JP2772699B2 - 真空熱処理装置 - Google Patents
真空熱処理装置Info
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- JP2772699B2 JP2772699B2 JP5579890A JP5579890A JP2772699B2 JP 2772699 B2 JP2772699 B2 JP 2772699B2 JP 5579890 A JP5579890 A JP 5579890A JP 5579890 A JP5579890 A JP 5579890A JP 2772699 B2 JP2772699 B2 JP 2772699B2
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Description
込んで真空脱脂に用いるのに適する装置に関する。
性を改善するために溶剤を用いて被処理物の脱脂洗浄が
行われてきたが、公害規制や、コストの面から近年真空
脱脂が多く利用されるようになってきた。しかし、従来
の真空脱脂技術には以下のような欠点があった。
で付着した油脂類を分離、除去することは真空中で加熱
することによって達成できるが、ワークから蒸発して出
てきた油の蒸気は低温の周囲壁面に付着して凝結し、そ
れが滴下して再びワークを汚すことになる。このため、
従来は脱脂室の内面を積極的に加熱して油の付着を防止
したり、排気系の途中に油トラップを設けて油を除去す
る手段がとられてきた。
ら次工程のろう付室に拡散してしまうので、これを防止
するために脱脂室を複数設けなければならない。油蒸気
拡散の防止を確実なものとするためには必然的に脱脂室
の室数を増やさなくてはならず、装置のイニシアルコス
トが高くなる要因となっていた。
と、脱脂のためにはワークをある程度の温度まで加熱し
なければならないので、その温度に達するまでの時間が
必要となる。そのため、インライン型装置、すなわち前
後に前工程室及び次工程室を設けて、内部の圧力を変動
させずに半連続的に処理できるようにした装置において
は、脱脂室で要する時間が全体のサイクルタイムを律速
することになり、生産性が悪くなるという欠点があっ
た。
で十分に油蒸気などが次工程室へ拡散していくのを防止
でき、サイクルタイムも短い、真空脱脂などに適する真
空熱処理装置を提供することを目的としている。
扉を設け、複数の被処理物を加熱するための加熱手段を
内部に設け、該内部に設けられた移送手段で前記被処理
物を前記搬入扉側から前記搬出扉側へ移送するようにし
た真空熱処理装置において、前記被処理物の上方の壁部
の前記搬出扉近傍に少なくとも1つのガス導入口を設
け、下方の壁部の前記搬入扉近傍にガス排出口を設ける
ことによって、ガスを前記被処理物の上方から下方へ、
かつ前記搬出扉側から前記排入扉側へと流すようにした
ことを特徴とする真空熱処理装置、によって達成され
る。
ガスが上から下へ流れると同時に被処理物の移送方向と
対向して流れるので、一室だけで十分に油蒸気などが次
工程室へ拡散していくのを防止することができ、装置の
イニシアルコストを低くすることができる。
施例について図面を参照して説明する。
る。
で示されるが、周囲は断熱性の壁(2)で筒状に構成さ
れ、一端は開閉自在な気密な搬入扉(3)を介して準備
室(5)に接続し、他端は気密な搬出扉(4)を介して
次工程のろう付室(6)に接続している。脱脂室(10)
内の上方にレール(7)が設けられ、その上を移動する
台車(8)によってワーク(16)を載せたキャリアフレ
ーム(9)を第1図において矢印Aで示すように左から
右の方向へと搬送する。脱脂室(10)の上方の壁(2a)
に複数のキャリアガスの導入口(11a)〜(11e)を設け
るが、少なくともそのうちの1つ(11a)は搬出扉側の
ワーク(16a)と搬出扉(4)との間の上方に位置する
ようにする。その他の導入口(11b)〜(11e)はそれぞ
れ台車(8a)〜(8d)の上方に位置するようにする。
又、下方の壁(2b)の、搬入扉側のワーク(16h)と搬
入扉(3)との間に位置する場所にキャリアガスの排出
口(12)を設け、バルブ(13)を介して図示しない真空
ポンプによって排気する。
4)が内壁に設けられているが、ワーク(16a)〜(16
h)の移送方向に沿って2つのヒータ(14a)(14b)に
分割されており、それぞれが独立して温度制御できるよ
うになっている。又、これらとは別に台車(8a)〜(8
d)を加熱するためのヒータ(15)が上方の側壁に設け
られる。
を示す図を第3図に示す。
