JP2838062B2 - 非対称膜による不飽和炭化水素ガスの選択的分離方法 - Google Patents

非対称膜による不飽和炭化水素ガスの選択的分離方法

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JP2838062B2 JP23242695A JP23242695A JP2838062B2 JP 2838062 B2 JP2838062 B2 JP 2838062B2 JP 23242695 A JP23242695 A JP 23242695A JP 23242695 A JP23242695 A JP 23242695A JP 2838062 B2 JP2838062 B2 JP 2838062B2
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和炭化水素
ス(以下単に「不飽和炭化水素」という)と飽和炭化水
ガス(以下単に「飽和炭化水素」という)を含む混合
ガス(以下単に「混合物」という)から不飽和炭化水
素を分離する方法に関するものである。さらに詳しくは
石油精製工業や石油化学工業等にて発生する不飽和炭化
水素と飽和炭化水素を含む混合物から不飽和炭化水素を
分離、濃縮する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油精製工業や石油化学工業にて、膜を
利用して不飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混合物か
ら不飽和炭化水素を分離する方法は、科学的及び経済的
観点から永年研究されており、これまでにいくらかの検
討例が報告されている。例えば、米国特許第29586
56号明細書は、炭化水素混合物、即ち、ナフサを非ポ
ーラス型セルロースエーテル膜に供給し、その一部を膜
透過させ、洗浄ガス又は洗浄液を使用して膜の透過側か
ら透過物を除去することにより、不飽和炭化水素と飽和
化合物と芳香族化合物を分離する方法を開示している。
米国特許第2930754号明細書は、ガソリンの沸点
範囲の温度で留出してくる混合物の一部を非ポーラス型
セルロースエーテル膜に選択的に透過させ、その透過物
を洗浄ガス又は洗浄液を使用して非対称膜の透過側から
除去することにより、不飽和炭化水素や芳香族化合物の
炭化水素を分離する方法を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案の膜による不飽和炭化水素の分離方法は、分離膜の多
くが不飽和炭化水素に対する分離能が未だ十分ではな
く、更に、透過性も十分でない問題がある。そのため、
不飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混合物からの不飽
和炭化水素の膜分離法は、性能面、コスト面の問題から
広く工業的規模で普及していないのが現状である。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決するため
になされたものであって、不飽和炭化水素に対して高い
分離能と高い透過性を有し、性能面、コスト面共に実用
的に満足できる不飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混
合物からの不飽和炭化水素の膜分離方法を提供すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の非対称膜による不飽和炭化水素の選択的分
離方法は、不飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混合液
を、フッ素含有ポリイミド樹脂を主成分とし、不飽和炭
化水素を選択的に透過させるスキン状薄層とそれを支持
する多孔質構造層から構成される非対称膜の一方の面に
接触させ、この非対称膜を通して、不飽和炭化水素を選
択的に透過させ分離するという構成を備えたものであ
る。
【0006】前記構成においては、フッ素含有ポリイミ
ド樹脂への不飽和炭化水素の溶解度係数と飽和炭化水素
の溶解度係数の関係が、25℃、50torr以上の測定に
おいて、フッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素の収着
が平衡時に、{溶解度係数比(不飽和炭化水素/飽和炭
化水素)≧1.2}であることが好ましい。上記収着と
はポリマーへの気体の溶解を表す。上記50torr以上と
は、上記炭化水素の物性によっては、大気圧以上では液
体であるとき、真空引き(減圧引き)して気体とするこ
とにより、測定するものである。
【0007】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に少なく
とも3個のフッ素原子を有することが好ましい。また前
記構成においては、フッ素含有ポリイミド樹脂を構成す
る繰り返し分子構造単位中に少なくとも1つの−CF3
基を有することが好ましい。
【0008】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂が、実質的に前記式(化1)で表される繰り
