JP2719978B2 - 高周波磁心用非晶質合金 - Google Patents

高周波磁心用非晶質合金

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はスイッチング電源のマグアンプ(磁気増幅
器)やインダクタンス素子など高周波帯域で用いる非晶
質軟質磁性合金に関するものである。
(従来の技術) 電子計算機やその周辺機器、通信機器などの電源に対
する小型化の要請は年々高まっている。電源の小型化に
は用いられる部品の小型化、高効率化が必要である。磁
性部分を小型化するためには周波数を高める、動作磁束
密度を高めるなどの手段をとればよい。しかし周波数や
動作磁束密度を上げると損失が大きくなり、結果として
磁心の発熱による問題が大きくなる。このため高周波で
損失の少ない磁性材料が求められる。
高周波における損失の少ない軟磁気特性材料として注
目されているのは非晶質合金である。非晶質合金は従来
の軟磁性金属に比べて電気抵抗が大きく、板厚の薄い材
料が容易に製造できる。すなわち高周波になるほど非晶
質合金は有利になるのである。なかでも磁歪がほとんど
ゼロのCo基非晶質合金は保磁力Hcも小さいためマグアン
プやコモンモードチョークのコアとして今日すでに実用
化されている。
今日、知られているゼロ磁歪Co基非晶質合金はいずれ
も菊地らの鉄案したCoFeSiB合金をベースに各種の補助
元素を含むものである。特開昭58−31053号公報に記載
の合金、特公昭63−28483号公報に記載の合金がその代
表である。前者はCoFeSiBにTi,V,Cr,Mn,Ni,Zr,Nb,Mo,R
u,Hf,Ta,W,Reを添加することにより熱的安定性を改良す
るものであり、後者は非晶質CoXSiB合金薄帯のトロイダ
ルコアの周方向に平行な磁場中でアニールした角型比の
高いコアを製造する方法である。ただし、XはTi,V,Cr,
Mn,Ni,Zr,Nb,Mo,Ru,Hf,Ta,W,Re,Fe,Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,G
d,Tb,Dyの1種または2種以上である。実用成分として
はこの他さまざまな特性要求がある。例えばロットによ
る組成変動の影響を受けにくいこと、アニール条件の範
囲が広いこと、コア加工工程における劣化の小さいこ
と、耐食性がすぐれていることなどが要求される。しか
しこれらの付加的要因をすべて考慮した場合、今日呈示
されている合金では不満足な点が多い。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は磁気特性を満足するだけでなく、実用成分に
対して要求される諸特性をバランスよく保持する新規な
Co基非晶質合金及び高周波磁心を提供することを目的と
するものである。
(課題を解決するための手段・作用) 本発明の要旨とするところは、組成がCoaFebMocSndSi
eBfからなる100kHz以上の高周波における軟磁気特性が
優れた高周波磁心用非晶質合金にある。ここで、a=67
〜71(原子%、以下同じ)、b=3〜6、c=1〜3、
d=0.05〜1.0、e=5〜19、f=7〜16、かつ、a+
b+c+d+e+f=100である。
本発明の合金は従来から知られているCoFeSiB合金を
ベースにMoとSnを複合添加したことが特徴である。Moと
Snの複合添加により本発明が目的とする軟磁気特性の向
上とともに新たな効果が付加される。すなわち、高周波
における損失あるいは保磁力が従来の組成に比べて低減
できるだけでなく、従来の合金においては不十分であっ
た実用特性の改善がなされる。たとえば、アニール条
件裕度の拡大、歪み劣化の低減、耐食性の向上、
組成自由度の拡大が達成される。
第1図はSnを添加しないCo基非晶質合金(b)とSnを
添加した本発明のCo基非晶質合金(a)の磁気特性のア
ニール温度依存性を比較したものである。図のようにSn
を添加しない合金では樹脂コーティング前(アニール
後)の角型比はアニール温度に依存して敏感に変化する
とともに、樹脂コーティング後(歪みが加わる)の特性
劣化が大きい。これに対して本発明の合金は樹脂コーテ
ィング前の角型比が広いアニール温度範囲ですぐれた特
性を示すとともに樹脂コーティング後も特性劣化が小さ
い。このようにMoの添加だけでは不十分であった実用特
性がSnの添加により一層の特性向上と製造安定性の改善
が達成される。
Snの添加がもたらす効果は主にSnの表面改質作用のた
めと考えられる。その根拠として、第2図に示すように
Sn添加非晶質合金薄帯の表面層にSiが異常に濃縮される
という本発明者自身が見出した現象がある。すなわち、
高周波損失の低減はSiの異常な表面偏析が薄帯表面の絶
縁抵抗を高め、層間渦電流損の増大を抑制するためと考
えられる。耐食性の向上も同様にして説明できる。アニ
ール裕度および組成の自由度については明らかではない
が、やはり表面層が関与しているものと推定される。
以上説明したように本発明はSnの異常な挙動と特性の
関係を追究する過程を経て完成するに至ったのである。
次に、本発明の合金組成を限定する理由について述べ
る。
Snは本発明の目的とするすぐれた実用特性を付与する
ための必須元素で0.05〜1.0%(原子%、以下おなじ)
の範囲に規定した。その理由は0.05%未満では本発明が
目的とするSnの効果が顕著に発現せず、また1.0%を超
えて添加しても著しい効果は認められないからである。
Moは非晶質合金の熱的安定性、非晶質形成能を高める
とともにSnと共存することにより高周波における磁気特
性を改善する効果をもつ元素で、その範囲を1〜3%に
限定した。1%を下回ると添加の効果が不十分なため下
限を1%とし、3%を超えると飽和磁束密度が低下する
ので上限を3%とした。
Co,Fe,Si,B4元素の組成範囲は添加するSnとMoの量を
考慮して次の条件を満足するよに決められた。第1の条
件は磁歪が10-6以下、第2の条件は飽和磁束密度が0.5T
以上、第3の条件はコアの周方向に印加した磁場中アニ
ール後の100kHzにおける交流磁気特性が、少なくとも角
型比Br/Bm>0.90、保磁力Hc<300mOe、好ましくはBr/Bm
>0.95、保磁力Hc<200mOeである(Br=残留磁束密度、
Bm=印加最大磁場における磁束密度)。また、直角方向
に印加した磁界中アニール後の100kHzにおける透磁率が
少なくとも20,000である。これらの条件を満足する組成
条件として、本発明においてはCoを67〜71%、Fe3〜6
%、Si5〜19%、B7〜16%に規定する。Co、Feは規定し
た範囲をはずれると磁歪および飽和磁束密度に対する条
件を満足しなくなる。また、SiとBが規定した範囲を外
れると非晶質合金の形成が困難になるとともに所定の交
流磁気特性を満足しなくなる。
次に本発明の実施態様について述べる。まず上述の組
成範囲となるように配合した原料あるいは母合金を溶解
し、通常の液体急冷法で非晶質の連続薄帯とする。この
とき使用するノズルは単一スリットノズルまたは多重ス
リットノズル、あるいはラップした多孔ノズルを用いる
ことができる。鋳造する雰囲気は大気中、不活性ガス
中、真空中のいずれでもよい。以上説明した非晶質薄帯
の製造法はとくに限定するものではなく、他の方法を採
用することもできる。
非晶質合金薄帯は所定の寸法の巻コアに成形された後
アニールされる。通常、コアに成形する前に非晶質薄帯
は層間絶縁のため何らかのコーティングを施される。し
かし本発明の合金では急冷状態ですでに高い抵抗の表面
皮膜が形成されているので絶縁コーティング不要であ
る。アニールは、高角型比が要求される場合はコアの周
方向に平行な磁界中で行われる。磁界の強さは合金の保
磁力の10倍あれば十分である。アニール温度は合金の結
晶化開始温度をTxとするとき、Tx−120℃からTx−20℃
の範囲、時間は30〜120分が適当である。また、高透磁
率が要求される場合は磁界をコアの周方向に直角に印加
する。アニール温度と時間は高角型比の場合とほとんど
同じでよい。また、高透磁率を達成するためにキュリー
温度以上の温度でアニールしたのち水冷する方法を採用
することもできる。
(実施例) 以下、実施例に基づいて説明する。
実施例1 化学組成(Co68.5FE3.5Si18B8Mo2100-xSnx合金(x
=0.1,0.2,0.5,1.0)の薄帯を単ロール急冷法を用いて
作製した。薄帯の幅は5mm、板厚は15〜20μmである。
作製した薄帯はX線回折法により非晶質であることが確
認された。
この薄帯をそれぞれ内径14mm、外径21mmのトロイダル
コアに成形した後、約10eの直流磁界をかけながらN2
流中でアニールした。アニール条件は、保定時間を1時
間に固定し、温度はパラメーターとして400〜480℃の範
囲で変化させた。アニールしたコアの実用特性を評価す
るために樹脂コーティングの前後で磁気特性を測定し
た。すなわち、アニール後のコアをそのまま樹脂のケー
スに入れて巻き線したものと、コアを樹脂コーティング
したのち巻き線したものそれぞれについて磁気特性を測
定した。
第1表に本発明の合金の最適アニール条件における磁
気特性を示した。また、比較のために本発明に属しない
Snを所定量含まない合金の特性も第1表に示した。第1
表から明らかなように本発明の合金は樹脂コーティング
前にすぐれた磁気特性(角型比>0.95、保磁力>200mO
e)を示すとともに樹脂コーティング後も特性の劣化は
ほとんどないことが分かる。これに対してSnを添加しな
い組成、およびSnが本発明の規定する範囲にない組成は
樹脂コーティング前の特性が不十分か、コーティング前
の特性がよくても樹脂コーティング後の劣化が大きいた
め(角型比<0.90、あるいは保磁力>300mOe)目標特性
を達成できないことが分かる。
また、本発明の合金は広いアニール温度の範囲で特性
が安定でかつ樹脂コーティング後の特性もアニール条件
の自由度(裕度)が高いことが分かる。
実施例2 実施例1と同じ組成の非晶質薄帯を成形したトロイダ
ルコアの周方向に直角な磁界を印加しながらアニールし
た。樹脂コーティング前の透磁率および樹脂コーティン
グ後の透磁率を第2表に記載した。第2表から明らかな
ように本発明の合金は樹脂コーティング前の透磁率がす
ぐれているだけでなく、樹脂コーティング後の特性劣化
が比較合金に比べて小さいことが分かる。
(発明の効果) 本発明のSn添加Co基ゼロ磁歪非晶質合金はすぐれた軟
磁気特性を示すとともに樹脂コーティング後においても
特性の劣化がきわめて小さい。またアニール条件の自由
度が広い。このようにSnとMoが共存するCo基非晶質合金
は従来Co基非晶質合金に比べて著しく実用特性が改善さ
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のSn添加非晶質合金(a)と従来のSn添
加なし非晶質合金(b)の磁気特性(角型比)のアニー
ル温度依存性を比較する図である。第2図はグロー放電
発光分光法(GDS)で分析した表面深さ方向の元素濃度
を比較する図(ただし、(a)は本発明のSnを含有する
非晶質合金、(b)はSnを含まない合金)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 利男 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (72)発明者 山下 智 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (72)発明者 萩原 英夫 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−232383(JP,A) 特開 昭51−65395(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成がCoaFebMocSndSieBfからなる100kHz
    以上の高周波における軟磁気特性が優れた高周波磁心用
    非晶質合金。ここで、a=67〜71(原子%、以下同
    じ)、b=3〜6、c=1〜3、d=0.05〜1.0、e=
    5〜19、f=7〜16、かつ、a+b+c+d+e+f=
    100である。
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