であり、レール(7)、台車(8a)〜(8d)及びヒータ
(15)を収納する比較的狭い搬送室(10a)と、これに
続いて下方へ斜めに広がる加熱室(10b)とから成る。
ク(16a)〜(16h)を処理するのであるが、ワークは例
えば板状の熱交換器で、第4図に模式的に示すように配
管Pと配管Pとの間をガスが通過するような構造であ
る。このワーク(16)をキャリアフレーム(9)に積載
し、このキャリアフレーム(9)を1台ずつ順に搬入扉
(3)から搬入、台車(8a)〜(8d)で搬送して、フレ
ーム(16)の板状の面が搬入扉(3)あるいは搬出扉
(4)に平行になるように設置した。
空ポンプによって排気を続けながら、導入口(11a)〜
(11e)からキャリアガスを導入した。キャリアガスの
流れを模式的に第2図に示すが、ガスは上方の導入口
(11a)〜(11e)から下方へ、かつ、搬出扉(4)の側
から搬入扉(3)の近くの排出口(12)へと向かって流
れる。第3図の縦断面図で見ると、台車(8d)の上方の
導入口(11e)から導入されたキャリアガスは内壁面(2
c)に沿って台車(8d)やレール(7)の周囲を包むよ
うに流れて下方の加熱室(10b)へ入り、排出口(12)
へと向かう。
(16a)〜(16h)を加熱するとワーク(16a)〜(16h)
に付着している油脂等が蒸発してくるが、キャリアガス
は上述したように上から下へ流れるので、油蒸気は上方
の搬送室(10a)の方へ流れることはない。又、第5A図
に簡単な模式図として示したように、ワーク(16)は扉
(3)(4)に平行、すなわち搬出扉(4)の側から搬
入扉(3)の側へ流れるキャリアガスの流れに対して垂
直の方向に配置されているので、キャリアガスはワーク
(16)の中を通過していき、ワーク(16)から出る油蒸
気を効率良く除去する。第5B図は比較のための従来のワ
ーク(16′)の配置例であるが、この場合、ワーク(1
6′)は搬出扉(4)の側から搬入扉(3)の側へ流れ
るガスの流れに平行に配置されているので、ガスはワー
ク(16′)の表面だけを流れて、中をあまり通過しない
ので、油蒸気除去の効果が良くなかったものである。
るので、1段目のヒータ(14b)をワーク(16a)〜(16
h)の脱脂温度よりも高い温度T1に設定し、2段目のヒ
ータ(14a)は所望の最適脱脂温度T2に設定した。この
ように1段目の温度を高くすることによって、ワーク
(16e)〜(16h)を急速に加熱して所望の温度T2に短時
間で至らせることができた。第6図に模式的に示すよう
に、ヒータ(14a)と(14b)との間にリフレクター(1
7)を設けても良く、これによってそれぞれの温度設定
を容易に行うことができる。
の設定温度と、ワーク(16)が移動していくにつれて上
昇する温度との関係を示す。ワーク(16)は第1図の
(16g)(16h)の位置(サイクルタイムAの初め)から
順に搬出扉(4)へ向かって搬送されていき、最後に
(16a)(16b)の位置(サイクルタイムC)に至るが、
その間、高い温度T1に設定されたヒータ(14b)によっ
て急速に加熱され、所望温度T2に設定されたヒータ(14
a)によって最適な温度T2まで加熱される。処理の終わ
ったワーク(16a)(16b)が搬出扉(4)から搬出され
ると同時に新しいワークが搬入扉(3)から搬入され
る。このようにワーク(16)を積載した複数のキャリア
フレーム(9)を順次脱脂室(10)に搬入して効率良く
処理することができる。
(14a)と(14b)との間に設けられていると、高い温度
T1に設定されたヒータ(14b)の熱がリフレクター(1
7)で反射されて、低い温度T2に設定されたヒータ(14
a)の方に影響を与えず、上記のようにワークの温度を
スムーズに上昇させることができる。リフレクター(1
7)が設けられていない場合には第7B図に示すように、
ワーク(16)は低い温度領域(T2)に移動した後も度い
温度領域(T1)からの輻射熱の影響を受けて、昇温カー
ブに(a)で示すようにワークの温度が所定温度より上
がり過ぎてしまう。このような場合にはT1とT2との温度
差を小さくしたり、加熱部の数を多くしたりしなければ
ならないが、本発明のワークを急速に加熱するという効
果が小さくなってしまう。
油がワーク(16e)〜(16h)から蒸発、離脱し、脱脂室
(10)内へ出てきた。Cにあるワーク(16a)(16b)は
脱脂室(10)から出て行く直前のもので脱脂が完了して
いるので、油で再汚染されるのを防止しなければならな
い。キャリアガスは搬出扉(4)のすぐ近くの導入口
(11a)からも導入されて、搬入扉(3)近傍の下方の
