が優れ、120以下ではゴムの性状が良好で、ポ
リプロピレン等の原料との混練操作に支障が無く好まし
い。又、プロピレン含有量が15重量%以上では低温衝
撃等の機械物性が良好であり、60重量%以下ではゴム
の性状が良好でブロッキングが発生せず、PP原料等と
の混練操作に支障がない。
ロピレン−ジエン系共重合体ゴム(EPDM)は、エチ
レン、プロピレン及びジエンの三元共重合体である。ジ
エン成分は、エチリデンノルボルネン及び又はジシクロ
ペンタジエンが好ましく、ジエン成分の含有量は沃素価
で5〜30、好ましくは10〜30、より好ましくは1
5〜25である。又、ムーニー粘度(ML1+4 (100℃)
)は10〜50が好ましく、20〜45がより好まし
い。沃素価が5以上では塗装性能が改良され、30以下
ではゴムの性状が良好でブロッキングが発生せず、ポリ
プロピレン等の原料との混練操作に支障をきたさない。
又、ムーニー粘度が10以上だと低温衝撃等の機械物性
が優れ、50以下ではブロッキングが発生する等の不具
合が起こらない。
〜60重量%がよく、20〜50重量%がより好まし
い。
ることを目的する場合は(C1)EPMのみで(C2)
EPDMを添加する必要はないが、成形物を塗装する場
合は(C1)EPMと(C2)EPDMを併用すること
によって塗装性が改良される。この場合(C2)EPD
M/(C1)EPM重量比は0.05〜1.5が好まし
く、更に好ましくは0.2〜1.0であり、0.05以
上では塗装改良効果が認められ、1.5以下では低温衝
撃性が良好に維持できる。また(C2)EPDMのムー
ニー粘度は(C1)EPMよりも5〜50低ムーニー粘
度の方が塗装性が良好になり好ましい。
重量部((A)+(B)の合計重量部を100重量部と
した場合)とすると、(α)と(C)との合計量に対し
て0.06〜0.5の割合が好ましく、特に好ましくは
0.1〜0.3である。0.06未満になると、低温衝
撃性が悪くなる場合がある。
平均粒径が0.5μm〜5μmのものがよく、0.7μ
m〜2.0μmのものがより好ましい。平均粒径が5μ
mを越えると耐衝撃性が劣る傾向にあり、0.5μm未
満では曲げ弾性率が不足する傾向にある。このようなタ
ルクは例えば乾式粉砕後乾式分級して製造される。
0重量部に対して0.6〜30重量部が好ましい。30
重量部を越えると樹脂組成物の比重が高くなり、軽量化
の目的に反し、成形物のウェルドが目だち易くなり、
0.6重量部未満になると、得られる樹脂組成物の剛性
が不足する場合があるため、本発明の目的に適さない。
弾性率と低温衝撃性が改良され、従来材料に比較し成形
物を薄肉にしても良好な物性の成形物が得られる。
自動車バンパー用樹脂組成物の生成の機構は以下の通り
であると思われる。
と後添加のエチレン系共重合ゴム(EPM及び/又はE
PDM)等の複合によって得られる樹脂組成物の剛性と
低温衝撃の物性バランスはプロピレン−エチレンブロッ
クコポリマーの共重合で生成したゴムと後添加のエチレ
ン系共重合ゴムの樹脂組成物中の分散状態が重要な役割
を果たしていると一般に考えらている。
チレンブロックコポリマー及びエチレン系共重合体ゴム
よりなる組成物中のゴムの分散粒子径は、同じ混練機で
同じ条件(温度、スクリュー回転数)で混練を行った場
合プロピレンホモポリマーを添加しない場合と比べてゴ
ムの分散粒子径が小さくなり、耐衝撃性、塗装性が改良
される。また、本願発明の組成物はエチレン系共重合体
ゴムを大量に含有するものであり、プロピレン−エチレ
ンブロックコポリマーにプロピレンホモポリマーを加え
た場合には認められない顕著な効果を示す。
おいて、成形物の塗装を必要とする場合には好ましくは
(E)ポリヒドロキシポリオレフィンが使用される。
計100重量量に対して、好ましくは0.6重量部〜2
0重量部、より好ましくは1.0重量部〜5重量部添加
される。
は、分子末端に水酸基を有する分子量が1000〜50
00の低分子量ポリオレフィンであり、例えば共役ジエ
ンモノマーを公知の方法例えば、アニオン重合等により
重合させ、それを加水分解して得たポリマーを水素添加
することによって得られる。具体的には三菱化学(株)
製の商品名ポリテールH(Polytail−H)があ
げられる。
