JP2784652B2 - 水性分散型防汚塗料 - Google Patents

水性分散型防汚塗料

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JP2784652B2
JP2784652B2 JP63215072A JP21507288A JP2784652B2 JP 2784652 B2 JP2784652 B2 JP 2784652B2 JP 63215072 A JP63215072 A JP 63215072A JP 21507288 A JP21507288 A JP 21507288A JP 2784652 B2 JP2784652 B2 JP 2784652B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、漁網、船底、海中構造物に海産付着生物が
付着するのを防止する為の水性分散型防汚塗料に関し、
特に藻類の付着防止に効果があり、浜辺や漁港、漁船上
などの屋外においても使用可能であり、大気汚染などの
環境汚染の心配のない水性分散型防汚塗料に関し、更
に、分子中に4級アンモニウム塩型カチオン基を有する
ラジカル重合性単量体の共重合体を含有してなることを
特徴とする水性分散型防汚塗料に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
従来、漁網、船底、海中構造物への海産物付着防止に
は、一般に有機すず系等の防汚毒物を含有する溶剤型防
汚塗料が用いられている。しかしながらこれら防汚毒物
は、海洋環境の上で極めて有害であるため、近年、無公
害型防汚塗料の出現が嘱望されるに至っている。
このような無公害型防汚塗料に関する提案もいくつか
知られており、例えば、特開昭62−84167号公報には、
(a)第4級アンモニウム塩含有α,β−エチレン性不
飽和単量体1〜55モル%、(b)架橋性官能基を有する
α,β−エチレン性不飽和単量体5〜25モル%、(c)
その他のα,β−エチレン性不飽和単量体20〜94モル%
の共重合体からなる樹脂組成物と、硬化剤からなり、樹
脂中の架橋性官能基量(A)と硬化剤中の官能基量
(B)の当量比が(A)/(B)=70/100〜100/70であ
ることを特徴とする水中汚損防止用塗膜形成組成物、に
関して開示されている。
しかしながら上記提案の水中汚損防止用塗膜形成組成
物は、キシロール、メチルイソブチルケトンなどの有機
溶媒溶液を多量に含有しており、環境衛生上問題を残し
ている。
上記の問題点を解決するため、水性分散型の防汚塗料
も提案されており、例えば特開昭62−232470号公報に
は、 (A)成分: アニオン性樹脂水性エマルジョン 固型分量で100重量部 (B)成分: 一般式 で示されるカチオン系界面活性剤 〔式中、Rは−CH3または−C2H5であり、これらは同一
であっても異なっていてもよく、;R′は炭素数8〜18の
アルキル基であり;Xは−Cl、−Br、−Iより選ばれたハ
ロゲン原子である〕 10〜40重量部 (C)成分: ノニオン系界面活性剤及び/又は両性界面活性剤 20〜50重量部 (D)成分: 可塑剤 0〜15重量部 上記(A)、(B)、(C)および(D)成分が上記
割合で配合されてなる防藻用塗料組成物、に関して記載
されている。
しかしながら上記第2の提案の水性分散型の防汚塗料
は、海洋環境保全を、ある程度満足するものの、海産付
着生物の付着を長期に防止する点で満足するに至ってい
ない。
すなわち、第2の提案は、バインダーとなる主ポリマ
ーに、防汚成分として本質的に水溶性であるカチオン系
界面活性剤を、単にブレンドしたもので、従って海中浸
漬初期の段階で防汚成分である該カチオン系界面活性剤
の中のかなりの量が溶出し、防汚効果の持続性に難があ
った。
本発明者等は、かかる現状に鑑み、持続性を有する無
公害型水性分散型防汚塗料を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、特定のラジカル重合性単量体の共重合体を含有
してなる水性分散物を用いることによって所期の目的を
達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、分子中に4級アンモニウム塩型カチオン基
を有する共重合体を含有してなる防汚塗料において、該
防汚塗料が、下記単量体(a)〜(c)、 (a)下記一般式、 (式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖もしくは分枝アル
キル基又はアルケニル基、R2およびR3は炭素原子数1〜
3のアルキル基、R4は水素原子又はメチル基を示し、Y
は一価の陰イオンを示す)で示される分子中に4級ア
ンモニウム塩型カチオン基を有し、カチオン性界面活性
剤としての作用を有するラジカル重合性単量体8〜20重
