JP2791842B2 - 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋 - Google Patents

開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋

Info

Publication number
JP2791842B2
JP2791842B2 JP3293418A JP29341891A JP2791842B2 JP 2791842 B2 JP2791842 B2 JP 2791842B2 JP 3293418 A JP3293418 A JP 3293418A JP 29341891 A JP29341891 A JP 29341891A JP 2791842 B2 JP2791842 B2 JP 2791842B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
thickness
easy
steel sheet
steel plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3293418A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06115548A (ja
Inventor
八七 大八木
清徳 中村
啓二 谷内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TANIKEI SEISAKUSHO JUGEN
Nippon Steel Corp
Original Assignee
TANIKEI SEISAKUSHO JUGEN
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TANIKEI SEISAKUSHO JUGEN, Nippon Steel Corp filed Critical TANIKEI SEISAKUSHO JUGEN
Priority to JP3293418A priority Critical patent/JP2791842B2/ja
Priority to DE1992628977 priority patent/DE69228977T2/de
Priority to EP19920118830 priority patent/EP0542104B1/en
Priority to US07/971,797 priority patent/US5348809A/en
Publication of JPH06115548A publication Critical patent/JPH06115548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2791842B2 publication Critical patent/JP2791842B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D51/00Making hollow objects
    • B21D51/16Making hollow objects characterised by the use of the objects
    • B21D51/38Making inlet or outlet arrangements of cans, tins, baths, bottles, or other vessels; Making can ends; Making closures
    • B21D51/383Making inlet or outlet arrangements of cans, tins, baths, bottles, or other vessels; Making can ends; Making closures scoring lines, tear strips or pulling tabs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D51/00Making hollow objects
    • B21D51/16Making hollow objects characterised by the use of the objects
    • B21D51/38Making inlet or outlet arrangements of cans, tins, baths, bottles, or other vessels; Making can ends; Making closures
    • B21D51/44Making closures, e.g. caps
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K16/00Machines with more than one rotor or stator

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Containers Opened By Tearing Frangible Portions (AREA)
  • Punching Or Piercing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属容器蓋、特に缶蓋
の一部あるいはほぼその全面を人手により容易に開口で
きる鋼板製易開缶蓋に関するものであり、飲料缶あるい
は一般食缶その他の幅広い用途に使用される。
【0002】
【従来の技術】容器蓋の一部あるいはほぼその全面を人
手により容易に開口できる易開缶蓋は、取っ手と開口片
を引きちぎり缶本体と分離されるテアーオフ方式と、取
っ手および開口片共に開缶後も缶本体に固着されたまま
残るステイオンタブ方式が実用化されている。いずれの
