JP2846610B2 - 稲にファイトアレキシンの生成を誘導するエリシターのスクリーニング方法及び稲病害防除剤 - Google Patents

稲にファイトアレキシンの生成を誘導するエリシターのスクリーニング方法及び稲病害防除剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稲にファイトアレ
キシンの生成を誘導する性質を有するエリシターのスク
リーニング方法、及び該スクリーニング方法によってス
クリーニングされたエリシターを有効成分とする稲病害
防除剤等に関するものである。更に詳しくは、本発明
は、稲にファイトアレキシンの生成を誘導するエリシタ
ーを迅速かつ正確にスクリーニングする方法であって、
試験用の稲を栽培し、試験試料を該稲植物の適宜の部位
に施用し、稲植物体中に生成された特定のファイトアレ
キシンをスクリーニングの指標物質としてその分析を行
い、それによって、稲にファイトカサン、モミラクトン
等のファイトアレキシンの生成を誘導する性質を持った
物質をスクリーニングする方法に関するものである。こ
れらのファイトアレキシンは、稲の病害、例えば、稲い
もち病菌、稲紋枯れ病菌に強い抗菌性を有するため、稲
にファイトアレキシンの生成を誘導する性質を有するエ
リシターは稲病害防除剤の有効成分として有用である。
【0002】また、本発明は、稲にファイトアレキシン
の生成を誘導する作用を有するセレブロサイド化合物P
O8、PO9に関し、該セレブロサイド化合物PO8、
PO9を稲病害防除剤として使用する方法、更には、稲
いもち病菌を液体培地で培養後、菌体を分離し、菌体を
有機溶媒で抽出し、HPLC等で精製することによる該
セレブロサイド化合物PO8、PO9の製造方法に関す
るものである。また、このようにして得たセレブロサイ
ド化合物PO8、PO9を稲の葉に施用することによ
り、稲にファイトアレキシンであるファイトカサン、モ
ミラクトンの生成を誘導させる方法に関するものであ
る。これらのファイトアレキシンは、稲の病害、例え
ば、稲いもち病菌、稲紋枯れ病菌に強い抗菌性を有する
ため、セレブロサイド化合物PO8、PO9は稲病害防
除剤の有効成分として有用である。
【0003】
【従来の技術】一般に、植物は病原菌と接触すると抵抗
性反応(過敏感反応)を示し、反応部位の周囲の組織に
病原菌に対し抗菌性を示すファイトアレキシンを産生す
ることが知られている。稲のファイトアレキシンとして
は、モミラクトンA、B、オリザレキシンA、B、C、
D、E、F、S、サクラネチン、オリザリックアシド
A、B、オリザライドA、Bが知られており、その他
に、本発明者等が見出したファイトカサンA、B、C、
D(特願平7−43520号)がある。
【0004】ファイトアレキシンを植物体中に産生、誘
導する物質はエリシターと称され(Keen, N.T.; Scienc
e 187:74-75 (1975)) 、これまでに多くの物質が植物病
原菌から分離されている。代表的なエリシターとして
は、多糖物質としてPhytophthora megasperma f. sp. g
lycinea から分離されたhepta-β-D- グルコピラノシド
(Sharp, J. K., B. Valentand, P. Albershim; J. Bio
l. Chem. 259:11321-11336 (1984)) 、蛋白物質としてM
onilinia fructicolaから分離されたモニコリンA(Cruic
kshank, I. A. M. and D. R. Perrin; Life Sci. 7:449
-458 (1968))、脂質としてPhytophthora infestansから
分離されたエイコサペンタエン酸(Bostock, R. M., J.
