JP2803317B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2803317B2 JP2108148A JP10814890A JP2803317B2 JP 2803317 B2 JP2803317 B2 JP 2803317B2 JP 2108148 A JP2108148 A JP 2108148A JP 10814890 A JP10814890 A JP 10814890A JP 2803317 B2 JP2803317 B2 JP 2803317B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はクラッチやブレーキなどの係合手段の係合
・解放の組合せに応じて複数の変速段に設定することの
できる自動変速機における変速のための制御装置に関
し、特にいずれかの変速段を設定するための係合手段の
係合・解放の組合せのパターンが複数種類ある自動変速
機における変速を制御するための制御装置に関するもの
である。
従来の技術 自動車などの車両に搭載される自動変速機には、小型
で軽量であること、変速のための制御が容易なこと、変
速ショックが少ないことなどの特性の他に、適当な値の
変速比の変速段を多数設定できることが望まれる。設定
可能な変速段の数を多くするには、歯車列を構成する遊
星歯車機構の数を多くし、あるいはクラッチやブレーキ
などの摩擦係合手段の数を多くして歯車列を構成してい
る回転要素の連結関係や固定状態を多様に変えるよう構
成すればよい。本出願人はその一例として、三組の遊星
歯車機構を主体として歯車列を構成し、変速比が等比級
数に近い関係となる前進第1速ないし第5速と後進段と
を主要な変速段とし、その他に第2速と第3速との間の
中間段や、第3速と第4速との間の中間段を設定できる
自動変速機を既に提案した。その自動変速機では、歯車
列を構成している遊星歯車機構の要素同士の連結関係や
固定状態を多様に変えることができるため、設定可能な
変速段数が多くなることに加え、所定の変速段を設定す
るための摩擦係合手段の係合・解放の組合せのパターン
(すなわち係合・解放パターン)が複数種類ある。その
係合・解放パターンには、回転部材の回転数に変化がな
いもの、およびいずれかの回転部材の回転数が変わるも
のがあり、したがって所定の変速段を設定するための摩
擦係合手段の選択の仕方によっては、変速ショックや変
速制御性、さらには摩擦係合手段の耐久性に大きな影響
が出る。そこで本出願人は、複数の変速段が中間に介在
する所謂飛び越し変速を行なうにあたって、歯車列にお
ける回転部材の累積変動回転数が少なく、かつ係合・解
放の状態を切換えるべき係合手段の数が少なくなるよう
中間の変速段を選択しかつ経由して変速を行なう変速制
御方法を特願平1−295823号によって既に提案した。
発明が解決しようとする課題 上述した制御方法によれば、回転部材の累積変動回転
数が少なくなることにより、変速の際の慣性力が小さく
なるために変速ショックを低減でき、あるいは変速ショ
ックの悪化を防止することができ、また変速を実行する
ために係合・解放の状態を切換えるべき係合手段の数が
少なくなるから、変速制御が容易になる。しかしながら
変速の際に問題となる慣性力あるいはそれに起因する変
速ショックは、自動変速機に入力される回転数によって
も影響を受けるのであって、入力回転数が小さければ、
回転部材の回転数の変化率が大きくても、実際に生じる
慣性力が特には問題とならない場合もある。したがって
前述した制御方法を入力回転数等の車両の運転情況に拘
らずに一律に行なうとすれば、飛び越し変速の際に経由
すべき中間変速段の選択などの判断を、変速ショックが
過大となるおそれがない場合にも行なうことになり、そ
の結果、不必要な制御が増えて制御が複雑になる問題が
ある。
この発明は上記の事情を背景としてなされたもので、
車両の走行情況に応じた変速制御を行なうことにより制
御を容易ならしめることのできる変速制御装置を提供す
ることを目的とするものである。
課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、以下に示
す構成としたものである。すなわち第1図において、自
動変速機Aは、クラッチやブレーキなどの複数の係合手
段と、これらの係合手段の係合・解放の状態に応じて複
数の変速段に設定され、しかも所定の変速段を設定する
ための係合手段の係合・解放の組合わせパターンとし
て、変速の前後における回転部材の回転数の相違するも
のが複数パターンあり、これらのパターンを選択的に切
り換え可能に構成された歯車列を含んでおり、その変速
段を設定するための係合手段の係合・解放は、油圧制御
装置Cによって油圧を供給もしくは排出することによっ
て行なわれる。そしてこの油圧制御装置Cに対する指令
信号を処理する装置として、設定すべき変速段を走行条
件に基づいて決定する変速段決定手段10と、走行性能の
異なる複数の走行モードを選択的に切り換える走行モー
ド切換手段11と、この走行モード切換手段11から入力さ
れる信号に基づいて走行モードを判定する走行モード判
定手段12と、前記変速段決定手段10で決定された変速段
を設定するための係合手段の係合・解放の組合せパター
ンとして前記走行モード切換手段11で指示された第1走
行モードのためのパターンを選択して出力する第1モー
ド用係合解放パターン選択手段13と、前記変速段決定手
段10で決定された変速段を設定するための係合手段の係
合・解放の組合せパターンとして前記走行モード切換手
段11で指示された第1走行モード以外の走行モードのた
めのパターンを選択して出力する非第1モード用係合解
放パターン選択手段14とを備えた装置が設けられてい
る。
作用 車速やスロットル開度等の走行条件が変速段決定手段
10に入力されており、それらの走行条件に基づいて変速
段決定手段10が設定すべき変速段を決定する。一方、パ
ワーモードやエコノミーモード等の走行モードが走行モ
ード切換手段11から走行モード判定手段12に入力されて
おり、その入力信号に基づいて走行モードが判定され
る。前記変速段決定手段10で決定された変速段を設定す
るための係合手段の係合・解放の組合せパターンは、第
1モード用係合解放パターン選択手段13もしくは非第1
モード用係合解放パターン選択手段14によって選択され
て出力される。すなわち、例えば比較的高速域において
も低速段を使用するパワーモードが選択されていた場合
には第1モード用係合解放パターン選択手段13が作用
し、回転部材の変動回転数が小さくなる係合・解放の組
合せパターンを選択して出力し、また反対にパワーモー
ドが選択されていない場合には、非第1モード用係合解
放パターン選択手段14が作用し、回転部材の変動回転数
が大きくなっても変速制御性を優先した係合・解放の組
合せパターンを選択して出力する。そしてこれらの選択
された係合・解放の組合せパターンを設定するための指
令信号が変速段設定手段15から油圧制御装置Cに出力さ
れる。したがって変速段を設定するための係合手段の係
合・解放の組合せパターンを、車両の走行情況に応じて
選択かつ設定することになるので、不必要な制御が省か
れて変速制御が容易になる。
実 施 例 つぎにこの発明の実施例に基づいて説明する。
第2図はこの発明の一例を示すブロック図であって、
エンジン(図示せず)に連結された自動変速機Aは、後
述する複数組の遊星歯車機構を主体とし、複数の摩擦係
合手段の係合・解放の組合せによって複数の変速段に設
定するよう構成された歯車列を備えている。また各変速
段を設定するべく摩擦係合手段に油圧を供給し、あるい
は排出する油圧制御装置Cが設けられており、この油圧
制御装置Cとしては油圧ポンプ、調圧弁、シフトバル
ブ、電磁弁等を含む従来一般の自動変速機で採用されて
いるものを使用することができる。また各変速段を設定
するべく油圧制御装置Cを制御する電子コントロールユ
ニット20が設けられている。この電子コントロールユニ
ット20の入出力装置21には、エンジンにおけるスロット
ル開度θを検出して出力するスロットル開度センサー22
と、自動変速機Aにおけるタービン回転数や出力軸回転
数を検出して車速Vとして出力する車速センサー23と、
パワーモードやエコノミーモードなどの走行モードを選
択する走行モードセレクトスイッチ24とが接続されてい
る。なお、走行モードセレクトスイッチ24としては、手
動操作によって切換える構成のもの、あるいはアクセル
ペダルの踏込み速度に応じて自動的に切換える構成のも
の等を必要に応じて採用することができる。
一方、電子コントロールユニット20は、変速段を設定
するための情報を記憶させたメモリー25と、演算装置
(CPU)26とを含んでいる。メモリー25は、車速Vとス
ロットル開度θとをパラメータとして変速段を定める変
速線図およびそれぞれの変速段を設定するための摩擦係
合手段の係合・解放の組合せパターン(係合・解放パタ
ーン)を記憶しており、前記各センサー22,23および走
行モードセレクトスイッチ24から入出力装置21に信号が
入力されると、これらの信号とメモリー25に記憶させた
情報とに基づいて演算装置26で演算が行なわれ、設定す
べき変速段が決定されるとともにその変速段を設定する
ための係合・解放パターンが選択されるようになってい
る。その場合、決定された変速段を設定するための係合
・解放パターンとして、歯車列におけるいずれかの回転
部材(サンギヤ、リングギヤ、キャリヤなど)の回転数
が、変速の前後において互いに異なる複数の係合・解放
パターンがあれば、走行モードセレクトスイッチ24で選
択した走行モードに応じて異なる係合・解放パターンが
選択される。すなわちパワーモードなどの比較的高速域
まで低速段を使用する走行モードでは、歯車列における
前記回転部材の変動回転数が小さくなる係合・解放パタ
ーンが選択され、またエコノミーモードなどの低速域で
比較的高速段を使用する走行モードでは、歯車列におけ
る前記回転部材の変動回転数が大きくなっても変速制御
性が優先される係合・解放パターンが選択される。具体
的には後述する。
前記の選択された係合・解放パターンは、入出力装置
21から油圧制御装置Cに指令信号を出力し、その結果、
所定の摩擦係合手段に対して油圧が給排されることによ
り設定される。
ここで上記の自動変速機Aにおける歯車列の一例を示
すと第3図のとおりであり、ここに示す例は、三組のシ
ングルピニオン型遊星歯車機構1,2,3を主体として構成
され、それらの遊星歯車機構1,2,3における各要素が次
のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構1
のキャリヤ1Cと第3遊星歯車機構3のリングギヤ3Rとが
一体となって回転するよう連結されるとともに、第2遊
星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車機構3のキ
ャリヤ3Cとが一体となって回転するよう連結されてい
る。また第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sは第2クラッ
チ手段K2を介して第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cに連
結される一方、第4クラッチ手段K4を介して第2遊星歯
車機構2のサンギヤ2Sに連結され、さらに第2遊星歯車
機構2のキャリヤ2Cは第5クラッチ手段K5を介して第3
遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに連結されている。
なお、上記の各要素の連結構造としては、中空軸や中
実軸もしくは適宜のコネクティングドラムなどの一般の
自動変速機で採用されている連結構造などを採用するこ
とができる。
入力軸4は、トルクコンバータや流体継手などの動力
伝達手段(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に
連結されており、この入力軸4と第1遊星歯車機構1の
リングギヤ1Rとの間には、両者を選択的に連結する第1
クラッチ手段K1が設けられ、また入力軸4と第1遊星歯
車機構1のサンギヤ1Sとの間には、両者を選択的に連結
する第3クラッチ手段K3が設けられている。
上記の第1ないし第5のクラッチ手段K1,〜K5のうち
第4クラッチ手段K4は、互いに並列の関係にある一方向
クラッチ20と多板クラッチ22とによって構成されてお
り、他のクラッチ手段は多板クラッチによって構成され
ている。なお、実用にあたっては、各構成部材の配置上
の制約があるから、各クラッチ手段K1,K2,K3,K4,K5に対
する連結部材としてコネクティングドラムなどの適宜の
中間部材を介在させ得ることは勿論である。
また上記の遊星歯車機構1,2,3における回転部材の回
転を阻止するブレーキ手段として、第3遊星歯車機構3
のサンギヤ3Sの回転を選択的に阻止する第1ブレーキ手
段B1と、第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cの回転を選択
的に阻止する第2ブレーキ手段B2と、第2遊星歯車機構
2のサンギヤ2Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ
手段B3とが設けられている。これらのブレーキ手段のう
ち第1ブレーキ手段B1は、第3遊星歯車機構3のサンギ
ヤ3Sとトランスミッションケース(以下、単にケースと
記す)6との間に設けられた一方向クラッチ40とこの一
方向クラッチ40と並列の関係にあるバンドブレーキ42と
によって構成されており、また第2ブレーキ手段B2は第
2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cとケース6もしくはこれ
と一体の部分との間に設けた一方向クラッチ60とこの一
方向クラッチ60に対して並列の関係に配置された多板ブ
レーキ61とで構成され、さらに第3ブレーキ手段B3はバ
ンドブレーキによって構成されている。なお、実用にあ
たっては、これらのブレーキ手段B1,B2,B3とこれらのブ
レーキ手段B1,B2,B3によって固定すべき各要素との間も
しくはケース6との間に適宜の連結部材を介在させ得る
ことは勿論である。
そしてプロペラシャフトやカウンタギヤ(それぞれ図
示せず)に回転を伝達する出力軸5が、互いに連結され
た第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車機
構3のキャリヤ3Cに対して連結されている。
上記の自動変速機Aでは、前進5段・後進1段を主た
る変速段とし、これに前進第2速と第3速との間に所謂
第2.2速、第2.5速、第2.7速の変速段を付加し、かつ前
進第3速と第4速との間に所謂第3.2速と第3.5速とを付
加した前進10段・後進1段の変速段を設定することが原
理的には可能であり、また第2.2速、第2.7速、第3.2速
および第3.5速を除いた他の変速段では、当該変速段を
設定するためのクラッチ手段およびブレーキ手段の係合
・解放の組合せ(所謂係合・解放パターン)は複数組あ
り、これを作動表として示せば第1表のとおりである。
またそれぞれの係合・解放パターンにおける各遊星歯車
機構1,2,3の回転要素の回転数を、入力軸4の回転数を
“1"とした場合の比率で第2表に示す。なお、第1表に
おいて、○印は係合することを示し、空欄は解放するこ
とを示し、また*印は係合させてもよいことを示し、さ
らにこの*印には第1速の第5クラッチ手段K5や第1ブ
レーキ手段B1などのように解放しても変速比や回転状態
に変化が生じないもの、第4速のb欄のパターンにおけ
る第1ブレーキ手段B1のように解放すれば変速比は変化
しないが回転状態が変化するもの、第2速のb欄のパタ
ーンにおける第4クラッチ手段K4や第3ブレーキ手段B3
のように他の*印の手段を係合させていれば解放しても
変速比および回転状態に変化が生じないものを含む。ま
た第1表および第2表において第2速、第3速、第4
速、第5速および後進段でのa,b,c…の符号を付した欄
は、当該変速段を設定するための係合・解放パターンの
うち遊星歯車機構の回転要素の回転数が異なるものの係
合・解放パターンであることを示し、さらに,,
…の符号は遊星歯車機構の回転要素の回転数が異ならな
いものの係合・解放パターン同士の種別を示す。さらに
第2表に示す数値は、各遊星歯車機構1,2,3のギヤ比
(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数との比)を、ρ1
=0.450,ρ2=ρ3=0.405とした場合の値である。
第1表に示す変速段の選択は、主として、車速Vやス
ロットル開度θなどの走行条件に基づいて電子コントロ
ールユニット20によって行なわれ、また選択された変速
段への変速は、電子コントロールユニット20から油圧制
御装置Cに信号を出力し、それに基づいて油圧制御装置
Cが自動変速機Aにおける摩擦係合手段に対して油圧を
給排することによって実行される。その場合、上述した
自動変速機Aにおいては、係合・解放パターンが複数種
類ある変速段を設定するにあたって、前記走行モードセ
レクトスイッチ24から入力される信号に応じて異なる係
合・解放パターンが選択される。具体的には、第3速が
第1表のd欄の係合・解放パターンで設定されていた状
態で第5速へ変速する走行条件となった場合、走行モー
ドセレクトスイッチ24で選択された走行モードが、パワ
ーモードでない場合、すなわち車速が比較的遅い状態で
