JP2832553B2 - 印刷版用感光層 - Google Patents

印刷版用感光層

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JP2832553B2
JP2832553B2 JP3224090A JP3224090A JP2832553B2 JP 2832553 B2 JP2832553 B2 JP 2832553B2 JP 3224090 A JP3224090 A JP 3224090A JP 3224090 A JP3224090 A JP 3224090A JP 2832553 B2 JP2832553 B2 JP 2832553B2
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【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は、印刷版用感光層に関し、さらに詳しくはイ
ンク着肉性、耐刷性及び保存安定性に優れ、しかも、現
像性が改良された印刷版用感光層に関する。
b. 従来の技術 ジアゾ系感光剤をネガ型作用の平版印刷版用感光層に
適用することは、従来から知られている。なかでも、ア
ルミニウム薄板上に感光層を形成した感光性平版印刷版
においては、ジアゾ系感光剤が必要欠くべからざる要素
となっている。
近年においては、これら感光性平版印刷版の感光層を
形成する素材の多くは、ジアゾ系感光剤と、これに混合
できる高分子重合体、及び、必要に応じて加える染料、
顔料、保存剤、塗布性を良くするための可塑剤や界面活
性剤などからなっている。
これらの感光層を形成する素材のなかで、感光性平版
印刷版の画像再現性、インキ着肉性、耐刷性、保存安定
性、現像性などの特性に大きな影響を与えるものは高分
子重合体である場合が多い。
高分子重合体としては、一般に特開昭50−118802号、
特開昭53−120903号、特公昭57−51656号などに開示さ
れた種々のアクリル系共重合体がネガ型作用感光層中で
使用されている。これらの共重合体は、水不溶性で且つ
アルミニウム薄板との接着に必要な水酸基(−OH基)
と、弱アルカリ性水溶液に現像可能となるカルボン酸基
(−COOH基)などの親水性の官能基を有するアルカリ可
溶性アクリル系共重合体である。
c. 発明が解決しようとする課題 しかしながら、これらの共重合体は、吸湿性樹脂のた
めか、これらを感光層の素材として用いたネガ型感光性
平版印刷版(以下、ネガ型PS版という。)は、長期保存
性があまり良くなく、また、製版時の現像後に塗布され
る不感脂化ガムによりガム負けをおこし、印刷時におい
て、インキ着肉不良などのトラブルが生じるという欠点
があった。
また、これらのネガ型PS版の現像液としては、特開昭
51−77401号、特開昭53−4202号、特公昭59−36256号な
どに記載されているように、アルカリ剤、有機溶剤、界
面活性剤及び水を含有する組成物が一般的であるが、こ
れらのなかで有機溶剤は、毒性及び臭気の点で健康上問
題があり、廃液においてもBOD規制を受けるなどの欠点
がある。また、界面活性剤は、現像時あるいは排水時に
泡が発生するという問題がある。したがって、あまり好
ましい現像液組成ではなかった。
一方、有機溶剤や界面活性剤を含まない現像液組成物
は、従来からポジ型感光性平版印刷版(以下、ポジ型PS
版という。)用現像液として知られているが、この組成
では上記のようなネガ型PS版を現像することはできなか
ったり、見かけは現像できていても、残膜が残り、汚れ
になるという問題があった。
このような問題点を解決すべく、特公昭57−43890号
では、芳香族性水酸基を有する単量体を主とした高分子
化合物を用いることが提案されているが、保存安定性、
イオン着肉性及び耐刷性において、満足できるものでは
なかった。
本発明者は上記のような欠点を改良すべく鋭意研究し
た結果、インキ着肉性及び耐刷性が優れ、長期に渡って
現像性に変化がなく、また、アルカリ剤、有機溶剤、界
面活性剤及び水からなる現像液でも、あるいはアルカリ
剤と水だけからなる現像液でも現像できる感光層を見い
出し、本発明に至ったものである。
d. 課題を解決するための手段 本発明は、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミ
ドとモノ(2−メタクリロキシエチル)ヘキサヒドロフ
タレートを共重合体成分として含む共重合体と、ジアゾ
系感光剤を含有することを特徴とする印刷版用感光層を
提供するものである。
上記のN−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドと
モノ(2−メタクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタレ
ートを共重合体成分として含む共重合体(以下、本発明
の混合共重合体という。)は、一種のアルカリ系共重合
体に属し、共重合体成分として必須のN−(4−ヒドロ
キシフェニル)マレイミドとモノ(2−メタクリロキシ
エチル)ヘキサヒドロフタレートのほかに、さらに他の