Kuc and R. A. Laine; Science 212:67-69 (1975) があ
る。
【0005】エリシターは、前記のように植物体中に病
害菌に抗菌性を示すファイトアレキシンの産生を誘導す
る作用を有することから、従来の農薬とは異なる作用に
よる安全性の高い植物病害防除剤の有効成分となり得る
物質と考えられ、有用なエリシターを見出すこと、及び
有用なエリシターを見出すための方法として、エリシタ
ー活性のある物質を迅速かつ簡便に探索することが可能
な新しい探索方法が強く求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者等は、上記従来技術に鑑みて、稲植物にフ
ァイトアレキシンの生成を誘導する有用なエリシターを
探索するための新しい探索方法を開発することを目標と
して鋭意研究を積み重ねてきたが、エリシター活性のあ
る物質を個体稲植物を使ってスクリーニングする方法は
非常に難しく、これまでその有効な手法は全く確立され
ていなかったと云える。そこで、本発明者等は、その有
効な手法を開発すべく種々検討を重ねる中で、試験稲植
物の種類、稲の栽培方法、試験試料の施用方法、ファイ
トアレキシンの分析方法等の基本技術を新たに確立する
ことに成功し、それによってエリシター活性のある物質
をスクリーニングすることが可能となることを見出し
た。
【0007】すなわち、試験に使用する稲について検討
した結果、試験稲植物の品種と種類、栽培温度・湿度、
試験稲植物の令期、試験試料の施用部位等がきわめて重
要であることがわかり、それぞれ最適な条件を設定する
ことでスクリーニング方法として使用し得ることが判明
した。また、分析するファイトアレキシンについては、
ファイトカサンとモミラクトンを好適な例として、稲体
中に誘導されたファイトアレキシンの抽出方法とHPL
Cによる分析方法を定めた。上記の方法によって、種々
の物質を試験した結果、数種のエリシター活性のある化
合物を見出した。
【0008】また、本発明者等は、上記スクリーニング
方法を用いて、エリシター活性のある物質を、微生物生
産物を対象として広くスクリーニングした結果、稲いも
ち病菌の生産物がこのようなエリシター活性を有するこ
とを見出した。更に、この物質を溶媒抽出、カラムクロ
マトグラフィー等の手段により単離し、2種の活性物質
を得て、その構造解析を行った結果、下記構造式を示す
セレブロサイド化合物PO8、PO9物質であることを
明らかにし、また、これらの物質が稲いもち病防除剤の
有効成分として有効であることを明らかにして、本発明
を完成させるに至った。
【0009】
【化1】
【0010】本発明者等がエリシター活性のある物質と
して見出したセレブロサイド化合物PO8、PO9の化
学構造については、既に報告があり、PO8はセレブロ
サイドA(Sitrin, R. D. et al.; J. Antibiot. 41; 4
69-480 (1988))と、また、PO9はPENII(Kawai,
G. et al.; Agric. Biol. Chem. 49: 2137-2146 (198
5))、セレブロサイドC(Sitrin, R. D. et al.; J. A
ntibiot. 41: 469-480 (1988))と同一の構造を持つ。報
告されているこれらの物質は微生物の生産物であるが、
その微生物はPO8、PO9の生産菌である稲いもち病
菌と異なり、また、これらの物質についてPO8、PO
9の有するエリシター活性の記載はない。更に、これら
のセレブロサイド化合物を稲いもち病菌から分離したの
は本発明者等が最初であり、他に報告例はない。
【0011】本発明は、上記のように、稲にファイトア
レキシンの生成を誘導するエリシターをスクリーニング
する方法に関するものであり、試験植物として稲幼植物
を用い、稲体中に生成されたファイトアレキシン(ファ
イトカサン、モミラクトン等)をHPLCにより分析す
る方法に関するものである。また、この方法によって得
られるエリシター活性物質に関するものである。すなわ
ち、本発明は、稲にファイトアレキシンの生成を誘導す
るエリシターをスクリーニングする方法を提供すること
を目的とするものである。また、本発明は、稲ファイト
アレキシンのファイトカサン、モミラクトンAを指標物
質として、稲にファイトアレキシンの生成を誘導する性