量%(全単量体中)、 (b)下記一般式、 (式中、R5は水素原子又はメチル基、R6はC≡N、 で、R7は水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基、
R8,R9はそれぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基を示
す。) で表されるエチレン系単量体60〜92重量%(全単量体
中)、並びに、 (c)アクリル酸又はメタクリル酸のアミド類、アクリ
ル酸又はメタクリル酸アミド類のメチロール化物とその
誘導体、アクリル酸又はメタクリル酸とエポキシ基を有
するアルコールとのエステル類、アクリル酸又はメタク
リル酸のヒドロキシアルキルエステル類、及び、シラン
カップリング剤から選ばれる官能基含有単量体(但し、
2個以上の非共役性不飽和基を有する交叉結合性単量体
を除く)0〜5重量%(全単量体中)、 を乳化共重合して得られるガラス転移点が−10〜+15℃
の範囲内の共重合体のエマルジョンのみを必須成分とし
てなることを特徴とする海産付着生物の付着防止用水分
散型防汚塗料に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用する、分子中に4級アンモニウム塩型カ
チオン基を有し、カチオン性界面活性剤として作用する
ラジカル重合性単量体(a)(以下、カチオン性単量体
と略称することがある) としては、下記一般式、 (式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖もしくは分枝アル
キル基又はアルケニル基、R2およびR3は炭素原子数1〜
3のアルキル基、R4は水素原子又はメチル基を示し、Y
は一価の陰イオンを示す。) で表わされる化合物である。このようなカチオン性単
量体の具体例としては、3−アリロキシ−2−ヒドロキ
シプロピルジメチルステアリルアンモニウムクロライ
ド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチル
ラウリルアンモニウムクロライド、3−メタリロキシ−
2−ヒドロキシプロピルジメチルパルミチルアンモニウ
ムクロライド等のアリロキシ基又はメタリロキシ基含有
カチオン性単量体;等を例示できる。これらのカチオン
性単量体(a)はそれぞれ単独で、又は、2種以上混合
して用いることができる。またその使用量は、全単量体
中8〜20重量%であり、好ましくは10重量%を超え、15
重量%以下である。該使用量が該上限値を超えて多過ぎ
ては、水性分散型防汚塗料の製造が困難となり、得られ
る塗料の貯蔵安定性や機械安定性も不十分となりがちと
なるので好ましくない。また該下限値未満と少な過ぎて
は、防汚効果不十分となるので好ましくない。
本発明においては、前記カチオン性単量体(a)と共
に、これと共重合可能な下記一般式で表されるエチレ
ン系単量体(b)が主成分量用いられる。
(式中、R5は水素原子またはメチル基、R6はC≡N、 で、R7は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
基、R8,R9はそれぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基を
示す。) これらの単量体としては、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、イソノニルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート等
の如きアクリル酸のアルキルエステル系単量体;例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリ
レート等の如きメタクリル酸のアルキルエステル系単量
体;例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、エチルビニルベンゼン等の如き芳香族ビニル系
単量体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ
ーサチック酸ビニル等の如き飽和脂肪酸ビニル系単量
体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
の如きシアン化ビニル系単量体;等を例示することがで
きる。
上記の一般式で表されるエチレン系単量体(b)の
使用量は、本発明に係る共重合体を得るのに用いられる
全単量体中、60〜92重量%であり、好ましくは70重量%
以上、90重量%未満である。
また漁網等の被塗物への密着向上、被膜強度および耐
水性向上等、得られる共重合体の改質を目的に官能基含
有単量体(c)を共重合することも可能である。
このような官能基含有単量体(c)としては、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド等の如きアクリル酸またはメタクリル酸の