ポリオレフィンは、水酸基価(KOHmg/g)が20
以上100以下が好ましい。水酸基価が20以上では塗
膜の密着性が良好であり、100を越えると樹脂との相
溶性が悪くなり、塗膜の密着性の悪化が見られる。
本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的成
分を添加することが出来る。他の付加的成分としては、
熱可塑性樹脂組成物に通常配合される添加剤、例えば加
工性安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属石鹸類を
はじめとする各種石鹸類、帯電防止剤、顔料及び顔料分
散剤等を添加する事が可能である。
ネシウム硫酸塩類、繊維状ホウ酸アルミニウム等のウィ
スカー類及び炭素繊維等も必要に応じて添加することが
出来る。
して製造されるが、二軸押出し機を用いて製造すること
が好ましい。本発明の樹脂組成物の成形加工法は特に限
定されるものではなく、射出成形、中空成形が可能であ
るが射出成形法が最も適している。
自動車バンパーの塗装方法は特開平5−311017に
記載されている方法が使用できる。具体的には本願発明
の樹脂組成物を成形し、得られた成形物の表面に、ハロ
ゲン系有機溶媒による前処理を施すことなく、プライマ
ー塗装あるいはプラズマ照射処理等を行い、その後上塗
り塗装を実施する工程より成る。この塗装方法において
は、必要に応じて成形物をハロゲン系有機溶剤以外の液
体による脱脂洗浄を実施することができる。ここで言う
ハロゲン系有機溶剤以外の溶剤とは、イソプロピルアル
コール等の低級アルコール、界面活性剤含有アルカリ性
又は酸性水溶液等が挙げられる。
ては、例えば市販されているアクリル−塩素化ポリプロ
ピレン系のプライマーが使用できる。該塗料の仕様に従
いプライマーを調製した後、例えば膜厚10μm程度に
なるように塗装する。
て上塗り塗料としては、2液型のウレタン塗料、1液型
アルキッド−メラミン塗料、1液型アクリル塗料をはじ
めとして様々な種類の塗料が使用できるが、特に低温
(例えば80℃)硬化型のウレタン塗料で塗装した成形
品の耐ガソホール性、及びななめ碁盤目による密着性の
向上に対して、本発明の樹脂組成物の効果が顕著であ
る。
改良された自動車バンパー用樹脂組成物であり、射出成
形時の加工性が良好で、特に平面平滑性が優れている。
本発明の自動車バンパー用樹脂組成物を使用した場合、
既存の複合ポリプロピレン樹脂組成物に比較して薄肉厚
化したバンパーの製造が可能である。本発明の別の実施
態様では上記特徴を維持し、更にハロゲン系有機溶剤に
よる脱脂洗浄処理が不要で、塗料の低温焼き付けにより
充分な塗膜密着性を有する塗装性が優れた自動車用バン
パー用樹脂組成物を提供する事ができ且つ優れた表面平
滑性がある為、外観性が良く高級感が有る自動車バンパ
ーの原料として優れたものである。
るが、本発明は実施例の説明に限定されるものではな
い。
は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100重
量部に対して、添加剤として更に2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチル−フェノール 0.05重量部、テトラ
キス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
0.05重量部ステアリン酸カルシウム0.1重量部、
カーボンブラック1.0重量部を配合し、ヘンシェルミ
キサーで5分間混合したあと、2軸混練機にて210℃
にて混練造粒して複合ポリプロピレン樹脂組成物を得
た。この後、型締め力100トンの射出成形機で成形温
度220℃で各種試験片を作成し、物性を測定した。
通りである。
ロピレンホモポリマーを135℃のテトラリン(0.0
5重量%の2,6−ジ−t−ブチル−p−メチル−フェ
ノール含有)に完全溶解させた後、濃度0.1〜0.5
g/dlの範囲でウベローデ型粘度計を用いて粘度の測
定を行い還元粘度を濃度を0に外挿するする方法によっ
て求めた。
クペンタッド分率の測定方法 プロピレン単位が5個連続してアイソタクティック結合
したプロピレンモノマーの分率を13C−NMRによって