質を有するエリシターを迅速かつ簡便に探索するための
スクリーニング方法を提供することを目的とするもので
ある。また、本発明は、稲にファイトアレキシンの生成
を誘導する作用を有する特定の物質を有効成分とする稲
病害防除剤を提供することを目的とするものである。
【0012】また、本発明は、稲いもち病菌の培養菌体
から稲にファイトアレキシンの生成を誘導する性質を有
するセレブロサイド化合物PO8、PO9を採取するこ
とによりセレブロサイド化合物PO8、PO9を製造す
る方法を提供することを目的とするものである。本発明
は、また、セレブロサイド化合物PO8、PO9を稲に
施用することによって稲いもち病害、稲紋枯れ病害を防
除するための稲病害防除剤を提供することを目的とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、稲にファイトアレキシンの生成を誘導する
エリシターをスクリーニングする方法であって、試験植
物として稲幼植物を使用し、試験試料を該稲幼植物の適
宜の部位に施用し、該植物体中に生成された特定のファ
イトアレキシンを指標物質としてエリシターをスクリー
ニングすることを特徴とする前記エリシターのスクリー
ニング方法、に係るものである。また、本発明は、試験
試料を稲幼植物の稲葉の先端部分に滴下施用し、該植物
体中に生成されたファイトアレキシンを溶媒抽出し、稲
ファイトアレキシンのファイトカサン、モミラクトンA
を指標物質として高速液体クロマト(HPLC)により
分析することを特徴とする上記の前記エリシターのスク
リーニング方法、を好ましい態様とするものである。ま
た、本発明は、上記のスクリーニング方法によってスク
リーニングされた稲にファイトアレキシンの生成を誘導
する作用を有する2ーピラジンカルボン酸、ピコリン
酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、7,3−ピリジン
ジカルボン酸、ピロールー2−カルボン酸、オキソン
酸、セレブロサイド化合物P08、またはP09から選
択される1種または2種以上の物質を有効成分とする稲
病害防除剤、に係るものである。更に、本発明は、稲い
もち病菌を培養し、その菌体から有機溶媒で抽出するこ
とを特徴とする稲にファイトアレキシンの生成を誘導す
る作用を有するセレブロサイド化合物PO8、またはP
O9の製造方法、に係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明者等は、稲にファイトアレキシンを産
生、誘導させる物質のスクリーニング方法として、試験
稲植物の品種と種類、栽培条件、ファイトアレキシンの
分析条件等について詳細に検討した。試験に使用する稲
の品種として、あきたこまち、こしひかり等が適当であ
ること、培土は稲の生育に必要な窒素、リン酸、カリを
適宜含む顆粒状の培土、具体的には、ホーネンス培土1
号(全農)を使用することが適当であること、試験稲植
物の栽培条件として、温度、湿度、照度の制御が重要で
あることがわかった。具体的には、例えば、芽の出た種
子をポットに植え、30〜32℃で暗室で約2〜3日栽
培し、芽が土の上に2〜3cmぐらい伸びた時に人工気象
室内に移す。人工気象室は温度18〜20℃で、湿度8
0〜85%、照度2000〜3000lux の条件に保
つ。次に、第3葉が出た段階で照度3000〜4000
lux 、湿度95〜100%、日中温度27〜30℃の条
件に換え、第6葉が完全に展開するまで栽培する。これ
らの栽培条件はそれと同等の範囲において適宜変更し得
ることは云うまでもない。また、試験試料は第6葉令の
稲葉の先端部分にキャピラリーピペットで滴下施用する
方法を好適なものとして定めた。
【0015】試料を施用した稲は更に1週間栽培した
後、施用部位の葉を細断して酢酸エチル、メタノール等
の溶媒で抽出処理を行う。抽出物を高速液体クロマトグ
ラフ(HPLC)で分析し、例えば、ファイトカサン、
モミラクトンについては、保持時間35分前後のファイ
トカサンA、保持時間43分前後のファイトカサンB、
保持時間50分前後のモミラクトンAの各ピーク高から
誘導されるファイトアレキシンの量を求めることができ
る。他のファイトアレキシンについても同様にして分析
することができる。
【0016】上記スクリーニング方法は、基本的には次