返し単位を主成分とすることが好ましい。また前記構成
においては、フッ素含有ポリイミド樹脂が、実質的に前
記式(化2)で表される繰り返し単位を主成分とするこ
とが好ましい。
【0009】前記した本発明の構成によれば、不飽和炭
化水素と飽和炭化水素を含む混合物をフッ素含有ポリイ
ミド樹脂を主成分とし、不飽和炭化水素を選択的に透過
させるスキン状薄層とそれを支持する多孔質構造層から
構成される非対称膜の一方の面に接触させ、この膜を通
して、不飽和炭化水素を選択的に透過させ分離すること
により、不飽和炭化水素に対して高い分離能と高い透過
性を有し、性能面、コスト面共に実用的に満足できる不
飽和炭化水素の選択的膜分離方法を実現できる。
【0010】前記において、フッ素含有ポリイミド樹脂
への不飽和炭化水素の溶解度係数と飽和炭化水素の溶解
度係数との関係が、25℃、50torr以上の測定におい
て、フッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素の収着が平
衡時に、{溶解度係数比(不飽和炭化水素/飽和炭化水
素)≧1.2}であるとさらに好ましい不飽和炭化水素
の選択的膜分離ができる。ここで、溶解度係数とは、温
度一定にて、単位圧力、ポリマー単位容積あたりに溶解
する気体の容量を表す。したがって、溶解度係数は、ポ
リマーと気体との親和性の指標として用いることができ
る。均質ポリマーへの気体の透過性は、気体のポリマー
への溶解過程と気体のポリマー中での拡散過程により決
定され、具体的には、ポリマーへの溶解度係数とポリマ
ー中における気体の拡散係数の積で表されることがよく
知られている。このため、混合気体を溶解度係数の差を
利用して、個別成分に分離することが可能である。本発
明者は、この点に着眼し、鋭意検討した結果、25℃、
50torr以上の測定において、炭化水素の収着が平衡時
に、{溶解度係数比(不飽和炭化水素/飽和炭化水素)
≧1.2}の条件を満たすフッ素含有ポリイミド樹脂を
非対称膜を構成するスキン状薄層材料として用いた場合
に不飽和炭化水素に対して高い分離能と高い透過性を有
する非対称分離膜が得られることを見いだした。
【0011】25℃、50torr以上の測定において、炭
化水素の収着が平衡時に、{溶解度係数比(不飽和炭化
水素/飽和炭化水素)が1.2未満場合は、非対称膜の
スキン状薄層を構成するポリマーと不飽和炭化水素との
親和性が小さくなるため不飽和炭化水素の透過性が低下
する傾向となる。
【0012】前記において、{溶解度係数比(不飽和炭
化水素/飽和炭化水素)≧1.2}は、フッ素含有ポリ
イミド樹脂への不飽和炭化水素の溶解度係数が、飽和炭
化水素の溶解度係数よりも1.2倍であることを示す。
【0013】また前記において、フッ素含有ポリイミド
樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に少なくとも3
個のフッ素原子を有すると、さらに好ましい選択性を発
揮する。
【0014】また前記構成において、フッ素含有ポリイ
ミド樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に少なくと
も1つの−CF3 基を有すると、さらに好ましい選択性
を発揮する。
【0015】さらには、フッ素含有ポリイミド樹脂のフ
ッ素含有量は6個〜12個(繰り返し分子単位中のフッ
素原子の個数)であることが、実質的に安定した高品質
を有する不飽和炭化水素分離膜を得るのに好ましい。ま
た、12個を越えると原料コストが高くなり実用性が低
下する傾向となる。
【0016】また前記において、フッ素含有ポリイミド
樹脂が、実質的に前記式(化1)で表される繰り返し単
位を主成分とすると、コストも低く実用的で好ましい。
また前記構成において、フッ素含有ポリイミド樹脂が、
実質的に前記式(化2)で表される繰り返し単位を主成
分とすると、コストも低く実用的で好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、不飽和炭化水素と飽和
炭化水素を含む混合物を、フッ素含有ポリイミド樹脂を
主成分とし、不飽和炭化水素を選択的に透過させるスキ
ン状薄層とそれを支持する多孔質構造層から構成される
非対称膜の一方の面に接触させ、この非対称膜を通し
て、不飽和炭化水素を選択的に透過させ分離する方法を
見いだし、本発明に至ったものである。フッ素含有ポリ
イミドの多くは、高いガラス転移温度と剛直でバルキー
な分子鎖構造を有するため、耐熱性、耐化学薬品性、気
体分離性等に優れた膜分離材料として知られている。例
えば、特開平5−7749公報、米国特許第38222
02号、米国特許第3899309号、米国特許第45
32041号、米国特許第4645824号、米国特許
第4705540号、米国特許第4717393号、米
国特許第4717394号、米国特許第4838900
号、米国特許第4897092号、米国特許第4932
982号、米国特許第4929405号、米国特許第4
981497号、米国特許第5042992号の各明細
書等には含フッ素系の芳香族ポリイミドが開示されてい
る。本発明においては、前記公知のフッ素含有ポリイミ
ド樹脂を主成分とするスキン状薄層を有する非対称膜を
適用することができる。
【0018】本発明で使用が可能な一例のフッ素含有ポ
リイミド樹脂を主成分とするスキン状薄層を挙げると、
前記式(化2)中、フッ素原子を少なくとも3個以上有
する4価の有機基としては、A1 またはA2 の4価のプ
ロトンがフッ素原子またはフッ素原子を含む基に置き換
わったものが用いられ、例えば、下記式(化3)で表さ
れる4価の有機基などが好ましく用いられる。
【0019】
【化3】
【0020】フッ素原子を少なくとも3個以上有する有
機基としては、R1またはR2の2価の有機基のプロト
ンがフッ素原子またはフッ素原子を含む基に置換したも
のであれば特に限定されないが、より好ましくは、R1
またはR2の2価の有機基の少なくとも1つのプロトン
が、1つの−CF3 基に置き換わったものが用いられ
る。具体的には、下記式(化4)〜(化7)で表される
2価の有機基が好ましく用いられる。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】さらに本発明に用いられるフッ素含有ポリ
イミド樹脂は実質的に、前記式(化2)で表される繰り
返し単位を主成分とすることがより好ましい。本発明に
用いられるフッ素含有ポリイミド樹脂は単独で用いられ
てもよいが、2種類以上の混合物としても用いられる。
更には、50モル%以下であればフッ素含有ポリイミド
樹脂以外のポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどの
ポリマーとの共重合体、もしくは混合物であってもよ
い。
【0026】本発明で用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分(た
だし、前記酸成分またはアミン成分中少なくとも一方の
成分にはフッ素含有基を含む)をほぼ等モル量用い、極
性溶媒中、約80℃以下の温度、好ましくは、0〜60
℃で撹拌し、ポリアミック酸を重合する。ここで用いら
れる極性溶媒は特に限定されないが、N−メチル−2−
ピロリドン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル
尿素、フェノール、クレゾールなどが好適に用いられ
る。
【0027】得られたポリアミック酸の極性溶媒溶液に
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第
3級アミン化合物、無水酢酸、塩化チオニル、カルボジ
イミドなどのイミド化促進剤を添加し、5〜150℃の
温度で撹拌し、イミド化する。イミド化反応を行う際、
イミド化促進剤を添加することなく、上記ポリアミック
酸溶液を100〜400℃、好ましくは、120〜30
0℃で加熱してイミド化してもよい。イミド化反応後、
重合時の極性溶媒やイミド化促進剤を除去するために、
多量のアセトン、アルコールまたは水等の溶液に滴下
し、精製することにより非対称膜のスキン状薄層材料と
して好適なポリイミド樹脂が得られる。
【0028】また、イミド化促進剤を添加することな
く、イミド化反応を行う場合は、ポリアミック酸溶液を
多量のアセトン、またはアルコール等の溶液に滴下して
得られたポリアミック酸粉末やポリアミック酸溶液から
溶媒を蒸発させて得られたポリアミック酸の固体(蒸発
の際、沈殿剤等を加えてポリアミック酸粉末を形成さ
せ、瀘別してもよい)を100〜400℃に加熱してイ
ミド化することにより、非対称膜のスキン状薄層材料と
して好適なポリイミド樹脂が得られる。
【0029】本発明で用いられる非対称膜の製膜法は、
特に限定されないが、生産性、コスト面から湿式相転換
製膜法が好ましく用いられる。例えば、上述のフッ素含
有ポリイミド樹脂を所定の有機溶媒に溶解して製膜液を
調製し、製膜液をガラス、金属、プラスチック等の平板
や管、あるいは、織布、不織布等の支持体上に一定の厚
さで流延し、凝固液(製膜液中のフッ素含有ポリイミド
樹脂は溶解しないが、製膜液中の有機溶媒と相溶性のあ
る溶媒)に浸漬するか、又は、製膜液を同芯円状の2重
構造のノズルから押し出し、上記凝固液に浸漬して非対
称膜を調製し、その後、膜を乾燥する方法をとることが
できる。
【0030】本発明で用いられる製膜液中の有機溶媒
は、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリド
ン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、1,2−ジメトキシメタン等が挙げられる。こ
れらの有機溶媒は、単独で用いる以外に、2種以上の混
合溶媒としても用いられる。上記有機溶媒は、極性が小
さく、凝固液として用いる溶媒との親和性の弱い溶媒が
好ましく、例えば、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、1,2−ジメトキシメタン等が好ましく用いられ
る。凝固液として用いる溶媒と親和性の弱い溶媒を製膜
液に用いた場合、湿式相転換製膜時にスキン状薄層の形
成よりも製膜液中の溶媒が凝固液として用いる溶媒中へ
浸出する速度が十分小さくなる。その結果、広範囲にわ
たって、分離性能を大きく低下させるピンホールが存在
しない均質なスキン状薄層と多孔質構造層を有する非対
称膜を得ることができる。
【0031】上記有機溶媒を浸漬し除去する際に用いら
れる凝固液は、用いるフッ素含有ポリイミド樹脂を溶解
しないが、製膜液中の有機溶媒と相溶性を有する溶媒で
あれば、特に限定されないが、水やメタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール等のアルコール類及びこ
れらの混合液が用いられ、特に水が好適に用いられる。
製膜液中の有機溶媒を浸漬除去する時の凝固液の温度は
特に限定されないが、好ましくは0〜50℃の温度で行
われる。
【0032】本発明における製膜液のポリイミド溶液濃
度は3〜40重量%、好ましくは10〜30重量%であ
る。また、製膜液を調製する場合に必要に応じて、膨潤
剤、分散剤、増粘剤等を加えてもよい。
【0033】本発明で用いる非対称膜は、さらにそのフ
ッ素含有ポリイミド薄膜の表面をエラストマー重合体を
用いて塗布することが好ましい。エラストマー重合体の
薄膜を形成させて積層することは、上記非対称膜表面の
欠陥を塞ぐと同時に表面に傷が付くことを防ぐ上で好適
である。上記エラストマー重合体としては、柔軟なフィ
ルム形成能を有する重合体をいい、具体例としては、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、クロロプレンゴム、ポ
リ(4−メチル−ペンテン−1)、ブタジエン−スチレ
ン共重合体、イソプレン−イソブチレン共重合体、また
はポリイソブチレン等のようなエチレン性単量体又は共
役ジエン系単量体の単独重合体や共重合体、さらに上記
単量体成分に加えて、アクリロニトリル、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸等のような官能基
を有する単量体成分を含有する共重合体、あるいはポリ
エーテルポリオール、ポリウレタンポリエーテル、ポリ
ウレタンポリエステル又はポリアミドポリエステル等の
ような所謂ソフトセグメントとハードセグメントとを併
せ有する共重合体を挙げることができる。さらに、上記
以外にも直鎖長鎖状の硬化剤によって硬化されるエポキ
シ樹脂や、エチルセルロース、ブトキシ樹脂等も、本発
明においては前記エラストマー重合体として用いること
ができる。本発明においてエラストマー重合体として
は、架橋性シリコーン樹脂が特に好ましく用いられる。
かかる架橋性シリコーン樹脂は、架橋前は有機溶剤に可
溶性であるが、架橋後には有機溶剤に不溶性の樹脂とな
るシリコーン樹脂であり、例えば、特開昭59−225
705号公報に記載されている方法にしたがって製膜す
ることができる。
【0034】また、本発明における非対称膜の形状は特
に限定されないが、チューブ状(中空糸状を含む)、平
膜状のものが好適に用いられる。
【0035】
【実施例】以下に具体例を挙げて実施例を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0036】
【実施例1】前記式(化6)で表される繰り化し単位と
するフッ素含有ポリイミドを以下の方法で合成した。
5,5´−2,2´−トリフルオロ−1−(トリフルオ
ロメチル)エチリデン−ビス−1,3−イソベンゾフラ
ンジオン(6FDA)0.1molと2,2−ビス(4
−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAA
F)0.1molをN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)溶液中で4時間反応させポリアミック酸を得た。こ
の後、ピリジン0.3molと無水酢酸0.3molを
加え、15時間イミド化反応を行った。反応後、更にN
MPに加えて8重量%に希釈し、過剰量の水中に上記N
MP溶液を滴下した後に精製し、前記式(化2)で表さ
れる繰り返し単位を構造単位とするフッ素含有ポリイミ
ドを得た。得られたフッ素含有ポリイミドの物性値は、
ガラス転移温度が301℃で、重量平均分子量は15
9,000であった。
【0037】得られたフッ素含有ポリイミドについて、
温度25℃、供給圧力2atmにて、プロピレンとプロ
パンの溶解度係数を評価したところ、収着平衡時の溶解
度係数比(プロピレン/プロパン)は1.4であった。
【0038】したがって、膜の材料、溶解度係数比は、
本発明における非対称膜のスキン状薄膜材料としての条
件を満足するものであった。次に、前記式(化2)で表
される繰り返し単位を構造単位とするフッ素含有ポリイ
ミド18重量部にジエチレングリコールジメチルエーテ
ル82重量部を加え、100℃で6時間撹拌し溶解し
た。その後、濾過し、静置して十分に脱泡し、製膜液を
調整した。かかる製膜液をアプリケータを用いポリエス
テル不織布上に、幅20cm、厚さ300μmでキャス
トし、凝固液である5℃の水中に1時間浸漬した。この
後、水で洗浄し、室温で風乾することで非対称膜を得
た。かかる非対称膜の表面をエラストマー重合体である
架橋性シリコン樹脂溶液(General Electric (株)製Si
licones のRTV615のヘキサン3wt%溶液)で塗
