JP2838061B2 - 不飽和炭化水素ガスの選択的分離方法 - Google Patents

不飽和炭化水素ガスの選択的分離方法

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JP2838061B2
JP2838061B2 JP23241395A JP23241395A JP2838061B2 JP 2838061 B2 JP2838061 B2 JP 2838061B2 JP 23241395 A JP23241395 A JP 23241395A JP 23241395 A JP23241395 A JP 23241395A JP 2838061 B2 JP2838061 B2 JP 2838061B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和炭化水素
ス(以下単に「不飽和炭化水素」という)と飽和炭化水
ガス(以下単に「飽和炭化水素」という)を含む混合
ガス(以下単に「混合物」という)から不飽和炭化水
素を分離する方法に関する。さらに詳しくは、石油精製
工業や石油化学工業等にて発生する不飽和炭化水素と飽
和炭化水素を含む混合物から不飽和炭化水素を分離、濃
縮する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油精製工業や石油化学工業等にて、膜
を利用して不飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混合物
から不飽和炭化水素を分離する方法は、科学的及び経済
的観点から永年研究されており、これまでにいくらかの
検討例が報告されている。例えば、米国特許第2958
656号明細書は、炭化水素混合物、即ち、ナフサを非
ポーラス型セルロースエーテル膜に供給し、その一部を
膜透過させ、洗浄ガス又は洗浄液を使用して膜の透過側
から透過物を除去することにより、不飽和化合物と飽和
化合物と芳香族化合物を分離する方法を開示している。
また米国特許第2930754号明細書は、ガソリンの
沸点範囲の温度で留出してくる混合物の一部を非ポーラ
ス型セルロースエーテル膜に選択的に透過させ、その透
過物を洗浄ガス又は洗浄液を使用して膜の透過側から除
去することにより、不飽和炭化水素や芳香族化合物等の
炭化水素を分離する方法を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている膜による不飽和炭化水素の分離方法は、分
離膜の多くが不飽和炭化水素に対する分離能が未だ十分
ではなく、更に、透過性も十分でないという問題があっ
た。そのため、不飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混
合物からの不飽和炭化水素の膜分離法は、性能面、コス
ト面の問題から広く工業的規模で普及していないのが現
状である。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決するため
になされたものであって、不飽和炭化水素に対して高い
分離能と高い透過性を有し、性能面、コスト面共に実用
的に満足できる不飽和炭化水素の選択的膜分離方法を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の不飽和炭化水素の選択的分離方法は、不飽
和炭化水素と飽和炭化水素を含む混合物を、フッ素含有
ポリイミド樹脂を主成分とする膜の一方の面に接触さ
せ、この膜を通して、不飽和炭化水素を選択的に透過さ
せ分離するという構成を備えたものである。
【0006】前記構成においては、フッ素含有ポリイミ
ド樹脂への不飽和炭化水素の溶解度係数と飽和炭化水素
の溶解度係数との関係が、25℃、50Torr以上の測定
において、フッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素の収
着が平衡に達した時点で、{溶解度係数比(不飽和炭化
水素/飽和炭化水素)≧1.2}であることが好まし
い。上記収着とは、ポリマーへの気体の溶解を表す。上
記50Torr以上とは、上記両炭化水素の物性によって
は、大気圧以上では液体であるとき、真空引き(減圧引
き)して気体とすることにより、測定するものである。
【0007】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に、少な
くとも3個のフッ素原子を有することが好ましい。また
前記構成においては、フッ素含有ポリイミド樹脂を構成
する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも1つの−C
3 基を有することが好ましい。
【0008】また前記構成においては、フッ素含有ポリ
イミド樹脂が実質的に前記式(化1)で表される繰り返
し単位を主成分とすることが好ましい。また前記構成に
おいては、フッ素含有ポリイミド樹脂が、実質的に前記
式(化2)で表される繰り返し単位を主成分とすること
が好ましい。
【0009】前記した本発明の構成によれば、不飽和炭
化水素と飽和炭化水素を含む混合物を、フッ素含有ポリ
イミド樹脂を主成分とする膜の一方の面に接触させ、こ
の膜を通して、不飽和炭化水素を選択的に透過させ分離
することにより、不飽和炭化水素に対して高い分離能と