のような構成からなる。 (1)試験植物(稲) 品種:あきたこまち、こしひかり 令期:稲幼植物、特に、第6葉令 栽培:第6葉が完全に展開するまで栽培
【0017】(2)試験試料の施用 施用部位:稲葉、特に、その先端部分 施用方法:キャピラリーピペット等で滴下施用 施用後の栽培期間:約1週間
【0018】(3)抽出及び分析 試料の調製:施用部位の葉を細断 抽出:酢酸エチル、メタノール等の溶媒抽出 分析:高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析
【0019】このスクリーニング方法によって後記の実
施例2に示すような化合物が稲にファイトアレキシンを
産生、誘導させる物質として見出された。
【0020】また、本発明者等は、上記スクリーニング
方法を用いて、ファイトアレキシンを産出、誘導させる
物質を検索することを目標として、稲の葉面に試料を塗
布して適時栽培後、稲体中に産出されるファイトアレキ
シンの量を測定する試験を種々実施する過程において、
稲いもち病菌菌体の有機溶媒抽出物がファイトアレキシ
ンを誘導する高い活性を示すことを認めた。従って、そ
の有効成分(PO8、PO9)は、稲いもち病菌の菌体
を、例えば、酢酸エチル、アセトン、エタノール等の溶
媒で抽出処理し、高速液体クロマトグラフィー、薄層ク
ロマトグラフィー等の手段により精製処理することによ
って単一成分のものとして分離することができる。
【0021】本発明で使用される稲いもち病菌を培養す
る液体培養としては、植物あるいは微生物の抽出物を使
用する、従来から糸状菌の培養に用いられている培地で
あればいずれも使用できるが、好ましくは、例えば、P
SY培地等が例示される。これらの培地にはじゃがいも
等の植物抽出成分、また、酵母の抽出物等が用いられ
る。
【0022】活性成分を含む稲いもち病菌の菌体を得る
には上記のような適宜な液体培地にいもち病菌を接種し
て、例えば、28℃で、180rpmで7日間、施回培
養すればよい。
【0023】PO8、PO9の抽出、分離の具体的プロ
セスとしては、例えば、稲いもち病菌の菌体を酢酸エチ
ル等の溶媒で抽出後、TSKgel ODS120A、
ODS120T(東ソー社製)等のカラムによる高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)による分画、濃縮乾
固等の精製プロセスにより精製し、単離する方法が好適
なものとして例示されるが、該方法に限らず、他の同様
の精製手段を適宜組み合わせて実施することも可能であ
り、その精製プロセスについては特に限定されるもので
はない。
【0024】本発明に係るPO8、PO9は次のような
性質を有する。 1)FAB−MSによる質量分析で、PO8は分子量7
25、PO9は分子量753を示した。 2)PO8、PO9はそれぞれ図1〜2に示される赤外
部吸収スペクトラムを示す。 3)PO8、PO9はそれぞれ図3〜4に示される 1
−NMRスペクトラムを示す。 4)PO8、PO9はそれぞれ図5〜6に示される13
−NMRスペクトラムを示す。 5)PO8、PO9は、稲にファイトアレキシンの産生
を誘導する作用を有する。誘導されるファイトアレキシ
ンとしてはファイトカサンA、B、C、D、モミラクト
ンA、B等である。これらのファイトアレキシンは稲い
もち病菌、稲紋枯れ病菌に対する強い抗菌活性を有して
いるために、これらの物質の誘導を受けた稲は、病害菌
に対し抵抗性を示すものと考えられる。
【0025】本発明に係るPO8、PO9は、後記する
実施例で示したように、稲に抗菌性物質のファイトアレ
キシンの産生を誘導する性質を有することから、PO
8、PO9は稲いもち病害防除剤、稲紋枯れ病害防除剤
の有効成分として有用である。すなわち、該化合物を適
宜の形態の薬剤として稲に施用することにより稲いもち
病の発生及び稲紋枯れ病の発生を防ぐことができる。
【0026】本発明の薬剤は、後記する実施例で示した
ように、その使用目的に応じて、上記有効量を含む形で
適宜の形態に製剤化すればよく、その形態、製剤手段等
は特に限定されるものではない。稲にファイトアレキシ
ンの生成を誘導する作用を有する化合物を稲に施用する
方法としては、後記する実施例で記述したように、例え
ば、該化合物を0.1%のツイーン20を含むpH7.