排出口(12)から排気されるのに吸い込まれる形で、ワ
ーク(16a)〜(16h)の移送方向に対向して油蒸気を押
し流して行くので、ワーク(16a)(16b)は再汚染され
ることがなかった。又、搬出扉(4)を開けてキャリア
フレーム(9)を次工程のろう付室(6)へ搬出する際
に油蒸気がろう付室(6)へ拡散して行くこともなかっ
た。従って、脱脂室は従来のように複数室設ける必要は
なく、一室だけで十分に脱脂済みワークの再汚染防止、
油蒸気の次工程室への拡散防止を達成することができ
た。
脂室(10)内の圧力分布はA<B<Cとなっている。
油蒸気を押し流すのに必要な量であればよいが、多過ぎ
ると、ランニングコストが高くなるので、脱脂室(10)
内の圧力が0.1〜10Torrの範囲になるように流量を設定
した。
とは別個にヒータ(15)が搬送室(10a)に設けられて
おり、レール(7)及び台車(8a)〜(8d)が加熱され
ている。従ってキャリアガスが上方の導入口(11a)〜
(11e)から内壁面(2c)に沿って下方へと流れるのと
相俟って、ワーク(16)から出る油蒸気がレール(7)
や台車(8)に付着するのを確実に防止できた。ヒータ
(15)の加熱温度は、油が台車(8a)〜(8d)等に付着
して凝結するのを防ぐのに十分であればよく、ヒータ
(14a)の温度T2より低い。
a)と加熱室(10b)とに分けられ、キャリアガスが内壁
面(2c)に沿ってスムーズに下方へ流れるようになった
ので、油蒸気がどこにも付着しなくなった。従来は第3
図で点線で示すように、断面形状において脱脂室が長方
形の一室だけだったので、点線の斜線で示す部分のデッ
ドスペースで油蒸気が逆流してそこに付着していたので
あるが、本発明においてはそれがなくなった。
明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に
基づき、種々の変形が可能である。
1e)はキャリアフレーム(9)を停止した時にそれぞれ
が台車(8a)〜(8d)の上方に位置するように設けた
が、代りに導入管をレール(7)に沿ってその上方に設
け、導入管に多数あけた孔からレール(7)及び台車
(8a)〜(8d)に向けてキャリアガスを導入しても良
い。
あるが、脱脂室(10)の大きさとキャリアフレーム
(9)の数によって、より多数に分けても良い。
して用いたが、加熱及び不純ガス等の除去を目的とする
ものであれば他の一般炉にも使用でき、例えばろう付装
置にも適するものである。
効果を有する。
移送方向と対向して流れ、又、その移送方向と対向する
流れが中を通過するように被処理物が配置されるので、
被処理物から発生する油蒸気等が効率良く除去される。
又、処理室は一室だけで十分に油蒸気等が次工程室へ拡
散していくのを防止することができ、又、処理された被
処理物が再汚染されるのを防止することができる。
トを低くすることができる。
内を移動する間に入口付近では高温で加熱され、最終的
に最適処理温度で加熱されるので、被処理物の温度は急
速に上昇して、早く処理温度に達する。従ってそれぞれ
の被処理物については処理温度にある時間を十分にとる
ことができ、多数の被処理物を次々に処理できるので、
生産コストを低くすることができる。しかもサイクルタ
イムは短かくできる。
へ搬送機を包むようにスムーズに流れ、しかも搬送機が
加熱されるので、処理室で被処理物から発生する油蒸気
等の不純ガスが搬送機に付着するのを防止することがで
きる。
図は実施例におけるキャリアガスの流れを模式的に示す
図、第3図は第1図のI−I線における縦断面図、第4
図は実施例のワークをキャリアガスが通過する様子を示
す図、第5A図は本実施例のワークの配置、第5B図は従来
のワークの配置を模式的に示す図、第6図は実施例のヒ
ータ、ワーク、リフレクターの配置を模式的に示す図、
第7A図はリフレクターを設けた場合の処理室内における
ヒータの設定温度と、ワークの温度上昇との関係を示す
グラフ、第7B図はリフレクターを設けない場合のグラフ
である。 なお、図において、 (1)……真空脱脂装置 (3)……搬入扉 (4)……搬出扉 (8a)〜(8d)……台車 (10)……脱脂室 (11a)〜(11e)……導入口 (12)……排出口 (14a)(14b)(15)……ヒータ (16a)〜(16h)……ワーク
Claims (7)
- 【請求項1】一端に気密な搬入扉、他端に気密な搬出扉
を設け、複数の被処理物を加熱するための加熱手段を内
部に設け、該内部に設けられた移送手段で前記被処理物
を前記搬入扉側から前記搬出扉側へ移送するようにした
真空熱処理装置において、前記被処理物の上方の壁部の
前記搬出扉近傍に少なくとも1つのガス導入口を設け、
下方の壁部の前記搬入扉近傍にガス排出口を設けること
によって、ガスを前記被処理物の上方から下方へ、かつ
前記搬出扉側から前記搬入扉側へと流すようにしたこと
を特徴とする真空熱処理装置。 - 【請求項2】前記加熱手段がそれぞれ独立して温度制御
される複数の加熱部から成り、該加熱部の加熱温度は前
記搬入扉側では前記被処理物の処理温度よりも高く、前
記移送の方向に沿って次第に低下させ、前記搬出扉の側
では前記処理温度になるようにした請求項(1)に記載
の真空熱処理装置。 - 【請求項3】前記複数の加熱部の境界に反射板を設け、
高い温度に設定された加熱部の熱が低い温度に設定され
た他の加熱部に輻射されないようにした請求項(2)に
記載の真空熱処理装置。 - 【請求項4】前記被処理物が前記ガスの流れを通過させ
る構造であり、これを前記搬出扉側から前記搬入扉側へ
と流れる前記ガス流の方向に垂直に配置して、前記ガス
流が前記被処理物の中を通過するようにした請求項
(1)(2)及び(3)のいずれかに記載の真空熱処理
装置。 - 【請求項5】前記移送手段が前記上方壁部に取付けられ
た搬送機であり、該搬送機の上方に前記ガス導入口を設
けた請求項(1)(2)(3)及び(4)のいずれかに
記載の真空熱処理装置。 - 【請求項6】内部壁面が、前記搬送機を収納する比較的
狭い搬送室と、これに接続して下方へ次第に広がる前記
被処理物を加熱するための加熱室とを構成し、前記ガス
導入口から導入されたガスが前記内部壁面に沿って前記
ガス排出口へ流れるようにした請求項(5)に記載の真
空熱処理装置。 - 【請求項7】前記搬送機の近傍に該搬送機を加熱するた
めの加熱手段を別に設けた請求項(5)又は(6)に記
載の真空熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5579890A JP2772699B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | 真空熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5579890A JP2772699B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | 真空熱処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03258458A JPH03258458A (ja) | 1991-11-18 |
JP2772699B2 true JP2772699B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=13008934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5579890A Expired - Lifetime JP2772699B2 (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | 真空熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2772699B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2516048B1 (en) * | 2009-12-24 | 2019-10-02 | LG Innotek Co., Ltd. | Heat treatment container for vacuum heat treatment apparatus |
JP5801047B2 (ja) | 2010-01-19 | 2015-10-28 | 有限会社ヨコタテクニカ | リフロー半田付け装置及び方法 |
DE112011104460B4 (de) * | 2010-12-20 | 2023-10-12 | Yokota Technica Limited Company | Aufschmelzlötvorrichtung mit druckreduktionskammer |
-
1990
- 1990-03-07 JP JP5579890A patent/JP2772699B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03258458A (ja) | 1991-11-18 |
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