モノマーを共重合させて作ることもできる。
他のモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリ
レート、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアマイド、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブ
チルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリル
アクリレート、アクリルニトリルなどが挙げられる。
本発明の混合共重合体における、N−(4−ヒドロキ
シフェニル)マレイミドの含有量は、該混合共重合体全
量に対して10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20
〜80重量%である。10重量%以上ではインキ着肉性が悪
くなり、また、アルカリ剤と水からなるポジ型PS版用現
像液で現像しずらくなる。また、90重量%以上ではアル
カリ剤、有機溶剤、界面活性剤及び水からなるネガ型PS
版用現像液で現像しずらくなる。
また、モノ(2−メタクリロキシエチル)ヘキサヒド
ロフタレートの含有量は、該混合共重合体全量に対して
10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%
である。10重量%以下ではネガ型PS版用現像液に溶けに
くくなる。また、90重量%以上ではインキ着肉性の改良
効果が得られなくなり、更に、反応条件によりゲル化す
るので好ましくない。
本発明の混合共重合体は、本発明の印刷版用感光層の
総重量に対して20〜90重量%の範囲で混合されることが
望ましい。
本発明の感光層に加えられるジアゾ系感光剤として
は、ジアゾ樹脂、ジアゾ化合物(二つ以上のジアゾ基を
有する化合物)などの、従来公知のネガ型作用の感光剤
が挙げられるが、特に好ましいものはジアゾ樹脂であ
る。
ジアゾ樹脂としては、特公昭40−8611号、米国特許29
22715号、米国特許2946683号などに記載されたジアゾジ
アリールアミンとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
などの活性カルボニル化合物との縮合物が挙げられる。
上記ジアゾアリールアミンとしては、例えば4−ジアゾ
ジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェニル
アミン、4−ジアゾ−3′−メチルジフェニルアミン、
4−ジアゾ−4′−メトキシフェニルアミン、4−ジア
ゾ−3−メトキシジフェニルアミンなどを挙げることが
できる。
上記ジアゾ樹脂は、有機塩又は無機塩の形態で用いる
ことが最も好ましい。上記ジアゾ樹脂と化合して有機塩
を形成する化合物の例としては、特公昭40−2203号、特
公昭41−6813号、特公昭47−1167号などに記載の化合物
があり、具体的には、ベンゼンスルホン酸、P−トルエ
ンスルホン酸、2,5−キシレンスルホン酸、直鎖あるい
は側鎖型ドデシルベンゼンスルホン酸(通称ドデシルベ
ンゼンスルホン酸)、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−
5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸、メタニルエロー、
2−クロルトルエン−4−スルホン酸、及びこれらのア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩な
どを挙げることができる。
また、上記ジアゾ樹脂と化合して無機塩を形成する化
合物の例としては、特公昭40−2203号、特開昭54−9861
3号、米国特許4093465号などに記載の化合物があり、具
体的には、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオルリン酸、
リンタングステン酸、チオシアン酸、及びこれらのアル
カリ金属塩、アンモニウム塩などを挙げることができ
る。
上記ジアゾ系感光剤は、それぞれ単独であるいは混合
して用いることができ、その含有量は本発明の感光層の
総重量に対して約5〜30重量%が好ましい。
本発明の感光層には、他の親油性高分子重合体あるい
は共重合体を加えることもできる。その例としては、フ
ェノール樹脂、置換フェノール樹脂、ポリヒドロキシス
チレン、ハロゲン化ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキ
シスチレンとアクリル化合物との共重合体、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、アクリル樹脂、変性アクリル
共重合体などを挙げることができる。
これらのなかでも水酸基及びカルボン酸基を有するア
クリル共重合体(以下、単にアクリル共重合体とい
う。)が好ましい。このアクリル共重合体は、水酸化を
有する付加重合性不飽和化合物と、カルボン酸基を有す
る付加重合性不飽和化合物を共重合させることにより作
製できる。
水酸基を有する付加重合性不飽和化合物としては、例
えば、 (1) 水酸基を有するアクリレート及びメタクリレー
ト; 例えば2−ヒドロキシエチル、又は2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、ヒドロキシドデシル、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ト
リメチロールプロパンペンタエリスリトール、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル、2−ヒドロキシ−3
−メチルフェノキシプロピルなどのアクリレート及びメ
タクリレート類、 (2) 水酸基を有するオリゴエステルのアクリレート
及びメタクリレート; 例えばコハク酸とプロピレングリコールとのポリエス
テルジオール、マレイン酸とプロピレングリコールとの
ポリエステリジオール、フタル酸とプロピレングリコー
ルとのポリエステルジオール、ヘキサヒドロフタル酸と
プロピレングリコールとのポリエステレジオール、テト
ラヒドロフタル酸とプロピレングリコールとのポリエス
テルジオール、テトラヒドロフタル酸とプロピレングリ
コール及びグリセリン−1−ブチルエーテルとのポリエ
ステルジオールなどのアクリレート及びメタクリレート
類、 (3) 水酸基を有するアクリルアミド及びメタクリル
アミドあるいはその誘導体; 例えば、ヒドロキシエチル、ヒドロキシフェニル、ヒ
ドロキシナフチル、N−ヒドロキシエチル−N−メチル
などのアクリルアミド又はメタクリルアミド類、 などを挙げることができる。
カルボン酸基を有する付加重合性不飽和化合物として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、モノ(2−メタ
クリロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート、モノ(2
−アクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタレートなどを
挙げることができる。
上記アクリル共重合体には、さらに他の付加重合性不
飽和化合物を共重合させることもできる。他の付加重合
性不飽和化合物としては、一般的な不飽和化合物を任意
に用いることができ、例えばメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、ターシャルブチル、
n−アミル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、オク
チル、ラウリル、ドデシル、シクロヘキシル、テトラヒ
ドロフリル、ベンジル、ステアリル、ジメチルアミノエ
チル、ジエチルアミノエチル、クロルエチル、アリール
(例えばフェニル、トリル、ナフチルなど)、グリシジ
ル類のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル
類、あるいはアクリルニトリル、メタクリルニトリルな
どのニトリル類が挙げられる。
上記アクリル共重合体において、水酸基を有する付加
重合性不飽和化合物の含有量は、該アクリル共重合体全
量に対して10〜70重量%が好ましく、より好ましくは20
〜60重量%である。10重量%以下ではアルミニム支持体
との接着性が悪くなり、70重量%以上では現像時におけ
る画像部の膨潤が起こりやすくなる。
また、カルボン酸基を有する付加重合性不飽和化合物
の含有量は、該アクリル共重合体全量に対して2.0〜40
重量%が好ましく、より好ましくは3.0〜30重量%であ
る。2.0重量%以下では弱アルカリ性水溶液に溶解しず
らくなり、現像性が悪くなる。また逆に40重量%以上で
は反応条件によりゲル化する。
上記アクリル共重合体のような他の親油性高分子重合
体は、感光層中の総重量に対して約0〜50重量%含まれ
ることが好ましい。50重量%以上ではインキ着肉性及び
保存性が劣るようになり、また、アルカリ剤と水からな
るポジ型PS版用現像液で現像しずらくなる。
本発明の感光層には、着色を目的として、染料あるい
は顔料を添加することができる。これらの染料あるいは
顔料としては、感光層の現像時に画線部(紫外線などの
照射による硬化部)から、現像液によって溶出されない
染料あるいは顔料が望ましい。
上記染料としては、クリスタルバイオレット、マラカ
イドグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エ
チルバイオレット、ローダミンBなど、及びこれらの誘
導体である塩基性油性染料を挙げることができる。この
ような染料の市販品としてはビクトリアピュアーブルー
BOH(保土谷化学工業(株)製)、オイルブルー♯603
(オリエント化学工業(株)製)、パーマネントブルー
♯47(大同化学工業(株)製)などがある。
上記顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリ
ドンレッド、インダンスレンブルーなどがある。その市
販品としては、ネオザポンブルーFLE(バーディッシュ
・アニリン(社)製)、オイルブルーBOS(オリエント
