JP2814045B2 - 摺動特性に優れためっきアルミニウム板 - Google Patents

摺動特性に優れためっきアルミニウム板

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JP2814045B2
JP2814045B2 JP6854893A JP6854893A JP2814045B2 JP 2814045 B2 JP2814045 B2 JP 2814045B2 JP 6854893 A JP6854893 A JP 6854893A JP 6854893 A JP6854893 A JP 6854893A JP 2814045 B2 JP2814045 B2 JP 2814045B2
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和彦 本田
公隆 林
広正 野村
高橋  彰
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっきアルミニウム板
に係わり、更に詳しくは優れた摺動特性を有し、種々の
用途、例えば自動車用アルミニウム板として適用できる
亜鉛系合金めっきアルミニウム板に関するものである。
なお、本発明においてアルミニウム板とは、アルミニウ
ム板及びアルミニウム合金板を含めた意味で称する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車メーカー各社は、鋼板を
自動車ボディーに使用してきている。ここで言う鋼板と
は、普通鋼板、高張力鋼板、亜鉛系電気めっき鋼板や亜
鉛系溶融めっき鋼板を指す。このうち、亜鉛系めっき鋼
板などの表面処理鋼板は耐食性に優れていることから、
特に耐食性を要求される部位、例えばフェンダー、ドア
パネル等に盛んに使用されている。一方、最近では自動
車の燃費向上、動力性能向上のための車体軽量化を主目
的として、アルミニウム板を自動車のボディーに使用す
る要求が生じている。ただし、自動車のボディー全体を
アルミニウム板で製造することは希であり、一般にはボ
ディーの一部を鋼板からアルミニウム板に置き換えるこ
とが行われている。
【0003】ここで、自動車の製造ラインにおいては、
アルミニウム板は現行の鋼板で確立された自動車の製造
ラインで使用されることがほとんどのため、その材料特
性は鋼板と同等かそれ以上の性能が求められかつ現有の
自動車製造ラインそのものに適用できることが重要であ
る。自動車ボディー組立時に要求されるアルミニウム板
の諸特性を鋼板のそれに近づける試みは、塗装前処理と
しての燐酸亜鉛処理性に関していくつかなされている。
【0004】例えば、特開昭61−157693号公
報、特開平4−17677号公報、特開平4−1767
8号公報、特開平4−17679号公報、特開平4−1
7680号公報ではアルミニウム板の燐酸亜鉛処理性を
向上させる方法としてアルミニウム板に亜鉛めっきを施
す方法が提案されている。しかし、本発明のごとく、め
っきを粒状に形成してアルミニウム板の摺動特性を著し
く向上したものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現有の自動車の製造ラ
インでアルミニウム板を使用するためには、その材料特
性が鋼板と同等かそれ以上の性能が求められることは前
述した通りである。しかし、実際のアルミニウム板のプ
レス成形性は、鋼板に比べてかなり劣っている。このた
め、プレス成形性を向上させるために、様々な材料開発
が行われているが、これとは別に潤滑性向上の面からも
検討がなされている。従って、本発明は、かかる問題点
を解決したアルミニウム板、すなわち、プレス成形時摺
動特性に優れたアルミ板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく低コストで摺動特性に優れるめっき
方法の開発について鋭意研究を重ねた結果、アルミニウ
ム板の表面に粒状にめっきを形成することによって優れ
た摺動特性を得られることを見いだして本発明をなし
た。すなわち、本発明の要旨は、 (1)水溶液から電析させることのできる金属または合
金によりめっきを施したアルミニウム板において、この
めっきの形状を粒状とし、粒の被覆面積が300(μ
m)2 以下、粒の高さと幅の比が高さ/幅≧1/20の
形態を有する粒によるアルミニウム板表面の被覆率を5
〜70%とすることを特徴とする摺動特性に優れためっ
きアルミニウム板。
【0007】(2)亜鉛系合金めっきを施したアルミニ
ウム板において、この亜鉛系合金めっきの形状を粒状と
し、粒の被覆面積が300(μm)2 以下、粒の高さと
幅の比が高さ/幅≧1/20の形態を有する粒によるア
ルミニウム板表面の被覆率を5〜70%とすることを特
徴とする摺動特性に優れた亜鉛系合金めっきアルミニウ
ム板。
【0008】(3)亜鉛系合金めっきを施したアルミニ
ウム板において、この亜鉛系合金めっきの形状を粒状と
し、粒の被覆面積が100(μm)2 以下、粒の高さと
幅の比が高さ/幅≧1/10の形態を有する粒によるア
ルミニウム板表面の被覆率を5〜70%とすることを特
徴とする摺動特性に優れた亜鉛系合金めっきアルミニウ
ム板である。
【0009】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明におい
て、めっきの効果は、摺動特性の向上にある。本発明に
おいて、めっきは、アルミニウム板の表面に粒状に形成
されており、この粒のうち、粒の被覆面積が300(μ
m)2 以下、粒の高さと幅の比が高さ/幅≧1/20の
形態を有する粒によって、アルミニウム板表面の5〜7
0%が被覆されていることを必須とする。本発明で粒と
は、めっきの厚さが0.01μm以上ある部分につい
て、めっき後アルミニウム板表面に亜鉛系合金の粒が凸
状に付着されているものを意味する。また、めっき粒の
形成は、以下に記す双方の場合を広く包含するものであ
る。 (1)あるものは独立しており、あるものは相互に連絡
している状態でアルミニウム板表面にめっき後のめっき
粒が分布している場合 (2)0.01μm未満の極めて薄いめっき層の上に凸
部が局部的に存在するようにめっき後のめっき層が分布
している状態。
【0010】本発明において、めっき粒の被覆面積と
は、めっき粒のアルミニウム板表面に垂直に投影した面
積を意味する。めっき粒の被覆面積を300(μm)2
以下と限定した理由は、被覆面積が大きい場合は、個々
の粒がつながる傾向が大となり、摺動特性に優れた粒状
のめっきが、得られないためである。更に好ましい範囲
として100(μm)2 以下とした理由は、被覆面積が
100(μm)2 以下では、単位面積あたりの粒の数が
増加するために、粒による摺動特性の向上効果がより大
きくなるためである。
【0011】次に本発明では、粒の高さと粒の幅は、め
っきの厚さが0.01μm以上ある部分において、めっ
き粒の最大高さ及び、めっき粒のアルミニウム板表面に
垂直に投影した部分の内の最大長さをいう。めっき粒の
高さと幅の比を高さ/幅≧1/20に限定した理由は、
高さと幅の比が1/20未満では、摺動特性を向上させ
る効果が不十分であるためである。更に好ましい範囲と
して高さ/幅≧1/10に限定した理由は、高さと幅の
比が1/10以上では、凹凸が明確となり、粒による摺
動特性の向上効果がより大きくなるためである。高さと
幅の比の上限は特に規定しないが、工業的に容易に作成
できる範囲としては、2以下である。
【0012】次に、粒による板表面の被覆率とは、アル
ミニウム板の表面積に対する粒で被覆された面積の割合
である。このめっき粒によるアルミニウム板表面の被覆
率を5〜70%と限定する理由は、5%未満では、被覆
率が小さすぎてめっきを付着する効果が得られないため
であり、70%を超えると個々の粒がつながる傾向が大
となり、摺動特性に優れた粒状のめっきが、得られない
ためである。
【0013】本発明において、めっきを粒状にすること
によって摺動特性が向上する理由は、はっきりと解明さ
れていないが、理由としては以下のことが考えられる。 (1)めっきを粒状にすることによって、プレス金型と
めっきアルミニウム板の接触面積が減少する。 (2)めっきを粒状にすることによって、めっき粒とめ
っき粒の間に潤滑油の油だまりができ、摩擦係数が小さ
くなる。
【0014】以下本発明で規定するめっきの金属または
合金について述べる。まず、水溶液から電析させること
のできる金属または合金のめっきとは、Zn,Fe,N
i,Sn,Cr,Co,Mn,Pb,Cu,Ag等の金
属、あるいは、これらの金属の2種以上からなる合金を
指し、また亜鉛系合金めっきとは、Fe,Ni,Co,
Cr,Mnなどの1種または2種以上の合金元素を含有
する亜鉛系合金めっきを指すものであり、合金元素含有
率は1〜90%である。本発明においてめっき金属また
は合金を上記に限定した理由は、これらの金属はAlよ
り堅く、変形が小さいため、プレス成形を行う場合、同
様の凹凸を機械的につけたアルミニウム板に比べて、め
っきアルミニウム板の方が接触面積の増加を抑えられ、
摺動特性が向上するからである。
【0015】以下、本発明を実施例によって具体的に説
明する。
【実施例】
実施例1 まず、素材としてJIS5182−O材の圧延板を準備
し、これに表1に示す様な粒状の電気めっきを行った。
粒状のめっきは、アルミニウム合金板表面を電気化学的
にアノード処理し、その後にそれぞれの金属イオンを含
むめっき浴を用いて電気めっきを行うことによって得ら
れた。評価試験は、平板引き抜き試験を行った。試験条
件を以下に示す。 試験片寸法 :1.0mm×30mm×300mm 押しつけ力 :450kgf 引き抜き速度:200mm/min 工具接触面積:900mm2 (30mm×30mm) 結果は表1に示す通りであり、本発明材はいずれも冷延
鋼板と同等の摩擦係数が得られ、めっきを行わないアル
ミニウム板より摺動特性が向上した。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2 まず、素材としてJIS5182−O材の圧延板を準備
し、これに表1に示す様な粒状のZn−Fe(10%)
電気合金めっきを行った。粒状のめっきは、アルミニウ
ム合金板表面を電気化学的にアノード処理し、その後に
Zn2+とFe2+を含む硫酸浴を用いて電気めっきを行う
ことによって得られた。評価試験は、実施例1と同じ条
件で行った。結果は表2に示す通りであり、粒の被覆面
積が300(μm)2 以下、粒の高さと幅の比が高さ/
幅≧1/20の形態を有する粒によるアルミニウム板表
面の被覆率を5〜70%とする本発明材は、めっきを行
わないアルミニウム板より摺動特性が向上した。また、
粒の被覆面積が100(μm)2 以下、粒の高さと幅の
比が高さ/幅≧1/10の形態を有する粒によるアルミ
ニウム板表面の被覆率を5〜70%とする本発明材は、
いずれも冷延鋼板と同等の摩擦係数が得られ、めっきを
行わないアルミニウム板より摺動特性が向上した。
【0018】
【表2】
【0019】実施例3 まず、素材として表3に示すアルミニウム合金圧延板を
準備し、これに粒状のZn−Fe(10%)電気合金め
っきを行った。粒状のめっきは、アルミニウム合金板表
面を電気化学的にアノード処理し、その後にZn2+とF
2+を含む硫酸浴を用いて電気めっきを行うことによっ
て得られた。評価試験は、実施例1と同じ条件で行っ
た。結果は表3に示す通りであり、本発明材はいずれも
冷延鋼板と同等の摩擦係数が得られ、めっきを行わない
アルミニウム板より摺動特性が向上した。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、めっきを粒状に付着さ
せることにより、摺動特性に優れためっきアルミニウム
板を製造することができ、その工業的価値はまことに大
きい。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 彰 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平5−44080(JP,A) 特開 平4−32598(JP,A) 特開 平5−287588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 3/00 - 7/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液から電析させることのできる金属
    または合金によりめっきを施したアルミニウム板におい
    て、このめっきの形状を粒状とし、粒の被覆面積が30
    0(μm)2 以下、粒の高さと幅の比が高さ/幅≧1/
    20の形態を有する粒によるアルミニウム板表面の被覆
    率を5〜70%とすることを特徴とする摺動特性に優れ
    ためっきアルミニウム板。
  2. 【請求項2】 亜鉛系合金めっきを施したアルミニウム
    板において、この亜鉛系合金めっきの形状を粒状とし、
    粒の被覆面積が300(μm)2 以下、粒の高さと幅の
    比が高さ/幅≧1/20の形態を有する粒によるアルミ
    ニウム板表面の被覆率を5〜70%とすることを特徴と
    する摺動特性に優れた亜鉛系合金めっきアルミニウム
    板。
  3. 【請求項3】 亜鉛系合金めっきを施したアルミニウム
    板において、この亜鉛系合金めっきの形状を粒状とし、
    粒の被覆面積が100(μm)2 以下、粒の高さと幅の
    比が高さ/幅≧1/10の形態を有する粒によるアルミ
    ニウム板表面の被覆率を5〜70%とすることを特徴と
    する摺動特性に優れた亜鉛系合金めっきアルミニウム
    板。
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