JP2841291B2 - 磁気表示用マイクロカプセル、磁気表示板及びその製造方法 - Google Patents

磁気表示用マイクロカプセル、磁気表示板及びその製造方法

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JP2841291B2
JP2841291B2 JP9003702A JP370297A JP2841291B2 JP 2841291 B2 JP2841291 B2 JP 2841291B2 JP 9003702 A JP9003702 A JP 9003702A JP 370297 A JP370297 A JP 370297A JP 2841291 B2 JP2841291 B2 JP 2841291B2
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microcapsule
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孝 岩崎
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KEMITETSUKU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気表示用マイク
ロカプセル及びそれを使用したマイクロカプセル磁気表
示板並びにその製造方法に関し、更に詳しくは磁石の動
作に従ってマイクロカプセル内の磁性粉が迅速に移動し
得る磁気表示用マイクロカプセルに関するものであり、
更にはマイクロカプセル粒子が筆記中に破壊されるのを
防止して耐久性を持たせ、かつ安定して保持され、鮮明
な文字又は画質の得られるマイクロカプセル磁気表示板
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気表示方法には、各種の方式の
ものが知られており、例えば特公昭51−10959号
公報には、2枚の基板間を小室に区切り、これらの小室
に球状の磁性粉と酸化チタン粒子を分散した液体を封入
し、磁界を作用させて磁性粉を表面に泳動させることに
より表示を行う磁気表示方法が記載されており(以下、
泳動方式という。)、またこのような磁性粉や酸化チタ
ン粒子を分散するための分散媒を改良したものに特公昭
57−27463号、特公昭59−31710号、特公
昭59−47676号、特公昭62−53359号等の
各公報が知られている。これらの中で現在実用化されて
いるものに支持基板上にハニカム状の4mm3 の小室を
設け、そのハニカム状の小室の中に白色顔料と磁性粉を
分散した液体を注入し、その上に透明シートを接着して
密閉してなる磁気ディスプレーシステムがある。これは
磁気ディスプレーシステム板の裏面の一端より他端に棒
状の永久磁石面全面に亘って移動することによってハニ
カム状の小室の中の磁性粉をディスプレー板の裏面に沈
めて、表面には白色顔料の白色を示すようにして、白色
にしたディスプレーの表面にペン状永久磁石の先端部を
接触させて、接触部分の磁性粉を表面に移動して像を形
成するシステムである。
【0003】一方、特公昭54−29895号公報に
は、基材上に、磁場に感応しかつ液体中に浮遊する感応
薄片を有するマイクロカプセルを塗布した磁気記録媒体
が記載されており、この磁気記録媒体は、磁場を加えて
マイクロカプセル中の感応薄片を垂直でかつその面が一
定方向となるように配向した後、その一部に磁場を加え
て前記感応薄片を長手方向に回動し記録媒体面と平行に
なるように配向して記録を作製する方法が記載されてい
る(以下、偏向方式という。)。このような磁性粉が薄
片からなる磁気表示方法には、この他特開昭63−15
3197号、特開昭64−19384号、特開平1−1
45637号等の各公報が知られている。更に前記泳動
方式と偏向方式の両方式の技術を開示しているものに、
特開昭55−29880号公報がある。このうち、球状
体の磁性粉を使用した表示システムには、マイクロカプ
セルの大きさを特定し、大きさの異なるマイクロカプセ
ルを2種以上混合したことにより画質を良好なものとし
たものとして、特開平4−233581号公報が開示さ
れている。
【0004】前述の公知の磁気表示方法のうち、特に特
開平4−233581号公報に開示されている如く、球
状磁性粉を含有したマイクロカプセルを使用した磁気表
示方法は、良質な文字又は画像を得ることができる点で
優れているが、磁気力の弱い磁石を使用した場合には、
画質が不鮮明となるばかりでなく記録速度乃至消去速度
が遅く、また安定性にも欠けるという問題があり、した
がって業務用には今一つ使用することができなかった。
また磁気ペン等を使用して筆記を繰り返していると記録
層中のマイクロカプセル粒子が徐々に破壊されてつぶ
れ、鮮明度が落ちてくるという問題があり、したがって
このマイクロカプセルを使用した磁気表示板の耐久性が
問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのような中で、次の
ような性能が満たされるマイクロカプセル磁気表示板が
要望されていた。(1)コントラストが良好であるこ
と。(2)通常の磁石を使用して鮮明かつ筆記速度が速
くまた迅速に消去が可能であること。(3)記録画像が
安定して保存できること。(4)消去は磁石で簡単に消
去され、しかも通常の磁石で均一にかつ迅速に消去し得
ること。(5)気温の変化に影響されないこと。
【0006】そこで、本発明者等は、これらの点につい
て種々検討乃至研究を重ねた結果、磁石が強いと周囲の
マイクロカプセルの磁性粉も引き寄せてしまい、鮮明な
画像が得られないので、弱い磁気力下で、前記の(1)
〜(2)のマイクロカプセル磁気表示板の要望に鑑み、
種々研究したところ、マイクロカプセル中の分散媒とし
て、特定の物性を有する分散媒の組合せを選択すること
により、弱い磁気力下、即ち通常の磁石で磁性粉の移動
速度が早く、かつ移動した磁性粉が安定して保持される
磁気表示用マイクロカプセルが得られることを見出すと
共に該マイクロカプセルを使用し、更に該マイクロカプ
セル粒子のうち平均粒径より大きい粒子を除去して磁気
表示板を製造したところ、弱い磁気力下、即ち通常の磁
石で筆記速度が早く、しかも鮮明な文字や画像を記録し
得ると共に記録画像が安定しておりかつ保存性が良好で
あるマイクロカプセル磁気表示板が得られることを見出
した。
【0007】更に本発明者等は、前記マイクロカプセル
を使用した磁気表示板の耐久性は、透明フィルム層の厚
みと硬さ並びにマイクロカプセル分散層に隣接している
クッション部材(圧力緩衝部材)の配置如何に左右さ
れ、この透明フィルム層の厚みと硬さがマイクロカプセ
ルに対する局部的な圧力を緩和するように作用してマイ
クロカプセルの破壊が防止されるということを見出し、
この知見に基づいて透明フィルム表面シートの硬さと厚
みを調製すると共にクッション部材を配置して本発明を
完成するに至った。したがって、本発明が解決しようと
する第1の課題は、1100ガウス以下の磁気力を使用
しても磁性粉の移動速度が速くかつ安定して保持される
磁気表示用マイクロカプセルを提供することにある。ま
た本発明が解決しようとする第2の課題は、筆記速度が
速くかつ均一に消去され、消去速度が速くしかも安定性
のある鮮明な文字や画像が得られると共に耐久性にも優
れたマイクロカプセル磁気表示板並びにその磁気表示板
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の各発明
によってそれぞれ達成される。
【0009】 〔1〕低沸点溶媒と高沸点溶媒とが組み
合わされた分散媒、磁性粉及び非磁性粉が封入されてい
ることを特徴とする磁気表示用マイクロカプセルにおい
て、前記の低沸点溶媒と高沸点溶媒は相溶性を有し、か
つ低沸点溶媒は沸点が100℃〜150℃、粘度が0.
