JP2831761B2 - アモルファス合金薄帯およびそれを用いた可飽和リアクトル用コア - Google Patents
アモルファス合金薄帯およびそれを用いた可飽和リアクトル用コアInfo
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Description
能にしたアモルファス合金薄帯およびそれを用いた可飽
和リアクトル用コアに関する。
して、近年、磁気増幅器を組込んだスイッチング電源が
広く用いられている。
であり、角形磁化特性に優れた磁心材料が必要とされて
いる。従来、このような磁心材料としてはFe−Ni結晶質
合金からなるセンデルタ(商品名)などが使用されてき
た。
要求に伴って、スイッチング電源にも小型軽量化が強く
要望されており、これを実現するためにスイッチング周
波数をより高周波化することが求められている。
z以上の高周波域においては保磁力が大きくなり、うず
電流損失が著しく増大し、高周波域での使用に適合する
ものではない。
性および熱安定性に優れるなどに加えて、高周波域にお
いても鉄損が小さいなどの優れた特性を有することか
ら、可飽和リアクトル用の磁心材料として実用化されて
いる。
する母合金を溶融し、この溶融金属を冷却ロール上に射
出するなどによって超急冷することにより、長尺な薄帯
として得ている。そして、このアモルファス合金薄帯を
たとえば所望の形状に巻回した後、結晶化温度以下キュ
リー温度以上の温度で磁気特性向上のための熱処理を行
うことにより、可飽和リアクトルなどに適した磁性コア
が得られる。
特に高角形比を安定して得るためには、上述した製造工
程における溶融金属の超急冷工程や熱処理工程の条件を
各組成に応じて最適化することが重要である。たとえば
角形比に関しては、薄帯の表面性が微妙に影響し、超急
冷条件が変動することによって表面性が低下すると、角
形比の低下を招いてしまう。
製造工程における多少の条件変動は避けられない問題と
して存在しているため、ロット間やロット内で発生する
軟磁気特性のばらつきは避けられず、軟磁気特性の再現
性を向上させるという点に関して改善の余地を残してい
る。特に、高周波域で使用される可飽和リアクトルなど
においては、僅かな角形比の低下がそのまま可飽和リア
クトルとしての特性劣化に繋がるため、アムルファス合
金薄帯の軟磁気特性のばらつきは歩留低下の大きな要因
として考えられている。
もので、量産時における多少の製造条件の変動にかかわ
らず、安定して優れた軟磁気特性が得られるアモルファ
ス合金薄帯およびそれを用いた可飽和リアクトル用コア
を提供することを目的としている。
1種の元素を表し、a、b、c、d、eおよびzは以下
の式を満足する数を示す。
らなることを特徴とするものである。
(I)式で合金組成が実質的に表されるCo基アモルファ
ス合金からなり、安定して優れた表面性を有することを
特徴とするものである。
ルファス合金薄帯の巻回体もしくは積層体からなること
を特徴とするものである。
(I)式で合金組成が実質的に表されるCo基アモルファ
ス合金からなるアモルファス合金薄帯の巻回体もしくは
積層体からなる可飽和リアクトル用コアであって、角形
比のバラツキが1%以内となるコアが100個中84個以上
となることを特徴とするものである。
について説明する。
性の向上と樹脂コーティングによる磁気特性の劣化防止
が実現される。Feの添加量を示すaの値が0.04未満では
負の磁歪を、また0.06を超えると正の磁歪を示すため、
0.04〜0.06の範囲とする。
あって、合金の結晶化温度を上昇させる元素であり、軟
磁気特性の向上のための熱処理時の温度範囲を拡大する
ことによって、熱処理条件の多少の変動を吸収して軟磁
気特性の安定付与に寄与するものである。このMの添加
量を示すbの値が0.015未満ではその効果が充分に得ら
れず、また0.03を超えると安定した軟磁気特性を得るこ
とができにくくなることから、0.015〜0.03の範囲とす
る。
程における溶融金属射出温度が多少低下しても溶融金属
の低粘性を充分に保ち、安定して優れた表面性を付与す
るものである。このCrの添加量を示すcの値は0.015〜
0.03の範囲であり、0.015未満では上記効果が充分に得
られず、また0.03を超えると結晶化温度の低下を妨げる
方向に働く。
055の範囲が好ましい。b+cの値が0.03未満であると
キュリー温度が高くなりすぎることによって磁気特性の
熱安定性が劣化し、また0.055を超えるとキュリー温度
が低くなるすぎることによって、飽和磁束密度の温度変
化が大きくなりすぎるためである。
あり、dの値は磁気特性の安定付与(表面性の向上と結
晶化温度の改善)を考慮した場合、0.4〜0.5の範囲が適
している。そして、さらにこの場合、Cをeの値として
0.2以下添加することにより、より好ましいものとな
る。また、これらアモルファス化元素の全金属量中の量
を規定するzの値は、24at%〜26at%の範囲が適してお
り、この範囲において薄帯作製工程における溶融金属射
出温度が多少低下しても溶融金属の低粘性を充分に保つ
ことが可能となる。
法、たとえば単ロール法などを適用して超急冷すること
により得られる。
ール法などによって得られたアモルファス合金薄帯を巻
回したり、あるいは1層または複数層積層して所定形状
に成形した後、結晶化温度以下キュリー点以上の温度範
囲でたとえば10分〜5時間程度の熱処理を行うことによ
り得られる。また、この後用途に応じて、さらに無磁場
中あるいは磁場中熱処理(薄帯軸方向、幅方向、板厚方
向など)を施してもよい。なお、上記磁場中熱処理の再
の磁場の強さは、たとえば0.1Oe〜100Oe程度である。
ス合金は、母合金を溶融したものを超急冷してアモルフ
ァス化する際に、射出時の溶融温度に対する粘性の変動
が小さいために、薄帯の表面性改善および冷却ロールに
対する溶湯の定常供給が短時間で達成できることから、
射出条件や急冷条件の多少の変動にかかわらず、安定し
て優れた表面性を得ることが可能となる。これにより、
高角形比が再現性よく得られる。また、結晶化温度が比
較的高いために、熱処理温度の範囲を広く設定でき、こ
のことからも優れた軟磁気特性を再現性よく得ることが
可能となる。
25 で表される合金組成物を調合し、この合金組成物を母合
金として20kg溶融した後、単ロール法によって超急冷し
て幅25mm、板厚18μmのアモルファス合金薄帯を作製し
た。
ットした。
mm、内径10mmのトロイダルコアを100個作製した。
条件で熱処理を施して3℃/分の冷却速度で冷却し、さ
らに1Oeの磁場中で200℃、3時間の条件で熱処理を施し
た。
次巻線を施し、交流磁化測定装置を用いてf=50kHzの
条件下における角形比(Br/Bs)を測定した。その結果
をヒストグラムとして第1図に示す。
により同一形状のトロイダルコアを100個作製した。
条件で熱処理を施して5℃/分の冷却速度で冷却し、さ
らに1Oeの地場中で190℃、5時間の条件で熱処理を施し
た。
s)を実施例1と同様な方法で測定した。その結果をヒ
ストグラムとして第2図に示す。
のトロイダルコアを作製して角形比を測定した。その結
果を第3図に示す。
発明のアモルファス合金薄帯を用いたコアは、角形比の
バラツキが小さく、安定して高角形比が得られることが
分る。実施例1では図1から明らかなように、100個中8
8個のコアが角形比が99〜100%の範囲であり、実施例2
では図2から明らかなように、100個中84個のコアが角
形比が99〜100%の範囲であり、本発明によれば角形比
のバラツキが1%以内と小さいコアを、安定して製造す
ることが可能であることが分る。
ロール法における溶融金属の射出時の温度を1320℃と13
80℃の2条件として、板厚18μmのアモルファス合金薄
帯をそれぞれ作製した。次いで、得られた合金薄帯をス
リットし幅10mmとした。
ダルコアを各100個作製し、430℃で50分間の歪取り熱処
理を施した後、2Oeの磁場中で190℃、2時間の条件で磁
場中熱処理を施した。
2次巻線を施し、交流磁化測定装置を用いて、f=50kH
zの条件下における角形比(Br/Bs)を測定した。それら
の結果を第1表に併せて示す。
アモルファス合金薄帯は、多少の製造条件の変動にかか
わらず、安定して高角形比が得られることが分る。
は、優れた軟磁気特性たとえば高角形比や低鉄損を安定
して得ることができことから、可飽和リアクトル用コア
などに適した磁性材料を安定して提供することが可能と
なる。
ス合金薄帯を用いたトロイダルコアの角形比の測定結果
を表すヒストグラム、第3図は比較例によるアモルファ
ス合金薄帯を用いたトロイダルコアの角形比の測定結果
を表すヒストグラムである。
Claims (4)
- 【請求項1】一般式:(Co1-a-b-cFeaMbCrc)100-z(Si
1-d-eBdCe)z (ただし、式中MはNbおよびMoから選ばれた少なくとも
1種の元素を表し、a、b、c、d、eおよびzは以下
の式を満足する数を示す。 0.04≦a≦0.06 0.015≦b≦0.03 0.015≦c≦0.03 0.4≦d≦0.5 0≦e≦0.2 24at%≦z≦26at%) で合金組成が実質的に表されるCo基アモルファス合金か
らなることを特徴とするアモルファス合金薄帯。 - 【請求項2】一般式:(Co1-a-b-cFeaMbCrc)100-z(Si
1-d-eBdCe)z (ただし、式中MはNbおよびMoから選ばれた少なくとも
1種の元素を表し、a、b、c、d、eおよびzは以下
の式を満足する数を示す。 0.04≦a≦0.06 0.015≦b≦0.03 0.015≦c≦0.03 0.4≦d≦0.5 0≦e≦0.2 24at%≦z≦26at%) で合金組成が実質的に表されるCo基アモルファス合金か
らなり、安定して優れた表面性を有することを特徴とす
るアモルファス合金薄帯。 - 【請求項3】請求項1または請求項2記載のアモルファ
ス合金薄帯の巻回体もしくは積層体からなることを特徴
とする可飽和リアクトル用コア。 - 【請求項4】一般式:(Co1-a-b-cFeaMbCrc)100-z(Si
1-d-eBdCe)z (ただし、式中MはNbおよびMoから選ばれた少なくとも
1種の元素を表し、a、b、c、d、eおよびzは以下
の式を満足する数を示す。 0.04≦a≦0.06 0.015≦b≦0.03 0.015≦c≦0.03 0.4≦d≦0.5 0≦e≦0.2 24at%≦z≦26at%) で合金組成が実質的に表されるCo基アモルファス合金か
らなるアモルファス合金薄帯の巻回体もしくは積層体か
らなる可飽和リアクトル用コアであって、角形比のバラ
ツキが1%以内となるコアが100個中84個以上となるこ
とを特徴とする可飽和リアクトル用コア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1339723A JP2831761B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | アモルファス合金薄帯およびそれを用いた可飽和リアクトル用コア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1339723A JP2831761B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | アモルファス合金薄帯およびそれを用いた可飽和リアクトル用コア |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03201413A JPH03201413A (ja) | 1991-09-03 |
JP2831761B2 true JP2831761B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=18330200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1339723A Expired - Lifetime JP2831761B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | アモルファス合金薄帯およびそれを用いた可飽和リアクトル用コア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2831761B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-28 JP JP1339723A patent/JP2831761B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH03201413A (ja) | 1991-09-03 |
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