JP2832298B2 - 絶縁物分析法 - Google Patents

絶縁物分析法

Info

Publication number
JP2832298B2
JP2832298B2 JP1075848A JP7584889A JP2832298B2 JP 2832298 B2 JP2832298 B2 JP 2832298B2 JP 1075848 A JP1075848 A JP 1075848A JP 7584889 A JP7584889 A JP 7584889A JP 2832298 B2 JP2832298 B2 JP 2832298B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulator
window
sample
ion
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1075848A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02253553A (ja
Inventor
芳和 本間
正隆 山脇
賢 黒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP1075848A priority Critical patent/JP2832298B2/ja
Publication of JPH02253553A publication Critical patent/JPH02253553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2832298B2 publication Critical patent/JP2832298B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は絶縁物分析法、さらに詳細には二次イオン質
量分析法を用いた絶縁物の分析法に関する。
(従来技術) 二次イオン質量分析法ではイオンビーム照射を用いる
ため、イオンビームのもたらす電荷や二次的に発生する
電子、イオンにより絶縁物表面に帯電が生じる。帯電が
生じると試料表面の電位が変化するために二次イオンの
軌道が変化する。このため、絶縁物の分析を行う場合質
量分析器を二次イオンが通過することが妨げられ、二次
イオンの検出が困難になる。従来、二次イオン質量分析
法による絶縁物分析の帯電を防止する方法としては、
絶縁物の表面の電荷を導電性の物質を介して逃がす方
法、負イオンビームを一次イオンとして用いることに
より、二次電子放出による正電荷の蓄積を補償する方
法、及び、過剰な正電荷を電子ビーム照射により直接
的に補償する方法、の3手法が主に用いられていた。
(発明が解決しようとする問題点) 第1の方法は導電性のメッシュを絶縁物の表面に接触
させるか、導電性薄膜を絶縁物表面に蒸着するものであ
った。この場合、一般的に試料表面から二次イオンを検
出する領域のサイズ(一辺または直径)が数十μm以上
であったため、分析中に絶縁物が露出している面積を10
0μm×100μm以上にし、導電膜あるいはメッシュ中に
含まれる元素を検出しないようにしていた。しかし、こ
の方法単独では絶縁物表面に生じた電荷を完全に逃がす
ことができない場合が多く、上に第3の方法として挙げ
た電子ビーム照射と併用する必要があった(y.Honma.M.
Oshima and Y.Ishii:質量分析32((1984)345)。
第2の負イオンビームを用いる方法の有効性は、試料
の二次電子放出能や試料電位に強く依存し、この方法単
独で絶縁物表面の電荷を補償できる場合は第1の方法以
上に限定されていた。このため、上記の第1、あるいは
第3の方法と併用して用いられる場合が多かった。
第3の電子ビーム照射法は、他の2法と組み合わせも
含め、従来最も広く用いられていた方法である。しか
し、この場合にも次のような問題があった。まず第1
に、低融点の材料や電子線損傷の大きな材料には適用で
きなかった。例えば、有機材料では電子ビーム照射によ
り炭化を起こす場合があった。また、脱ガス量が大きい
薄膜材料では、電子ビーム照射により薄膜の剥離が生じ
る場合があった。第2に、帯電補償に最適な電子ビーム
照射量は一次イオンビーム量や二次電子放出量との微妙
なバランスで決まっており、長時間、例えば1時間の連
続測定が必要な場合、一次イオンビーム量や電子ビーム
量の変動により、あるいは、試料の温度変化に伴う二次
電子放出量の変動により、帯電補償条件が変化して安定
な二次イオン測定ができない場合があった。例えば、厚
い絶縁物試料を一次イオンビームによりスパッタしなが
ら試料中の深さ方向の元素分布を得ようとする場合、所