求めた。フーリエ変換NMR400MHZ(水素核測定
時)の装置を用いて100MHZ の周波数で約3000
0回の積算測定を実施した。スペクトルの帰属及びペン
タッド分率の求め方はA.Zambelli(Macr
omol.,6,925,(1973))の方法により
行った。
いて、230℃で測定した。
撃値を測定した。
た。型締め力が2500トンの射出成形による自動車バ
ンパーを成形し、バンパーの平ら側面部を切り取りプラ
イマー(日本ビーケミカル社製、商品名:RB−15
0)を塗膜10μmとなるように塗布し、80℃で40
分乾燥した後、そのプライマー面にウレタン塗料系メタ
リック塗料(日本ビーケミカル社製、商品名:R−21
2)及びウレタン塗料系クリヤー塗料(日本ビーケミカ
ル社製、商品名:R−213)を用いて塗膜がそれそれ
20μm及び3.0μmとなるように塗布し、80℃で
30分乾燥し、その後室温で48時間放置して試験片を
得た。
ミソリを用いて碁盤面を10×10の100個を刻み、
この碁盤面に指圧で完全に密着させたセロテープを角度
45°で急激に剥がした。この操作を2回繰り返した
後、残った塗膜の碁盤面の割合を求めた。上記テストの
結果100個の碁盤目中95個以上残ったものを良好、
100個全部残ったものを最良と判定した。 (8)塗装性評価(斜め碁盤目密着試験) (7)と同様にして得た試験片のゲート部の塗膜面に1
mm間隔でX字形に碁盤面を10×10の100個を刻
み、(7)の方法と同様のテストを行ない評価した。
(斜め碁盤面テスト)。 (9)塗装性評価(耐ガソホール性試験) 上記塗装品から等しく断面が出るように80×30mm
の大きさ切り出した試料を23℃のガソホール(エチル
アルコールを10容量%含有したガソリン)中に浸漬
し、塗膜に異常(剥離、ふくれ、しわ等)が認められる
までの時間を測定した。120分浸漬して異常のないも
のを良好と判定した。
流中でヘプタン100リットルを装入しプロピレンで重
合系内を置換した。一方別のガラス容器にヘプタン、担
体型チタン触媒成分(塩化マグネシウムにフタル酸ジエ
チルを添加粉砕し、粉砕物を四塩化チタンで熱処理後、
ヘプタンで洗浄して得た)、トリエチルアルミニウム及
びシクロヘキシルメチルジメトキシシランよりなる触媒
を準備し、これをオートクレーブに装入し温度75℃、
プロピレン圧力5kg/cm2の条件で4時間重合し
た。その間水素を調節して生成ポリプロピレンの[η]が
約0.9dl/gになるように水素分圧を調節した。
クレーブ内を真空ポンプで減圧にして残存するプロピレ
ンと水素を除去し、重合温度55℃、圧力2kg/cm
2の条件で、生成共重合体の共重合部のエチレン(E
L)/プロピレン(PL)の重量比が1で、[η]が約7
dl/gになるように気相のEL、PLおよび水素の分
圧を調節して2時間重合を行った。なお、共重合部での
生成ポリマーの割合が全ポリマーに対して約15wt%
になることを目標に重合を行った。重合結果を表1に示
す。(PPー1)上記共重合でのEL/PL比、水素濃
度を変化させて共重合し、PP−2、を得た。ホモポリ
プロピレン部のアイソタクチックペンタッドはいずれも
0.98であった。
製造(2) 触媒として四塩化チタンをジエチルアルミニウムモノク
ロライドで還元して得られた三塩化チタン組成物をジイ
ソアミルエーテルと四塩化チタンで活性化して得られた
いわゆるソルベイ触媒とジエチルアルミニウムモノクロ
ライド及び安息香酸エチルよりなる触媒を用い、ホモポ
リプロピレン重合部の重合温度を70℃にした以外はプ
ロピレンエチレンブロックコポリマーの製造(1)に従
って行い、PP−3を得た。ホモポリプロピレン部のア
イソタクチックペンタッドは0.97であった。
ホモポリプロピレン重合部(PPー4,5のアイソタク
チックペンタッドはいずれも0.98)または(2)の
ホモプロピレン重合部(PPー6のアイソタクチックペ
ンタッドは0.97)に準じて表2のポリマーを重合し
た。
た、添加剤として、組成物100重量部に対して、更に
2、6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール0.0
5重量部、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン0.05重量部、ステアリン酸カルシウ
