JP2832574B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

重合トナーの製造方法

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JP2832574B2 JP5351945A JP35194593A JP2832574B2 JP 2832574 B2 JP2832574 B2 JP 2832574B2 JP 5351945 A JP5351945 A JP 5351945A JP 35194593 A JP35194593 A JP 35194593A JP 2832574 B2 JP2832574 B2 JP 2832574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、懸濁重合によって製造
される重合トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法等に用いられるトナー
は、結着樹脂、着色剤及び電荷制御剤等を溶融混練後、
粉砕して分級する、いわゆる粉砕法により製造されてい
た。この粉砕法により製造されたトナーは平均粒子径が
10〜20μm程度であった。そして近年、電子複写機
においてはカラー化、高精細、高画質化が指向され、そ
れに伴いトナーも平均粒子径が10μm以下の小粒子径
トナーが切望されている。しかし、前記粉砕法では収率
よく小粒子径トナーを製造することは困難な状況であっ
た。このような、粉砕法の問題を解決するために重合性
単量体からトナーを懸濁重合法により製造することがお
こなわれている。懸濁重合法によりトナーを得る場合に
は、少なくとも重合性単量体および着色剤、主としてカ
ーボンブラック及び電荷制御剤を含有する単量体組成物
(油相)を、水混和性媒体(水相)の中で、適当な攪拌
機を用いてトナーの粒径に造粒(造粒工程)し、あらか
じめ添加されている重合開始剤または新たに加えられた
重合開始剤が熱によって分解するとき発生するラジカル
により、重合性単量体を重合させて重合体を形成(重合
工程)し、重合トナーを生成している。この懸濁重合法
で得られる重合トナーの形状は球形であるため、重合ト
ナーは流動性に優れている等の特徴を有している。しか
し、この懸濁重合法にも問題がある。すなわち、従来の
懸濁重合法では重合性単量体と共に電荷制御剤を油相中
に混合して、造粒工程、重合工程を行うため、重合粒子
の表面が樹脂成分で被われる。そのために電荷制御剤が
該粒子の表面に露出せず、よって摩擦帯電性に問題があ
る重合粒子が生成されるものであった。すなわちこのよ
うな重合粒子は実用上キャリアと攪拌混合された時に短
時間の間に重合トナーの摩擦帯電量が大きくならなかっ
たり、個々のトナー粒子の摩擦帯電量の分布が不均一な
トナー粒子が発生し、反対極性のトナー粒子の発生原因
となっていた。そして該トナー粒子は複写機内部で飛散
し転写紙の余白部分に地かぶりを生じたり、あるいは複
写機内部を汚染する(以下、トナー飛散と称する)とい
う問題を発生させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、キャ
リア等との摩擦に際して摩擦帯電量の立ち上がりが早
く、かつ摩擦帯電量の分布が均一なトナー粒子が得られ
る重合トナーの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
がかかえる問題点を解決するために、鋭意研究の結果、
水相中に電荷制御剤を分散後、油相の造粒工程を行うこ
とにより電荷制御剤がトナー粒子表面に均一に固定さ
れ、もって摩擦帯電量が十分に得られるトナー粒子が生
成され、また水相中に添加する電荷制御剤の量を変化さ
せることにより容易にトナー粒子の摩擦帯電量を制御す
ることができる事を見いだした。すなわち、本発明の請
求項1に記載の方法は、電荷制御剤が分散された水相
と、少なくとも重合性単量体、着色剤及び重合開始剤を
分散して得た油相とを、各々独立した槽に保持し、かつ
それぞれ独立した経路を通して、両者を制御された比率
で連続的に造粒機に供給し、所望の大きさの重合性液滴
群を有する懸濁液を得る工程と、該造粒機より該懸濁液
を取り出し、重合槽中に導いて重合反応を完結させて重
合体粒子を得る工程とからなることを特徴とする重合ト
ナーの製造方法である。また、本発明の請求項に記載
の方法は、電荷制御剤及び懸濁安定剤が分散された水相
と、少なくとも重合性単量体、着色剤及び重合開始剤を
分散して得た油相とを、各々独立した槽に保持し、かつ
それぞれ独立した経路を通して、両者を制御された比率
で連続的に造粒機に供給し、所望の大きさの重合性液滴
群を有する懸濁液を得る工程と、該造粒機より該懸濁液
を取り出し、重合槽中に導いて重合反応を完結させて重
合体粒子を得る工程とからなることを特徴とする重合ト
ナーの製造方法である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、まず電荷制御剤が分散された水相を得る。本
発明に用いられる電荷制御剤としては、カルボキシル
基、スルホン酸エステルもしくは含窒素基を有する有機
化合物の金属錯体、またはカルボキシル基、スルホン酸