アミド類;例えばN−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、メチロール化ジアセトン
アクリルアミド、および、これらの単量体と炭素原子数
1〜8個のアルコール類とのエーテル化物(例えば、N
−イソブトキシメチルアクリルアミド)等の如きアクリ
ル酸またはメタクリル酸アミド類のメチロール化物及び
その誘導体;例えばグリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等の如きアクリル酸またはメタクリル
酸とエポキシ基を有するアルコールとのエステル類;例
えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート等の如きアクリル酸またはメタクリル酸のヒド
ロキシアルキルエステル類;ビニルトリメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤;等の単量体群(例えば、ジビニルベン
ゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ア
リルメタクリレート等の如き2個以上の非共役性不飽和
基を有する単量体を除く)を挙げることができる。
上記官能基含有単量体(c)は、それぞれ単独で、ま
たは、2種以上混合して用いることができ、その使用量
は、全単量体中0〜5重量%の範囲である。該官能基含
有単量体(c)は、5重量%以下の量共重合することに
よって、重合反応上の問題も少なく得られる共重合体の
成膜性も優れているので、5重量%以下の量範囲内で適
宜選択して用いるのがよい。
本発明に係る共重合体は、前記一般式で示されるカ
チオン性単量体(a)、前記一般式で示されるエチレ
ン系単量体(b)及び必要に応じて用いられる前記官能
基含有単量体(c)を共重合してなるものである。
上記の共重合の方法としては、本発明の目的物たる水
性分散型防汚塗料の得易さの観点から乳化重合方法が採
用される。
本発明に係る共重合体を乳化重合により製造するに際
しては、前記一般式のカチオン性単量体(a)が、カ
チオン性界面活性剤として作用するため、通常の乳化重
合において用いる界面活性剤を必ずしも必要とするもの
ではないが、重合反応性の良さや得られる共重合体エマ
ルジョン中のカスの少なさ(以下、乳化重合反応適正と
略称することがある)、該エマルジョンの機械的安定性
や貯蔵安定性等(以下、エマルジョン安定性と略称する
ことがある)の良さ、及び、得られる防汚塗料を用いた
場合の防汚持続性の良さなどの観点から界面活性剤と併
用するのが好ましい。
上記の界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤類
として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シアルキレンオレイルエーテル等の如きポリオキシエチ
レンのアルキルもしくはアルケニルエーテル類;例え
ば、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等の如き
ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類;
例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタントリオレエート等の如きソルビ
タン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート等の如きポリオキシアルキレン
ソルビタン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチ
レンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレ
ート等の如きポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類;
例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モ
ノグリセライド等の如きグリセリン脂肪酸エステル類;
例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・
ブロックコポリマー;等を例示することができ、カチオ
ン性界面活性剤類としては、例えば、ラウリルアミンア
セテート等のアルキルアミン塩;例えば、ウラリルトリ
メチルアンモニウムクロライド、セチルベンジルジメチ
ルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩;
例えば、セチルピリジウムブロマイド等のピリジウム塩
系;等を、また両性界面活性剤類としては、例えば、ラ