8cp(25℃)以下であり、高沸点溶媒は沸点が24
0℃〜350℃、粘度が3〜12cps(25℃)であ
り、また磁性粉及び非磁性粉の粒径が同程度の大きさで
あり、更に前記マイクロカプセルの粒径は800μm以
下であって、かつ平均粒径は00μm〜600μmで
あることを特徴とする磁気表示用マイクロカプセル。 〔2〕分散媒中に分散剤を含有することを特徴とする前
記第1項に記載の磁気表示用マイクロカプセル。 〔3〕分散媒中に沈澱防止剤を含有することを特徴とす
る前記第1項又は第2項に記載の磁気表示用マイクロカ
プセル。 〔4〕マイクロカプセルの粒径が00μm±xμm〜
600μm±xμm(但し、x=10〜50)の範囲の
粒子で実質的に形成されていることを特徴とする前記第
1項乃至第3項のいずれかに記載の磁気表示用マイクロ
カプセル。 〔5〕圧力緩衝部材上に接着剤層、前記第1項乃至第4
項のいずれかに記載のマイクロカプセルを含む分散層及
び透明フィルム表面シートを順に有することを特徴とす
るマイクロカプセル磁気表示板。 〔6〕圧力緩衝部材が不繊布であることを特徴とする前
記第5項に記載のマイクロカプセル磁気表示板。 〔7〕不繊布の厚みが250μm〜500μmであるこ
とを特徴とする前記第6項に記載のマイクロカプセル磁
気表示板。 〔8〕圧力緩衝部材が合成樹脂フィルムであることを特
徴とする前記第5項に記載のマイクロカプセル磁気表示
板。
〔9〕合成樹脂フィルムがポリエステルフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化
ビニルフィルム又はポリカーボネートフィルムのいずれ
かであることを特徴とする前記第8項に記載のマイクロ
カプセル磁気表示板。 〔10〕合成樹脂フィルムの厚みが50μm〜200μ
mであることを特徴とする前記第8項又は第9項に記載
のマイクロカプセル磁気表示板。 〔11〕接着剤層の厚みが30μm〜300μmである
ことを特徴とする前記第5項乃至第10項のいずれかに
記載のマイクロカプセル磁気表示板。 〔12〕マイクロカプセルを含む分散層のバインダーが
透明水性接着剤であることを特徴とする前記第5項乃至
第11項のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示
板。 〔13〕透明フィルム表面シートがポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリエステルフィルム又はポリカーボネートのいず
れかであることを特徴とする前記第5項乃至第12項の
いずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示板。 〔14〕透明フィルム表面シートの厚みが30μm〜2
50μmであることを特徴とする前記第5項乃至第13
項のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示板。 〔15〕マイクロカプセル中の分散媒、マイクロカプセ
ル被膜、透明フィルム層、マイクロカプセル分散層中の
透明水性接着剤又は圧力緩衝部材の少なくともいずれか
に着色剤を含有することを特徴とする前記第5項乃至第
14項のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示
板。 〔16〕(1)〜(8)の工程を行うことを特徴とする
前記第5項乃至第15項のいずれかに記載のマイクロカ
プセル磁気表示板の製造方法。 (1)20℃〜60℃のゼラチン水溶液に磁性粉、非磁
性粉及び分散媒を添加して攪拌する工程 (2)得られた混合溶液にアラビアゴム水溶液を加えた
後、pHを下げて酸性とし、更に温度を20℃以下に下
げてゼラチン/アラビアゴムの重合体膜を生成させる工
程 (3)該重合体膜を硬化してマイクロカプセルを形成す
る工程 (4)得られたマイクロカプセルの平均粒径を越える大
きさのものを除去することにより上限を揃え、かつ水分
を除去する工程 (5)得られたマイクロカプセルを水性透明接着剤に分
散してマイクロカプセル分散物を製造する工程 (6)該分散物を透明基板に塗布する工程 (7)得られた透明基板を乾燥してマイクロカプセル分
散物被覆層を形成する工程 (8)得られた分散物被覆層の表面に圧力緩衝部材を設
ける工程 〔17〕(4)の工程において、水分を除去するために
水溶液を40%〜70%に濃縮することを特徴とする前
記第16項に記載のマイクロカプセル磁気表示板の製造
方法。 〔18〕(5)の工程において、水性透明接着剤が水性
ウレタン樹脂、水性芳香族ポリエステル樹脂あるいは水
性分散型ウレタン樹脂のいずれかであることを特徴とす
る前記第16項又は第17項に記載のマイクロカプセル
磁気表示板の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、低沸点溶媒と高沸点
溶媒とが組み合わされた分散媒、磁性粉及び非磁性粉が
封入されていることを特徴とする磁気表示用マイクロカ
プセルにおいて、前記の低沸点溶媒と高沸点溶媒は相溶
性を有し、かつ低沸点溶媒は沸点が100℃〜150
℃、粘度が0.8cp(25℃)以下であり、高沸点溶
媒は沸点が240℃〜350℃、粘度が3〜12cps
(25℃)であり、また磁性粉及び非磁性粉の粒径が同
程度の大きさであり、更に前記マイクロカプセルの粒径
は800μm以下であって、かつ平均粒径は00μm
〜600μmであることを特徴とするもので、これによ
り弱い磁気力下、即ち通常の磁石でも磁性粉の移動速度
が速くかつ安定して保持されるという優れた効果を奏す
るものである。また分散媒中に分散剤を含有することで
磁性粉や非磁性粉等の分散質を均一にかつ短時間で分散
することができる。更にこの分散媒中に沈澱防止剤を含
有することにより、均一分散した分散質が沈澱しないで
長期間安定した状態に保持されるという作用を有する。
本発明では、マイクロカプセルの粒径は800μm以下
で使用することにより、大きい粒子の破壊による不鮮明
さがなくなり、鮮明な画像が得られる。またマイクロカ
プセルの粒径が00μm±xμm〜600μm±xμ
m(但し、x=10〜50)の範囲の粒子で実質的に形
成されていることにより、いっそう鮮明な文字又は画像
を記録することができる。
【0011】本発明のマイクロカプセル磁気表示板は、
圧力緩衝部材上に接着剤層、前記第1項乃至第4項のい
ずれかに記載のマイクロカプセルを含む分散層及び透明
フィルム表面シートを順に有するものからなり、この構
成によりマイクロカプセル磁気表示板は、筆記速度が速
くかつ均一に消去され、消去速度が速くしかも安定性の
ある鮮明な文字や画像が得られると共に耐久性にも優れ
ているという格別顕著な効果を奏するものである。特に
マイクロカプセル分散層を圧力緩衝部材によって支持し
ているので、マイクロカプセル分散層中のマイクロカプ
セルを筆記中の圧力による破壊から防止し、長期間鮮明
な文字や画像を表示することができ、優れた耐久性を有
するマイクロカプセル磁気表示板が得られる。また支持
部材として用いられる圧力緩衝部材が不繊布であること
により圧力緩衝部材として作用し、マイクロカプセルを
保護し耐久性のあるものが得られる。不繊布の厚みが2
50μm〜500μmであることにより最良の圧力緩衝
部材が得られる。更に不繊布の外面にフィルム状層を有
することにより不織布を保護することができると共に湿
気防止にもなる。
【0012】本発明では、圧力緩衝部材が合成樹脂フィ
ルムであることにより良好な圧力緩衝部材として作用す
ると共に耐久性のあるマイクロカプセル磁気表示板が得
られる。合成樹脂フィルムがポリエステルフィルム、ポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩
化ビニルフィルム又はポリカーボネートのいずれかであ
ること、あるいは合成樹脂フィルムの厚みが50μm〜
200μmであることにより最良の圧力緩衝部材が得ら
れる。本発明においては、圧力緩衝部材には接着剤層を
有し、該接着剤層の厚みが30μm〜130μmである
ことにより筆記圧力からマイクロカプセルを保護する作
用をする。マイクロカプセルを含む分散層のバインダー
が透明水性接着剤であることことにより筆記面からマイ
クロカプセル分散層中のマイクロカプセルの中の磁性粉
や非磁性粉の状態を見ることができ、鮮明なコントラス
トが得られる。透明フィルム表面シートがポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートのいずれ
かであること、あるいは透明フィルム表面シートの厚み
が50μm〜180μmであることにより耐久性に優れ
たマイクロカプセル磁気表示板が得られる。更にマイク
ロカプセル中の分散媒、マイクロカプセル被膜、透明フ
ィルム表面シート、マイクロカプセル分散層中の透明水
性接着剤又は圧力緩衝部材の少なくともいずれかに着色
剤を含有することにより適宜の色に着色される。
【0013】本発明においては、以下に記載の(1)〜
(8)の工程を行うことを特徴とする前記第5項乃至第
15項のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示板
を製造することにより、筆記速度が速くかつ均一に消去
され、消去速度が速くしかも安定性のある鮮明な文字や
画像が得られると共に耐久性に優れているマイクロカプ
セル磁気表示板が製造される。(1)20℃〜60℃の
ゼラチン水溶液に磁性粉、非磁性粉及び分散媒を添加し
て攪拌する工程、(2)得られた混合溶液にアラビアゴ
ム水溶液を加えた後、pHを下げて酸性とし、更に温度
を20℃以下に下げてゼラチン/アラビアゴムの重合体
膜を生成させる工程ことにより良好なマイクロカプセル
が形成される。(3)該重合体膜を硬化してマイクロカ
プセルを形成する工程、(4)得られたマイクロカプセ
ルの平均粒径を越える大きさのものを除去することによ
り上限を揃え、かつ水分を除去する工程、(5)得られ
たマイクロカプセルを水性透明接着剤に分散してマイク
ロカプセル分散物を製造する工程、(6)該分散物を透
明フィルム表面シートに塗布する工程、(7)得られた
透明基板を乾燥してマイクロカプセル分散物被覆層を形
成する工程及び(8)得られた分散物被覆層の表面に圧
力緩衝部材を設ける工程
【0014】前記の(4)の工程において、水分を除去
するために水溶液を40%〜70%に濃縮することによ
り適性粘度のマイクロカプセル分散層を形成することが
できる。前記の(5)の工程では、水性透明接着剤が水
性ウレタン樹脂、水性芳香族ポリエステル樹脂あるいは
水性分散型ウレタン樹脂のいずれかであることにより圧
力緩衝部材と共同して耐久性に優れたマイクロカプセル
磁気表示板を製造することができる。更にマイクロカプ
セル分散物の粘度は、基板に被覆するのに適した粘度で
用いることが好ましく、該粘度としては、四季の気温や
種々の被覆条件により異なるが、15,000cP〜3
5,000cPに調整した後、該粘度調整分散物を基板
に塗布し、乾燥してマイクロカプセル分散物層を形成す
ることにより、いっそう鮮明な文字又は画像を記録する
ことができる。また前記の(8)の工程の如く分散物被
覆層の表面に圧力緩衝部材、即ち接着剤層を有するシー
トを接着することにより、マイクロカプセル分散層の表
面の凹凸部に空隙(気泡)ができることなく接着剤が入
り込んで密着した接着部が得られる。更に(8)の工程
において、圧力緩衝部材が透明プラスチックフィルム或
いは硬質又は軟質のフィルムのいずれかである場合に
は、光源を用いてバックを明るくして使用する装置と組
み合わせて使用し得るマイクロカプセル磁気表示板を製
造することができる。
【0015】以下、本発明を更に詳細に説明すると、本
発明の磁気表示用マイクロカプセルに用いられる低沸点
溶媒は、沸点が100℃〜150℃、粘度が0.8cp
(25℃)以下のものが使用される。このような低沸点
溶媒としては、好ましいものは、トルエン、キシレン、
オルトメタパラキシレン、エチルベンゼン、エチルシク
ロヘキサン、2−ヘキサン等が挙げられる。これらの低
沸点溶媒は単独でもまた2種以上を混合してもよい。
【0016】本発明に用いられる高沸点溶媒は沸点が2
40℃〜350℃、粘度が3〜12cpのものが使用さ
れる。高沸点溶媒の好ましいものは、ドデシルベンゼ
ン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香
酸ベンジル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。これら
の高沸点溶媒は単独でもまた2種以上を混合してもよ
い。更にこれらの低沸点溶媒と高沸点溶媒とは相溶性を
有することが好ましく、このような組合せは、トルエン
とドデシルベンゼン、キシレンとジペンチルベンゼン、
エチルベンゼンとジフェニルエーテル、エチルシクロヘ
キサンと安息香酸ベンジル等が好ましいものである。
【0017】本発明において、低沸点溶媒の、沸点が1
00℃〜150℃、粘度が0.8cp以下のものに限定
した理由は、沸点が100℃未満では、粘度が低くなり
分散安定性が悪くなり分散質が沈澱すると共に溶媒の揮
発性が高いためマイクロカプセルから揮発して発散し、
長期間封入しておくことができない。また沸点が150
℃を越えると、高沸点溶媒の沸点に近づき、したがって
分散質の磁石に対する動きが悪くなる。低沸点溶媒の粘
度が0.8cp以下のものを用いることが好ましく、
0.8cpを越えると高沸点溶媒の粘度との関係で分散
質の動きが低下する点で好ましくない。一方、高沸点溶
媒の沸点が240℃〜350℃、粘度が3〜12cpの
ものに限定した理由は、高沸点溶媒の沸点が240℃未
満では、分散質の分散安定性が悪くなるばかりかマイク
ロカプセルの外へ発散する度合いが増し好ましくない。
また高沸点溶媒の沸点が350℃を越えると、粘度が高
くなり分散質の動きがいっそう悪くなり良好なマイクロ
カプセル磁気表示板が得られない。また高沸点溶媒の粘
度が3cp未満では、低沸点溶媒との関係で粘度が低く
なり分散質が沈澱する。また高沸点溶媒の粘度が12c
pを越えると分散質の動きがいっそう悪くなる。本発明
では、前述の如く低沸点溶媒と高沸点溶媒との特定の組
合せにより分散質の分散保持を良好に調整することがで
きる。
【0018】本発明において、磁性粉等を分散するため
の分散剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、アニオン系脂肪族エステル混合物、ポリカ
ルボン酸アミン塩が挙げられる。分散剤の添加量は、通
常分散剤の添加量として用いられる量でよく、その添加
量は、0.5重量%〜10重量%であり、好ましくは
1.0重量%〜3.0重量%である。分散剤の添加量が
0.5重量%未満では、十分な分散効果が得られず、ま
た10重量%を越えると分散媒の粘度が高くなり分散媒
の特性が損なわれるので好ましくない。
【0019】本発明において、分散媒として、低沸点溶
媒と高沸点溶媒とを混合する場合、これらの溶媒の混合
割合は、低沸点溶媒に対して該高沸点溶媒を20重量%
〜250重量%の割合で混合するのがよく、更に好まし
くは50重量%〜150重量%がよい。低沸点溶剤に対
する高沸点溶剤の添加割合が20重量%未満では、低沸
点溶剤の発散を防止することができず、また250重量
%を越えると、磁性粉の動きが悪くなる。更に沈澱防止
剤としては、無水珪酸、含水珪酸、珪酸塩(珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウ
ム等)、微粉アルミナ、シリカ粉、けいそう土、カリオ
ン、ハードクレー、ソフトクレー、ベントナイト、極微
細炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、重炭
酸カルシウム、含水塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、ベンチジンイエロー等が挙げられる。これらは単
独でもまた2種以上を混合してもよい。沈澱防止剤の分
散媒への添加量は、分散媒の種類によって異なるが、分
散媒に対して沈澱防止剤が0.2重量%〜5重量%であ
り、好ましくは0.4重量%〜2重量%である。沈澱防
止剤の添加量が0.2重量%未満では、沈澱防止効果が
なく、また5重量%を越えると磁性粉等の固形粒子の移
動に支障をきたすので好ましくない。
【0020】本発明に用いられる磁性粉としては、この
技術分野において通常用いられるものでよく、例えば黒
色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、
二酸化クロム、フェライト、鉄又はニッケルの微粒子、
鉄−ニッケル合金等の親和処理を施していない磁性粉が
挙げられ、特に合成磁性酸化鉄が好ましい。これらを1
種又は2種以上混合して用いてもよい。市販品として
は、例えばトダカラーKN−320(戸田工業(株)製
のマグネタイト、タロックスBL−50(チタン工業
(株)製、合成酸化鉄)等が挙げられる。好ましいの
は、Fe3 4 で表される磁性酸化鉄である。この磁性
粉の粒径は、直径10μm以下が好ましく、好ましくは
0.1μm〜5μmであり、更に好ましくは0.1μm
〜0.8μmである。また更に好ましくは0.1μm〜
0.5μmであって、0.2μm〜0.3μmの粒子を
70%以上含有するものがよい。親和処理を施している
磁性粉は、沈澱防止剤の能力を低下させてしまうので、
好ましくない。
【0021】本発明において磁性粉の粒径が、10μm
を越えると文字等の鮮明度が落ちるので好ましくない。
また0.1μm未満では筆記や消去の速度がかなり遅く
なる。また本発明に用いられる非磁性粉としては、二酸
化チタン、リトポン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛等が挙げ
られ、酸化チタンは、アナターゼ型又はルチル型のいず
れを用いてもよい。好ましくは隠蔽力の点でルチル型酸
化チタンがよい。これらはいずれも比重が小さいものが
好ましい。更に吸油量(吸油とは溶媒が粒子の内部に吸
収されることを意味している)が比較的高いものがよ
い。この非磁性粉の粒径は、十分な分散ができれば特に
限定されないが、0.1μm〜1μmであり、好ましく
は0.1μm〜0.5μmが好ましい。磁性粉の粒径が
大きく、酸化チタンの粒径が小さいと磁性粉の動きは速
いが、黒さがでないので、コントラストが悪いし、また
磁性粉の粒径が小さく、酸化チタンの粒径が大きいと黒
さが出てコントラストは良くなるが、磁性粉の動きが端
的に悪くなるので好ましくない。これらの事実から、磁
性粉と非磁性粉は同程度の粒径で存在するこが必要であ
ることがわかった。
【0022】本発明に用いられるマイクロカプセルの分
散媒中や該カプセルのゼラチン被膜中に着色剤を添加す
ることもでき、これにより磁気表示板の背面又は背景を
各種の色に着色することができる。この着色剤として
は、通常染料、顔料が用いられる。これらの染料又は顔
料としては、メチレンブルー、コンゴーレッド、ベンゾ
イエローTZ等の染料、オイルブルー、オイルグリー
ン、オイルイエロー、ベンジジンイエロー等が挙げられ
る。
【0023】本発明の磁気表示用マイクロカプセルの平
均粒径は200μm〜600μmであるが、好ましくは
200μm〜400μmである。マイクロカプセルの平
均粒径が600μm以上の大きいものが多く存在する
と、筆記中にマイクロカプセルが破壊され、死にカプセ
ルが多くなり鮮明性が落ちまた耐久性が減少するので、
上記の200μm〜600μmの範囲が好ましい。した
がって磁気表示用マイクロカプセルの粒径が200μm
±xμm〜600μm±xμm(但し、x=10〜5
0)の範囲の粒子で実質的に形成することにより極めて
薄板の磁気表示板が形成されると共にこれに形成される
文字や画像がいっそう鮮明になる。
【0024】本発明の磁気表示用マイクロカプセルは、
バインダー又は分散媒体に分散した後、基板に被覆する
ことによりマイクロカプセル磁気表示部材を形成し、磁
界を用いて文字や画像を形成する。この磁気表示部材に
磁界を用いて文字や画像を形成する方法は、この技術分
野において種々の方法が知られており、いづれの方法も
使用することができる。
【0025】本発明において、マイクロカプセル磁気表
示板を作製し、磁石を用いて記録又は消去する場合、1
100ガウス以上の磁石を使用する場合には、表示速度
乃至消去速度が早く、しかも鮮明な文字又は画像を記録
し得ると共に消去も速やかに行い得ることは勿論である
が、1100ガウス以下の磁石を用いる時にも、表示速
度乃至消去速度が早く、しかも鮮明な文字又は画像を記
録し得ると共に消去も速やかに行い得るという優れた効
果を奏するものであり、文字又は画像等の記録に際して
は、1100ガウス〜700ガウスで好ましい効果が得
られ、更に好ましくは1000ガウス〜800ガウスで
あり、また更に、これより弱い磁石でも使用目的によっ
ては何ら使用に差し支えない。
【0026】また記録面の文字又は画像等の消去には、
磁気力の弱い、例えば200ガウス〜300ガウスの磁
石を使用しても十分消去速度が早く、しかも均一な消去
面が得られるという優れた効果を奏するものである。し
たがって従来のものより技術的にも経済性にも優れた磁
気表示用マイクロカプセル並びにこれを使用したマイク
ロカプセル磁気表示板が得られる。また基板に前記のマ
イクロカプセルを被覆する方法は、通常の塗布方法、例
えば刷毛塗り、ローラー塗布、スクリーン印刷法、エア
カーテン法、ディップ塗布法等を使用して被覆すること
ができる。
【0027】本発明のマイクロカプセル磁気表示板に用
いられる圧力緩衝部材に用いられるものとしては、厚み
50μm〜500μmの不織布、合成樹脂フィルム、弾
性部材(例えばゴム質材料、コルク材料、発泡性材料
等)及び紫外線硬化性樹脂が使用される。不織布、合成
樹脂フィルム又は弾性部材の内面、即ちマイクロカプセ
ルを含む分散層と接する面には、接着層を有し、この接
着層の厚みは30〜130μmが好ましい。また紫外線
硬化性樹脂を使用する場合は、液状の状態でマイクロカ
プセルを含む分散層面に直ちに塗布し、紫外線を照射し
て液状の紫外線硬化性樹脂を硬化させて圧力緩衝部材と
することもできる。紫外線硬化性樹脂を使用する場合の
別の方法としては、マイクロカプセルを含む分散層面に
紫外線硬化性樹脂を液状の状態で塗布し、その上に合成
樹脂フィルムを載置し、紫外線を照射することによって
液状の紫外線硬化性樹脂を硬化してマイクロカプセルを
含み分散層と合成樹脂フィルムとを一体化し、圧力緩衝
部材とすることもできる。紫外線硬化性樹脂層の厚み
は、50μm〜300μmが好ましい。
【0028】更に不繊布に有する接着層の接着剤として
は、特に制限されるものではなく、広範な種類の接着剤
が使用される。例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチ
レン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンブロック
共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体、ブ
チルゴム、ポリイソブチレン、シリコーンゴム、ポリビ
ニルイソブチルエーテル、クロロプレンゴム、ニトリル
ゴム、グラフトゴム、再生ゴム等のエラストマーに接着
付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤等を入れて作製さ
れる。通常天然ゴム系、スチレン−ブタジエン系、ポリ
イソプレン系、アクリル系、シリコーン系等の各種接着
剤が好ましい。
【0029】不繊布の素材は、木綿、亜麻、黄麻、羊
毛、絹等の天然繊維、レーヨン、アセテート等のセルロ
ース系繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、ビニリデン
等の塩化炭化水素系繊維、アルクル繊維、ポリウレタン
系繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維が好ましく用
いられる。これらの繊維を用いて製造される不繊布は、
通常の不繊布製造に用いられる公知の方法によって製造
される各種の不繊布が用いられ、特に不繊布の種類によ
って限定されるものではない。
【0030】本発明において、圧力緩衝部材として接着
層を有する合成樹脂フィルムを用いる場合には、接着層
が重要な役割を果たす。即ち接着層を有する合成樹脂フ
ィルムをマイクロカプセル層に接着するが、このとき接
着層の接着剤がマイクロカプセルの表面と密着し、空隙
ができないような接着剤ないしは接着方法が好ましい。
これにより磁気表示板のたわみ性(曲げに対する強度)
を向上させることができるばかりでなく、マイクロカプ
セルの保護を十分なものとすることができる。また接着
層の厚みはマイクロカプセルの保護と同時に描かれた記
録の消去の良否の関係からあまり厚くすることはでき
ず、したがって接着層の厚みは30μm〜130μmが
好ましい。接着層の厚みが30μmより薄い場合にはマ
イクロカプセルの保護が十分でなく筆記中の圧力により
マイクロカプセルが破壊されるおそれがある。またその
厚みが130μmを越えても十分な保護が得られるが、
その反面磁石による記録の消去が不十分となるので好ま
しくなく、また消去用磁石として強い磁石を用いる必要
があるので経済上好ましくない。
【0031】本発明において、接着層の厚みに対して合