化学工業(株)製)、スピロンブルーGNH(保土谷化学
工業(株)製)などがある。
上記染料の含有量は感光層の総重量に対して、約0.1
〜5.0重量%であり、より好ましくは0.5〜4.0重量%で
ある。また上記顔料の含有量は感光層の総重量に対し
て、約1.0〜5.0重量%であり、より好ましくは2.0〜4.0
重量%である。
また、本発明の感光層中には、保存剤を加えることも
できる。保存剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、乳
酸、5−スルホサリチル酸、シュウ酸、DL−リンゴ酸、
2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベン
ゼンスルホン酸などが挙げられる。これらの保存剤の含
有量は感光層中の総重量に対して約0.1〜4.0重量%であ
り、より好ましくは0.5〜3.0重量%である。
さらにまた、感光層の塗布性を良くしたり、感光層の
インキ着肉性を向上させる目的で、可塑剤や界面活性剤
を加えることもできる。可塑剤としては、例えばジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシル
フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニル
フタレート、エチルフタリルエチルグリコール、ジメチ
ルイソフタレートなどを挙げることができる。
上記過疎剤の含有量は、感光層の総重量に対して、約
0.5〜3.0重量%であり、より好ましくは0.6〜2.0重量%
である。
界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエイト、ソ
ルビタンステアリレイト、ソルビタンモノステアレイ
ト、ソルビタンセキスオレイト、ソルビタンモノラウレ
イト、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどを挙げ
ることができる。
上記界面活性剤の含有量は、感光層中の総重量に対し
て、約0.4〜2.0重量%であり、より好ましくは0.6〜1.6
重量%である。
本発明の感光層を支持体上に形成する場合、本発明の
混合共重合体、ジアゾ系感光剤及び必要に応じて添加す
る他の重合体、染料,顔料,さらに保存剤,可塑剤,界
面活性剤などを、有機溶剤、例えばメタノール、メチレ
ンクロライド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、N−
N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの一
種あるいは二種以上の混合溶剤に溶解させ、各種塗布機
(例えばホワイラー、ロールコーター、バーコーター、
押し出し型コーターなど)を用いて支持体上に塗布し、
乾燥させる。
支持体としては、紙,プラスチックフィルム,あるい
は銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレスなどの金属板、
さらにこれらを二種以上組合わせた複号材料を用いるこ
とができ、このなかで、特にブラシ又はボール研摩した
アルミニウム板、ブラシ研摩したのち陽極酸化処理を施
したアルミニウム板、電解研摩したのち陽極酸化を施し
たアルミニウム板、あるいはこれらを組合わせた処理を
施したアルミニウム板が適している。
このような前処理を施したアルミニウム板に、さらに
ケイ酸アルカリ、フッ化ジルコニウム、アルキルチタネ
ート、トリヒドロキシ安息香酸などによる化成処理や、
ベーマイト処理あるいは酢酸ストロンチウム、酢酸亜
鉛、酢酸マグネシウム、安息香酸カルシウムなどの水溶
液による被覆処理、ポリビニルピロリドン、ポリアミン
スルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
−2−ヒドロキシエチルアクリレートなどによる被覆処
理を後処理として行なうことができる。
支持体上に塗布された本発明の感光層は、紫外線など
の活性光線で露光し、現像液として弱アルカリ性水溶液
を用いて現像することにより、未露光部が除去され、露
光部が画像として得られる。
現像液として使用する弱アルカリ性水溶液としては、
例えば (1) 弱酸の金属塩; 例えばケイ酸、メタケイ酸、オルトケイ酸、リン酸、
ピロリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、炭酸、酒
石酸、ホウ酸などのナトリウム塩、リチウム塩、カリウ
ム塩などの金属塩、 (2) アンモニウム及びその誘導体; 例えばアルキルアミン類(例えばモノメチル、ジメチ
ル、トリメチル、モノエチル、ジエチル、トリエチルな
どのアミン化合物)、又はアルカノールアミン類(例え
ばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、ジイソプロパノールアミン)、 などのアルカリ性化合物の水溶液を用いることができ
る。
上記の弱アルカリ性水溶液中に活性剤及び/又は溶剤
を添加する場合もある。活性剤としては陰イオン界面活
性剤あるいは両性界面活接剤を使用することができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば炭素数が8〜22
のアルコールの硫酸エステル類(例えばポリオキシエチ
レンアルキルサルフェートソーダ塩)、アルキルアリー
ルスルホン酸塩類(例えばドデシルベンゼンスルホン酸
ソーダ、ポリオキシエチレンドデシルフェニルサルフェ
ートソーダ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、
ナフタレンスルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸ソ
ーダのホルマリン縮合物)、ソジウムジアルキルスルホ
サクシネート、脂肪酸アミドスルホネート、アルキルリ
ン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステルなどを
用いることができる。
また両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイ
ン型、アルキルイミダゾリン型活性剤が好ましい。
溶剤としてはアルコール類、エーテル類が好ましい
が、水中(20℃)に10%以上溶解しない溶剤が最も好ま
しく、この種の溶剤としては、例えばアルコール類とし
てベンジルアルコール、DL−α−フェニルエチルアルコ
ール、2−フェニルエチルアルコールなどがあり、エー
テル類としてはフェニルセロソルブ、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテルなどを挙げることができる。
なお、本発明の感光層は、微細加工用レジストあるい
は画像形成用感光層としても使用できる。
e. 作用 本発明の混合共重合体とジアゾ系感光剤を含有する、
本発明の感光層を支持体上に塗布し、乾燥させた感光性
平版用印刷版は、インキ着肉性が極めて優れており、耐
刷性も優れている。これは本発明の感光層が従来の感光
層に比べて吸湿性がなく、感脂性も強いため、製版時の
不感脂化ガムによるガム負けを起こさないためと考えら
れる。また、長期に渡って保存した場合にも、現像性や
インキ着肉性に変化がなく、汚れのない印刷物が得られ
る。
さらに、本発明の感光層は、本来、ネガ型作用の感光
層であるにもかかわらず、ポジ型感光性平版印刷版を現
像する現像液によっても現像することができ、ネガ型感
光性平版印刷版とポジ型平版感光性印刷版の両者を処理
する場合に、それぞれの現像液あるいは2種の現像装置
を用意する必要性がなくなり、経済的であり、しかも作
業的にも有利な感光層である。
f. 実施例 以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 アルミニウム板をカセイソーダ3%及びケイ酸ソーダ
5%を溶解した80℃の水溶液で洗浄し、ブラシ研摩した
のち、硫酸電解液を用いて1分間陽極酸化(電流密度2A
/dm2、電圧10V)した。次いで、水洗したのち、ケイ酸
ナトリウム5%を含む水溶液で、10秒間皮膜処理し、陽
極酸化アルミニウム板を作製した。このアルミニウム板
に、下記の組成を有する感光液を回転塗布機(ホワイラ
ー)を用いて塗布したのち、80℃で3分間乾燥して、膜
厚1.7g/m2の感光性平版印刷版を得た。
記 感光液組成 混合共重合体(1) 3.0g ジアゾ系感光剤(1)(4−ジアゾジフェ 0.3g ニルアミンとホルムアルデヒドの 縮合物の2−メトキシ−4−ヒドロキ シ−5−ベンゾイルベンゼンスルホ ン酸塩) ビクトリアピュアーブルーBOH 0.1g (保土谷化学工業(株)製) 酒石酸 0.03g エチレングリコール モノメチルエーテル 90g N−N−ジメチルホルムアミド 10g 上記混合共重合体(1)は、次のようにして製造し
た。
窒素気流下でジオキサン150gにアゾビスイソブチロニ
トリル0.3gを加えて、80〜85℃に加熱して、撹拌しなが
ら、その中へ下記組成の混合物を滴下した。
記 N−(4−ヒドロキシフェニル) マレイミド 80g モノ(2−メタクリロキシエチル) ヘキサヒドロフタレート 20g 滴下終了後、5時間撹拌を続け、ジオキサン150gを加
えたのち、水中に投入して共重合体を沈澱させた。その
沈澱物を2−メトキシエタノールに再溶解したのち、水
中に滴下して精製し、真空乾燥(70℃)して混合共重合
体(1)を得た。
この共重合体を20重量%含有する2−メトキシエタノ
ール溶液を調製し、粘度を測定したところ、250CPS(25
℃)であった。
実施例2 下記組成の感光液を用いた以外は実施例1と同様にし
て、感光性平版印刷版を得た。
記 混合共重合体(1) 2.5g アクリル共重合体(A) 0.5g ジアゾ系感光剤(2)(4−ジアゾジフェ 0.3g ニルアミンとホルムアルデヒドの 縮合物のドデシルベンゼンスルホ ン酸塩) オイルブルー♯603 0.1g (オリエント化学工業(株)製) クエン酸 0.03g エチレングリコール モノメチルエーテル 90g N−N−ジメチルホルムアミド 10g 上記アクリル共重合体(A)は、混合共重合体(1)
と同様にして、下記の組成にて重合して得た。
記 2−ヒドロキシ−3−フェノキシ プロピルアクリレート 40g メチルメタクリレート 30g アクリルニトリル 10g アクリル酸 20g このアクリル共重合体を20重量%含有する2−メトキ
シエタノール溶液を調製し、粘度を測定したところ、30
0CPS(25℃)であった。
実施例3 下記組成の感光液を用いた以外は、実施例1と同様に
して、感光性平版印刷版を得た。
記 混合共重合体(2) 3.0g ジアゾ系感光剤(3)(4−ジアゾ−3−メト 0.3g キシジフェニルアミンとホルムアル デヒドの縮合物のヘキサフルオリン 酸塩) オイルブルー♯603 0.1g DL−リンゴ酸 0.03g エチレングリコール モノメチルエーテル 90g N−N−ジメチルホルムアミド 10g 上記混合共重合体(2)は、混合共重合体(1)と同
様にして下記の組成にて重合して得た。
記 N−(4−ヒドロキシフェニル) マレイミド 30g モノ(2−メタクリロキシエチル) ヘキサヒドロフタレート 20g 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20g アクリルニトリル 20g エチルメタクリレート 10g この混合共重合体を20重量%含有する2−メトキシエ
タノール溶液を調製し、粘度を測定したところ、270CPS
(25℃)であった。
比較例1 下記組成の感光液を用いた以外は、実施例1と同様に
して、感光製平版印刷版を得た。
記 アクリル共重合体(B) 3.0g ジアゾ系感光剤(3) 0.3g ビクトリアピュアーブルーBOH 0.1g シュウ酸 0.03g エチレングリコール モノメチルエーテル 90g N−N−ジメチルホルムアミド 10g 上記アクリル共重合体(B)は、混合共重合体(1)
と同様にして、下記の組成にて重合して得た。
記 4−ヒドロキシフェニル メタクリルアマイド 22.5g 2−ヒドロキシエチル メタクリイレート 32.5g メチルメタクリレート 10g メタクリル酸 6g この混合共重合体を20重量%含有する2−メトキシエ
タノール溶液を調製し、粘度を測定したところ、250CPS
(25℃)であった。
比較例2 下記組成の感光液を用いた以外は、実施例1と同様に
して、感光性平版印刷版を得た。
記 アクリル共重合体(A) 3.0g ジアゾ系感光剤(1) 0.3g ビクトリアピュアーブルーBOH 0.1g シュウ酸 0.03g エチレングリコール モノメチルエーテル 90g N−N−ジメチルホルムアミド 10g これら実施例1〜3及び比較例1〜2において得られ
た各種感光性平版印刷版の感光層上に、ネガフィルムを
真空密着し、2KW高圧水銀灯を用いて、距離1mで30秒間
紫外線を照射したのち、下記組成の現像液(1),
(2)を用いて、各々の版の現像性を観察した(現像液
温25℃)。その結果を表−1に示す。
記 現像液(1)(ポジ型PS版用現像液と類似した組成) JIS 3号ケイ酸ナトリウム 25g 水酸化カリウム 15g 水 1kg 現像液(2)(ネガ型PS版用現像液と類似した組成) ケイ酸カリウム20%水溶液 50g フェニルグリコールPGH(有機溶剤) 40g イソプロピルナフタレンジスルホン 酸カリウム(界面活性剤) 5g 亜硫酸カリウム 2g 水 903g 表−1の結果から明らかなように、実施例1〜3の平
版用印刷版は、ネガ型作用印刷版でありながら、ポジ型
PS版を現像する現像液によっても現像することができる
という長所がある。
次に、上記実施例1〜3及び比較例1〜2で作製した
各版を露光し、現像液(2)で現像した。水洗後、不感
脂化ガム液(アラビアガム8度ボーメ液)を薄く塗布
し、乾燥して各々の平版印刷版を得た。
これらの各版をオフセット印刷機(ハイデルベルグ社
製KOR型印刷機)にかけて、市販のインキにて上質紙に
印刷し、刷り始めてから十分なインキ濃度を有する印刷
物が得られるまでの枚数(インキ着肉枚数)と、耐刷力
を調べた。その結果を表−2に示す。
表−2の結果から、実施例1〜3の平版用印刷板は、
インキ着肉性において、特に優れていることが判る。
また、実施例1〜3及び比較例1〜2において得られ
た各種感光性平版印刷版を、温度30℃、湿度80%の高湿
雰囲気中に数日間放置し、その後製版して校正刷りし、
非画線部が地汚れを起こし始める日数(保存性)を調べ
た。その結果を表−3に示す。
表−3の結果から、実施例1〜3の感光性平版印刷版
は保存性が優れていることが判る。
f. 発明の効果 本発明によれば、インキ着肉性、耐刷性及び保存安定
性に優れ、しかもポジ型PS版用現像液でも現像可能なネ
ガ型作用の印刷版用感光層を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/032 G03F 7/021

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミ
    ドとモノ(2−メタクリロキシエチル)ヘキサヒドロフ
    タレートを共重合体成分として含む共重合体と、ジアゾ
    系感光剤を含有することを特徴とする印刷版用感光層。
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