高い透過性を有し、性能面、コスト面共に実用的に満足
できる不飽和炭化水素の選択的膜分離方法を実現でき
【0010】前述において、フッ素含有ポリイミド樹脂
への不飽和炭化水素の溶解度係数と飽和炭化水素の溶解
度係数との関係が、25℃、50Torr以上の測定におい
て、フッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素の収着が平
衡に達した時点で、{溶解度係数比(不飽和炭化水素/
飽和炭化水素)≧1.2}であるとさらに好ましい不飽
和炭化水素の選択的分離膜ができる。ここで溶解度係数
とは、温度一定にて、単位圧力、ポリマー単位容積あた
りに溶解する気体の容量を表す。したがって、溶解度係
数は、ポリマーと気体との親和性の指標として用いるこ
とができる。均質ポリマーへの気体の透過性は、気体の
ポリマーへの溶解過程と気体のポリマー中での拡散過程
により決定され、具体的には、ポリマーへの溶解度係数
とポリマー中における気体の拡散係数の積で表されるこ
とがよく知られている。このため、混合気体を溶解度係
数の差を利用して、個別成分に分離することが可能とな
る。本発明者は、この点に着眼し、鋭意検討した結果、
25℃、50Torr以上の測定において、フッ素含有ポリ
イミド樹脂への炭化水素の収着が平衡に達した時点で、
溶解度係数比(不飽和炭化水素/飽和炭化水素)≧1.
2の条件を満たすフッ素含有ポリイミド樹脂を膜材料と
して用いた膜が、不飽和炭化水素に対して高い分離能と
高い透過性を有することを見いだした。25℃、50To
rr以上の測定において、フッ素含有ポリイミド樹脂への
炭化水素の収着が平衡に達した時点で、溶解度係数比
(不飽和炭化水素/飽和炭化水素)が1.2未満の場合
は、膜を構成するポリマーと透過成分との親和性が小さ
くなるため不飽和炭化水素の透過性が低下する傾向とな
る。フッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素の収着時間
を短縮し、収着平衡前に測定した場合は、溶解度係数比
(不飽和炭化水素/飽和炭化水素)は、不飽和炭化水素
と飽和炭化水素の収着挙動の違いにより収着平衡時より
も大きい場合がある。前記において、{溶解度係数比
(不飽和炭化水素/飽和炭化水素)≧1.2}は、フッ
素含有ポリイミド樹脂への不飽和炭化水素の溶解度係数
が、飽和炭化水素の溶解度係数よりも1.2倍であるこ
とを示す。
【0011】また前記において、フッ素含有ポリイミド
樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも
3個のフッ素原子を有すると、さらに好ましい選択性を
発揮する。
【0012】また前記において、フッ素含有ポリイミド
樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中に、少なくとも
1つの−CF3 基を有すると、さらに好ましい選択性を
発揮する。さらには、フッ素含有ポリイミド樹脂のフッ
素含有量は6個〜12個(繰り返し分子構造単位中のフ
ッ素原子の個数)であることが、実質的に安定した高品
質を有する不飽和炭化水素分離膜を得るのに好ましい。
また12個を越えると原料コストが高くなり実用性が低
下する傾向となる。
【0013】また前記において、フッ素含有ポリイミド
樹脂が実質的に前記式(化1)で表される繰り返し単位
を主成分とすると、コストも低く実用的で好ましい。ま
た前記において、フッ素含有ポリイミド樹脂が、実質的
に前記式(化2)で表される繰り返し単位を主成分とす
ると、コストも低く実用的で好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は、不飽和炭化水素と飽
和炭化水素を含む混合物を、フッ素含有ポリイミド樹脂
を主成分とする膜の一方の面に接触させ、この膜を通し
て、不飽和炭化水素を選択的に透過させ高度に分離する
方法を見いだし、本発明に至ったものである。フッ素含
有ポリイミドの多くは、高いガラス転移温度と剛直でバ
ルキーな分子鎖構造を有するため、耐熱性、耐化学薬品
性、気体分離性等に優れた膜分離材料として知られてい
る。例えば、特開平5−7749号公報、米国特許第3
822202号、米国特許第3899309号、米国特
許第4532041号、米国特許第4645824号、
米国特許第4705540号、米国特許第471739
3号、米国特許第4717394号、米国特許第483
8900号、米国特許第4897092号、米国特許第
4932982号、米国特許第4929405号、米国
特許第4981497号、米国特許第5042992号
の各明細書等には含フッ素系の芳香族ポリイミドが開示
されている。本発明においては、前記公知のフッ素含有
ポリイミド樹脂を主成分とする膜を適用することができ
る。
【0015】本発明で使用が可能な一例のフッ素含有ポ
リイミド樹脂を主成分とする膜を挙げると、前記式(化
2)中、フッ素原子を少なくとも3個以上有する4価の
有機基としては、A1 またはA2 の4価の有機基のプロ
トンがフッ素原子またはフッ素原子を含む基に置き変わ
ったものであれば特に限定されないが、より好ましく
は、A1 またはA2 の4価の有機基の少なくとも1つの
プロトンが1つの−CF 3 基に置き変わったものが用い
られ、例えば、下記式(化3)で表される4価の有機基
などが好ましく用いられる。
【0016】
【化3】
【0017】フッ素原子を少なくとも3個以上有する2
価の有機基としては、R1 またはR 2 の2価の有機基の
プロトンがフッ素原子またはフッ素原子を含む基に置換
したものであれば特に限定されないが、より好ましく
は、R1 またはR2 の2価の有機基の少なくとも1つの
プロトンが、1つの−CF3 基に置き変わったものが用
いられる。具体的には、下記式(化4)〜(化7)で表
される2価の有機基が好ましく用いられる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】さらに本発明に用いられるフッ素含有ポリ
イミド樹脂は実質的に、前記式(化2)で表される繰り
返し単位を主成分とすることがより好ましい。本発明に
用いられるフッ素含有ポリイミド樹脂は、単独で用いて
もよいが、2種類以上の混合物としても用いることがで
きる。さらには、50モル%以下であればフッ素含有ポ
リイミド樹脂以外のポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ンなどのポリマーとの共重合体、もしくは混合物であっ
てもよい。
【0023】本発明で用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分(た
だし、前記酸成分またはアミン成分中少なくとも一方の
成分はフッ素含有基を含む)を用いて、例えば、米国特
許第3959350号明細書に記載されているような公
知の重合方法で得られる。例えば、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物(ただし、前記酸成分またはア
ミン成分中少なくとも一方の成分はフッ素含有基を含
む)をほぼ等モル量を用い、極性溶媒中、約80℃以下
の温度、好ましくは、0〜60℃で攪拌し、ポリアミッ
ク酸を重合する。ここで用いられる極性溶媒は特に限定
されないが、N−メチルピロリドン、ピリジン、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、テトラメチル尿素、フェノール、クレゾール
などが好適に用いられる。
【0024】得られたポリアミック酸の極性溶媒溶液に
トリメチルアミン、トリエチルアミ、ピリジン等の第3
級アミン化合物、無水酢酸、塩化チオニル、カルボジイ
ミドなどのイミド化促進剤を添加し、5〜150℃の温
度で攪拌し、イミド化する。イミド化反応を行う際、イ
ミド化促進剤を添加することなく、上記ポリアミック酸
溶液を100〜400℃、好ましくは120〜300℃
で加熱してイミド化してもよい。
【0025】イミド化反応後、重合時の極性溶媒やイミ
ド化促進剤を除去するために、多量のアセトン、アルコ
ールまたは水等の溶液に滴下し精製することにより、膜
材料として好適なポリイミド樹脂が得られる。
【0026】また、イミド化促進剤を添加することな
く、イミド化反応を行う場合は、ポリアミック酸溶液を
多量のアセトン、またはアルコール等の溶液に滴下して
得られたポリアミック酸粉末やポリアミック酸溶液から
溶媒を蒸発させて得られたポリアミック酸の固体(蒸発
の際、沈殿剤等を加えてポリアミック酸粉末を形成さ
せ、濾別してもよい)を100〜400℃に加熱してイ
ミド化することにより、膜材料として好適なポリイミド
樹脂が得られる。
【0027】本発明で用いられる膜の製膜法は、特に限
定されないが、例えば、上述のフッ素含有ポリイミド樹
脂を適当な溶媒に溶解して製膜液を調製し、製膜液を中
空状に押し出すか、ガラス、金属、プラスチック等の平
滑な表面を有する平板や管に一定の厚さで流延し、次い
で、加熱処理により溶媒を除去する方法が好適に用いら
れる。
【0028】フッ素含有ポリイミド樹脂の溶媒として
は、特に限定されないがN−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシメタン等が挙げられる。
【0029】製膜液のポリイミド溶液濃度は3〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%である。また、製膜
液を調整する場合に必要に応じて、膨潤剤、分散剤、増
粘剤等を加えてもよい。製膜液を流延する手段として
は、例えば、ドクターナイフ、ドクタープレート、アプ
リケーター等を利用することができる。また、本発明に
おける膜の形状は特に限定されないが、チューブ状(中
空糸状を含む)、平膜状のものが好適に用いられる。
【0030】
【実施例】以下に具体的実施例を挙げて本発明を説明す
るが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものでは
ない。
【0031】(実施例1)前記式(化2)で表される繰
り返し単位とするフッ素含有ポリイミドを以下の方法で
合成した。5,5′−2,2′−トリフルオロ−1−
(トリフルオロメチル)エチリデン−ビス−1,3−イ
ソベンゾフランジオン(6FDA)0.1molと2,
2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン(BAAF)0.1molをN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)溶液中で4時間反応させポリアミック酸
を得た。この後、ピリジン0.3molと無水酢酸0.
3molを加え、15時間イミド化反応を行った。反応
後、更にNMPを加えて8重量%に希釈し、過剰量の水
中に上記NMP溶液を滴下した後に精製し、前記式(化
2)で表される繰り返し単位を構造単位とするフッ素含
有ポリイミドを得た。得られたフッ素含有ポリイミドの
物性値は、ガラス転移温度が301℃で、重量平均分子
量は159,000であった。
【0032】前記式(化2)で表される繰り返し単位を
構造単位とするフッ素含有ポリイミド16重量部を希釈
し、有機溶媒(A)としてジエチレングリコールジメチ
ルエーテル84重量部を加え、100℃で6時間攪拌し
溶解した。その後、濾過し、静置して十分に脱泡し、製
膜液を調整した。製膜液をアプリケータを用いガラス板
上に、幅20cm、厚さ200μmで流延し、110℃
で1時間、150℃で1時間さらに、200℃で3時間
加熱処理を施し、厚さ20μmのフッ素含有ポリイミド
よりなる均質膜を得た。
【0033】得られた膜について、温度25℃、供給圧
力2atmにて、収着平衡前と収着平衡時のプロピレン
とプロパンの溶解度係数を評価したところ、溶解度係数
比(プロピレン/プロパン)はそれぞれ、3.6と1.
4であった。したがって、膜の材料、溶解度係数比は本
発明の条件を満足するものであった。次に、得られた膜
について、プロピレンとプロパンの分離透過性能を温度
25℃にて評価した結果を後にまとめて表1に示す。
【0034】(実施例2)プロピレン、プロパンの代わ
りにn−ブタン、1−ブテン、1,3−ブタジエンを用
いた以外は実施例1と同様にして収着平衡前と収着平衡
時の膜への溶解度係数を評価したところ、溶解度係数比
(1−ブテン/n−ブタン)は、それぞれ2.6と1.
4であり、溶解度係数比(1,3−ブタジエン/n−ブ
タン)は、それぞれ5.6と1.7でった。したがっ
て、膜の材料、溶解度係数比は本発明の条件を満足する
ものであった。次に、n−ブタン、1−ブテン、1,3
−ブタジエンについて、実施例1と同様にして分離透過
性能を評価した結果を後にまとめて表1に示す。
【0035】(実施例3)2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAAF)の代わり
に1,4−フェニレンジアミンとし、有機溶媒(A)と
してジエチレングリコールジメチルエーテルの代わりに
NMPを用いた以外は実施例1と同様にして下記式(化
8)で表される繰り返し単位とするフッ素含有ポリイミ
ドよりなる均質膜を得た。
【0036】得られた膜について、温度25℃、供給圧
力2atmにて、収着平衡時のプロピレンとプロパンの
溶解度係数を評価したところ、溶解度係数比(プロピレ
ン/プロパン)は、2.8であった。したがって、膜の
材料、溶解度係数比は本発明の条件を満足するものであ
った。次に、得られた膜について、プロピレンとプロパ
ンの分離透過性能を温度25℃にて評価した結果を後に
まとめて表1に示す。
【0037】
【化8】
【0038】(実施例4)プロピレン、プロパンの代わ
りにn−ブタン、1−ブテン、1,3−ブタジエンを用
いた以外は実施例3と同様にして収着平衡時の膜への溶
解度係数を評価したところ、溶解度係数比(1−ブテン
/n−ブタン)は2.3であり、溶解度係数比(1,3
−ブタジエン/n−ブタン)は6.3でった。したがっ
て、膜の材料、溶解度係数比は本発明の条件を満足する
ものであった。次に、n−ブタン、1−ブテン、1,3
−ブタジエンについて、実施例3と同様にして分離透過
性能を評価した結果を後にまとめて表1に示す。
【0039】(比較例1)フッ素含有ポリイミド樹脂よ
り成る膜の代わりに、市販のフッ素樹脂製均質膜{ダイ
キン工業(株)製ネオフロンPFA、膜厚;12〜14
μm}、およびポリエチレン均質膜{大倉工業(株)
製、FC−50膜厚;30μm}を用いた以外は実施例
1と同様にして収着平衡時の溶解度係数を評価した。た
だし、ここで、PFAとは、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の略称で