成樹脂フィルムの厚みは、50μm〜200μmが好ま
しく、接着層の厚みが厚くなるにしたがってこの合成樹
脂フィルムの厚みは相対的に薄くしてもよいが、特に薄
くする必要はない。本発明に用いられる接着層を構成す
る接着剤としては、天然ゴム系、スチレン−ブタジエン
系、ポリクロロプレン系、ポリイソプレン系、ポリウレ
タン系、アクリル系、シリコーン系等の各種接着剤が挙
げられる。またここに用いられる合成樹脂フィルムは、
不繊布の裏面に用いられるものと同様の通常、ポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等が用いられる。
【0032】本発明のマイクロカプセル磁気表示板は、
磁性粉、非磁性粉及び分散媒を含むマイクロカプセルを
製造した後、これを水性エマルジョン系接着剤に分散す
る。得られた分散物を透明フィルム基板(透明フィルム
層となる。)に塗布した後、乾燥してマイクロカプセル
分散物被覆層を形成する。この透明フィルム層は、マイ
クロカプセルに対する局部的な圧力を緩和するように作
用してマイクロカプセルの破壊が防止されるものであれ
ばよい。このマイクロカプセルに対する局部的な圧力を
緩和するとは、筆記圧力に対して透明フィルム層は、凹
んだり傷が付いたりしないと共にたわみ性が損なわれな
いことを意味する。したがって透明フィルム層の硬さは
この透明フィルム層の樹脂の硬さを調整する方法とこの
透明フィルム層の樹脂の硬さを所定のものを用い厚みで
調整してもよい。この透明フィルム層としては、ポリエ
ステル、ポリエチレン等の透明フィルムが用いられる
が、これらに限定されるものではない。またこの透明フ
ィルムの厚さは、30μm〜250μmであり、好まし
くは50μm〜180μmである。
【0033】本発明のマイクロカプセル磁気表示板の製
造方法は、具体的には以下の製造方法によって得られ
る。即ち、(1)〜(8)の工程を行うことを特徴と
し、(1)40℃〜60℃のゼラチン水溶液に、磁性
粉、非磁性粉及び分散媒の混合したものを添加して攪拌
する工程、これによりコアセルベーションの製法として
最も好ましいものが得られる。
【0034】(2)得られた混合溶液にアラビアゴム水
溶液を加えた後、pH5以下にして酸性とし、更に温度
を20℃以下に下げてゼラチン/アラビアゴムの重合体
膜を生成させる工程、(3)該重合体膜を硬化してゼラ
チン被膜製マイクロカプセルを形成する工程、(4)前
記で得られた磁気表示用ゼラチン被膜製マイクロカプセ
ルの平均粒径を越える大きさのものを除去することによ
り上限を揃え、かつ水分を除去する工程、得られたマイ
クロカプセルスラリーから水分を除去することによりマ
イクロカプセルの塗布密度を高めることができる。この
工程では、マイクロカプセルを所定の粒径に揃えるか又
はマイクロカプセルの平均粒径を用い、かつ該平均粒径
を越える大きさのものを除去する。後者の如くマイクロ
カプセルの平均粒径を越える大きさのものを除去するた
めに網を用い、該網を通過するものだけを選別する。該
マイクロカプセルの上限を揃えることにより一定の厚み
に塗布することができ、失活カプセル(破壊されて記録
または表示に関与できなくなったカプセル)となるのを
防止して、磁気表示板に鮮明な表示を得るために好まし
い。
【0035】(5)得られたマイクロカプセルを水性透
明エマルジョン系接着剤に分散してマイクロカプセル分
散物を製造する工程、この分散物は、被覆に際し適度の
粘度で被覆することが好ましく、したがってこの工程で
分散物の粘度を15,000cP〜35,000cPに
調整する。ここでマイクロカプセル分散物の粘度を調整
する物質、即ち粘度調整剤としては、アルギン酸ナトリ
ウム、ポリビニルアルコール、変性ポリアクリル酸ナト
リウム、変性ポリアクリル酸エマルジョン、変性ポリア
クリル酸スルホン酸塩等が挙げられ、特に好ましいもの
にはアルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールであ
る。この粘度調整剤の添加割合は、四季の気温や分散物
の状態にもよるが、分散物に対して0.5重量%〜3.
0重量%が用いられる。マイクロカプセル分散物の粘度
が15,000cP未満のときには、塗膜に割れが生じ
文字等が不鮮明になる。また粘度が35,000cPを
越えると、塗膜が均一に被覆されず凸凹になるという不
都合があり好ましくない。
【0036】 (6)該分散物を透明フィルム表面シー
トに塗布する工程、(7)塗布した透明フィルム表面シ
ートを乾燥してマイクロカプセル分散物被覆層を形成す
る工程、ここで透明フィルム表面シートとしては、好ま
しくはポリエステル、ポリエチレン等の透明フィルムが
用いられるが、これらに限定されるものではない。また
このフィルムの厚さは、30μm〜250μmであり、
好ましくは50μm〜200μmである。このようなフ
ィルムにマイクロカプセル分散物を被覆する方法は、通
常の塗布方法、例えば刷毛塗り、ローラー塗布、スクリ
ーン印刷法、エアカーテン法、ディップ塗布法等を使用
して被覆することができる。塗布後、乾燥するが、乾燥
温度は、この技術分野において通常用いられる範囲でよ
く、例えば40℃〜120℃であり、好ましくは50℃
〜90℃である。更に乾燥時間は、10分〜2時間が通
常好ましい。更に好ましくは30分〜50分が好まし
い。また乾燥方法としては、温風乾燥又は対流乾燥が好
ましい。前記マイクロカプセル分散物の乾燥厚さは、4
00μm〜600μmが好ましい。
【0037】(8)得られた分散物被覆層の表面に圧力
緩衝部材を設ける工程、この圧力緩衝部材用のシートと
しては、特に限定されるものではないが、好ましくはポ
リエステルフィルム(以下PETフィルムと略称す
る。)である。PETフィルムに被覆されたマイクロカ
プセル分散物被覆層上にPETフィルムを接着する。該
フィルムの厚さは、50μm〜200μmが好ましい。
【0038】本発明の製造方法で得られたマイクロカプ
セル磁気表示板又は磁気表示部材は、磁界を用いて文字
や画像を形成する。この磁気表示部材に磁界を用いて文
字や画像を形成する方法は、この技術分野において種々
の方法が知られており、いづれの方法も使用することが
できる。また本発明で得られた磁気表示部材は、種々の
用途に使用することができ、例えば、幼児用絵本、幼児
用玩具、文字練習器、各種ゲーム用板、習字板、メモ用
板、会議用黒板、クリーンルームでの各種情報ボード、
電光掲示板、パソコンの表示用パネル等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、この例は本発明を説明するためのものであ
り、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】〔実施例1〕本発明の磁気表示用マイクロ
カプセルは、図1に模式的に断面図で示されており、図
2は、本発明のマイクロカプセル1の分散物を製造する
ためのフローシートである。図3は、マイクロカプセル
磁気表示板を製造するための塗布装置を示す略断面図で
ある。図1に記載のマイクロカプセル1を図2に示され
るフローシートにしたがって以下の方法で製造し、更に
図3に示される塗布装置でマイクロカプセル磁気表示板
を製造した。
【0041】図1、図2及び図3において、マイクロカ
プセル1は、カプセル被膜2がゼラチンで形成されてお
り、この中に磁性粉3及び非磁性粉4が分散媒5に分散
されて封入されている。攪拌機7付きの温度調節可能な
タンク6の中に下記の各成分を入れ、攪拌下、下記の如
く温度、pH等を調節しながら、マイクロカプセルを製
造する。このマイクロカプセル1は、磁性粉3として、
平均粒径0.3μmのフェライトの粉体粒子(商品名タ
ロックスBL−50、チタン工業(株)製を粉砕して得
た。)2重量%と非磁性粉4として、平均粒径0.26
μmの白色酸化チタン粉体(商品名 TIPAQUE、
R−820、石原産業(株)製)11.6重量%とを高
沸点溶媒として、フタル酸ジブチル40重量%、低沸点
溶媒としてトルエン45重量%のを混合した混合溶剤8
5重量%に加え、更に消泡剤としてダッポーSN−35
0(シリコーン、サンノプコ社製)0.2重量%及び沈
澱防止剤として微粉珪酸〔アエロジル、日本アエロジル
社製〕0.5重量%を添加し、更に分散剤として、ノプ
コサントK963(ポリカルボン酸ナトリウム系界面活
性剤、サンノブエ社製)0.7重量%を加えて分散し
た。
【0042】次に、pH6に調整したゼラチン濃度1.
%の水溶液にアラビアゴム1.8%の水溶液を加えて
マイクロカプセル膜用の水溶液をつくり、約50℃に昇
温して該水溶液のpHを5に調整したのち、あらかじめ
準備した前記磁性粉3と非磁性粉4の分散液を加えて分
散液滴が約300μmになるように攪拌した。所望の分
散液滴が得られたのち、系の温度を除冷後さらに10℃
まで冷却して分散液滴の界面上に析出したゼラチン/ア
ラビアゴムの重合体膜をゲル化してグルタールアルデヒ
ド25%濃度の水溶液を加えて重合体膜を硬化してゼラ
チン製マイクロカプセル1を得た。このようにして得ら
れたマイクロカプセル1を600μmを越える大きさの
粒子を網を通して除去して600μm以下の粒子を得
た。このマイクロカプセルは、粒径が600μm以下で
あって、200μm〜300μmの粒子を85%含むも
のである。
【0043】得られたマイクロカプセルスラリー溶液7
1は、濾過装置8中に導入され、フィルター81により
600μmより大きい粒子85を除去すると共に水分を
除去して600μm以下の粒子をフィルター82上に蓄
積させる。水分はそれぞれ蛇口9a,9b,9cから流
出する。フィルター81には600μmより大きい粒子
85を通過しない孔83を有し、またフィルター82に
は微小粒子87を通過する孔84を有する。ついで得ら
れたマイクロカプセル群86を塗布用インク状物18を
造るために攪拌機11付きの容器10に導入し、ここに
水性バインダー72として水性ウレタン樹脂溶液を添加
し十分攪拌して塗布用インク状物18を形成する。得ら
れた塗布用インク状物18を図3に示される如き塗布装
置を用いて塗布する。この塗布用インク状物18の粘度
は、28、000cPである。
【0044】図3において、(a)は、塗布工程に用い
られる塗布装置であり、この塗布装置は、ベルトコンベ
ア17がローラー15及び16により矢印方向に回転し
ている。シート供給装置29から上下動する吸引部材2
8で透明フィルムシート21を吸引し、ベルトコンベア
17上へ運び、すでに供給されたシート21の下部へ侵
入して前部が重ね合わされ、ついでこの重ね合わされた
状態でタンク19中の塗布用インク状物18を塗布ロー
ラー14で塗布して被覆層20を形成する。塗布された
被覆シート23は、収納ラック22に収納され、23
a,23b,・・・23hの如く配置される。図3の
(b)は、乾燥工程であり、この収納ラック22は、乾
燥室25に収納された後、70℃の温風で40分間乾燥
される。図3の(c)は、ラミネート工程であり、前述
のようにして得られた被覆シート23は、この被覆表面
に圧力緩衝部材24としてPETフィルムを接着剤によ
り接着してマイクロカプセル磁気表示板Iを作製した。
【0045】図4は、本発明のマイクロカプセル磁気表
示板を示す断面図である。図4おいて、該磁気表示板I
は、圧力緩衝部材24となるプラスチックフィルム上
に、マイクロカプセル分散層20を有しその上に記録シ
ート21を有しており、該マイクロカプセル分散層20
には、マイクロカプセルとして、大きい粒子31、3
2、中間の大きさの粒子33、34、小さい粒子35が
適宜配置されている。このプラスチックフィルム24に
かえてマイクロカプセル塗布層20を充分保持できる強
度を有するグラスファイバー、ガラス、紙、その他の硬
質シート状或いは軟質可撓性フィルム状のものを使用す
ることができる。
【0046】次ぎに本発明のマイクロカプセル磁気表示
板Iに文字を表示する方法について説明すると、図5
は、本発明で得られたマイクロカプセル磁気表示板Iに
文字を表示する方法を示した断面図であり、図5のa
は、磁気表示板Iの裏面を磁石で走査したところを示し
ており、また図5のbは、その表面に棒磁石を用いて文
字Eを書いたところを示している。まず磁気表示板Iの
裏面の圧力緩衝部材24側を、図5のaに示されるよう
に弱い磁力のシート磁石(200ガウス)81で点線の
矢印方向に走査してマイクロカプセル1内の磁性粉3を
圧力緩衝部材24側に移動乃至泳動させる(消去作
業)。これにより該カプセル内の磁性粉3は、磁気表示
板Iの圧力緩衝部材24側に存在し、この磁性粉3と入
れ替わって磁気表示板Iの表面の記録シート21側(透
明シート)には、非磁性粉4が存在するので、磁気表示
板Iの表面は非磁性粉4である白色を呈する。ついで図
5のbに示されるように得られた磁気表示板Iの表面に
筆記具として棒状磁石82を用いて文字を書いたとこ
ろ、鮮明な文字Eが得られた。
【0047】ここで、本発明の磁気表示板Iと比較の磁
気表示板(市販品)とを同じ条件で使用して比較したと
ころ、本発明の磁気表示板Iと比較の磁気表示板とをゆ
っくりした速度で線を書いた場合には、両方とも、線は
書けたが、比較の磁気表示板は不鮮明であるのに対して
本発明の磁気表示板Iは鮮明であった。また本発明の磁
気表示板Iと比較の磁気表示板とを通常の筆記速度より
早い速度で線を書いたところ、比較の磁気表示板につい
ては殆ど線は描けなかったが、本発明の磁気表示板Iは
鮮明な線が描くことができた。
【0048】ついで、記録シートに描かれた文字の消去
状態を本発明の磁気表示板Iと比較の磁気表示板とを同
じ条件で試験を行ったところ、200ガウスのシート磁
石を用いて磁気表示板の裏面をゆっくり走査した場合
は、本発明の磁気表示板Iと比較の磁気表示板は、一回
の消去作業で斑にならず十分な白色が得られたが、20
0ガウスのシート磁石で消去作業を行うに際し、速い走
査速度で行った場合には、本発明の磁気表示板Iは、磁
石に対して磁性粉が素早く反応して、記録シート面の文
字は速やかに消去されたが、比較の磁気表示板は磁石に
対する磁性粉の反応が十分でなく、1回の走査では文字
の消去が不十分で、均一な色の表面が得られなかった。
【0049】〔実施例2〕実施例1に記載されたマイク
ロカプセル中の分散媒において、低沸点溶媒と高沸点溶
媒との組合せが、表1に示されるものを使用し、その他
は実施例1と同様にしてマイクロカプセル磁気表示板I
を作製した。この磁気表示板Iの走査速度と表面性、筆
記速度と文字の鮮明さ、耐久性を試験した。得られた結
果を表4に示す。なお、表1において、○は良好;△は
やや良い;×は不良を表す。
【0050】
【表1】 表1から明らかなように、本発明のマイクロカプセルを
使用して作製された磁気表示板においては、いづれも優
れた効果が得られた。これに対して、従来の分散媒を使
用したものでは、磁気表示板の表面性が十分でなく、ま
た走査速度、筆記速度等が不良であり、該表示板に描か
れた文字がやや不鮮明であった。したがって、磁性粉の
保持性、動き更には消去が十分でなかった。
【0051】〔実施例3〕実施例1の方法でマイクロカ
プセルの大きさが、200μmを中心にし、300μm
より大きい粒子を除去したマイクロカプセル、同様に3
00μmを中心にし、400μmより大きい粒子を除去
したマイクロカプセル、400μmを中心にし、500
μmより大きい粒子を除去したマイクロカプセル、50
0μmを中心にし、600μmより大きい粒子を除去し
たマイクロカプセルをそれぞれ製造し、実施例1と同様
にして磁気表示板を作製し、それぞれについて、走査速
度と表面性、筆記速度と文字の鮮明さを試験した。本発
明のマイクロカプセルを使用して作製された磁気表示板
においては、いづれも優れた効果が得られた。これに対
して、用いた粒径を中心にして、それよりも大きい粒子
を除去しないでマイクロカプセルを製造したものでは、
磁気表示板の表面性が十分でなく、また該表示板に描か
れた文字がやや不鮮明であった。
【0052】〔実施例4〕マイクロカプセルの大きさ
が、粒径180μm〜240のものを選別した以外は、
実施例1と同様にして磁気表示板を製造した。ついで磁
気表示板の表面に棒状磁石を用いて文字を通常の筆記速
度より早い速度で書いたところ鮮明な文字が得られた。
【0053】〔実施例5〕実施例1で製造したマイクロ
カプセルを水性ウレタン樹脂の透明バインダーに分散す
ると共に、該分散物に水性着色顔料としてニューラクチ
シュ(大日精化工業(株)製)を添加する以外は、実施
例1と同様にして磁気表示板を製造した。このように顔
料を入れることにより磁気表示板を着色することもで
き、同様に各種の色に着色することができる。
【0054】〔実施例6〕本発明において、図6に断面
図で示されているマイクロカプセル磁気表示板を製造し
た。図6において、マイクロカプセル磁気表示板II
は、圧力緩衝部材24のシート60とその上にマイクロ
カプセル分散層20を有し、更に透明層21で覆われて
いる。圧力緩衝部材24及び透明層21は、マイクロカ
プセル分散層20に接着剤62で接着されている。本発
明で使用される磁気表示用マイクロカプセル1は、実施
例1で製造されたものを用いた。本発明のマイクロカプ
セル磁気表示板IIは、厚さが120μmのポリエチレ
ンテレフタレートの透明フィルムシート21上にマイク
ロカプセル分散物からなる塗布用インク状物を塗布、乾
燥して厚さ600μmのマイクロカプセル分散層20を
形成した後、この被覆表面に圧力緩衝部材24のシート
60として厚さ500μmの不繊布63を接着すること
により作製される。このとき接着剤62はマイクロカプ
セル分散層20の表面が凹凸状になっており、この凹部
62aはマイクロカプセルとマイクロカプセルとの接触
部に形成されるものであるが、この凹部62aに接着剤
62が入り込んで強固に接着されている。このようにし
て得られたマイクロカプセル磁気表示板IIはたわみ性
に強く、またこの磁気表示板IIを用いて磁気表示面に
筆記したところ、鮮明な文字が得られたばかりでなく、
繰り返し筆記してもマイクロカプセル分散層のマイクロ
カプセル粒子に異常はなく、つぶれたマイクロカプセル
粒子は発見されなかった。したがって、繰り返し使用に
対する耐久性が良好であった。
【0055】〔実施例7〕実施例6と同様にして、図7
に断面図で示されるマイクロカプセル磁気表示板III
を作製した。このマイクロカプセル磁気表示板III
は、厚さ600μmのマイクロカプセル分散層20を形
成した後、圧力緩衝部材24のシートとして厚さ100
μmのポリエチレンフィルム65で裏打ちされた不繊布
(厚さ500μm)63を接着することにより作製され
る。即ち厚さ500μmの不織布63の裏面は厚さ10
0μmのポリエチレンフィルム65が接着剤64で接着
され、該不織布63の表面側は、マイクロカプセル分散
層20と接着剤62で接着されている。このマイクロカ
プセル分散層20の表面はマイクロカプセルによる凹凸
が形成されているおり、接着に際し、これらの凹凸62
aにも接着剤62が充填されている。更に詳しくは、図
8に圧力緩衝部材の断面図が示されており、この圧力緩
衝部材24は、図8に示されているように厚さ500μ
mの不繊布63の裏面に厚さ100μmのポリエチレン
からなる合成樹脂フィルム65が接着剤(厚み80μ
m)64によって接着されている。更にその表面には接
着剤62が被覆され離型紙66で覆われている。この圧
力緩衝部材24を、図7に記載のマイクロカプセル分散
層20の凹凸表面に接着する際は、この離型紙66を剥
がしてから接着する。接着剤62はマイクロカプセル分
散層20の凹凸表面の凹部(62a)に入り込んで密着
し空隙(気泡)のない接着面が得られ、強固に接着され
る。このようにして得られたマイクロカプセル磁気表示
板IIIは、実施例1と同様にして筆記したところ、マ
イクロカプセル粒子が潰れることなく鮮明な文字が得ら
れ、しかも長期間そのままに保持しておくことができ
た。また裏面がポリエチレンフィルム65で裏打ちされ
ているので、繰り返し使用に対して十分な耐久性を有
し、かつ磁力消去に対する影響は殆どなかった。
【0056】〔実施例8〕実施例7で作製したマイクロ
カプセル磁気表示板IIIのマイクロカプセル分散層の
水性接着剤61に水性着色顔料としてニューラクチシュ
(大日精化工業(株)製)を添加する以外は、実施例7
と同様にしてマイクロカプセル磁気表示板を製造した、
このように顔料を入れることにより磁気表示板を着色す
ることもでき、同様に各種の色に着色することができ
る。
【0057】〔実施例9〕図9は、本発明の別の例のマ
イクロカプセル磁気表示板を示す断面図である。図9に
おいて、実施例6で作製したマイクロカプセル磁気表示
板II(図6参照)の圧力緩衝部材24のシート60に
代えて厚さが150μmのポリエチレンテレフタレート
67をアクリルエマルジョン系接着剤で接着し接着層6
2を形成してマイクロカプセル磁気表示板IVを作製し
た。この際接着層62の厚みは50μmであった。得ら
れたマイクロカプセル磁気表示板IVは、実施例1と同
様にして筆記したところ、マイクロカプセル粒子が潰れ
ることなく鮮明な文字が得られ、しかも長期間そのまま
に保持しておくことができた。また裏面がポリエチレン
フィルム67であるので、繰り返し使用に対して十分な
耐久性を有し、かつ磁力消去に対する影響は殆どなかっ
た。
【0058】〔実施例10〕実施例9で作製したマイク
ロカプセル磁気表示板IVの圧力緩衝部材を形成する接
着剤に充填材としてシリカを加えた後、実施例9と同様
にしてポリエチレンテレフタレートを接着剤で接着し接
着層を形成して圧力緩衝部材を設けた。この際接着層の
厚みは50μmであった。得られたマイクロカプセル磁
気表示板IVa(図示されていない)は、実施例5と同
様にして筆記したところ、シリカの添加により接着層の
接着力が増すばかりでなく圧力緩衝作用も十分発揮さ
れ、マイクロカプセル粒子が潰れることなく鮮明な文字
が得られ、しかも長期間そのままに保持しておくことが
できた。また裏面がポリエチレンフィルムであるので、
繰り返し使用に対して十分な耐久性を有し、かつ磁力消
去に対する影響は殆どなかった。
【0059】〔実施例11〕実施例6に記載された透明
フィルム層21の厚さがそれぞれ50μm、80μm、
100μm、180μmの各厚さのものを用いた以外
は、実施例6と同様にしてそれぞれマイクロカプセル磁
気表示板IIa、IIb、IIc、IId(図示されて
いない)を作製した。得られた各マイクロカプセル磁気
表示板IIは、透明フィルム層の厚さが50μmのもの
では、自動電磁方式等の如くコンピュータと接続して使
用するような場合に特に好ましく、また透明フィルム層
の厚さが180μmのものでは、丈夫であるので、幼児
などの比較的低年齢の子供用として供するときに特に好
ましい。
【0060】〔実施例12〕実施例6に記載された不織
布の厚さがそれぞれ50μm、120μm、150μ
m、180μm、200μm、250μm、300μ
m、340μm、420μmの各厚さのものを用いた以
外は、それぞれ実施例6と同様にしてマイクロカプセル
磁気表示板IIe、IIf、IIg、IIh、IIi、
IIj、IIk、IIm、IIn(図示されていない)
を作製した。得られた各マイクロカプセル磁気表示板I
Iは、不織布の厚さが50μmのものでは、自動電磁方
式等の如くコンピュータと接続して使用するような場合
に特に好ましく、また不織布の厚さが400μmのもの
では、幼児などの比較的低年齢の子供用として供すると
きに特に好ましい。
【0061】〔実施例13〕実施例9に記載されたポリ
エチレンテレフタレートからなる合成樹脂フィルムの厚
さがそれぞれ50μm、80μm、100μm、125
μm、180μm、200μmの各厚さのものを用いた
以外は、実施例9と同様にしてマイクロカプセル磁気表
示板IVb、IVc、IVd、IVe、IVf、IVg
(図示されていない)を作製した。得られたマイクロカ
プセル磁気表示板IVは、合成樹脂フィルムの厚さが5
0μmのものでは、自動電磁方式等の如くコンピュータ
と接続して使用するような場合に特に好ましく、また合
成樹脂フィルムの厚さが200μmのものでは、幼児な
どの比較的低年齢の子供用として供するときに特に好ま
しい。
【0062】〔実施例14〕実施例9に記載された合成
樹脂フィルムの厚さが150μmの厚さのものを用い、
接着剤層の厚さをそれぞれ30μm又は80μmとした
以外は、実施例9と同様にしてマイクロカプセル磁気表
示板IVh及びIVi(図示されていない)を作製し
た。得られたマイクロカプセル磁気表示板IVは、接着
剤層の厚さが30μmのIVhでは、自動電磁方式等の
如くコンピュータと接続して使用するような場合に特に
好ましく、また接着剤層の厚さが80μmのものでは、
幼児などの比較的低年齢の子供用として供するときに特
に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気表示用マイクロカプセルを模式的
に示した断面図である。
【図2】本発明のマイクロカプセルの分散物を製造する
ためのフローシートである。
【図3】本発明のマイクロカプセル磁気表示板を製造す
るための塗布装置を示す断面図である。(a)は、塗布
工程であり、(b)は、乾燥工程であり、更に(c)
は、ラミネート工程である。
【図4】本発明で得られたマイクロカプセル磁気表示板
を示す断面図である。
【図5】本発明で得られたマイクロカプセル磁気表示板
に文字を表示する方法を示した断面図であり、aは、磁
気表示板の裏面に磁石を走査させてたところを示す断面
図である。またbは、磁気表示板の表面に磁石を用いて
文字を表示したところを示す断面図である。
【図6】本発明のマイクロカプセル磁気表示板の他の実
施態様を示す断面図である。
【図7】本発明のマイクロカプセル磁気表示板の他の実
施態様を示す断面図である。
【図8】本発明のマイクロカプセル磁気表示板の圧力緩
衝部材を示す断面図である。
【図9】本発明のマイクロカプセル磁気表示板の更に他
の実施態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1、31、32、33、34、35 マイクロカプセル 2 カプセル皮膜 10 容器 3 磁性粉 71 水性ス
ラリー溶液 4 非磁性粉 72 バイン
ダー 5 分散媒 14、15、
16 ローラー 6、19 タンク 17 ベンル
トコンベア 61 水性接着剤(バインダー) 18 塗布用
インク状物 62、64 接着剤 20 被覆層 62a 凹部 21 透明シ
ート 63 不織布 22 収納ラ
ック 65 ポリエチレンフィルム 23 被覆シ
ート 66 離型紙 24 圧力緩
衝部材67 ポリエチレンテレフタレート 25 乾燥室 7、11 攪拌機 28 吸引部
材 8 濾過装置 81 消去装
置 81、82 フィルター 82 筆記具 9 蛇口 83、84 孔 85、86、87 粒子

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低沸点溶媒と高沸点溶媒とが組み合わされ
    た分散媒、磁性粉及び非磁性粉が封入されていることを
    特徴とする磁気表示用マイクロカプセルにおいて、前記
    の低沸点溶媒と高沸点溶媒は相溶性を有し、かつ低沸点
    溶媒は沸点が100℃〜150℃、粘度が0.8cp
    (25℃)以下であり、高沸点溶媒は沸点が240℃〜
    350℃、粘度が3〜12cps(25℃)であり、ま
    た磁性粉及び非磁性粉の粒径が同程度の大きさであり、
    更に前記マイクロカプセルの粒径は800μm以下であ
    って、かつ平均粒径は00μm〜600μmであるこ
    とを特徴とする磁気表示用マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】分散媒中に分散剤を含有することを特徴と
    する請求項1に記載の磁気表示用マイクロカプセル。
  3. 【請求項3】分散媒中に沈澱防止剤を含有することを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気表示用マイ
    クロカプセル。
  4. 【請求項4】マイクロカプセルの粒径が00μm±x
    μm〜600μm±xμm(但し、x=10〜50)の
    範囲の粒子で実質的に形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の磁気表示用マ
    イクロカプセル。
  5. 【請求項5】圧力緩衝部材上に接着剤層、請求項1乃至
    請求項4のいずれかに記載のマイクロカプセルを含む分
    散層及び透明フィルム表面シートを順に有することを特
    徴とするマイクロカプセル磁気表示板。
  6. 【請求項6】圧力緩衝部材が不繊布であることを特徴と
    する請求項5に記載のマイクロカプセル磁気表示板。
  7. 【請求項7】不繊布の厚みが250μm〜500μmで
    あることを特徴とする請求項6に記載のマイクロカプセ
    ル磁気表示板。
  8. 【請求項8】圧力緩衝部材が合成樹脂フィルムであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のマイクロカプセル磁気
    表示板。
  9. 【請求項9】合成樹脂フィルムがポリエステルフィル
    ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
    ポリ塩化ビニルフィルム又はポリカーボネートフィルム
    のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載のマ
    イクロカプセル磁気表示板。
  10. 【請求項10】合成樹脂フィルムの厚みが50μm〜2
    00μmであることを特徴とする請求項8又は請求項9
    に記載のマイクロカプセル磁気表示板。
  11. 【請求項11】接着剤層の厚みが30μm〜300μm
    であることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいず
    れかに記載のマイクロカプセル磁気表示板。
  12. 【請求項12】マイクロカプセルを含む分散層のバイン
    ダーが透明水性接着剤であることを特徴とする請求項5
    乃至請求項11のいずれかに記載のマイクロカプセル磁
    気表示板。
  13. 【請求項13】透明フィルム表面シートがポリエチレン
    フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフ
    ィルム、ポリエステルフィルム又はポリカーボネートの
    いずれかであることを特徴とする請求項5乃至請求項1
    2のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示板。
  14. 【請求項14】透明フィルム表面シートの厚みが30μ
    m〜250μmであることを特徴とする請求項5乃至請
    求項13のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気表示
    板。
  15. 【請求項15】マイクロカプセル中の分散媒、マイクロ
    カプセル被膜、透明フィルム層、マイクロカプセル分散
    層中の透明水性接着剤又は圧力緩衝部材の少なくともい
    ずれかに着色剤を含有することを特徴とする請求項5乃
    至請求項14のいずれかに記載のマイクロカプセル磁気
    表示板。
  16. 【請求項16】(1)〜(8)の工程を行うことを特徴
    とする請求項5乃至請求項15のいずれかに記載のマイ
    クロカプセル磁気表示板の製造方法。 (1)20℃〜60℃のゼラチン水溶液に磁性粉、非磁
    性粉及び分散媒を添加して攪拌する工程 (2)得られた混合溶液にアラビアゴム水溶液を加えた
    後、pHを下げて酸性とし、更に温度を20℃以下に下
    げてゼラチン/アラビアゴムの重合体膜を生成させる工
    程 (3)該重合体膜を硬化してマイクロカプセルを形成す
    る工程 (4)得られたマイクロカプセルの平均粒径を越える大
    きさのものを除去することにより上限を揃え、かつ水分
    を除去する工程 (5)得られたマイクロカプセルを水性透明接着剤に分
    散してマイクロカプセル分散物を製造する工程 (6)該分散物を透明基板に塗布する工程 (7)得られた透明基板を乾燥してマイクロカプセル分
    散物被覆層を形成する工程 (8)得られた分散物被覆層の表面に圧力緩衝部材を設
    ける工程
  17. 【請求項17】(4)の工程において、水分を除去する
    ために水溶液を40%〜70%に濃縮することを特徴と
    する請求項16に記載のマイクロカプセル磁気表示板の
    製造方法。
  18. 【請求項18】(5)の工程において、水性透明接着剤
    が水性ウレタン樹脂、水性芳香族ポリエステル樹脂ある
    いは水性分散型ウレタン樹脂のいずれかであることを特
    徴とする請求項16又は請求項17に記載のマイクロカ
    プセル磁気表示板の製造方法。
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