方式においても、殆どの易開缶蓋は製造技術上の理由か
らアルミニウム板で製造されており、一部の限られた用
途に鋼板が使用されている現状にある。
【0003】従来技術の代表例としては、塗装されたア
ルミニウムあるいは鋼板を素材とし、基本的な蓋形状に
打抜き後、蓋本体を平らな下型上に載せ、その上面より
所要の輪郭形状を有する尖鋭刃を押圧して、その刃先を
蓋本体内へ食い込ませることによって、断面V字形の切
断案内溝(図5)で囲まれる開口片形状を形成してい
た。
【0004】鋼材そのものは強度が高いという基本的特
徴を有しており、人手により容易に開口できる程度の切
断案内溝を形成するには、加工前板厚の半分〜2/3程
度に達する尖鋭刃の激しい押圧が必要とされている。こ
の切断案内溝の深さは、浅すぎる場合には開缶性不良、
深すぎる場合には外部よりのショックに対する衝撃強度
不足等をもたらすため、相当の精度が必要とされてい
た。
【0005】従って、加工用工具にも相当の精度が要求
されるが、尖鋭刃の激しい押圧が必要な鋼板の場合、工
具寿命が保たれないという欠点があった。また、内容物
に対する耐食性の確保あるいは外面錆の発生防止のた
め、切断案内溝部の加工により金属面が露出した部分に
は補修塗装が必要とされている。工具寿命の延長対策と
しては、特開昭55−70434号公報、特開昭57−
175034号公報等に見られるごとく、複合押出し成
形により切断案内溝を構成する方法が提案されている。
この公知の方法は、鋼板の使用を前提としてなされたも
のであり、工具寿命の延長には有効な方策であったが、
切断案内溝部の断面構造が複雑なため、通常のスプレー
塗装法では切断案内溝内の全ての部位に塗料が行き渡ら
ず、補修塗装を行っても十分な耐食性が得られないとい
う欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】尖鋭刃を使用する従来
技術には、その素材としてアルミニウムがその特性上好
ましいものとされ、鋼板を素材とするものは極めて限定
された用途にしか使用されていないのは前述の通りであ
る。その理由は主として、尖鋭刃の激しい押圧に対し
鋼板の抵抗力が強く、加工用工具寿命が非常に短いこ
と、鋼板表面の塗膜が加工により破壊され、切断案内
溝全周あるいは取っ手かしめ部等に対し、補修塗装を必
要とすること、耐食性面での不安があること、等であ
った。
【0007】一方、近年の地球環境問題に対する認識の
高まりに対応して、リサイクルに適した商品への指向が
必要とされており、金属缶においても、缶胴と缶蓋が同
一素材より形成された、いわゆる“モノメタル缶”化が
重要視されている。現在、大半の金属缶には鋼板を素材
とする缶胴が使用されており、開缶性に優れ、内外面の
補修塗装が不要な、耐食性の優れた鋼板製易開缶蓋を、
生産性よく製造可能な方策の出現が熱望されているとこ
ろである。もとより、鋼板そのものは経済性に優れた存
在であり、缶胴と缶蓋共に鋼板製とすることにより、経
済性により優れ、資源としての再利用を行いやすい商品
となることが期待される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
一挙に解決するためになされたものであり、その要旨と
するところは下記のとおりである。 (1) 硬度(HR30T):54〜68、伸び:10〜4
0%を有する表面処理鋼板の両面に、ガラス転移温度5
0℃以上、結晶融解温度210℃以上、配向度0.03
0〜0.160のポリエステル樹脂を積層した鋼板を用
い、開口片の周縁部に、最薄部厚みが加工前厚みの1/
2以下である薄肉部をその主構成要素とする切断案内溝
が、複合押出し加工にて形成されていることを特徴とす
る開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋。
【0009】(2) 積層される樹脂皮膜の下に、50
℃以下のガラス転移温度を有するポリエステル樹脂層を
有することを特徴とする前項1記載の開缶性に優れた内
外面無補修型鋼板製易開缶蓋。 以下に本発明を詳細に説明する。本発明に使用される鋼
板は、硬度(HR30T):54〜68、伸び:10〜40
%を有することを必要とする。本発明において、開缶性
を左右する切断案内溝は後述する複合押出し加工により
形成されるが、基本的には素材の伸びを利用して薄肉部
を作り、その最薄部を引きちぎることにより開缶される
ものである。従って、より開け易い蓋を得るためには、
最薄部厚みをより薄くすることが重要である。このた
め、素材は優れた伸び特性を有するものである必要があ
る。
【0010】一方、蓋そのものは缶体の一部を構成する
ものであり、缶強度を保持するためには強度の強い素材
が必要である。特に、ビール缶あるいは炭酸飲料缶のよ
うな内圧缶の場合には、内圧に耐える十分な強度が必要
とされる。一般的に、材料強度を上げようとすると伸び
特性が落ちてくることはよく知られており、缶強度・開
缶性(最薄部厚みの低減)・経済性(板厚)の最も優れ
たバランスの得られる範囲は、硬度(HR30T):54〜
68、伸び:10〜40%にある。このうち、硬度が高
く、伸びも大きいものが、最も優れた経済性を与えてく
れる。
【0011】このような機械的性質を有する鋼板を素地
として、その上に表面処理を行うわけであるが、めっき
の種類は特定するものではない。Sn、Cr、Ni、A
l、Znの1種または2種以上の金属をめっきした表面
処理鋼板で、板厚は0.15〜0.30mmのものが多
用される。めっき鋼板の最表面には、ポリエステル樹脂
皮膜の密着性確保のため、クロム酸処理皮膜を存在させ
る方が望ましい。クロム水和酸化物皮膜単独あるいは金
属クロムを下地に有する皮膜が有効であり、クロム水和
酸化物皮膜が表面全体を均一に被覆していることが重要
である。
【0012】この表面処理鋼板の両面に、ガラス転移温
度50℃以上、結晶融解温度210℃以上、配向度0.