エステルもしくは含窒素基を有する有機化合物の含金属
染料等や、主鎖あるいは側鎖にスルホン酸及びその塩、
第4級アンモニウム塩等の極性官能基を有する高分子化
合物等を挙げることができる。このうち、カルボキシル
基、スルホン酸エステルもしくは含窒素基を有する有機
化合物の金属錯体、またはカルボキシル基、スルホン酸
エステルもしくは含窒素基を有する有機化合物の含金属
染料が良好にトナー粒子表面に均一に固定されるため好
ましい。これら電荷制御剤を単独または二種以上を同時
に用いてもよい。電荷制御剤の水相中の添加量は、重合
トナーの摩擦帯電性、経済性および重合トナーの定着性
を考慮して重合性単量体100重量部に対し0.1〜1
0重量部が好ましく、特に0.5〜5重量部が好まし
い。0.1重量部より少ないと、摩擦帯電量が少なくて
良好な現像特性が得られにくいと共に重合トナー全体の
帯電量分布が不均一になりやすく、10重量部より多い
とトナー粒子の表面に均一に固定しにくくなり、その結
果必要量以上に高価な電荷制御剤を消費するために不経
済である。
【0006】また、本発明で用いられる懸濁安定剤とし
ては、その分子中に親水性基と疎水性基を有する水溶性
ポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、
ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドロキシプロ
ピルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、澱粉及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸及び
それらの塩等が挙げられ、あるいは固体微粉末が挙げら
れる。固体微粉末としては、例えば第三リン酸カルシウ
ムや炭酸カルシウム、銅や鉄等の金属微粉末、シリカ、
アルミナ等が挙げられる。このような懸濁安定剤のう
ち、固体微粉末が水に対して不溶性で、なおかつ加熱時
に比較的安定であるので好ましく、特に第三リン酸カル
シウム及び炭酸カルシウムは、油相中に分散させる重合
性単量体、着色剤及び磁性粉等の種類、量、性質を問わ
ずに均一の粒径を有する重合トナーが得られるので好ま
しい。これら懸濁安定剤を単独または二種以上を同時に
用いてもよい。懸濁安定剤の水相中の添加量は、水相中
の水100重量部に対して0.5〜20重量部が好まし
い。0.5重量部より少ないと10μm以下の小粒径の
重合トナーが得られにくい。一方、20重量部より多い
と水相の粘度が上がり小粒径の重合トナーが得られにく
く、かつ均一な粒径の重合トナーが得られにくい。この
ような懸濁安定剤は、油相中の重合性単量体および着色
剤等からなる単量体組成物の表面に付着し、該単量体組
成物を均一な粒子にする作用を有すると共に、電荷制御
剤を単量体組成物からなる粒子の表面に付着させる作用
を有する。なお、第三リン酸カルシウム及び炭酸カルシ
ウムからなる懸濁安定剤は、水相中において、重合粒子
を得た後、酸で洗浄し、重合粒子表面より除去すること
が、重合トナーの定着性及び摩擦帯電性が良好となるの
で好ましい。
【0007】また、水相に懸濁された単量体組成物を安
定化させ均一な粒子の重合トナーを得るために、懸濁助
剤としてドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を水相に添加
することが好ましい。懸濁助剤の添加量は、水相100
重量部に対して、0.005〜0.05重量部が好まし
い。
【0008】次に油相について説明する。本発明を構成
する油相は、少なくとも重合性単量体、着色剤及び重合
開始剤を分散してなるものである。本発明に用いられる
単量体組成物としては、例えば、下記のごとき重合可能
な重合性単量体を用いることができる。すなわち、重合
性単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メ
トキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルス
チレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、等のスチレン及び
その誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン、等のエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、等
のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニル、等の有機酸ビニルエステル類;
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、等のメ
タクリル酸及びその誘導体;アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ク
ロルエチル、アクリル酸フェニル、等のアクリル酸及び
その誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルイソブチルエーテル、等のビニルエーテル