布し、110℃で30分間熱処理することにより、エラ
ストマー重合体の薄膜を形成させ積層させた。得られた
エラストマー薄膜層を有する非対称膜について、プロピ
レンとプロパンの分離透過性能を温度25℃で評価した
結果を後にまとめて表1に示す。
【0039】
【実施例2】プロピレン、プロパンの代わりにn−ブタ
ン、1−ブテン、1,3−ブタジエンを用いた以外は実
施例1と同様にして収着平衡時のフッ素含有ポリイミド
樹脂への溶解度係数を評価したところ、溶解度係数比
(1−ブテン/n−ブタン)は1.4であり、溶解度係
数比(1,3−ブタジエン/n−ブタン)は1.7であ
った。したがって、膜の材料、溶解度係数比は本発明に
おける非対称膜のスキン状薄膜材料としての条件を満足
するものであった。次に、n−ブタン、1−ブテン、
1,3−ブタジエンについて、実施例1と同様にして分
離透過性能を評価した結果を後にまとめて表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかな通り、本発明の実施例品
は不飽和炭化水素に対して高い分離能と高い透過性を有
することが確認できた。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、ポリマー
と透過成分との親和性の差により、不飽和炭化水素の溶
解度係数が飽和炭化水素の溶解度係数に比べて所定値以
上の比率を満足するフッ素含有ポリイミド樹脂から構成
されたスキン状薄層を有する非対称膜を調製すること
で、不飽和炭化水素に対して高度な透過性と高度の分離
能を有する非対称膜が得られ、この非対称膜を用いて、
性能面、コスト面においても実用的に満足しうる不飽和
炭化水素と飽和炭化水素を含む混合物からの不飽和炭化
水素の分離方法を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10G 31/09 C10G 31/09 (56)参考文献 特開 平5−7749(JP,A) 特開 平5−146650(JP,A) 特開 平6−182167(JP,A) 特開 平3−267130(JP,A) 特開 平7−178311(JP,A) 特開 昭62−114628(JP,A) 特開 昭60−22902(JP,A) 特開 平7−324047(JP,A) 特開 平8−173779(JP,A) 特開 平8−173778(JP,A) 特開 昭50−95205(JP,A) 特開 昭53−105402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 61/36 B01D 71/64 C07C 7/144 C07C 11/02 C08G 73/10 C10G 31/09

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和炭化水素ガスと飽和炭化水素ガス
    を含む混合物ガスから不飽和炭化水素ガスを分離する方
    法において、不飽和炭化水素ガスと飽和炭化水素ガス
    含む混合物ガスを、フッ素含有ポリイミド樹脂を主成分
    とし、不飽和炭化水素ガスを選択的に透過させるスキン
    状薄層とそれを支持する多孔質構造層から構成される非
    対称膜の一方の面に接触させ、この非対称膜を通して、
    不飽和炭化水素ガスを選択的に透過させ分離することを
    特徴とする非対称膜による不飽和炭化水素ガスの選択的
    分離方法。
  2. 【請求項2】 フッ素含有ポリイミド樹脂への不飽和炭
    化水素ガスの溶解度係数と飽和炭化水素ガスの溶解度係
    数の関係が、25℃、50torr以上の測定において、フ
    ッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素ガスの収着が平衡
    時に、{溶解度係数比(不飽和炭化水素ガス/飽和炭化
    水素ガス)≧1.2}である請求項1記載の非対称膜に
    よる不飽和炭化水素ガスの選択的分離方法。
  3. 【請求項3】 フッ素含有ポリイミド樹脂を構成する繰
    り返し分子構造単位中に少なくとも3個のフッ素原子を
    有する請求項1または2に記載の非対称膜による不飽和
    炭化水素ガスの選択的分離方法。
  4. 【請求項4】 フッ素含有ポリイミド樹脂を構成する繰
    り返し分子構造単位中に少なくとも1つの−CF3 基を
    有する請求項1または2に記載の非対称膜による不飽和
    炭化水素ガスの選択的分離方法。
  5. 【請求項5】 フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に下
    記式(化1)で表される繰り返し単位を主成分とする請
    求項1または2に記載の非対称膜による不飽和炭化水素
    ガスの選択的分離方法。 【化1】
  6. 【請求項6】 フッ素含有ポリイミド樹脂が、実質的に
    下記式(化2)で表される繰り返し単位を主成分とする
    請求項1または2に記載の非対称膜による不飽和炭化水
    ガスの選択的分離方法。 【化2】
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