望の深さまで到達する前に帯電補償条件が崩れ、再び表
面から分析をやり直すということが少なかった。特に、
試料が複数の種類の絶縁物の薄膜を積み重ねた多層絶縁
膜の場合、各絶縁層ごとに帯電補償条件が変化し、多層
絶縁膜全体の深さ方向の元素分布を一度に得ることは極
めて困難であった。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、従
来の絶縁物分析法における上記の欠点を改善するために
提案されたもので、その目的は、二次イオン質量分析法
による絶縁物分析を容易ならしめる分析法を提供するこ
とにある。
(問題点を解決するために手段) 上記の目的を達成するため、本発明は二次イオン質量
分析法を用いた斜め研磨した絶縁物の表面に100μm以
内の幅を持つ絶縁物の露出した領域と、前記絶縁物の露
出領域を囲む導電性領域を形成し、前記絶縁物の露出領
域から発生する二次イオンを位置敏感検出器を用いて検
出し、絶縁物表面の元素分布を分析することを特徴とす
るものである。
しかして本発明は電子ビーム照射などの補助的手段を
必要とせず、低融点の試料や多層構造の絶縁物にも適用
できること、および、試料面内や斜め研磨による深さ方
向の情報を一度に得られることを主要な特徴とする。
実施例 次に本発明の実施例について説明する。なお、実施例
は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱しない範囲
で、種々の変更あるいは改良を行いうることは言うまで
もない。
(絶縁物表面が露出している部分(以下窓部という)の
巾と帯電量の関係を示す実験) 第1図は窓部の巾と帯電量の関係を示す実験に使用し
た試料の説明図であり、第2図は第1図の試料を用いた
絶縁物分析法の第1の実施例を説明する図である。
第1図において、1は絶縁物、2は導電膜、3は導電
膜2に開けられた穴であって絶縁物1の表面が露出して
いる部分(窓部)である。第2図において、4は導電膜
と同電位に保たれた試料ホルダ、5は一次イオンビー
ム、6は二次イオン、7は二次イオンの光学系および質
量分析系、8は二次イオン像、9は位置敏感検出器、10
は画像メモリーを有するコンピュータである。以下、図
に従って絶縁物の分析法を説明する。
分析に先立って、絶縁物1の表面に金属などの導電性
の膜2を被着する。膜の被着法としては、真空蒸着法、
スパッタ法、塗布法などを用いることができる。窓部3
は導電膜2の被着時にマスクを用いるか、あるいは、導
電膜2の被着後にエッチングすることにより形成する。
窓部3の幅はこの中にある絶縁物の表面に生じる帯電量
に大きく影響する。
第3図に窓部3内の絶縁物表面の帯電量と窓部の幅と
の関係を、絶縁物1としてガラス、導電膜2として銀、
一次イオンビーム5として酸素イオンビームを用いた場
合について示す。帯電量は一次イオン照射下において、
試料ホルダ4の電位に対する窓部3の中央部の絶縁物表
面の電位の変化量を用いて表現した。帯電が生じない場
合には電位変化量は0であり、帯電量が大きいほど電位
変化量が大きくなる。電位変化量は窓部の幅が100μm
で約60Vであり、それ以下の場合、窓部の幅にほぼ比例
して増加する。窓部の幅が100μmより大きくなると、
電位変化量は急激に増加し、二次イオン6の軌道に与え
る影響が無視できなくなる。電位変化が60V以下であれ
ば、軌道の変化は小さく、二次イオン光学系7内部のエ
ネルギーフィルタのウインド幅や、試料ホルダ4に印加
するバイアス電圧により、軌道変化に伴う二次イオン強
度の減少を容易に補償することができる。従って、窓部
3の幅は100μm以下、望ましくは、50μm以下である
のがよい。窓部3の長さは任意で良い。導電膜2は、一
次イオンビーム5によりスパッタエッチングされるの
で、分析中にスパッタし尽くされない程度の厚さ、例え
ば1μmとする。
上記の手順で導電化処理を施した試料を二次イオン質
量分析装置の試料室に導入し、一次イオンビーム5を窓
部3を含む領域に照射する。これにより、絶縁物1に含
まれている元素の二次イオン6が表面から発生する。こ
の二次イオン6を二次イオン光学系および質量分析系7
を通して質量分離し、かつ、窓部3内部から発生した二
次イオン6を試料表面の像として結像面に二次イオン像
8として結像させる。この二次イオン像8を位置敏感検
出器9により検出し、像を構成する各点の強度をコンピ
ュータ10を用いて取り込み、メモリーに記録する。分析
後にメモリーに記録されたイオン強度のデータを処理す
ることにより、窓部3内にある絶縁物1の表面の元素分
布、例えば、窓部3内部の平面的な元素分布や、ある線
に沿った元素の濃度分布などを得ることができる。ま