第3速から第5速へのアップシフトを行なう走行情況の
場合には、第5速を設定するための係合・解放パターン
として第1表における第5速のb欄もしくはc欄の係合
・解放パターンが選択される。この変速は、第1表から
明らかなように、第1ブレーキ手段B1を解放するととも
に第3ブレーキ手段B3を係合することにより達成され、
あるいは第1クラッチ手段K1を解放するとともに第3ブ
レーキ手段B3を係合することにより達成されるので、所
謂同時変速とならず、油圧の制御が容易になる半面、第
3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転数が、第2表に示
すように、“1.00"から“2.40"になり、あるいは第1遊
星歯車機構1のリングギヤ1Rの回転数が、“0.00"から
“2.41"になり、回転数の変化率が大きくなる。このよ
うに変速に伴う回転部材の回転数の変化率が大きいが、
歯車列に入力される回転数が小さいので、変速に伴う慣
性力が小さく、変速ショックに大きな影響を及ぼすこと
はない。
また反対に走行モードセレクトスイッチ24で選択され
た走行モードがパワーモードの場合、すなわち低速段を
比較的高速域まで維持する走行情況の場合には、第5速
を設定するための係合・解放パターンとして第1表にお
ける第5速のa欄の係合・解放パターンが選択される。
この変速は、第1表から明らかなように、第1クラッチ
手段K1および第1ブレーキ手段B1を解放するとともに、
第3ブレーキ手段B3を係合させることにより達成される
ので、所謂同時変速となるが、回転部材の変動回転数
は、第2表から知られるように、最大でも、第1遊星歯
車機構1のリングギヤ1Rの回転数が“1.00"から“1.83"
になる程度であって、変速に伴う変動回転数を小さく抑
えることができる。その結果、歯車列に対する入力回転
数が大きい状態での変速であっても変速ショックの悪化
が防止される。
上述した第3速から第5速への変速制御を、第4図の
フローチャートに従って説明すれば以下のとおりであ
る。まずステップ1においてスロットル開度θや車速V
などの走行条件に基づいて第3速から第5速への変速が
判断されると、これに続くステップ2において選択され
ている走行モードがパワーモード(Pモード)か否かの
判断が行なわれる。その判断結果が“ノー”の場合に
は、第5速を設定するための係合・解放パターンとして
前述した第1表のb欄もしくはc欄の係合・解放パター
ン(5−bもしくは5−c)を選択し、第3速を設定し
ていたd欄の係合・解放パターン(3−d)を(5−
b)もしくは(5−c)の係合・解放パターンに変更す
るよう出力する(ステップ3)。ついで入力軸4や出力
軸5もしくは所定の回転部材の回転数などに基づいて変
速の終了を判断し(ステップ4)、その判断結果が“イ
エス”となった後、すなわち第5速への変速が完了した
後に、第5速を第1表のa欄の係合・解放パターン(5
−a)に変更する(ステップ5)。これは、第2表から
知られるように、第1遊星歯車機構1のリングギヤ1Rも
しくは第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転数を下げ
るためである。
したがって非パワーモードの際には同時変速や中間段
を経由する変速が避けられるので変速制御が容易にな
り、また第1遊星歯車機構1のリングギヤ1Rや第3遊星
歯車機構3のサンギヤ3Sの回転変化率が大きくなるが、
非パワーモードであって入力軸回転数が小さいから変速
ショックは悪化しない。
またステップ2の判断結果が“イエス”の場合には、
走行モードがパワーモードであるので、第5速を設定す
る係合・解放パターンとして、前述した第1表のa欄の
係合・解放パターン(5−a)を選択し、第3速を設定
していたd欄の係合・解放パターン(3−d)を(5−
a)の係合・解放パターンに変更するよう出力する(ス
テップ6)。もしくは第4速を設定する係合・解放パタ
ーンに変更した後に(5−a)パターンに切換える。こ
の場合は、同時変速となったり、中間段を経由するの
で、変速制御が若干複雑化するが、回転部材の回転変化
率が前述したように小さいので、入力軸回転数が大きく
なるパワーモードであっても変速ショックが特には悪化
しない。
したがって以上述べた制御装置においては、同時変速
や中間段を経由する変速を、パワーモード等の特別な場
合においてのみ行ない、それ以外では行なわないので、
全体としての変速制御は容易になり、また変速ショック
に対する大きな影響は生じない。
なお、上記の実施例では、第3速から第5速へ変速す
る場合を例に採って説明したが、この発明は歯車列の回
転部材の回転数が異なる複数の係合・解放パターンを選
択して変速を行なう場合に適用できるのであって、上述
した実施例で示した変速段の間での変速以外にも有効に
適用できる。またこの発明で対象とされる自動変速機
は、所定の変速段を設定する係合・解放パターンとして
回転部材の回転数が異なる複数の係合・解放パターンの
ある歯車列を備えた自動変速機であり、したがって上述
した第3図に示すものには限られない。この種の自動変
速機の他の例としては、例えば本出願人が既に提案した
特願平1−185151号、特願平1−185152号、特願平1−
186991号、特願平1−186992号、特願平1−205478号、
特願平1−280957号などの明細書および図面に記載した
各構成のものを挙げることができる。
発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの発明によれば、選
択された走行モードに応じて係合・解放パターンの選択
を行ない、常には同時変速あるいは中間段経由の変速を
行なわないので、変速ショックを悪化させることなく、
変速制御を容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の基本構成を示すブロック図、第2図
はこの発明の一実施例の構成を示すブロック図、第3図
は歯車列の一例を示すスケルトン図、第4図はこの発明
における制御ルーチンを示すフローチャートである。 1,2,3……遊星歯車機構、1S,2S,3S……サンギヤ、1C,2
C,3C……キャリヤ、1R,2R,3R……リングギヤ、4……入
力軸、5……出力軸、10……変速段決定手段、11……走
行モード切換手段、12……走行モード判定手段、13……
第1モード用係合解放パターン選択手段、14……非第1
モード用係合解放パターン選択手段、15……変速段設定
手段、20……電子コントロールユニット、22……スロッ
トル開度センサー、23……車速センサー、24……走行モ
ードセレクトスイッチ、25……メモリー、26……演算装
置、A……自動変速機、C……油圧制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−28741(JP,A) 特開 昭61−165057(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の係合手段と、これらの係合手段の係
    合・解放の状態に応じて複数の変速段に設定されるとと
    もに所定の変速段を設定するための前記係合手段の係合
    ・解放の組合せパターンとして、変速の前後における回
    転部材の回転数の相違するものが複数パターンあり、こ
    れらのパターンを選択的に切り換え可能に構成された歯
    車列とを有する自動変速機において、設定すべき変速段
    を走行条件に基づいて決定する変速段決定手段と、走行
    性能の異なる複数の走行モードを選択的に切り換える走
    行モード切換手段と、この走行モード切換手段から入力
    される信号に基づいて走行モードを判定する走行モード
    判定手段と、前記変速段決定手段で決定された変速段を
    設定するための係合手段の係合・解放の組合せパターン
    として前記走行モード切換手段で指示された第1走行モ
    ードのためのパターンを選択して出力する第1モード用
    係合解放パターン選択手段と、前記変速段決定手段で決
    定された変速段を設定するための係合手段の係合・解放
    の組合せパターンとして前記走行モード切換手段で指示
    された第1走行モード以外の走行モードのためのパター
    ンを選択して出力する非第1モード用係合解放パターン
    選択手段とを備えていることを特徴とする自動変速機の
    制御装置。
JP2108148A 1990-04-23 1990-04-23 自動変速機の制御装置 Expired - Fee Related JP2803317B2 (ja)

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