JP2799286B2 - 車輌用灯具 - Google Patents

車輌用灯具

Info

Publication number
JP2799286B2
JP2799286B2 JP5305657A JP30565793A JP2799286B2 JP 2799286 B2 JP2799286 B2 JP 2799286B2 JP 5305657 A JP5305657 A JP 5305657A JP 30565793 A JP30565793 A JP 30565793A JP 2799286 B2 JP2799286 B2 JP 2799286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
indium oxide
multilayer film
heat rays
glass substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5305657A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07161203A (ja
Inventor
侑 小村
Original Assignee
東芝硝子株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東芝硝子株式会社 filed Critical 東芝硝子株式会社
Priority to JP5305657A priority Critical patent/JP2799286B2/ja
Publication of JPH07161203A publication Critical patent/JPH07161203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2799286B2 publication Critical patent/JP2799286B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Securing Globes, Refractors, Reflectors Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車載用のヘッド
ランプなどの車輌用灯具に係り、特に、光源と前面レン
ズとの間に配設されたガラス基板に熱線を遮断する多層
膜が形成されている車輌用灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車輌用灯具として用いられている
ヘッドランプには、その光源から発せられる熱線を遮断
し熱線による前面レンズの破損を防止するために、前面
レンズの内面、光源と前面レンズとの間に配設されたガ
ラス基板、あるいは光源の近傍に配設され光源を覆うキ
ャップの表面などに熱線遮断膜が形成されている。
【0003】上記熱線遮断膜としては以下の構成の膜が
採用されている。すなわち、 例えば、酸化インジウム(In2 3 )や酸化錫(S
nO2 )のように、膜自体が熱線を吸収する単層膜を用
い、熱線を吸収して遮断する。 例えば、二酸化チタン/二酸化珪素(TiO2 /Si
2 )多層膜のような熱線を反射する性質を有する多層
膜を用い、熱線を反射して遮断する。 などの単層膜あるいは多層膜が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た単層膜あるいは多層膜は以下の欠点を有している。
【0005】すなわち、単層膜を採用した場合には、単
層膜であるので、コストや生産性の面では優れている
が、熱線の吸収域が単層膜として用いられる物質により
定まっており、例えば、酸化インジウムからなる単層膜
は、図4の(a)曲線に示すように、2μm(2000
nm)以上の波長の熱線は吸収するが、それ以下の波長
の熱線は透過してしまう。従って、近赤外領域(0.8
〜1.5μm)では殆ど吸収が行なわれず、1μm付近
に熱線ピークを有するヘッドランプ用のタングステン電
球に対しては熱線の吸収率が悪いという問題がある。
【0006】また、多層膜を採用した場合には、熱線の
反射域は自由に設定可能であるが、膜層数の増加に伴な
いコストアップになるという問題がある。
【0007】さらに、通常赤外線反射多層膜として用い
られるTiO2 /SiO2 系多層膜(27層)は、図4
の(b)曲線に示すように、0.8〜1.2μmの間の
熱線は反射するが、それ以上の波長の熱線は透過してし
まい、1.2μm以上の波長の熱線を反射させるには、
多層膜の膜層数を、例えば40数層以上に増加すること
により可能となるが、可視光の透過率が低下してしまう
という問題があり、少ない膜層数で広い範囲の熱線を反
射する多層膜の膜構成は困難であった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、少ない層数で熱線を広範囲の波長領域で吸収しかつ
反射する多層膜が被膜されたガラス基板を備えた車輌用
灯具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、光源とこの光源の前方に配置された前面
レンズとの間に熱線を遮断する多層膜を形成したガラス
基板を配設した車輌用灯具において、上記多層膜を形成
する高屈折率膜の一部の膜として酸化インジウム膜また
は酸化インジウム混合膜を積層したことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明は上記のように構成したので、近赤外領
域以上の波長の熱線が多層膜で吸収されかつ反射され、
少ない膜層数で広範囲に渡る熱線遮断が可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0012】図1は本発明の車輌用灯具の一実施例、例
えば車載用のヘッドランプの断面を示す断面図である。
【0013】同図において、1 はアルミニウム製の反射
鏡で、このAl反射鏡1 の前面側開口部の周縁には前面
レンズ2 が接着剤により取着され、また、Al反射鏡1
の凹部の中心には光源としてタングステン電球3 が装着
されている。前面レンズ2 の内面側にはガラス基板4 が
密着して取付けられ、このガラス基板4 には、熱線を遮
断する熱線遮断膜としての多層膜5 が被膜されている。
この多層膜5 が被膜されているガラス基板4 のA部を拡
大して図2に示す。
【0014】図2に示すように、熱線遮断膜としての多
層膜5 はガラス基板4 の内面上に真空蒸着法により、2
9層の層数で成膜される。
【0015】すなわち、まず、チャンバー内を4×10
-3Paの到達真空度まで排気し、その後、酸素ガスを導
入して5×10-2Paのコート真空度に設定する。
【0016】チャンバー内のコート真空度への設定後、
低屈折率膜として弗化マグネシウム(MgF2 )膜6 、
高屈折率膜として酸化インジウム(In2 3 )混合膜
7 を交互に8層ずつ合計16層成膜する。ここで、酸化
インジウム(In2 3 )混合膜7 とは酸化インジウム
(In2 3 )に酸化錫(SnO2 )、酸化アンチモン
(SbO2 )、あるいは酸化タングステン(WO3 )の
うち少なくとも1種類を1〜20重量%混合したもので
あり、また、成膜される弗化マグネシウム(MgF2
膜6 と酸化インジウム(In2 3 )混合膜7 の膜厚n
d はnd =λ/4(λ=850nm)にそれぞれ設定さ
れている。
【0017】続いて、成膜する膜厚nd をnd =λ/4
(λ=1050nm)に変更して、低屈折率膜として弗
化マグネシウム(MgF2 )膜6 、高屈折率膜として二
酸化チタン(TiO2 )膜8 を交互に6層ずつ成膜し、
さらに、最外層に弗化マグネシウム(MgF2 )膜6 を
1層成膜し、合計13層成膜する。
【0018】以上により、高屈折率膜の一部の膜に酸化
インジウム(In2 3 )混合膜7を積層した29層の
多層膜5 がガラス基板4 上に成膜される。
【0019】このように成膜された多層膜5 は図3に示
す分光透過率特性を示し、近赤外領域以上(0.8μm
以上)の波長の熱線をほとんど遮断することが判明し
た。
【0020】すなわち、酸化インジウム(In2 3
に酸化錫(SnO2 )、酸化アンチモン(SbO2 )、
あるいは酸化タングステン(WO3 )のうち少なくとも
1種類を混合することにより、酸化インジウム(In2
3 )混合膜7 の熱線吸収領域が酸化インジウム(In
2 3 )単体膜の熱線吸収領域の2μm以上から1.5
μm以上に拡大され、また、高屈折率膜の一部に酸化イ
ンジウム(In2 3)混合膜7 を積層していることに
より、多層膜5 の熱線反射領域が図4に示す従来の27
層の多層膜の熱線反射領域の0.8〜1.2μmから
0.8〜1.5μmに拡大され、熱線の大部分が遮断さ
れる。
【0021】従って、本発明の多層膜5 は、高屈折率膜
の一部の膜としてに酸化インジウム(In2 3 )混合
膜7 を積層した構成としたことにより、従来の多層膜の
膜層数と同等の膜層数で、しかも膜層数を増加すること
なく、熱線を遮断することが可能となる。
【0022】次に、上記構成の本発明の車輌用灯具の作
用について説明する。
【0023】熱線がガラス基板4 に形成されている多層
膜5 により遮断されることにより、ガラス基板4 を透過
して前面レンズ2 に照射される照射光には熱線が含まれ
ていないので、前面レンズ2 には熱線による温度上昇が
発生しなくなり、熱線による前面レンズ2 の破損が防止
される。
【0024】なお、上記実施例では、多層膜5 を形成す
る高屈折率膜の一部の膜として酸化インジウム混合膜7
を積層する構成としたが、酸化インジウム混合膜7 に代
えて酸化インジウム膜を積層した構成としてもよく、酸
化インジウム混合膜7 を積層した多層膜5 と同様の作用
効果がせ得られる。
【0025】また、上記実施例では、ガラス基板4 を前
面レンズ2 に密着させる構成としたが、これに限ること
はなく、ガラス基板4 を前面レンズ2 とタングクテン電
球3との間の適宜位置に配設するようにしてもよく、同
様の作用効果が得られる。
【0026】また、本発明は上記実施例に限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形可能なことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車輌用灯
具によれば、多層膜を形成する高屈折率膜の一部の膜と
して酸化インジウム膜または酸化インジウム混合膜を積
層したことにより、近赤外領域以上の波長の熱線が多層
膜で吸収されかつ反射され、少ない膜層数で、しかも広
範囲に渡って熱線を遮断することができる。
【0028】また、前面レンズに照射される照射光に熱
線が含まれないことにより、前面レンズは熱線によって
温度上昇することがなくなり、熱線による前面レンズの
破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輌用灯具の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】ガラス基板に被膜された多層膜の要部を示す断
面図である。
【図3】本発明の多層膜の分光透過率特性を示す曲線図
である。
【図4】従来の多層膜の分光反射率特性を示す曲線図で
ある。
【符号の説明】
2 …前面レンズ 3 …タングステン電球(光源) 4 …ガラス基板 5 …多層膜 7 …酸化インジウム混合膜(高屈折率膜)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源とこの光源の前方に配置された前面
    レンズとの間に熱線を遮断する多層膜を形成したガラス
    基板を配設した車輌用灯具において、上記多層膜を形成
    する高屈折率膜の一部の膜として酸化インジウム膜また
    は酸化インジウム混合膜を積層したことを特徴とする車
    輌用灯具。
JP5305657A 1993-12-07 1993-12-07 車輌用灯具 Expired - Lifetime JP2799286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5305657A JP2799286B2 (ja) 1993-12-07 1993-12-07 車輌用灯具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5305657A JP2799286B2 (ja) 1993-12-07 1993-12-07 車輌用灯具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07161203A JPH07161203A (ja) 1995-06-23
JP2799286B2 true JP2799286B2 (ja) 1998-09-17

Family

ID=17947781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5305657A Expired - Lifetime JP2799286B2 (ja) 1993-12-07 1993-12-07 車輌用灯具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2799286B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07161203A (ja) 1995-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4504109A (en) Infrared shielding lamination
JP2000314807A (ja) 可視光線遮断赤外線透過フィルター
US5285362A (en) Discharge lamp having interference filter
JP2799286B2 (ja) 車輌用灯具
JP3864677B2 (ja) 照明装置及び演色性改善フィルタ
JPH05241017A (ja) 黄色フィルター機能を有する光干渉多層膜
JP3031625B2 (ja) 熱線吸収反射鏡
JPH10268129A (ja) 赤外反射膜、管球および照明器具
JPH05341121A (ja) 紫外線照射装置の多層膜反射鏡および紫外線照射装置
JP2842721B2 (ja) ネオジウム色投光多層膜反射鏡
JPH08306217A (ja) 紫外線照射ランプ
JPH11178839A (ja) 医療用照明装置
JPH0745111A (ja) 反射鏡付管球及び管球
JPH08292320A (ja) コールドミラー
JP2853928B2 (ja) 車輌用灯具
JPH07296620A (ja) フィルタ
JPS6158922B2 (ja)
JP2548533B2 (ja) 高圧放電灯
JP3153050B2 (ja) 白熱電球
JP3110131B2 (ja) 高耐久性薄膜
JP2714397B2 (ja) 無熱反射鏡
JP3221773B2 (ja) 高輝度放電ランプの発光管および高輝度放電ランプ
JP2948949B2 (ja) 白熱電球
JP2550709B2 (ja) 照明装置
JP2778784B2 (ja) 光源用多層膜反射鏡