0の20mMリン酸緩衡液に溶解して、その溶液を稲に
噴霧散布する方法等が好適なものとして例示されるが、
これに限らず、その他の方法であってもよく、該化合物
を稲に施用するための薬剤の形態、その使用形態、施用
方法等は特に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定さ
れるものではない。 実施例1 (1)試験植物として用いる稲の栽培 稲の種子(品種:こしひかり、または、あきたこまち)
を塩水で選別して不良な種子を除いた後、芽出し処理を
行った。芽の出た種子を、ホーネンス培土1号(全農)
を詰め下から水を浸み込ませた6号ポットに8粒植え、
32℃で暗室で約2〜3日栽培した。芽が土の上に2〜
3cmぐらいに伸びた時に人工気象室内のガラスケース
内に移した。人工気象室は温度18℃、湿度80%、照
度3000luxの条件に保ったが稲ポットは若干遮光
された場所に置いた。次に、第3葉が出た段階で照度3
000lux、湿度100%、日中温度27〜30℃の
条件に換え、第6葉が完全に展開するまで栽培した。こ
のようにして栽培した稲幼植物を以下の試験に供した。
【0028】(2)試料の施用とファイトアレキシンの
誘導 試料は、表1に示されるように、試料1〜7を準備し
た。試料溶液20μlを、キャピラリーピペットを用
い、上記のようにして栽培した稲幼植物の第6葉の先端
部分の10ポイント(部位)に施用した。試料は0.1
%のツイーン20(和光純薬社製)を含むpH5.5
(試料1)あるいはpH6.5(試料2〜7)の20m
Mリン酸緩衝液に所定濃度溶解して用いた。試料を施用
した稲は湿度80%、照度2000lux、夜温度18
℃、昼温度25〜26℃で3日間栽培した。更に、昼だ
け湿度を100%に設定し4日間栽培を続けた。
【0029】(3)ファイトアレキシンの抽出と分析 試料を施用した稲葉を8枚とり、細断後、酢酸エチルを
5mlと0.1N Na2 CO3 を5ml加えて一晩振
盪抽出を行った。抽出物は遠心機で処理(5000rp
m、4℃、20分)し、酢酸エチル相を分取して濃縮乾
固した。残渣を0.4mlのエタノールに溶かし、0.