類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロペニルケトン、等のビニルケトン類;N−ビ
ニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合
物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド等の重合性単量体を挙げる
ことができ、目的に応じて単量体単独または混合物とし
て使用すればよい。上記重合性単量体の中でも、スチレ
ンまたはスチレン誘導体を単独であるいはメタクリル酸
及びその誘導体やアクリル酸及びその誘導体と混合して
用いることが、重合トナーの現像特性および耐久性を高
める点で好ましい。
【0009】また、本発明で用いる着色剤としてはカ−
ボンブラックが適している。すなわち、本発明において
使用されるカ−ボンブラックとしては、個数平均粒径、
吸油量、pH等に制限なく使用できるが、市販品として
以下のものが挙げられる。例えば、米国キャボット社製
リーガル(REGAL)400、660、330、30
0、SRF−S、ステリング(STERLING)S
O、V、NS、R;コロンビア・カーボン日本社製ラー
ベン(RAVEN)H20、MT−P、410、42
0、430、450、500、760、780、100
0、1035、1060、1080;三菱化成工業社製
#10B、#5B、#40、#2400B、MA−10
0;等が挙げられる。また、これらのカ−ボンブラック
は単独で、あるいは二種以上を種々の組成に組み合わせ
て用いる。カ−ボンブラック以外の着色剤としては、単
量体組成物中に分散可能であり、トナーとして使用する
ときに鮮明かつ経時安定性にすぐれた色彩を呈するもの
を用いる。このような着色剤として、フタロシアニン系
顔料、ローダミンレーキ顔料、アゾレーキ顔料、酸化
鉄、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等が挙げられ
る。着色剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対
して1〜40重量部、好ましくは3〜20重量部用いら
れる。
【0010】また、本発明に用いられる重合開始剤とし
ては、重合性単量体に可溶であることが好ましい。この
ような重合開始剤としては、2,2’−アゾビスバレロ
ニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、その他のアゾ系またはジアゾ系
重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボ
ネート、その他の過酸化物系重合開始剤等が挙げられ
る。しかし、ベンゾイルパーオキサイド系の重合開始剤
等は、分解し安息香酸のようなカルボン酸を副生するた
めトナーの保存性などに悪影響を及ぼす恐れがあり、ま
た、芳香臭が発生する等の欠点があるため、アゾ系の重
合開始剤を用いることが好ましい。本発明においては、
分子量および分子量分布を制御する目的で、または反応
時間を制御する目的で、上記のような重合開始剤の二種
以上を種々の組成に組み合わせて用いることが好まし
い。また、更に、必要に応じて過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム等の水溶性開始剤を併用してもよい。重合
開始剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して
通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部で
ある。重合開始剤が0.1重量部未満では、重合時間が
長時間に及び、重合トナーの分子量が高くなりすぎる場
合がある。また、一方、重合開始剤が20重量部を越え
ると、重合トナーの分子量が低くなりすぎる場合がある
ため好ましくない。更に、また、本発明にける油相に
は、トナー中に耐ブロッキング性、耐久性改善のため、
前記重合性単量体の重合物に対する架橋剤が添加されて
いても何等問題はない。このような架橋剤としては、ジ
ビニルベンゼン等の架橋剤を単量体組成物に添加するこ
とができる。
【0011】上記の材料を使用して本発明の請求項1に
記載の方法を実施するには次のとおりおこなう。すなわ
ち、電荷制御剤が分散された水相と、少なくとも重合性
単量体、着色剤及び重合開始剤を分散して得た油相と
を、各々独立した槽に保持し、かつそれぞれ独立した経
路を通して、両者を制御された比率で連続的に造粒機に
供給し、所望の大きさの重合性液滴群を有する懸濁液を
得る工程と、該造粒機より該懸濁液を取り出し、重合槽
中に導いて重合反応を完結させて重合体粒子を得る製造
方法である。また、本発明の請求項に記載の発明は、
上記請求項に記載の発明において水相に懸濁安定剤を
加えた構成となしたものである。これらの発明について
具体的に図面(図1、図2)を参照しつつ説明する。ま
ず図1に示すように、電荷制御剤が分散されてなる水
相、あるいは電荷制御剤及び懸濁安定剤が分散されてな
る水相を入れた水相槽1と、重合性単量体を主成分とす
る油相を入れた油相槽2とをそれぞれ定量ポンプ4、4
を介して造粒機5に一定比率で同時に導入するようにし
てあり、ここで剪断力を与えて懸濁液として排出し、凝
縮器6を備えた重合槽3に導き、この重合槽3の周囲に
設けられている加熱用ジャケット7により必要な加熱を
して重合反応を完結させ、粒子径の小さく、かつ粒度分
布の揃った重合体粒子を製造するものである。なお、本
発明で用いられる造粒機5の1例は、図2に示すとおり
で、造粒機5には油相供給口14と水相供給口13とを
有し、両液は剪断領域11に入る。この剪断領域11に
は回転軸8により攪拌翼10が固定されている。攪拌翼
10は回転軸8により回転し、剪断領域11内で懸濁液
を剪断力により生成する。この剪断領域11の端縁部に
は排出規制用間隙12が設けられており、この間隙を通
過した分散液(懸濁液)が上部の分散液吐出口9から吐
出され、重合槽3に導かれるようになっている。
【0012】本発明における全ての懸濁重合は、通常、
重合温度50℃以上で行ない、重合開始剤の分解温度を
考慮して温度を設定する。設定温度が高すぎると、重合
開始剤の急激な分解が生じ、分子量等に影響を与えるた
め好ましくない。
【0013】本発明において磁性トナーを得る場合は、
磁性体を油相中に分散させて重合トナーを得る。磁性体
とは磁場によりその方向に強く磁化される物質であり好
ましくは黒色であって重合性単量体中に良好に分散で
き、化学的に安定でさらに1μm以下のものが望まし
い。このような磁性体としてはコバルト、鉄及びニッケ
ルのような金属;アルミ、コバルト、銅、鉄、マグネシ
ウム、ニッケルのような金属の合金、およびその混合
物;窒化バナジウム、のような窒化物;炭化テングステ
ンのような炭化物;フェライト;これらの混合物、等が
挙げられる。本発明によって得られる重合トナーは、キ
ャリアと混合されて二成分系現像剤として、または磁性
トナーの場合にはキャリアと混合せずに単独で一成分系
現像剤として使用される。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、配合比の部は全て重量部である。 <実施例1> スチレン80部及びアクリル酸n−ブチル20部からな
る重合性単量体中にカーボンブラック(三菱化成工業社
製、商品名:#40)5部、2,2’−アゾビスバレロ
ニトリル5部を添加し超音波洗浄器を用いて重合性単量
体中にカーボンブラックを分散させ油相を調製した。次
に、第三リン酸カルシウム3部、含窒素基を有する有機
化合物の金属錯体からなる電荷制御剤(保土谷化学工業
社製 商品名:T−77)を0.5部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.05部を少量の水に分散し
た後、水240部に添加して水相を調製し、この水相及
び油相を図1に示す水相槽1及び油相槽2にそれぞれい
れた。次に、水相を300ml/分の流量、油相を10
0ml/分の流量で10分間 造粒機5に供給した。造粒
機5は50mmの直径の回転部を有するものを使用し、
15000rpmの条件にて前記水相と油相との混合液
を撹拌した。造粒機5を通過した分散液を、タービン型
撹拌翼で300rpmで撹拌しながら図1に示す重合槽
3中に導き、8時間反応させ重合体粒子を得た。上記に
より得た重合体粒子を冷却後、希硝酸で重合粒子表面の
第三リン酸カルシウムを除去し水で洗浄液が中性になる
まで洗浄し、ろ過した後、乾燥させ本発明による重合ト
ナーを得た。
【0015】<比較例1> 実施例1で得た油相60g及び水相240gを容量1リ
ットルのセパラブルフラスコに加え、室温でTKホモミ
キサー(特殊機化工業社製)を用いて10000rpm
で1分間分散した。そして、液滴が沈澱しない程度に攪
拌しながら、80℃、5時間の条件で単量体組成物を造
粒して重合させた。上記により得た重合体粒子を冷却
後、希硝酸で重合粒子表面の第三リン酸カルシウムを除
去し水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、ろ過した後、
乾燥させ比較用の重合トナーを得た。
【0016】<比較例2> 比較例1 において、電荷制御剤を水相中に添加する代わ
りに油相中に0.5部添加し、その後水相と共に造粒し
た以外は同様な方法で比較用の重合トナーを得た。
【0017】次に、前記で得た実施例1及び比較例2
各重合トナー5部とキャリア(同和鉄粉工業社製 商品
名:DFC−200 S−3)95部とをVブレンダー
を使用し60rpmで攪拌混合した。この場合、攪拌時
間が0.5分、1分、1.5分、2分、5分及び10分
の時にブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)
で重合トナーの摩擦帯電量を測定し、重合トナーの時間
あたりの摩擦帯電量の推移を評価し、その結果を図3に
示した。 図3から明らかなように実施例の重合トナー
は短時間の間に摩擦帯電量が大きくなり、摩擦帯電量の
立ち上がりが早いことが確認された。一方、比較例
重合トナーは短時間の間に摩擦帯電量が大きくならず摩
擦帯電量の立ち上がりが劣ることが確認された。
【0018】また、前記で得た実施例1、比較例1及び
比較例2の各重合トナー5部とキャリア(同和鉄粉工業
社製 商品名:DFC−200 S−3)95部とをV