ウリルベタインなどのアルキルベタイン、N−ラウリル
グリシン等のN−アルキルアミノ酸;N−アルキルアミノ
アルコール硫酸エステル;N−アルキルアミノアルコール
リン酸エステル;N−アルキルアミノアルコールスルホン
酸エステル等を挙げることができる。また、これらの界
面活性剤のアルキル基の水素の一部をフッ素で置換した
ものも使用可能である。
界面活性剤の使用量としては、単量体(a)〜(c)
の全量100重量部に対して、通常約0.1〜約10重量部用い
られ、乳化重合反応適性、エマルジョン安定性及び、得
られる防汚塗料の防汚持続性等の観点約0.5〜約6重量
部用いるのが好ましく、約0.5〜約4重量部用いるのが
特に好ましい。
また前記乳化重合においては、必要に応じて保護コロ
イドを併用することもできる。このような保護コロイド
の例としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニル
アルコール等のポリビニルアルコール類;例えば、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス等のセルロース誘導体;及び、例えば、グアーガムな
どの天然多糖類;などがあげられ、これらは、単独でも
複数種併用の態様でも利用できる。その使用量は適宜に
選択でき、例えば、使用する単量体(a)〜(c)の全
量100重量部に対して、0〜約10重量部の如き使用量を
例示することができる。
本発明に用いる重合開始剤は通常のカチオン乳化重合
に用いる重合開始剤で良い。このような重合開始剤とし
ては、例えば、ターシャリブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイ
ドロパーオキサイドなどの如き有機過酸化物類;過酸化
水素;アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾビス系化合
物;などを使用することができる。これら重合開始剤も
一種もしくは複数種併用のいずれの態様でも利用でき
る。その使用量は適宜選択でき、使用する単量体(a)
〜(c)の全量100重量部に対して、例えば、約0.05〜
約1重量部、より好ましくは約0.1〜約0.7重量部、とく
には約0.1〜約0.5重量部の如き使用量を例示することが
できる。
また、乳化重合に際して、所望により、還元剤を併用
することができる。その例としては、アスコルビン酸、
酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;チ
オ硫酸ソーダ、亜硫酸ソーダ、重亜硫酸ソーダ、メタ重
亜硫酸ソーダ等の還元性無機化合物を例示できる。その
使用量は適宜選択でき、例えば、使用する単量体(a)
〜(c)の全量100重量部に対して、約0.05〜約1%の
如き使用量を例示することができる。
前記の乳化重合における重合温度は、一般に、20〜10
0℃、好ましくは40〜90℃、特に好ましくは60〜90℃程
度の温度が採用し得る。
かくして得られる共重合体エマルジョンの固形分は、
特に限定されないが、生産性と製造の容易さより約30〜
約65重量%であるのが好ましい。またその粘度は同様の
理由により10000cps.(回転粘度計、25℃、20R.P.M.)
以下であるのが好ましく、pHはエマルジョン安定性、得
られる防汚塗料の防汚持続性の優秀さ等の観点よりpH2
〜8の範囲であるのが好ましい。さらに、該エマルジョ
ン中の共重合体の分散粒子の平均粒子径は、一般に0.02
〜2μであり、得られる防汚塗料の防汚持続性の優秀さ
の観点より、0.02〜0.5μ、特には、0.02〜0.2μである
のがよい。
なお、本発明において、共重合体エマルジョン中の共
重合体平均粒子径は下記の如くDLS法により測定決定さ
れた値である。
平均粒子径の測定法: 共重合体エマルジョンを蒸留水で5万〜15万倍に希釈
し、十分に攪拌混合した後、21mmφガラスセル中にパス
ツールピペットを用いて約10ml採取し、これを動的光散
乱光度計DLS−700〔大塚電子(株)製〕の所定の位置に
セットし、以下の測定条件下で測定する。
測定条件 測定温度 25±1℃ クロックレート(Clock Rate) 10μsec コレレーション チャンネル(Core.Channel) 512 積算測定回数 200回 光散乱角 90° 上記の測定結果をコンピュータ処理して平均粒子径を
求める。
更にまた、本発明に係る共重合体のガラス転移点(以
下、Tgと略記することがある)は、−15〜+30℃、特に
は、−10〜15℃の範囲内であるのが好ましい。Tgが該下
限値以上では、得られる防汚塗料の塗膜の手触タックが
比較的小さいため、漁網等の被塗物への塗工作業性が優
れており、また、Tgが該上限値以下では、得られる被塗
物の運搬や使用に際して塗膜の割れ、脱落等が起りにく
いので、共重合体として該Tg範囲内のものを用いるのが
好ましい。
なお、本発明において、共重合体のガラス転移点(T
g)は、下記のようにDSC法により測定決定された値であ
る。
ガラス転移点測定法: セルに共重合体エマルジョン試料約10mgを秤取し、10
0℃で2時間乾燥したものを測定試料とする。島津製作
所製DT−30型示差走査熱量計(Differential Scanning
Calorimeter)を用い、−80℃から昇温速度20℃/min.で
測定決定する。なお、キャリヤー・ガスとしては窒素ガ
スを20cc/min.の流量で使用して測定を行なう。
本発明においては、例えば前記の如く乳化共重合によ
って得られた共重合体エマルジョンをそのまま単独で、
または、必要に応じて、例えば、ポリビニルアルコール
類、セルロース誘導体、特殊界面活性剤類等の増粘剤;
例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル酢酸
エステル等のエーテルエステル系溶媒、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等の
造膜助剤;等を適宜加えることによって水性分散型防汚
塗料とすることができる。本発明の水性分散型防汚塗料
としては、pH2〜9、粘度10〜10000cps.(回転粘度計、
25℃、20R.P.M.)、最低造膜温度10℃以下(好ましく
は、約0℃)程度のものであることが、被塗物への塗工
作業性の観点から好ましい。
更に本発明の防汚塗料には、必要に応じて、例えば、
アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウ
レタン系樹脂などの架橋剤;例えば、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、ガラス
粉末等の無機質充填剤;例えば、酸化チタン、カーボン
ブラック、フタロシアニンブルー等の有機または無機の
着色剤;例えば、ジオクチルフタレート等のフタル酸エ
ステル系、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステ
ル系等の可塑剤;老化防止剤;紫外線吸収剤;光安定
剤;防腐剤;等を添加してもよい。
かくして得られた水性分散型防汚塗料の乾燥皮膜は、
防汚成分の前記一般式のカチオン性単量体が共重合に
より共重合体中に組み込まれているので、海中浸漬時の
防汚成分の溶出が少なく、かつ徐々である為、本質的に
水溶性のカチオン性あるいは両性防汚成分を単にブレン
ドしたものと違い、漁網等への海産付着生物の付着を長
期にわたって防止できる。
〔実施例〕
以下に実施例、比較例をもって本発明を一層具体的に
説明する。
なお、本実施例における各種試験方法は次の通りであ
る。
i)フィルム水浸漬試験 試料の水性分散型防汚塗料を離型紙上に塗布、25℃×
2日乾燥により厚み約0.2μの皮膜を作成し、次いで水
道水中に所定期間浸漬した後、皮膜とり出し、乾燥減量
から浸漬前の皮膜重量を100とした時の、浸漬後の皮膜
重量を求めた。
ii)耐水性 試料の水性分散型防汚塗料をガラス板にフィルム厚み
約50μになる様に塗布し、25℃×1日乾燥した。次いで
水道水中に24時間浸漬し、白化の度合をみた。
評価基準は次のとおりである。
○ → わずかに白化 △ → 少し白化 × → 激しく白化 iii)海中浸漬試験 試料の水性分散型防汚塗料を塗布量が網重量100重量
部に対し、4〜6重量部になる様、デッピング法にて塗
布した。
次いで、海中に所定時間浸漬し、藻の発生状態を観察
した。
評価基準は次のとおりである。
○ → わずかに藻が発生 △ → 少し藻が発生 × → 激しく藻が発生 実施例−1 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備え
たフラスコ中に脱イオン水56重量部を入れ、系内を窒素
ガス置換し、75℃に昇温する。
次いであらかじめ作成した2−エチルヘキシルアクリ
レート44重量部、スチレン45重量部、3−アリロキシ−
2−ヒドロキシプロピルジメチルステアリルアンモニウ
ムクロライドの約25重量%水溶液〔ラテムルK−180
(商品名):花王石鹸(株)〕44重量部、ノニオン系界
面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルフェノールエー
テル)(HLB約18)〔エマルゲン−950(商品名):花王
石鹸(株)〕1.8重量部、脱イオン水52重量部より成る
単量体乳濁液と2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩の2%水溶液11重量部を、攪拌されている
フラスコ内に、2時間かけ滴下する。
得られた共重合体エマルジョンは、固形分約40重量
%、pH3.5、粘度200cps.(回転粘度計、25℃、20R.P.
M.:以下同様)であり、エマルジョン安定性に優れてい
た。また、エマルジョン中の共重合体の平均粒子径は約
0.12μ、共重合体のTgは約−6℃であった。この共重合
体エマルジョンをそのまま水性分散型防汚塗料として用
いて、各種試験を行なった。結果を表−1に示す。
実施例2〜4 実施例1において、2−エチルヘキシルアクリレート
44重量部、スチレン45重量部の代りに、表−1に示す単
量体(b)を用いる以外は同様にして共重合体エマルジ
ョンを得、以下同様にして各種試験を行なった。結果を
表−1に示す。
実施例5〜9 実施例1において、スチレンの使用量を43重量部とす
るとともに表−1に示す官能基含有単量体(c)を2重
量部用いる以外は同様にして共重合体エマルジョンを
得、以下同様にして各種試験を行なった。なお、実施例
9では、官能基含有単量体(c)として、3−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン〔KBM−503(商品
名):信越化学工業(株)〕を用いた。結果を表−1に
示す。
実施例10,11 実施例2において、メチルメタクリレートとブチルア
クリレートの使用量を変える以外は同様にして共重合体
エマルジョンを得、各種試験を行なった。結果を表−1
に示す。
比較例1 実施例1において、カチオン性単量体(a)水溶液で
あるラテムルK−180(商品名)を用いず、単量体とし
ては2−エチルヘキシルアクリレート49重量部及びスチ
レン51重量部を用い、カチオン系界面活性剤ステアリル
トリメチルアンモニウムクロライドの約62重量%水溶液
〔コータミン86Pコンク(商品名):花王石鹸(株)〕2
0重量部を用い、且つ、脱イオン水の使用量を変える以
外は同様にして単量体乳濁液を作成し、以下同様にして
共重合体エマルジョンを得、各種試験を行なった。結果
を表−1に示す。
比較例2 比較例1において、カチオン系界面活性剤コータミン
86Pコンク(商品名)20重量部の代りに、ノニオン系界
面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルフェノールエー
テル)(HLB約13)〔エマルゲン910(商品名):花王石
鹸(株)〕1.8重量部を用い、且つ、脱イオン水の使用
量を変える以外は同様にして単量体乳濁液を作成し、以
下同様にして共重合体エマルジョンを得た。この共重合
体エマルジョンは、粘度100cps、pH2.5、固形分約45重
量%、平均粒子径約0.15μであった。この共重合体エマ
ルジョン231重量部を水29重量部で希釈して固形分40重
量%とし、実施例1と同様にして各種試験を行なった。
結果を表−1に示す。
比較例3,4 比較例2で得られた共重合体エマルジョン231重量部
に、次いでそれぞれ、カチオン系界面活性剤コータミン
86Pコンク(商品名)20重量部(共重合体及び該カチオ
ン系界面活性剤の固形分の合計100重量部に対して、カ
チオン系界面活性剤が固形分で約11重量部)と水40重量
部、カチオン性単量体(a)水溶液ラテムルK−180
(商品名)49重量部(共重合体及び該カチオン性単量体
の合計100重量部に対して、カチオン性単量体が約11重
量部)と水10重量部を後添加して防汚塗料とする以外は
実施例1と同様に各種試験を行なった。結果を表−1に
示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に4級アンモニウム塩型カチオン基
    を有する共重合体を含有してなる防汚塗料において、該
    防汚塗料が、下記単量体(a)〜(c)、 (a)下記一般式、 (式中、R1は炭素原子数8〜22の直鎖もしくは分枝アル
    キル基又はアルケニル基、R2およびR3は炭素原子数1〜
    3のアルキル基、R4は水素原子又はメチル基を示し、Y
    は一価の陰イオンを示す)で示される分子中に4級ア
    ンモニウム塩型カチオン基を有し、カチオン性界面活性
    剤としての作用を有するラジカル重合性単量体8〜20重
    量%(全単量体中)、 (b)下記一般式、 (式中、R5は水素原子又はメチル基、R6はC≡N、 で、R7は水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基、
    R8,R9はそれぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基を示
    す。) で表されるエチレン系単量体60〜92重量%(全単量体
    中)、並びに、 (c)アクリル酸又はメタクリル酸のアミド類、アクリ
    ル酸又はメタクリル酸アミド類のメチロール化物とその
    誘導体、アクリル酸又はメタクリル酸とエポキシ基を有
    するアルコールとのエステル類、アクリル酸又はメタク
    リル酸のヒドロキシアルキルエステル類、及び、シラン
    カップリング剤から選ばれる官能基含有単量体(但し、
    2個以上の非共役性不飽和基を有する交叉結合性単量体
    を除く)0〜5重量%(全単量体中)、 を乳化共重合して得られるガラス転移点が−10〜+15℃
    の範囲内の共重合体のエマルジョンのみを必須成分とし
    てなることを特徴とする海産付着生物の付着防止用水分
    散型防汚塗料。
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