た、表面をスパッタしながら表面元素の時間的な濃度変
化を記録することにより、窓部3内部の3次元的な元素
の濃度分布や、ある点における深さ方向の濃度分布など
を得ることができる。なお、窓部3の周囲から発生した
二次イオン6には導電膜2の中の元素も含まれている
が、メモリーに記録されたイオン像8の各点のイオン強
度のうち、窓部3の周囲の部分のイオン強度を取り除く
ことにより、導電膜2の中の元素の影響を容易に除くこ
とができる。
なお、導電膜2の代わりに窓部3に接する線状あるい
はメッシュ状の導電体を使用することもできる。
(実施例1) 第4図は本発明の実施例における試料の導電化処理を
説明する図であり、11は斜め研磨した絶縁物、12は研磨
面である。
本実施例では絶縁物11を表面に対し角度Θで鏡面に研
磨し、深さ方向の長さを1/sinΘ倍に拡大する。例え
ば、Θ=2゜53′であれば拡大率は20倍、Θ=1゜8′
では50倍となる。また、第4図に示すように、研磨面を
角度φが90度よりも大きくなるようにして研磨すれば、
試料面方向の拡大を行うこともできる。この研磨面12に
窓部3を残して導電膜2を被着することにより、第2図
と同様の方法で窓部3内にある絶縁物1の研磨面12の表
面の元素分布を得ることができる。この場合のイオン像
は深さ方向の拡大像であるので、表面の元素分布は深さ
方向の元素分布に対応するものである。なお、導電膜2
の代わりに窓部3に接する線状あるいはメッシュ状の導
電体を使用することもできある。
第5図は本実施例の効果を示す図であって、同図
(a)に示すようなシリコン基板20上に窒化シリコン
(膜厚1μm)13、ゲルマニウムガラス(膜厚5μm)
14、ホウ素ガラス(膜厚20μm)15からなる絶縁物1の
多層膜中の元素の深さ方向分布を測定した結果である。
測定に用いた試料は斜め研磨角度は、Θ=2゜53′、φ
=90゜とし、深さ方向を20倍に拡大したものである。導
電膜としては銀2を蒸着し、窓部の大きさは25μm×20
0μmとした。この試料にセシウムイオンビームを照射
し、シリコンと窒素が結合した二次イオン、SiN-の像、
ゲルマニウムの二次イオン、Ge-の像、および、シリコ
ンとホウ素が結合した二次イオン、SiB-の像を観察し
た。得られた各元素の二次イオン像を模式的に第5図
(b)に示した。
これらの二次イオン像をコンピュータのメモリに取り
込み、A−B線に沿ったイオン強度のデータを取り出し
て、各イオンの強度分布を重ねてプロットした結果が第
5図(c)のグラフである。グラフの横軸は、A−B線
に沿った二次イオン像の長さを表面からの深さに換算し
た値を示した。異なる種類の絶縁物からなる多層膜であ
るにも係わらず、各層間で帯電量の差が生じることな
く、安定な二次イオン強度が得られ、ゲルマニウムガラ
スとホウ素ガラスとの間の元素の拡散の様子が明瞭に認
められる。しかも、10μmに渡る深さ方向の情報が5分
以内の二次イオン像測定で得ることができた。
(発明の効果) 以上説明したように、絶縁物の表面に、100μm以内
の幅を持つ絶縁物の露出した領域と、絶縁物の露出領域
を囲む試料ホルダと同電位に保たれた導電性領域を形成
し、この絶縁物の露出した領域から発生する二次イオン
を位置敏感検出器を用いて分析することにより、二次イ
オン質量分析法による絶縁物の分析が容易になり、か
つ、分析可能な材料の種類を広げることができた。これ
により、ガラス材料やセラミックス材料、有機材料など
絶縁性材料の研究開発に多大な効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は窓部の巾と帯電量の関係を示す実験に使用した
試料の説明図、第2図は上記実験及び実施例に使用した
分析方法の説明図、第3図は帯電量と窓部の幅との関係
を説明する図、第4図は本発明の第2の実施例における
導電化処理の説明図、第5図は本発明の第2の実施例の
効果を説明する図であって、シリコン基板上の窒化シリ
コン、ゲルマニウムガラス、ホウ素ガラスの3層からな
る絶縁性多層膜の分析例を示す。 1……絶縁物、2……導電膜、3……窓部、4……試料
ホルダ、5……一次イオンビーム、6……二次イオン、
7……二次イオン光学系・質量分析系、8……イオン
像、9……位置敏感検出器、10……コンピュータ、11…
…斜め研磨した絶縁物、12……研磨面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−50351(JP,A) 特開 昭55−114935(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 37/252,37/20,49/26 H01L 21/66 G01N 23/225

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁物である試料に一次イオンビームを照
    射し、それによって前記絶縁物表面から発生する二次イ
    オンを引き出して質量分析することにより前記絶縁物中
    に含まれる元素の種類と量を分析する絶縁物の二次イオ
    ン質量分析法において、斜め研磨した絶縁物の表面に、
    100μm以内の幅を持つ絶縁物の露出した領域と、前記
    絶縁物の露出領域を囲む導電性領域を形成し、前記絶縁
    物の露出領域から発生する二次イオンを位置敏感検出器
    を用いて検出し、絶縁物表面の元素分布を分析すること
    を特徴とする絶縁物分析法。
JP1075848A 1989-03-28 1989-03-28 絶縁物分析法 Expired - Fee Related JP2832298B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1075848A JP2832298B2 (ja) 1989-03-28 1989-03-28 絶縁物分析法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1075848A JP2832298B2 (ja) 1989-03-28 1989-03-28 絶縁物分析法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02253553A JPH02253553A (ja) 1990-10-12
JP2832298B2 true JP2832298B2 (ja) 1998-12-09

Family

ID=13588045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1075848A Expired - Fee Related JP2832298B2 (ja) 1989-03-28 1989-03-28 絶縁物分析法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2832298B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002005309A1 (de) * 2000-07-07 2002-01-17 Leo Elektronenmikroskopie Gmbh Detektor für variierende druckbereiche und elektronenmikroskop mit einem entsprechenden detektor

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0754683B2 (ja) * 1987-08-20 1995-06-07 株式会社日立製作所 帯電防止法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02253553A (ja) 1990-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4236073A (en) Scanning ion microscope
US4352985A (en) Scanning ion microscope
US4992661A (en) Method and apparatus for neutralizing an accumulated charge on a specimen by means of a conductive lattice deposited on the specimen
US4864130A (en) Photo ion spectrometer
JP2774878B2 (ja) 多層膜絶縁物試料の二次イオン質量分析方法
JP3457378B2 (ja) 分析用試料板
US6646259B2 (en) Method of sample preparation for transmission electron microscope analysis
JP2832298B2 (ja) 絶縁物分析法
US5336895A (en) Impurity free reference grid for use charged partiole beam spectroscopes
Mousley et al. Scanning Transmission Ion Microscopy Time-of-Flight Spectroscopy Using 20 keV Helium Ions
JP2794901B2 (ja) ビームアナリシス方法
JPH06249805A (ja) 表面分析方法
JPS62113052A (ja) 元素分析方法
JP2994606B2 (ja) オージェ電子分光法による絶縁性試料の分析方法
US6821714B1 (en) Lithography process for patterning HgI2 photonic devices
JP2000195460A (ja) 走査電子顕微鏡による分析方法
Bernius et al. Dark‐field stigmatic ion microscopy for structural contrast enhancement
US11120981B2 (en) Laser desorption/ionization method and mass spectrometry method
Panitz Video recording of low intensity CEMA images
Newbury Secondary Ion Mass Spectrometry for Particulate Analysis
JP2002071592A (ja) 二次イオン質量分析方法
JPH04206244A (ja) 絞り装置およびその製法
JP2605630B2 (ja) 二次イオン質量分析方法
Thorne et al. High sensitivity ion microscopy: a tool for material science research
Bakhru et al. Industrial applications of high energy micro-beams

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees