JP2829208B2 - 半導体集積回路装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置およびその製造方法

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JP2829208B2
JP2829208B2 JP33605192A JP33605192A JP2829208B2 JP 2829208 B2 JP2829208 B2 JP 2829208B2 JP 33605192 A JP33605192 A JP 33605192A JP 33605192 A JP33605192 A JP 33605192A JP 2829208 B2 JP2829208 B2 JP 2829208B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フラッシュEEPRO
M(Erasable Programmable Read On Memory)等の、情報
の記憶を行う複数の不揮発性記憶素子を備えた半導体集
積回路装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フラッシュEEPROM等
の、電荷を注入したり、取り出すことにより、データの
記憶を行う不揮発性記憶素子を備えた半導体集積回路装
置が種々提案されている。図23は従来の半導体集積回
路装置に係るメモリアレーの構造の一例を図解的に示す
概略断面図である。図23において、MAはメモリアレ
ー、MTrはフラッシュメモリトランジスタである。メ
モリトランジスタMTrは、P型シリコン基板1と、P
型シリコン基板1の表層部に所定の間隔をあけて形成さ
れたN型ソース領域2およびN型ドレイン領域3と、ソ
ース領域2およびドレイン領域3で挟まれるように生じ
たチャネル領域4上において、ソース領域2およびドレ
イン領域3を橋渡す状態で設けられ、チャネル領域4で
発生した電荷をトンネルさせ得るトンネル酸化膜5と、
トンネル酸化膜5上に設けられ、トンネル酸化膜5をト
ンネルしてきた電荷を蓄積するフローティングゲート6
と、フローティングゲート6上に設けられ、フローティ
ングゲート6に蓄積されている電荷を長時間閉じ込めて
おくONO(oxide-nitride-oxide) 膜7と、データの書
き込み、読み出しおよび消去の際に所定のコントロール
電圧が印加されるコントロールゲート8とを備えてい
る。
【0003】そして、ソース領域2は、絶縁耐圧を向上
させるべく、N+ 不純物拡散層2aと、N+ 型不純物拡
散層2aを取り囲むように深く形成されたN- 型不純物
拡散層2bとからなる二重拡散構造を有している。一
方、ドレイン領域3は、N+ 型不純物拡散層のみからな
るシングルドレイン構造を有しており、ビットライン9
とコンタクトがとられている。また、ビットライン9と
フローティングゲート6およびコントロールゲート8と
は、層間絶縁膜10で互いに絶縁されており、ビットラ
イン9上にはパッシベーション膜11が積層されてい
る。
【0004】すなわち、上記メモリトランジスタMTr
は、フローティングゲート6がトンネル酸化膜5、ON
O膜7および層間絶縁膜10の絶縁膜で囲まれていて、
外部接続がとられておらず、このフローティングゲート
6に電荷を蓄積するので、スタックゲート型あるいはフ
ローティングゲート型と呼ばれている。図24はメモリ
アレーの等価回路図である。上記メモリアレーMAは、
図24の如く、1セル/1トランジスタ構造を有してお
り、点線で囲んだメモリセルMC1を含む4つのメモリ
セルが配列されている。すなわち、各メモリトランジス
タMTr1,MTr2,MTr3,MTr4が行方向X
および列方向Yにマトリクス状に配列されている。
【0005】そして、行方向Xに配列されたメモリトラ
ンジスタMTr1,MTr2のコントロールゲートにワ
ードラインWL1が接続され、行方向Xに配列されたメ
モリトランジスタMTr3,MTr4のコントロールゲ
ートにワードラインWL2が接続されている。また、列
方向Yに配列されたメモリトランジスタMTr1,MT
r3のソースにビットラインBL1が接続され、列方向
Yに配列されたメモリトランジスタMTr2,MTr4
のソースにビットラインBL3が接続されている。さら
に、行方向Xで隣接するメモリトランジスタMTr1,
MTr2のドレインが直列に接続されており、当該接続
中間点にビットラインBL2が接続されている。同様
に、行方向Xで隣接するメモリトランジスタMTr3,
MTr4のドレインが直列に接続されており、当該接続
中間点にビットラインBL2が接続されている。すなわ
ち、行方向Xで隣接するメモリトランジスタMTr1,
MTr2、およびMTr3,MTr4のドレインは、ビ
ットラインBL2を共有している。
【0006】なお、以後の説明において、メモリトラン
ジスタMTr1,MTr2,MTr3,MTr4を総称
するときは「メモリトランジスタMTr」という。主と
して、図24および表1を参照しつつ、上記メモリアレ
ーMAにおけるデータの書き込み、消去および読み出し
の動作について説明する。なお、表1においては、デー
タの書き込みに際し、図24に示すメモリセルMC1を
選択した場合を想定している。
【0007】
【表1】
【0008】<書き込み(WRITE)>ワードライン
WL2に0Vを印加し、ビットラインBL1および基板
SUBをグランド(GND)に接地しておき、データの
書き込みを行うメモリセルMC1を選択すべく、ワード
ラインWL1に12Vを、ビットラインBL2に書込電
圧5Vをそれぞれ印加する。そうすると、図25(a)
に示すように、メモリトランジスタMTr1のチャネル
領域4とドレイン領域3との境界で高エネルギーを持つ
電子、いわゆるホットエレクトロンが発生し、このホッ
トエレクトロンがフローティングゲート6に注入され、
データ「0」の書き込み状態となる。 <消去(ERASE)>データの消去に関しては一括消
去を行う。すなわち、ワードラインWL1,WL2およ
びビットラインBL2を開放(open)状態とし、基板SU
Bをグランドに接地しておき、ビットラインBL1,B
L3に消去電圧12Vをそれぞれ印加する。そうする
と、図25(b)のように、メモリトランジスタMTr
のフローティングゲート6とソース領域2との間にFN
トンネル電流が生じ、これによりフローティングゲート
6に蓄積されているエレクトロンがソース領域2に流出
し除去され、データの消去状態、すなわちデータ「1」
の書き込み状態となる。 <読み出し(READ)>データの読み出しに関して
は、ワードライン毎にライン一括読み出しを行う。すな
わち、ワードラインWL2に0Vを印加し、ビットライ
ンBL1,BL3および基板SUBをグランドに接地し
ておき、ワードラインWL1にセンス電圧5Vを、ビッ
トラインBL2に2Vをそれぞれ印加する。そうする
と、メモリトランジスタのフローティングゲートにエレ
クトロンが蓄積されておれば、メモリトランジスタにチ
ャネルが形成されず、メモリトランジスタが導通しな
い。一方、メモリトランジスタのフローティングゲート
にエレクトロンが蓄積されていなければ、メモリトラン
ジスタにチャネルが形成され、メモリトランジスタが導
通する。このメモリトランジスタの導通、非導通をセン
シングすることで、メモリトランジスタに記憶されてい
るデータの読み出しが行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のメモ
リトランジスタにおいては、ソース領域2のN+ 型不純
物拡散層2aの不純物拡散濃度、およびドレイン領域3
のN+ 型不純物拡散層の不純物拡散濃度は、それぞれ、
独自の濃度に定めるのが、データの書き込み、消去を好
適に行う上から好ましい。
【0010】しかしながら、上記メモリトランジスタの
製造プロセスにおいて、図23に示すソース領域2のN
+ 型不純物拡散層2aと、ドレイン領域3のN+ 型不純
物拡散層とが、同時に形成されるため、ソース領域2の
+ 型不純物拡散層2aおよびドレイン領域3のN+
不純物拡散層は同一の不純物拡散濃度を有している。そ
れゆえ、以下の問題点がある。
【0011】ドレイン領域3のN+ 型不純物拡散層の不
純物拡散濃度が、データの書き込みに適した濃度よりも
薄ければ、ホットエレクトロンの発生効率が低下し、書
込速度が遅くなる。一方、ドレイン領域3のN+ 型不純
物拡散層の不純物拡散濃度が、データの書き込みに適し
た濃度よりも濃いければ、書込速度は高速化するもの
の、いわゆるドレインディスターブ(drain disturb) が
発生する。すなわち、例えばワードラインWL2に0V
を印加し、ビットラインBL1および基板SUBをグラ
ンドに接地しておき、データの書き込みを行うメモリセ
ルMC1を選択すべく、ワードラインWL1に12V
を、ビットラインBL2に書込電圧5Vをそれぞれ印加
すると、メモリトランジスタMTr1のフローティング
ゲート7にホットエレクトロンが注入される。ところ
が、ドレイン領域3のN+ 型不純物拡散層の不純物拡散
濃度が、データの書き込みに適した濃度よりも濃い場
合、図26に示すように、選択したメモリセルMC1と
ともに列方向に配列している非選択のメモリセルMC3
のメモリトランジスタMTr3のドレインにも書込電圧
5Vが印加されるため、メモリトランジスタMTr3の
フローティングゲート6にエレクトロンが蓄積されてい
ると、フローティングゲート6内のエレクトロンがドレ
イン領域3に引き抜かれ、非選択のメモリセルMC3の
書き込み状態が変化する。
【0012】ソース領域2のN+ 型不純物拡散層2aの
不純物拡散濃度が、データの消去に適した濃度よりも薄
ければ、消去耐圧は増すものの、消去速度は遅くなる。
一方、ソース領域2のN+ 型不純物拡散層2aの不純物
拡散濃度が、データの消去に適した濃度よりも濃いけれ
ば、消去耐圧が低下して消去速度が速くなるものの、い
わゆる過剰消去(over erase)が発生する。すなわち、ビ
ットラインBL1を開放状態とし、基板SUBをグラン
ドに接地しておき、ワードラインWL1,WL2をグラ
ンドに接地、あるいは開放状態とし、ビットラインBL
2,BL3に消去電圧12Vをそれぞれ印加すると、図
27(a)に示すように、メモリトランジスタMTrの
フローティングゲート6に蓄積されているエレクトロン
がソース領域2に流出する。ところが、ソース領域2の
+ 型不純物拡散層2aの不純物拡散濃度が、データの
消去に適した濃度よりも濃い場合、図27(b)に示す
ように、フローティングゲート6に蓄積されているエレ
クトロンがソース領域2に過剰に流出し、その結果フロ
ーティングゲート6にホールが蓄積された状態となって
しまう。
【0013】また、素子の微細化に伴い、ソース領域お
よびドレイン領域の接合深さは浅くなっているため、特
にソースラインの拡散抵抗の増加の影響も無視できない
ようになっている。本発明は、上記に鑑み、ドレインデ
ィスターブおよび過剰消去が発生せず、優れたメモリ特
性を有する半導体集積回路装置およびその製造方法の提
供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の半導体集積回路装置は、単一の半導体
基板上に、所定の集積回路設計に基づき、情報の記憶を
行う複数の不揮発性記憶素子が、行方向および列方向に
沿ってマトリクス状に配列されてなるメモリアレーと、
該メモリアレーの周辺に配置され、各不揮発性記憶素子
に所定の動作を行わせる周辺回路とが形成されている半
導体集積回路装置であって、前記各不揮発性記憶素子
は、前記半導体基板の表面層に所定の間隔をあけて形成
されたソース領域およびドレイン領域と、該ソース領域
およびドレイン領域で挟まれるように生じたチャネル領
域上に設けられ、該チャネル領域で発生した電荷を蓄積
する電荷蓄積層と、該電荷蓄積層上に設けられ、所定の
制御電圧が印加されるゲートとを含み、行方向に配列さ
れている各不揮発性記憶素子のゲートにワードラインが
接続され、列方向に配列されている各不揮発性記憶素子
のソース領域およびドレイン領域にそれぞれビットライ
ンが接続されており、前記周辺回路は、各不揮発性記憶
素子のゲートとドレイン領域との間に所定の電圧を印加
して、前記チャネル領域のドレイン領域近傍で高いエネ
ルギーを有する電荷を発生させて、該電荷を前記電荷蓄
積層に注入する手段と、各不揮発性記憶素子のソース領
域に所定の電圧を印加して、前記電荷蓄積層に蓄積され
ている電荷を前記ソース領域に流出させて除去する手段
とを含んでおり、前記各不揮発性記憶素子のソース領域
は、前記電荷の流出に適した不純物拡散濃度に設定され
ており、ドレイン領域は、前記電荷の注入に適した、ソ
ース領域とは異なる不純物拡散濃度に設定されているも
のである。請求項2記載の半導体集積回路装置は、請求
項1記載の半導体集積回路装置において、各不揮発性記
憶素子のソース領域は、予め定められた第1の導電型式
をした前記半導体基板とは反対の第2の導電型式をした
ソース拡散層と、該ソース拡散層を取り囲むように深く
形成され、かつ不純物拡散濃度がソース拡散層よりも薄
く設定された第2の導電型式をした外部拡散層とからな
る二重拡散構造を有しており、各不揮発性記憶素子のド
レイン領域は、前記第1の導電型式とは反対の第2の導
電型式をしたドレイン拡散層と、該ドレイン拡散層のソ
ース領域端部に接合され、第1の導電型式をした拡散ポ
ケットとを備えているものである。
【0015】請求項3記載の半導体集積回路装置の製造
方法は、請求項2記載の半導体集積回路装置を製造する
ための方法であって、予め定める第1の導電型式をした
半導体基板の不揮発性記憶素子形成領域上に、不揮発性
記憶素子の電荷蓄積層およびゲートを順次形成する工
程、不揮発性記憶素子のソース形成領域を除く全面にマ
ククを施し、半導体基板へ、第1の導電型式とは反対の
第2の導電型式の第1のイオンを深く注入し、つづけて
第1のイオンよりも濃度が薄い第2の導電型式の第2の
イオンを浅く注入して、自己整合的にソース拡散層が外
部拡散層で取り囲まれた二重拡散構造を有するソース領
域を形成する工程、ならびに、不揮発性記憶素子のドレ
イン形成領域を除く全面にマククを施し、半導体基板
へ、第1の導電型式のイオンを斜めに浅く注入し、つづ
けて第2の導電型式のイオンを深く注入して、自己整合
的にドレイン拡散層のソース領域端部に拡散ポケットを
接合させたドレイン領域を形成する工程を含むものであ
る。
【0016】
【作用】上記請求項1記載の半導体集積回路装置におい
て、周辺回路により、不揮発性記憶素子のゲートとドレ
イン領域との間に所定の電圧が印加されると、選択され
た不揮発性記憶素子では、チャネル領域のドレイン領域
近傍で高いエネルギーを有する電荷が発生し、この電荷
が電荷蓄積層に注入される。
【0017】このとき、選択した不揮発性記憶素子とと
もに列方向に配列している非選択の不揮発性記憶素子の
ドレイン領域にも選択された不揮発性記憶素子と同じ所
定の電圧が印加される。しかし、不揮発性記憶素子のド
レイン領域は、ソース領域の不純物拡散濃度と異なる、
電荷の注入に適した不純物拡散濃度に設定されているた
め、非選択の不揮発性記憶素子の電荷蓄積層に電荷が蓄
積されていても、電荷蓄積層内の電荷がドレイン領域に
引き抜かれることはない。すなわち、非選択の不揮発性
記憶素子において、ドレインディスターブが発生しな
い。
【0018】一方、周辺回路により、不揮発性記憶素子
のソース領域に所定の電圧が印加されると、選択された
不揮発性記憶素子では、電荷蓄積層で蓄積されている電
荷がソース領域に流出し除去される。このとき、不揮発
性記憶素子のソース領域は、電荷の流出に適した不純物
拡散濃度を有しているので、電荷蓄積層に蓄積されてい
る電荷がソース領域に過剰に流出することがなく、過剰
消去の発生を防止できる。
【0019】請求項2記載の半導体集積回路装置では、
不揮発性記憶素子のソース領域は、ソース拡散層よりも
不純物拡散濃度が薄い外部拡散層で、ソース拡散層を取
り囲んだ高耐圧構造を有しているため、電荷蓄積膜から
電荷を除去する際の高電圧に耐えることができる。一
方、不揮発性記憶素子のドレイン領域は、ドレイン拡散
層のソース領域側端部に接合した、ドレイン拡散層と導
電型式の異なる拡散ポケットを備えているので、ドレイ
ン拡散層と拡散ポケットとの濃度差が大きくなってお
り、ドレイン領域近傍での電荷の発生効率が高まり、充
分に速い電荷注入速度を得ることができる。
【0020】請求項3記載の製造方法においては、不揮
発性記憶素子のソース領域およびドレイン領域をそれぞ
れ分離して形成しているので、ソース領域およびドレイ
ン領域を、電荷の注入および流出に適した、互いに異な
る不純物拡散濃度に設定することができる。さらに、不
揮発性記憶素子のソース領域の形成にあっては、1回の
マスキングにて2回のイオン注入を行い、外部拡散層で
ソース拡散層を取り囲んだソース領域を形成しているの
で、工程数を削減することができる。また、不揮発性記
憶素子のドレイン領域の形成にあっても、同様に1回の
マスキングにて2回のイオン注入を行い、ドレイン拡散
層のソース領域側端部に接合した拡散ポケットを備えた
ドレイン領域を形成できるので、工程数を削減すること
ができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図2は本発明の一実施例に係る半導体集積
回路装置の電気的構成を示すブロック図である。図2を
参照しつつ、本実施例に係る半導体集積回路装置の電気
的構成について説明する。なお、図2中、信号等を表す
記号に付したオーバーラインは、負論理のものであるこ
とを表すものとし、明細書中ではオーバーラインの記載
を省略する。
【0022】本実施例の半導体集積回路装置は、フラッ
シュEEPROMであって、図2の如く、データの記憶
を行う複数のメモリトランジスタを備えたメモリアレー
MA10と、メモリアレーMA10の周辺に設けられ
た、チップイネーブル(CE),出力イネーブル(O
E),ライトイネーブル(WE)バッファ20a、アド
レスバッファ20b、I/Oバッファ20c、ワード線
デコーダ20d、Yゲートデコーダ20e、Yゲート・
センスアンプ20f、データロードタイミング制御回路
20g、消去、書込タイミング制御回路20h、データ
プーリング(DATA Polling)回路20l、ページデータロ
ードラッチ回路20m、データ線デコーダ20n、タイ
マ(I)20o、タイマ(II)20p、READY/B
USYバッファ20qおよび電源電圧検出回路20sと
を備えている。
【0023】この半導体集積回路装置においては、CE
信号、OE信号、WE信号のすべてをEEPROMの内
部にラッチすることによって、以降内部タイマ20o,
20pにより自動的に古いデータから新しいデータに書
き換えられる。そして、データの書き込み時には、デー
タ線デコーダ20nを駆動し、データの消去時には、ワ
ード線デコーダ20dを駆動し、データの読み出し時に
は、Yゲートデコーダ20eとYゲート・センスアンプ
20fとを駆動する。
【0024】タイマ20o,20pは、データの書換時
間をEEPROMの内部で計算するもので、データロー
ド時間、データの書き込みおよび消去時間をそれぞれ自
動的に設定する。データプーリング回路20lおよびR
EADY/BUSYバッファ20qは、データの書換終
了表示のために設けられてものである。READY/B
USYバッファ20qは、チップがデータの書換サイク
ル中であることを表示するハードウェア的な機能を有し
ており、データの書き換え中は低レベル、書き換え終了
後は高インピーダンスによってチップ状態を表示する。
データプーリング回路20lは、特に表示用の出力ピン
や外部回路を使わないソウフトウェア的な機能を有して
おり、データの書換サイクル中はデータの読み出しをか
けても高インピーダンスであるが、出力可能な状態とな
っており、最後に書き込んだアドレスのデータを読み出
しにいったとき、実際のデータと不一致であれば書込サ
イクル中、一致すればサイクル完了を判定する。
【0025】なお、以後の説明において、CE,OE,
WEバッファ20a、アドレスバッファ20b、I/O
バッファ20c、ワード線デコーダ20d、Yゲート・
コーダ20e、Yゲートデセンスアンプ20f、データ
ロードタイミング制御回路20g、消去、書込タイミン
グ制御回路20h、データプーリング回路20l、ペー
ジデータロードラッチ回路20m、データ線デコーダ2
0n、タイマ(I)20o、タイマ(II)20p、RE
ADY/BUSYバッファ20qおよび電源電圧検出回
路20sを総称するときは、「周辺回路20」という。
【0026】図1は半導体集積回路装置の構造を図解的
に示す概略断面図である。図1を参照しつつ、上記半導
体集積回路装置の構造について説明する。上記半導体集
積回路装置にあっては、図1の如く、単一のP型シリコ
ン基板30に、メモリアレーMA10を構成するフラッ
シュメモリトランジスタMTr40と、周辺回路20を
構成するNチャネルMOS型トランジスタTr50およ
びPチャネルMOS型トランジスタTr60とが作り込
まれている。つまり、メモリトランジスタMTr40お
よびNチャネルMOS型トランジスタTr50、Pチャ
ネルMOS型トランジスタTr60は、シリコン基板3
0の表面上に形成されたフィールド酸化膜31により素
子分離されている。
【0027】P型シリコン基板30は、比抵抗が5〜2
0Ωcmくらいの比較的不純物濃度が低いものが用いら
れている。フィールド酸化膜31は、例えばSiO2
の絶縁物質からなり、素子分離のために約7000Å程
度に厚く設けられている。そして、フィールド酸化膜3
1の直下には、メモリトランジスタMTr40およびN
チャネルMOS型トランジスタTr50、PチャネルM
OS型トランジスタTr60のしきい値をコントロール
して、フィールド酸化膜31下に寄生チャネルが形成さ
れるのを防止するため、チャネルストップイオン濃度を
高くしたP+ 型不純物拡散層(以下、「チャネルストッ
パ」という)32が形成されている。
【0028】メモリトランジスタMTr40は、フィー
ルド酸化膜31により分離されたメモリトランジスタ形
成領域Xにおいて、シリコン基板30の表層部に所定の
間隔をあけて形成されたソース領域41およびドレイン
領域42と、ソース領域41およびドレイン領域42で
挟まれるように生じたチャネル領域43上に設けられ、
チャネル領域43で発生した電荷をトンネルさせ得るト
ンネル酸化膜44と、トンネル酸化膜44上に設けら
れ、トンネル酸化膜44をトンネルした電荷を蓄積する
フローティングゲート45と、フローティングゲート4
5上に設けられ、フローティングゲート45に蓄積され
ている電荷を長時間閉じ込めておくONO膜46と、O
NO膜46上に設けられ、データの書き込み、消去およ
び読み出し時に所定の電圧が印加されるコントロールゲ
ート47とを備えている。
【0029】ソース領域41は、N+ 型不純物拡散層4
1aと、N+ 型不純物拡散層41aを取り囲むように深
く形成され、かつ不純物拡散濃度がN+ 型不純物拡散層
41aよりも薄く設定されたN- 型不純物拡散層41b
と、N+ 型不純物拡散層41a内で浅く形成され、かつ
不純物拡散濃度がN+ 型不純物拡散層41aよりも濃く
設定されたN+ 型不純物拡散層41cとから構成されて
いる。つまり、ソース領域41は、三重拡散構造をして
おり、全体として、ソース領域41とフローティングゲ
ート45との間でFNトンネル電流を発生させ、フロー
ティングゲート45に蓄積されている電荷をソース領域
41に流出させて電荷をフローティングゲート45から
除去するのに適した不純物拡散濃度を有している。
【0030】ドレイン領域42は、N+ 型不純物拡散層
42aと、N+ 型不純物拡散層34aのソース領域41
側端部において接合されたP- 型ポケット42bとから
構成されている。それゆえ、ドレイン領域42は、全体
として、チャネル領域43とドレイン領域42との境界
で高いエネルギーを持つ電荷を発生させるとともに、こ
の電荷をフローティングゲート45に注入させるのに適
した不純物拡散濃度を有している。
【0031】すなわち、ソース領域41は、電荷の流出
に適した不純物拡散濃度に設定されており、ドレイン領
域42は、電荷の注入に適した、ソース領域41と異な
る不純物拡散濃度に設定されている。トンネル酸化膜4
4は、例えばSiO2 等の絶縁物質からなり、ソース領
域41およびドレイン領域42を橋渡した状態でフィー
ルド酸化膜31に接続している。トンネル酸化膜44の
膜厚は、チャネル領域34で発生した電荷をトンネルさ
せるべく、約100Å程度に極めて薄く設けられてい
る。
【0032】フローティングゲート45は、例えばリン
を高濃度にドープして低抵抗化したポリシリコン等の導
電性物質からなる。ONO膜46は、例えばSi3 4
等の窒化膜を、例えばSiO2 等の酸化膜で上下からサ
ンドイッチした構造を有している。ボトム酸化膜の膜厚
は約100Å程度に、窒化膜の膜厚は約150Å程度
に、トップ酸化膜の膜厚は約50Å程度にそれぞれ設定
されている。
【0033】コントロールゲート47は、例えばリンを
高濃度にドープして低抵抗化したポリシリコン等の導電
性物質からなる。フローティングゲート45、ONO膜
46およびコントロールゲート47のソース領域41側
およびドレイン領域42側には、例えばSiO2 等のの
絶縁物質からなる一対のサイドスペーサ48,49が被
着されている。
【0034】NチャネルMOS型トランジスタTr50
は、フィールド酸化膜31により分離されたNチャネル
MOS型トランジスタ形成領域Yにおいて、P型シリコ
ン基板30の表層部に所定の間隔をあけて形成されたN
型ソース領域51およびN型ドレイン領域52と、ソー
ス領域51およびドレイン領域52で挟まれるように生
じたチャネル領域53上に設けられたゲート酸化膜54
と、ゲート酸化膜54上に設けられたゲート55とを備
えている。
【0035】ソース領域51は、N+ 型不純物拡散層5
1aと、N+ 型不純物拡散層51aを取り囲むように深
く形成され、かつ不純物拡散濃度がN+ 型不純物拡散層
51aよりも薄く設定されたN- 型不純物拡散層51b
とから構成されている。ドレイン領域52は、N+ 型不
純物拡散層52aと、N+ 型不純物拡散層52aを取り
囲むように深く形成され、かつ不純物拡散濃度がN+
不純物拡散層52aよりも薄く設定されたN- 型不純物
拡散層52bとからなる、いわゆるLDD(light doped
drain) 構造を有している。
【0036】ゲート酸化膜54は、例えばSiO2 等の
絶縁物質からなり、ソース領域51およびドレイン領域
52を橋渡した状態でフィールド酸化膜31に接続して
いる。ゲート酸化膜54の膜厚は、約300Å程度に薄
く設けられている。ゲート55は、例えばリンを高濃度
にドープして低抵抗化したポリシリコン等の導電性物質
からなり、ゲート55のソース領域51側およびドレイ
ン領域52側には、例えばSiO2 等の絶縁物質からな
る一対のサイドスペーサ56,57が被着されている。
【0037】PチャネルMOS型トランジスタTr60
は、フィールド酸化膜31により分離されたPチャネル
MOS型トランジスタ形成領域Zにおいて、P型シリコ
ン基板30の表層部に形成されたNウェル61と、Nウ
ェル61内において、所定の間隔をあけて形成されたP
+ 型ソース領域62およびP+ 型ドレイン領域63と、
ソース領域62およびドレイン領域63で挟まれるよう
に生じたチャネル領域64上に設けられたゲート酸化膜
65と、ゲート酸化膜65上に設けられたゲート66と
を備えている。
【0038】ソース領域62およびドレイン領域63
は、単一拡散構造を有している。ゲート酸化膜65は、
例えばSiO2 等の絶縁物質からなり、ソース領域62
およびドレイン領域63を橋渡した状態でフィールド酸
化膜31に接続している。ゲート酸化膜65の膜厚は、
約300Å程度に薄く設けられている。ゲート66は、
例えばリンを高濃度にドープして低抵抗化したポリシリ
コン等の導電性物質からなり、ゲート66のソース領域
62側およびドレイン領域63側には、例えばSiO2
等の絶縁物質からなる一対のサイドスペーサ67,68
が被着されている。
【0039】さらに、シリコン基板30の全面は、Pド
ープのSiO2 であるPSG(phospho-silicate glass)
中にBを混入したBPSG(boron-phospho-silicate gl
ass)等の絶縁物質からなる層間絶縁膜33で被覆されて
いる。そして、層間絶縁膜33およびトンネル酸化膜4
5において、メモリトランジスタMTr40に係るドレ
イン領域42のN+ 型不純物拡散層42aに対応する部
分には、ドレインコンタクトホール34aが形成されて
おり、ドレインコンタクトホール34aを通してドレイ
ン電極配線35aがN+ 型不純物拡散層42aに接触す
るように形成されている。また、層間絶縁膜33および
ゲート酸化膜54において、NチャネルMOS型トラン
ジスタTr50に係るソース領域51のN+ 型不純物拡
散層51aに対応する部分には、ソースコンタクトホー
ル34bが形成されており、ソースコンタクトホール3
4aを通してソース電極配線35bがN+ 型不純物拡散
層51aに接触するように形成されている。同様に、ド
レイン領域52のN+ 型不純物拡散層52aに対応する
部分には、ドレインコンタクトホール34cが形成され
ており、ドレインコンタクトホール34cを通してドレ
イン電極配線35cがN+ 型不純物拡散層52aに接触
するように形成されている。さらに、層間絶縁膜33お
よびゲート酸化膜65において、PチャネルMOS型ト
ランジスタTr60のソース領域62に対応する部分に
は、ソースコンタクトホール34dが形成されており、
ソースコンタクトホール34dを通してソース電極配線
35dがソース領域62に接触するように形成されてい
る。同様に、ドレイン領域63に対応する部分には、ド
レインコンタクトホール34eが形成されており、ドレ
インコンタクトホール34eを通してドレイン電極配線
35eがドレイン領域63に接触するように形成されて
いる。それゆえ、電極配線35a,35b,35c,3
5d,35eは、層間絶縁膜33により互いに絶縁され
ている。なお、図示していないが、メモリトランジスタ
MTr40のソース領域41およびコントロールゲート
47、NチャネルMOS型トランジスタTr50のゲー
ト55、ならびにPチャネルMOS型トランジスタTr
60のゲート66も、電極配線とコンタクトがとられて
いる。
【0040】電極配線35a,35b,35c,35
d,35eは、Al等の導電性物質からなり、各電極配
線35a,35b,35c,35d,35e上において
は、メモリトランジスタMTr40およびNチャネルM
OS型トランジスタTr50、PチャネルMOS型トラ
ンジスタTr60の表面を保護するとともに、外部から
の汚染物質の侵入を防止するための、例えば窒化シリコ
ン(Si3 4 )等の絶縁物質からなるパッシベーショ
ン膜66が、全面に積層されている。
【0041】図3がメモリアレーの等価回路図である。
図3を参照しつつ、上記メモリアレーMA10の電気的
構成について説明する。メモリアレーMA10は、図3
の如く、1セル/1トランジスタ構造を有しており、点
線で囲んだメモリセルMC71を含む4つのメモリセル
が配列されている。すなわち、図1に示した構造を有す
るメモリトランジスタMTr41,MTr42,MTr
43,MTr44が、行方向Xおよび列方向Yにマトリ
クス状に配列されている。
【0042】そして、行方向Xに配列されたメモリトラ
ンジスタMTr41,MTr42のコントロールゲート
にワードラインWL1に接続されており、行方向Xに配
列されたメモリトランジスタMTr43,MTr44の
コントロールゲートにワードラインWL1,WL2が接
続されている。また、列方向Yに配列されたメモリトラ
ンジスタMTr41,MTr43のソースにビットライ
ンBL1が接続されており、列方向Yに配列されたメモ
リトランジスタMTr42,MTr44のソースにビッ
トラインBL3が接続されている。さらに、行方向Xで
隣接するメモリトランジスタMTr41,MTr42の
ドレインが直列に接続されており、当該接続中間点にビ
ットラインBL2に接続されている。同様に、行方向X
で隣接するメモリトランジスタMTr43,MTr44
のドレインが直列に接続されており、当該接続中間点に
ビットラインBL2が接続されている。すなわち、行方
向Xで隣接するメモリトランジスタMTr41,MTr
42、およびMTr43,MTr44のドレインは、ビ
ットラインBL2を共有している。
【0043】なお、以後の説明において、メモリトラン
ジスタMTr41,MTr42,MTr43,MTr4
4を総称するときは「メモリトランジスタMTr40」
という。ここで、主として、図3および表2を参照しつ
つ、上記メモリアレーMA10におけるデータの書き込
み、消去および読み出しの動作について説明する。な
お、表2においては、データの書き込みに際し、図3に
示すメモリセルMC71を選択した場合を想定してい
る。
【0044】
【表2】
【0045】<書き込み(WRITE)>図2に示した
周辺回路20のデータ線デコーダ20nを駆動し、ワー
ドラインWL2に0Vを印加し、ビットラインBL1お
よび基板SUBをグランドに接地しておき、データの書
き込みを行うメモリセルMC1を選択すべく、ワードラ
インWL1に12Vを、ビットラインBL2に書込電圧
5Vをそれぞれ印加する。
【0046】そうすると、図4に示すように、メモリト
ランジスタMTr41のソース領域41−ドレイン領域
42間に飽和チャネル電流が流れる。ドレイン領域42
近傍のピンチオフ領域(pinch off region)では、高電界
により加速されたエレクトロンがイオン化(impact ioni
zation) を起こし、ホットエレクトロンが発生し、この
ホットエレクトロンがフローティングゲート45に注入
され、データ「0」の書き込み状態となる。
【0047】このとき、図5に示すように、選択したメ
モリセルMC71とともに列方向に配列している非選択
のメモリセルMC73のメモリトランジスタMTr43
のドレイン領域42にも書込電圧5Vが印加される。し
かし、メモリトランジスタMTr40のドレイン領域4
2は、ソース領域41の不純物拡散濃度と異なる、電荷
の注入に適した不純物拡散濃度に設定されているため、
メモリトランジスタMTr43のフローティングゲート
45にエレクトロンが蓄積されていても、フローティン
グゲート45内のエレクトロンがドレイン領域42に引
き抜かれ、非選択のメモリセルMC73の書き込み状態
が変化することはない。すなわち、ドレインディスター
ブの発生を防止できる。
【0048】また、ドレイン領域42は、N+ 型不純物
拡散層34aのソース領域41側端部に接合したP-
ポケット42bを備えているので、N+ 型不純物拡散層
34aとP- 型ポケット42bとの濃度差が大きくなっ
ている。そのため、ドレイン領域42近傍でのホットエ
レクトロンの発生効率が高まり、充分に速い書込速度を
得ることができる。
【0049】フローティングゲートにエレクトロンが蓄
積されている状態と、蓄積されていない状態とでは、メ
モリトランジスタのソース−ドレイン間を導通させるた
めの必要なゲート電圧が変化する。すなわち、メモリト
ランジスタのソース−ドレイン間を導通させるためのし
きい値電圧VTHは、フローティングゲートにエレクトロ
ンを注入した状態で高いしきい値V1(例えば8V)を
とり、エレクトロンが未注入の状態では低いしきい値V
2(例えば2V)をとる。このように、しきい値電圧V
THを2種類に設定することで「0」または「1」の二値
データをメモリトランジスタに記憶させることができ
る。 <消去(ERASE)>データの消去に関しては、周辺
回路20のワード線デコーダ20dを駆動し、一括消去
を行う。すなわち、ワードラインWL1,WL2および
ビットラインBL2を開放状態とし、基板SUBをグラ
ンドに接地しておき、ビットラインBL1,BL3に消
去電圧12Vをそれぞれ印加する。
【0050】そうすると、図6(a)に示すように、メ
モリトランジスタMTr40のフローティングゲート4
5とソース領域41との間にFNトンネル電流が生じ、
これによりフローティングゲート45に蓄積されている
エレクトロンがソース領域41に流出し除去され、デー
タの消去状態、すなわちデータ「1」の書き込み状態と
なる。
【0051】このとき、メモリトランジスタMTr40
のソース領域41は、エレクトロンの流出に適した不純
物拡散濃度を有しているので、図6(b)に示すよう
に、フローティングゲート45に蓄積されているエレク
トロンがソース領域41に過剰に流出することもなく、
フローティングゲート45にホールが蓄積されることは
ない。すなわち、過剰消去の発生を防止できる。
【0052】また、ソース領域41は、N- 型不純物拡
散層41bでN+ 型不純物拡散層41aを取り囲んだ高
耐圧構造を有しているため、データの消去時の高電圧に
耐えることができる。 <読み出し(READ)>データの読み出しに関して
は、周辺回路20のYゲートデコーダ20eとYゲート
・センスアンプ20fとを駆動し、ワードライン毎にラ
イン一括読み出しを行う。すなわち、ワードラインWL
2に0Vを印加し、ビットラインBL1,BL3および
基板SUBをグランドに接地しておき、ワードラインW
L1にセンス電圧5Vを、ビットラインBL2に2Vを
それぞれ印加する。
【0053】そうすると、図7(a)に示すように、メ
モリトランジスタMTr41,MTr42のフローティ
ングゲート45にエレクトロンが蓄積されておれば、コ
ントロールゲート47の正電荷はフローティングゲート
45に注入されているエレクトロンで打ち消されてしま
い、この正電荷の影響がシリコン基板30の表面まで到
達しない。したがって、メモリトランジスタMTr4
1,MTr42にチャネルが形成されず、ドレイン領域
42からソース領域41に電流が流れない。一方、図7
(b)に示すように、メモリトランジスタMTr41,
MTr42のフローティングゲート45にエレクトロン
が蓄積されていなければ、コントロールゲート47の正
電荷の影響がシリコン基板30の表面に及び、メモリト
ランジスタMTr41,MTr42にチャネルが形成さ
れ、ドレイン領域42からソース領域41に電流が流れ
る。この状態をYゲートデコーダ20eとYゲート・セ
ンスアンプ20fによってセンシングすれば、メモリト
ランジスタMTr41,MTr42に記憶されているデ
ータの読み出しが行われる。
【0054】ここで、センス電圧とは、上記しきい値電
圧のVTHの2種類のV1,V2の中間的な電圧である。
したがって、このセンス電圧を印加すると、フローティ
ングゲートにエレクトロンが蓄積されているか否かで、
メモリトランジスタの導通/非導通が決定される。とこ
ろで、メモリトランジスタMTr40のソース領域41
は、図1に示すように、N+ 型不純物拡散層41a内に
不純物拡散濃度がN+ 型不純物拡散層41aよりも濃く
設定されたN+ 型不純物拡散層41cを形成し、外側か
らN- 型不純物拡散層41b、N+ 型不純物拡散層41
a、N+ 型不純物拡散層41cの三重拡散構造として、
拡散抵抗を低く抑えているので、素子の微細化に伴い、
ソース領域41の接合深さが浅くなっても、ソースライ
ンでの電界の降下を抑制することができる。
【0055】さらに、周辺回路20のNチャネルMOS
型トランジスタTr50は、LDD構造を有しているか
ら、微細化に伴ってトランジスタTr50のチャネル長
が短くなっても、短チャネル効果による悪影響を防止す
ることができる。図8ないし図21は半導体集積回路装
置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。図8な
いし図21を参照しつつ、上記半導体集積回路装置の製
造方法について説明する。なお、図1に示した、メモリ
トランジスタMTr40と、周辺回路20のNチャネル
MOS型トランジスタTr50およびPチャネルMOS
型トランジスタTr60とは、並行してP型シリコン基
板30に作り込まれる。
【0056】まず、Nウェルを形成する。すなわち、図
8(a)に示すように、熱酸化により、P型シリコン基
板30の全面に酸化シリコン(SiO2 )膜80を成長
させた後、リソグラフィ技術によってPチャネルMOS
型トランジスタ形成領域Zにのみ孔を開けたレジストパ
ターン81を形成する。レジスト81をマスクにして、
この部分のSiO2 膜80をエッチング除去し、さらに
N型の不純物であるB + 等を注入する。レジストパター
ン81を除去した後、イオン注入したB+ 等を熱拡散さ
せると、図8(b)に示すように、Nウェル61が形成
される。
【0057】上記Nウェル形成工程が終了すると、素子
分離を行う。すなわち、図8(b)に示すように、Nウ
ェル61を形成するために成長させたSiO2 膜80は
用済みであるので、これを除去した後、P型シリコン基
板30を約900〜1000℃で熱酸化し、シリコン基
板30上に約1000Åのパッド酸化膜82を形成す
る。つづいて、CVD(chemical vapor deposition) 法
により、パッド酸化膜82上に窒化シリコン(Si3
4 )膜83を約1000Å積層する。そして、Si3
4 膜83のメモリトランシスタ形成領域XおよびNチャ
ネルMOS型トランジスタ形成領域Y、PチャネルMO
S型トランジスタ形成領域Z上にレジストパターン84
を形成する。このレジストパターン84が、これから各
トランジスタを形成する領域を規定するパターンとな
る。
【0058】その後、図9(a)に示すように、レジス
トパターン84をマスクとして、Si3 4 膜83の一
部をエッチンングする。このエッチンングには、例えば
CF 4 /O2 のプラズマエッチングを用いるのが好まし
い。次に、同じレジストパターン84をマスクとして、
例えばB+ 等のチャネルストップイオンを〜1013cm
-2程度注入する。この時点で、マスクとして用いたレジ
ストパターン84は用済みとなるので、O2 プラズマ処
理によってレジストパターン84をアッシング(ashing)
する。
【0059】そして、図9(b)に示すように、シリコ
ン基板30を約1000℃の水蒸気(H2 O)雰囲気で
約6〜7時間酸化し、Si3 4 膜83で覆われていな
い部分のシリコン基板30の表面に約7000Åのフィ
ールド酸化膜31を成長させる。そうすると、フィール
ド酸化膜31直下にP型チャネルストッパ32が形成さ
れる。ここで、ドライ酸素ではなく、H2 Oを用いるの
は、酸化速度が大きく酸化時間を短くできるからであ
る。
【0060】上記素子分離工程が終了すると、メモリト
ランジスタのトンネル酸化膜およびフローティングゲー
トの形成を行う。すなわち、図10(a)に示すよう
に、パッド酸化膜82およびSi3 4 膜83をエッチ
ング除去し、シリコン基板30の表面を露出させる。そ
の後、NチャネルMOS型トランジスタ形成領域Y、P
チャネルMOS型トランジスタ形成領域Z上にレジスト
パターン85を形成し、レジストパターン85をマスク
として、例えば注入エネルギー40keVをもってB+
等のメモリトランジスタ用チャネルイオンを1×1013
atoms/cm 2 程度シリコン基板30の表層部に注
入する。
【0061】ついで、図10(b)に示すように、レジ
ストパターン85を除去した後、シリコン基板30を熱
酸化し、シリコン基板30上に約100Åの酸化シリコ
ン(SiO2 )膜86を成長させる。このとき、SiO
2 膜86は、フィールド酸化膜31のバーズビーク(bir
d's beak) に接続する。そして、図11(a)に示すよ
うに、CVD法により、ポリシリコン87を全面に堆積
し、ポリシリコン87中に例えばP等を添加する。
【0062】その後、図11(b)に示すように、ポリ
シリコン87のメモリトランジスタ形成領域X上にレジ
ストパターン(図示せず)を形成し、レジストパターン
をマスクとして、ポリシリコン87およびSiO2 膜8
6をエッチングし、メモリトランジスタのフローティン
グゲート45およびトンネル酸化膜44を形成する。ポ
リシリコン87およびSiO2 膜86のエッチングにつ
いては、レジストパターン通りの正確なエッチング加工
が行われることが重要であるので、RIE(reactive io
n etching)を用いるのが好ましい。
【0063】上記トンネル酸化膜およびフローティング
ゲート形成工程が終了すると、図12(a)に示すよう
に、フローティングゲート45上にONO膜46を形成
する。すなわち、CVD法により、全面に酸化シリコン
(SiO2 )膜を約250Å程度に厚く積層し、SiO
2 膜の上部を約150Å程度熱窒化して窒化シリコン
(Si3 4 )膜を形成する。さらに、CVD法によ
り、Si3 4 膜上に酸化シリコン(SiO2 )膜を約
50Å程度に薄く積層する。その後、最上層のSiO2
膜のメモリトランジスタ形成領域X上にレジストパター
ン(図示せず)を形成し、レジストパターンをマスクと
して、順次積層したSiO2 膜、Si3 4膜、SiO
2 膜をエッチングし、フローティングゲート45上に、
窒化膜をボトム酸化膜、トップ酸化膜でサンドイッチし
たONO膜46を形成する。なお、ONO膜46のエッ
チングについては、RIEを用いるのが好ましい。
【0064】上記ONO膜形成工程が終了すると、Nチ
ャネルMOS型トランジスタおよびPチャネルMOS型
トランジスタのゲート酸化膜を形成する。すなわち、図
12(b)に示すように、図12(a)の工程で使用し
たレジストパターンをそのまま利用し、シリコン基板3
0を約900〜1000℃で熱酸化し、NチャネルMO
S型トランジスタ形成領域YおよびPチャネルMOS型
トランジスタ形成領域Zのシリコン基板30上に約30
0Åのゲート酸化膜54,65をそれぞれ成長させる。
このとき、ゲート酸化膜54,65は、フィールド酸化
膜31のバーズビークに接続する。
【0065】そして、図12(a)の工程で形成したレ
ジストパターンを除去した後、図13(a)に示すよう
に、メモリトランジスタ形成領域X、PチャネルMOS
型トランジスタ形成領域Z上にレジストパターン88を
形成し、レジストパターン88をマスクとして、例えば
+ 等のNチャネルMOS型トランジスタ用チャネルイ
オンをシリコン基板30の表層部に注入する。
【0066】つづいて、図13(b)に示すように、レ
ジストパターン88を除去した後、メモリトランジスタ
形成領域X、NチャネルMOS型トランジスタ形成領域
Y上にレジストパターン89を形成し、レジストパター
ン89をマスクとして、例えばB+ 等のPチャネルMO
S型トランジスタ用チャネルイオンを、NチャネルMO
S型トランジスタのチャネルイオンと異なる濃度でシリ
コン基板30の表層部に注入する。ここで、レジストパ
ターン89は、用済みとなるので除去する。
【0067】上記ゲート酸化膜形成工程が終了すると、
メモリトランジスタのコントロールゲートを形成する。
すなわち、図14(a)に示すように、CVD法によ
り、ポリシリコン90を全面に堆積し、ポリシリコン9
0中に例えばP等を添加する。その後、図14(b)に
示すように、ポリシリコン90のNチャネルMOS型ト
ランジスタ形成領域Y、NチャネルMOS型トランジス
タ形成領域Zおよびメモリトランジスタ形成領域Xの予
め定める部分上にレジストパターン(図示せず)を形成
し、レジストパターンをマスクとして、ポリシリコン9
0およびONO膜46、フローティングゲート45をエ
ッチングし、メモリトランジスタのコントロールゲート
47を形成する。なお、ポリシリコン90およびONO
膜46、フローティングゲート45のエッチングについ
ては、RIEを用いるのが好ましい。
【0068】上記コントロールゲート形成工程が終了す
ると、メモリトランジスタのソースイオンを注入する。
すなわち、図15(a)に示すように、NチャネルMO
S型トランジスタ形成領域Y、NチャネルMOS型トラ
ンジスタ形成領域Zおよびメモリトランジスタ形成領域
Xのソース領域を除く予め定める部分上にレジストパタ
ーン91を形成する。そして、コントロールゲート4
7、ONO膜46およびフローティングゲート45をマ
スクとして、例えば注入エネルギー30keVをもって
+ 等を1×1014atoms/cm2 程度シリコン基
板30の表層部に注入し、自己整合的にN- 型不純物拡
散層41bを深く形成する。
【0069】つづいて、図15(b)に示すように、図
15(a)の工程で使用したレジストパターン91をそ
のまま使用し、コントロールゲート47、ONO膜46
およびフローティングゲート45をマスクとして、例え
ば注入エネルギー50keVをもってAs+ 等を3×1
15atoms/cm2 程度シリコン基板30の表層部
に注入し、自己整合的に、N+ 型不純物拡散層41aを
- 型不純物拡散層41b内で浅く形成する。
【0070】この結果、N+ 型不純物拡散層41aとN
- 型不純物拡散層41bとは、N+型不純物拡散層41
aがN- 型不純物拡散層41bで取り囲まれるように接
合する。また、N+ 型不純物拡散層41aおよびN-
不純物拡散層41bを形成するためのイオン注入は、高
エネルギーをもって行うことにより、不純物イオンを拡
散させるための熱処理、すなわち高温アニールが不要と
なり、トンネル酸化膜44に悪影響を与えなくても済
む。なお、レジストパターン91は、用済みとなるので
除去する。
【0071】上記ソースイオン注入工程が終了すると、
メモリトランジスタのドレインイオンを注入する。すな
わち、図16(a)に示すように、NチャネルMOS型
トランジスタ形成領域Y、PチャネルMOS型トランジ
スタ形成領域Zおよびメモリトランジスタ形成領域Xの
ドレイン領域を除く予め定める部分上にレジストパター
ン92を形成する。そして、コントロールゲート47、
ONO膜46およびフローティングゲート45をマスク
として、斜めインプラ(ion implantation)により、例え
ば注入エネルギー60keVをもってB+ 等を1×10
13atoms/cm2 程度シリコン基板30の表層部に
注入し、自己整合的にP- 型不純物拡散層42b′を形
成する。
【0072】つづいて、図16(b)に示すように、図
16(a)の工程で使用したレジストパターン92をそ
のまま使用し、コントロールゲート47、ONO膜46
およびフローティングゲート45をマスクとして、例え
ば注入エネルギー50keVをもってAs+ 等を8×1
14atoms/cm2 程度シリコン基板30の表層部
に注入し、自己整合的に、N+ 型不純物拡散層42aを
形成する。このとき、P- 型イオンを斜めに注入してい
るため、N+ 型不純物拡散層42aのソース領域側端部
にP- 型ポケット42bが形成される。つまり、ドレン
領域42は、N + 型不純物拡散層42aとP- 型ポケッ
ト42bとから構成される。なお、レジストパターン9
2は、用済みとなるので除去する。
【0073】上記ドレインイオン注入工程が終了する
と、NチャネルMOS型トランジスタおよびPチャネル
MOS型トランジスタのゲートを形成する。すなわち、
図17(a)に示すように、メモリトランジスタ形成領
域XおよびNチャネルMOS型トランジスタ形成領域
Y、NチャネルMOS型トランジスタ形成領域Zの予め
定める部分上にレジストパターン(図示せず)を形成
し、このレジストパターンをマスクとして、ポリシリコ
ン90をエッチング除去してゲート55,56を形成す
る。なお、ポリシリコン90のエッチングについては、
RIEを用いるのが好ましい。
【0074】上記ゲート形成工程が終了すると、LDD
イオンを注入する。すなわち、図17(b)に示すよう
に、メモリトランジスタ形成領域XおよびPチャネルM
OS型トランジスタ形成領域Z上にレジストパターン9
3を形成し、ゲート55をマスクとして、例えば注入エ
ネルギー40keVをもってP+ 等のLDDイオンを3
×1013atoms/cm2 程度シリコン基板30の表
層部に注入し、自己整合的に、NチャネルMOS型トラ
ンジスタのソース領域およびドレイン領域にN - 不純物
拡散層51a,52aを形成する。
【0075】上記LDDイオン注入工程が終了すると、
NチャネルMOS型トランジスタのソース/ドレインイ
オンを注入する。すなわち、図18(a)に示すよう
に、CVD法により、酸化シリコン(SiO2 )膜94
を全面に約3000Å程度堆積する。その後、図18
(b)のように、RIEにより全面をエッチバックする
ことにより、コントロールゲート47、ONO膜46お
よびフローティングゲート45のソース領域側およびド
レイン領域側に一対のサイドスペーサ44,45を、ゲ
ート55のソース領域側およびドレイン領域側に一対の
サイドスペーサ56,57を、ゲート66のソース領域
側およびドレイン領域側に一対のサイドスペーサ67,
68をそれぞれ形成する。
【0076】そして、図19(a)に示すように、Pチ
ャネルMOS型トランジスタ形成領域およびメモリトラ
ンジスタ形成領域Xのドレイン領域を除く予め定める部
分上にレジストパターン95を形成し、コントロールゲ
ート47、ONO膜46、フローティングゲート45お
よびサイドスペーサ44,45、ならびにゲート55お
よびサイドスペーサ56,57をそれぞれマスクとし
て、例えば注入エネルギー50keVをもってAs+
を6×1015atoms/cm程度シリコン基板30に
注入し、自己整合的に、N+ 不純物拡散層41a内でN
+ 不純物拡散層41cを、N- 不純物拡散層51b,5
2b内でN+ 不純物拡散層51a,52aをそれぞれ形
成する。なお、レジストパターン95は、用済みとなる
ので除去する。
【0077】つまり、NチャネルMOS型トランジスタ
のドレイン領域52はLDD構造となる。また、Nチャ
ネルMOS型トランジスタのサイドスペーサ56,57
とともに、メモリトランジスタにもサイドスペーサ4
4,45を形成しているから、メモリトランジスタのソ
ース領域41は、三重拡散構造となる。上記Nチャネル
MOS型トランジスタのソース/ドレインイオン注入工
程が終了すると、PチャネルMOS型トランジスタのソ
ース/ドレインイオンを注入する。すなわち、図19
(b)に示すように、メモリトランジスタ形成領域Xお
よびNチャネルMOS型トランジスタ形成領域Y上にレ
ジストパターン96を形成し、ゲート66およびサイド
スペーサ67,68をマスクとして、例えば注入エネル
ギー70keVをもってBF2 等を3×1015atom
s/cm程度シリコン基板30に注入し、自己整合的
に、P+ 不純物拡散層62,63を形成する。なお、レ
ジストパターン95は、用済みとなるので除去する。
【0078】上記PチャネルMOS型トランジスタのソ
ース/ドレインイオン注入工程が終了すると、層間絶縁
膜を形成する。すなわち、図20(a)に示すように、
CVD法により、BPSGを約6000Å程度堆積して
層間絶縁膜33を形成する。そして、リフローを行い、
層間絶縁膜39の表面を平坦にしてやる。その後、約9
00〜950℃でアニールを行う。
【0079】上記層間絶縁膜形成工程が終了すると、メ
タライゼーションを行う。すなわち、図20(b)に示
すように、マスク合わせのため、全面にレジスト(図示
せず)を塗布し、配線の取り出し口にみレジストに孔を
開ける。次いで、レジストをマスクにして、層間絶縁膜
33および下のトンネル酸化膜44およびゲート酸化膜
54,65をRIEによってエッチング除去し、メモリ
トランジスタのドレイン領域42、NチャネルMOS型
トランジスタのソース領域51/ドレイン領域52およ
びPチャネルMOS型トランジスタのソース領域62/
ドレイン領域63上にコンタクトホール34a,34
b,34c,34d,34eをそれぞれ開口する。そし
て、レジストを剥離した後、例えばスパッタリング等に
より全面に例えばAl等を堆積し、マスク合わせおよび
RIEを用いて、各電極配線35a,35b,35c,
35d,35eをパターン形成する。
【0080】最後に、図21に示すように、CVD法に
より、全面に例えば窒化シリコン(Si3 4 )を堆積
してパッシベーション膜46を形成する。上記のよう
に、メモリトランジスタのソース領域、ドレイン領域を
別の工程で分離して形成するので、メモリトランジスタ
のソース領域、ドレイン領域を、エレクトロンの注入お
よび流出に適した、互いに異なる不純物拡散濃度に設定
することができる。
【0081】また、メモリトランジスタに係るソース領
域のN+ 型不純物拡散層41a、N - 型不純物拡散層4
1bの形成にあっては、図15(a)(b)に示すよう
に、1回のマスキングにて2回のイオン注入を行ってい
るから、工程数を削減することができる。また、メモリ
トランジスタに係るドレイン領域のN+ 型不純物拡散層
42a、P- 型ポケット42bの形成にあっても、図1
6(a)(b)に示すように、同様に1回のマスキング
にて2回のイオン注入を行うので、工程数を削減するこ
とができる。
【0082】さらに、図18(b)に示す工程では、N
チャネルMOS型トランジスタのサイドスペーサ56,
57とともに、メモリトランシタにもサイドスペーサ4
8,49を設けているので、次の図19(a)に示す工
程において、LDDイオンを注入することで、Nチャネ
ルMOS型トランジスタをLDD構造とすると同時に、
メモリトランジスタのソース領域41を三重拡散構造と
することができる。
【0083】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で多くの変更または修正
を加え得ることは勿論である。上記実施例においては、
P型シリコン基板を使用した場合について記載したが、
本発明を、N型シリコン基板を使用する場合にも適用し
てもよい。また、本発明を、図22に示すような、フロ
ーティングゲートを排除して、トパップ膜100で電荷
を蓄積する、MNOS型あるいはMONOS型メモリト
ランジスタを使用した半導体集積回路装置に適用して
も、同様の効果を得ることができる。
【0084】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、請求項1
記載の半導体集積回路装置では、不揮発性記憶素子のソ
ース領域およびドレイン領域の不純物拡散濃度を、互い
に異なる、電荷の注入および流出に適した濃度に設定し
ているため、ドレインディスターブおよび過剰消去の発
生を防止できる。
【0085】請求項2記載の半導体集積回路装置では、
不揮発性記憶素子のソース領域を高耐圧構造とすること
ができるため、電荷蓄積膜から電荷を除去する際の高電
圧に耐えることができる。一方、不揮発性記憶素子のド
レイン領域は、ドレイン拡散層と拡散ポケットとの濃度
差が大きくなっており、ドレイン領域近傍での電荷の発
生効率が高まり、充分に速い電荷注入速度を得ることが
できる。
【0086】請求項3記載の製造方法では、不揮発性記
憶素子のソース領域およびドレイン領域をそれぞれ分離
して形成しているので、ソース領域およびドレイン領域
を、電荷の注入および流出に適した、互いに異なる不純
物拡散濃度に設定することができる。さらに、不揮発性
記憶素子のソース領域およびドレイン領域の形成にあっ
ては、1回のマスキングにて2回のイオン注入を行うの
で、工程数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る半導体集積回路装置の
構造を図解的に示す概略断面図である。
【図2】半導体集積回路装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】メモリアレーの等価回路図である。
【図4】メモリトランジスタの書き込み動作を図解的に
示す図である。
【図5】書き込み時におけるメモリアレーの等価回路図
である。
【図6】メモリトランジスタの消去動作を図解的に示す
図である。
【図7】メモリトランジスタの読出動作を図解的に示す
図である。
【図8】半導体集積回路装置の製造方法を工程順に示す
概略断面図である。
【図9】図8につづく半導体集積回路装置の製造方法を
工程順に示す概略断面図である。
【図10】図9につづく半導体集積回路装置の製造方法
を工程順に示す概略断面図である。
【図11】図10につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図12】図11につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図13】図12につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図14】図13につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図15】図14につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図16】図15につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図17】図16につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図18】図17につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図19】図18につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図20】図19につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図21】図20につづく半導体集積回路装置の製造方
法を工程順に示す概略断面図である。
【図22】他の実施例に係る半導体集積回路装置の構造
を図解的に示す概略断面図である。
【図23】従来のメモリアレーの構造を図解的に示す概
略断面図である。
【図24】メモリアレーの等価回路図である。
【図25】メモリトランジスタの動作を図解的に示す図
であって、同図(a)は書き込み動作を、同図(b)は
消去動作をそれぞれ示している。
【図26】書き込み時におけるメモリトランジスタの等
価回路図であて、メモリトランジスタでドレインディス
ターブが発生する状態を示している。
【図27】消去時におけるメモリトランジスタの過剰消
去が発生する状態を図解的に示す図である。
【符号の説明】
MA10 メモリアレー 20 周辺回路 30 P型シリコン基板 MTr40,MTr41,MTr42,MTr43,M
Tr44メモリトランジスタ 41 ソース領域 41a N+ 型不純物拡散層 41b N- 型不純物拡散層 41c N+ 型不純物拡散層 42 ドレイン領域 42a N+ 型不純物拡散層 42b P- 型ポケット 43 チャネル領域 44 トンネル酸化膜 45 ローティングゲート 46 ONO膜 47 コントロールゲート 48,49 サイドスペーサ Tr50 NチャネルMOS型トランジスタ 41 ソース領域 52 ドレイン領域 52a N+ 型不純物拡散層 52b N- 型不純物拡散層 53 チャネル領域 54 ゲート酸化膜 55 ゲート 56,57 サイドスペーサ Tr60 PチャネルMOS型トランジスタ 61 Nウェル 62 ソース領域 63 ドレイン領域 64 チャネル領域 65 ゲート酸化膜 66 ゲート 67,68 サイドスペーサ 100 トラップ膜 X メモリトランジスタ形成領域 Y NチャネルMOS型トランジスタ形成領域 Z PチャネルMOS型トランジスタ領域 MC71,MC73 メモリセル WL1,WL2 ワードライン BL1,BL2,BL3,BL4 ビットライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/8247 G11C 16/02 G11C 16/04 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一の半導体基板上に、所定の集積回路設
    計に基づき、情報の記憶を行う複数の不揮発性記憶素子
    が、行方向および列方向に沿ってマトリクス状に配列さ
    れてなるメモリアレーと、該メモリアレーの周辺に配置
    され、各不揮発性記憶素子に所定の動作を行わせる周辺
    回路とが形成されている半導体集積回路装置であって、 前記各不揮発性記憶素子は、前記半導体基板の表面層に
    所定の間隔をあけて形成されたソース領域およびドレイ
    ン領域と、該ソース領域およびドレイン領域で挟まれる
    ように生じたチャネル領域上に設けられ、該チャネル領
    域で発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、該電荷蓄積
    層上に設けられ、所定の制御電圧が印加されるゲートと
    を含み、行方向に配列されている各不揮発性記憶素子の
    ゲートにワードラインが接続され、列方向に配列されて
    いる各不揮発性記憶素子のソース領域およびドレイン領
    域にそれぞれビットラインが接続されており、 前記周辺回路は、各不揮発性記憶素子のゲートとドレイ
    ン領域との間に所定の電圧を印加して、前記チャネル領
    域のドレイン領域近傍で高いエネルギーを有する電荷を
    発生させて、該電荷を前記電荷蓄積層に注入する手段
    と、各不揮発性記憶素子のソース領域に所定の電圧を印
    加して、前記電荷蓄積層に蓄積されている電荷を前記ソ
    ース領域に流出させて除去する手段とを含んでおり、 前記各不揮発性記憶素子のソース領域は、前記電荷の流
    出に適した不純物拡散濃度に設定されており、ドレイン
    領域は、前記電荷の注入に適した、ソース領域とは異な
    る不純物拡散濃度に設定されていることを特徴とする半
    導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体集積回路装置におい
    て、 各不揮発性記憶素子のソース領域は、予め定められた第
    1の導電型式をした前記半導体基板とは反対の第2の導
    電型式をしたソース拡散層と、該ソース拡散層を取り囲
    むように深く形成され、かつ不純物拡散濃度がソース拡
    散層よりも薄く設定された第2の導電型式をした外部拡
    散層とからなる二重拡散構造を有しており、 各不揮発性記憶素子のドレイン領域は、前記第1の導電
    型式とは反対の第2の導電型式をしたドレイン拡散層
    と、該ドレイン拡散層のソース領域端部に接合され、第
    1の導電型式をした拡散ポケットとを備えていることを
    特徴とする半導体集積回路。
  3. 【請求項3】請求項2記載の半導体集積回路装置を製造
    するための方法であって、 予め定める第1の導電型式をした半導体基板の不揮発性
    記憶素子形成領域上に、不揮発性記憶素子の電荷蓄積層
    およびゲートを順次形成する工程、 不揮発性記憶素子のソース形成領域を除く全面にマクク
    を施し、半導体基板へ、第1の導電型式とは反対の第2
    の導電型式の第1のイオンを深く注入し、つづけて第1
    のイオンよりも濃度が薄い第2の導電型式の第2のイオ
    ンを浅く注入して、自己整合的にソース拡散層が外部拡
    散層で取り囲まれた二重拡散構造を有するソース領域を
    形成する工程、ならびに、 不揮発性記憶素子のドレイン形成領域を除く全面にマク
    クを施し、半導体基板へ、第1の導電型式のイオンを斜
    めに浅く注入し、つづけて第2の導電型式のイオンを深
    く注入して、自己整合的にドレイン拡散層のソース領域
    端部に拡散ポケットを接合させたドレイン領域を形成す
    る工程を含むことを特徴とする半導体集積回路装置の製
    造方法。
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