JPH1171659A - アモルファス磁性材料およびそれを用いた磁気コア - Google Patents
アモルファス磁性材料およびそれを用いた磁気コアInfo
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Abstract
として用いるアモルファス磁性材料において、製造コス
トの低減を図った上で、高周波域での使用に適合するよ
うな磁気特性およびその熱安定性を高めることが求めら
れている。 【解決手段】 (Fe1-a-b Nia Mb )100-x-y Si
x By (MはMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、T
a、WおよびZrから選ばれる少なくとも 1種の元素、
0.395≦ a≦0.7 、 0≦ b≦0.21、 1-a-b<a 、 6≦ x
≦18at% 、10≦ y≦18at% )で実質的に表される組成を
有するアモルファス磁性材料である。このようなNiリ
ッチなFe−Niをベースとするアモルファス磁性材料
は、 473〜573Kのキュリー温度Tc 、 0.5〜0.9Tの最大
磁束密度Bm を有する。残留磁束密度Br と最大磁束密
度Bm との比Br /Bm は、要求特性に応じて制御する
ことができ、可飽和コアなどに用いられる場合には 60%
以上とする。
Description
やノイズ抑制素子などとして用いられる可飽和コア、あ
るいは加速器やレーザー電源などに用いられる磁気コア
に好適なアモルファス磁性材料、およびそれを用いた磁
気コアに関する。
電源として多用されている。特に、出力制御用としてマ
グアンプを組み込んだスイッチング電源は、多出力化の
容易さと低ノイズのために広く用いられている。
より構成され、その主要部として可飽和コアが用いられ
ている。スイッチング電源では、ノイズ抑制素子などと
しても可飽和コアが使用されている。このような可飽和
コアの構成材料には、角形磁化特性に優れることが必要
とされるため、主にFe−Ni系の結晶質合金(パーマ
ロイ)やCo基アモルファス磁性合金が使用されてき
た。
量化、高性能化などの要求に伴って、スイッチング電源
にも小形軽量化が強く要望されている。このため、スイ
ッチング電源ではスイッチング周波数の高周波化が進め
られている。しかし、従来から使用されてきたFe−N
i系の結晶質合金は、高周波域において保磁力が大きく
なり、うず電流損が著しく増大するという欠点を有して
いる。このため、高周波域での使用に適合するものでは
ない。
性合金は、優れた角形特性や熱安定性に加えて、高周波
域においても損失が小さいなどの優れた特性を有する。
しかしながら、高価なCoを多量に含有するため、可飽
和コアの製造コストが高くなるという難点を有してい
る。
は、Fe基アモルファス磁性合金が種々の分野で用いら
れており、さらに微結晶化したFe基軟磁性合金なども
知られている。しかし、これらの磁性材料は保磁力や最
大磁束密度Bm が大きく、その結果として高周波域での
損失が大きくなるため、可飽和コア材料としては不向き
である。
ファス磁性合金を可飽和コア以外の磁気コアに適用する
場合にも問題となる。Fe基アモルファス磁性合金は、
チョークコイルやトランスなどの構成材料として使用さ
れているが、使用周波数の高周波化により損失の増大が
問題となっている。Fe基アモルファス磁性合金は、磁
気特性の熱安定性が低いというような欠点も有してい
る。
金やFe基アモルファス磁性合金は、いずれも融点が高
く、その結果として液体急冷法などで薄帯化した場合
に、表面粗さが大きくなりやすいという欠点を有してい
る。アモルファス磁性合金薄帯の表面性の低下は、それ
を巻回または積層して磁気コアとした場合に、角形比な
どの磁気特性の劣化原因となる。
o基やFe基のアモルファス磁性合金以外に、Fe−N
iをベースとしたアモルファス磁性合金が知られてい
る。例えば、特開昭 58-193344号公報には、(Fe1-a
Nia )100-x-y Six By (0.2≦ a≦0.4 、20≦ x+
y≦25at% 、 5≦ x≦20at% 、 5≦ y≦20at% )で表さ
れる組成を有するアモルファス磁性合金が記載されてい
る。
a Nib Mc Bd Sie Cf (MはMo、Cr、39≦ a
≦41at% 、37≦ b≦41at% 、 0≦ c≦3at%、17≦ d≦19
at%、 0≦ e≦2at%、 0≦ f≦2at%)で表される組成を
有し、少なくとも 70%がガラス質である磁性金属ガラス
合金が記載されている。特開平5-311321号公報には、F
e100-X-Y-Z NiX SiY BZ ( 1≦ X≦30at% 、10≦
Y≦18at% 、 7≦ Z≦17at% 、 X+Y+Z<80at% )で表さ
れる組成を有する極薄軟磁性合金薄帯が記載されてい
る。
−Niを磁性合金のベース成分としているものの、Fe
を主成分とするFeリッチの磁性合金である。このた
め、上述したFe基アモルファス磁性合金と同様に損失
が大きく、さらに磁気特性の熱安定性が低いというよう
な欠点を有している。液体急冷法などで薄帯化した場合
に、表面粗さが大きくなりやすいという欠点についても
同様である。
1-a Nia )100-y Xy (XはSiおよびB、 0.3≦ a
≦0.65、15< y≦30at% )で表される組成を有し、耐食
性がよく、かつ耐応力腐食割に優れるアモルファス磁性
合金が記載されている。特開昭 57- 13146号公報には、
(Fe1-a Nia )100-x-y Six By ( 0.2≦ a≦0.