ム0.1重量部、カーボンブラック1.0重量部を配合
し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した後、2軸混練
機にて210℃にて混練造粒して複合ポリプロピレン樹
脂組成物を得た。この後、型締め力100トンの射出成
形機で成形温度220℃で(4)及び(5)の試験片を
作成し、上記の方法で物性を測定した。その結果を表7
〜9に示す。比較例の実験結果である表9には、プロピ
レンホモポリマーを添加しなかった場合(比較例1、
2)、プロピレンホモポリマーの固有粘度の小さい場合
(比較例3)共重合部の固有粘度が小さいブロック共重
合体を用いた場合(比較例4)を示した。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)13C−NMRにより測定したアイ
ソタクチックペンタッド分率が0.95以上であり、か
つ固有粘度が0.6〜1.2(dl/g)であるホモポ
リプロピレン部及びプロピレン/エチレンの割合が75
/25〜25/75(重量比)であり、かつ固有粘度が
3.0〜11.0(dl/g)であるプロピレン−エチ
レン共重合部からなるプロピレン−エチレンブロックコ
ポリマー、 (B)13C−NMRにより測定したアイソタクチックペ
ンタッド分率が0.95以上であり、かつ固有粘度が
1.3〜4.0(dl/g)であるプロピレンホモポリ
マーと、 (C)(C1)ムーニー粘度(ML1+4 (100℃))が2
0〜120で、プロピレン含量が15〜60重量%であ
るエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)、及び
/又は、(C2)その沃素価が5〜30で、ムーニー粘
度(ML1+4 (100℃))が10〜50であるエチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、並びに (D)平均粒径が0.5〜5μmであるタルクよりな
り、 (A)のプロピレン−エチレンブロックコポリマ−の共
重合部を(α)重量部((A)+(B)の合計重量部を
100重量部とした場合)としたとき以下の式を満足す
る自動車バンパー用樹脂組成物。 (A)+(B)=100重量部 (I) 0.2≦(B)/((A)+(B))重量比≦0.6 (II) 25重量部≦(C)≦80重量部 (III) 0.06≦(α)/((α)+(C))重量比≦0.5 (IV) 0.6重量部≦(D)≦30重量部 (V) - 【請求項2】 (B)/((A)+(B))の値が下記
式を満足することを特徴とする請求項1記載の自動車バ
ンパー用樹脂組成物。 0.2≦(B)/((A)+(B))重量比≦0.4 (VI) - 【請求項3】 メルトインデックスが25〜100であ
る(A)プロピレン−エチレンブロックコポリマーを用
いる請求項1記載の自動車バンパー用樹脂組成物。 - 【請求項4】 (C)中の(C2)EPDM/(C1)
EPMの重量比が0.05〜1.5であることを特徴と
する請求項1記載の自動車バンパー用樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか記載の自動車
バンパー用樹脂組成物に更に、(A)+(B)100重
量部に対して、水酸基価(KOHmg/g)が20〜1
00である(E)ポリヒドロキシポリオレフィンを、以
下の式を満足するように加えることを特徴とする塗装性
に優れた自動車バンパー用樹脂組成物。 0.6重量部≦(E)≦20重量部 (VII) - 【請求項6】 請求項1乃至5記載の自動車バンパー用
樹脂組成物を射出成形して得られる自動車用バンパー。
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JP16119595 | 1995-06-27 | ||
JP8167133A JP2849574B2 (ja) | 1995-06-27 | 1996-06-27 | 自動車バンパー用樹脂組成物及びそれから得られた自動車バンパー |
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