ある。
【0040】その結果、ネオフロンPFAの溶解度係数
比(プロピレン/プロパン)は0.97、ポリエチレン
の溶解度係数比(プロピレン/プロパン)は0.99で
あった。したがって、膜の材料、溶解度係数比は本発明
の条件を満足するものではなかった。次に、上記市販膜
を用いて、実施例1と同様にして、分離透過性能を評価
した結果を表1に示す。分離係数(プロピレン/プロパ
ン)共に実施例1と比べて劣っていた。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、ポリマー
と透過成分との親和性の差により、不飽和炭化水素の溶
解度係数が飽和炭化水素の溶解度係数に比べて所定値以
上の比率を満足するフッ素含有ポリイミド樹脂を膜の主
成分に用いることで、不飽和炭化水素に対して高度な透
過性と高度な分離能を有する膜が得られ、この膜を用い
て、性能面、コスト面においても実用的に満足しうる不
飽和炭化水素と飽和炭化水素を含む混合物からの不飽和
炭化水素の分離方法を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10G 31/09 C10G 31/09 (56)参考文献 特開 平5−7749(JP,A) 特開 平6−182167(JP,A) 特開 平5−146650(JP,A) 特開 平7−178311(JP,A) 特開 平3−38229(JP,A) 特開 平5−31341(JP,A) 特開 平3−217220(JP,A) 特開 昭63−111921(JP,A) 特開 平4−108524(JP,A) 特開 平7−324047(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/22 B01D 71/64 C07C 7/144 C07C 11/02 C08G 73/10 C10G 31/09

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和炭化水素ガスと飽和炭化水素ガス
    を含む混合物ガスを、フッ素含有ポリイミド樹脂を主成
    分とする膜の一方の面に接触させ、この膜を通して、不
    飽和炭化水素ガスを選択的に透過させ分離する不飽和炭
    化水素ガスの選択的分離方法。
  2. 【請求項2】 フッ素含有ポリイミド樹脂への不飽和炭
    化水素ガスの溶解度係数と飽和炭化水素ガスの溶解度係
    数との関係が、25℃、50Torr以上の測定において、
    フッ素含有ポリイミド樹脂への炭化水素ガスの収着が平
    衡に達した時点で、{溶解度係数比(不飽和炭化水素
    /飽和炭化水素ガス)≧1.2}である請求項1に記
    載の不飽和炭化水素ガスの選択的分離方法。
  3. 【請求項3】 フッ素含有ポリイミド樹脂を構成する繰
    り返し分子構造単位中に、少なくとも3個のフッ素原子
    を有する請求項1または2に記載の不飽和炭化水素ガス
    の選択的分離方法。
  4. 【請求項4】 フッ素含有ポリイミド樹脂を構成する繰
    り返し分子構造単位中に、少なくとも1つの−CF3
    を有する請求項1または2に記載の不飽和炭化水素ガス
    の選択的分離方法。
  5. 【請求項5】 フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に下
    記式(化1)で表される繰り返し単位を主成分とする請
    求項1または2に記載の不飽和炭化水素ガスの選択的分
    離方法。 【化1】
  6. 【請求項6】 フッ素含有ポリイミド樹脂が、実質的に
    下記式(化2)で表される繰り返し単位を主成分とする
    請求項1または2に記載の不飽和炭化水素ガスの選択的
    分離方法。 【化2】
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