7 、 1≦ x≦20at% 、 5≦ y≦9.5at%、15≦ x+y≦30at
% )で表されるアモルファス合金が記載されている。
e−Ni基アモルファス磁性合金と同様に、基本的には
Feリッチの合金組成を有している。さらに、高周波域
で使用される可飽和コア、低損失コア、高透磁率コアな
どの構成材料を想定していないため、SiやBの組成比
は高周波域での使用に対応しておらず、さらにこれら基
本成分以外の添加元素についても十分に検討されていな
い。
の可飽和コア材料として用いられてきたCo基アモルフ
ァス磁性合金は、高価なCoを多量に含有するため、磁
気コアの製造コストが高くなるという難点を有してい
る。一方、Co基以外の磁性材料のうち、Fe基アモル
ファス磁性合金やFeリッチのFe−Ni基アモルファ
ス磁性合金は、高周波域での損失が大きい、熱安定性が
低いというような欠点を有している。さらに、これら従
来のアモルファス磁性合金はいずれも融点が高く、その
結果として液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面粗
さが大きくなりやすいという欠点を有している。
なされたもので、可飽和コア、低損失コア、高透磁率コ
アなどとして用いる場合に、高周波域での使用に適合す
るような磁気特性を有し、さらに磁気特性の熱安定性に
優れる、安価なアモルファス磁性材料、さらには液体急
冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性を向上させ
ることが可能なアモルファス磁性材料を提供することを
目的としている。また、そのようなアモルファス磁性材
料を用いることによって、安価で磁気特性に優れる磁気
コアを提供することを目的としている。
性材料は、請求項1に記載したように、 一般式:(Fe1-a-b Nia Mb )100-x-y Six By (式中、MはMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、T
a、WおよびZrから選ばれる少なくとも 1種の元素を
示し、 a、 b、 xおよび yはそれぞれ 0.395≦ a≦0.7
、 0≦ b≦0.21、 1-a-b<a 、 6≦ x≦18at% 、10≦
y≦18at% を満足する値である)で実質的に表される組
成を具備することを特徴としている。
M元素は例えば請求項2に記載したように、Mn、Cr
およびCoから選ばれる 2種以上の元素を含むことが好
ましく、さらに請求項3に記載したように、Mn、Cr
およびCoを含むことが好ましい。M元素の含有量b
は、請求項4に記載したように 0.001≦ b≦ 0.1を満足
することが好ましい。Siの含有量x およびBの含有量
y は、請求項5に記載したように15≦ x+y≦30at% を満
足することが好ましく、また請求項6に記載したように
x< yの関係を満足することが好ましい。
請求項7に記載したようにキュリー温度Tc が473K以上
573K以下、請求項8に記載したように最大磁束密度Bm
が0.5T以上0.9T以下、請求項9に記載したように残留磁
束密度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm が 0.6
以上、あるいは請求項11に記載したように残留磁束密
度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm が 0.5以
下、請求項12に記載したように融点が 1273K以下とい
うような特性を有する。
13に記載したように、例えばアモルファス磁性薄帯と
して使用される。この場合、請求項14に記載したよう
に、アモルファス磁性薄帯は、その両平マイクロ板厚を
重さから換算した板厚で割った値で表される表面粗さK
s が 1≦Ks ≦1.5 を満足するような表面平滑性を有す
る。また、アモルファス磁性薄帯は、請求項15に記載
したように30μm 以下の平均板厚を有することが好まし
い。
に記載したように、上記した薄帯形状を有する本発明の
アモルファス磁性材料の巻回体または積層体を具備する
ことを特徴としている。
ては、請求項18に記載したように、コアの作製に用い
るアモルファス磁性材料は、キュリー温度Tc が473K以
上573K以下、最大磁束密度Bm が0.5T以上0.9T以下、残
留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm が
0.6以上である磁気コアが挙げられる。他の形態として
は、請求項19に記載したように、コアの作製に用いる
アモルファス磁性材料は、キュリー温度Tc が473K以上
