JP2789365B2 - ジカルボン酸モノエステルおよびその製造法 - Google Patents

ジカルボン酸モノエステルおよびその製造法

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JP2789365B2
JP2789365B2 JP1314027A JP31402789A JP2789365B2 JP 2789365 B2 JP2789365 B2 JP 2789365B2 JP 1314027 A JP1314027 A JP 1314027A JP 31402789 A JP31402789 A JP 31402789A JP 2789365 B2 JP2789365 B2 JP 2789365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は天然物由来の様々な化合物の不斉合成法に有
用であり、さらに詳しくは、光学活性なプロスタグラン
ジン等の合成に有用なジカルボン酸モノエステル類およ
びその製造法に関する。
従来の技術 光学的に活性なジカルボン酸モノエステルを得る方法
としてディールス・アルダー反応、酵素によるジエステ
ル部分の加水分解法などよく知られているが、立体化学
的に混合物を形成したり、反応が繁雑であったり、特殊
な試薬を用いたりして、純粋な化合物を容易に、大量
に、しかも安価に得ることはなかなか困難であった。
発明が解決する課題 不斉合成によって光学純度の高い化合物を得ることは
天然有機化合物の合成のみならず、広い意味での医薬品
を始めとする種々の化合物の合成にとって重要な意味を
もつ。
本発明は、立体選択的に反応を進行させ、かつ反応過
程で生じる僅かな副生成物を極めて容易に除去すること
により、さらに光学純度を高め得る不斉合成法を鋭意検
討したものである。尚、本発明は以上の反応を安価な試
薬で、かつ簡便に行ない得る事をも意図している。
課題を解決する手段 本発明者らは以上の点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、
σ対称を有する酸無水物に(R)−または(S)−アリ
ール酢酸誘導体を反応させれば所望の立体配置を有する
ジカルボン酸モノエステル類を選択的に得られる事を見
出し、本発明を完成した。詳細は後述するが、本反応に
おいては、反応途中に生じる副生成物を再結晶で容易に
除去できる。本発明が提供する不斉合成法は、種々のσ
対称を有する酸無水物に応用可能であり、その結果生じ
るジカルボン酸モノエステル類は、種々のプロスタグラ
ンジン、アミノ糖、ヌクレオチド、テルペン、アルカロ
イド、ステロイド、その他の天然物由来の有用化合物の
合成中間体として極めて重要である。
本発明はこのような重要な中間体である一般式: 式中、R1は(1)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
アミノ、アミノ誘導体またはニトロで置換されていても
よいアルキル、(2)アルキル、アルコキシ、ハロゲ
ン、アミノ、アミノ誘導体またはニトロで置換されてい
てもよいアルケニル、(3)アルキル、アルコキシ、ハ
ロゲン、アミノ、アミノ誘導体またはニトロで置換され
ていてもよいアリールまたは(4)アルキル、アルコキ
シ、ハロゲン、アミノ、アミノ誘導体またはニトロで置
換されていてもよいアラルキルを示し、−X−は−O
−、−S−、−(CH2)m−、 (式中、mは0〜4の整数を示し、R2は水素、メチルま
たはエチル、R3は水素、メチル、ベンジルオキシカルボ
ニルまたはホルミルを示す) Yは(CH2)n、 (式中、nは0〜3の整数を示し、R2は前記と同意義を
有し、R4は水素、メチルまたはエチルを示す) Zは水素、低級アルキルまたはフェニルを示す(ただ
し、mとnが同時に0である場合、(1S,2R,3S,4R)−
7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボ
ン酸 2−メチルエステル、(1S,2R,3S,4R)−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプテン−2,3−ジカルボン酸 2−メチル
エステルおよび(1R,2S,3R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プテン−2,3−ジカルボン酸2−メチルエステルを除
く)で表わされる光学活性なジカルボン酸モノエステル
IIIを提供し、さらに、これを得る方法として一般式: (式中、X、YおよびZは前記と同意義を有する) で表される酸無水物Iに、一般式: (式中、M1は水素または金属原子、R5は水素、(2)ア
ルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、アミノ誘導体
またはニトロで置換されていてもよいアルキルまたは
(3)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、アミ
ノ誘導体またはニトロで置換されていてもよいアラルキ
ル、Arはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ア
ミノ誘導体またはニトロで置換されていてもよいアリー
ルを示す) で表される(R)−または(S)−アリール酢酸誘導体
を反応させて、一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
る) で表わされるアリール酢酸モノエステルIIとし、ついで
該エステルIIをエステル化反応に付してR1を導入した
後、アリール酢酸誘導体残基を除去するかまたは該エス
テルIIを一般式: R1OM2 IV (式中、R1は(1)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
アミノ、アミノ誘導体またはニトロで置換されていても
よいアルキル、(2)アルキル、アルコキシ、ハロゲ
ン、アミノ、アミノ誘導体またはニトロで置換されてい
てもよいアルケニル、(3)メンチル、(4)アルキ
ル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、アミノ誘導体また
はニトロで置換されていてもよいアリールまたは(5)
アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、アミノ誘導
体またはニトロで置換されていてもよいアラルキルを示
し、M2はアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子
を示す)で表わされる化合物IVとの反応に付すことを特
徴とする一般式: (式中、R1、X、YおよびZは前記と同意義を有する) で表される光学活性なジカルボン酸モノエステルIIIを
得る不斉合成法を提供し、その反応工程で経由する合成
中間体として、一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
る) で表される光学活性なアリール酢酸誘導体モノエステル
IIをも高純度なものとして提供している。
好ましい態様として、一般式: [式中、R1は(1)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニト
ロで置換されていてもよいアルキル、(2)アルキル、
アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、ア
ルキルアミノまたはニトロで置換されていてもよいアル
ケニル、(3)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミ
ノ、ヒドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで
置換されていてもよいアリールまたは(4)アルキル、
アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、ア
ルキルアミノまたはニトロで置換されていてもよいアラ
ルキルを示す] で表わされる光学活性なジカルボン酸モノエステルなら
びにその鏡像異性体が挙げられる。
また、別の態様として、一般式: [式中、Xは−O−、−S−、−(CH2)m−または (式中、mは0〜4の整数を示し、R2は水素、メチルま
たはエチルを示す) Yは(CH2)nまたは (式中、nは0〜3の整数を示し、R2は前記と同意義を
有する) Zは水素、低級アルキルまたはフェニルを示す(ただ
し、mとnが同時に0である場合を除く)] で表わされる酸無水物Iに、一般式: (式中、M1は水素または金属原子、R5は(1)水素、
(2)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒド
ロキシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで置換され
ていてもよいアルキルまたは(3)アルキル、アルコキ
シ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルア
ミノまたはニトロで置換されていてもよいアラルキル、
Arはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロ
キシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで置換されて
いてもよいアリールを示す) で表わされる(R)−または(S)−アリール酢酸誘導
体を反応させて、一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
る) で表わされるアリール酢酸モノエステルIIとし、ついで
該エステルIIをエステル化反応に付してR1を導入した
後、アリール酢酸誘導体残基を除去するかまたは該エス
テルIIを一般式: R1OM2 IV (式中、R1は(1)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニト
ロで置換されていてもよいアルキル、(2)アルキル、
アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、ア
ルキルアミノまたはニトロで置換されていてもよいアル
ケニル、(3)メンチル、(4)アルキル、アルコキ
シ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルア
ミノまたはニトロで置換されていてもよいアリールまた
は(5)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒ
ドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで置換さ
れていてもよいアラルキルを示し、M2はアルカリ金属原
子またはアルカリ土類金属原子を示す)で表わされる化
合物IVとの反応に付すことを特徴とする一般式: (式中、R1、X、YおよびZは前記と同意義を有する) で表される光学活性なジカルボン酸モノエステルIIIを
得る不斉合成法が挙げられる。
さらに、別の態様として、上記の反応工程で経由する
合成中間体として、一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
る) で表される光学活性なアリール酢酸誘導体モノエステル
IIが挙げられる。
以下に反応工程図を示し、本発明をさらに詳しく説明
する。
トランスのジカルボン酸モノエステルの製造法 (式中、R1、R5、X、Y、Z、ArおよびM1は前記と同意
義を有する。) 第一工程 前記化合物Iで示される、σ対称性のあるプロキラル
な環状無水物に、(R)−アリール酢酸誘導体を溶媒中
反応させることにより目的物II−Dが得られる。
反応は約−100〜約50℃、より好ましくは約−78〜約
0℃で約数十分〜数時間行なえば終了する。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメ
トキシエタン、n−ヘキサン、DMSO、トルエン、HMPAな
どが挙げられる。
この時、用いるアリール酢酸誘導体により、目的物II
−Dが2種でき、遊離カルボン酸タイプをII−D
(a)、エステルタイプをII−D(e)と表わすことに
する。化合物II−D(a)は容易に結晶化し、単離が可
能であり、不純物が分離できるので、次反応に付すこと
ができる。化合物II−D(e)は、所望により、脱保護
反応に付し、化合物II−D(a)にし、次反応に付すこ
とができる。
脱保護反応としては、中性〜酸性条件下で行なう反応
が推奨される。即ち、アリール酢酸残基と環に結合した
カルボニルとのエステル結合を保持したまま、脱保護す
る必要があるが、アルカリ性条件下では該エステル結合
が切れてしまうので適さないからである。通常はパラジ
ウム−炭素による中性条件下での還元的脱保護反応を行
なう。しかし、他に還元されやすい官能基を有するよう
な場合や、XおよびYが2重結合を有するような場合に
は、水素化されて単結合になることがある。もし、該官
能基や2重結合等を保持したまま、脱保護したければ、
トリフルオロ酢酸、塩化アルミニウム、塩酸、亜鉛−酢
酸などの試薬を用いて酸性条件下で脱保護を行なえば良
い。またLiI、LiClまたはNaClなどを用いて熱分解反応
に付すことにより、所望の保護基を切ることができる。
第二工程 目的化合物III−Dは、化合物II−Dを一般式: R1OM2 IV (式中、R1またはM2で前記と同意義を有する) で表わされる化合物でエステル交換反応および立体選択
的異性化反応に付すことにより得ることができる。
上記一般式で表わされた化合物IVとしては、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド、アリール
オキシド、アルケニルオキシド、メンチルオキシド、ア
ラルキルオキシドなどが挙げられる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルコキシドと
しては、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、
マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属アリールオキシ
ドとしては、ナトリウムフェノキシド、リチウムフェノ
キシド、マグネシウムフェノキシド、ナトリウム−α−
ナフトキシド、リチウム−β−ナフトキシドなどが挙げ
られる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルケニルオキ
シドとしては、ナトリウムアリルオキシド、リチウムア
リルオキシド、マグネシウムアリルオキシドなどが挙げ
られる。
アルカリ金属メンチルオキシドとしては、ナトリウム
メンチルオキシド、リチウムメンチルオキシドなどが挙
げられる。
アルカリ金属アラルキルオキシドとしては、ナトリウ
ムベンジルオキシド、リチウムベンジルオキシドなどが
挙げられる。
溶媒としては、メタノール、エタノール、アリルアル
コール、フェノールなどを用い、要すれば、メンチルア
ルコール、ピリジン、テトラヒドロフランなどを加えて
用いてもよい。
反応温度は約−30℃〜約150℃で、より好ましくは、
約0℃〜約80℃で行ない、約1〜約10時間で反応は終了
する。
上記第一工程において、僅かであるが、副生成物とし
て下記一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
る。) で表わされる化合物II′−Dが生成するが、これは、要
すれば、脱保護反応に付してジカルボン酸II′−D
(a)(式中、R5は水素)とした時、母液に残るので、
副生成物II′−Dを100%除去でき、純粋な目的物II−
Dを次の第二工程に用いることができる。II−DとII′
−Dはクロマトグラフイーを用いて分離精製することが
できる。
また、第1工程のII−DとII′−Dは分離せずに混合
物のまま次の反応に付すこともできる。
(式中、R1、R5、X、Y、Z、ArおよびM1は前記と同意
義を有する。) 第一工程 化合物Iに(S)−アリール酢酸誘導体を、先に述べ
た(R)−アリール酢酸誘導体の第一工程と同様にして
反応させることにより、目的物II−Lが得られる。得ら
れた目的物II−Lは用いるアリール酢酸誘導体により、
2種でき、遊離カルボン酸タイプをII−L(a)、エス
テルタイプをII−L(e)と表わすことにする。化合物
II−L(a)は結晶化し、容易に単離することができ
る。
第二工程 上記第一工程で得られた化合物II−Lを先に述べたD
体の第二工程と同様に反応させることにより、目的物II
I−Lが得られる。
上記第一工程において、わずかではあるが、副生成物
として下記一般式: (式中、R5、X、Y、Z、およびArは前記と同意義を有
する。) で表わされる化合物II′−Lが生成されるが、これは、
D体のアリール酢酸誘導体を用いた時と同様にして分離
でき、また、かつ、混合物のまま次の反応に付すことも
できる。エステルも同様にして、クロマトグラフイーで
分離精製ができる。
また、前記副生成物II′−DおよびII′−Lは、第二
工程の反応に付すことにより、副生成物II′−Dからは
目的物III−L、副生成物II′−Lからは目的物III−D
をそれぞれ得ることもできる。
シス−ジカルボン酸モノエステルの製造 [化合物III−D−2の製造] 前記トランス−ジカルボン酸モノエステル製造のA法
およびB法の第1工程と同様にして得られた化合物II
(化合物II−D、II′−D、II−LまたはII′−L)を
用いる。
(式中、R1、X、YおよびZは記と同意義を有し、R5
は置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよ
いアルケニル、メンチル、置換されていてもよいアリー
ルまたは置換されていてもよいアラルキルを意味す
る。) 第1工程 本工程は化合物II−DまたはII′−Lの遊離のカルボ
ン酸をエステル化し、R1を導入する工程である。
エステル化反応はアリール酢酸誘導体と環結合カルボ
ニルとのエステル結合および2位の立体配置を保持した
まま行なう。所望のR1形成基を有するジアゾアルカン
(例えば、ジアゾメタン、ジアゾエタン、ジフェニルジ
アゾメタン、フェニルジアゾメタンなど)、アルコール
(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、tert−ブタノール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール、ナフチルメチルアルコール、メント
ール、フェノール、ニトロフェノール、メチルフェノー
ル、クロロフェノール、メトキシフェノール、アミノフ
ェノールなど)によりエステル化反応を常法に従って行
なえばよい。
反応を促進させるために、ギ酸、p−トルエンスルホ
ン酸、硫酸、塩酸などの酸を用いてもよい。
第2工程 本工程はアリール酢酸誘導体と環結合カルボニルとの
エステル結合を開裂させ、シスタイプの本発明化合物II
I−D−2を得る工程である。
脱エステル化反応は立体配置を保持したまま行なう必
要があるので、通常、パラジウム−炭素による中性条件
下での還元的に行なうとよい。
(式中、R1、R5′、X、YおよびZは前記と同意義を有
する。) 化合物II−LまたはII′−Dを用いて、化合物III−
D−2を得た上記第1工程および第2工程と同様に反応
させることにより、化合物III−L−2を得ることがで
きる。
一般式IIで表わされる本発明化合物のアリール酢酸誘
導体モノエステルには前に示したように、II−D、II′
−D、II−LおよびII′−Lの4種の立体異性体が含ま
れている。
一般式IIIで表わされる本発明化合物のジカルボン酸
モノエステルは、4個の不斉炭素原子を有しており、合
計8種の立体異性体および光学異性体を有している。本
発明にはそれらすべての異性体が含まれる。具体的に
は、下記一般式の立体配置を有する化合物 (式中、R1、X、YおよびZは前記と同意義を有す
る。)ならびにこれらの鏡像異性体が含まれる。
一般式: で表わされる光学活性なジカルボン酸モノエステルの鏡
像異性体は、下記一般式: の立体配置を有する化合物である。
上記定義で用いる用語について説明する。
アルキルとしては、メチル、エチル、イソプロピル、
n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、
sec−ブチル、ペンチル、ネオペンチルなどが例示され
る。
アルケニルとしては、2−プロペニル、2−ブテニ
ル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、3−
メチル−3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニ
ル、4−ペンテニル、プレニルなどが挙げられる。
アリールとしては、フエニル、α−またはβ−ナフチ
ルなどが挙げられる。
アラルキルとしては、ベンジル、フエネチル、ナフチ
ルメチルなどが挙げられる。
金属原子としては、主として、アルカリ金属原子、ア
ルカリ土類金属原子を示し、アルカリ金属原子として
は、リチウム、ナトリウム、カリウムなど、アルカリ土
類金属原子としては、マグネシウム、カルシウムなどが
挙げられ、その他に亜鉛なども用いられる。
ビシクロ環としては、ノルボルナン型(ビシクロ[2.
2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エンな
ど)または7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプンタン、
7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−
アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アザビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−5−エン、7−チアビシクロ[2.
2.1]ヘプタン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
5−エンなどが挙げられる。
用いる酸無水物としては、σ対称性のある2環性もし
くは3環性の環状無水物に適用可能である。
前記アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル上
に存在してもよい置換基としては、上記のアルキルおよ
びアルコキシ、ハロゲン、アミノ、アミノ誘導体または
ニトロなどが挙げられる。
アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシなどが
例示される。
ハロゲンとしては、フツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙
げられる。
アミノ誘導体としては、ヒドロキシアミノ、アルキル
アミノなどが挙げられる。
以下に実施例および参考例を示し、本発明をさらに詳
しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するもので
はない。
表、実施例および参考例で用いる略号について以下に
説明する。
Me:メチル CH2Ph:ベンジル Et;エチル CHPh2:ベンズヒドリル Bu:ブチル Ph:フェニル THF:テトラヒドロフラン DMF:ジメチルホルムアミド HMPA:ヘキサメチルホスホラミド D−Mande:D−マンデル酸およびそのエステル L−Mande:L−マンデル酸およびそのエステル PCC:ピリジニウムクロロクロメート PMB:p−メトキシベンジル 実施例1 (1S,2R,3S,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−(ベンジル D−マンデレ
ート)エステルII−1−D(e1)の製造 窒素雰囲気下、D−マンデル酸ベンジルエステル(5.
33g、22.0mmol)をTHF(50ml)に溶かした後、−78℃に
冷却し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液13.13ml、21.0mmo
l)を滴下し、15分間撹拌する。反応液にビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン−2−エンド,3−エンド−ジカ
ルボン酸無水物I−1(3.32g、20.0mmol)のTHF溶液
(20ml)を加える。−78℃で1時間撹拌後、2N塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出する。水、食塩水で洗浄後濃縮す
ると、目的物II−1−D(e1)および副生成物II′−1
−D(e1)が得られる(II−1−D(e1)+II′−1−
D(e1)=9.33g)。化合物II−1−D(e1)はシリカ
ゲルカラマクロマトグラフィー(トルエン=酢酸エチ
ル)に付して精製する。
IR(液膜):3600−2400,1748,1710,1498,1456,1342,125
7,1208,1165,1084,1072,912,732,6961 H−NMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.33(ABq,Apart,J=8.9
Hz;1H),1.48(ABq,Bpart,J=8.9Hz,1H),3.16(br.s,1
H),3.21(br.s,1H),3.30(dABq,Apart,J=3.2,10.2H
z,1H),3.47(dABq,Bpart,J=3.4Hz,10.2Hz,1H),5.13
(s,2H),5.97(s,1H),6.11(dABq,Apart,J=2.9H,5.9
Hz,1H),6.28(dABq,Bpart,J=2.8,5.9Hz,1H),7.13〜
7.52(m,10H) 実施例2−7 実施例1と同様にして下記反応式に示すように反応さ
せて、目的化合物II−D(e)、II−D(a)またはII
−L(e)を得る。
反応条件を表1に示す。
(式中、R5、X、YおよびZは前記と同意義を有す
る。) なお、前記表1中、実施例5で得られた目的物II−2
−D(e1)と副生成物II′−2−D(e1)の混合物は、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してトルエン
−酢酸エチルで精製すると目的物II−2−D(e1)のみ
が得られる(75g、単離収率:78.6%) 元素分析(C18H20O6・0.2H2Oとして) 計算値(%):C,64.35:H,6.13 実測値(%):C,64,37;H,6.491 H−NMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.37〜2.00(m,6H),2.6
2(br.S,2H),3.06(dABq,Apart,J=3.0,12.0Hz,1H),
3.22(dABq,Bpart,J=3.0,12.0Hz,1H),3.74(s,3H),
6.01(s,1H),7.33〜7.55(m,5H) ▲[α]24 D▼=−70.2±0.6゜(CHCl3,C=1.965%) その他の化合物についても同様にして、II−1−D
(e1)、II−1−D(e2)、II−1−D(e3)、II−2
−D(a1)およびII−2−l(e1)は単離した。
実施例8 (IR,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−D−マンデル酸)−エステルII−2
−D(a1)の製造 10%パラジウム炭素(0.4g)に粗生成物II−1−D
(e1)(4.06g、10.0mmol)のメタノール溶液(30ml)
を加え、常圧、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌後、
触媒を濾過して除き、濃縮する。反応混合物に酢酸エチ
ル、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を分取
する。有機層をもう一度水洗し、最初の水層を合わせて
酢酸エチルで洗浄する。2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽
出後、飽和食塩水で洗浄し、濃縮すると粗生成物II−2
−D(a1)が得られる[3.14g、酸無水物からの収率:99
%、II−2−D(a1):II′−2−D(a1)=86:14(HP
LCによる)]。
酢酸エチルより再結晶することにより目的化合物II−
2−D(a1)を単離する(2.05g、収率:64%)。
母液を濃縮後、塩化メチレンより再結晶することによ
り副生成物としてのII′−2−D(a1)を得る。
II−2−D(a1) 融点:164〜166℃ 元素分析(C17H18O6として) 計算値(%):C,64.13;H,5.71 実測値(%):C,63.83;H,5.731 H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:1.46(br.s,4H),1.57〜
1.75(m,1H),1.84〜2.08(m,1H),2.40〜2.62(m,2
H),3.02(dABq,Apart,J=3.6,11.6Hz,1H),3.29(dAB
q,Bpart,J=4.4,11.6Hz,1H),5.86(s,1H),7.33〜7.65
(m,5H) ▲[α]25 D▼=−117.1±0.8゜(MeOH,C=1.934%) II′−2−D(a1) 融点:157〜158℃ 元素分析(C17H18O6として) 計算値(%):C,64.13;H,5.71 実測値(%):C,64.02;H,5.571 H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:1.30〜1.66(m,4H),1.69
〜1.87(m,1H),1.96〜2.13(m,1H),2.60(br.s,2H),
3.04(dABq,Apart,J=2.8,12.1Hz,1H),3.13(dABq,Bpa
rt,J=3.8,12.1Hz,1H),5.84(s,1H),7.33〜7.58(m,5
H) ▲[α]25 D▼=−81.8±0.6゜(MeOH,C=2,005%) 実施例9 実施例2で得られた化合物II−1−D(e1)を実施例
8と同様の反応に付して、下記ジカルボン酸II−2−D
(a1)を得る。
実施例10 実施例4および5で得られた化合物II−1−D(e3)
およびII−2−D(e1)はDMSO中、LiIを反応させれ
ば、上記ジカルボン酸II−2−D(a1)を与える。
実施例11 実施例7で得られた化合物II−2−L(e1)を実施例
8と同様の反応に付して、下記ジカルボン酸II−2−L
(a1)を得る。
融点:162〜164℃ ▲[α]23.5 D▼=−113.2±1.5゜(MeOH,C=1.0075
%) 実施例12 (1S,2R,3S,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−(D−マンデル酸)エステ
ルII−1−D(a1)の製造 粗生成物化合物II−1−D(e2)(43g)の塩化メチ
レン溶液(60ml)を0℃に冷却し、アニソール(18ml)
およびトリフルオロ酢酸(50ml)を加え、1時間撹拌す
る。反応液を濃縮した後、酢酸エチルと5%炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加える。水層を分取し、酢酸エチルで
洗浄し、2N塩酸を加えて酸性にする。酢酸エチルで抽出
し、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、乾燥すると粗生成物
II−1−D(a1)が得られる[II−1−D(a1):II′
−1−D(a1)=74:26(HPLCによる)]。酢酸エチル
より再結晶することにより目的化合物II−1−D(a1)
のみが得られる(13.37g、収率47%)。
融点:169〜171℃ 元素分析(C17H18O6として) 計算値(%):C,64.55;H,5.10 実測値(%):C,64.46;H,5.12 IR(CHCl3):3500−2400,1734,1438,1375,1342,1256,11
68,1146,10721 H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:1.36(ABq,Apart,J=7.2H
z;1H),1.51(ABq,Bpart,J=7.2Hz,1H),3.15(br.s.2
H),3.43(dABq,Apart,J=2.9,10.4Hz,1H),3.53(dAB
q,Bpart,J=3.1,10.4Hz,1H),5.86(s,2H),6.14〜6.33
(m,2H),7.32〜7.62(m,5H) ▲[α]24 D▼=−159.5±1.0゜(MeOH,C=1.993%) 実施例13 実施例1および実施例8と同様にして反応を行ない目
的物II−2−D(a1)を得る。
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンド,3−エンド
−ジカルボン酸無水物I−2(1.66g、10.0mmol)、D
−マンデル酸ベンジルエステル(2.66g、11.0mmol)お
よびn−BuLi(6.40ml、10.2mmol)を用い、中間体II−
2−D(e2)を精製せず、加水素分解反応を続けて行な
い、粗目的物II−2−D(a1)2.64gが得られる。[収
率:83%/II−2−D(a1):II′−2−D(a1)=80:2
0]酢酸エチルより再結晶すれば目的物II−2−D(a
1)1.47gが得られる。(単離収率:46%) 中間体II−2−D(e2)はシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製できる。1 NMR(CDCl3−TMS)δppm:1.32〜1.97(m,6H),2.55(b
r.s,1H),2.60(br.s,1H),2.98(dABq,Apart,J=3.7,1
1.6Hz,1H),3.18(dABq,Bpart,J=3.9,11.6Hz,1H),5.1
4(s,2H),6.03(s,1H),7.15〜7.52(m,10H) 実施例14〜16 実施例13と同様にして反応を行ない、目的物II−2−
D(a1)を得る。反応条件を表2に示す。
実施例17 (1R,2S,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−2−D−1の
製造 窒素雰囲気下、化合物II−2−D(a1)(5.51g、17.
3mmol)にTHF(40ml)、メタノール(50ml)、ナトリウ
ムメチラート(2M/メタノール、22.0ml、44.0mmol)を
加え、4時間還流する。2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽
出後、水および飽和食塩水で洗浄し濃縮する。得られた
混合物に塩化メチレンを加え、水で3回洗浄後濃縮する
と、目的物III−2−D−1が3.22g得られる(収率:94
%)。
融点:59〜60℃ 元素分析(C10H14O4として) 計算値(%):C,60.58;H,7.13 実測値(%):C,60.66;H,7.081 H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:1.20〜1.74(m,6H),2.59
(br.s,1H),2.69(br.s,1H),2.79(d,J=5.4Hz,1H),
3.27(dd,J=3.8,5.4Hz,1H),3.69(s,3H) ▲[α]25 D▼=+38.4±0.4゜(MeOH,C=2.002%) 実施例18 (1S,2R,3R,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−2−L−1の
製造 実施例17と同様にして反応を行ない、出発物質は実施
例17の化合物のエナンチオマーのII−2−L(a1)とす
る。化合物II−2−L(a1)(15.27g、48.0mmol)に対
し、メタノール(55ml)、THF(60ml)、ナトリウムメ
チラート(2M/メタノール、60ml、120mmol)を用いて反
応を行なうと目的物III−2−L−1を7.46g得る。(収
率:78%) 融点:59〜60℃ ▲[α]25 D▼=−38.3゜±0.4゜(MeOH,C=2.013
%) 実施例19 (1S,2S,3S,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−1−D
−1の製造 実施例17と同様にして反応を行ない、化合物II−1−
D(a1)(15g、47.4ml)とメタノール(50ml)、THF
(100ml)、ナトリウムメチラート(2M/メタノール、7
1.1ml、142mmol)を用いて反応を行なうと、目的物III
−1−D−1を7.96g得る(収率:93.2%)。
融点:78〜79℃ 元素分析(C10H14O4として) 計算値(%):C,61.21;H,6.17 実測値(%):C,60.89;H,6.13 IR(CHCl3):3400−2400,1729,1708,1438,1422,1335,13
11,1271,1245,1190,1175,1162,1114,10221 H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:1.48(ABq,AAprt,J=8.0H
z,1H),1.63(ABq,Bpart,J=8.0Hz,1H),2.66(dd,J=
1.6,4.6Hz,1H),3.14(br.s,1H),3.30(br.s,1H),3.4
3(dd,J=3.6,4.6Hz,1H)3.73(s,3H),6.14(dABq,Apa
rt,J=2.9,5.5Hz,1H),6.29(dABq,Bpart,J=3.1,5.5H
z,1H) ▲[α]24 D▼=+138.1±0.9゜(MeOH,C=2.005%) 実施例20 (1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−(D−マンデル酸)エステルII−2
−D(a1)の製造 窒素気流下、水素化ナトリウム(60%、0.447g、11.1
mmol)をヘキサンで洗浄した後、THF(10ml)を加え
る。この懸濁液に室温でD−マンデル酸ベンジルエステ
ル(2.69g、11.1mmol)のTHF溶液(30ml)を加え、30分
間撹拌する。反応液を−78℃に冷却し、ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−5−エン−2−エンド,3−エンド−ジカル
ボン酸無水物I−1(1.64g、10.0mmol)のTHF溶液(10
ml)を加える。滴下終了後、撹拌を続け反応温度を0℃
まであげる。常法の後処理を行ない、実施例8と同様
に、脱保護反応に付して粗目的物II−2−D(a1)2.04
g(収率:64%)を得る。
(II−2−D(a1):II′−2−D(a1)=59:41) 実施例21 (1R,2R,3R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−1−L
−1の製造 実施例1のD−マンデル酸ベンジルエステルの代わり
にL−マンデル酸パラメトキシベンジルエステルを用い
て同様に反応させ化合物II−1−L(e4)を主生成物と
する粗生成物を得る。これを単離することなく次の反応
に付す。
上記粗生成物(30.6g、70mmol)をアセトニトリル160
mlを溶解し、濃塩酸35.9ml(70mmol×6)を加えて、室
温にて16時間撹拌する。4NNaOH水溶液でpH4とし、これ
にNaHCO3水溶液を氷冷下に加えてアルカリ性とし、酢酸
エチルにて洗う。有機層をさらに水で抽出し、水溶液を
合し、濃塩酸にてpH2としてから酢酸エチルにて抽出す
る。これを水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
濃縮し、結晶性の残渣を得る。この粗生成物(II−1−
L(a1):II′−1−L(a1)=85:15の混合物(HPLCに
よる))を酢酸エチルから再結晶し、化合物II−1−L
(a1)11.12g(収率50.2%)を得る。融点168〜170℃。
IR、1H−NHR(CDCl3)はII−1−D(a1)と一致す
る。
[α]=+160.5±1.0゜(MeOH,23℃,c=2.002%) 実施例17と同様にして化合物II−1−L(a1)(601m
g)より化合物III−1−L−1、345mg(収率92.7%)
を得る。融点78〜79℃。IR、NMRは化合物III−1−D−
1と一致する。
[α]=−140.8±0.9゜(MeOH,23℃,c=2.018%) mp.78〜79℃. 実施例22 (1R,2S,3R,4S)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3−ジカルボン酸 2−D−マンデル酸エステルI
I−3−D(a1)の製造 化合物I−3、10.5g(62mmol)より実施例1および
実施例8と同様にして化合物II−3−D(a1)およびI
I′−3−D(a1)の混合物を得る。(II−3−D(a
1):II′−3−D(a1)=73:27(HPLC))この混合物
より化合物II−3−D(a1)、7.1g(収率35.8%)およ
びII′−3−D(a1)、1.5g(収率7.6%)を各々再結
晶法で単離する。
化合物II−3−D(a1) mp.175〜17℃。
元素分析(C16H16O7として) 計算値(%):C,59.99;H,5.04; 実測値(%):C,59.85;H,5.04.1 HNMR(CD3OD−TMS)δ ppm:1.55〜1.88(m,4H),3.13
(ABq,A−part、J=9.6Hz,1H),3.19(ABq,B−part、
J=9.6Hz,1H),4.83〜4.90(m,2H),5.85(s,1H),7.3
5〜7.65(m,5H). IR(Nujol)νmax:3480〜2200,1733,1712,1659,1229,12
20,1185,1011,969,936,766,735,696cm-1. [α]−111.9±1.5゜(MeOH,23℃,C=1.013%) 化合物II′−3−D(a1) mp.133〜135℃。
元素分析(C16H16O7・0.5H2Oとして) 計算値(%):C,58.35;H,5.21; 実測値(%):C,58.33;H,5.48.1 HNMR(CD3OD−TMS)δ ppm:1.55〜1.90(m,4H),3.12
(ABq,A−part、J=9.6Hz,1H),3.22(ABq,B−part、
J=9.6Hz,1H),4.75〜4.90(m,2H),5.74(s,1H),7.3
5〜7.65(m,5H). IR(Nujol)νmax:3680〜2200,1733,1710(sh),1230,1
177;1044,994,925,819,724cm-1. [α]−92.0±1.3゜(MeOH,23℃,C=1.014%). 実施例23 (1R,2R,3R,4S)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3−ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−3−
D−1の製造 化合物II−3−D(a1)、610mg(1.9mmol)より実施
例17に従って化合物III−3−D−T1、190mg(収率50.0
%)を得る。
融点 134〜135℃ 元素分析(C9H12O5として) 計算値(%):C,54.00;H,6.05; 実測値(%):C,53.98;H,5.97.1 HNMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.45〜1.95(m,4H),3.14
(d,J=5.1Hz,1H),3.50t−d,J=5.5,1.5Hz,1H),3.74
(s,3H),4.84(t,J=5.0Hz,1H),4.92(d,J=5.0Hz,1
H). IR(Nujol)νmax:3400〜2480,1736,1725,1255,1215,12
01,1184,1173,921,816cm-1. [α] +73.3±0.6゜(MeOH,24℃,C=2.009
%). 実施例24 (1S,2S,3S,4R)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3−ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−3−
L−1の製造 化合物III−3−D−1のエナンチオマーIII−3−L
−1を開裂反応の副生成物、化合物II′−3−D(a1)
より上記方法に準じて製造する。(収率27.5%)。
融点 133〜134℃ 元素分析(C9H12O5として) 計算値(%):C,54.00;H,6.05; 実測値(%);C,54.03;H,6.06.1 HNMRとIRは化合物III−3−D−1と一致。
[α] −73.5±0.6゜(MeOH,23℃,C=2.013%). 実施例25 (1S,2R,3S,4R)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3−ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−3−
D−2の製造 化合物II−3−D(a1)、4.5g(14.05mmol)を常法
通りジアゾメタンのエーテル溶液で処理し、化合物II−
3−D(e5)、4.77g(収率97.5%)を得る。
ジメチルエステルII−3−D(e5) 融点 131〜132℃ 元素分析(C18H20O7として) 計算値(%):C,62.05;H,5.80: 実測値(%):C,61.87:H,5.78.1 HNMR(CDCl3−TMS)δppm:1.45〜1.70(m,2H),1.77〜
1.93(m,2H),2.99(ABq,A−part,J=9.6Hz,1H),3.15
(ABq,B−part,J=9.6Hz,1H),3.53(s,3H),3.70(s,3
H),4.85〜4.93(m,1H),4.95〜5.03(m,1H),5.93(s,
1H),7.34〜7.55(m,5H). IR(Nujol)νmax:1742,1732,1198,1143,1055,1009,93
6,725,695cm-1. [α]−103.2±1.4゜(CHCl3,23.5℃,C=1.009
%). ジメチルエステルII−3−D(e5)、4.18g(12mmo
l)を酢酸エチル30mlに溶解し、10%Pd−C、400mgを加
えて水素ガス中にて1時間撹拌後、触媒を濾去し、濾液
を減圧濃縮する。残渣をエーテルから再結晶し、シスハ
ーフエステルIII−3−D−2、2.02g(収率:84.2%)
を得る。
融点 104〜106℃ 元素分析(C9H12O5として) 計算値(%):C,54.00;H,6.05; 実測値(%):C,53.83;H,6.04.1 HNMR(CDCl3−TMS)δppm:1.45〜1.60(m,2H),1.73〜
1.93(m,2H),3.01(ABq,B−part,J=9.6Hz,1H),3.66
(s,3H),4.87〜5.03(m,2H),6.56(br.s,1H). IR(Nujol)νmax:3400〜2480,1736,1731,1228,1198,10
69,1010,996,924,900,821cm-1. [α]D −4.9±0.2゜(MeOH,23.5℃,C=2.010%). [α]365 −7.9±0.2゜(MeOH,23.5℃,C=2.010
%). このものは、R.Blochらにより報告されている化合物I
II−3−D−2と[α]値がほぼ一致する。[Tetrah
edron Letters,第26巻,No.34,4087頁−4090頁,1985年
([α]−3.9゜(MeOH,20℃,C=2%),融点104
℃)] 実施例26 (1R,2S,3R,4S)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3−ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−3−
L−2の製造 開裂反応の副生成物II′−3−D(a1)、720mg(7.2
5mmol)を用い、化合物II−3−D(a1)よりII−3−
D(e5)を得た方法に準じて、化合物II′−3−D(e
5)、678mg(収率86.6%)を得る。
ジメチルエステルII′−3−D(e5) 融点 115〜116℃ 元素分析(C18H20O7として) 計算値(%):C,62.05;H,5.80; 実測値(%):C,61.85;H,5.74.1 HNMR(CDCl3−TMS)δppm:1.45〜1.70(m,2H),1.74〜
1.95(m,2H),2.97(ABq,A−part,J=9.6Hz,1H),3.17
(ABq,B−part,J=9.6Hz,1H),3.36(s,3H),3.71(s,3
H),4.84〜4.95(m,2H),5.00〜5.10(m,1H),5.89(s,
1H),7.33〜7.50(m,5H). IR(Nujol)νmax:1753,1737,1725,1220,1190,1164,114
5,1056,1028,1004,817,735,693cm-1. [α]−84.7±1.2゜(CHCl3,23℃,C=1.008%). ジメチルエステルII′−3−D(e5)、523mg(1.5mm
ol)を用い、化合物II−3−D(e5)より化合物III−
3−D−2を製造した方法によりシスハーフエステルII
I−3−L−2、271mg(収率:90.3%)を得る。
融点 103〜105℃ 元素分析(C9H12O5・0.1H2Oとして) 計算値(%):C,53.51;H,6.10; 実測値(%):C,53.67;H,5.90.1 HNMRとIRは化合物III−3−D−2と完全に一致する。
[α]+4.4±0.2゜(MeOH,24℃,C=2.006%). [α]365+7.0±0.2゜(MeOH,24℃,C=2.006%). 実施例27 (1R,2R,3S,4S)−2−(メチル−D−マンデルオキシ
カルボニル)−3−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプタンII−2−D(e5)の製造 化合物II−2−D(a1)(22.72g,71.3mmol)および
p−トルエンスルホン酸・1水和物(2.73g,14.3mmol)
をメタノール(375ml)中24時間還流する。濃縮後、5
%炭酸水素ナトリウム溶液および酢酸エチルで分液す
る。有機層を水洗後、乾燥、濃縮すると粗目的物II−2
−D(e5)が26.06g得られる。エーテル/石油エーテル
から再結晶すると目的物II−2−D(e5)が、第1晶:1
8.59g(53.7mmol)、第2晶:0.62g(1.8mmol)、第3
晶:0.53g(1.5mmol)得られる。(合計単離収量・収率1
9.74g、79.9%)。
融点:61.5〜63.5℃。
元素分析(C19H22O6として): 計算値(%):C 65.88:H 6.40; 実測値(%):C 65.72,H 6.42. IR(KBr)νmax:3700〜3160,2970,2885,1758,1745,173
0,1457,1365,1345,1198,1165,1122,1082,1060,1055,104
2,1022,748,698cm-1.1 HNMR(CDCl3−TMS)δppm:1.20〜2.00(m,6H),2.50〜
2.65(brm,2H),2.96(dABq,A−part,J=3.8,11.8Hz),
3.21(dABq,B−part,J=4.3,11.8Hz),3.54(s,3H),3.
70(m,3H),5.94(s,1H),7.30〜7.52(m,5H). [α]−77.8±1.2゜(CHCl3,23.5℃,C=1.00
%). 実施例28 (1S,2S,3R,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−2−D−2の
製造 10%パラジウム炭素(1.77g)に化合物II−2−D(e
5)(17.79g、51.4mmol)の酢酸エチル溶液(200ml)を
加え、常圧、水素雰囲気下、室温で50分間撹拌後、触媒
を濾過して除き、濃縮する。反応混合物にトルエン、5
%炭酸水素ナトリウム溶液を加え、水層を分取する。有
機層をもう一度水洗し、それぞれをトルエンで洗浄後、
合わせる。2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出後、水で洗
浄し、乾燥、濃縮すると目的物III−2−D−2(10.2
g:定量的)が得られる。
元素分析(C10H14O4として): 計算値(%):C 60.59,H 7.12; 実測値(%):C 60.42,H 7.05. IR(KBr)νmax:3400〜2400,2960,2880,1735,1707,143
5,1356,1295,1288,1132,1122,1082,1058cm-1.1 HNMR(CDCl3−TMS)δppm:1.35〜1.53(m,4H),1.65〜
1.88(m,2H),2.48〜2.64(brm,2H),2.96(dABq,A−pa
rt,J=3.4,11.7Hz,1H),3.03(dABq,B−part,J=4.4,1
1.7Hz,1H),3.64(s,3H). [α]+17.1±0.3゜(MeOH,23.0℃,C=2.059
%). 実施例29 (1S,2S,3R,4R)−2−(メチル−L−マンデルオキシ
カルボニル)−3−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプタンII−2−L(e5)の製造 実施例27と同様の反応に付して、化合物II−2−L
(e5)を得る。(収率:87.5%) 融点:61.5〜62.5℃。
[α]+76.3±1.2゜(CHCl3,24℃,1.005%). 実施例30 (1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−メチルエステルIII−2−L−2の
製造 実施例28と同様にして反応を行ない目的物III−2−
L−2を得る。(収率:定量的) [α]−17.4±0.3゜(MeOH,C=2.052%,24℃). 参考例1 アリール酢酸誘導体の製造方法 (1)D−マンデル酸ベンジルエステル D−マンデル酸(85.1g、559mmol)、ベンジルアルコ
ール(65ml、628mmol)およびp−トルエンスルホン酸
1.01g、5.35mmol)をベンゼン(700ml)中6.5時間還流
後、水洗し、濃縮する。エーテルから再結晶し、目的物
D−2を123.5g得る。
収率:91% 融点:103.5〜105℃ 元素分析(C15H14O3として) 計算値(%):C,74.36;H,5.82 実測値(%):C,74.53;H,5.901 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.44(d,J=5.6Hz,1H),
5.14(ABq,Apart,J=12.3Hz,1H),5.22(d,J=5.6Hz,1
H),5.24(ABq,Bpart,J=12.3Hz,1H)7.15〜7.50(m,10
H) ▲[α]24 D▼=−55.7±1.0゜(CHCl3,C=1.003%) (2)D−マンデル酸 4−メトキシベンジルエステル D−マンデル酸(15.3g、100mmol)、4−メトキシベ
ンジルアルコール(15.2g、110mmol)およびp−トルエ
ンスルホン酸(0.197g、1.01mmol)をベンゼン(300m
l)中7時間浸漬後、反応液を4回水洗し、濃縮する。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、トルエン−酢酸エチルで精製し、エーテル−
石油エーテルから再結晶すると目的物D−3を6.58g得
る。
収率:24% 融点:70.5〜73.5℃ 元素分析(C16H16O4として) 計算値(%):C,70.58;H,5.92 実測値(%):C,70.55;H,6.001 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.80(s,3H),5.05(ABq,
Apart,J=11.8Hz,1H),5.19(s,1H),5.19(ABq,Bpart,
J=11.8Hz,1H),6.84(d,J=8.7Hz,2H),7.17(d,J=8.
7Hz,2H),7.30〜7.45(m,5H) ▲[α]24 D▼=−36.0±0.8゜(CHCl3,C=1.017%) (3)D−マンデル酸−4−ニトロベンジルエステル DMF(300ml)にD−マンデル酸(15.2g、100mmol)、
4−ニトロベンジルブロマイド(21.6g、100mmol)およ
びトリエチルアミン(14.0ml、100mmol)を加え、室温
で8時間撹拌する。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽
出し、希塩酸、水で洗浄後、エーテル−石油エーテルか
ら再結晶すると目的物D−4 1.96gが得られる。
収率:68% 融点:143〜145℃ 元素分析(C15H13NO5として) 計算値(%):C,62.72;,4.56;N,4.88 実測値(%):C,62.76;,4.61;N,4.991 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.26〜3.52(br.s,1H),
5.25(ABq,Apart,J=13.5Hz,1H),5.28(s,1H),5.32
(ABq,Bpart,J=13.5Hz,1H),7.27(d,J=8.4Hz,2H),
7.34〜7.48(br.s,5H),8.14(d,J=8.4Hz,2H) ▲[α]24 D▼=−40.0±0.8゜(CHCl3,C=0.995%) (4)D−マンデル酸ベンズヒドリルエステル D−マンデル酸(25.0g、164mmol)酢酸エチル(200m
l)に溶かし、室温で撹拌しながらジフェニルジアゾメ
タン(38.9g、164mmol)を加える。TLCで反応が完結し
たことを確認して濃縮する。エーテル−石油エーテルか
ら再結晶することにより目的物D−5を47.7g得る。
収率:91% 融点:91〜91.5℃ 元素分析(C21H18O3として) 計算値(%):C,79.22;,5.71 実測値(%):C,79.44;,5.671 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.47(d,J=5.3Hz,1H),
5.28(d,J=5.3Hz,1H),6.87S(s,1H),6.87〜7.46(m,
15H) ▲[α]24 D▼=−57.4±1.0゜(CHCl3,C=1.023%) (5)L−マンデル酸ベンズヒドリルエステル 参考例1−(4)と同様にして反応を行ない、L−マ
ンデル酸(30.4g、200mmol)、酢酸エチル(200ml)お
よびジフェニルジアゾメタン(38,9g、200mmol)を用い
目的物L−2を54.7g(172mmol)得る。
収率:86% 融点:91.5〜92.0℃ ▲[α]24 D▼=+55.7±0.9゜(CHCl3,C=1.013%) 参考例2 本発明が提供する化合物(III)の用途の一例を以下
に記す。
窒素雰囲気下、化合物III−2−D−1(2.80g、14.1
mmol)のアセトン溶液(24ml)を0℃に冷却し、トリエ
チルアミン(2.54ml、18.3mmol)とクロロ炭酸エチル
(1.75ml、18.3mmol)を加える。すぐに白色沈殿が生じ
るが、この状態のまま15分間撹拌を続け、アジ化ナトリ
ウム(2.75g、42.3mmol)の水溶液(8ml)を加える。氷
冷下で30分間撹拌した後、2N塩酸を加え、酢酸エチルで
抽出し、有機層を水および食塩水で洗浄後濃縮する。酢
酸エチルを完全に除去するためにベンゼンを加えてもう
一度濃縮する。
得られた油状物質をベンゼン(20ml)に溶かし、80℃
に加熱し、熱転位を行なう。窒素の発生が終わった時点
でトリエチルアミン(2.54ml、18.3mmol)、ベンジルア
ルコール(1.75ml、16.9mmol)を加え、1.5時間還流す
る。反応終了後、2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、
水および食塩水で洗浄した後、濃縮する。粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶により
精製すると化合物1を得る(3.03g、収率:71%)。
融点:61〜62℃ 元素分析(C17H21NO4として) 計算値(%):C,67.30;H,6.69;N,4.62 実測値(%):C,67.46;H,7.04;N,4.731 N−NMR(CDCl3−TMS)δppm:1.22〜1.86(m,6H),1.92
(dd,J=2.0,5.0Hz,1H),2.50(br.s,2H),3.70(br.s,
3H),4.23(br.s,1H),4.90(br.s,1H),5.09(br.s,2
H),7.22〜7.45(m,5H) ▲[α]25 D▼=+40.1±0.4゜(CHCl3,C=2.006%) 10%パラジウム−炭素(0.130g)に化合物1(1.42
g、4.67mmol)のメタノール溶液(13ml)を加え常圧、
水素雰囲気下、室温で30分間撹拌して加水素分解を行な
う。反応後、触媒を濾過して除き濃縮する。
窒素雰囲気下で得られた粗生成物に塩化メチレン(10
ml)を加え0℃に冷却する。これにトリエチルアミン
(1.94ml、14.0mmo)と塩化ベンゼンスルホニル(0.66m
l、5.17mmol)を加え、30分間撹拌する。2N塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出し、水および食塩水で洗浄後濃縮
する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
すると目的物2を得る。(1.17g、収率:81%) 融点:129〜130℃ 元素分析(C15H19O4として) 計算値(%):C,58.22;H,6.20;N,4.52;S,10,36 実測値(%):C,58.11;H,6.07;,4.53;S,10.09 ▲[α]25 D▼=−0.4±0.4゜(CHCl3,C=0.992%) ▲[α]25 365▼=−36.2±0.8゜(CHCl3,C=0.992
%) 窒素雰囲気下、化合物2(1.12g、3.62mmol)のTHF溶
液(15ml)に室温で水素化リチウムアルミニウム(0.41
2g、10.9mmol)を加える。30分間撹拌後、反応液に酢酸
エチルおよび水をこの順に加え、過剰の水素化リチウム
アルミニウムをつぶす。酢酸エチルで3回抽出して濃縮
すると目的物3を得る(1.00g、98.2%)。
融点:121〜122℃ 元素分析(C14H19NO3Sとして) 計算値(%):C,59.75;H,6.82;N,4.98;S,11,39 実測値(%):C,59.83;H,6.91;,5.02;S,11.33 ▲[α]26 D▼=+6.8±0.5゜(CHCl3,C=1.000%) 窒素雰囲気下、化合物3(8.01g、28.5mmol)の塩化
メチレン溶液(600ml)にPCC(18.4g、85.4mmol)とモ
レキュラーシーブ(4A粉末、25.1g)を加え、室温で撹
拌する。TLCで反応が終了したことを確認してから、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより無機物を除
き、濃縮すると中間生成物4が得られる。化合物4はあ
まり安定でないのでこれ以上の精製は行なわずに次の操
作へ進む。
窒素雰囲気下、塩化メトキシメチルトリフェニルホス
ホニウム(31.20g、91.0mmol)のTHF溶液(160ml)を−
78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶
液、56.0ml、84.0mmol)を加える。滴下終了後、ドライ
アイス−アセトンバスから氷浴に変えて、0℃で25分間
撹拌する。再び、ドライアイス−アセトンバスにかえて
反応液を−78℃に冷却してから、先程得られた中間生成
物4(7.27g)のTHF溶液(80ml)を加える。滴下終了
後、アイスバスをはずし35分間撹拌する。氷水を加えて
酢酸エチルで抽出した後、有機層を水および食塩水で洗
浄後濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より中間生成物5を得るが、この化合物もあまり安定で
ないのでこれ以上の精製は行なわずに次の操作に進む。
窒素雰囲気下、化合物5(5.86g)に90%ぎ酸(5.0m
l)を加え室温で1時間撹拌する。TLCで反応が終了した
ことを確認してから炭酸水素ナトリウムおよび5%炭酸
水素ナトリウム水溶液で中和する。水を加えて酢酸エチ
ルで抽出したのち、水および食塩水で洗浄後濃縮する。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると目的
物6を得る(3.30g、化合物3からの収率:40%)。
化合物6 融点:100〜103℃ 元素分析(C15H19NO3Sとして) 計算値(%):C,61.40;H,6.54;N,4.77;S,10,93 実測値(%):C,61.39;H,6.51;,4.90;S,11.02 ▲[α]25.5 D▼=+36.5±0.8゜(CHCl3,C=0.994
%) 窒素雰囲気下、4−カルボキシブチルトリフェニルホ
スホニウムブロマイド(14.8g、33.3mmol)にTHF(80m
l)を加えた懸濁液にカリウムt−ブチレート(7.55g、
67.3mmol)を室温で加える。室温のまま1時間撹拌した
後、−20℃に冷却して化合物6(3.25g、11.1mmol)のT
HF溶液(20ml)をゆっくり加える。−20℃で約1時間半
撹拌を続けた後、アイスバスを除き、もう1時間撹拌を
する。反応液に2N塩酸を加え酢酸エチルで抽出し、水お
よび食塩水で洗浄後濃縮する。得られた粗生成物にトル
エンと1N水酸化ナトリウム溶液を加えて水層を分取す
る。有機層をもう一度水洗し、先程の水層と合わせた
後、2N塩酸を加える。酢酸エチルで抽出後、水および食
塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮する。シリ
カゲルカラムクロマトグラフイーにより精製し、目的物
7を得る(3.29g、収率79%)。
融点:62℃ 元素分析(C20H27NO4Sとして) 計算値(%):C,63.63;H,7.21;N,3.71;S,8,49 実測値(%):C,63.56;H,7.21;,3.83;S,8.43 ▲[α]22 D▼=+5.3±0.5゜(CHCl3,C=1.003%) ▲[α]24 D▼=+27.1±0.7゜(MeOH3,C=1.015%) 参考例3 窒素雰囲気下、化合物III−2−L−2(5.00g、25.2
mmol)のアセトン溶液(25ml)を0℃に冷却し、トリエ
チルアミン(3.90ml、28.0mmol)とクロロ炭酸エチル
(2.65ml、27.7mmol)を加える。すぐに白色沈殿が生じ
るが、この状態のまま30分間撹拌を続け、アジ化ナトリ
ウム(1.72g、26.5mmol)の水溶液(6ml)を加える。氷
冷下で45分間撹拌した後、2N塩酸を加え、酢酸エチルで
抽出し、有機層を5%炭酸水素ナトリウム溶液、水およ
び食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮する。酢酸エチルを完全
に除去するためにベンゼンを加えてもう一度濃縮する。
得られた油状物質をベンゼン(25ml)に溶かした後、
加熱し、熱転位を行なう。窒素の発生が終わった時点で
ベンジルアルコール(2.74ml、26.5mmol)トリエチルア
ミン(3.90ml、28.0mmol)、を加え、75分間撹拌する。
反応終了後、2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、5%
炭酸水素ナトリウム溶液、水および食塩水で洗浄した
後、乾燥、濃縮する。粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフイーに付して、トルエン−酢酸エチルで生成
すると目的物8(3.99g、13.2mmol)が得られる。(収
率:52.1%)。
元素分析(C17H21NO4として) 計算値(%):C,67.31;H,6.98;N,4.62; 実測値(%):C,67.12;H,6.96;N,4.63 IR(CHCl3)νmax:3400,2950,2880,1718,1505,1453,143
8,1358,1325,1316,1163,1152,1080,1062,1035,1028c
m-1.1 N−NMR(CDCl3−TMS)δppm:1.32〜1.70(m,6H),2.49
(br.s,2H),2.93(dd,J=4.3Hz,J=11.1Hz,1H),3.63
(s,3H),3.97〜4.18(m,1H),5.08(s,2H),6.65〜6.8
3(br.m,1H),7.28〜7.44(m,5H) [α]=+6.1±0.5゜(CHCl3,C=1.010%,23.5
℃) [α]365=+28.5±0.7゜(CHCl3,C=1.010%,23.5
℃) 10%パラジウム−炭素(0.602g)に化合物8(3.87
g、12.8mmol)のメタノール溶液(15ml)を加え常圧、
水素雰囲気下、室温で100分間撹拌して加水素分解を行
なう。反応後、触媒を濾過して除き濃縮する。
窒素雰囲気下で得られた粗生成物に塩化メチレン(10
ml)を加え0℃に冷却する。これにトリエチルアミン
(3.60ml、25.8mmol)と塩化フェニルスルホニル(1.66
ml、13.0mmol)を加え、30分間撹拌する。2N塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出し、5%っ炭酸水素ナトリウム溶
液、水および食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮する。シリカ
ゲルカラムクロマトグラフイーおよび再結晶により精製
すると目的物9(3.20g、10.3mmol)を得る。(収率81.
0%) 融点:112.5〜113.5℃. 元素分析(C15H19NO4Sとして) 計算値(%):C,58.23;H,6.19;N,4.53;S,10,36 実測値(%):C,58.33;H,6.19;,4.45;S,10.08. IR(CHCl3)νmax:3335,3270,2965,2880,1705,1445,143
5,1368,1352,1330,1202,1165,1092,905,758,732,725,69
0,667,586,552cm-1.1 N−NMR(CDCl3−TMS)δppm:1.22〜1.76(m,6H),2.30
(br.s,2H),2.43(br;s,1H),2.64(dd,J=4.8Hz,J=1
0.6Hz,1H),3.51(s,3H),3.66〜3.82(m,1H),6.74
(d,J=8.8Hz,1H),7.42〜7.51(m,3H),7.77〜7.90
(m,2H). [α]=−42.1±0.8゜(CHCl3,C=1.002%,24℃) 窒素雰囲気下、水素化リチウムアルミニウム(1.54
g)のTHF懸濁液(30ml)に化合物9(3.00g、9.70mmo
l)のTHF溶液(30ml)を加える。2時間撹拌後、反応液
に酢酸エチルおよび水を順次加え、過剰の水素化リチウ
ムアルミニウムを分解する。酢酸エチルで3回抽出して
乾燥、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製す
ると目的物10(2.70g)を得る。(収率:99.0%) 融点:97.5〜99.5℃. 元素分析(C14H19NO3Sとして) 計算値(%):C,59.76;H,6.81;N,4.98;S,11,39; 実測値(%):C,59.68;H,6.77;,4.92;S,11.14. IR(KBr)νmax:3640〜3360,3260,2960,2890,1482,146
3,1448,1340,1310,1165,1155,1092,1046,955,755,718,6
88,595,575,549cm-1.1 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:1.16〜2.27(m,10H),3.4
0〜3,56(m,1H),3.62(dABq,Apart,J=5.0,11.0Hz,1
H).3.81(dABq,Bpart,J=9.0,11.0Hz,1H),5.51〜5.78
(br.m,1H),7.46〜7.70(m,3H),7.85〜8.00(m,2
H). [α]=+35.1±0.8゜(CHCl3,C=1.005%,24.0
℃) 化合物10のラセミ体はカイラルカラム(ULTRONES−OV
M)を用いたHPLCにより(+)体と(−)体が分離でき
る。
窒素雰囲気下、PCC(0.700g、3.25mmol)とモレキュ
ラーシーブ(4A粉末、0.703g)の塩化メチレン溶液(15
ml)に化合物10(0.304g、1.08mmol)の塩化メチレン溶
液(5ml)を氷冷下で加える。0℃で45分間撹拌後、30
℃でさらに45分間撹拌する。TLCで反応が終了したこと
を確認してから、シリカゲルを用いて無機物を除き、濃
縮すると化合物11aと化合物11bの混合物が得られる。
(0.301g,定量的)化合物11a:化合物11b=9:1。化合物1
1aは不安定で単離操作中に化合物11bに徐々に変化す
る。1 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:2.58〜2.66(br.m,1H),
2.74〜2.88(m,1H),3.64〜3,78(d,J=7.5Hz,1H),9.4
9(s,1H).(化合物11aに特徴的なシグナルのみ記載) 窒素雰囲気下、化合物11aと化合物11bの混合物(0.55
1g、1.97mmol)のメタノール溶液(3.0ml)にナトリウ
ムメチラート(0.2N/メタノール、1.0ml、0.200mmol)
を加える。室温で60分間撹拌した後、TLCで反応が終了
したことを確認する。反応液を一旦濃縮し、2N塩酸およ
び酢酸エチルで分液後、水洗、乾燥、濃縮すると目的物
11b(0.537g)が得られる。(収率:97.5%) 融点:100〜103℃ 元素分析(C14H17NO3Sとして) 計算値(%):C,60.19:H,6.13;N,5.01;S,11.48; 実測値(%):C,60.08;H,6.09;N,5.11;S,11.41. IR(KBr)νmax:3250,2960,2940,1712,1462,1448,1338,
1325,1158,1145,1128,1090,1080,753,720,682,655,590,
542cm-1.1 H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:1.05〜1.85(m,6H),2.18
〜2.31(m,2H),2.45(d,J=3.6Hz,1H),3.81〜3.94
(m,1H),4.90〜5.05(br.m,1H),7.40〜7.67(m,3H),
7.76〜7.97(m,2H),9.55(s,1H). [α]=47.6±0.9゜(CHCl3,C=1.009%,24.0℃) 化合物11bは化合物4(参考例2(4)で製造される
中間体)と一致するので、以下参考例2(4)および
(5)に従って反応させ化合物7を得ることができる。
化合物7はトロンボキサンA2レセプターアンタゴニス
トとして強い作用を有しており、火傷、外傷、急性膵
炎、心機能障害、失血、敗血症、エンドトキシンなどに
よるショック、血液再潅流後の冠動脈または消火器系動
脈などにおける虚血性ショック、各種の炎症、心筋梗
塞、脳梗塞、肺栓塞、腎不全、狭心症、血栓症、抹消血
管閉塞性循環不全、心不全などの各種臓器の虚血性疾
患、クモ膜下出血後の血管攣縮、癌転移などの防止およ
び治療、臓器移植手術後もしくは血液透析、人工心肺な
どの体外循環中の血栓発生防止、冠動脈再形成手術後の
再狭窄防止などや高血圧、動脈硬化、喘息、アレルギー
疾患の予防および治療に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−19960(JP,A) 特開 平2−250852(JP,A) 特開 平2−180862(JP,A) J.Med.Chem.,14[2 ](1971),175. Bull.Soc.Chim.Ber g.,93[11](1984),999−1003 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/753 C07C 67/08 C07D 521/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: [式中、R1は(1)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
    アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニト
    ロで置換されていてもよいアルキル、(2)アルキル、
    アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、ア
    ルキルアミノまたはニトロで置換されていてもよいアル
    ケニル、(3)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミ
    ノ、ヒドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで
    置換されていてもよいアリールまたは(4)アルキル、
    アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、ア
    ルキルアミノまたはニトロで置換されていてもよいアラ
    ルキルを示す] で表わされる光学活性なジカルボン酸モノエステルなら
    びにその鏡像異性体。
  2. 【請求項2】一般式: [式中、Xは−O−、−S−、−(CH2)m−または (式中、mは0〜4の整数を示し、R2は水素、メチルま
    たはエチルを示す) Yは(CH2)nまたは (式中、nは0〜3の整数を示し、R2は前記と同意義を
    有する) Zは水素、低級アルキルまたはフェニルを示す(ただ
    し、mとnが同時に0である場合を除く)] で表わされる酸無水物Iに、一般式: (式中、M1は水素または金属原子、R5は(1)水素、
    (2)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒド
    ロキシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで置換され
    ていてもよいアルキルまたは(3)アルキル、アルコキ
    シ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルア
    ミノまたはニトロで置換されていてもよいアラルキル、
    Arはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロ
    キシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで置換されて
    いてもよいアリールを示す) で表わされる(R)−または(S)−アリール酢酸誘導
    体を反応させて、一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
    る) で表わされるアリール酢酸モノエステルIIとし、ついで
    該エステルIIをエステル化反応に付してR1を導入した
    後、アリール酢酸誘導体残基を除去するかまたは該エス
    テルIIを一般式: R1OM2 IV (式中、R1は(1)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、
    アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニト
    ロで置換されていてもよいアルキル、(2)アルキル、
    アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、ア
    ルキルアミノまたはニトロで置換されていてもよいアル
    ケニル、(3)メンチル、(4)アルキル、アルコキ
    シ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシアミノ、アルキルア
    ミノまたはニトロで置換されていてもよいアリールまた
    は(5)アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ヒ
    ドロキシアミノ、アルキルアミノまたはニトロで置換さ
    れていてもよいアラルキルを示し、M2はアルカリ金属原
    子またはアルカリ土類金属原子を示す)で表わされる化
    合物IVとの反応に付すことを特徴とする一般式: (式中、R1、X、YおよびZは前記と同意義を有する) で表される光学活性なジカルボン酸モノエステルIIIを
    得る不斉合成法。
  3. 【請求項3】一般式: (式中、R5、X、Y、ZおよびArは前記と同意義を有す
    る) で表される光学活性なアリール酢酸誘導体モノエステル
    II。
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