JP2808844B2 - テープフィーダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はテープフィーダに係り、詳しくは、電子部品
封入テープのカバーテープを巻取る巻取りリールを不要
にしたテープフィーダの構造に関する。

（従来の技術） 電子部品を基板に搭載するための手段として、テープ
フィーダに装備された電子部品封入テープをピッチ送り
して、このテープに封入された電子部品を実装装置へ向
って搬送し、移載ヘッドによりこの電子部品をテイクア
ップして基板に移送搭載するようにしたものが広く実施
されている。

この種テープフィーダは、例えば特開昭62−146861号
公報に示されるように、供給リールの装着部と、スプロ
ケット等から成るテープのピッチ送り手段と、ベーステ
ープに収納された電子部品を移載ヘッドによりテイクア
ップできるように、カバーテープをベーステープから剥
離するためのカバーテープの剥離手段と、剥離されたカ
バーテープを巻き取る巻取りリール、及びこの巻取りリ
ールの駆動手段等から成っている。

（発明が解決しようとする課題） 上記のようにこの種従来のテープフィーダは、様々な
構成部品から成っており、その構造はかなり複雑であ
る。殊に上記従来手段にあっては、カバーテープをベー
ステープから剥離しながら巻取らねばならないため、巻
取りリールをテープのピッチ送り速度よりも若干早く回
転させて強く巻き取る必要があり、このため巻取りリー
ルの駆動手段はかなり複雑な機構により構成されてい
た。したがってテープフィーダの構造はきわめて複雑で
あり、またそれだけ製造コストも高く、更には取り扱い
や保守管理も面倒等の問題があった。

また供給リールのテープが無くなったならば、テープ
フィーダをこれがセットされたテーブルから取りはずし
てテープフィーダに新たな供給リールを装着するととも
に、巻取りリールに巻取られたカバーテープを巻取りリ
ールから除去しなければならない。しかしながら上述の
ように、カバーテープは巻取りリールに強く巻取られて
いるため、これを巻取りリールから簡単にとりはずしに
くく、このため従来、カバーテープはナイフより切断す
るなどして巻取りリールから除去しなければならないな
ど、その取り扱いは甚だ面倒であった。

したがって本発明は上記事情に鑑み、構造が簡単で取
り扱いや保守管理が簡便なテープフィーダ、更に詳しく
はカバーテープの巻取りリールやその駆動手段を不要に
できるテープフィーダを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 請求項１に記載の本発明は、電子部品封入テープをピ
ッチ送りするスプロケットを備えたテープ送り部と、電
子部品封入テープが巻回された供給リールを備えたテー
プ供給部と、テープ送り部とテープ供給部の間にあって
電子部品封入テープのカバーテープを折り返し剥離する
剥離部とから成り、上記テープ供給部に、カバーテープ
の回収部と、上記剥離部で剥離されたカバーテープをこ
の回収部に送り込む送り込み手段を設け、かつ上記回収
部が、カバーテープを巻き取らずに回収する回収室であ
ることを特徴とするテープフィーダである。

請求項２の発明は、請求項１の発明において、上記送
り込み手段が、上記テープに係合し、上記テープ送り部
の駆動による上記テープの送行に連動して回転するスプ
ロケットと、このスプロケットに連動連結されて上記カ
バーテープを上記回収室に送り込む回転子とから成る。

請求項３の発明は、請求項２の発明において、上記回
転子の直径を上記スプロケットの直径よりも大きくする
ことにより、上記カバーテープを緊張しながら上記回収
室に送り込む。

請求項４の発明は、請求項２または３の発明におい
て、上記テープ供給部と上記テープ送り部が別体であっ
て互いに着脱自在に係合され、かつ上記剥離部と上記ス
プロケットと上記回転子が上記テープ供給部に備えられ
ている。

（作用） 請求項１に記載の発明において、電子部品封入テープ
はテープ送り部によりピッチ送りされ、その間にカバー
テープは剥離部で剥離されるが、剥離されたカバーテー
プは送り込み手段により回収室に巻き取られることなく
そのまま送り込まれて回収される。

請求項２に記載の発明において、スプロケットはテー
プの送行に連動して回転し、かつ回転子はこのスプロケ
ットに連動して回転し、カバーテープを回収室に送り込
む。

請求項３に記載の発明において、スプロケットのテー
プ送り量よりも回転子のテープ送り量の方が大きいの
で、テープを緊張しながらしっかりと回収室に送り込む
ことができる。