573K以下、残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比
Br /Bm が 0.5以下であるである磁気コアが挙げられ
る。
のベース成分としてNiリッチなFe−Niを用いてお
り、このようなベース成分にアモルファス化に必須のS
iおよびBを所定の比率で配合している。このような合
金組成によれば、Coに比べて安価なFe−Niをベー
ス成分とした上で、Co基アモルファス磁性材料に匹敵
する可飽和磁気特性、低損失特性、高透磁率性などの優
れた磁気特性を得ることができる。
は、Mn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、Wおよ
びZrから選ばれる少なくとも 1種の元素のM元素を配
合することによって、上記したような磁気特性の熱安定
性を高めることができる。特に、M元素としてMn、C
rおよびCoから選ばれる 2種以上の元素を使用するこ
とによって、より一層良好な熱安定性が得られる。
モルファス磁性材料は、従来のCo基やFe基のアモル
ファス磁性材料に比べて融点が低い。従って、本発明の
アモルファス磁性材料は、液体急冷法などで薄帯化した
場合に、表面の平滑性を向上させることができる。表面
の平滑性に優れるアモルファス磁性材料は、それを巻回
または積層した磁気コアの特性向上に寄与する。
態について説明する。
a、WおよびZrから選ばれる少なくとも 1種の元素を
示し、a、b、xおよびyはそれぞれ 0.395≦ a≦0.7
、 0≦ b≦0.21、 1-a-b< a、 6≦ x≦18at% 、10≦
y≦18at% を満足する値である)で実質的に表される組
成を有する。
ルファス磁性材料(アモルファス磁性合金)は、Niリ
ッチなFe−Niをベース成分として含有するものであ
る。このようなアモルファス磁性材料は、単ロール法な
どの通常の液体急冷法を適用して、上記 (1)式の組成を
満足する合金溶湯を超急冷することにより得られる。本
発明のアモルファス磁性材料の具体的な形状としては薄
帯が挙げられる。
の低減を図る上で30μm 以下とすることが好ましい。ア
モルファス磁性薄帯の平均板厚は、さらに20μm 以下と
することが好ましい。アモルファス磁性薄帯の平均板厚
を20μm 以下とすることにより、うず電流損を十分に小
さくすることができるため、特に高周波域での損失低減
を図ることができる。アモルファス磁性薄帯のより好ま
しい平均板厚は15μm以下である。なお、ここで言う平
均板厚とは、平均板厚=重量/(密度×長さ×薄帯の
幅)により求められる値を指すものである。
性合金のベースとなる元素である。本発明では、Niリ
ッチなFe−Niをベース成分としている。従って、N
iの配合比を示す aの値は、Feの配合比を示す (1-a-
b)の値より大きく設定されている。言い換えると、 aの
値は (1-b)/2<a を満足するものである。
ァス磁性合金では、十分な磁束密度を得ることができ
ず、さらにはキュリー温度Tc が低くなりすぎて、磁性
合金としての安定性が得られない。Feのみをベースと
するアモルファス磁性合金では、前述したように、保磁
力や最大磁束密度Bm が大きくなりすぎて、損失の増大
などを招き、さらには熱安定性などが低下する。また、
液体急冷法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性も低
下する。
などに寄与するFeを配合したNiを磁性合金のベース
成分として用いている。すなわち、本発明のアモルファ
ス磁性合金はNiリッチなFe−Niをベース成分とし
て含有する。このようなアモルファス磁性合金によれ
ば、従来のCo基アモルファス磁性合金に近い磁気特性
を、安価なFe−Niベースで得ることができる。さら
に、NiリッチなFe−Niベースのアモルファス磁性
合金は、Co基やFe基のアモルファス磁性合金に比べ
て低融点であるため、アモルファス磁性合金を液体急冷
法などで薄帯化した場合に、表面の平滑性を向上させる
ことができる。
(1-b)/2<a の条件を満足させた上で、 0.395≦ a≦0.7
の範囲としている。Niの配合比を示す aの値が 0.39
5未満であると、NiリッチなFe−Niベースによる
効果が得られない。すなわち、相対的にFe量が増加す
ることによって、磁歪が大きくなると共に、損失の増大
や熱安定性の低下などを招く。さらに、液体急冷法で薄
帯化した場合に薄帯表面の平滑性も低下する。一方、 a
の値が 0.7を超えると最大磁束密度Bm が低くなりすぎ
ると共に、キュリー温度Tc が低下して実用的な磁気特
性の安定性が得られない。
−Niベース中のNi配合比a を、(1-b)/2<a かつ 0.
395≦ a≦0.7 とすることによって、実用的な磁気特性
の安定性を確保した上で、低損失、低磁歪などの優れた
磁気特性を、Co基アモルファス磁性合金に比べて安価
なFe−Niベースで実現することが可能となる。さら
に、アモルファス磁性合金を液体急冷法などで薄帯化し
た場合に、表面の平滑性を向上させることができる。N
iの配合比a は、特に 0.5〜 0.7の範囲とすることが好
ましい。
a、WおよびZrから選ばれる少なくとも 1種のM元素
は、磁性合金の熱安定性や磁気特性の向上に寄与する成
分である。M元素は必ずしも添加しなければならないも
のではないが、アモルファス磁性合金の熱安定性を向上
させる上で添加することが望ましい。ただし、M元素の
配合比を示す bの値が0.21を超えると、安定した軟磁気
特性が得られにくくなるため、 bの値は0.21以下とす
る。一方、M元素による熱安定性の向上効果を有効に得
るためには、M元素の配合比b を 0.001以上とすること
が好ましい。さらに、M元素の配合比b は 0.001〜 0.1
の範囲とすることが望ましい。
素を併用することが好ましい。特に、Mn、Crおよび
Coから選ばれる 2種以上の元素を、M元素として使用
することが好ましい。これらのうち、さらにMnとCr
を使用することが望ましい。M元素としてMn、Crお
よびCoの 3元素の配合した組成であってもよい。この
ようなM元素によれば、特にNiリッチなFe−Niベ
ースのアモルファス磁性合金の熱安定性をより一層高め
ることができる。熱安定性が向上すると経時変化に強い
磁性合金となり、使用環境の変化、特に温度変化に強い
磁性材料が得られる。Mnは磁性合金の融点の低下に対
しても効果を発揮する。
る環境下での磁気特性の変化の度合いを示す。経時変化
特性に優れるということは、使用環境、特に温度が高い
環境下に放置された後でも所定の磁気特性が保たれるこ
とを意味する。経時変化特性は、例えば[{(一定時間
ある環境下に放置した後の常温での磁気特性)−(常温
で測定した初期の磁気特性)}/(常温で測定した初期
の磁気特性)]×100(%) で表すことができる。例えば
本発明のアモルファス磁性材料は、393Kで 200時間放置
した後の常温での直流保磁力Hc の経時変化率を5%以下
とすることができる。
化特性にも優れている。温度変化特性とは、常温から温
度を上げていったときの磁気特性の変化の割合である。
例えば、温度変化特性としての 50kHz,80A/m での磁束
密度B80の293Kと373Kでの変化率を 20%以下とすること
ができる。
これらの配合比はそれぞれ 0.001〜0.05の範囲とするこ
とが好ましい。すなわち、上記 (1)式において、Mnの
配合比をb1、Crの配合比をb2としたとき、 一般式:(Fe1-a-b Nia Mnb1Crb2)100-x-y Six By ……(2) (式中、a、b1 、b2 、xおよびyはそれぞれ 0.395
≦ a≦0.7 、 0.001≦b1≦0.05、 0.001≦b2≦0.05、 1
-a-b< a、 6≦ x≦18at% 、10≦ y≦18at% を満足する
値である)で実質的に表される合金組成を適用すること
が好ましい。 (2)式で表される合金組成は、さらにCo
もしくはNb、V、Mo、Ta、WおよびZrから選ば
れる少なくとも 1種のM′元素を含有することができ
る。これら元素の配合比b3は、M元素としての配合比b
が0.21以内となるように設定する。すなわち、b1+b2+
b3≦0.21とする。
須の元素である。Siの配合比x は6≦ x≦18at% 、B
の配合比y は10≦ y≦18at% とする。Siの配合比x が
6at%未満またはBの配合比y が10at% 未満の場合は薄帯
が脆くなり、良質の磁性薄帯を得難くなり好ましくな
い。一方、Siの配合比x が18at% 超える、またはBの
配合比y が18at% を超えると、最大磁束密度Bm および
熱安定性が低下する。
の範囲とすることが好ましい。SiとBの合計量が 15a
t%未満であると、結晶化温度がキュリー温度と同等もし
くはそれ以下となり、低保磁力および高角形比が得られ
なくなるおそれがある。一方、SiとBの合計量が 30a
t%を超えると最大磁束密度Bm および熱安定性が低下す
る。SiとBの合計量のより好ましい範囲は18〜24at%
である。
わち x< yとすることが好ましい。NiリッチなFe−
Niベースのアモルファス磁性材料においては、アモル
ファス元素をBリッチとすることによって、磁気特性を
より一層高めることができる。従って、 xおよび yは 7
≦ x≦9at%、12≦ y≦16at% とすることが望ましい。
とするアモルファス磁性材料は、473〜573Kの範囲のキ
ュリー温度Tc を有する。従って、実用的な磁気特性の
安定性を得ることができる。アモルファス磁性材料のキ
ュリー温度Tc が473K未満であると、熱安定性が大幅に
低下して可飽和コア、低損失コア、高透磁率コアなどの
磁気コアとしての実用性が損われる。一方、キュリー温
度Tc が573Kを超えると結晶化温度との兼合いから、所
望の磁気特性が得られにくくなる。
ァス磁性材料において、最大磁束密度Bm は 0.5〜0.9T
の範囲とすることができる。最大磁束密度Bm が0.9Tを
超えると損失の増大を招くことになる。一方、最大磁束
密度Bm が0.5T未満であると、アモルファス磁性合金を
例えば可飽和コアに適用する場合に、十分な角形比を得
ることができない。可飽和コア以外の用途に適用する場
合においても、最大磁束密度Bm が0.5T未満であると所
望の磁束を得るために、コア断面積を大きくする必要が
あり、その結果コアが大型化し、それを用いる磁性部品
をも大型化してしまうことになる。
すなわち残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比
(Br /Bm )は、使用用途に応じて適宜設定可能であ
る。なお、ここで言う角形比は直流角形比のことであ
り、以後単に角形比と呼ぶ。角形比は後述する熱処理温
度などにより制御することができる。本発明のアモルフ
ァス磁性材料を可飽和性が要求される用途に使用する場
合、角形比は 60%以上に設定することが好ましい。可飽
和コアなどに使用する場合の角形比は 80%以上であるこ
とがさらに好ましい。
高周波トランス、加速器やレーザ電源などに使用される
磁気コア、セキュリティーセンサやトルクセンサなどの
各種センサ用磁性材料などに用いる場合、角形比は各用
途に応じた値に設定される。具体的には、角形比を 50%
以下とすることができる。このような角形比も熱処理温
度などを制御することにより得られる。
は、NiリッチなFe−Niをベース成分としているた
め、融点を 1273K以下とすることができる。このよう
に、アモルファス磁性材料の融点を 1273K以下とするこ
とによって、液体急冷法などで薄帯化する場合に、薄帯
の表面性を向上させることができる。
材料は、いずれも融点が1323〜1473K 程度と高い。液体
急冷法で表面性の高い薄帯を得るためには、通常、溶湯
の粘性が低い方がよい。従って、液体急冷法で薄帯を作
製する際に、溶湯温度は例えば1573〜 1773K程度に設定
する必要がある。しかし、溶湯温度が高いと冷却ロール
にかかる熱負荷が大きくなり、冷却が困難になるのみで
はなく、冷却ロールの表面が荒れ、結果として薄帯の表
面性が低下してしまう。
材料は、融点が 1273K以下と低いため、従来より溶湯温
度を下げた状態で薄帯を作製することができる。従っ
て、冷却ロールなどにかかる熱負荷が軽減され、液体急
冷法による薄帯の製造性を向上させることができると共
に、薄帯表面の平滑性を高めることができる。
アモルファス磁性薄帯の表面粗さKs を 1≦Ks ≦1.5
の範囲とすることが可能となる。この表面粗さKs と
は、 Ks =(両平マイクロ板厚/重さから換算した板厚) で表される値である。両平マイクロ板厚とは、両平マイ
クロメーターで測定した実測値で、具体的には薄帯の任
意の 5点を測定した各実測値の平均値であり、この値を
重さから換算した理論値の板厚で割ることによりKs 値
が算出される。
凹凸の少ない薄帯となる。アモルファス磁性薄帯のKs
値が 1.5を超えると、例えば可飽和コアとして用いた場
合の角形比などの磁気特性が低下する。可飽和コア以外
の用途に適用する場合においても、Ks 値が 1.5を超え
ると占積率が低下し見かけ上損失が増加する。このよう
に、表面粗さKs が 1≦Ks ≦1.5 の範囲のアモルファ
ス磁性薄帯によれば、優れた磁気特性を安定して得るこ
とが可能となる。
トの低減が可能な安価なFe−Niをベースとしたアモ
ルファス磁性材料で、Co基アモルファス磁性材料に匹
敵する磁気特性を得ることができる。具体的には、低損
失、低磁歪、高透磁率、また可飽和性が要求される用途
に使用する場合には高角形比などの優れた磁気特性が得
られ、さらにはそのような磁気特性の経時変化特性や温
度変化特性などの熱安定性を高めることができる。加え
て、液体急冷法などで薄帯化したアモルファス磁性薄帯
は、優れた製造性および表面平滑性を有する。これらの
特性に基づいて、本発明のアモルファス磁性材料は種々
の磁気部品に有効に利用することができ、汎用性に優れ
るものである。
液体急冷法などで薄帯化し、このアモルファス磁性薄帯
を所望の形状に巻回したり、あるいはアモルファス磁性
薄帯を所望の形状に打ち抜いた後に所望のコア形状に積
層することによって、磁気コアとして使用される。
形態の構成をそれぞれ示す断面図である。図1に示す磁
気コアは、薄帯化した本発明のアモルファス磁性材料、
すなわちアモルファス磁性薄帯1を所望の形状に巻回し
た巻回体2からなる。図2に示す磁気コアは、薄帯化し
た本発明のアモルファス磁性材料を所望の形状に打ち抜
いたアモルファス磁性体片3を積層した積層体4からな
る。
は、歪取り熱処理を施すことにより、歪を取るだけでな
く角形比を制御することができる。この歪取り熱処理は
通常、キュリー温度〜結晶化温度の間で行われるが、例
えばキュリー温度に+20〜30K程度で行えば 60%以上の
高い角形比を得ることができ、結晶化温度より -20〜30
K の温度で行えば 50%以下の低い角形比を得ることがで
きる。
熱処理の温度を制御することにより角形比を制御するこ
とができるが、より角形比を制御するために歪取り熱処
理の後に磁場中で熱処理を行うことが効果的である。
大きさは 1Oe 以上、好ましくは10Oe 以上であり、雰
囲気については窒素、アルゴンなどの不活性ガス中、真
空中や水素ガスなどの還元雰囲気中、大気中のいずれで
もよいが、好ましくは不活性ガス中である。熱処理時間
は10分〜 3時間程度が好ましく、特に好ましくは 1〜2
時間である。
角形比(Br /Bm )を 80%以上と高める場合には、磁
性薄帯1の長さ方向Lに磁場Hを印加しながら熱処理を
行うと効果的である。また、角形比を磁気コアの用途に
応じて 50%以下、さらには40%以下とする場合には、例
えば図4に示すように、磁性薄帯1の幅方向Wに磁場H
を印加しながら熱処理を行うと効果的である。なお、磁
場を印加する方向を示す長さ方向Lおよび幅方向Wと
は、必ずしもその方向に水平である必要はなく、多少の
傾きは許されるが、好ましくは±20°の範囲である。
歪取り熱処理や磁場中熱処理を省くこともできる。この
場合、磁気コアの製造工程を減らすことになるため、製
造コストを低減することが可能である。
低損失コア、高透磁率コア、低磁歪コアなどの種々の用
途に使用される。本発明の磁気コアを適用した可飽和コ
アは、マグアンプの可飽和リアクトルやノイズ抑制素
子、また電流センサや方位センサなどに用いられる可飽
和コアに好適である。可飽和コアに適用する場合には、
前述したように角形比を 60%以上、さらには 80%以上に
設定する。
低損失性、高透磁率性、低磁歪などを利用して、大電力
用を含む高周波トランス、IGBT用コア、コモンモー
ドチョークコイル、ノーモルモードチョークコイル、加
速器やレーザ電源などに使用される磁気コア、セキュリ
ティーセンサやトルクセンサなどの各種センサ用磁性コ
アなどに使用することができる。
アモルファス磁性薄帯の巻回体や積層体からなる磁気コ
アに限らず、種々の形状の磁性部品として使用すること
ができる。本発明のアモルファス磁性材料は、薄膜磁気
ヘッドなどに使用することも可能である。
価結果について述べる。
れら各合金組成物を母合金として溶融した後、単ロール
法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、板厚18
μm のアモルファス合金薄帯を作製した。これら各アモ
ルファス合金薄帯のキュリー温度Tc 、励磁界10Oe で
の直流保磁力、磁界10Oe のときの最大磁束密度B10を
測定した。その結果を表1に示す。
たアモルファス合金薄帯、Feのみをベースとしたアモ
ルファス合金薄帯、本発明の組成範囲外のFe−Niを
ベースとしたアモルファス合金薄帯である。これら比較
例1の各アモルファス合金薄帯についても、実施例1と
同様に特性を評価した。それらの結果を併せて表1に示
す。
ルファス合金薄帯は、磁性部品に適したキュリー温度T
c を有し、さらに低保磁力と適度な最大磁束密度を有す
ることが分かる。
ら各合金組成物を溶融した。各合金のキュリー温度Tc
および融点は表2に示す通りである。これら各母合金の
溶湯を単ロール法で超急冷することによって、それぞれ
幅20mm、板厚18μm のアモルファス合金薄帯を作製し
た。これら各アモルファス合金薄帯の表面粗さKs を測
定した。その結果を表2に示す。表面粗さKs は前述し
たように、両平マイクロ板厚と重さから換算した板厚と
から求めたものである。
ス合金は、従来のCo基やFe基のアモルファス合金に
比べて融点が低く、それに基づいて表面の平滑性に優れ
ることが分かる。
ら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単
ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、
板厚18μm のアモルファス合金薄帯を作製した。
80A/m での磁束密度B80を測定した。磁束密度B80は、
まず293Kの温度環境下で測定した後、温度を373Kまで上
げて再度測定した。これら293Kでの磁束密度B80と373K
での磁束密度B80とから変化率を求め、温度変化特性を
評価した。これらの結果を表3に示す。
ス合金は、従来のFe基アモルファス合金に比べて温度
変化特性に優れ、従来のCo基アモルファス合金と同等
の熱安定性を有することが分かる。
ら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単
ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、
板厚18μm のアモルファス合金薄帯を作製した。
力Hc1と393Kで 200時間放置した後の保磁力Hc2をそれ
ぞれ常温下で測定した。これら初期保磁力Hc2と高温放
置後の保磁力Hc2とから変化率を求め、経時変化特性を
評価した。これらの結果を表4に示す。
ス合金は、従来のFe基アモルファス合金に比べて経時
変化特性に優れ、従来のCo基アモルファス合金と同等
の熱安定性を有することが分かる。
ら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単
ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅20mm、
板厚18μm のアモルファス合金薄帯を作製した。
スリットした後、それぞれ外径12mm×内径 8mmとなるよ
うに巻回して、上記した各組成のアモルファス合金薄帯
からなるトロイダルコアを作製した。これら各トロイダ
ルコアに683K×20分の条件で歪取り熱処理を施した後、
さらに励磁界10Oe の条件下で、各コアの薄帯の長さ方
向に磁場を印加しながら熱処理を行い、角形比(Br /
B10)を測定した。その結果を表5に示す。
5の試料1と同様の組成(キュリー温度549K、結晶化温
度742K)で歪取り熱処理を593K(試料8)、663K(試料
9)、713K(試料10)と変えたコアについても角形比
を測定した。その結果を併せて表5に示す。
ス合金薄帯を用いたコアは高角形比を有し、従来のCo
基アモルファス合金と同等の可飽和特性を示すことが分
かる。このような磁気コアは可飽和コアに好適である。
また、歪取り熱処理の温度を変えることにより、角形比
の制御が可能であることが分かる。
ら各合金組成物を溶融した。これら各母合金の溶湯を単
ロール法で超急冷することによって、それぞれ幅25mm、
板厚15μm のアモルファス合金薄帯を作製した。
示す層間絶縁用フィルムと共に巻回して、それぞれ外径
70mm×内径34mmの加速器用コアを作製した。これら各コ
アの角形比、比透磁率μrおよび同価損失抵抗Rを測定
した。さらに、比透磁率μrと同価損失抵抗RとからR
/μr値を求めた。ここでは、コア形成後の歪取り熱処
理を行った場合と行わない場合とで、比透磁率μrおよ
び同価損失抵抗Rを測定した。
損が低いCo基アモルファス合金薄帯を用いて、同形状
のコアを作製した。これら比較例のコアについても比透
磁率μrと同価損失抵抗Rを測定し、さらにR/μrを
求めた。これらの測定結果を表6に併せて示す。
り、この値が小さいほど損失が小さい。表6に示すよう
に、本発明の組成を満足するアモルファス合金薄帯を用
いた磁気コアはR/μr値が小さく、加速器の低損失化
に有効であることが分かる。
用いた磁気コアは、歪取り熱処理の有無にかかわらず、
良好な特性を示すことが分かる。このように、本発明に
よれば歪取り熱処理を施すことなく、低損失化した加速
器用コアを提供することができる。熱処理工程を省くこ
とは磁気コアの製造工程の簡素化につながるため、磁気
コアのより一層の低コスト化が達成される。
の磁気コアは、いずれも 45%以下の角形比を有するもの
である。このように角形比の低い材料の方が適する分野
においても良好な結果を示す。
ァス磁性材料によれば、高周波域での使用に適合する磁
気特性、熱安定性、表面平滑性などを、安価なFe−N
iベースのアモルファス磁性材料で実現することができ
る。従って、そのようなアモルファス磁性材料を用いる
ことによって、各種用途に求められる特性を満足させた
上で、製造コストの低減を図った磁気コアなどを提供す
ることが可能となる。
示す断面図である。
を示す断面図である。
である薄帯の長さ方向を示す図である。
である薄帯の幅方向を示す図である。
Claims (20)
- 【請求項1】 一般式:(Fe1-a-b Nia Mb )
100-x-y Six By (式中、MはMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、T
a、WおよびZrから選ばれる少なくとも 1種の元素を
示し、a、b、xおよびyはそれぞれ 0.395≦ a≦0.7
、 0≦ b≦0.21、 1-a-b<a 、 6≦ x≦18at% 、10≦
y≦18at% を満足する値である)で実質的に表される組
成を具備することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項2】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 前記M元素は、Mn、CrおよびCoから選ばれる 2種
以上の元素を含むことを特徴とするアモルファス磁性材
料。 - 【請求項3】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 前記M元素は、Mn、CrおよびCoを含むことを特徴
とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項4】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 前記M元素の含有量bは 0.001≦ b≦ 0.1を満足するこ
とを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項5】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 前記Siの含有量x および前記Bの含有量y は15≦ x+y
≦30at% を満足することを特徴とするアモルファス磁性
材料。 - 【請求項6】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 前記Siの含有量x と前記Bの含有量y は x< yの関係
を満足することを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項7】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 キュリー温度Tc が473K以上573K以下であることを特徴
とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項8】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 最大磁束密度Bm が0.5T以上0.9T以下であることを特徴
とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項9】 請求項1記載のアモルファス磁性材料に
おいて、 残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm
が 0.6以上であることを特徴とするアモルファス磁性材
料。 - 【請求項10】 請求項9記載のアモルファス磁性材料
において、 前記Br /Bm 比が 0.8以上であることを特徴とするア
モルファス磁性材料。 - 【請求項11】 請求項1記載のアモルファス磁性材料
において、 残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm
が 0.5以下であることを特徴とするアモルファス磁性材
料。 - 【請求項12】 請求項1記載のアモルファス磁性材料
において、 前記アモルファス磁性材料の融点は 1273K以下であるこ
とを特徴とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項13】 請求項1記載のアモルファス磁性材料
において、 前記アモルファス磁性材料は薄帯形状を有することを特
徴とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項14】 請求項13記載のアモルファス磁性材
料において、 前記薄帯形状を有するアモルファス磁性材料は、その両
平マイクロ板厚を重さから換算した板厚で割った値で表
される表面粗さKs が 1≦Ks ≦1.5 を満足することを
特徴とするアモルファス磁性材料。 - 【請求項15】 請求項13記載のアモルファス磁性材
料において、 前記薄帯形状を有するアモルファス磁性材料は30μm 以
下の平均板厚を有することを特徴とするアモルファス磁
性材料。 - 【請求項16】 請求項13記載の薄帯形状を有するア
モルファス磁性材料の巻回体または積層体を具備するこ
とを特徴とする磁気コア。 - 【請求項17】 請求項16記載の磁気コアにおいて、 前記アモルファス磁性材料は、前記M元素としてCo、
CrおよびMnから選ばれる 2種以上の元素を含むこと
を特徴とする磁気コア - 【請求項18】 請求項16記載の磁気コアにおいて、 前記アモルファス磁性材料は、キュリー温度Tc が473K
以上573K以下、最大磁束密度Bm が0.5T以上0.9T以下、
残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm
が 0.6以上であることを特徴とする磁気コア。 - 【請求項19】 請求項16記載の磁気コアにおいて、 前記アモルファス磁性材料は、キュリー温度Tc が473K
以上573K以下、残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm と
の比Br /Bm が 0.5以下であることを特徴とする磁気
コアア。 - 【請求項20】 請求項13記載の薄帯形状を有するア
モルファス磁性材料であって、キュリー温度Tc が473K
以上573K以下、最大磁束密度Bm が0.5T以上0.9T以下、
残留磁束密度Br と最大磁束密度Bm との比Br /Bm
が 0.6以上であるアモルファス磁性材料の巻回体または
積層体を具備することを特徴とする可飽和コア。
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