6mlの0.02N HClを加え混合した。これを遠
心処理して得られた上清液100μlをHPLC分析に
供した。HPLCの条件は以下の通りである。 カラム: TSK−gel ODS 120T(4.6mm×300mm) 溶媒: アセトニトリル(45):水(55) (容積比) 流速: 1.2ml/min 温度: 50℃ 検出器: UV 280nm(ファイトカサン)/215nm(モミラクト ン)
【0030】(4)結果 この条件で試料1〜7により稲葉中に誘導されたファイ
トアレキシンは下表の通りであった。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示されるように、試料1〜7は、稲
にファイトアレキシンの生成を誘導する作用を有する物
質を含有する。
【0033】実施例2 (1)稲にファイトアレキシンの生成を誘導する作用を
有する物質の同定 前記試料1〜7について、その有効成分を分析した結
果、次のような化合物が稲にファイトアレキシンの生成
を誘導する作用を有する物質として同定された。 ファイトカサンEL(下記の構造式で示される。) 2ーピラジンカルボン酸(2−Pyradinec
arboxylic acid) ピコリン酸(Picolinic acid) 2,6−ピリジンジカルボン酸(2,6−Pyri
dinedicarboxylic acid) 7,3−ピリジンジカルボン酸(7,3−Pyri
dinedicarboxylic acid) ピロールー2−カルボン酸(Pyrole−2−c
arboxylic acid) オキソン酸(Oxonic acid potas
sium salt)
【0034】
【化2】
【0035】上記化合物のうち、ファイトカサンEL
は、稲より単離した新規な天然物質であり、次のような
性質を有する。 1)無色のガム状物質であり、アセトン、クロロホル
ム、メタノール、エタノールに可溶であり、水に100
ppm前後の濃度で溶解する。 2)高分解能質量分析による精密分子量は316.20
62(C20283 としての計算値316.2065)
を示した。 3)図7に示される赤外部吸収スペクトルを示す。 4)稲にファイトアレキシンの産生を誘導する作用を有
する。 5)稲いもち病菌の胞子の発芽及び菌糸の伸長を阻害す
る作用を有する。胞子の発芽を50%阻害するファイト
カサンELの濃度は7ppmであり、また、この濃度で
菌糸の伸長はかなり阻害される。 6)10ppmの濃度で稲紋枯れ病菌の菌糸の伸長を阻
害する。
【0036】上記化合物は、表1に示した試料1〜7の
有効成分として、稲にファイトアレキシンの生成を誘導
する作用を有し、稲病害防除剤の有効成分として有効で
あることがわかった。
【0037】実施例3 PO8、PO9の製造 (1)稲いもち病菌の培養 皮をむいたじゃがいも200gを細断し、1Lの蒸留水
を入れて121℃、60分間、オートクレーブにかけ
た。加熱処理後、じゃがいもをガーゼで濾別し、1Lの
濾液を調製した。濾液に2%のサッカロースと0.5%
の酵母エキスを加えてPSY培地を調製した。この培地
200mlを500ml容の三角フラスコに分注して1
21℃、40分間殺菌し、冷却後、稲いもち病菌(レー
ス031株)を接種した。培養は、26℃、150rp
mの施回培養を7日間行った。
【0038】(2)PO8、PO9の抽出、精製 培養終了後、培養液をガーゼで濾過し、稲いもち病菌の
菌体を採取した。菌体重量の5倍量程度の蒸留水を加
え、pH10.5に調整後、水と同容の酢酸エチルを加
え攪拌、抽出した。酢酸エチル層を分取、減圧下、酢酸
エチルを溜去し、オイル状の残渣を得た。残渣を85%
エタノールに溶解した試料液を、TSKgel ODS
120Aのカラム(21.5mm×375mm、東ソー
社製)に注入し、91%エタノールで溶出した。PO8
は保持時間25分前後、PO9は保持時間30分前後に
溶出された。それぞれの画分を集め、同じカラムで再ク
ロマトを行った。PO8は81%エタノールで保持時間
60分前後、PO9は86%エタノールで保持時間40
分前後に溶出された。更に、それぞれの画分を集め、T
SKgel ODS120Tのカラム(21.5mm×
375mm、東ソー社製)にかけ、95%アセトニトリ
ルで分画すると、PO8は保持時間43分前後、PO9
は保持時間60分前後に溶出された。それぞれの画分を
集め溶媒を溜去すると、PO8、PO9の純品が得られ
た。
【0039】実施例4 PO8、PO9によるファイトアレキシンの誘導 (1)ファイトアレキシンの産生 実施例1で得たPO8、PO9をツイーン20(和光純
薬製)を0.1%含むリン酸緩衡液(20mM、pH
6.5)に溶かし、50ppmの試料溶液を調製した。
この各濃度の試料溶液及び試料を含まない溶媒液を、ポ
ットで栽培した稲(品種:あきたこまち)に施用して、
ファイトアレキシン産生の誘導活性を測定した。この場
合、施用部位は完全展開した第6葉の先端部分とし、そ
の適宜間隔をおいた10ポイントにキャピラリーピペッ
トで各試料溶液を20μl(1葉あたり)滴下施用し
た。
【0040】(2)ファイトアレキシンの抽出 試料溶液で処理した稲を人工気象室で7日間培養後、処
理葉を8枚とり、細断後、酢酸エチルを5mlと0.1
規定炭酸ナトリウム液を5ml(pH10)を加えて一
晩振盪した。酢酸エチル相を分取してこれを濃縮乾固
し、残査を0.4mlのエタノールに溶かした。
【0041】(3)HPLCによる分析 この溶液に0.02規定の塩酸1を0.6ml加え、混
合して、遠心機にかけ、得られた上清液のうち100μ
lを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分
析に供した。HPLCの条件は下記の通りである。 カラム: TSK−gel ODS 120T(4.6mm×300mm、 東ソー社製) 溶媒: アセトニトリル(45):水(55) (容積比) 流速: 1.2ml/min 温度: 50℃ 検出器: UV 280nm(ファイトカサン)/215nm(モミラクト ン)
【0042】次の表2に、誘導されたファイトアレキシ
ン量を示す。表2の結果から明らかのように、本発明の
PO8、PO9は稲にファイトアレキシン(ファイトカ
サンA、B、C、D、モミラクトンA、B)を高いレベ
ルの生成量で誘導する活性を有することが判明した。
【0043】
【表2】
【0044】実施例5 稲のいもち病菌感染防御試験 (1)方法 稲(品種:あきたこまち)種子を、培土を詰めた鉢に1
鉢あたり8粒播種し、第6葉展開期まで育て、1区を1
2鉢とし、2区を試験に供した。PO9を0.1%のツ
イーン20を含むpH7.0の20mMリン酸緩衡液で
50μg/mlの濃度で溶解、この30mlを12鉢の
稲に噴霧した。また、対照として0.1%のツイーン2
0を含むpH7.0の20mMリン酸緩衡液30mlを
12鉢の稲に噴霧した。室温で4時間放置し、葉面を乾
燥させてから人工気象室に入れ栽培した。栽培7日後に
稲いもち病菌レース007株(親和性株)の胞子懸濁液
を30mlづつ各区の稲葉面に噴霧し、その後、加湿、
暗黒下、24時間放置して接種処理を行った。その後、
人工気象室に移して栽培、5日後に各区の感染葉と無感
染葉の枚数を数え、いもち病の発病度を比較した。
【0045】(2)結果 その結果、試料を含まないリン酸緩衡液を噴霧した対照
区では無感染葉数が33枚に対し感染葉数が119枚で
発病率は78%、PO9散布区では無感染葉数が89枚
に対し感染葉数が65枚で発病率は42%で発病抑制効
果が明らかに認められた。別に実施したPO8について
もほぼ同様な結果が得られた。
【0046】実施例6 稲いもち病害防除剤 PO8(またはPO9)と他の成分を以下の配合割合で
配合して常法により液剤を調製した。 PO8(またはPO9)───────────────50μg/ml ツイーン20(和光純薬社製)────────────1000ppm リン酸カリウム緩衡液(20mM、pH7.0)────100ml
【0047】実施例7 稲紋枯れ病害防除剤 PO8(またはPO9)と他の成分を以下の配合割合で
配合して常法により液剤を調製した。 PO8(またはPO9)───────────────50μg/ml ツイーン20(和光純薬社製)────────────1000ppm リン酸カリウム緩衡液(20mM、pH7.0)────100ml
【0048】
【発明の効果】本発明は、稲にファイトアレキシンの生
成を誘導させる物質のスクリーニング方法及び稲にファ
イトアレキシンの生成を誘導する作用を有する特定の物
質を有効成分とする稲病害防除剤等に関するものであ
り、本発明によれば、次のような効果が奏される。 1)稲にファイトアレキシンの生成を誘導するエリシタ
ーを簡便かつ高精度でスクリーニングすることができ
る。 2)稲にファイトアレキシンの生成を誘導するエリシタ
ーをスクリーニングするための指標物質として稲ファイ
トアレキシンのファイトカサン、モミラクトンAを使用
する方法、及びその分析方法が提供される。 3)稲にファイトアレキシンの生成を誘導する作用を有
する特定の物質を有効成分とする稲病害防除剤が提供さ
れる。 4)ファイトアレキシンは稲いもち病菌、及び稲紋枯れ
病菌に抗菌性を持つことから、本発明のスクリーニング
方法で選抜された物質は稲いもち病害防除剤、稲紋枯れ
病害防除剤等の稲病害防除剤の有効成分として有用であ
る。 5)セレブロサイド化合物PO8、PO9の製造方法が
提供される。 6)稲いもち病及び稲紋枯れ病の発病の抑制に有効であ
るばかりでなく、いわゆる残留毒性のない低毒性、無公
害の稲病害防除剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセレブロサイド化合物PO8の赤
外部吸収スペクトルを示す。
【図2】本発明に係るセレブロサイド化合物PO9の赤
外部吸収スペクトルを示す。
【図3】本発明に係るセレブロサイド化合物PO8の 1
H−NMRスぺクトラムを示す。
【図4】本発明に係るセレブロサイド化合物PO9の 1
H−NMRスぺクトラムを示す。
【図5】本発明に係るセレブロサイド化合物PO8の13
C−NMRスぺクトラム1 を示す。
【図6】本発明に係るセレブロサイド化合物PO9の13
C−NMRスぺクトラム1 を示す。
【図7】本発明に係るファイトカサンELの赤外部吸収
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 43/60 A01N 43/60 47/18 101 47/18 101B // A01G 7/00 603 A01G 7/00 603 (72)発明者 小笠原 長宏 新潟県西蒲原郡西川町大字曽根1962番地 株式会社植物防御システム研究所内 (56)参考文献 特開 平8−259407(JP,A) 特開 平7−274752(JP,A) 特開 平5−331016(JP,A) 特開 昭60−190800(JP,A) 特許2668200(JP,B2) 特許2780737(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 65/00 A01N 35/06 A01N 43/16 A01N 43/36 - 43/60 A01N 47/18 A01G 7/00 603 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 稲にファイトアレキシンの生成を誘導す
    るエリシターをスクリーニングする方法であって、試験
    植物として稲幼植物を使用し、試験試料を該稲幼植物の
    適宜の部位に施用し、該植物体中に生成された特定のフ
    ァイトアレキシンを指標物質としてエリシターをスクリ
    ーニングすることを特徴とする前記エリシターのスクリ
    ーニング方法。
  2. 【請求項2】 試験試料を稲幼植物の稲葉の先端部分に
    滴下施用し、該植物体中に生成されたファイトアレキシ
    ンを溶媒抽出し、稲ファイトアレキシンのファイトカサ
    ン、モミラクトンAを指標物質として高速液体クロマト
    (HPLC)により分析することを特徴とする請求項1
    記載の前記エリシターのスクリーニング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスクリーニング方法によ
    ってスクリーニングされた稲にファイトアレキシンの生
    成を誘導する作用を有する2ーピラジンカルボン酸、ピ
    コリン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、7,3−ピ
    リジンジカルボン酸、ピロールー2−カルボン酸、オキ
    ソン酸、セレブロサイド化合物P08、またはP09か
    ら選択される1種または2種以上の物質を有効成分とす
    る稲病害防除剤。
  4. 【請求項4】 稲いもち病菌を培養し、その菌体から有
    機溶媒で抽出することを特徴とする稲にファイトアレキ
    シンの生成を誘導する作用を有するセレブロサイド化合
    物PO8、またはPO9の製造方法。
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