請求項４に記載の発明において、テープ供給部とテー
プ送り部を分離することによりテープフィーダの保守管
理を容易に行うことができ、特に回収室に回収されたカ
バーテープを回収室から取り出す作業を行いやすい。

次に、図面を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。

第１図はテープフィーダの側面図である。このテープ
フィーダは、テープ供給部１と、テープ送り部30を別体
形成して構成されている。後述するように、このテープ
供給部１は、テープ送り部30の後部に着脱自在に結合さ
れる。

２はテープ供給部１の本体部であり、ポケット状の装
着部３が設けられている。この装着部３には、供給リー
ル４がローラ５上に回転自在に載置されている。また本
体部２の後部には、把手６が設けられている。この供給
リール４には、電子部品封入テープ７が巻回されてい
る。

本体部２の上部には、カバーテープ7aの回収部８が、
ヒンジ部10を中心に回転して開閉自在に設けられてい
る。回収部８の内部は回収室９となっている。18は本体
部２から前方へ延出する連結部であり、供給リール４か
ら導出されたテープ７は、この連結部18の上面上を送行
する。

11はこの連結部18の上面に設けられたスプロケット、
13aはこのスプロケット11に連動して回転するカバーテ
ープ7aの巻上げ用回転子、13bはこの回転子13aに当接す
る回転子、12は回転子13aの前方に設けられた剥離部で
ある。剥離部12は、その先鋭なエッジ12aにより、テー
プ７に貼着されたカバーテープ7aを折り返し剥離する。
またスプロケット11はテープ７に係合していることか
ら、スプロケット11は、テープ送り部30の駆動によるテ
ープ７の送行に連動して回転する。

スプロケット11と回転子13aはベルト14により連結さ
れている。テープ７の送行にともなってスプロケット11
が回転すると、これに連動して回転子13a,13bは回転
し、剥離部12に剥離されたカバーテープ7aを巻上げ、回
収室９に送り込む。すなわち、スプロケット11、回転子
13a,13b,ベルト14などは、カバーテープ7aを回収室９へ
送り込む送り込み手段となっている。この場合、回転子
13aの直径を、スプロケット11の直径よりもやや大きく
することにより、カバーテープ7aを緊張しながら巻上げ
ることができる。回収されたカバーテープ7aは、回収室
８をヒンジ10を中心に回転させて開くことにより、簡単
に取り出される。15a,15bは供給リール４から導出され
たテープ７を、スプロケット11へ案内するガイド体であ
り、薄板を屈曲させて形成されている。

テープ送り部30は、長板状の本体31を主体としてい
る。この本体31の両側部には、スプロケット32,33が設
けられている。スプロケット32,33には、レバー34,35が
同軸的に装着されており、レバー34とレバー35は、水平
なシャフト36で連結されている。このシャフト36は、ば
ね材37により、第２図において右方へ付勢されている。
また本体31の上面には、テープ７の送行を案内するカバ
ー板38と、テープ７に収納された電子部品の飛び出しを
防止するシャッター39が設けられている。このシャッタ
ー39は、上記シャフト36に取り付けられている。

40はシャフト36に連結された駆動レバーであり、その
上端部にはローラ41が軸着されている。電子部品実装機
に設けられた押圧手段（図外）によりこのローラ41が押
圧されると、レバー40は揺動し、シャフト36は往復運動
してスプロケット32,33はピッチ回転し、テープ７はピ
ッチ送りされる。またこれに連動して、シャッター39は
往復摺動して開閉し、開状態において、電子部品は移載
ヘッド42のノズル43に吸着されてテイクアップされる。

第２図において、本体31の後部には、ばね44に付勢さ
れたプランジャ45が設けられている。また上記連結部18
の底面には、このプランジャ45が嵌着する孔部46が形成
されている。また連結部18の側面にはガイド溝47が形成
されており（第１図参照）、また本体部31の後部に形成
された連結部48には、このガイド溝47に嵌合するリブ49
が形成されている。したがって連結部18を連結部48に挿
入し、プランジャ45が孔部46に嵌着することにより、テ
ープ供給部１はテープ送り部30の後部に着脱自在に結合
される。

本体31の前方には、テープ７を切断処理するカッター
54が設けられている。本体31は、テーブル移動装置50に
載置されたテーブル51上に装着されている。52はこのテ
ーブル51の下面に設けられたナット、53はこのナット52
に螺合する送りねじである。この送りねじ53が回転する
と、テーブル51はこの送りねじ53に沿って摺動し、所定
のテープフィーダを、移載ヘッド42のテイクアップ位置
に停止させる。

このテープフィーダは上記のような構成より成り、次
にその取り扱いと動作の説明を行う。

テープ送り部30のローラ41が押圧されることにより、
テープ７はピッチ送りされ、移載ヘッド42のノズル43に
より電子部品はテイクアップされて、基板（図外）に移
送搭載される。またテープ７がピッチ送りされるのにと
もない、カバーテープ7aは剥離部12に剥離され、回転子
13a,13bに巻上げられながら回収室９に回収される。

供給リール４のテープ７が無くなったならば、把手６
を保持してテープ供給部１をテープ送り部30から取りは
ずし、回収部８を開いて、回収室９に回収されたカバー
テープ7aを除去するとともに、装着部３に新たな供給リ
ール４を装着する。次いで上述したように、テープ供給
部１をテープ送り部30に結合する。このようなテープ供
給部１のテープ送り部30に対する着脱作業は、テープフ
ィーダ全体をテーブル51から取りはずして行ってもよ
く、あるいはテープ供給部１だけをテープ送り部30から
取りはずし、テープ送り部30はテーブル51に載置したま
まで行ってもよい。

請求項１記載の発明によれば、カバーテープは巻取ら
れることなくそのまま回収室に送り込まれて回収される
ので、カバーテープの巻取りリールや、巻取りリールの
駆動手段を不要にでき、テープフィーダの構造を簡単化
できるだけでなく、従来、きわめて面倒であった剥離さ
れたカバーテープの除去処理を簡単に行うことができ
る。

請求項２記載の発明によれば、スプロケットがテープ
の送行に連動して回転し、更に回転子はスプロケットの
回転に連動して回転するので、カバーテープをきわめて
簡便な機構により回収室に送り込むことができる。

請求項３記載の発明によれば、スプロケットのテープ
送り量よりも回転子のテープ送り量の方が大きいので、
テープを緊張しながら確実に回収室へ送り込むことがで
きる。

請求項４記載の発明によれば、テープ供給部とテープ
送り部を分離することによりテープフィーダの保守管理
を容易に行うことができ、特に回収室に回収されたカバ
ーテープを回収室から容易に取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すものであって、第１図はテー
プフィーダの斜視図、第２図は側面図である。 １……テープ供給部 ４……供給リール ７……電子部品封入テープ 7a……カバーテープ ８……回収部 ９……回収室 11……スプロケット 12……剥離部 13a……回転子 30……テープ送り部 32……スプロケット

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子部品封入テープをピッチ送りするスプ
   ロケットを備えたテープ送り部と、電子部品封入テープ
   が巻回された供給リールを備えたテープ供給部と、テー
   プ送り部とテープ供給部の間にあって電子部品封入テー
   プのカバーテープを折り返し剥離する剥離部とから成
   り、上記テープ供給部に、カバーテープの回収部と、上
   記剥離部で剥離されたカバーテープをこの回収部に送り
   込む送り込み手段を設け、かつ上記回収部が、カバーテ
   ープを巻き取らずに回収する回収室であることを特徴と
   するテープフィーダ。
2. 【請求項２】上記送り込み手段が、上記テープに係合
   し、上記テープ送り部の駆動による上記テープの送行に
   連動して回転するスプロケットと、このスプロケットに
   連動連結されて上記カバーテープを上記回収室に送り込
   む回転子とから成ることを特徴とする請求項１記載のテ
   ープフィーダ。
3. 【請求項３】上記回転子の直径を上記スプロケットの直
   径よりも大きくすることにより、上記カバーテープを緊
   張しながら上記回収室に送り込むことを特徴とする請求
   項２記載のテープフィーダ。
4. 【請求項４】上記テープ供給部と上記テープ送り部が別
   体であって互いに着脱自在に係合され、かつ上記剥離部
   と上記スプロケットと上記回転子が上記テープ供給部に
   備えられていることを特徴とする請求項２または３記載
   のテープフィーダ。