ブレンダーを使用し60rpmで30分間攪拌混合し現
像剤を作製した。次に上記で得た各現像剤中の重合トナ
ーの帯電量分布を帯電量分布計(PES社製 商品名:
q−MATER)で測定し、その結果を図4〜図6に示
した。図4〜図6から明らかなように実施例1の重合ト
ナーの帯電量分布は、全てのトナー粒子がマイナス側に
帯電性を有し、かつ分布もシャープで、摩擦帯電量の分
布が均一なトナー粒子が多く存在していることが確認さ
れた。一方、比較例1の重合トナーの帯電量分布は実施
例1に比較してブロードであり、比較例2の重合トナー
の帯電量分布は一部プラスの帯電性を有するトナー粒子
が存在し、かつ分布もブロードであることが確認され
た。
【0019】また、前記で得た実施例1の重合トナー5
部とキャリア(同和鉄粉工業社製商品名:DFC−20
0 S−3)95部とをVブレンダーを使用し60rp
mで30分間攪拌混合し現像剤を作製した後、該現像剤
を使用して市販の複写機(シャープ社製 商品名:JX
−9700)で10000枚までの連続コピーをおこな
った。その結果、地かぶりやトナー飛散等の問題のない
十分な画像濃度を有する実用上問題のない現像特性が得
られることが確認された。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、摩擦帯電量の立ち上が
りが早い重合トナーが得られ、かつ帯電量分布がシャー
プで、摩擦帯電量が不足したトナー粒子や反対極性を有
するトナー粒子が生成されにくい重合トナーが得られ
る。したがって、地かぶりやトナー飛散等の問題のない
電子写真用のトナーとして現像特性が優れた重合トナー
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる重合装置の一例を示
す説明図である。
【図2】本発明において用いられる造粒機の一例を示す
説明図である。
【図3】実施例1及び比較例2における重合トナーの摩
擦帯電量の推移を示す図である。
【図4】実施例1における重合トナーの帯電量分布を示
す図である。
【図5】比較例1における重合トナーの帯電量分布を示
す図である。
【図6】比較例2における重合トナーの帯電量分布を示
す図である。
【符号の説明】
1 水相槽 2 油相槽 3 重合槽 4 定量ポンプ 5 造粒機 6 凝縮器 7 加熱用ジャケット 8 回転軸 9 分散液吐出口 10 撹拌翼 11 剪断領域 12 排出規制用間隙 13 水相供給口 14 油相供給口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷制御剤が分散された水相と、少なく
    とも重合性単量体、着色剤及び重合開始剤を分散して得
    た油相とを、各々独立した槽に保持し、かつそれぞれ独
    立した経路を通して、両者を制御された比率で連続的に
    造粒機に供給し、所望の大きさの重合性液滴群を有する
    懸濁液を得る工程と、該造粒機より該懸濁液を取り出
    し、重合槽中に導いて重合反応を完結させて重合体粒子
    を得る工程とからなることを特徴とする重合トナーの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 電荷制御剤がカルボキシル基、スルホン
    酸エステルもしくは含窒素基を有する有機化合物の金属
    錯体、またはカルボキシル基、スルホン酸エステルもし
    くは含窒素基を有する有機化合物の含金属染料であるこ
    とを特徴とする請求項記載の重合トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 電荷制御剤及び懸濁安定剤が分散された
    水相と、少なくとも重合性単量体、着色剤及び重合開始
    剤を分散して得た油相とを、各々独立した槽に保持し、
    かつそれぞれ独立した経路を通して、両者を制御された
    比率で連続的に造粒機に供給し、所望の大きさの重合性
    液滴群を有する懸濁液を得る工程と、該造粒機より該懸
    濁液を取り出し、重合槽中に導いて重合反応を完結させ
    て重合体粒子を得る工程とからなることを特徴とする重
    合トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 電荷制御剤がカルボキシル基、スルホン
    酸エステルもしくは含窒素基を有する有機化合物の金属
    錯体、またはカルボキシル基、スルホン酸エステルもし
    くは含窒素基を有する有機化合物の含金属染料であるこ
    とを特徴とする請求項記載の重合トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 懸濁安定剤が固体微粉末であることを特
    徴とする請求項に記載の重合トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 固体微粉末が第三リン酸カルシウムまた
    は炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項記載
    の重合トナーの製造方法。
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