030〜0.160のポリエステル樹脂の存在が必要と
される。このポリエステル樹脂皮膜は、複合押出し成形
による切断案内溝の加工時に、密着性よく素地に追随し
皮膜自体も優れた加工性を有することにより、加工後も
素地を完全に被覆しており、従来必要であった補修塗装
を不要とする重要な存在である。
【0013】本発明でのポリエステル樹脂とは、ジカル
ボン酸とジオールの縮重合で得られる線状熱可塑性ポリ
エステルであり、ポリエチレンテレフタレートで代表さ
れるものである。ジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、
デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などの単独または混合物であり、ジ
オール成分としては、エチレングリコール、ブタンジオ
ール、デカンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコールなどの単独ある
いは混合物である。2種以上のジカルボン酸成分やジオ
ール成分による共重合体や、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコールなどの他のモノマーやポリマーと
の共重合体であってもよい。必要に応じ、可塑剤・酸化
防止剤・熱安定剤・無機粒子・顔料・有機滑剤などの添
加剤を配合することが行われる。
【0014】こうして得られるポリエステル樹脂は、T
−ダイにより溶融状態にてフィルム状に成形し、非晶状
態より2軸延伸することにより、耐熱性・加工性・バリ
アー性等の性能バランスの優れたフィルムに成形され
る。本発明に必要とされる樹脂皮膜物性として、ガラス
転移温度が50℃以上であることがまず重要である。周
知のごとく、ガラス転移温度は、樹脂がガラス状態より
ゴム弾性状態に変化する温度であり、ガラス転移温度の
低い方が室温での加工性は優れているわけであるが、柔
らかく疵が入り易いか、あるいは金型等にビルドアップ
する等の欠点を有し、工業的な大量生産を行う場合に問
題を生じる。従って、樹脂皮膜は50℃以上、さらに望
ましくは60℃以上のガラス転移温度を有することが重
要である。
【0015】非常に高度の性能を期待する場合には、鋼
板面側に、密着性・加工性の優れた50℃以下のガラス
転移温度を有する層、表面側に、疵入りおよび型への凝
着のない50℃以上のガラス転移温度を有する層、の2
層構造とすることが有効である。ガラス転移温度を50
℃以上とする第2の理由は、開缶時の耐フェザリング性
の問題である。開口片を引きちぎり開缶した場合、50
℃未満のガラス転移温度を有する樹脂では、切り口部に
膜の破断片が目立ち、外観的な不快感を与える心配があ
るからである。
【0016】次に、樹脂の結晶融解温度を特定した理由
は、結晶融解温度が210℃未満になるとポリエステル
樹脂の耐熱性が低下し、製缶工程で必要な加熱処理条件
に著しい制約を生じることになるからである。ここでの
結晶融解温度とは、示差走査熱量計にて、5℃/min
の加熱速度で昇温した時に現れる吸熱ピークの最大ピー
クを示す温度をいう。
【0017】さらに、もう一つの物性として、配向度が
0.030〜0.160の範囲、さら望ましくは0.0
50〜0.140の範囲にあることが重要である。ここ
での配向度(N)は、次式より表示される。 N=(Nx +Ny )/2−Nz (Nx :横方向の屈折率、Ny :縦方向の屈折率、
z :厚み方向の屈折率) 本来のポリエステルフィルムとしては、配向度は大きい
方が機械的性質・耐熱性・ガス透過性等の性質の優れた
ものが得られるが、本発明のような複合加工を行う用途
においては、加工性・開缶性・加工後耐熱性等の面より
最適範囲が存在するものである。配向度0.030未満
では、樹脂自体の耐熱性・ガス透過性等に劣るため問題
があり、配向度0.160超では、加工性・開缶性およ
び加工後耐熱性に問題が生じる。特に、開缶時には積層
された樹脂フィルムを切断案内溝に沿って破断する必要
があり、配向度が高すぎる場合には膜残り現象を生じ易
いため、0.050〜0.140の範囲の配向度が望ま
しい。
【0018】積層されるフィルム厚みは5〜100μm
の範囲内のものであるが、性能の安定性・経済性等を考
慮した場合、12〜40μmの範囲のものが多用され
る。ラミネート方法としては、フィルム自体を熱接着す
るか、熱硬化型接着剤を塗布して前述せる鋼板両面に積
層される。以上詳述したポリエステル樹脂皮膜を有する
表面処理鋼板を用い、易開缶性蓋に成形加工する際、そ
の加工方法は極めて重要である。即ち、代表的な従来技
術である尖鋭刃の押圧方式による切断案内溝の形成は、
ラミネート皮膜をも破断させ、成形後の補修塗装を必要
とするため好ましくない。
【0019】ポリエステル樹脂皮膜を破断させることな
く易開缶性を保障する切断案内溝を形成するためには、
伸び変形により材料全体を伸ばし、局部的に大きな剪断
力を加えないで薄肉部を形成することが重要である。こ
のような加工方法で、開口片の周縁部に、最薄部厚みが
加工前厚みの1/2以下である薄肉部をその主構成要素
とする切断案内溝を形成することにより、開缶性に優
れ、内外面の補修塗装が不要な鋼板製易開缶蓋を得るこ
とが可能となる。最終的には、開缶性は最薄部の板厚に
よって決定されるため、できるだけ薄く加工される。
【0020】具体的な加工方法としては、開口片の形状
寸法とほぼ対応する上下型を使用して蓋本体の要所をプ
レス加工することにより、開口片形状に相当する部分を
上方あるいは下方に押出し成形を行う。この際、開口片
周縁部は、望みの厚みに到達するように上下型の間にて
伸ばされ、なだらかな板厚変化の薄肉部を形成すること
となる。最薄部板厚は、開缶性の面より加工前の板厚の
1/2以下、さら望ましくは1/3以下とする必要があ
る。
【0021】この加工により、開缶時の破断位置は確定
されるが、開缶性の向上および開缶後の開口部の形状を
望ましいものとするため、上方あるいは下方に押出され
た開口片部を加工前のレベルにまで押戻し加工を行う。
この際、前記の押出し加工により形成されたなだらかな
板厚変化を有する薄肉部は、断面V字状に折曲げられ、
薄肉の切断案内溝を構成することになる。この切断案内
溝の深さあるいは最薄部板厚等は、加工条件を適切に設
定することにより、材料の加工性に応じた所望の値とす
ることが可能であり、素地鋼板およびラミネート皮膜の
加工性に応じて加工条件が選定される。
【0022】これらの一連の加工工程において、ポリエ
ステル樹脂皮膜は素地と共に均一に伸ばされ、全く加工
欠陥が発生しないため、加工後の補修塗装の必要はな
く、良好な耐食性を保障することができる。また、押出
しあるいは押戻し等のプレス加工を基本とした加工であ
るため、尖鋭刃の押圧方式に見られる工具寿命の問題は
皆無であり、優れた生産性が保障される。
【0023】本発明は開口片の周縁部に存在する切断案
内溝の最適化を主な特徴とするものであり、取っ手と開
口片を引きちぎり、缶本体と分離されるテアーオフ方式
と、取っ手および開口片共に開缶後も缶本体に固着され
たまま残るステイオンタブ方式の両方式に適用すること
が可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 実施例1 板厚0.250mm、硬度62(HR30T )、伸び25
%の薄鋼板の表面に、付着量2.8g/m2 の電気錫め
っきを施した。錫を加熱・溶融し、鏡面光沢を有する表
面とした後、クロム酸を主体とする処理浴中にて電解後
処理を行い、金属クロム10mg/m2 およびその上に
水和酸化クロム13mg/m2 (Crとして)を有する
クロメート皮膜を形成させた。水洗・乾燥後、この鋼板
を加熱し、ガラス転移温度68℃、結晶融解温度235
℃および0.105の面配向度を有する20μmの厚み
のポリエステル樹脂フィルムを、熱硬化性ポリエステル
接着剤を介して該鋼板の両面に積層した。
【0025】この両面にポリエステル樹脂皮膜を有する
鋼板を、図1に示すような易開缶蓋を作成するに当た
り、図2に示すように、開口片の形状寸法と対応する上
下型5、6をもって蓋本体の要所をプレス加工すること
により、開口片2に相当する部分を上方に押出し成形し
た。この際、開口片2の周縁部と蓋本体1と連片7は、
下向拡開傾斜し、かつ伸びによりなだらかな板厚変化を
有する薄肉部を形成した。本実施例における最薄部厚み
は62μmであった。
【0026】次いで図3に示すように、開口片2の周縁
部に相当する部分に凹入溝8を有する下型9上へ、上記
開口片2が凹入溝8の内側へ来るようにして、蓋本体1
を載せ、下面が平らな上型10で押圧した。この操作に
より、なだらかな板厚変化を有する連片7は、概ね中間
部からV字状に下向きに折られて、凹入溝8内へ突入す
る。かくして、蓋本体1の上面における開口片2の周縁
には、断面V字状をなす薄肉の切断案内溝4が形成され
る。
【0027】このようにして成形加工された易開缶蓋
は、開口片の引きちぎり力の測定による開缶性の評価
と、缶内外面の樹脂皮膜の破壊程度を調べる通電試験に
供された。その結果、取っ手の引起し力および引きちぎ
り力共に1.8kg程度であり、優れた開缶性を示し
た。1%食塩水中での通電試験では、缶内面・缶外面と
も0.1mA以下であり、ポリエステル樹脂皮膜は全く
健全であり、目標を満足するものであった。
【0028】実施例2 板厚0.190mm、硬度56(HR30T )、伸び30
%を有する薄鋼板の表面に、実施例1と同様のめっきを
行い、水洗・乾燥後、異なった融点およびガラス転移温
度を有する2層構造ポリエステル樹脂フィルムを用い、
鋼板の両面に25μm厚のポリエステル樹脂皮膜を積層
した。この際、接着層となる下層樹脂は5μmの厚み
で、融点215℃、ガラス転移温度40℃であり、上層
は厚み20μmで、融点240℃、ガラス転移温度65
℃の共重合ポリエステル樹脂が使用された。配向度は
0.080程度のものとされた。
【0029】この鋼板を用い、図1に示すような易開缶
蓋を作成するに当たり、図4(a)に示すように、開口
片の形状寸法と対応する上下型5、6をもって蓋本体の
要所をプレス加工することにより、開口片2に相当する
部分を下方に押出し成形した。この際、開口片2の周縁
部と蓋本体1と連片7は、上向拡開傾斜し、かつ伸びに
よりなだらかな板厚変化を有する薄肉部を形成した。同
時に、その下面周縁部に食い込み溝16を付設し、次い
で、該開口片を上方へ押圧することにより、なだらかな
板厚変化を有する薄肉部を上方に向かってV字状(図4
(b))に屈曲させて切断案内溝を形成した。この食い
込み溝16の存在は、切断案内溝4と食い込み溝16と
の間で著しく薄肉の部分を形成することにより開缶性の
向上を図るものである。本実施例における最薄部の厚み
は53μmであった。
【0030】成形加工された蓋の性能は、開缶性は1.
6kgと優れ、樹脂皮膜には通電は認められず、非常に
優れたものであり、目標を満足するものであった。 比較例1 板厚0.230mm、硬度70(HR30T )、伸び8%
の薄鋼板の表面に、実施例1と同様のめっきを行い、さ
らに実施例1と同様の樹脂皮膜を積層後、最薄部が60
μmとなるように実施例1と同様の加工方法で加工し
た。材料の伸び不足のため、切断案内溝の一部が破断
し、正常な蓋を成形することができなかった。
【0031】比較例2 板厚0.250mm、硬度50(HR30T )、伸び40
%の薄鋼板の表面に、実施例1と同様のめっきを行い、
さらに実施例1と同様の樹脂皮膜を積層後、最薄部が6
0μmとなるように実施例1と同様の加工方法で加工し
た。加工は全く問題なく行うことが可能であったが、2
11径(蓋:209径)缶に炭酸飲料を充填したとこ
ろ、蓋強度不足のため缶蓋がバックリング(局部的変
形)した。
【0032】比較例3 実施例1と同様の鋼板に実施例1と同様のめっきを行
い、水洗・乾燥後、この鋼板を加熱し、ガラス転移温度
40℃、結晶融解温度220℃および0.080の面配
向度を有する20μmの厚みのポリエステル樹脂フィル
ムを、熱硬化性ポリエステル接着剤を介して該鋼板の両
面に積層した。
【0033】この鋼板を実施例1と同様の蓋成形を行っ
たところ、図2に示した下型および上型の凸状コーナー
R部に樹脂の凝着現象が見られ、金型の手入れを頻繁に
行う必要が生じた。
【0034】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明による易開缶
蓋は、素材と加工方法を特定すること、即ち優れた加工
性を有するポリエステル樹脂皮膜と、尖鋭刃を使用しな
い複合押出し加工法の採用により構築されるものであ
る。従って、従来技術の大きな問題であった加工用工具
寿命の問題、補修塗装を必要とする問題、耐食性面での
不安等を全く皆無にすることができる。
【0035】鋼板製易開缶蓋が実用化されれば、“モノ
メタル缶”化が可能になることにより、近年の地球環境
問題に対応するリサイクルに適した商品を市場に提供す
ることが可能である。もとより、鋼板そのものは経済性
に優れた存在であり、缶胴と缶蓋共に鋼板製とすること
により、経済性により優れ、資源としての再利用を行い
やすい商品となることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により形成された引きちぎり式開口片を
有する缶蓋の斜視図である。
【図2】本発明の実施要領を工程順に示す縦断面図であ
る。
【図3】本発明の実施要領を工程順に示す縦断面図であ
る。
【図4】(a)は下面周縁部に食い込み溝を有する皿状
の開口片を蓋全体に形成する状態を示す縦断面図、
(b)は(a)の状態から切断案内溝を形成した状態を
示す縦断面図である。
【図5】従来の尖鋭刃の押圧方式による断面V字型の切
断案内溝の断面図である。
【符号の説明】
1 蓋本体 2 開口片 4 切断案内溝 5 上型 6 下型 7 連片 8 凹入溝 9 下型 10 上型 16 食い込み溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷内 啓二 東京都大田区西糀谷2丁目6番7号 有 限会社谷啓製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 17/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬度(HR30T):54〜68、伸び:1
    0〜40%を有する表面処理鋼板の両面に、ガラス転移
    温度50℃以上、結晶融解温度210℃以上、配向度
    0.030〜0.160のポリエステル樹脂を積層した
    鋼板を用い、開口片の周縁部に、最薄部厚みが加工前厚
    みの1/2以下である薄肉部をその主構成要素とする切
    断案内溝が、複合押出し加工にて形成されていることを
    特徴とする開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶
    蓋。
  2. 【請求項2】 積層される樹脂皮膜の下に、50℃以下
    のガラス転移温度を有するポリエステル樹脂層を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の開缶性に優れた内外面
    無補修型鋼板製易開缶蓋。
JP3293418A 1991-11-08 1991-11-08 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋 Expired - Fee Related JP2791842B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3293418A JP2791842B2 (ja) 1991-11-08 1991-11-08 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋
DE1992628977 DE69228977T2 (de) 1991-11-08 1992-11-03 Dosendeckel aus beschichtetem Stahl mit einer Öffnungsvorrichtung, wobei Innen- und Aussenbeschichtungen nicht repariert werden müssen
EP19920118830 EP0542104B1 (en) 1991-11-08 1992-11-03 Coated steel can lid with opening arrangement not requiring repair coating on outer and inner surfaces
US07/971,797 US5348809A (en) 1991-11-08 1992-11-05 Sheet steel easy open can lid superior in can openability and not requiring repair coating of inner and outer surfaces

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3293418A JP2791842B2 (ja) 1991-11-08 1991-11-08 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06115548A JPH06115548A (ja) 1994-04-26
JP2791842B2 true JP2791842B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=17794515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3293418A Expired - Fee Related JP2791842B2 (ja) 1991-11-08 1991-11-08 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2791842B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020005408A1 (en) 1997-08-12 2002-01-17 Yuji Yamasaki Easy-opening can end
JPH11105867A (ja) 1997-09-30 1999-04-20 Nippon Steel Corp 開缶性及び耐食性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋
US6435368B1 (en) 1999-04-20 2002-08-20 Nkk Corporation Easy opening can end and method for fabricating the same
JP5669344B2 (ja) * 2008-07-07 2015-02-12 Jfeスチール株式会社 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法
JP5765391B2 (ja) * 2013-09-17 2015-08-19 Jfeスチール株式会社 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06115548A (ja) 1994-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20090061065A (ko) 2 피스 캔체용 라미네이트 강판, 및 라미네이트 강판제 2 피스 캔체와 그 제조 방법
EP1914024B1 (en) Method for manufacturing a can body for a two-piece can made of laminate steel sheet
JP5186772B2 (ja) 2ピース缶体の製造方法および2ピースラミネート缶体
JP2791842B2 (ja) 開缶性に優れた内外面無補修型鋼板製易開缶蓋
JPH11105867A (ja) 開缶性及び耐食性に優れた樹脂被覆金属板製内外面無補修型易開缶蓋
US5348809A (en) Sheet steel easy open can lid superior in can openability and not requiring repair coating of inner and outer surfaces
JP2791843B2 (ja) 開缶性に優れ、適正な加工度を有する内外面無補修型鋼板製易開缶蓋
EP1627820B1 (en) Laminated steel sheet
JP2791841B2 (ja) 開缶性に優れ、内外面の補修塗装不要な鋼板製易開缶性蓋
JP2711947B2 (ja) 加工耐食性に優れた薄肉化深絞り缶用樹脂被覆錫めっき鋼板の製造方法
JP3043193B2 (ja) 開缶性、耐食性、フェザー性に優れた易開缶性蓋用ラミネート鋼板
JP6289914B2 (ja) 金属板積層用樹脂フィルム、樹脂積層金属板、それを用いた容器及び容器蓋
US7629038B1 (en) Process for production of easy-open can lid made of resin laminated metal sheet, easy-open can lid, and resin laminated metal sheet for easy-open can lid
JP3027059B2 (ja) 易開缶性蓋の製造方法
JP3018049B2 (ja) 樹脂積層鋼板による内外面無補修化易開缶蓋の製造方法
JP5669344B2 (ja) 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法
JPH09108756A (ja) 補修塗装のいらない開缶性に優れた易開缶蓋の製造方法
JP2000302127A (ja) 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋およびその製造方法
JPH08224628A (ja) 熱可塑性樹脂ラミネート鋼板製押しボタン型易開缶性蓋の製造方法
JP4894457B2 (ja) エアゾール2ピース缶体用ラミネート鋼板およびエアゾール2ピース缶体の製造方法、ならびにエアゾール2ピース缶
JP3426453B2 (ja) 補修塗装のいらない開缶性に優れた易開缶性蓋及びその製造方法
JP2010105689A (ja) 樹脂被覆鋼板製イージーオープン缶蓋及びその製造方法
JP3153055B2 (ja) フェザー性に優れた樹脂ラミネート金属製易開缶性蓋材の製造方法
JPH1135037A (ja) 開缶性に優れた金属板製易開缶蓋及びその製造方法
JP2000177733A (ja) 補修塗装のいらない開缶性に優れた易開缶性蓋

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980421

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees